JP7012578B2 - 新規化合物及び該化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環含有基又は下記一般式(a)で表される置換基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、及びR8とR9が互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は、1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つが、下記一般式(a)で表される置換基であるか、又はR1とR2、R2とR3、及びR3とR4の少なくとも1つの組み合わせが環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(a)で表される置換基で置換されている。
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、及びR8とR9が互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は、1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つが水酸基若しくは下記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR1とR2、R2とR3、及びR3とR4の少なくとも1つの組み合わせが環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つが水酸基若しくは下記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1AとR2A、R2AとRA3、R3AとRA4、RA5とR6A、R6AとR7A、R7AとR8A、及びR8AとR9Aが互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は、1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1A、R2A、R3A及びR4Aの少なくとも1つが水酸基であるか、又はR1AとR2A、R2AとR3A、及びR3AとR4Aの少なくとも1つの組み合わせが環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換されている。
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1BとR2B、R2BとR3B、R3BとR4B、R5BとR6B、R6BとR7B、R7BとR8B、及びR8BとR9Bが互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1B、R2B、R3B及びR4Bの少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR1BとR2B、R2BとR3B、及びR3BとR4Bの少なくとも1つの組み合わせが環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
工程(4):上記一般式(II-A)の化合物と、エピクロロヒドリンとを反応させて、一般式(I)で表される化合物を製造する。
工程(1):下記一般式(III-A)で表される化合物を、塩基の存在下又は非存在下で、スルホニル化剤、アルキル化剤又はアシル化剤と反応させて、下記一般式(III-B)で表される化合物を製造する。
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1AとR2A、R2AとRA3、R3AとRA4、RA5とR6A、R6AとR7A、R7AとR8A、及びR8AとR9Aが互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は、1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1A、R2A、R3A及びR4Aの少なくとも1つが水酸基であるか、又はR1AとR2A、R2AとR3A、及びR3AとR4Aの少なくとも1つの組み合わせが環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換されている。
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1BとR2B、R2BとR3B、R3BとR4B、R5BとR6B、R6BとR7B、R7BとR8B、及びR8BとR9Bが互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1B、R2B、R3B及びR4Bの少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR1BとR2B、R2BとR3B、及びR3BとR4Bの少なくとも1つの組み合わせが環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
工程(2):上記一般式(III-B)で表される化合物を、酸性触媒の存在下で、フェノールと反応させて、上記一般式(II-B)で表される化合物を製造する。
工程(3):塩基又は酸の存在下で、上記一般式(II-B)の化合物を反応させて、上記一般式(II-A)の化合物を製造する。
Ms:メチルスルホニル(CH3SO2-)
Me:メチル
Bn:ベンジル(C6H5CH2-)
Piv:ピバロイル((CH3)3C-(C=O)-)
n-:ノルマル
s-及びsec-:セカンダリー
i-及びiso-:イソ
t-及びtert-:ターシャリー
c-及びcyc-:シクロ
o-:オルソ
m-:メタ
p-:パラ
本明細書中、炭素原子数7~20のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、2-フェニルプロピル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル、4-クロロフェニルメチル等が挙げられる。
本明細書中、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、2-フェニルプロピルオキシ、ジフェニルメチルオキシ、トリフェニルメチルオキシ、スチリルオキシ、シンナミルオキシ、4-クロロフェニルメチルオキシ等が挙げられる。
本明細書中、炭素原子数2~20の複素環含有基としては、例えば、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペラジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリジル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル(すわなち、チオフェニル)、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ユロリジル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、2-ピロリジノン-1-イル、2-ピペリドン-1-イル、2,4-ジオキシイミダゾリジン-3-イル、2,4-ジオキシオキサゾリジン-3-イルからなる群から選択される複素環基、並びにこれらの複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基(好ましくは1~3個、より好ましくは1個の基)との組み合わせからなる基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中、炭素原子数1~10のアルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、へプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、フルオロメチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、クロロジフルオロメチルスルホニル、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル、ペンタフルオロエチルスルホニル等が挙げられる。メチルスルホニルはメタンスルホニル又はメシルとも言う。その類縁体及び誘導体についても同様である。従って、例えば、トリフルオロメチルスルホニルはトリフルオロメタンスルホニルとも言う。
本明細書中、炭素原子数6~10のアリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、4-メチルフェニルスルホニル、4-クロロフェニルスルホニル、2-ナフタレンスルホニル等が挙げられる。フェニルスルホニルはベンゼンスルホニルとも言う。その類縁体および誘導体についても同様である。例えば、4-メチルフェニルスルホニルは4-メチルベンゼンスルホニルとも言う。更に、4-メチルベンゼンスルホニルはp-トルエンスルホニルとも言う。
本明細書中、炭素原子数2~10のアルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、へプチルカルボニル、オクチルカルボニル、ノニルカルボニル等が挙げられる。tert-ブチルカルボニルはピバロイルとも言う。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であり;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環含有基又は上記一般式(a)で表される置換基である。
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、及びR8とR9が互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は、1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ)が、下記一般式(a)で表される置換基であるか、又はR1とR2、R2とR3、及びR3とR4の少なくとも1つの組み合わせ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つの組み合わせ)が環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ)が下記一般式(a)で表される置換基で置換されている。
X1及びX2は酸素原子であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数6~10のアリール基又は上記一般式(a)で表される置換基であり;
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、及びR8とR9が互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり、これらの環は、上記一般式(a)で表される置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1、R2、R3及びR4の1つが上記一般式(a)で表される置換基であるか、又はR1とR2、R2とR3、及びR3とR4の1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、そのベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の1つが上記一般式(a)で表される置換基で置換されている。
X1及びX2は酸素原子であり;R1、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基又はフェニル基であり;R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、フェニル基又は下記一般式(a)で表される置換基であり;
ただし、R2又はR3のいずれか一方が、上記一般式(a)で表される置換基であり、他方が水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基又はフェニル基である。
尚、粘度は、化合物を良溶媒に希釈した後、E型粘度計を用いて測定した値を基に、溶液濃度から外挿した値である。
R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、RA7、R8A及びR9Aは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基又は炭素原子数2~20の複素環含有基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1AとR2A、R2AとRA3、R3AとRA4、RA5とR6A、R6AとR7A、R7AとR8A、及びR8AとR9Aが互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は、1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1A、R2A、R3A及びR4Aの少なくとも1つ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ)が水酸基であるか、又はR1AとR2A、R2AとR3A、及びR3AとR4Aの少なくとも1つの組み合わせ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つの組み合わせ)が環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ)が水酸基で置換されている。
R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、RA7、R8A及びR9Aは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数6~10のアリール基であり;R1AとR2A、R2AとRA3、R3AとRA4、RA5とR6A、R6AとR7A、R7AとR8A、及びR8AとR9Aが、互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり、これらの環は、水酸基で置換されていることがあり;
ただし、R1A、R2A、R3A及びR4Aのいずれか1つが水酸基であるか、又はR1AとR2A、R2AとR3A、及びR3AとR4Aの1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、そのベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の1つが水酸基で置換されている。
R1A、R4A、R5A、R6A、RA7、R8A及びR9Aは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基又はフェニル基であり;R2A及びR3Aは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素原子数1~4のアルキル基又はフェニル基であり;
ただし、R2A及びR3Aのいずれか一方が水酸基であり、他方が水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基又はフェニル基である。
R1B、R2B、R3B、R4B、R5B、R6B、R7B、R8B及びR9Bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環含有基又は上記一般式(b)で表される置換基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該アリールアルコキシ基及び該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1BとR2B、R2BとR3B、R3BとR4B、R5BとR6B、R6BとR7B、R7BとR8B、及びR8BとR9Bが互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は1以上の置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1B、R2B、R3B及びR4の少なくとも1つ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ)が上記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR1BとR2B、R2BとR3B、及びR3BとR4Bの少なくとも1つの組み合わせ(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つの組み合わせ)が環を形成する場合には、その形成された環における水素原子の少なくとも1つが上記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
R1B、R2B、R3B、R4B、R5B、R6B、R7B、R8B及びR9Bは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数6~10のアリール基又は上記一般式(b)で表される置換基であり;
R1BとR2B、R2BとR3B、R3BとR4B、R5BとR6B、R6BとR7B、R7BとR8B、及びR8BとR9Bが、互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり、上記一般式(b)で表される置換基で置換されていることがあり;
ただし、R1B、R2B、R3B及びR4Bの1つが上記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR1BとR2B、R2BとR3B、及びR3BとR4Bの1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の1つが上記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
R1B、R4B、R5B、R6B、R7B、R8B及びR9Bは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、又はフェニル基であり;R2B及びR3Bは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、フェニル基又は上記一般式(b)で表される置換基であり;
ただし、R2B及びR3Bのいずれか一方が下記一般式(b)で表される置換基であり、他方が水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基又はフェニル基である。
それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数2~20の複素環含有基であり;該アルキル基、該アリール基、該アリールオキシ基、該アリールアルキル基、該複素環含有基は、1以上の置換基で置換されていることがあり;該アルキル基及び該アリールアルキル基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、及びR8とR9が、互いに結合して、環を形成する場合があり、その形成された環は、1以上の置換基で置換されていることがある
工程(1)について説明する。工程(1)は、水酸基の誘導体化である。工程(1)は、一般式(III-A)で表される化合物を、塩基の存在下又は非存在下で、誘導体化剤(例えば、スルホニル化剤、アルキル化剤又はアシル化剤)と反応させて、一般式(III-B)で表される化合物を製造する工程である。
工程(1)の原料として、一般式(III-A)で表される化合物を用いる。一般式(III-A)で表される化合物は公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。
工程(1)で用いる誘導体化剤の例は、スルホニル化剤、アルキル化剤又はアシル化剤等を含む。
工程(1)で用いるスルホニル化剤の例は、塩化メタンスルホニル、臭化メタンスルホニル、塩化モノクロロメタンスルホニル、臭化モノクロロメタンスルホニル、塩化トルエンスルホニル、臭化トルエンスルホニル、塩化ニトロベンゼンスルホニル、臭化ニトロベンゼンスルホニル、塩化トリフルオロメタンスルホニル、臭化トリフルオロメタンスルホニル、無水メタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸等を含むが、これらに限定されない。生成物の有用性、収率、副生成物の抑制及び経済効率等の観点から、スルホニル化剤の好ましい例は、塩化メタンスルホニル及び無水メタンスルホン酸を含む。
工程(1)で用いるアルキル化剤の例は、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、ジエチル硫酸、臭化プロピル、ヨウ化プロピル、ジプロピル硫酸、臭化イソプロピル、ヨウ化イソプロピル、ジイソプロピル硫酸、臭化ブチル、ヨウ化ブチル、メタンスルホン酸ブチル、ジブチル硫酸、塩化ベンジル、臭化ベンジル等を含むが、これらに限定されない。反応性、選択性及び経済効率等の観点から、アルキル化剤の好ましい例は、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸、塩化ベンジル及び臭化ベンジルを含む。
工程(1)で用いるアシル化剤の例は、一つの態様では、無水酢酸、塩化アセチル、臭化アセチル、無水トリフルオロ酢酸、無水ピバル酸、塩化ピバロイル、臭化ピバロイル等を含むが、これらに限定されない。反応性、選択性及び経済効率等の観点から、アシル化剤の好ましい例は、無水酢酸、塩化アセチル及び塩化ピバロイルを含む。工程(1)のアシル化剤の例は、別の態様では、前記例を含み、無水安息香酸、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル等もまた含んでもよい。
(工程(1)におけるスルホニル化剤、アルキル化剤及びアシル化剤の使用量)
工程(1)における誘導体化剤(例えば、スルホニル化剤、アルキル化剤又はアシル化剤)の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。当該使用量は適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、当該使用量は、一般式(III-A)で表される化合物(原料)1モルに対して、通常1.0~20.0当量、好ましくは1.0~5.0当量、より好ましくは1.0~1.5当量の範囲である。
工程(1)の反応は、塩基の存在下又は非存在下で、好ましくは塩基の存在下で行われる。工程(1)に使用される塩基の例は、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属カルボン酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert-ブトキシド等)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム等)、アミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジン等)を含むが、これらに限定されない。反応性及び経済効率等の観点から、工程(1)で用いる塩基の好ましい例は、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ金属水素化物、アミン、より好ましくはアミンを含む。上記と同じ観点から、塩基の好ましい具体的な例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジンより好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジンを含む。工程(1)で用いる塩基は、単独で又は2種以上を任意の割合で組み合わせて使用することができる。工程(1)で用いる塩基の形態は、反応が進行する限りは、特に制限されない。
工程(1)における塩基の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。塩基の使用量は、適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、塩基の使用量は、一般式(III-A)で表される化合物(原料)1モルに対して、通常0(ゼロ)~100当量、好ましくは1~50当量、より好ましくは1~10当量の範囲である。
反応の円滑な進行等の観点から、工程(1)の反応は溶媒中で実施することが好ましい。工程(1)で用いる溶媒は、反応が進行する限りは、特に制限されない。溶媒の例は、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル-tert-ブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アミド類(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)等)、アルキル尿素類(例えば、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン等)を含む。工程(1)で用いる溶媒は、単独で又は2種以上を任意の割合で組み合わせて使用することができる。
工程(1)における溶媒の使用量は、反応系の撹拌が十分にできる限りは、特に制限されない。収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、一般式(III-A)で表される化合物1モルに対して、通常0(ゼロ)~10L(リットル)、好ましくは0.1~5L、より好ましく0.1~2Lの範囲である。2種以上の溶媒を組み合わせて用いる場合、それらの溶媒の割合は、反応が進行する限りは、特に制限されない。
工程(1)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、反応温度は、通常-20℃(マイナス20℃)~150℃、好ましくは-10℃(マイナス10℃)~100℃の範囲である。
工程(1)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物の抑制および経済効率等の観点から、反応時間は、通常0.5時間~48時間、好ましくは1時間~24時間の範囲である。
工程(2)について説明する。工程(2)は、フェノールとの反応によるビスフェノール部分の合成である。工程(2)は、一般式(III-B)で表される化合物を、酸性触媒の存在下で、フェノールと反応させて、一般式(II-B)の化合物を製造する工程である。工程(2)では、酸性触媒及びメルカプタン触媒の両方を用いる場合もある。
工程(2)におけるフェノールの使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。フェノールの使用量は、適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、フェノールの使用量は、一般式(III-B)で表される化合物(原料)1モルに対して、通常2当量~100当量、好ましくは2当量~50当量、より好ましくは5当量~10当量の範囲である。
工程(2)で用いる酸性触媒は、反応が進行する限りは、いずれの酸性触媒でもよい。酸性触媒の例は、スルホン酸類(例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ヒドロキシメチルスルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、ヒドロキシプロピルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スルホサリチル酸、スルホフタル酸等);硫酸;無水硫酸;発煙硫酸;クロロ硫酸、フルオロ硫酸;塩酸;塩化水素ガス;リン酸;オキシ塩化リン;カルボン酸類(例えば、シュウ酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等);ヘテロポリ酸(ケイタングステン酸、リンタングステン酸等);強酸性のイオン交換樹脂;活性白土;三フッ化ホウ素;無水塩化アルミニウム;塩化亜鉛等を含むが、これに限定されない。
工程(2)における酸性触媒の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。酸性触媒の使用量は、適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、一般式(III-B)で表される化合物(原料)1モルに対して、通常0.01当量~1.0当量、好ましくは0.1当量~0.8当量、より好ましくは0.2当量~0.5当量の範囲である。
更に、反応を促進するために、メルカプタン触媒を使用することもできる。工程(2)のメルカプタン触媒は、反応が進行する限りは、いずれのメルカプタン触媒でもよい。工程(2)のメルカプタン触媒の例は、アルキルメルカプタン類(例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、1,6-ヘキサンジチオール等);芳香族メルカプタン類(チオフェノール、チオクレゾール等);メルカプト有機酸類(例えば、メルカプト酢酸(チオグリコール酸)、3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトウンデカン酸、チオ安息香酸等);複素環族メルカプタン類(例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール等)等を含むが、これらに限定されない。
工程(2)のメルカプタン触媒の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。工程(2)のメルカプタン触媒の使用量は、当業者が適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、メルカプタン触媒の使用量は、一般式(III-B)で表される化合物(原料)1モルに対して、通常0.01当量~0.8当量、好ましくは0.05当量~0.5当量、より好ましくは0.1当量~0.3当量の範囲を例示できる。
工程(2)の反応は溶媒の存在下または非存在下で行うことができる。工程(2)の反応は無溶媒で行うことができる。工程(2)の反応では、必要に応じて溶媒を用いることもできる。工程(2)の反応で溶媒が使用される場合は、反応が進行する限りは、溶媒は特に制限されない。溶媒としては例えば、水、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ-又はn-プロパノール、イソ-又はn-ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D-リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油社製)、ソルベッソ#100(エクソン化学社製)等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
工程(2)の反応に使用される溶媒の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。反応効率および操作の容易さ等の観点から、工程(2)の反応に使用される溶媒の使用量は、一般式(III-B)で表される化合物1モルに対して、通常0(ゼロ)~10L(リットル)、好ましくは0~5Lの範囲を例示することができるが、使用量は、当業者が適切に調整することができる。2種以上の溶媒の組み合わせ(混合溶媒)を用いるときは、2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、より具体的には、例えば、反応速度と生成物の安定性等の観点から、通常は20~200℃、好ましくは50~100℃、より好ましくは50~80℃の範囲を例示することができる。
反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、0.5時間~48時間、好ましくは1時間~24時間の範囲を例示できる。
工程(2’)における反応剤、触媒、溶媒、それらの使用量及び反応条件の例は、上記の工程(2)におけるそれらと同様である。
工程(3)について説明する。工程(3)では、誘導化されている水酸基を遊離の水酸基に変換する。工程(3)は、塩基又は酸の存在下で、一般式(II-B)の化合物を反応させて、一般式(II-A)の化合物を製造する工程である。
工程(3)の反応では、その目的が達せられる限りは、塩基及び酸のどちらを用いても構わない
工程(3)で用いる塩基の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、より好ましくは水酸化ナトリウムを含むが、これらに限定されない。塩基は、単独で又は2種以上を任意の割合で組み合わせて使用することができる。塩基の形態は、その目的が達せられる限りは、特に制限されない。塩基の形態の例は、塩基のみの固体、並びに任意の濃度の水溶液及び水以外の溶媒の溶液等を含む。塩基の形態の具体的な例は、フレーク、ペレット、ビーズ、パウダー、5~50%水溶液(例えば、48%水酸化ナトリウム水溶液、25%水酸化ナトリウム水溶液、15%水酸化ナトリウム水溶液)等を含むが、これらに限定されない。
工程(3)で用いる酸の例は、塩酸、硫酸、臭化水素酸等、フッ化水素酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、好ましくは塩酸、硫酸を含むが、これらに限定されない。酸は、単独で又は2種以上を任意の割合で組み合わせて使用することができる。酸の形態は、その目的が達せられる限りは、特に制限されない。酸の形態の例は、酸のみの液体及びガス、並びに任意の濃度の水溶液(例えば35%塩酸)及び水以外の溶媒の溶液等を含む。
工程(3)の反応で塩基を用いる場合、塩基の使用量は、その目的が達せられる限りは、特に制限されない。塩基の使用量は、適切に調整することができる。しかしながら、収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、塩基の使用量は、一般式(II-B)の化合物(原料)1モルに対して、通常1当量~100当量、好ましくは1当量~50当量、より好ましくは1当量~10当量の範囲である。工程(3)の反応で酸を用いる場合、酸の使用量は、塩基を用いる場合の塩基の使用量と同様である。
反応の円滑な進行等の観点から、工程(3)の反応は溶媒中で実施することが好ましい。工程(3)用いる溶媒は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(3)に使用される溶媒の例は、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル-tert-ブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、アミド類(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)等)、アルキル尿素類(例えば、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン等)を含むが、これらに限定されない。溶媒は、単独で又は2種以上を任意の割合で組み合わせて使用することができる。
工程(3)における溶媒の使用量は、反応系の撹拌が十分にできる限りは、特に制限されない。収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、溶媒の使用量は、一般式(II-B)の化合物1モルに対して、通常0(ゼロ)~10L(リットル)、好ましくは0.1~5L、より好ましく0.1~2Lの範囲である。2種以上の溶媒を組み合わせて用いる場合、それら溶媒の割合は、反応が進行する限りは、特に制限されない。
工程(3)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物の抑制および経済効率等の観点から、通常-10℃(マイナス10℃)~150℃、好ましくは20℃~100℃の範囲である。
工程(3)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、通常0.5時間~48時間、好ましくは0.5時間~24時間、より好ましくは1時間~12時間の範囲である。
工程(4)について説明する。工程(4)は、エピクロロヒドリンとの反応によるエポキシ基の導入である。工程(4)は、エポキシ基を導入した後に、硫化剤との反応によるエピスルフィド化を含む場合がある。工程(4)は、一般式(II-A)で表される化合物を、エピクロロヒドリンと反応させて、場合により続いて硫化剤と反応させて、一般式(I)の化合物を製造する工程である。
工程(4)におけるエピクロロヒドリンの使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。エピクロロヒドリンの使用量は、適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、一般式(II-A)で表される化合物の水酸基1モルに対して、通常1当量~200当量、好ましくは5当量~50当量、より好ましくは10当量~20当量の範囲である。
工程(4)に使用される塩基の例は、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデカ-7-エン(DBU)、ピリジン等)を含むが、これらに限定されない。
工程(4)における塩基の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。塩基の使用量は、適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、塩基の使用量は、一般式(II-A)の化合物の水酸基1モルに対して、通常0.1当量~100当量、好ましくは1当量~50当量、より好ましくは1当量~5当量の範囲である。
工程(4)における酸性触媒は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(4)における酸性触媒の例は、上記工程(2)における酸性触媒の例を含み、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化マグネシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸カリウム等もまた含むが、これらに限定されない。
工程(4)における酸性触媒の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。酸性触媒の使用量は、目的と状況に応じて、適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、酸性触媒の使用量は、一般式(II-A)で表される化合物(原料)1モルに対して、通常0.01当量~1.0当量、好ましくは0.03当量~0.8当量、より好ましくは0.05当量~0.5当量の範囲を例示できる。
工程(4)で用いる相間移動触媒は、反応が進行する限りは、特に制限されない。相間移動触媒の例は、四級アンモニウム塩類(例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、水酸化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリブチルメチルアンモニウムクロライド、トリブチルメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルエチルアンモニウムクロライド、トリオクチルエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムブロマイド、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムブロマイド、N,N-ジメチルピロリジニウムクロリド、N-エチル-N-メチルピロリジニウムヨージド、N-ブチル-N-メチルピロリジニウムブロミド、N-ベンジル-N-メチルピロリジニウムクロリド、N-エチル-N-メチルピロリジニウムブロミド、N-ブチル-N-メチルモルホリニウムブロミド、N-ブチル-N-メチルモルホリニウムヨージド、N-アリル-N-メチルモルホリニウムブロミド、N-メチル-N-ベンジルピペリジニウムクロリド、N-メチル-N-ベンジルピペリジニウムブロミド、N,N-ジメチルピペリジニウムヨージド、N-メチル-N-エチルピペリジニウムアセテート、N-メチル-N-エチルピペリジニウムヨージド等)、クラウンエーテル類(12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6等)、ホスホニウム塩類(テトラn-ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラオクチルホスホニウムブロマイド)等を含む。工程(4)で用いる相間移動触媒の好ましい例は、四級アンモニウム塩(例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリブチルメチルアンモニウムクロライド、トリブチルメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムブロマイド及びミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド)を含む。
工程(4)における相間移動触媒の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。相間移動触媒の使用量は、適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、相間移動触媒の使用量は、一般式(II-A)の化合物(原料)1モルに対して、通常0.01当量~1.0当量、好ましくは0.03当量~0.8当量、より好ましくは0.05当量~0.5当量の範囲を例示できる。
工程(4)の反応は溶媒の存在下または非存在下で行うことができる。工程(4)の反応は無溶媒で行うことができるが、必要に応じて溶媒を用いることもできる。溶媒を使用する場合、反応が進行する限りは、用いる溶媒は特に制限されない。工程(4)の反応に使用できる溶媒の例は、上記工程(2)の溶媒の例を含み、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
工程(4)の反応に使用される溶媒の使用量及び溶媒の割合等は、上記工程(2)におけるそれらと同様である。
工程(4)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、より具体的には、反応速度と生成物の安定性等の観点から、通常は20~150℃、好ましくは30~100℃、より好ましくは30~80℃の範囲である。
工程(4)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物の抑制、経済効率等の観点から、通常0.5時間~48時間、好ましくは1時間~24時間の範囲である。
場合により、エピクロロヒドリンとの反応に続いて、エポキシ基を硫化剤と反応させることにより、1以上のエポキシ基をエピスルフィド基に変換してもよい。エピスルフィド化は、公知の方法を用いることができる。エピスルフィド化における条件は、目的と状況に応じて、適宜選択及び調整することができる。硫化剤の例は、チオ尿素及びチオシアン酸(例えば、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等)等、好ましくはチオ尿素を含む。
(融点)
株式会社島津製作所製、示差走査熱量計 DSC-60を用いて測定した。
(NMR)
バリアンテクノロジーズジャパンリミテッド株式会社(現在:アジレントテクノロジー株式会社)製、核磁気共鳴装置 Varian mercury VX-300 NMRを用いて測定した。
(IR)
ジャスコエンジニアリング株式会社製、フーリエ変換赤外分光光度計 FT/IR-420 A18を用いて測定した。
(LC-MS)
日本ウォーターズ株式会社製、液体クロマトグラフ質量分析計 Waters LC/MS Q-Tof Premier HAB309を用いて測定した。
(HPLC)
株式会社島津製作所製、高速液体クロマトグラフィー LC2010A HTを用いて測定した。
融点:126℃
1H-NMR(DMSO-d6)のケミカルシフト(ppm)
7.65-7.56(m,2H)、7.40-7.29(m,3H)、7.28-7.18(m,3H)、4.74-4.68(dd,1H)、3.43(s,3H)、3.35-3.26(dd,1H)、2.74-2.66(dd,1H)
IRの吸収(cm-1)
3050、3025、3012、1709、1363、1182、1166、863、520
融点:208℃
1H-NMR(DMSO-d6)のケミカルシフト(ppm)
9.26(s,1H)、9.22(s,1H)、7.38-7.24(m,5H)、7.18-7.13(m,1H)、7.05-6.98(m,3H)、6.94-6.90(m,2H)、6.87-6.83(m,1H)、6.73-6.67(m,4H)、4.18-4.12(dd,1H)、3.32(s,3H)、3.23-3.17(dd,1H)、2.74-2.66(dd,1H)
IRの吸収(cm-1)
3385、3026、1510、1362、1176、837
融点:189℃
1H-NMR(DMSO-d6)のケミカルシフト(ppm)
9.19(s,1H)、9.16(s,1H)、9.09(s,1H)、7.34-7.12(m,5H)、6.98-6.91(m,4H)、6.71-6.66(m,4H)、6.56(s,2H)、6.41(s,1H)、4.02-3.96(dd,1H)、3.08-3.01(dd,1H)、3.69-2.61(t,1H)
IRの吸収(cm-1)
3545、3266、3025、2973、1508、1235、1178、837
化合物(II-A-1)の異性体混合物:64%(内、化合物(II-A-1)が20%)
化合物(II-B-2)の異性体混合物:71%(内、化合物(II-B-2)が34%)
化合物(II-A-1)の異性体混合物:23%(内、化合物(II-A-1)が15%)
化合物(III-A-1):21%
化合物(II-A-1)の異性体混合物:27%(内、化合物(II-A-1)が22%)
化合物(II-B-4):31%化合物(III-A-1):9%
1H-NMR(DMSO-d6)のケミカルシフト(ppm)
7.36-7.21(m,5H)、7.17-7.12(m,2H)、7.07-7.03(m,2H)、6.92-6.87(m,4H)、6.83-6.79(dd,1H)、6.72-6.69(dd,1H)、6.60-6.59(d,1H)、4.32-4.19(m,3H)、4.11-4.05(dd,1H)、3.87-3.73(m,3H)、3.34-3.25(m,3H)、3.21-3.14(dd,1H)、2.85-2.78(m,3H)、2.72-2.64(m,4H)
IRの吸収(cm-1)
3057、3027、3000、2925、1508、1245、1182、1032、831
2-ブタノンに化合物(I-1)及びアデカレジンEP-4100(ADEKA社製ビスフェノールA型エポキシ化合物)を溶解させた組成物を、それぞれ60℃で5日放置した。下記の評価基準により保存安定性を評価した。
○:変化なし
×:増粘あるいはゲル化
Claims (15)
- 下記一般式(I)で表される化合物。
式中、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であり;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環基、複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基との組み合わせからなる炭素原子数2~20の基、又は下記一般式(a)で表される置換基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、及びR8とR9が互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり;
ただし、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つが、下記一般式(a)で表される置換基であるか、又はR1とR2、R2とR3、及びR3とR4の少なくとも1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(a)で表される置換基で置換されている。
式中、X3は、酸素原子又は硫黄原子であり;*は結合部分を表す。 - R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 及びR 9 が、それぞれ独立に、水素原子又は上記一般式(a)で表される置換基であり、
R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 の少なくとも1つが、上記一般式(a)で表される置換基である、請求項1に記載の化合物。 - R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 の1つが、上記一般式(a)で表される置換基である、請求項1又は2に記載の化合物。
- 下記一般式(II-A)で表される化合物。
式中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A 、R8A及びR9Aは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環基、又は複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基との組み合わせからなる炭素原子数2~20の基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1AとR2A、R2AとR 3A 、R3AとR 4A 、R 5A とR6A、R6AとR7A、R7AとR8A、及びR8AとR9Aが互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり;
ただし、R1A、R2A、R3A及びR4Aの少なくとも1つが水酸基であるか、又はR1AとR2A、R2AとR3A、及びR3AとR4Aの少なくとも1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換されている。 - R 1A 、R 2A 、R 3A 、R 4A 、R 5A 、R 6A 、R 7A 、R 8A 及びR 9A は、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基であり;
R 1A 、R 2A 、R 3A 及びR 4A の少なくとも1つが水酸基である、請求項4に記載の化合物。 - R 1A 、R 2A 、R 3A 及びR 4A のいずれか1つが水酸基である、請求項4又は5に記載の化合物。
- 下記一般式(II-B)で表される化合物。
式中、R1B、R2B、R3B、R4B、R5B、R6B、R7B、R8B及びR9Bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環基、複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基との組み合わせからなる炭素原子数2~20の基又は下記一般式(b)で表される置換基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1BとR2B、R2BとR3B、R3BとR4B、R5BとR6B、R6BとR7B、R7BとR8B、及びR8BとR9Bが互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり;
ただし、R1B、R2B、R3B及びR4Bの少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR1BとR2B、R2BとR3B、及びR3BとR4Bの少なくとも1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
式中、Yは、炭素原子数1~10のアルキルスルホニル基、炭素原子数6~10のアリールスルホニル基、又は炭素原子数2~10のアルキルカルボニル基を表し;*は結合部分を表す。 - R 1B 、R 2B 、R 3B 、R 4B 、R 5B 、R 6B 、R 7B 、R 8B 及びR 9B は、それぞれ独立に、水素原子又は上記一般式(b)で表される置換基であり;
R 1B 、R 2B 、R 3B 及びR 4B の少なくとも1つが上記一般式(b)で表される置換基である、請求項7に記載の化合物。 - R 1B 、R 2B 、R 3B 及びR 4B の1つが上記一般式(b)で表される置換基である、請求項7又は8に記載の化合物。
- Yは、炭素原子数1~10のアルキルスルホニル基、又は炭素原子数2~10のアルキルカルボニル基を表し;*は結合部分を表す、請求項7~9のいずれか1項に記載の化合物。
- Yは、炭素原子数1~10のアルキルスルホニル基を表し;*は結合部分を表す、請求項7~10のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項4~6のいずれか1項に記載の上記一般式(II-A)で表される化合物と、エピクロロヒドリンとを反応させる工程を含む、請求項1に記載の上記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
- 下記一般式(III-B)で表される化合物と、フェノールとを反応させる工程を含む、下記一般式(II-A)で表される化合物の製造方法。
式中、R1B 、R2B 、R3B 、R4B 、R5B 、R6B 、R7B 、R8B 及びR9B は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環基、複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基との組み合わせからなる炭素原子数2~20の基又は下記一般式(b)で表される置換基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R 1B とR 2B 、R 2B とR 3B 、R 3B とR 4B 、R 5B とR 6B 、R 6B とR 7B 、R 7B とR 8B 、及びR 8B とR 9B が互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり;
ただし、R 1B 、R 2B 、R 3B 及びR 4B の少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR 1B とR 2B 、R 2B とR 3B 、及びR 3B とR 4B の少なくとも1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
式中、Yは、炭素原子数1~10のアルキルスルホニル基、炭素原子数6~10のアリールスルホニル基、又は炭素原子数2~10のアルキルカルボニル基を表し;*は結合部分を表す。
式中、R1A 、R2A 、R3A 、R4A 、R5A 、R6A 、R7A 、R8A 及びR9A は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環基又は複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基との組み合わせからなる炭素原子数2~20の基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1A とR2A 、R2A とR3A 、R3A とR4A 、R5A とR6A 、R6A とR7A 、R7A とR8A 、及びR8A とR9A が互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり;
ただし、R1A 、R2A 、R3A 及びR4A の少なくとも1つが水酸基であるか、又はR1A とR2A 、R2A とR3A 、及びR3A とR4A の少なくとも1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換されている。 - 以下の工程(1)~(3)を含む、請求項13に記載の製造方法。
工程(1):下記一般式(III-A)で表される化合物を、塩基の存在下又は非存在下で、スルホニル化剤、又はアシル化剤と反応させて、下記一般式(III-B)で表される化合物を製造する。
式中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A 、R8A及びR9Aは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環基、又は複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基との組み合わせからなる炭素原子数2~20の基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1AとR2A、R2AとR3A 、R3AとR4A 、R5A とR6A、R6AとR7A、R7AとR8A、及びR8AとR9Aが互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり;
ただし、R1A、R2A、R3A及びR4Aの少なくとも1つが水酸基であるか、又はR1AとR2A、R2AとR3A、及びR3AとR4Aの少なくとも1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換されている。
式中、R1B、R2B、R3B、R4B、R5B、R6B、R7B、R8B及びR9Bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアリールアルキル基、炭素原子数7~20のアリールアルコキシ基、炭素原子数2~20の複素環基、複素環基と炭素原子数1~8のアルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CO-NH-及び-NH-CO-からなる群から選択される1以上の基との組み合わせからなる炭素原子数2~20の基又は下記一般式(b)で表される置換基であり;
該アルキル基、該アルコキシ基、該アリールアルキル基及び該アリールアルコキシ基中の1以上の単結合が、二重結合及び/又は三重結合で置換されていることがあり;R1BとR2B、R2BとR3B、R3BとR4B、R5BとR6B、R6BとR7B、R7BとR8B、及びR8BとR9Bが互いに結合して、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合があり;
ただし、R1B、R2B、R3B及びR4Bの少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基であるか、又はR1BとR2B、R2BとR3B、及びR3BとR4Bの少なくとも1つの組み合わせがベンゼン環又はシクロヘキサン環を形成する場合には、その形成されたベンゼン環又はシクロヘキサン環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(b)で表される置換基で置換されている。
式中、Yは、炭素原子数1~10のアルキルスルホニル基、炭素原子数6~10のアリールスルホニル基、又は炭素原子数2~10のアルキルカルボニル基を表し;*は結合部分を表す。
工程(2):上記一般式(III-B)で表される化合物を、酸性触媒の存在下で、フェノールと反応させて、下記一般式(II-B)で表される化合物を製造する。
式中のR1B、R2B、R3B、R4B、R5B、R6B、R7B、R8B及びR9Bは、一般式(III-B)のそれらと同じである。
工程(3):塩基又は酸の存在下で、上記一般式(II-B)で表される化合物を反応させて、下記一般式(II-A)で表される化合物を製造する。
式中のR1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R 7A 、R8A及びR9Aは、一般式(III-A)のそれらと同じである。 - 請求項13又は14に記載の製造方法を含む、請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
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