以下、本発明の実施形態に係るマットレス100について図面を参照して説明する。図1はマットレス100の斜視図であり、図2は、マットレス100の分解斜視図である。図1は、マットレス100の外形を概略的に示し、図2は、マットレス100を構成している各部材の外形を概略的に示している。
図1において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。図1では、マットレス100のX1側は、マットレス100の前側(正面側)に相当し、マットレス100のX2側は、マットレス100の後側(背面側)に相当する。また、マットレス100のY1側は、マットレス100の左側に相当し、マットレス100のY2側は、マットレス100の右側に相当する。また、マットレス100のZ1側は、マットレス100の上側に相当し、マットレス100のZ2側は、マットレス100の下側に相当する。他の図における他の部材についても同様である。
マットレス100は、図1及び図2に示すように、下層部LPと下層部LPの上面を覆う上層部UPとを含んで略直方体の外形を有するように構成される。上層部UPと下層部LPとは、ファスナ等によって分離可能に構成されるが、互いに縫い付けられていてもよい。
具体的には、図2に示すように、上層部UPは上部外装体1を含んで構成され、下層部LPは下部外装体2、第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び袋体6を含んで構成される。
上部外装体1は、図2に示すように、上面視において略矩形となるように形成される。図示例では、上部外装体1は、内側(下側)から順に、下側ソフトウレタン樹脂、上側ソフトウレタン樹脂、及び、肌触りの良い表面布地が重ねられて形成される。そして、下側ソフトウレタン樹脂の下面は、接着材により、第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とを収容した袋体6の上面に固定される。
下部外装体2は、図2に示すように、有底無蓋の箱型の外形を有するように構成される。具体的には、下部外装体2は、上面視において略矩形となるように形成された底部21と底部21の周縁部から上方に延びた側壁部22とを含んで構成される。下部外装体2の中央部分には、底部21と側壁部22とによって仕切られた略直方体の収容空間が形成される。図示例では、下部外装体2は、内側(収容空間側)から順に、不織布、ハードウレタン樹脂、ポリエステルファイバー、及び、肌触りの良い表面布地が重ねられて形成される。なお、底部21の上には、二つの不織布の間に挟まれたニードルパンチ生地が配置されていてもよい。
第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5のそれぞれは、Z軸方向に沿って伸縮可能な複数のポケットコイルをXY平面に沿って配列してまとめたものである。図2に示す例では、第1スプリングユニット4は、幅W1、高さH1、及び奥行D1の略直方体状の外形を有する。第2スプリングユニット5は、第1スプリングユニット4のY1側(左側)に配置される第2左側スプリングユニット5Lと、第1スプリングユニット4のY2側(右側)に配置される第2右側スプリングユニット5Rとを含む。第2左側スプリングユニット5Lは、幅W2、高さH2、及び奥行D2の略直方体状の外形を有し、第2右側スプリングユニット5Rは、幅W3、高さH3、及び奥行D3の略直方体状の外形を有する。図示例では、第2左側スプリングユニット5Lと第2右側スプリングユニット5Rとは同じ大きさを有する。すなわち、第2左側スプリングユニット5Lの幅W2、高さH2、及び奥行D2は、それぞれ、第2右側スプリングユニット5Rの幅W3、高さH3、及び奥行D3と同じである。また、第1スプリングユニット4の高さH1、第2左側スプリングユニット5Lの高さH2、及び、第2右側スプリングユニット5Rの高さH3は同じであり、第1スプリングユニット4の奥行D1、第2左側スプリングユニット5Lの奥行D2、及び、第2右側スプリングユニット5Rの奥行D3は同じである。
袋体6は、第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とをまとめる布状部材の一例であり、「ボックスシート」とも称される。図示例では、袋体6は、不織布で形成されており、底面部61、側面部62、上面部63、下側仕切り部64、上側仕切り部65、及び覆い部66を含んで構成される。
底面部61は、袋体6の底面を構成する部分である。図示例では、底面部61は、第1スプリングユニット4の奥行D1と略同じ奥行を有し、且つ、第1スプリングユニット4の幅W1、第2左側スプリングユニット5Lの幅W2、及び、第2右側スプリングユニット5Rの幅W3の合計と略同じ幅を有する。
側面部62は、袋体6の側面を構成する部分であり、後側面部62B、前側面部62F、左側面部62L、及び右側面部62Rを含む。図示例では、後側面部62B及び前側面部62Fのそれぞれは、第1スプリングユニット4の高さH1と略同じ高さを有し、且つ、第1スプリングユニット4の幅W1、第2左側スプリングユニット5Lの幅W2、及び、第2右側スプリングユニット5Rの幅W3の合計と略同じ幅を有する。左側面部62L及び右側面部62Rのそれぞれは、第1スプリングユニット4の奥行D1と略同じ奥行を有し、且つ、第1スプリングユニット4の高さH1と略同じ高さを有する。
上面部63は、袋体6の上面を構成する部分であり、袋体6の左端部の上面を構成する左上面部63L、及び、袋体6の右端部の上面を構成する右上面部63Rを含む。左上面部63Lは、第2左側スプリングユニット5Lの奥行D2と略同じ奥行を有し、且つ、第2左側スプリングユニット5Lの幅W2と略同じ幅を有する。右上面部63Rは、第2右側スプリングユニット5Rの奥行D3と略同じ奥行を有し、且つ、第2右側スプリングユニット5Rの幅W3と略同じ幅を有する。
下側仕切り部64は、第2スプリングユニット5を収容するための空間SPを仕切る部分である。具体的には、下側仕切り部64は、第2左側スプリングユニット5Lを収容するための左側空間SPLを仕切る左下側仕切り部64L、及び、第2右側スプリングユニット5Rを収容するための右側空間SPRを仕切る右下側仕切り部64Rを含む。なお、図2では、明瞭化のため、空間SP(左側空間SPL及び右側空間SPR)は、一点鎖線で表されている。
図示例では、左下側仕切り部64Lは、下縁が底面部61に縫い付けられている。そして、左下側仕切り部64Lは、底面部61の左端部、後側面部62Bの左端部、前側面部62Fの左端部、左側面部62L、及び左上面部63Lで囲まれた左側空間SPLの右側面を形成するように構成されている。同様に、右下側仕切り部64Rは、下縁が底面部61に縫い付けられている。そして、右下側仕切り部64Rは、底面部61の右端部、後側面部62Bの右端部、前側面部62Fの右端部、右側面部62R、及び右上面部63Rで囲まれた右側空間SPRの左側面を形成するように構成されている。
上側仕切り部65は、第2スプリングユニット5を収容するための空間SPを仕切る部分である。具体的には、上側仕切り部65は、第2左側スプリングユニット5Lを収容するための左側空間SPLを仕切る左上側仕切り部65L、及び、第2右側スプリングユニット5Rを収容するための右側空間SPRを仕切る右上側仕切り部65Rを含む。
図示例では、左上側仕切り部65Lは、左縁が左上面部63Lの右縁に縫い付けられている。そして、左上側仕切り部65Lは、左側空間SPLの右側面を形成するように構成されている。同様に、右上側仕切り部65Rは、右縁が右上面部63Rの左縁に縫い付けられている。そして、右上側仕切り部65Rは、右側空間SPRの左側面を形成するように構成されている。
覆い部66は、第1スプリングユニット4の上面に固定される部分である。具体的には、覆い部66は、第1スプリングユニット4の左端部の上面に固定される左覆い部66L、及び、第1スプリングユニット4の右端部の上面に固定される右覆い部66Rを含む。
図示例では、左覆い部66Lは、第1スプリングユニット4と第2左側スプリングユニット5Lとの間の隙間の上側を覆うように配置され、且つ、第1スプリングユニット4の左端部の上面に接着固定される。同様に、右覆い部66Rは、第1スプリングユニット4と第2右側スプリングユニット5Rとの間の隙間の上側を覆うように配置され、且つ、第1スプリングユニット4の右端部の上面に接着固定される。
図示例では、底面部61、側面部62、上面部63、及び覆い部66は、一枚の布状部材(不織布)から形成されている。具体的には、後側面部62Bの右縁は右側面部62Rの後縁に縫い付けられ、後側面部62Bの左縁は左側面部62Lの後縁に縫い付けられている。また、前側面部62Fの右縁は右側面部62Rの前縁に縫い付けられ、前側面部62Fの左縁は左側面部62Lの前縁に縫い付けられている。また、左上面部63Lの後縁は後側面部62Bの上縁の左端部に縫い付けられ、左上面部63Lの前縁は前側面部62Fの上縁の左端部に縫い付けられている。また、右上面部63Rの後縁は後側面部62Bの上縁の右端部に縫い付けられ、右上面部63Rの前縁は前側面部62Fの上縁の右端部に縫い付けられている。
但し、底面部61、側面部62、上面部63、及び覆い部66は、互いに独立した布状部材(不織布)であってもよい。この場合、後側面部62B、前側面部62F、左側面部62L、及び右側面部62Rのそれぞれの下縁は底面部61の縁に縫い付けられ、左上面部63Lの左縁は左側面部62Lの上縁に縫い付けられ、右上面部63Rの右縁は右側面部62Rの上縁に縫い付けられていてもよい。
下側仕切り部64及び上側仕切り部65の少なくとも一方は、空間SPに第2スプリングユニット5が収容された後で、側面部62に縫い付けられていてもよい。例えば、下側仕切り部64及び上側仕切り部65の少なくとも一方の後縁は後側面部62Bに縫い付けられていてもよく、下側仕切り部64及び上側仕切り部65の少なくとも一方の前縁は前側面部62Fに縫い付けられていてもよい。或いは、下側仕切り部64及び上側仕切り部65は省略されてもよい。
次に、図3を参照し、第1スプリングユニット4の詳細について説明する。図3は、第1スプリングユニット4の一部(右前側の角部分)の斜視図である。
第1スプリングユニット4は、図3に示すように、複数の第1ポケットコイル41を含んで構成される。なお、図3では、第1スプリングユニット4の内部構成が分かりやすくなるように、一部の第1ポケットコイル41については、その輪郭のみを破線で示している。
複数の第1ポケットコイル41のそれぞれは、第1コイルスプリング43を含んで構成される。第1コイルスプリング43は、細長い金属線を螺旋状に巻いて形成される。また、第1コイルスプリング43は、不織布等の布状部材を用いて袋状に形成された第1コイル収容袋体44の内部に収容される。具体的には、第1コイルスプリング43は、上下方向(Z軸方向)に伸縮可能な状態で第1コイル収容袋体44の内部に収容される。図示例では、第1コイル収容袋体44は、X軸方向に一列に並ぶ複数の第1コイルスプリング43をまとめて収容可能な略直方体状の袋体であり、X軸方向において隣り合う二つの第1コイルスプリング43の間をZ軸方向に縫い付けることにより、複数の第1コイルスプリング43のそれぞれを別々に布状部材で取り囲むことができるように構成されている。但し、第1コイル収容袋体44は、一つの第1コイルスプリング43を収容する略円筒状の袋体であってもよい。この場合、X軸方向において隣り合う二つの第1ポケットコイル41は、接着材によって互いに接着固定される。
図示例のセミシングル用マットレスであるマットレス100では、第1スプリングユニット4は、前後方向(X軸方向)に53個、左右方向(Y軸方向)に17個の第1コイルスプリング43が並べられて略直方体のブロック状の外形を有するように構成されている。すなわち、第1スプリングユニット4は、X軸方向に並ぶ53個の第1コイルスプリング43を収容する縦長の第1コイル収容袋体44がY軸方向に17個(17列)並ぶように構成されている。
次に、図4を参照し、第2スプリングユニット5の詳細について説明する。図4は、第2右側スプリングユニット5Rの一部(前側部分)の斜視図である。図4を参照する以下の説明は、第2右側スプリングユニット5Rに関するが、第2左側スプリングユニット5Lにも同様に適用される。第2左側スプリングユニット5Lは、第2右側スプリングユニット5Rと同じ構成を有するためである。
第2右側スプリングユニット5Rは、図4に示すように、複数の第2ポケットコイル51を含んで構成される。
複数の第2ポケットコイル51のそれぞれは、第2コイルスプリング53を含んで構成される。第2コイルスプリング53は、細長い金属線を螺旋状に巻いて形成される。また、第2コイルスプリング53は、不織布等の布状部材を用いて袋状に形成された第2コイル収容袋体54の内部に収容される。具体的には、第2コイルスプリング53は、上下方向(Z軸方向)に伸縮可能な状態で第2コイル収容袋体54の内部に収容される。図示例では、第2コイル収容袋体54は、X軸方向に一列に並ぶ複数の第2コイルスプリング53をまとめて収容可能な略直方体状の袋体であり、X軸方向において隣り合う二つの第2コイルスプリング53の間をZ軸方向に縫い付けることにより、複数の第2コイルスプリング53のそれぞれを別々に布状部材で取り囲むことができるように構成されている。但し、第2コイル収容袋体54は、一つの第2コイルスプリング53を収容する略円筒状の袋体であってもよい。この場合、X軸方向において隣り合う二つの第2ポケットコイル51は、接着材によって互いに接着固定される。
図示例のセミシングル用マットレスであるマットレス100では、第2右側スプリングユニット5Rは、前後方向(X軸方向)に30個、左右方向(Y軸方向)に2個の第2コイルスプリング53が並べられて略直方体のブロック状の外形を有するように構成されている。すなわち、第2右側スプリングユニット5Rは、X軸方向に並ぶ30個の第2コイルスプリング53を収容する縦長の第2コイル収容袋体54がY軸方向に2個(2列)並ぶように構成されている。
また、図示例では、第2スプリングユニット5は、第1スプリングユニット4と比較して凹みにくい(硬い)弾性特性を有するように構成されている。具体的には、第1コイルスプリング43(図3参照)は、その線径が第2コイルスプリング53(図4参照)の線径よりも小さく(細く)なるように構成されている。マットレス100の使用者がマットレス100の左側又は右側の縁に腰掛けたときにマットレス100の左側又は右側の縁が過度に沈み込んでしまうのを抑制するためである。
より具体的には、第1コイルスプリング43は、冷間圧造用炭素鋼(SWRH)等の鋼材で形成され、線径が1.0mm、コイル径が35mm、巻き数が10巻、コイル高さ(自由長)が210mmとなるように構成されている。そして、第1コイルスプリング43は、第1コイル収容袋体44内に収容されたときにコイル高さが200mmとなるように圧縮される。また、第2コイルスプリング53は、冷間圧造用炭素鋼(SWRH)等の鋼材で形成され、線径が2.2mm、コイル径が62mm、巻き数が5.5巻、コイル高さ(自由長)が220mmとなるように構成されている。そして、第2コイルスプリング53は、第2コイル収容袋体54内に収容されたときにコイル高さが200mmとなるように圧縮される。
次に、図5を参照し、第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とが隣り合うように配置されたときの第1ポケットコイル41と第2ポケットコイル51との位置関係について説明する。図5は、第1スプリングユニット4の一部(右前側の角部分)及び第2右側スプリングユニット5Rの一部(前側部分)の上面図である。図5では、図示された第1スプリングユニット4の一部(右前側の角部分)は10個の第1ポケットコイル41(第1ポケットコイル41A~第1ポケットコイル41J)を含み、図示された第2右側スプリングユニット5Rの一部(前側部分)は6個の第2ポケットコイル51(第2ポケットコイル51A~第2ポケットコイル51F)を含む。なお、図5では、接着材AD1(図3参照)で固定された部分(二つのポケットコイルを繋ぐ部分)の位置が黒丸で示されている。
図示例では、第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rは、上述のように、第2コイルスプリング53のコイル径(62mm)が第1コイルスプリング43のコイル径(35mm)の非整数倍(約1.77倍)となるように構成されている。
また、第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rは、第1コイルスプリング43の巻き数(10巻)が第2コイルスプリング53の巻き数(5.5巻)の非整数倍(約1.82倍)となるように構成されている。
このような構成のため、第1スプリングユニット4と第2右側スプリングユニット5Rとが図5に示すように隣接して配置された場合、すなわち、第1スプリングユニット4を構成する最右列の53個の第1ポケットコイル41と、第2右側スプリングユニット5Rを構成する最左列の30個の第2ポケットコイル51とを対向させた場合であっても、最右列の53個の第1ポケットコイル41のそれぞれを第2ポケットコイル51に接触させることはできない。コイル径が異なるためである。なお、図5は、第1ポケットコイル41Cと第2ポケットコイル51Bとが接触する部分、及び、第1ポケットコイル41Eと第2ポケットコイル51Cとが接触している部分を破線円で囲んで示すことにより、第1ポケットコイル41A、第1ポケットコイル41B、及び第1ポケットコイル41Dと第2ポケットコイル51とが接触していないことを示している。
また、第1ポケットコイル41Cの右側面における10個の突出部(第1コイルスプリング43が最も右側に突き出る部分)のそれぞれを第2ポケットコイル51Bの左側面における突出部(第2コイルスプリング53が最も左側に突き出る部分)に接触させることもできない。巻き数が異なるためである。
そのため、図示例では、第1スプリングユニット4の右側面と第2右側スプリングユニット5Rの左側面との間には接着材が塗布されていない。すなわち、第1スプリングユニット4の右側面と第2右側スプリングユニット5Rの左側面とは接着固定されていない。
この場合、マットレス100の使用者がマットレス100の右側の縁に腰掛けると、第2右側スプリングユニット5Rは、第1スプリングユニット4から右方に離れるように弾性変形し、その弾性変形量が必要以上に大きくなってしまうおそれがある。
そこで、マットレス100は、第2右側スプリングユニット5Rが過度に弾性変形してしまうのを抑制できるように構成されている。具体的には、マットレス100は、袋体6の覆い部66を利用して第2右側スプリングユニット5Rが過度に弾性変形してしまうのを抑制できるように構成されている。
ここで、図6を参照し、マットレス100の使用者がマットレス100の右側の縁に腰掛けたときに袋体6の覆い部66が第2右側スプリングユニット5Rの弾性変形を抑制する効果について説明する。図6は、第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rの正面図である。具体的には、図6の上図は、袋体6内に収容されていない第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rが使用者の重みによって弾性変形したときの状態を比較例として示す。図6の下図は、袋体6内に収容されている第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rが使用者の重みによって弾性変形したときの状態を示す。
また、図6のブロック矢印AR1は、マットレス100の使用者がマットレス100の右側の縁に腰掛けたときに第2右側スプリングユニット5Rに作用する力の向きを示している。また、図2に示すブロック矢印AR1は、図6に示すブロック矢印AR1に対応している。また、図2では、明瞭化のため、第2右側スプリングユニット5Rの上面のうち、使用者の臀部が接する部分にはクロスパターンが付されている。
図6の上図に示すように、第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rが袋体6内に収容されていない場合、すなわち、第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rが袋体6によってまとめられて(一体化されて)いない場合、右斜め下向きの力を受けた第2右側スプリングユニット5Rは、全体的に下方に圧縮され、且つ、その上部分が右方に傾くように弾性変形する。一方で、第1スプリングユニット4は、右斜め下向きの力を受けていないため、ほとんど弾性変形せずにそのときの状態を維持する。
そのため、第2右側スプリングユニット5Rの上部分は、第1スプリングユニット4から遠ざかるように弾性変形し、第1スプリングユニット4の右側面と第2右側スプリングユニット5Rの左側面との間に隙間GPを生じさせてしまう。
また、第2右側スプリングユニット5Rの上部分は、第1スプリングユニット4から離れてしまうため、第2右側スプリングユニット5Rの下方への弾性変形量である沈み込み量は値DP1となり、第2右側スプリングユニット5Rの右方への弾性変形量である突出量は値TR1となる。
これに対し、図6の下図に示すように、第1スプリングユニット4及び第2右側スプリングユニット5Rが袋体6内に収容されている場合、すなわち、右覆い部66Rが第1スプリングユニット4の上面の左端部に接着固定されている場合には、第2右側スプリングユニット5Rの弾性変形量は比較的小さくなる。
具体的には、右斜め下向きの力を受けた第2右側スプリングユニット5Rは、袋体6内に収容されていない場合と同様に、全体的に下方に圧縮され、且つ、その上部分が右方に傾くように弾性変形する。
このとき、第1スプリングユニット4は、右斜め下向きの力を直接的には受けていないが、右覆い部66Rが第1スプリングユニット4の上面の左端部に接着固定されているため、第2右側スプリングユニット5Rの弾性変形に伴って弾性変形する。具体的には、第1スプリングユニット4は、全体的に下方に圧縮され、且つ、その上部分が右方に傾くように弾性変形する。
そのため、第1スプリングユニット4の上部分は、第2右側スプリングユニット5Rの上部分と同じように弾性変形し、第1スプリングユニット4の右側面と第2右側スプリングユニット5Rの左側面との間に隙間GPを生じさせることはない。
そして、第2右側スプリングユニット5Rの上部分の弾性変形に応じた第1スプリングユニット4の上部分の弾性変形は、第2右側スプリングユニット5Rの弾性変形を抑制する効果をもたらす。第2右側スプリングユニット5R(第2コイルスプリング53)の剛性に加えて、第1スプリングユニット4(第1コイルスプリング43)の剛性が、第2右側スプリングユニット5Rの弾性変形を抑制するためである。
その結果、図6の下図に示す構成では、第2右側スプリングユニット5Rの下方への弾性変形量である沈み込み量は値DP1より小さい値DP2となり、第2右側スプリングユニット5Rの右方への弾性変形量である突出量は値TR1より小さい値TR2となる。
次に、図7及び図8A~図8Eを参照し、マットレス100の製造方法(組み立て手順)について説明する。図7は、第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び袋体6の正面図である。図8A~図8Eは、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5が収容される袋体6の斜視図である。具体的には、図8Aは、第2スプリングユニット5が袋体6内に収容された後の袋体6の斜視図である。図8Bは、下側仕切り部64が第2スプリングユニット5に巻き付けられた後の袋体6の斜視図である。図8Cは、上側仕切り部65が下側仕切り部64に重ねられた後の袋体6の斜視図である。図8Dは、第1スプリングユニット4が袋体6内に収容された後の袋体6の斜視図である。図8Eは、覆い部66が第1スプリングユニット4に接着固定された後の袋体6の斜視図である。
より具体的には、第2左側スプリングユニット5Lは、図7の矢印AR2に示すように、左側空間SPL内に収容され、第2右側スプリングユニット5Rは、図7の矢印AR3に示すように、右側空間SPR内に収容される。また、第1スプリングユニット4は、第2左側スプリングユニット5Lが左側空間SPL内に収容され、且つ、第2右側スプリングユニット5Rが右側空間SPR内に収容された後で、図7の矢印AR4に示すように、中央空間SPC内に収容される。なお、図7では、明瞭化のため、左側空間SPL、右側空間SPR、及び中央空間SPCは、一点鎖線で示されている。
第1スプリングユニット4の上面は不織布等の布状部材で覆われてもよい。この場合、第1スプリングユニット4の上面とその布状部材とは接着材で接着固定されていてもよい。複数の第1ポケットコイル41のまとまりを強化するためである。この場合、第1スプリングユニット4に接着固定された布状部材の上面は、第1スプリングユニット4の上面を構成する。第1スプリングユニット4の下面、第2スプリングユニット5の上面、及び、第2スプリングユニット5の下面についても同様である。
最初に、図8Aに示すように、第2左側スプリングユニット5Lは左側空間SPLに収容され、第2右側スプリングユニット5Rは右側空間SPRに収容される。
その後、図8Aの矢印AR5で示すように、左下側仕切り部64Lは、左側空間SPLに収容された第2左側スプリングユニット5Lに巻き付けられる。具体的には、左下側仕切り部64Lは第2左側スプリングユニット5Lの右側面を覆うように捲り上げられ、左下側仕切り部64Lの上端部は、第2左側スプリングユニット5Lの上面と左上面部63Lの下面(天井面)との間に押し込まれる。この後、左下側仕切り部64Lは、後縁が後側面部62Bに縫い付けられ、前縁が前側面部62Fに縫い付けられてもよい。右下側仕切り部64Rについても同様である。
その後、図8Bの矢印AR6で示すように、左上側仕切り部65Lは、左下側仕切り部64Lに重ねられる。具体的には、左上側仕切り部65Lは、第2左側スプリングユニット5Lの上面に配置された左下側仕切り部64Lの上端部と左上面部63Lの下面(天井面)との間に形成された隙間を覆うように捲り下げられ、第2左側スプリングユニット5Lの右側面を覆う左下側仕切り部64Lに重ねられる。右上側仕切り部65Rについても同様である。
その後、図8Dに示すように、第1スプリングユニット4は中央空間SPCに収容される。具体的には、第1スプリングユニット4は、左側面が左下側仕切り部64L及び左上側仕切り部65Lを挟んで第2左側スプリングユニット5Lの右側面と対向するように、且つ、右側面が右下側仕切り部64R及び右上側仕切り部65Rを挟んで第2右側スプリングユニット5Rの左側面と対向するように、中央空間SPCに収容される。
その後、図8Dに示すように、第1スプリングユニット4の上面の左端部及び右端部には接着材AD2が塗布される。そして、図8Dの矢印AR7で示すように、左覆い部66Lは、第1スプリングユニット4の上面の左端部に重ねられ、接着材AD2によって第1スプリングユニット4の上面の左端部に接着固定される。右覆い部66Rについても同様である。なお、図8Dでは、明瞭化のため、接着材AD2が塗布された部分にクロスパターンが付されている。また、接着材AD2は、赤色等の目立つ色となるように着色されていてもよい。塗布が適切に行われたか否かを容易に確認できるようにするためである。
次に、図9A及び図9Bを参照し、袋体6によってまとめられた(一体化された)第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5について説明する。図9Aは、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5が袋体6内に収容された後の袋体6の上面図である。図9Bは、図9Aの一点鎖線分IXB-IXBを含むYZ平面に平行な仮想平面における第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び袋体6の断面を矢印で示す方向から見たときの第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び袋体6の断面図である。なお、図9Bでは、明瞭化のため、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5のそれぞれの断面は簡略化されている。すなわち、図9Bでは、第1コイルスプリング43、第1コイル収容袋体44、第2コイルスプリング53、及び第2コイル収容袋体54のそれぞれの断面の図示は省略されている。後掲の図10B及び図11Bについても同様である。
図9Bに示すように、第1スプリングユニット4は、下面が袋体6の底面部61と接触し、右側面が袋体6の右下側仕切り部64R及び右上側仕切り部65Rのそれぞれと接触し、上面の右端部が袋体6の右覆い部66Rと接触するように袋体6内に収容されている。なお、図9Bでは不可視であるが、第1スプリングユニット4は、左側面が袋体6の左下側仕切り部64L及び左上側仕切り部65Lのそれぞれと接触し、且つ、上面の左端部が袋体6の左覆い部66Lと接触するように袋体6内に収容されている。そして、第1スプリングユニット4の上面の右端部と袋体6の右覆い部66Rとは接着材AD2によって接着固定されている。同様に、第1スプリングユニット4の上面の左端部と袋体6の左覆い部66Lとは接着材AD2によって接着固定されている。
また、第2右側スプリングユニット5Rは、下面が袋体6の底面部61と接触し、右側面が袋体6の右側面部62Rと接触し、上面が袋体6の右上面部63Rと接触し、且つ、左側面が袋体6の右下側仕切り部64Rと接触するように袋体6内に収容されている。なお、図9Bでは不可視であるが、第2左側スプリングユニット5Lは、下面が袋体6の底面部61と接触し、左側面が袋体6の左側面部62Lと接触し、上面が袋体6の左上面部63Lと接触し、且つ、右側面が袋体6の左下側仕切り部64Lと接触するように袋体6内に収容されている。
この構成により、図6を参照して説明したように、袋体6は、マットレス100の使用者がマットレス100の左側又は右側の縁に腰掛けたときに、第2スプリングユニット5が過度に弾性変形するのを抑制できる。すなわち、袋体6は、マットレス100の左右の縁の強度(硬さ)を実質的に高めることができる。
具体的には、外向き且つ下向きの力を受けた第2スプリングユニット5は、全体的に下方に圧縮され、且つ、その上部分が外方に傾くように弾性変形する。この場合、第1スプリングユニット4は、外向き且つ下向きの力を直接的には受けていないが、覆い部66が第1スプリングユニット4の上面の端部に接着固定されているため、第2スプリングユニット5の弾性変形に伴って弾性変形する。具体的には、第1スプリングユニット4は、全体的に下方に圧縮され、且つ、その上部分が外方に傾くように弾性変形する。
そのため、第1スプリングユニット4の上部分は、第2スプリングユニット5の上部分と同じように弾性変形し、互いに隣接している第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面との間に隙間GPを生じさせることはない。
また、第2スプリングユニット5の上部分の弾性変形に応じた第1スプリングユニット4の上部分の弾性変形は、第2スプリングユニット5の弾性変形を抑制する効果をもたらす。第1スプリングユニット4(第1コイルスプリング43)の復元力が、第2スプリングユニット5を弾性変形させようとする力に対する抗力として働くためである。
その結果、図9に示す布状部材としての袋体6は、覆い部66がない場合に比べ、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の外方への弾性変形量である突出量を抑制できる。また、図9に示す布状部材としての袋体6は、覆い部66がない場合に比べ、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の下方への弾性変形量である沈み込み量を抑制できる。
次に、図10A及び図10Bを参照し、袋体6(布状部材)の別の構成例である布状部材6Aについて説明する。図10Aは、布状部材6Aによってまとめられた(一体化された)第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5の上面図である。図10Bは、図10Aの一点鎖線分XB-XBを含むYZ平面に平行な仮想平面における第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び布状部材6Aの断面を矢印で示す方向から見たときの第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び布状部材6Aの断面図である。
布状部材6Aは、不織布等で形成された部材であり、図10Aに示すように、第1スプリングユニット4と第2左側スプリングユニット5Lとをまとめるための左布状部材6ALと、第1スプリングユニット4と第2右側スプリングユニット5Rとをまとめるための右布状部材6ARとを含む。
右布状部材6ARは、図10Bに示すように、第1スプリングユニット4の上面と第2右側スプリングユニット5Rの上面との間を跨ぐように配置されている。そして、右布状部材6ARは、図10Bに示すように、左部分が接着材AD2によって第1スプリングユニット4の上面に接着固定され、且つ、右部分が接着材AD3によって第2右側スプリングユニット5Rの上面に接着固定されている。左布状部材6ALについても同様である。
この構成により、布状部材6Aは、布状部材としての袋体6と同様に、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の外方への弾性変形量である突出量を抑制できる。また、布状部材6Aは、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の下方への弾性変形量である沈み込み量を抑制できる。すなわち、布状部材6Aは、マットレス100の左右の縁の強度(硬さ)を実質的に高めることができる。
次に、図11A及び図11Bを参照し、袋体6(布状部材)の更に別の構成例である布状部材6Bについて説明する。図11Aは、布状部材6Bによってまとめられた(一体化された)第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5の上面図である。図11Bは、図11Aの一点鎖線分XIB-XIBを含むYZ平面に平行な仮想平面における第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び布状部材6Bの断面を矢印で示す方向から見たときの第1スプリングユニット4、第2スプリングユニット5、及び布状部材6Bの断面図である。
布状部材6Bは、不織布等で形成された部材であり、図11Aに示すように、第1スプリングユニット4と第2左側スプリングユニット5Lとをまとめるための左布状部材6BLと、第1スプリングユニット4と第2右側スプリングユニット5Rとをまとめるための右布状部材6BRとを含む。
右布状部材6BRは、図11Bに示すように、第1スプリングユニット4の上面と第2右側スプリングユニット5Rの上面との間を跨ぐように、且つ、第2右側スプリングユニット5Rの上面、右側面、及び下面と接するように、且つ、第1スプリングユニット4の下面と第2右側スプリングユニット5Rの下面との間を跨ぐように配置されている。そして、右布状部材6BRは、図11Bに示すように、一端部が接着材AD2によって第1スプリングユニット4の上面に接着固定され、且つ、他端部が接着材AD3によって第1スプリングユニット4の下面に接着固定されている。左布状部材6BLについても同様である。
この構成により、布状部材6Bは、布状部材としての袋体6と同様に、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の外方への弾性変形量である突出量を抑制できる。また、布状部材6Bは、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の下方への弾性変形量である沈み込み量を抑制できる。すなわち、布状部材6Bは、マットレス100の左右の縁の強度(硬さ)を実質的に高めることができる。
次に、図12を参照し、袋体6(布状部材)の更に別の構成例である袋体6Cについて説明する。図12は、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5が袋体6C内に収容された後の袋体6Cの上面図である。
布状部材としての袋体6Cは、第1スプリングユニット4、第2後側スプリングユニット5B、及び第2前側スプリングユニット5Fを収容できるように構成されている点で、袋体6と異なる。第2後側スプリングユニット5Bは、マットレス100の後部に配置され、第2前側スプリングユニット5Fは、マットレス100の前部に配置される。すなわち、第2後側スプリングユニット5Bは、その前側面が第1スプリングユニット4の後側面と対向するように第1スプリングユニット4の後方に配置され、第2前側スプリングユニット5Fは、その後側面が第1スプリングユニット4の前側面と対向するように第1スプリングユニット4の前方に配置される。
具体的には、袋体6Cは、上面部63が後上面部63B及び前上面部63Fを含み、且つ、覆い部66が後覆い部66B及び前覆い部66Fを含むように構成されている。
より具体的には、後上面部63Bの前縁から延びる後覆い部66Bは、第1スプリングユニット4の上面と第2後側スプリングユニット5Bの上面との間を跨ぐように配置されている。そして、後覆い部66Bは、接着材によって第1スプリングユニット4の上面の後端部に接着固定されている。また、前上面部63Fの後縁から延びる前覆い部66Fは、第1スプリングユニット4の上面と第2前側スプリングユニット5Fの上面との間を跨ぐように配置されている。そして、前覆い部66Fは、接着材によって第1スプリングユニット4の上面の前端部に接着固定されている。なお、袋体6Cは、底面部61及び側面部62を有する点では、袋体6と同じである。
この構成により、布状部材としての袋体6Cは、布状部材としての袋体6と同様に、マットレス100の使用者がマットレス100の前側又は後側の縁に腰掛けた際等、第2スプリングユニット5が外向き(前向き又は後向き)且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の外方への弾性変形量である突出量を抑制できる。また、布状部材6Aは、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の下方への弾性変形量である沈み込み量を抑制できる。すなわち、袋体6Cは、マットレス100の前後の縁の強度(硬さ)を実質的に高めることができる。
次に、図13を参照し、袋体6(布状部材)の更に別の構成例である袋体6Dについて説明する。図13は、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5が袋体6D内に収容された後の袋体6Dの上面図である。
布状部材としての袋体6Dは、第1スプリングユニット4、第2後側スプリングユニット5B、第2前側スプリングユニット5F、第2左側スプリングユニット5L、及び第2右側スプリングユニット5Rを収容できるように構成されている点で、袋体6と異なる。
具体的には、袋体6Dは、上面部63が後上面部63B、前上面部63F、左上面部63L、及び右上面部63Rを含み、且つ、覆い部66が後覆い部66B、前覆い部66F、左覆い部66L、及び右覆い部66Rを含むように構成されている。
より具体的には、後上面部63Bの前縁から延びる後覆い部66Bは、第2後側スプリングユニット5Bの上面と第1スプリングユニット4、第2左側スプリングユニット5L、及び第2右側スプリングユニット5Rのそれぞれの上面との間を跨ぐように配置されている。そして、後覆い部66Bは、接着材によって第1スプリングユニット4の上面の後端部、第2左側スプリングユニット5Lの上面の後端部、及び、第2右側スプリングユニット5Rの上面の後端部のそれぞれに接着固定されている。また、前上面部63Fの後縁から延びる前覆い部66Fは、第2前側スプリングユニット5Fの上面と第1スプリングユニット4、第2左側スプリングユニット5L、及び第2右側スプリングユニット5Rのそれぞれの上面との間を跨ぐように配置されている。そして、前覆い部66Fは、接着材によって第1スプリングユニット4の上面の前端部、第2左側スプリングユニット5Lの上面の前端部、及び、第2右側スプリングユニット5Rの上面の前端部のそれぞれに接着固定されている。また、左上面部63Lの右縁から延びる左覆い部66Lは、第2左側スプリングユニット5Lの上面と第1スプリングユニット4の上面との間を跨ぐように配置されている。そして、左覆い部66Lは、接着材によって第1スプリングユニット4の上面の左端部に接着固定されている。また、右上面部63Rの左縁から延びる右覆い部66Rは、第2右側スプリングユニット5Rの上面と第1スプリングユニット4の上面との間を跨ぐように配置されている。そして、右覆い部66Rは、接着材によって第1スプリングユニット4の上面の右端部に接着固定されている。なお、袋体6Dは、底面部61及び側面部62を有する点では、袋体6と同じである。
この構成により、布状部材としての袋体6Dは、布状部材としての袋体6と同様に、マットレス100の使用者がマットレス100の前側、後側、左側、又は右側の縁に腰掛けた際等、第2スプリングユニット5が外向き(前向き、後向き、左向き、又は右向き)且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の外方への弾性変形量である突出量を抑制できる。また、袋体6Dは、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きの力を受けた際の第2スプリングユニット5の下方への弾性変形量である沈み込み量を抑制できる。すなわち、袋体6Dは、マットレス100の前後左右の縁の強度(硬さ)を実質的に高めることができる。
上述のように、本発明の実施形態に係るマットレス100は、上部外装体1と、下部外装体2と、図3に示すように上下方向に伸縮する複数の第1ポケットコイル41を上下方向(Z軸方向)と直交する方向(X軸方向及びY軸方向)に並べて構成されたブロック状の第1スプリングユニット4と、図4に示すように上下方向に伸縮する複数の第2ポケットコイル51を上下方向と直交する方向に並べて構成されたブロック状の第2スプリングユニット5と、図5に示すように第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とが対向して第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とが隣り合う状態で第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とをまとめる布状部材としての袋体6(覆い部66、図2参照)と、を有する。そして、布状部材としての袋体6(覆い部66)によってまとめられた第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とは、図2に示すように、上部外装体1と下部外装体2との間に配置される。そして、布状部材としての袋体6(覆い部66)は、図9Bに示すように、一部が第1スプリングユニット4の上面に固定され、且つ、第1スプリングユニット4の上面と第2スプリングユニット5の上面との間を跨いで配置されている。
望ましくは、布状部材としての袋体6(覆い部66)は、第1スプリングユニット4の上面を部分的に覆い、一部が第1スプリングユニット4の上面の端部に接着固定される。図示例では、布状部材としての袋体6(覆い部66)は、図8Eに示すように、第1スプリングユニット4の上面の左端部及び右端部のみを覆うように、すなわち、第1スプリングユニット4の上面の中央部を覆わない(露出させる)ように構成されており、上部外装体1のような第1スプリングユニット4の上面の全部を覆う部材ではない。そして、布状部材としての袋体6(覆い部66)は、図8Eに示すように、第1スプリングユニット4の上面の左端部及び右端部のそれぞれに接着固定されている。
この構成により、マットレス100は、複数のスプリングユニットのうちの一つである第2スプリングユニット5が過度に弾性変形してしまうのを抑制できる。第2スプリングユニット5の弾性変形は、第2スプリングユニット5に隣り合うように配置され且つ布状部材(袋体6)によって第2スプリングユニット5にまとめられている(一体化されている)第1スプリングユニット4の復元力によって抑制されるためである。また、図示例では、布状部材としての袋体6(覆い部66)は、第1スプリングユニット4の上面の左端部及び右端部のそれぞれに接着固定されている。そのため、袋体6(覆い部66)は、例えば第2右側スプリングユニット5Rが右斜め下向きの力を受けて弾性変形した場合、袋体6(覆い部66)が第1スプリングユニット4の上面の中央部(端部以外の部分)に代替的に或いは付加的に接着固定されているときに比べ、第1スプリングユニット4を構成している複数の第1ポケットコイル41のうちの最右列にある第1ポケットコイル41をより確実に弾性変形させることができる。具体的には、袋体6(覆い部66)は、第2右側スプリングユニット5Rを構成している複数の第2ポケットコイル51のうちの最左列にある第2ポケットコイル51と同じように、第1スプリングユニット4を構成している複数の第1ポケットコイル41のうちの最右列にある第1ポケットコイル41を弾性変形させることができる。そのため、袋体6(覆い部66)は、第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面との間に隙間GP(図6の上図参照)が生じてしまうのをより確実に抑制或いは防止できる。
具体的には、マットレス100の使用者がマットレス100の縁に腰掛けた際等、第2スプリングユニット5が外向き且つ下向きに圧縮されたときに、第2スプリングユニット5の上面に配置された布状部材(袋体6)は、第2スプリングユニット5の弾性変形に伴って外方に引っ張られる。布状部材(袋体6の上面部63)は、典型的には、マットレス100の使用者の臀部と第2スプリングユニット5との間に挟まれているためである。このとき布状部材(袋体6)の一部(覆い部66)は第1スプリングユニット4の上面に固定されているため、第1スプリングユニット4は、第2スプリングユニット5の弾性変形に伴って弾性変形する。そして、第1スプリングユニット4の弾性変形は、復元力を発生させるため、第2スプリングユニット5の弾性変形を抑制できる。すなわち、布状部材(袋体6)は、マットレス100の縁の強度(硬さ)を実質的に高めることができる。
また、布状部材(袋体6)は、互いに対向している第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とが接着固定されていなくとも、第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とが互いに遠ざかるのを抑制或いは防止できる。すなわち、布状部材(袋体6)は、第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面との間に隙間GP(図6の上図参照)が生じるのを抑制或いは防止できる。
なお、布状部材は、第2スプリングユニット5の側面の少なくとも一部と、第2スプリングユニット5の下面の少なくとも一部と、第1スプリングユニット4の下面の少なくとも一部とを覆うように配置されていてもよい。図9Bに示す例では、布状部材としての袋体6は、第2右側スプリングユニット5Rの右側面の少なくとも一部と、第2スプリングユニット5の下面の少なくとも一部と、第1スプリングユニット4の下面の少なくとも一部とを覆うように配置されている。また、図11Bに示す例では、布状部材6Bは、第2右側スプリングユニット5Rの右側面の少なくとも一部と、第2スプリングユニット5の下面の少なくとも一部と、第1スプリングユニット4の下面の少なくとも一部とを覆うように配置されている。
この構成により、マットレス100は、一端が第1スプリングユニット4の上面に固定された布状部材が第2スプリングユニット5の上面のみを覆っている構成に比べ、第2スプリングユニット5が過度に弾性変形してしまうのをより確実に抑制できる。第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とをより強固にまとめる(一体化する)ことができるためである。
また、布状部材は、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5を収容する袋体6の一部であってもよい。図2に示す例では、布状部材は、袋体6の一部を構成している覆い部66である。
この構成により、マットレス100は、第2スプリングユニット5が過度に弾性変形してしまうのをより確実に抑制できる。
なお、第1コイルスプリング43のコイル径と第2コイルスプリング53のコイル径とは互いに異なっていてもよい。また、第1コイルスプリング43の線径と第2コイルスプリング53の線径とは互いに異なっていてもよい。
このような構成では、互いに対向する第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とを接着材で接合することは、図5を参照して説明したように比較的困難な作業となり得る。
しかしながら、第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とが布状部材によってまとめられる構成では、第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とは、接着材で接合されなくてもよい。第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5との間の一体性が布状部材によって確保されるためである。
また、互いに対向する第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5との間には別の布状部材が配置されていてもよい。例えば、図9Bに示すように、互いに対向する第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5との間には下側仕切り部64が配置されていてもよい。
この構成は、第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5とが直接的に接触して互いの接触面が摩耗等によって損傷してしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上述の実施形態では、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第2コイルスプリング53のコイル径が第1コイルスプリング43のコイル径の非整数倍となるように構成されている。しかしながら、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第2コイルスプリング53のコイル径が第1コイルスプリング43のコイル径の整数倍となるように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第1コイルスプリング43の巻き数が第2コイルスプリング53の巻き数の非整数倍となるように構成されている。しかしながら、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第1コイルスプリング43の巻き数が第2コイルスプリング53の巻き数の整数倍となるように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第1コイルスプリング43のコイル径と第2コイルスプリング53のコイル径とが互いに異なるように構成されている。しかしながら、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第1コイルスプリング43のコイル径と第2コイルスプリング53のコイル径とが同じになるように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第1コイルスプリング43の巻き数と第2コイルスプリング53の巻き数とが互いに異なるように構成されている。しかしながら、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、第1コイルスプリング43の巻き数と第2コイルスプリング53の巻き数とが同じになるように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、第2スプリングユニット5は、第1スプリングユニット4と比較して凹みにくい(硬い)弾性特性を有するように構成されている。しかしながら、第2スプリングユニット5は、第1スプリングユニット4と比較して凹みやすい(柔らかい)弾性特性を有するように構成されていてもよく、第1スプリングユニット4と同じ弾性特性を有するように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は何れも、略直方体のブロック状となるように構成されている。しかしながら、第1スプリングユニット4及び第2スプリングユニット5は、側面同士を対向させることができるのであれば、多角柱形状等の他の形状となるように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、第1スプリングユニット4は、一つのブロック状のスプリングユニットとなるように構成されているが、二つ以上のブロック状のスプリングユニットの組み合わせであってもよい。また、第2左側スプリングユニット5Lは、一つのブロック状のスプリングユニットとなるように構成されているが、二つ以上のブロック状のスプリングユニットの組み合わせであってもよい。第2後側スプリングユニット5B、第2前側スプリングユニット5F、及び第2右側スプリングユニット5Rについても同様である。
また、上述の実施形態では、互いに対向する第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とは接着固定されていない。図5を参照して説明したように、隣り合う二つの接点(第1コイルスプリング43と第2コイルスプリング53とが接触する点)の間が不等間隔となっているためである。しかしながら、本発明は、互いに対向する第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とが接着固定された構成を排除するものではない。すなわち、互いに対向する第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とは接着固定されていてもよい。布状部材が第1スプリングユニット4と第2スプリングユニット5との間の一体性を確保できるという効果は、互いに対向する第1スプリングユニット4の側面と第2スプリングユニット5の側面とが接着固定されているか否かとは無関係に実現されるためである。