JP7026457B2 - ロキソプロフェン又はその塩及びビタミンb12類を含有する経口用医薬組成物 - Google Patents
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(1)(a)ロキソプロフェン又はその塩及び(b)ビタミンB12類を含有する経口用医薬組成物(ただし、葉酸を含むものを除く)。
(2)(b)ビタミンB12類が、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン及びメコバラミンから選ばれる1種以上である(1)記載の経口用医薬組成物。
(3)更に(c)ビタミンB1類及びビタミンB6類から選ばれる1種以上を含有する(1)または(2)記載の経口用医薬組成物。
(4)更に(c)ビタミンB1類及びビタミンB6類を共に含有する(1)または(2)に記載の経口用医薬組成物。
(5)(c)ビタミンB1類が、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ベンフォチアミン、オクトチアミン及びこれらの塩から選ばれる1種以上であり、ビタミンB6類が、ピリドキシン塩酸塩またはピリドキサールリン酸エステル水和物である、(3)又は(4)記載の経口用医薬組成物。
(6)解熱剤、鎮痛剤、炎症治療剤または感冒治療剤として用いられる(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
(7)固形製剤である(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
(8)更にビタミンEを含有する(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
(9)更にアリルイソプロピルアセチル尿素、グリシン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、カフェイン、無水カフェインから選ばれる1種以上を含有する(1)から(8)のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
(10)以下の成分(a)、(b)及び(c)を含有する経口用医薬組成物
(a)ロキソプロフェン又はその塩
(b)ビタミンB12類(ここで、ビタミンB12類は、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン及びメコバラミンから選ばれる1種以上である)
(c)ビタミンB1類およびビタミンB6類(ここで、ビタミンB1類は、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、フルスルチアミン塩酸塩及びベンフォチアミンから選ばれる1種以上であり、ビタミンB6類は、ピリドキシン塩酸塩またはピリドキサールリン酸エステル水和物である)。
(表1)
1カプセル中(mg) a b c d
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム(無水物として) 60 60 60 60
ビタミンB12 0.003 0.01 2 0.06
ビタミンB1 8 20 50 25
ビタミンB6 6 15 50 50
ビタミンE 10 30 90 -
酸化マグネシウム 33.3 33.3 - 33.3
トウモロコシデンプン 適量 適量 適量 適量
結晶セルロース 10 15 20 30
ポリビニルアルコール 5 5 5 5
クロスカルメロースナトリウム 8 8 8 8
ヒプロメロース 18 22 25 20
軽質無水ケイ酸 30 30 28 25
ポビドン 5 6 3 5
乳糖 適量 適量 適量 適量
ステアリン酸マグネシウム 5 5 5 5
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(表2-1)
1錠中(mg) e f g h
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム(無水物として) 60 60 60 60
ビタミンB12 0.003 0.01 2 0.002
ビタミンB1 8 20 50 8
ビタミンB6 6 15 50 16
ビタミンE 10 30 90 33.3
無水カフェイン 50 50 50 -
酸化マグネシウム 33.3 33.3 - 33.3
D-マンニトール 253 264 273 300
トレハロース 30 43 48 25
トウモロコシデンプン 適量 適量 適量 適量
ヒプロメロース 20 30 40 30
ヒドロキシプロピルセルロース 13 16 18 15
マクロゴール400 60 - 30 30
ポビドン - 6 3 3
ステアリン酸マグネシウム 5 5 5 5
酸化チタン 3 4 5 5
タルク 2 3 3 3
カルナウバロウ 微量 微量 微量 微量
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1錠中(mg) i j k
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム(無水物として) 60 60 60
ビタミンB12 0.002 0.002 0.002
ビタミンB1 8 8 50
ビタミンB6 16 15 50
ビタミンC - 150 150
ニコチン酸アミド - - 20
無水カフェイン - - 50
酸化マグネシウム 33.3 33.3 33.3
D-マンニトール 300 264 250
トレハロース 30 43 40
乳糖 適量 適量 適量
トウモロコシデンプン 適量 適量 適量
ヒプロメロース 20 30 30
ヒドロキシプロピルセルロース 10 16 15
マクロゴール400 - - 20
ポビドン - 6 3
ステアリン酸マグネシウム 5 5 5
酸化チタン 4 4 5
タルク 3 3 3
カルナウバロウ 微量 微量 微量
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(表3)
1包中(mg) l m n
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム(無水物として) 60 60 60
ビタミンB12 0.003 0.01 2
ビタミンB1 8 20 50
ビタミンB6 6 15 50
ビタミンE 10 30 90
無水カフェイン 50 50 -
酸化マグネシウム 33.3 33.3 -
アリルイソプロピルアセチル尿素 60 60 60
グリシン - - 100
エリスリトール 105 111 125
トウモロコシデンプン 適量 適量 適量
ヒドロキシプロピルセルロース 15 17 17
アスパルテーム 9 12 15
香料 微量 微量 微量
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)被検物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、ビタミンB12としてシアノコバラミン(ナカライテスク(株)製)を使用した。これらの被験物質は、トラガント(SIGMA製)を注射用水(大塚製薬工場製)に溶解した0.5%トラガント溶液中に懸濁させて調製した。
Crl:CD雄性ラット6週齢(日本エスエルシー)を5日間の検疫期間及び2日間の馴化後に使用した。動物は温度20~26℃、湿度40~70%、照明時間6~18時に制御されたラット飼育室内で個別飼育した。固形試料(CRF-1、オリエンタル酵母工業(株))及び水道水を自由に摂取させ、1週間予備飼育した後、体重推移及び一般症状の良好な動物を選別して供試した。
18時間以上絶食したラットに、ディスポーザブルラット用経口ゾンデ(フチガミ器械製)を取り付けたポリプロピレン製ディスポーザブル注射筒(テルモ製)を用いて、被験物質を経口投与した。なお、被験物質はマグネチックスターラーを用いて攪拌しながら使用した。
表4及び図1は、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物単独(L)及びビタミンB12との併用における胃粘膜傷害長さの総和を示したものである。ここで、括弧内の数値は各被験薬の投与量mg/Kgであり、各群ともN=6の結果である。
被験薬(mg/Kg) 胃粘膜傷害長さの総和(mm) Lとの比
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
L(80) 30.05 1
L(80)+B12(0.02) 11.85 0.39
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)被験物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、ビタミンB1としてベンフォチアミン(第一三共ケミカルファーマ(株)製)を、ビタミンB6としてピリドキシン塩酸塩(ナカライテスク(株)製)をビタミンB12としてシアノコバラミン(ナカライテスク(株)製)を使用した。また、陽性対照としてヒスタミンH2受容体拮抗薬のラフチジン(セントラル硝子(株)製)を使用した。
これらの被験物質は、カルボキシメチルセルロースナトリウム(関東化学(株)製)を注射用水((株)大塚製薬工場製)に溶解した0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液中に懸濁または溶解させて調製した。
Crl:CD雄性ラット5週齢(日本チャールス・リバー(株))を7日間の検疫期間及び7日間の馴化後に使用した。動物は温度22±3℃、湿度50±20%、照明時間8~20時に制御されたラット飼育室内で飼育した。固形試料(CRF-1、オリエンタル酵母工業(株))及び水道水を自由に摂取させ、2週間予備飼育した後、体重推移及び一般症状の良好な動物を選別して供試した。
非絶食のラットに、ディスポーザブル経口ゾンデ(フチガミ器械製)を取り付けたディスポーザブル注射筒(テルモ製)を用いて、被験物質を経口投与した。投与は潰瘍誘発物質投与の30分前及び投与6時間後の2回実施した。なお、被験物質はマグネチックスターラーを用いて攪拌しながら使用した。
潰瘍誘発物質は、ディスポーザブル経口ゾンデ(フチガミ器械製)を取り付けたディスポーザブル注射筒(テルモ製)を用いて、経口投与した。
潰瘍誘発物質の投与24時間後に、イソフルラン麻酔下で腹部大静脈から採血を行い、白血球数(102/μL)を測定した。摘出した小腸は生理食塩液で内容物を洗浄し、1%中性緩衝ホルマリン液を通した後同固定液中に浸漬し、30分間以上、軽固定した。軽固定した小腸は約20 cm間隔で切断し、腸管膜対側に沿って切開し、ろ紙に貼り付けスケールと共に撮影した。撮影した画像を画像解析ソフトImage J(NIH)を用いて潰瘍面積および潰瘍個数を算出した。
また、潰瘍誘発物質投与の翌日に糞の観察を行い、一晩のうちに排泄された糞について全体の糞数と黒色便の個数をそれぞれ数え、全体の糞数に対する黒色便の割合を個体ごとに算出した。
表5及び図2は、ロキソプロフェンナトリウム単独(LまたはLox、以下同様)と、ビタミンB1、B6及びB12との併用、及び、陽性対照として、Loxとラフチジン(Laf)の併用における潰瘍面積の総和をそれぞれ示したものである。ここで、括弧内の数値は各被験薬の投与量mg/Kgであり、各群ともN=7の結果である。
被験薬(mg/Kg) 潰瘍面積(mm2) Lとの比
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
L (60) 248 1
L (60)+Laf(30) 206 0.83
L(60)+B1(400) +B6(800) +B12(0.96) 148 0.60
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表6及び図3は、ロキソプロフェンナトリウム単独(L)と、ビタミンB1、B6及びB12との併用、及び、陽性対照として、Loxとラフチジン(Laf)の併用における潰瘍個数をそれぞれ示したものである。ここで、括弧内の数値は各被験薬の投与量mg/Kgであり、各群ともN=7の結果である。
被験薬(mg/Kg) 潰瘍個数 Lとの比
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
L(60) 59 1
L(60)+Laf(30) 44 0.75
L(60)+B1(400) +B6(800) +B12(0.96) 31* 0.53
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
*:対照群とt検定で有意差あり(p<0.05)
表7及び図4は、ロキソプロフェンナトリウム単独(L)と、ビタミンB1、B6及びB12との併用、及び、陽性対照として、Loxとラフチジン(Laf)の併用における全体の糞数に対する黒色便の割合(=黒色便数/全体の糞数)をそれぞれ示したものである。ここで、括弧内の数値は各被験薬の投与量mg/Kgであり、各群ともN=7の結果である。
被験薬(mg/Kg) 黒色便の割合 Lとの比
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
L(60) 21.7 1
L(60)+Laf(30) 1.1 0.05
L(60)+B1(400) +B6(800) +B12(0.96) 0.0 0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表8及び図5は、ロキソプロフェンナトリウム単独(L)と、ビタミンB1、B6及びB12との併用、及び、陽性対照として、Loxとラフチジン(Laf)の併用における白血球数をそれぞれ示したものである。ここで、括弧内の数値は各被験薬の投与量mg/Kgであり、各群ともN=7の結果である。
被験薬(mg/Kg) 白血球数(102/μL) Lとの比
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
L(60) 189.0 1
L(60)+Laf(30) 171.4 0.91
L(60)+B1(400) +B6(800) +B12(0.96) 132.7 0.70
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)被験物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、ビタミンB1としてベンフォチアミン(第一三共ケミカルファーマ(株)製)を、ビタミンB6としてピリドキシン塩酸塩(ナカライテスク(株)製)をビタミンB12としてシアノコバラミン(ナカライテスク(株)製)を使用した。
これらの被験物質は、カルボキシメチルセルロースナトリウム(関東化学(株)製)を注射用水((株)大塚製薬工場製)に溶解した0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液中に懸濁または溶解させて調製した。
Crl:SD雄性ラット5週齢(日本チャールス・リバー(株))を7日間の検疫期間及び7日間の馴化後に使用した。動物は温度20.0~26.0℃、湿度35~75%、照明時間7時点灯,19時消灯に制御されたラット飼育室内で飼育した。固形試料(CRF-1、オリエンタル酵母工業(株))及び水道水を自由に摂取させ、体重推移及び一般症状の良好な動物を選別して供試した。
暖期(23℃:2時間)と寒期(-3℃:2時間)を1日5回(合計20時間)繰り返す寒冷ストレスをラットに5日間(120時間)負荷して,線維筋痛症モデルを作製した。フレキシブル経口ゾンデおよび注射筒を用いて,胃内に強制的に投与し、Chaplan らの方法に準じて、von Freyフィラメントを用いた機械刺激による疼痛反応を基に50%疼痛閾値を算出した。評価ポイントは、投与0.5および2時間後の左右後肢の疼痛閾値の合計とした。
表9より、50%疼痛閾値をControl群と比較すると、LとビタミンB1、B6及びB12との併用群は、投与0.5および2時間後に有意な上昇が認められており、疼痛軽減作用を有していることが示唆された。
投与後経過時間(時間)
群(mg/kg) Pre 0.5 2
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Sham 22.3 20.3 21
Control 3.1 2.1 2.6
L(45)+B1(6.3)+B6(12.5)+B12(0.015) 3.1 6.7** 7.6**
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表中の数値は、50%疼痛閾値(g)を示す。各群ともN=7の平均値を示す。
** :Control群に対するP<0.01の有意水準を示す。
Claims (4)
- (a)ロキソプロフェン又はその塩及び(b)ビタミンB類としては1種類のビタミンB12類のみを含有する経口用医薬組成物(ただし、葉酸を含むものを除く)。
- (b)ビタミンB12類が、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン及びメコバラミンから選ばれる1種である請求項1記載の経口用医薬組成物。
- 解熱剤、鎮痛剤、炎症治療剤または感冒治療剤として用いられる請求項1又は2に記載の経口用医薬組成物。
- 固形製剤である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
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