JP4357340B2 - 吸着式冷蔵庫 - Google Patents
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Description
しかしながら、フロンは漏洩或いは廃棄などにより地球環境に悪影響するという問題があり、電動圧縮機は運転時に騒音を発生するという難点がある。
このため、フロンを用いずに騒音発生の少ない吸着式冷蔵庫の研究が行われ始めている。
なお、脱着過程と冷却過程を合わせて再生過程と称される。
吸着過程では、冷媒蒸気の吸着に際し発生する吸着熱を温熱として利用することができ、冷媒の蒸発に伴う蒸発熱を冷熱として利用することができる。
すなわち、吸着式熱サイクルでは、冷熱を常温近辺の状態の吸着材に蓄積してこれを損失なく保存でき、必要な時にその冷熱を利用することができるという特徴を有する。
この特許文献3の従来技術は、吸着式冷凍機を冷蔵庫に適用する際の構造的な安定性の向上や冷蔵庫内を流れる冷媒の移動性の向上を目的として、冷蔵室外の下方に吸着材容器を内装した熱媒体流路室を配置し、冷蔵室外の側面に凝縮器を配置し、冷蔵室内下部に蒸発器を配置した吸着式冷蔵庫や、冷蔵室外の下方に凝縮器を配置し、凝縮器の下方に熱媒体流路室を配置した吸着式冷蔵庫などが開示されている。
すなわち、冷却範囲を大きくは拡大できないという問題がある。
しかしながら、断熱層を有するとしても大気からの伝熱による損失は避け難く、長期間の冷熱の保存は困難であり、必要な時に利用できる冷熱は著しく少ないという難点がある。
被冷却物を収納する冷蔵室と、冷媒を蒸発せしめる蒸発室と、前記冷媒を吸着する吸着材を内蔵した吸着室と、前記蒸発室と前記吸着室とを開閉手段を介して連通する導管とを有し、前記吸着材が前記冷媒を吸着することにより、前記冷媒が蒸発させられ、その時に生じる蒸発熱を利用して冷熱を発生させる吸着式冷蔵庫において、前記冷蔵室は、周囲を囲む熱伝導性部材で構成され、前記冷蔵室の周囲を囲む外側に前記蒸発室を配置し、前記蒸発室は、外側周囲を囲む第1の断熱層で構成され、前記蒸発室で発生した冷熱が前記冷蔵室を構成する前記熱伝導性部材を経由して前記冷蔵室内に伝わるようにし、かつ、内部にウィックを配置した蒸発器であり、前記熱伝導性部材と前記ウィックとが密着して重合するよう連結したことを特徴とする攻勢を有するものである。
この発明は、冷媒系をクローズド系とした形態である。
この発明は、上記吸着室の構成に係る。
この発明は、上記吸着室の再生過程に係る形態である。
この発明は、上記吸着室の再生過程に係る形態である。
この発明は、上記吸着室の再生過程での放熱防止、或いは火傷防止に係る。
この発明は、上記吸着室の再生過程での放熱防止、或いは火傷防止に係る。
この発明は、好ましい上記吸着材に係る。
この発明は、好ましい上記冷媒に係る。
本発明の第1の実施例を図1〜図5に示す。
図1は、本発明の第1の実施例に係る吸着式冷蔵庫の構成を示す正断面図、図2〜図5は、本発明の第1の実施例に係る吸着式冷蔵庫の運転動作を説明する模式図である。
本発明の吸着式冷蔵庫は、被冷却物を収納する冷蔵室2と、冷媒を蒸発せしめる蒸発室3と、冷媒を吸着する吸着材51を内蔵した吸着室5と、蒸発室3と吸着室5とを開閉手段であるバルブ6を介して連通する導管7とを有し、吸着材51が冷媒を吸着することにより、冷媒が蒸発させられ、その時に生じる蒸発熱を利用して冷熱を発生させるようになっている。
なお、図1において、9は被冷却物を出し入れする際に、吸着式冷蔵庫本体に開閉自在に設けられたドアである。
図2〜図5において、斜線部は水が存在する部分を示し、矢印は水蒸気の移動方向を示す。
なお、図2〜図5では、吸着材加熱手段53及び吸着材冷却手段54は、図示を省略している。
この時、冷媒としての水は、蒸発室3の内部に配置されたウィック31内に保持されている。
吸着室5内の吸着材51は、既に再生処理されており、バルブ6は閉じているため、吸着室5内は極めて蒸気圧の低い状態を保っている。
図2に示す使用前の状態からバルブ6を開くと、水蒸気が蒸発室3内から導管7,バルブ6を通過して吸着室5内に入り、吸着材51が水蒸気を吸着し、蒸発室3内の蒸気圧の低下を抑えるように、ウィック31より水が蒸発する。
この時、蒸発熱が奪われるため、ウィック31と密着して重合するように連結している熱伝導性部材1が冷却され、その結果、冷蔵室2が冷却されることになる。
すなわち、水の蒸発面積が広がるため、水の蒸発速度が速くなり、冷蔵室2を急速に冷却することができる。
なお、吸着材51は、吸着材冷却手段54により冷却するのが望ましい。
吸着材51を吸着材加熱手段53により加熱すると、図4に示すように、吸着材51に吸着されていた水は、脱着,蒸発して水蒸気となる。
この水蒸気は、吸着室5内から導管7,バルブ6を通過して蒸発室3内に入り、蒸発室3内で冷却されて凝縮し、液体(水)となってウィック31に吸収される。
この時、蒸発室3と吸着室5との間は、第1の断熱層4によって断熱されているため、吸着材加熱手段53により吸着室5内が高温になろうとも、蒸発室3が加熱されることはない。
吸着室5内の温度が下がると、図2に示す使用前の状態に戻り、いつでも吸着式冷蔵庫の運転が可能な状態となる。
本発明の第2の実施例を図6〜図13に示す。
図6は、本発明の第2の実施例に係る吸着式冷蔵庫の構成を示す要部側断面図、図7は、本発明の第2の実施例に係る吸着式冷蔵庫の構成を示す要部切断背面図、図8〜図13は、本発明の第2の実施例に係る吸着式冷蔵庫の運転動作を説明する模式図である。
本発明の吸着式冷蔵庫は、被冷却物を収納する冷蔵室2と、冷媒を蒸発せしめる蒸発室3と、冷媒を吸着する吸着材51a,51bを内蔵した吸着室5a,5bと、冷媒を凝縮せしめる凝縮室10と、蒸発室3と吸着室5a,5bと凝縮室10とを開閉手段であるバルブ6a,6b,6c,6d,6eを介して連通し冷媒サイクルを形成する導管7a,7b,7c,7d,7eとを有し、吸着材51a,51bが冷媒を吸着することにより、冷媒が蒸発させられ、その時に生じる蒸発熱を利用して冷熱を発生させるようになっている。
なお、図6において、9は被冷却物を出し入れする際に、吸着式冷蔵庫本体に開閉自在に設けられたドアである。
図8〜図13において、斜線部は水が存在する部分を示し、矢印は水蒸気の移動方向を示す。
なお、図8〜図13では、吸着材加熱手段53a,53b及び吸着材冷却手段54a,54bは、図示を省略している。
各吸着室5a,5bは、吸着過程、再生過程、冷却過程を経て再び吸着過程に戻り、これを繰り返す。
蒸発室3の内部に配置されたウィック31に保持されている水は、バルブ6aを開くことで蒸発し、吸着材51aよる水蒸気の吸着が始まり、蒸発室3内の水蒸気が導管7a,バルブ6aを通過して吸着室5a内に入り、水蒸気は吸着室5a内の吸着材51aに吸着される。
この時、蒸発熱によりウィック31が冷却され、熱伝導性部材1を介して冷蔵室2が冷却される。
吸着材51aが水分を吸着する際は、吸着熱が発生し、吸着室5a内の温度が上昇するので、吸着材51aを吸着材冷却手段54aにより冷却するのが望ましい。
一方、吸着材51bは、既に水を吸着しており、吸着室5bは、バルブ6bを閉じた後、バルブ6dを開くと共に、吸着材51bを再生するために吸着材加熱手段53bにより加熱することで、吸着材51bに吸着されていた水は脱着,蒸発して水蒸気となり、吸着室5b内の吸着材51bの再生が始まる。
吸着材51bから脱着した水蒸気は、バルブ6dを開くことで、吸着室5b内から導管7d,バルブ6dを通過して凝縮室10内に流入し、凝縮室10内で凝縮して水となる。
なお、凝縮室10は、全過程において常時空冷により冷却されている。
吸着材51bは高温となっているため、吸着材51bの吸着材加熱手段53bによる加熱を停止し、バルブ6dを閉じ、吸着材51bを吸着材冷却手段54bにより冷却している。
この時、吸着室5aは依然として吸着過程の状態にあり、冷蔵室2の冷却は継続している。
吸着室5aは依然として吸着過程の状態にある。
バルブ6eを開くことで、凝縮室10内の水は、導管7e,バルブ6eを通過して蒸発室3内に流入する。
凝縮室10内から蒸発室3内への水の流入が終了すれば、バルブ6eを閉じる。
蒸発室3の内部に配置されたウィック31に保持されている水は、バルブ6bを開くことで蒸発し、吸着材51bによる水蒸気の吸着が始まり、蒸発室3内の水蒸気が導管7b,バルブ6bを通過して吸着室5b内に入り、水蒸気は吸着室5b内の吸着材51bに吸着される。
この時、蒸発熱によりウィック31が冷却され、熱伝導性部材1を介して冷蔵室2が冷却される。
吸着材51bが水分を吸着する際は、吸着熱が発生し、吸着室5b内の温度が上昇するので、吸着材51bを吸着材冷却手段54bにより冷却するのが望ましい。
一方、吸着材51aは、既に水を吸着しており、吸着室5aは、バルブ6aを閉じた後、バルブ6cを開くと共に、吸着材51aを再生するために吸着材加熱手段53aにより加熱することで、吸着材51aに吸着されていた水は脱着,蒸発して水蒸気となり、吸着室5a内の吸着材51aの再生が始まる。
吸着材51aから脱着した水蒸気は、バルブ6cを開くことで、吸着室5a内から導管7c,バルブ6cを通過して凝縮室10内に流入し、凝縮室10内で凝縮して水となる。
吸着材51aは高温となっているため、吸着材51aの吸着材加熱手段53aによる加熱を停止し、バルブ6cを閉じ、吸着材51aを吸着材冷却手段54aにより冷却している。
この時、吸着室5bは依然として吸着過程の状態にあり、冷蔵室2の冷却は継続している。
吸着室5bは依然として吸着過程の状態にある。
バルブ6eを開くことで、凝縮室10内の水は、導管7e,バルブ6eを通過して蒸発室3内に流入する。
凝縮室10内から蒸発室3内への水の流入が終了すれば、バルブ6eを閉じる。
冷蔵室2内の温度調整は、冷蔵室2内に設置された図示しない温度センサにより検知した検知温度と設定した設定温度に基づき、冷蔵室2内の温度が高い時は、図8〜図10の状態ではバルブ6aを開き、図11〜図13の状態ではバルブ6bを開く。
冷蔵室2内の検知温度が設定温度を下回れば、前記各々のバルブ6a,6bを閉じることで、冷蔵室2内の温度調整を制御可能である。
また、蒸発室内に配置されたウィックにより、冷媒としての水は蒸発室全体に行き渡るので、冷媒の蒸発面積を大きく拡大できる。
2 冷蔵室
3 蒸発室
4 第1の断熱層
5,5a,5b 吸着室
6,6a,6b,6c,6d,6e バルブ
7,7a,7b,7c,7d,7e 導管
8,8a,8b 第2の断熱層
9 ドア
10 凝縮室
31 ウィック
51,51a,51b 吸着材
52,52a,52b 吸着容器
53,53a,53b 吸着材加熱手段
54,54a,54b 吸着材冷却手段
Claims (13)
- 被冷却物を収納する冷蔵室と、冷媒を蒸発せしめる蒸発室と、前記冷媒を吸着する吸着材を内蔵した吸着室と、前記蒸発室と前記吸着室とを開閉手段を介して連通する導管とを有し、前記吸着材が前記冷媒を吸着することにより、前記冷媒が蒸発させられ、その時に生じる蒸発熱を利用して冷熱を発生させる吸着式冷蔵庫において、
前記冷蔵室は、周囲を囲む熱伝導性部材で構成され、前記冷蔵室の周囲を囲む外側に前記蒸発室を配置し、前記蒸発室は、外側周囲を囲む第1の断熱層で構成され、前記蒸発室で発生した冷熱が前記冷蔵室を構成する前記熱伝導性部材を経由して前記冷蔵室内に伝わるようにし、かつ、内部にウィックを配置した蒸発器であり、前記熱伝導性部材と前記ウィックとが密着して重合するよう連結したことを特徴とする吸着式冷蔵庫。 - 被冷却物を収納する冷蔵室と、冷媒を蒸発せしめる蒸発室と、前記冷媒を吸着する吸着材を内蔵した吸着室と、前記冷媒を凝縮せしめる凝縮室と、前記蒸発室と前記吸着室と前記凝縮室とを開閉手段を介して連通し冷媒サイクルを形成する導管とを有し、前記吸着材が前記冷媒を吸着することにより、前記冷媒が蒸発させられ、その時に生じる蒸発熱を利用して冷熱を発生させる吸着式冷蔵庫において、
前記冷蔵室は、周囲を囲む熱伝導性部材で構成され、前記冷蔵室の周囲を囲む外側に前記蒸発室を配置し、前記蒸発室は、外側周囲を囲む第1の断熱層で構成され、前記蒸発室で発生した冷熱が前記冷蔵室を構成する前記熱伝導性部材を経由して前記冷蔵室内に伝わるようにし、かつ、内部にウィックを配置した蒸発器であり、前記熱伝導性部材と前記ウィックとが密着して重合するよう連結したことを特徴とする吸着式冷蔵庫。 - 上記第1の断熱層の周囲を囲む外側に上記吸着室が配置されている請求項1に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記第1の断熱層の外側に上記吸着室が配置されている請求項2に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着室は、上記吸着材を加熱するための吸着材加熱手段を有する請求項1または2に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着室は、上記吸着材を冷却するための吸着材冷却手段を有する請求項1または2に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着室は、外側周囲を囲む第2の断熱層で構成されている請求項1または3に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着室は、周囲を囲む第2の断熱層で構成されている請求項2または4に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着材加熱手段は、電熱ヒータである請求項5に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着材冷却手段は、冷却用の熱媒体出入口を有する熱交換器である請求項6に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着室は、上記蒸発室及び上記凝縮室との連通を切り替え可能に複数設けられている請求項2に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記吸着材は、ゼオライトである請求項1または2に記載の吸着式冷蔵庫。
- 上記冷媒は、水である請求項1または2に記載の吸着式冷蔵庫。
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