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JP7015989B2 - 光伝送装置 - Google Patents

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JP7015989B2 JP2017222378A JP2017222378A JP7015989B2 JP 7015989 B2 JP7015989 B2 JP 7015989B2 JP 2017222378 A JP2017222378 A JP 2017222378A JP 2017222378 A JP2017222378 A JP 2017222378A JP 7015989 B2 JP7015989 B2 JP 7015989B2
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Description

本発明は、レーザ光を光ファイバに集光入射させて伝送する、光伝送装置に関するものである。
近年、高出力のレーザ光を光ファイバに伝送させて加工に用いる技術が広く受け入れられようとしている。その中でも、レーザダイオード(以降、LDという)の高効率化、高出力化に伴い、LDからの光を直接加工に使用させる技術への要望が存在する。
この課題に対する従来技術の一例を図を用いて説明する。図8は従来技術に係る合波装置の構成図である。
ヒートブロック10上に配列固定されたLD1~7より照射されるレーザ光21~27を、集光レンズ20によってマルチモード光ファイバ30へ集光入射させる。集光レンズ20は、コリメータレンズ部と集光レンズ部が共通の部材から一体的に形成されており、各LD1~7を既定の位置に設置することで、光路B1~7を成しファイバのコア30aにカップリングされる。その結果、光ファイバ30からはLD1~7の出力が合算されたレーザ光が出射され、単一のファイバから高出力のレーザ光の照射を可能にしている(例えば特許文献1参照)。
特許第4213402号公報
しかしながら、従来の光伝送装置では、レーザ光の合波用のファイバと、最終的に使用するレーザ光を伝送させるファイバのコア径が同じであるために、出射時に要求される開口数(NA(Numerical Aperture)という)を超えた光をファイバにカップリングさせることができない。
また、非常に繊細な調整が必要であり、複数の光源を備える場合には、更に調整が複雑になる。加えて、コア径が小さなファイバへの集光時には、ファイバの入射端面に高い集光強度のレーザ光が照射されることから、ファイバの焼損リスクが問題となる。
そこで本発明は、以上の問題を解決し、多光源を合波し、かつ、ファイバへの集光時のリスクを低減させる光伝送装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光伝送装置は、複数のレーザ光源と、光の合波を行うコア径がDccで開口数がNAcの合波用ファイバと、レーザ光源からの光を合波用ファイバへ集光入射させるレンズと、合波された光を伝送するコア径がDctで開口数がNAtの伝送用ファイバと、合波用ファイバから出射される光を前記伝送用光ファイバへ集光入射させるレンズを備え、Dcc≧Dct、かつ、NAc>NAt、であるものである。
上記の構成により、本発明に係る光伝送装置は、ファイバへの集光時の焼損リスクを低減させることができる。
本発明の実施形態における光伝送装置の構成図 レーザ光源からの出射光が合波用ファイバに入射するまでのレーザ光伝搬図 レーザ光源からの出射光の最外伝搬成分が合波用ファイバに入射するまでのレーザ光伝搬図 レーザ光源から合波用ファイバにレーザ光が入射する際の説明図 合波用ファイバからレーザ光が出射する際の説明図 合波用ファイバから伝送用ファイバへのレーザ光の伝搬図 伝送用ファイバからレーザ光が出射する際の説明図 従来技術におけるレーザ光合波装置の構成図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。また、図面中に示されるX軸、Y軸およびZ軸はそれぞれ直行する方向である。ここで、Y軸は上下にあたる鉛直方向であり、各図の座標軸はそれぞれの視野の方向に対応するように描いている。
(実施の形態1)
図1に本発明の実施形態における光伝送装置の概略構成図を示す。光伝送装置は、規定のレーザ出力特性を得るために選定された伝送用ファイバ107と、伝送用ファイバ107よりも入射光特性に裕度のある合波用ファイバ104と、合波用ファイバ104からの出射光105を、伝送用ファイバ107へカップリングするための集光レンズ106と、複数の光源を合波用ファイバ104へ集光入射させる光学系であるレーザ出力部109を備える。
図1において、レーザ光源100a、100bは、最終的に用いるレーザ特性によってのみ制限され、半導体レーザや利得媒質を備えたレーザ光源であっても構わない。また、マルチモードのレーザや波長の異なるレーザ光源であっても適用することができ、レーザ光源100a、100bはそれぞれが別の特性を持っていても合波することが可能である。
光ファイバにおいてはイオンのドープに関わらず合波を行うことができる。イオンドープされているものを用いた場合、波長変換やアンプに使用することができ、合波用ファイバ104と伝送用ファイバ107の間に偏光制御素子や、モード制御機構を設置することで調短パルスレーザを用いた応用分野での利用も期待できる。
本実施形態として、レーザ出力部109に2つのレーザ光源が設置され、同一の波長1μm、BPP(Beam Parameter Products)=4mm・mradの円形のマルチモードレーザを1kWにて出力するものとする。合波用ファイバ104はコア径200μm、開口数NAc=0.3、伝送用ファイバ107はコア径100μm、開口数NAt=0.2とし、どちらもイオンのドープは無いシリカファイバとする。
レーザ光源100a、100bから出射されたレーザ光は、それぞれのコリメートレンズ102a、102bを通過することで平行光として伝搬され、集光レンズ103により、合波用ファイバ104へ集光入射する。レーザ光は合波用ファイバ104中で合波され
るが、この時ファイバをループさせておくことで、短いファイバ長で合波を行うことができる。
合波された出射光105は、合波用ファイバ104から単一の光軸で出射され、集光レンズ106によって、伝送用ファイバ107へ集光入射される。伝送用ファイバ107を伝搬する光は、出射光108として出力され、ファイバによる吸収損失や、高次モードへのエネルギー推移を除けば、基本的にはレーザ光源100a、100bの出力合算値と同等のビーム品質を得ることができる。
次に各部の詳細を説明する。
図2に、レーザ光源100a、100bから出射されるレーザ光が、合波用ファイバ104に入射するまでのレーザ光伝搬図を示す。
レーザ光源100a、100bから出射されたレーザ光の集光レンズ103への入射ビーム直径をそれぞれD1,合波用ファイバ104への入射集光直径をdc、合波用ファイバ104への集光レンズ103の焦点距離をf1とすると,これらの関係式は(式1)のように示される。
dc=(4・f1/D1)×BPP (1)
マルチモードのレーザ光を使用するため、合波用ファイバ104への焼損リスクを低減するために、入射集光直径dcを100μmとし、集光レンズ103の焦点距離f1=100mmを採用すると、(式1)より集光レンズへの入射ビーム直径D1は16mmに設定する必要があることがわかる。
また、ファイバ内で入射させたレーザ光がすべて伝搬するためには、ファイバの規定NA(Numerical Aperture)を満たす必要があり、条件を満たしていればビーム間距離L1を任意に設定でき3個以上の光源からの光を合波することも可能である。
図3に、レーザ光源100aからの出射光101aの最外伝搬成分が、合波用ファイバ104に入射するまでのレーザ光伝搬図を示す。
合波用ファイバ104の入射端面との垂直軸と、合波用ファイバ104への入射光のなす角をθ1、合波用ファイバ104の入射許容最外部110と出射光101aの最外伝搬成分111aの平行伝搬時の距離をxt1とすると、幾何光学の計算から(式2)が導き出される。
tanθ1≧xt1/f1 (2)
本実施形態では、θ1=arcSin(NAc)であるので、平行伝搬時の距離xt1は、xt1≦29mmを満たせばよいことがわかる。よって、集光レンズ103の有効径が58mmまでのものを選定すればよい。
図4にレーザ光の合波用ファイバ104への入射時の状態を、図5に合波用ファイバ104からのレーザ光の出射時の状態を示す。
図4において、レーザ光源100a、100bのそれぞれからの合波用ファイバ104へ入射する出射光101a、101bは、合波用ファイバ104のコア径200μmの半
分の100μmにて集光入射されている。これは、レーザ光の強度分布の裾部分が、クラッド113へダメージを負わせないようにするためである。
図5において、ファイバ内で合波されたレーザ光は出射光105として、合波用ファイバ104のコア112より、単一の光軸を持つ光として出射される。出力は、レーザ光源100a、100bの合算値が得られ、BPPは保存されるため、(式3)の関係で示される。
BPP=θ2・w (3)
θ2は、合波用ファイバ104から出射される光の広がり角、wはビームウエスト半径であり、ファイバ内でレーザ強度が均一に広がっている場合はコア全体から光が出射され、コア径が200μmなのでビームウエストの直径(2・W)も200μmとなる。
(式3)より出射光105の広がり角θ2は、2.3°(NA=0.04)の出射特性が得られることがわかる。
ファイバが短いほど光の減衰は低減するが、完全に合波されず出射モードごとにNAがまちまちになるおそれがある。そのため、ファイバをループさせたり、意図的にカーブをつけて配置等し、レーザ光がファイバのコア全体を伝搬させるようにする必要がある。
図6に、合波用ファイバ104から伝送用ファイバ107へのレーザ光の伝搬図を示す。伝送用ファイバ107はコア116とクラッド117を有する。
合波用ファイバ104から出射された光114は、集光レンズ106により任意の集光径に設定し、伝送用ファイバ107にカップリングされる。この時のレンズの焦点距離をf2、合波用ファイバ104と集光レンズ106との間の距離をL2、集光レンズ106と伝送用ファイバ107の間の距離をL3とすると(式4)の関係に示される。
1/L2+1/L3=1/f2 (4)
また、結像系の関係は、合波用ファイバ104からの出射ビーム径d2、伝送用ファイバ107への集光入射径d3を用い、(式5)で表すことができる。
d3/d2=L3/L2 (5)
本実施形態では、伝送用ファイバ107への入射時の焼損リスクの低減のため結像率を1/3とし、集光径d3 = 67μmと設定する。その際、L2がL3の3倍であることに加え、伝送用ファイバ107への入射NAが、NAt=0.2(入射角11.5°)を満たす必要があることを考慮し、集光レンズ106を選定する。合波用ファイバ104への入射時と同様に幾何光学の計算を用い、集光レンズ106への入射ビーム径に関して(式6)を満たせばよいことが示される。
L3・tan11.5°≦L2・tan2.3° (6)
本実施形態の集光レンズ106に関しては、有効径がL2・tan2.3°より大きく、焦点距離に関して(式4)~(式6)を満たす、例えばf2=40mmを選定することができる。
図7に伝送用ファイバ107からの出射光の状態を示す。伝送用ファイバ107を伝搬
する光は、合波用ファイバ104にて単一光軸を持った光が入射しているため、伝送用ファイバ107からの出射光108も単一光軸を持った光が出力される。その際、ビーム品質は保存されるため、BPP=4mm・mradは変わらず、(式3)と同様に、(式7)で示される。
BPP=θ3・Wout (7)
ただし、伝送用ファイバ107の取り回し方によっては出射時のビームウエスト半径Woutが小さくなり、広がり角θ3が大きくなる場合がある。加工に使用する際には、伝送用ファイバ107の出射端面の移動があり、その移動のたびに広がり角が変わってしまう可能性がある。広がり角が変われば加工点のパワー密度に影響を与えるので、合波用ファイバ同様、ループを作ったり、意図的にカーブをつけて配置する必要がある。
出射光108は、基本的にはレーザ光源100a、100bの出力値の合算値2kWが得られるが、ファイバの損失を考慮する必要がある。一般的なシリカファイバの1μm帯レーザの損失は0.5dB/km、光学素子による損失は3%程度なので、ファイバの長さが10mとすると、損失の合計は1割程度と考えられる。
以上に述べたように、本実施の形態の光伝送装置によれば、レーザ光源100a、100bより出射された光は、コリメートレンズ102a、102bを通過することで平行光として伝搬され、集光レンズ103により、集光入射時の焼損リスクの少ない合波用ファイバ104へ集光入射され、合波用ファイバ104中の伝搬に伴い、単一の光軸を持つ光として出射される。合波用ファイバ104から出射された光は集光レンズ106により伝送用ファイバ107へ集光入射され、入力された光の出力合算値が得られる。
なお、本実施の形態では、マルチモードのレーザ光源を2つ使用し、合波用ファイバ、伝送用ファイバ共にマルチモードのノンドープファイバを用いた場合を説明したが、レーザ光源は合波用ファイバへの入射NAが許容する限りの個数と入射方式を用いることができる。また、複数回合波させることで、高出力の出射光を得ることも可能である。
また、レーザ光源に関しても、波長、モード、形状、ビーム品質等における制限はなく任意の特性のレーザ光で、本発明を適用することができ、それぞれの光源の持つ波長特性やビーム品質が異なる場合でも用いることができる。ファイバにおいても、材質やファイバのコア形式に依存せず任意のものを使用することができ、ドープファイバを用いることによりアンプとして使用することができる。
加えて、いずれかのファイバの入射前に、偏光制御素子や、アパーチャを挿入することにより、モード制御を行うことも可能であるため、CWレーザだけへの使用でなく超短パルスレーザの発生機構や増幅機構としても利用することが可能である。
本発明における光伝送装置は、低い焼損リスクで複数の光源からの光を合波出射するのでレーザ加工機やレーザ溶接機等において有用である。
100a、100b レーザ光源
101a、101b 出射光
102a、102b コリメートレンズ
103、106 集光レンズ
104 合波用ファイバ
105、108 出射光
107 伝送用ファイバ
109 レーザ出力部
112、116 コア
113、117 クラッド

Claims (1)

  1. 複数のレーザ光源と、
    前記レーザ光源からの光の合波を行うコア径がDccで開口数がNAcの合波用ファイバと、
    前記レーザ光源からの光を前記合波用ファイバへ集光入射させる集光光学系と、
    合波された光を伝送するコア径がDctで開口数がNAtの伝送用ファイバと、
    前記合波用ファイバから出射される光を前記伝送用ファイバへ集光入射させる集光光学系を備え
    Dcc≧Dct、かつ、NAc>NAt、である、
    光伝送装置。
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