JP7032621B2 - 板状冷却体及び冷却ユニット - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、バルブなどをなくすことで熱交換部を収容する容器をコンパクト化な箱形にする提案がなされている。また、特許文献2では、熱交換媒体の流路などを収容容器外に配置することで、収容容器をさらにコンパクトなパネル形にする提案がなされている。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1及び図2は、幾つかの実施形態に係る吸着式冷凍機1(1A、1B)を示す。
吸着式冷凍機1(1A、1B)は、図5に示す冷却ユニット20を備える。冷却ユニット20は、図3及び図5に示す板状冷却体10(10A、10B)を備える。
板状冷却体10は、図4、図6及び図7に示すように、内側に収納空間Sが形成された枠体12(12a、12b、12c)を備える。
一実施形態に係る枠体12(12a)は、図4に示すように、内側に1個の収納空間Sを有する。別な実施形態に係る枠体12(12b)は、図6に示すように、内側に一列に並んだ複数の収納空間Sを有する。さらに別な実施形態に係る枠体12(12c)は、図7に示すように、内側に複数の収納空間Sを有する列が2列以上形成された複数の収納空間Sを有する。
多孔質材18は、前述のように、無機多孔質材又は有機多孔質材を使用できるが、圧縮強度が高いものが望ましい。有機多孔質材として、PVAスポンジが使用可能である。
収納空間Sは熱交換媒体Wの気化を促進するため真空に近い圧力まで減圧される。薄板14は、収納空間Sと外気との圧力差で、吸着剤16及び多孔質材18に接するように湾曲される。
一実施形態では、薄板14の板厚を薄くすることで薄板14の剛性を低減させ、湾曲可能な弾力性を付与する。
第1通路22は、第1領域Su側の薄板14の外側面に接し、第1領域Suと第1通路22を流れる流体との熱交換が可能なように設けられ、温水又は冷却水のいずれかを選択的に通水可能になっている。
第2通路24は、第2領域Sd側の薄板14の外側面に接し、第2領域Sdと第2通路24を流れる流体との熱交換が可能なように設けられ、被冷却水及び冷却水のいずれかを選択的に通水可能になっている。
一実施形態では、図5に示すように、複数の収納空間Sが1つの第1通路22及び1つの第2通路24を兼用している。
一実施形態では、図5に示すように、第1通路22及び第2通路24に被冷却水、冷却水、温水等の流体を出入りさせるための配管30、32、34及び36が接続される。
脱着運転では、第1配管系3から第1通路22に温水を通水すると共に、第2通路24に冷却水を通水する。吸着剤16に吸着された気化した熱交換媒体Wは、温水の熱で加温された吸着剤16から脱着し、第2領域Sdに流入する。第2領域Sdに流入した熱交換媒体Wは第2通路24を流れる冷却水によって冷却され凝縮する。
例えば、薄板14としてアルミ又はアルミ合金製の薄板を用いる場合、薄板の板厚を0.1mm以下にすることができる。
また、多孔質材18は通気性を有するため、気化した熱交換媒体Wの吸着剤16への移動を妨げない。
また、冷却ユニット20は、吸着式冷凍の原理で被冷却水を冷却できるコンパクトな板状の冷却ユニットとすることができる。これによって、吸着式冷凍機自体をコンパクト化できる。
前述のように、薄板14は、収納空間Sの内外の圧力差で外気圧によって枠体12の表裏面に押圧保持されるので、溶接のように高強度の接着力を必要としない。そのため、接着剤を用いた簡易な接着方法を採用でき低コスト化できる。
これによって、板状冷却体10を板状にコンパクト化できると共に、第1通路22及び第2通路24と内側に収納空間Sを形成する薄板14との接触面積を増大できる。そのため、第1通路22に通水される冷却水又は温水と吸着剤16との熱交換効率を向上できると共に、第2通路24に通水される被冷却水又は冷却水と熱交換媒体Wとの熱交換効率を増大できる。
一実施形態では、冷凍能力を保持しつつ、h1及びh2を約2mmぐらいまで縮小できる。従って、冷却ユニット20の設置場所の自由度を広げることができる。
一実施形態では、薄板14は、ガスバリア性を有するアルミ又はアルミ合金で構成される。これによって、収納空間Sに外部から水素などの非凝縮気体が侵入するのを抑制でき、非凝縮気体の侵入によって、第1通路22又は第2通路24を流れる流体と吸着剤16又は熱交換媒体Wとの熱交換効率が低下するのを抑制できる。
また、薄板14として、銅を用いる場合でも、別途ガスガリア性を有するコーティング膜を被覆すれば、ガスガリア性をもたせることができる。
なお、薄板14の板厚を例えば0.01mm程度にすれば、薄板14の材質に拘わりなく薄板14の伝熱性を無視でき、薄板14の伝熱性の良否を考慮しないで済む。
また、連続気泡Bcに熱交換媒体Wを保持できるので、被冷却水と熱交換媒体Wとの熱交換を促進できる。
無機多孔質材の材質として伝熱性が良い金属を用いると、熱交換媒体Wなどの熱交換効率を向上できる。
また、多孔質材18の空隙率を増加させると、多孔質材18の熱容量を低減でき、これによって、多孔質材18に吸収される無駄な熱量を低減でき、熱効率を向上できる。
一実施形態では、多孔質材18に形成される連続気泡Bcの径を20~100μmとするとよい。これによって、空隙率を高め、熱容量を低減できる。
これによって、第1領域Suを形成する薄板14に対して吸着剤16を均一に接触させた状態にでき、第1通路22を流れる流体と吸着剤16との熱交換効率を向上できる。
スペーサ板28は吸着剤16が通過できない通気性を有するため、気化した熱交換媒体Wの通過を妨げることなく、吸着剤16の脱落を防止し第1領域Suに保持できる。
一実施形態では、スペーサ板28は多数の細孔が形成される。例えば、多数の細孔が網目状に形成される。
一実施形態では、スペーサ板28は熱伝達係数が小さい材料、例えば織布などで構成される。これによって、吸着式冷凍の熱サイクルを阻害する第1領域Su及び第2領域Sd間の熱伝達を抑制できる。
上記構成によれば、吸着剤16(16b)は第1領域Suに収容可能な大きさで一体に成形された成形体であるため、スペーサ板28がなくても吸着剤16(16b)を第1領域Suに保持できる。また、吸着剤16(16b)が成形体であるため、収納空間Sの減圧によって収納空間Sに湾曲した薄板14を支持する剛性を十分得ることができる。
一実施形態では、吸着剤16(16b)は焼結などの方法によって成形される。
上記被膜が薄板14の表裏面の少なくとも一方に貼着されることで、収納空間Sに外部から非凝縮気体が侵入するのを抑制でき、これによって、熱交換媒体Wの気化が阻害されるのを防止できる。
一実施形態では、上記被膜を伝熱性が良い材料で構成することで、第1通路22及び第2通路24との熱交換効率の低下を防止できる。
一実施形態では、熱交換媒体Wとしてアルカリ性の水を用いる。水素イオンが少ないアルカリ性の水を用いることで、外部からの水素ガスの侵入を抑制できる。
一実施形態に係る吸着式冷凍機1(1A)は、図1に示すように、複数の冷却ユニット20を備え、各冷却ユニット20が有する第1通路22は、第1配管系3(3A)に対して並列に接続され、第2通路24の各々は第2配管系5(5A)に対して並列に接続される。
上記構成によれば、被冷却水が各冷却ユニット20で冷却されることによって生成される冷水の量は各冷却ユニット20で生成される冷水量の総和となるので、冷水生成量を増加できる。また、通液される冷却ユニット20の数を選択することで、冷水量を調節できる。
脱着運転時に、冷却水を各冷却ユニット20の第2通路24に出入りさせるために、分岐配管46に接続する配管58及び分岐配管44に接続する配管60が設けられる。また、脱着運転時に、温水を冷却水と逆方向で第1通路22に出入りさせるために、分岐配管54に接続する配管62及び分岐配管52に接続する配管64が設けられる。これらの配管は第2配管系5(5A)に属する。
各配管には、夫々開閉弁66、68、70、72、74、76、78及び80が設けられる。
一方、冷却水が、被冷却水と逆方向に複数の冷却ユニット20の第1通路22に通水され、各収納空間Sに収容された吸着剤16を冷却し、気化した熱交換媒体Wを吸着剤16に吸着させる。
冷却水は通常は常温である。
上記構成によれば、被冷却水を各冷却ユニット20で複数段に亘って段階的に冷却するので、被冷却水を大きな温度差で冷却できる。また、被冷却水の冷却を複数の冷却ユニット20で分担するので、効率良く冷却できる。また、脱着運転時には、直列に配置された複数の冷却ユニット20に温水を流すので、吸着剤からの脱着を迅速に行うことができる。
第1配管系3(3B)に属する冷却水供給路92は冷却水供給主路91から電磁切替弁94を介して他端(図2では下端)に設けられた冷却ユニット20の第2通路24に接続される。各冷却ユニット20の第2通路24は配管96で直列に接続される。脱着運転時に、冷却水供給路92から供給された冷却水は、各冷却ユニット20で気化した熱交換媒体Wを凝縮した後、電磁切替弁98を介して冷却水排出路100から冷却水排出主路103に排出される。
第2配管系5(5B)に属する被冷却水供給路106は電磁切替弁94を介して他端に設けられた冷却ユニット20の第2通路24に接続される。吸着運転時に、被冷却水供給路106から第2通路24に供給された被冷却水は、熱交換媒体Wによって冷却された後、電磁切替弁98を介して被冷却水排出路108に排出される。
電磁切替弁84は温水供給路82と冷却水供給路102とに選択的に切り替えられる。電磁切替弁88は温水排出路90と冷却水排出路104とに選択的に切り替えられる。電磁切替弁94は冷却水供給路92と被冷却水供給路106とに選択的に切り替えられる。電磁切替弁98は冷却水排出路100と被冷却水排出路108とに選択的に切り替えられる。
電磁切替弁84と電磁切替弁88とは開閉時期が同一となるように設定され、電磁切替弁94と電磁切替弁98とは開閉時期が同一となるように設定される。
吸着運転時に吸着の完了が検知されると、電磁切替弁84、88、94及び98を切替えて脱着運転が行われる。
3(3A、3B) 第1配管系
5(5A、5B) 第2配管系
10(10A、10B) 板状冷却体
12(12a、12b、12c) 枠体
14 薄板
16(16a、16b) 吸着剤
18 多孔質材
20 冷却ユニット
22 第1通路
24 第2通路
26 接着剤
28 スペーサ板
30、32、34、36、42、48、50、56、58、60、62、64、86、96 配管
40 吸着式冷凍機
44、46、52、54 分岐配管
66、68、70、72、74、76、78、80 開閉弁
82 温水供給路
84、88、94、98 電磁切替弁
90 温水排出路
91、103 冷却水供給主路
92、102 冷却水供給路
100、104 冷却水排出路
106 被冷却水供給路
108 被冷却水排出路
Bc 連続気泡
S 収納空間
Sd 第2領域
Su 第1領域
W 熱交換媒体
Claims (8)
- 内側に収納空間が形成された枠体と、
前記枠体の表裏両面に固着されて前記収納空間を密閉する薄板と、
前記収納空間において前記枠体の表面又は裏面の一方側の第1領域に収容された吸着剤と、
前記収納空間において前記枠体の表面又は裏面の他方側の第2領域に収容された熱交換媒体及び通気性を有し前記熱交換媒体を保持する多孔質材と、
を備え、
前記薄板は、前記収納空間が減圧されて形成される前記収納空間と外気との圧力差で、前記吸着剤及び前記多孔質材に接するまで湾曲するように構成された板状冷却体。 - 前記多孔質材は、水蒸気が前記多孔質材を通過可能な連続気泡を有することを特徴とする請求項1に記載の板状冷却体。
- 前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記吸着剤が通過できない通気性のスペーサ板を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の板状冷却体。
- 前記吸着剤は前記第1領域に収容可能な大きさで一体に成形された成形体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の板状冷却体。
- 前記薄板の表裏面の少なくとも一方の面に貼着されたガスバリア性を有する被膜をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の板状冷却体。
- 前記薄板がアルミ又はアルミ合金を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の板状冷却体。
- 前記枠体は、1列に又は2列以上に配置された複数の前記収納空間を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の板状冷却体。
- 請求項1乃至7の何れか一項に記載の板状冷却体と、
前記第1領域側の前記薄板の外側面に接するように設けられ、温水又は冷却水のいずれかを選択的に通水可能な第1通路と、
前記第2領域側の前記薄板の外側面に接するように設けられ、被冷却水及び冷却水のいずれかを選択的に通水可能な第2通路と、
を備える冷却ユニット。
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2021
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