JP7002828B2 - 外用剤 - Google Patents
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Description
特許文献4には、ステルビンおよびヤーバサンタ抽出物を含有する皮膚外用剤組成物であって、ヒトケラチノサイトの細胞死を抑制する効果が開示されている。
そこで、本発明は、創傷部における毛の再生、特に黒毛の再生を促進する外用剤を提供することを目的とする。
更に、この検討過程において、特定のフラボノイドおよびヤーバサンタ抽出物が創傷部の毛の再生を促進するだけでなく、創傷の治癒を促進することも見出し、本発明の外用剤を完成した。
すなわち、本発明は、以下の外用剤を提供するものである。
上記課題を解決するための第1発明は、以下の(A)~(F)のいずれか1種以上を含有する外用剤であって、創傷の治癒を促進することを特徴とする外用剤である。
(A)3’,4’,5-トリヒドロキシ-7-メトキシフラバノン
(B)3’,4’,5,7-テトラヒドロキシフラボン
(C)3’,4’,5-トリヒドロキシ-7-メトキシフラボン
(D)(2S)-3’,4’,5,7-テトラヒドロキシフラバノン
(E)3’,5,7-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラボン
(F)ヤーバサンタ抽出物
上記課題を解決するための第2発明は、皮膚用の外用剤であって、創傷の治癒、及び、毛の再生を促進することを特徴とする、第1発明に記載の外用剤である。
上記課題を解決するための第3発明は、毛の再生が黒毛の再生であることを特徴とする、第2発明に記載の外用剤である。
上記課題を解決するための第4発明は、第1発明~第3発明のいずれかに記載の外用剤を含有することを特徴とする医薬品又は化粧料である。
第2および第3発明によれば、成分(A)~成分(E)のフラボノイド類および成分(F)のヤーバサンタ抽出物が創傷の治癒および創傷部の毛の再生を促進するため、創傷の治癒期間を短縮し、更には、創傷部に毛、特に黒毛を生やすことができる。
本発明の外用剤は、以下の(A)~(F)のいずれか1種以上を含有する。なお、(A)~(F)については、それぞれ「成分A」~「成分F」という。
(A)3’,4’,5-トリヒドロキシ-7-メトキシフラバノン
(B)3’,4’,5,7-テトラヒドロキシフラボン
(C)3’,4’,5-トリヒドロキシ-7-メトキシフラボン
(D)(2S)-3’,4’,5,7-テトラヒドロキシフラバノン
(E)3’,5,7-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラボン
(F)ヤーバサンタ抽出物
以下に、各成分について詳細に説明する。
ヤーバサンタは、ハゼリソウ科(Hydrophyllaceae)エリオディクティオン属(Eriodictyon)の植物であり、エリオディクティオン・アングスティフォリウム種(Eriodictyon angustifolium)、エリオディクティオン・カリフォルニカム種(Eriodictyon californicum)等が挙げられる。創傷の治癒および黒毛の再生を促進する効果に優れるという観点から、エリオディクティオン・アングスティフォリウム種のヤーバサンタ抽出物が好ましい。
好ましいヤーバサンタの抽出溶媒は、水分を0.5~99体積%含む含水エタノールであり、より好ましくは、水分を0.5~80体積%含む含水エタノールであり、特に好ましくは、水分を0.5~60体積%含む含水エタノールである。
抽出温度は、5~80℃が好ましく、10~60℃がより好ましく、15~45℃が特に好ましい。
本発明の外用剤は、上記成分A~成分Fのいずれか1種以上を含有する組成物であり、創傷部へ適用することにより創傷の治癒を促進するという効果を奏する。適用部位は、創傷部であれば特に制限されず、頭、顔、体、手、腕、脚、足等の皮膚の他、目、鼻、直腸等の粘膜、臓器表面でもよい。
本発明の外用剤は、医薬品又は化粧料として利用することができる。なお、医薬品とは、医薬部外品、動物用医薬品等も含む概念である。
医薬品としては、例えば、軟膏、湿布、消毒薬、点鼻薬、目薬、坐薬等が挙げられ、化粧料としては、化粧水、乳液、リップクリーム、日焼け止め、洗顔フォーム、メイク落とし、シェービングフォーム、クレンジングオイル等のフェイスケア剤や、石鹸、ボディソープ、ハンドクリーム、ハンドソープ、制汗剤、入浴剤等のボディケア剤や、シャンプー、コンディショナー、整髪料、育毛剤、発毛剤、ヘアカラー等のヘアケア剤等が挙げられる。
また、上記の医薬品又は化粧料に含まれる成分Fの含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.001~10質量%(w/w)であり、更に好ましくは0.01~5質量%(w/w)であり、特に好ましくは0.1~1質量%(w/w)である。
医薬品又は化粧料の使用方法としては、成分A~成分Fを創傷部へ適用する方法であれば、手段は特に制限されない。例えば、手や塗布具等によって化粧料を塗布する手段や、布等の貼付部材に含浸して目的部位に貼付する手段等が挙げられる。
なお、適用対象としては、ヒトを含む動物一般であり、好ましくは、ヒト及び非ヒト哺乳動物であり、特に好ましくは、ヒトである。
なお、成分Fの場合の塗布量は、0.025~250mg/回であることが好ましい。
なお、成分Fの場合の塗布量は、0.02~200mg/回であることが好ましい。
実施例に用いた試料及び対照試料を以下に示す。
〔対照試料〕:50体積%エタノール(以下、「50%EtOH」という。)。
〔試料A〕:成分Aをエタノールに溶解して、100μMの成分A溶液を調製した。
〔試料B〕:成分Bをエタノールに溶解して、100μMの成分B溶液を調製した。
〔試料C〕:成分Cをエタノールに溶解して、100μMの成分C溶液を調製した。
〔試料D〕:成分Dをエタノールに溶解して、100μMの成分D溶液を調製した。
〔試料E〕:成分Eをエタノールに溶解して、100μMの成分E溶液を調製した。
〔試料F-angu.〕:エリオディクティオン・アングスティフォリウム種のヤーバサンタ(ハゼリソウ科の植物)の葉及び茎の混合物の乾燥物1gに50体積%エタノール溶液200mLを加え、室温で約1週間抽出後、ろ過した。得られたろ液を濃縮して、100μg/mLのヤーバサンタ抽出液を調製した。
〔試料試料F-calif.〕:エリオディクティオン・カリフォルニカム種のヤーバサンタ(ハゼリソウ科の植物)の葉及び茎の混合物の乾燥物1gに50体積%エタノール溶液200mLを加え、室温で約1週間抽出後、ろ過した。得られたろ液を濃縮して、100μg/mLのヤーバサンタ抽出液を調製した。
〔Hesperetin〕:ヘスペレチン(CAS Number:520-33-2)をエタノールに溶解して、100μMのヘスペレチン溶液を調製した。
〔Homoeri〕:ホモエリオジクチオール(CAS Number:446-71-9)をエタノールに溶解して、100μMのホモエリオジクチオール溶液を調製した。
7週齢のC57BL/6系統のマウスの背部の皮膚を切り出し、1.5×1.5cm2の大きさの創傷部を形成した。その創傷部に上記の試料200μLを毎日1回ずつ塗布した。
8日目に創傷部の治癒の状態を目視で確認し、以下の基準により評価した。結果を図1に示す。
◎:対照試料と比較して、非常に治癒が早い
○:対照試験と比較して、治癒が早い
△:対照試験と比較して、治癒がやや早い
×:対照試験と比較して、治癒が遅い又は同等
一方、「Hesperetin」、「Homoeri」を塗布したマウスでは、治癒の状態が対照試料を塗布したマウスと同等又は不良であった。
創傷部における毛の再生についての評価は、一群8個体として各試料を評価した。また、何も塗布しない対照群も設けた(以下、「無塗布群」という。)。各個体の評価は、以下の基準で行い、各群の結果を図3に示す。
再生毛なし:毛の再生が認められない。
白毛再生:白毛の再生が認められたが黒毛の再生が認められない。
黒毛再生:黒毛の再生が認められた。
Claims (4)
- 以下の(A)~(F)のいずれか1種以上を含有することを特徴とする発毛領域の創傷部における創傷の治癒、及び創傷の治癒後の毛の再生を促進するための外用剤。
(A)3’,4’,5-トリヒドロキシ-7-メトキシフラバノン
(B)3’,4’,5,7-テトラヒドロキシフラボン
(C)3’,4’,5-トリヒドロキシ-7-メトキシフラボン
(D)(2S)-3’,4’,5,7-テトラヒドロキシフラバノン
(E)3’,5,7-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラボン
(F)ヤーバサンタ抽出物 - 皮膚用であることを特徴とする、請求項1に記載の外用剤。
- 毛の再生が黒毛の再生であることを特徴とする、請求項2に記載の外用剤。
- 請求項1~3のいずれかに記載の外用剤を含有することを特徴とする発毛領域の創傷部における創傷の治癒、及び創傷の治癒後の毛の再生を促進するための医薬品又は化粧料。
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Asian Pacific Journal of Topical Medicine,2013,253-259 |
Miwok Material Culture: Indian Life of the Yosemite Region,1933,Vol.2,No.4 |
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