JP7004894B2 - フレームカバー及び乗物用シート - Google Patents
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Description
キャップ部材を組み付ける作業者は、キャップ部材をカバー本体に対して相対的にスライドさせ、挟持片を嵌合片に嵌合させることによって、キャップ部材をカバー本体に取り付けていた。
上記構成によれば、キャップ部材を回動させて係止部を被係止部に係止させることができるため、カバー本体におけるキャップ部材が取り付けられる部位の周りが狭くても、コンパクトな動作でキャップ部材をカバー本体に係止させて容易に取り付けることできる。
また、上記構成によれば、係止部が例えば樹脂等で形成されて可撓性を有することで、キャップ部材の下側をカバー本体に向けて回動させて係止部を被係止部に係止させる際に、切欠きの縁に当接したときに係止部が撓むことで、キャップ部材をスムーズに回動させることが可能となる。さらに、係止部を切欠きに通すようにして裏面側に係止させることで、切欠きの縁によって係止部の移動を制限してガタツキを抑制することができ、切欠きの縁に補強リブが形成されていることで、その剛性を高め、取付強度を高めることができる。
上記構成によれば、爪部が、第一部と、第一部から屈曲して形成されて第一部に交差する方向に延在する第二部と、から構成されて、複数設けられていることで、受入穴の縁の裏側に、爪部を潜りこませて第二部を当接させるようにして安定して仮組みが可能となり、組付作業性が向上する。また、足蹴り等によってキャップ部材に荷重が加わったとしても、爪部の第二部が受入穴の縁に引っかかることで、キャップ部材がカバー本体から外れることを抑制できる。
上記構成によれば、キャップ部材がドーム型であることで、キャップ部材を薄型軽量にしつつ剛性を確保することができる。
上記構成によれば、キャップ部材が、シート幅方向外側から見たときに半円形状であり、さらに、キャップ部材の外周におけるカバー本体側の面にキャップ側フランジが突出して形成されていることで、キャップ部材を薄肉軽量にしたとしても剛性を確保することができる。さらには、キャップ側フランジをカバー本体の一部に沿わせた状態でキャップ部材をカバー本体に取り付けることで、キャップ部材とカバー本体との取付強度を高めることができる。
上記構成によれば、カバー本体のシート幅方向外側の面とキャップ側フランジのシート幅方向内側の面とが面合わせとなる状態で、キャップ部材がカバー本体に取り付けられていることで、両者の間に隙間が生じることを回避して、強固に取り付けることができる。
上記構成によれば、開口が、シートベルト構成部材が挿通する方向に垂直な面において矩形状に形成されていることで、シートベルト構成部材の一部をキャップ部材が覆ったときに、シートベルト構成部材及びシートベルト構成部材をシートクッションフレームに取り付けるためのボルト・ナットとキャップ部材との間に隙間が生じることを抑制することができる。
上記構成によれば、本体側フランジがキャップ部材におけるシート幅方向内側の面に当接することによって、キャップ部材のカバー本体への取付位置が規制され、キャップ部材をカバー本体に強固に取り付けできる。
また、受入穴の縁の裏側に、爪部を潜りこませて第二部を当接させるようにして安定して仮組みが可能となり、組付作業性が向上し、また、キャップ部材がカバー本体から外れることを抑制できる。
また、キャップ部材をスムーズに回動させることが可能となり、係止部の移動を制限してガタツキを抑制することができ、剛性を高め、取付強度を高めることができる。
また、キャップ部材を薄型軽量にしつつ剛性を確保することができる。
さらに、キャップ部材とカバー本体との取付強度を高めることができる。
さらには、キャップ部材とカバー本体との間に隙間が生じることを回避して、強固に取り付けることができる。
また、シートベルト構成部材及びボルト・ナットとキャップ部材との間に隙間が生じることを抑制することができる。
キャップ部材のカバー本体への取付位置が規制され、キャップ部材をカバー本体に強固に取り付けできる。
また、以下において、前後、左右、上下の各方向は、車両用シートSの着座者から見た各方向と一致することとする。
まず、本発明のシートである本実施形態に係る車両用シートSの全体構成について、図1を主に参照し、車両用シートSの骨格を成すシートフレームFについて図2を主に参照して概説する。図1は、車両用シートSの斜視図、図2は、シートフレームFの斜視図である。
車両用シートSは、シートバックS1と、シートクッションS2と、シートベルト5と、から主に構成されている。また、車両用シートSは、骨格部分を成すシートフレームFの上にクッション材を載置した上で、表皮材により被覆することにより構成されている。
シートクッションS2は、着座者の臀部を支持する座部を構成し、骨格部分を成すシートクッションフレーム2を有する。
シートクッションS2の後端部に、リクライニング機構4が設けられている。シートバックS1は、シートクッションS2に設けられたリクライニング機構4によって、シートクッションS2に対する相対的な傾斜度を調整可能にシートクッションS2に接続されている。
シートクッションフレーム2は、本発明のクッションフレームに相当するものであり、左右の両側後端部に設けられた板フレーム25R,25Lと、インナーブラケット14及びシートベルトブラケット15と、パイプフレーム24と、を主に備える。
板フレーム25Lは、側面視平行四辺形状に形成されており、その前側の下端部に、インナーブラケット14がボルト・ナットにより取り付けられている。インナーブラケット14とシートベルトブラケット15とは一体的に溶接されており、シートベルトブラケット15には、後述する取付部材5dを介してバックル5eが取り付けられる。
板フレーム25Rは、シートバックフレーム1の右側下端部と連結フレーム11Rによって連結されており、板フレーム25Lは、シートバックフレーム1の左側下端部と連結フレーム11Lによって連結されている。
ワイヤー3は、前後方向に延在しており、後方に折り返されて形成された前端部3aがパイプフレーム24に前端近傍に溶接されており、前方に折り返されて形成された後端部3bがパイプフレーム24の後端部に溶接されている。特に、ワイヤー3の後端部3bにおける折り返し部分は、他の部位よりもシート幅方向外側に突出するように形成されている。
ワイヤー3の後端部3bは、シート幅方向外側に突出する突出部であり、後述するように、シートベルト5が引っ張られて右側リクラカバー7又は左側リクラカバー8がシート幅方向内側に移動したときに、右側リクラカバー7又は左側リクラカバー8の内側面に当接するように形成されている。
ウェビング5aの一端は、シートクッションフレーム2のブラケット6に取り付けられたアンカー5cによって固定されている。
タング5bは、取付部材5dを介してシートクッションフレーム2に取り付けられたバックル5eによって保持されている。
特に、アンカー5c及び取付部材5dは、本発明に係るシートベルト構成部材に相当する。
次に、本発明のフレームカバーとしての右側リクラカバー7及び左側リクラカバー8の概要について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、図2に示すシートクッションフレーム2の一部に右側リクラカバー7が取り付けられた状態を示す図であって、図2のIII方向矢視の右側側面図である。図4は、図2に示すシートクッションフレーム2の一部に左側リクラカバー8、及び取付部材5dを介してバックル5eが取り付けられた状態を示す図であって、図2のIV方向矢視の左側側面図である。
カバー本体7aは、シートクッションフレーム2の後端側を右側方から覆う部材である。カバー本体7aに形成された開口7bは、シートクッションフレーム2に取り付けられたアンカー5cをカバー本体7aの外側に挿通可能とするために形成されている。
キャップ部材7cは、アンカー5cの下側の一部を覆って、カバー本体7aの開口7bの周縁に取り付けられる部材である。キャップ部材7cは、カバー本体7aに形成された開口7bの上縁までを完全には塞いでいない。このため、アンカー5cは、キャップ部材7cと開口7bの上縁との間に隙間が形成されていることで、開口7bの隙間からカバー本体7aの外側に挿通可能となっている。
次に、右側リクラカバー7について、図3に加え、図5~図9を参照して詳細に説明する。
図5は、右側リクラカバー7と左側リクラカバー8に取り付けられる前のキャップ部材7cを示す表面側側面図、図6は、右側リクラカバー7に取り付けられた後のキャップ部材7cを示す裏面側側面図である。図7は、キャップ部材7cの裏面側を示す斜視図、図8は、右側リクラカバー7にキャップ部材7cが取り付けられる直前の状態を示す、キャップ部材7c近傍を下方から見た斜視図である。また、図9は、右側リクラカバー7にキャップ部材7cが取り付けられた状態を示す、キャップ部材7c近傍を上方から見た斜視図である。
座面70aは、キャップ部材7cが取り付けられた状態において面で当接される部位であり、側面視略U字状に形成され、後ろ側に若干傾いた角度で形成されている。座面70aには、後述するキャップ部材7cの爪部71cが挿入される2個の長穴状の受入穴70bが一対の上側端部に、厚さ方向に貫通して形成されている。
受入穴70bが長穴状に形成されていることで、受入穴70bに通した後に回動する爪部71cの回動動作との干渉を回避しやすくなる。
突き当てリブ70fは、シートベルト5が引っ張られて右側リクラカバー7(具体的には、カバー本体7a)がシート幅方向に変形しようとする際に、ワイヤー3の後端部3bに早いタイミングで当接するようにワイヤー3側に突出して形成されている。このように、突き当てリブ70fがワイヤー3に早いタイミングで当接することで、右側リクラカバー7のシート幅方向の変形を抑制し、カバー本体7aが破損することを抑制できる。
キャップ部材7c、及びカバー本体7aにおけるキャップ部材7cが取り付けられる部位は、キャップ部材8c、及びカバー本体8aにおけるキャップ部材8cが取り付けられる部位と略同一の構成である。このため、以下においてキャップ部材7cを主として説明する。
爪部71cは、キャップ部材7cのキャップ側フランジ71eの裏面から垂直に立設する第一部71xと、第一部71xに交差する方向に延在しており、第一部71xの端部から上方に屈曲して形成された第二部71yと、から構成されている。
第一部71xは、キャップ部材7cがカバー本体7aに取り付けられた状態において、受入穴70bを挿通する位置に配置される部位である。また、第二部71yは、爪部71cが受入穴70bに挿入された状態で、爪部71cを回動中心としてキャップ部材7cの下側をカバー本体7aに向けて回動させたときに、受入穴70bの裏側の縁に当接する部位である。なお、爪部71cを受入穴70bに挿入させ、カバー本体7aを回動させる動作の詳細については後述する。
係止端71tは、カバー本体7aの裏面側に形成された被係止部70cに当接して係止する部位である。
このように、キャップ部材7cが平面部71fを有して、開口7bの上記の面が矩形状に形成されていることで、アンカー5cの一部をキャップ部材7cが覆ったときに、アンカー5c及びアンカー5cをシートクッションフレーム2に取り付けるためのボルト・ナットとキャップ部材7cとの間に隙間が生じることを抑制して、車両用シートS全体としてコンパクトにすることが可能となる。
なお、キャップ部材7cは、裏面側に平面部71fを有するだけでなく、平面部71fに対向する部位の表面側も平面状の平面部71aを有する。
次に、図10を主に参照して、カバー本体7aへのキャップ部材7cの取り付けについて説明する。図10(a)は、図5のX-X断面部分を示す図であり、右側リクラカバー7にキャップ部材7cの爪部71cが掛けられた状態を示す模式的な説明図、図10(b)は、右側リクラカバー7にキャップ部材7cの爪部71cが掛けられ、係止部71dが係止した状態を示す模式的な説明図である。
このとき、作業者は、係止部71dを撓ませつつ切欠き70dに通す。なお、係止部71dが可撓性を有することで、キャップ部材7cが回動する際に、係止部71dが切欠き70dの縁に当接したときに撓むこととなる。このため、作業者は、係止部71dに力を加えて撓ませなくとも、係止部71dが自然に撓み、係止部71dが切欠き70dの裏面側の縁に至るまで、キャップ部材7cをスムーズに回動させることが可能となる。
次に、左側リクラカバー8について図11及び図12を参照して説明する。図11は、左側リクラカバー8にキャップ部材8c及び操作レバー8dが取り付けられた状態を示す斜視図、図12は、図11に示す左側リクラカバー8から操作レバー8dが取り外された状態を示す斜視図である。なお、図11及び図12において、カバー本体8aに形成された開口8bから、図4に示すように取付部材5dが突出し、図2に示すシートベルトブラケット15が露出するものであるが、これを省略している。
被覆部8eは、リターンバネ27の中央側を覆うように形成されたバネカバー部82aと、バネカバー部82aからシート幅方向外側に突出して形成されたリブ82b、カバー本体8aからシート幅方向外側に突出して形成されたリブ82cと、を有する。
また、リブ82b及びリブ82cは、操作レバー8dと係止するために形成されたものであり、略円弧状に形成されてシート幅方向外側に突出して形成されている。
具体的には、取付部材5dをキャップ部材8cが覆ったときに、取付部材5d及び取付部材5dをシートクッションフレーム2に取り付けるためのボルト・ナットとキャップ部材8cとの間に隙間が生じることを抑制して、車両用シートS全体としてコンパクトにすることが可能となる。
S1 シートバック
S2 シートクッション
F シートフレーム
R 回動領域
1 シートバックフレーム
2 シートクッションフレーム(クッションフレーム)
3 ワイヤー
3a 前端部
3b 後端部
4 リクライニング機構
5 シートベルト
5a ウェビング
5b タング
5c アンカー(シートベルト構成部材)
5d 取付部材(シートベルト構成部材)
5e バックル
6 ブラケット
7 右側リクラカバー(フレームカバー)
7a カバー本体
70a 座面
70b 受入穴
70c 被係止部
70d 切欠き
70e 補強リブ
70f 突き当てリブ
70g 裏側縁
70h 本体側フランジ
7b 開口
7c キャップ部材
71a 平面部
71c 爪部
71d 係止部
71e キャップ側フランジ
71f 平面部
71g リブ
71h 湾曲面
71s 延在部
71t 係止端
71x 第一部
71y 第二部
8 左側リクラカバー(フレームカバー)
8a カバー本体
8b 開口
8c キャップ部材
8d 操作レバー
8e 被覆部
82a バネカバー部
82b,82c リブ
8f 切欠き
11R,11L 連結フレーム
14 インナーブラケット
15 シートベルトブラケット
24 パイプフレーム
25R,25L 板フレーム
27 リターンバネ
28 支持ブラケット
Claims (8)
- シートを構成するクッションフレームの少なくとも一部を覆って、該クッションフレームに取り付けられたシートベルト構成部材を挿通可能な開口が形成されたカバー本体と、
前記シートベルト構成部材の一部を覆いつつ、前記開口を塞がずに前記シートベルト構成部材を挿通可能として、前記カバー本体に取り付けられるキャップ部材と、を備え、
該キャップ部材は、爪部と、該爪部よりも下方に配置された係止部と、を有し、
前記係止部は、可撓性を有する爪であり、
前記カバー本体には、前記爪部が挿入される受入穴と、前記係止部が係止する被係止部と、前記係止部を表面側から裏面側に通すための切欠きと、が形成されており、
該被係止部は、前記爪部が前記受入穴に挿入された状態で、前記爪部を回動中心として前記キャップ部材の下側を前記カバー本体に向けて回動させたときの前記係止部の回動領域上に配設されており、
前記切欠きの縁の裏面側に補強リブが形成されていることを特徴とするフレームカバー。 - 前記爪部は、第一部と、該第一部から屈曲して形成されて前記第一部に交差する方向に延在する第二部と、から構成されて、複数設けられており、
該第二部は、前記爪部が前記受入穴に挿入された状態で、前記爪部を回動中心として前記キャップ部材の下側を前記カバー本体に向けて回動させたときに、前記受入穴の裏側の縁に当接する部位である、ことを特徴とする請求項1に記載のフレームカバー。 - 前記キャップ部材は、ドーム型に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレームカバー。
- 前記キャップ部材は、シート幅方向外側から見たときに半円形状に形成されており、
前記キャップ部材の外周における前記カバー本体側の面には、キャップ側フランジが突出して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフレームカバー。 - 前記カバー本体のシート幅方向外側の面と前記キャップ側フランジのシート幅方向内側の面とが面合わせとなる状態で、前記キャップ部材が前記カバー本体に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のフレームカバー。
- 前記開口は、前記シートベルト構成部材が挿通する方向に垂直な面において矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフレームカバー。
- 前記カバー本体における前記開口の縁に、前記キャップ部材側に突出する本体側フランジが形成されており、
該本体側フランジは、前記キャップ部材におけるシート幅方向内側の面に当接していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフレームカバー。 - シートバックフレームを有するシートバックと、
クッションフレームを有するシートクッションと、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフレームカバーと、
シートベルトと、
を備えた乗物用シート。
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