本発明の実施形態の射出成形機11について、図1を参照して説明する。射出成形機11は、射出装置12と型締装置13がベッド14上の配置されている。先に射出装置12について説明すると、ベッド14上の一側の上面には基台15が設けられ、基台15の上面に射出装置12のプレートや動力機構からなる機構部16が前後進可能に載置されている。前記機構部16の図示しない前プレートにはヒータを備えた加熱シリンダ17が取付けられ、前記加熱シリンダ17の内孔にはスクリュ18が配置されている。そして加熱シリンダ17の先端にはヒータを備えたノズル19が固定されている。
上記スクリュ18は、前記機構部16の図示しない射出用サーボモータの作動により加熱シリンダ17の内孔を前後進可能となっており、射出用サーボモータを制御することにより射出工程における射出制御や保圧制御、計量工程における背圧制御が行われる。また射出装置12には、前記射出制御時の射出圧や計量制御時の背圧を検出するために力センサであるロードセルが取付けられている。加熱シリンダ17に対するスクリュ18の軸方向の位置は、射出用サーボモータに付設されるロータリエンコーダにより検出される。
またスクリュ18は図示しない計量用サーボモータの作動により回転可能となっている。そして計量工程においては前記計量用サーボモータを制御することにより設定したスクリュ18の回転数により成形材料の計量が行われる。前記スクリュ18の回転速度は、計量用サーボモータに付設されるロータリエンコーダにより検出される。また計量用サーボモータと上記射出用サーボモータの回転時の回転トルクは、図示しない電流センサにより電流を測定することにより推定値が検出される。
前記加熱シリンダ17やノズル19には温度センサである熱電対が取り付けられており、熱電対により検出された温度を用いてヒータの温度制御がなされる。前記前部プレートにはホッパ20等の材料供給装置が取付けられ、材料供給装置から加熱シリンダ17の内孔に向けて成形材料が供給されるようになっている。なお本発明の射出成形機における射出装置は、電動式射出装置、油圧式射出装置等、構造やその数は限定されない。
次に型締装置13について説明すると、ベッド14上の他側の上面には、固定金型21が取付けられる固定盤22が固定されている。固定盤22の四隅近傍には型締シリンダ23が配置されており、型締シリンダ23のロッドによってタイバ24が構成されている。タイバ24の外周の中間部から先端部にかけては溝状のハーフナット係止部24aが形成されている。型締シリンダ23は図示しない油圧装置に接続され、型締シリンダ23に送られる作動油の油圧は管路に設けられた圧力センサにより検出されて型締力の制御が行われる。
固定盤22の他側のベッド14上には固定盤22に対向して可動金型25が取付けられる可動盤26が配置されている。そして可動盤26の四隅近傍に形成された貫通孔には前記タイバ24が挿通されている。可動盤26の背面側のタイバ24が挿通される貫通孔の周囲にはハーフナット27がそれぞれ設けられている。またベッド14上には型開閉用サーボモータ28とボールねじ機構を備えた型開閉機構29が設けられ、前記型開閉機構29により可動盤26が前記ベッド14上を型開閉方向に移動可能となっている。固定盤22等に対する可動金型25または可動盤26の位置や型開閉用サーボモータ28の回転状態については、前記型開閉用サーボモータ28に付設されるロータリエンコーダにより検出される。なお固定盤22等に対する可動金型25または可動盤26の位置は、別途に配設したリニアスケール等の位置センサにより検出してもよい。可動盤26の移動時の型開閉用サーボモータ28の回転トルクは、上記の射出用サーボモータ等と同様に図示しない電流センサ等のトルクセンサにより検出される。なお本発明の射出成形機において型締装置はトグル機構とサーボモータを用いた型締装置や、全ての作動機構に油圧を用いた油圧式型締装置等であってもよく、その構造は限定されない。
次に射出成形機11の制御装置30について図2を参照して説明する。制御装置30は、射出装置12のベッド14内に配置され、操作装置31、各センサ群38、各アクチュータを作動させるアンプやソレノイド等に通信線等を介して接続されている。しかし制御装置30は、射出成形機11のベッド14とは離れた外部、または射出装置12の基台15内等に設けられたものでもよい。制御装置30は、射出成形機11の作動を制御する演算処理機能、操作装置31の各設定画面から入力された成形条件等の値や各センサ群から入力された射出成形機11の作動状態の値を記憶する記憶機能、操作装置31の表示装置32に射出成形機11の作動状態や設定値等を表示する表示機能等を備えている。本発明は表示装置32の表示方法、とりわけ動画表示に関連するものであるので、上記した制御装置30の機能のうち、射出成形機11の作動状態を表示装置32に動画等により表示する表示機能を中心に説明する。なお本発明において「動画」とは、画面上で装置等の画像が移動するものを指し常時静止した静止画とは対極の描画手法を指す。本発明の動画はアニメーションと呼ばれる静止画を順送りするものが主となるが、ビデオカメラにより撮影された動的な映像の一部または全部を用いるものを除外しない。
図2のブロック図において位置センサ33、圧力センサ34、力センサ35、トルクセンサ36、温度センサ37は、射出成形機11の作動状態を検出するセンサ群38である。前記位置センサ33には図示しないサーボアンプを経由して制御装置30に送られるロータリエンコーダも含まれる。油圧等の圧力、型締力や射出力等の力、モータトルク等のトルクは、本発明では位置要素と区別して負荷要素と定義づけられる。従って圧力センサ34、力センサ35、トルクセンサ36は、負荷要素を検出するセンサである。また射出成形機11の作動状態を検出するセンサ群38は、その同等物として、CCDカメラ等のカメラ、光電管、近接スイッチ、リミットスイッチ等を一部に利用したものでもよい。
これらセンサ群38から送られるアナログ信号またはデジタル信号の入力データは、制御装置30に送信され、入力部39を介し演算部43に取り込まれる。制御装置30の入力部39に入力される入力データとしては、前記センサ群38から送られる入力データの他、操作装置31の表示装置32の各設定画面で設定された数値や、操作装置31の表示装置32以外のボタンキー40や切換スイッチ41等から入力される情報や、温調装置、ホットランナコントローラ、取出機、中央制御装置といった外部機器42から入力される情報等がある。
そして入力部39に入力された入力データは、CPU等から構成される演算部43の入力データ処理部45に送られ演算処理される。演算部43は図示しないタイマ機能も備えている。また制御装置30には、揮発メモリ、不揮発メモリ等からなる記憶部46が備えられており、入力データは記憶部46にも送られ保存される。演算部43には変更画面生成部47が設けられ、入力データ処理部45で処理されたデータは、変更画面生成部47に送られる。変更画面生成部47には、数値データ生成部48、動画データ生成部49、グラフィックデータ生成部50が含まれる。そして入力データ処理部45から送られたデータを用いて、表示装置32の各画面44の数値表示、動画表示画面54の動画表示、各画面の波形やレベルゲージ等のグラフィック表示のための処理が可能となっている。
また表示装置32の画面44間の構成や画面44内において固定的に表示される部分は、記憶部46に記憶されており、演算部43の固定画面データ生成部52によって画面44の非変更部分を表示するための処理がなされる。そして変更画面生成部47の数値データ生成部48、動画データ生成部49、グラフィックデータ生成部50と、固定画面データ生成部52は出力部51に接続されており、これらの数値表示、動画表示、グラフィック表示、固定画面表示のための情報は、出力部51を介して、表示装置32に送られる。なお図2において制御装置30は機能中心のブロック図により記載されハード構成の詳細は記載されていないが、入出力用のインタフェースは同じでもよい。また表示装置32に画面表示を行うための機能を記載した制御装置30のブロック図は、図2のものに限定されない。更に表示装置32に動画を表示するためのOS(オペレーティングシステム)やプログラムの種類や構成も限定されない。
次に射出成形機11の操作装置31と表示装置32について説明する。図1に示されるように操作装置31は、固定盤22の操作側の側面に取付けられている。しかし操作装置31は、ベッド14とは離れた位置に配置され、通信線や無線等を介して接続されるものでもよい。操作装置31の上側部分には表示装置32が設けられている。表示装置32は、液晶画面または有機EL画面を備えたタッチパネルからなり入力機能を兼ね備えている。しかし表示装置32は、表示機能のみを備えた液晶画面、有機EL画面、ブラウン管画面等でもよい。
表示装置32は複数の画面44,44を表示可能なものであり、本実施形態では上下に2枚の画面44,44が表示可能となっている。なお本発明において図3、図4に示される動画表示画面54、図4に示されるホーム画面83、型開閉設定画面93等の画面44とは、表示装置32のタッチパネル全体を指すものではなく、タブやアイコンをクリック等することにより遷移される特定の機能が集約されて表示されるページのことを指すものとする。また遷移(transition)とは、表示装置32の画面44(ページ)を異なる画面44(ページ)に変更することを指す。操作装置31の表示装置32の下側には、非常停止ボタンを含むボタンキー40や切換スイッチ41等からなる表示装置32以外の操作部53が設けられている。
次に本実施形態の射出成形機11の表示装置の画面の表示方法について図3ないし図6を参照して説明する。射出成形機11では、射出成形機作動時の作動状態を動画として表示装置32に表示可能となっている。図3は、表示装置32に表示される動画表示画面54を示したものである。動画表示画面54では、実機の射出成形機11の射出装置12と型締装置13の各部に対応する形で、射出成形機55の射出装置56と型締装置64の各部が描画されている。これら動画画像を含む画像はアニメーションとして表示されるので、実機からはある程度デフォルメされている。
各画面の表示方法に更に説明すると、動画表示画面54には、X軸とY軸からなる共通の座標軸が設定されている。そして前記動画表示画面54には多数枚数の画像が重なって複層的に表示可能なようにプログラミングがされている。前記画像は他の画像と区別可能な単色または複合的な色のドットの集合体として表示される。また各画像の境界部の線は黒色のドットの集合体で表示されている。これら画像のうち後方側に配置されるのは背景色の画像である。そして前記背景色の画像の上に、射出装置56の画像のうちのノズル59と加熱シリンダ内孔57aを含む加熱シリンダ57の画像がX軸方向に移動可能に配置されている。加熱シリンダ57の画像は、予備成形など射出条件が変化する成形において、その状況が分かるように色の異なる複数枚の画像が準備され、シリンダ内孔57aの色が変化するようになっている。そして更に加熱シリンダ内孔57aの画像の上にスクリュ58の画像がX軸方向に移動可能かつ異なるスクリュ58の画像に交換可能に配置されている。また前記スクリュ58の画像の上に機構部60の画像がX軸方向に移動配置されている。
上記により構成される前記射出装置56の各画像は、ノズルタッチ時にいずれも1点のX軸座標の値が同じ値だけ変更されることにより射出装置56全体が移動する。本発明において射出装置56の画像は動画表示部に相当する。そして前記動画表示部の動画画像は演算部43の動画データ生成部49で生成される。更に詳細には、動画表示画面54の加熱シリンダ内孔57aの画像には、射出装置12のスクリュ18の実ストロークに対応して、動画表示画面54上での移動ストロークが所定の縮尺率で所定の長さにわたりで設定されている。そして実機のスクリュ18の検出位置を前記実フルストロークで除算した演算値(百分率の値)を、動画表示画面54上での移動ストロークの長さに乗算し、スクリュ58の画像を移動させるためのスクリュ58画像のX軸の座標値が演算される。そして前記座標値の変化に応じて動画表示画面54画面上でスクリュ58が移動される。
スクリュ58の回転表示については、実機のスクリュ18の回転角度に対応してスクリュフライトの位置を僅かずつ変化させた状態の画像が複数枚(例えば4枚ないし20枚)準備されている。そして実機のスクリュ18の回転速度に対応して前記複数の画像を切換表示する速度を変化させることによりスクリュ58の回転動画が回転速度に対応して表示されるようにプログラミングされている。
また動画表示画面54において、実機の射出装置12のスクリュ18の検出位置、スクリュ18の検出回転数は、数値として射出装置56の図上または図の近傍等に表示されるようになっている。更には動画表示画面54において、実機に設定された計量完了位置の部分に対応して、図3において三角形で示されるような計量完了表示部61が配置されている。前記計量完了表示部61の位置は、オペレータにより実機の射出成形機11の成形条件が変更されて計量完了位置の値が変更されると、動画表示画面54における計量完了表示部61の位置も変更されるようになっている。また計量完了後に更にスクリュ18を後退させてプルバックを行う場合は、プルバックされた位置が広義の意味での計量完了位置であるとして、プルバックした位置に対応する位置に計量完了表示部61が変更されるように選択可能となっている。そして計量工程においてスクリュ18が計量完了位置(プルバックされた位置を含む)まで後退したことが検出されると計量完了表示部61の色が最初の色から異なる色に変色し、計量工程が完了したことをオペレータが容易に把握できるようになっている。
更に動画表示画面54の射出装置56の表示に関して、計量時の計量用サーボモータのトルクや加熱シリンダ17内の圧力といった負荷要素は、射出装置56の図上または図の近傍に数値で表示されるようになっている。図3の動画表示画面54では、負荷要素表示部である計量トルク表示部62やシリンダ圧力表示部63は射出装置56の下側に表示されている。また前記負荷要素の表示は、数字以外の負荷要素表示手段であるレベルメータ62a,63aによっても表示されるようになっている。レベルメータ62a,63aは、最大設定値または許容上限値を100%とし現在の値を百分率で図形内の色を変色させて表示するものである。従って0%の色(背景色を含む)から比率に対応して図形内の面積比率が別の色に変更され、100%の場合は0%時の色からまったく異なる色に塗りつぶされて表示される。
本実施形態では、計量トルク表示部62のレベルメータ62aは一例として頂点同士が当接された2つ三角形の図形により表示されている。このうち右側の三角形は計量用サーボモータのプラス側のトルク値の比率を示し、左側の三角形は計量用サーボモータのマイナス側のトルク値の比率を示している。またシリンダ圧力表示部63のレベルメータ63aは、一例として射出装置12の形状を模した図形により表示されている。従ってオペレータはレベルメータを見ることにより射出成形機11のどの装置部分の値であるかや、前記値が上限に対してどの程度の割合であるかを視覚的に把握しやすい。レベルメータ62a,63aの表示方法については、背景色の画像にレベルメータ62a,63aの形状に合わせた開口部が設けられており、前記背景色の画像の層の更に後方側を、背景色と同色と背景色とは異なる色が縦方向に分離された2色の画像を数値(百分率)に応じて移動させることによりレベルメータ62a、63aの値を表示している。
従ってレベルメータ62a,63aは、当初からレベルメータの枠部分の図形が表示されているものの他、当初は背景色のみが表示されており、負荷要素の実測値の比率に応じてレベルメータの図形が徐々に描画されるものでもよい。またレベルメータ62a,63aは、前記の図形以外に、長方形等の矩形、円形、各装置を模式的に表した図形を比率に応じて最初の色から別の色に変色させるものでもよい。レベルメータが円の場合は、比率に応じて円の内部を放射状に最初の色から別の色に変色させて塗りつぶすもの以外に、円の縁の色を最初の色から別の色に変色させるものでもよい。また負荷要素表示手段は、画面上に多数の四角や円といった図形をわずかな間隔を隔てて多数列設し、比率に応じた個数の図形を順に変色や点灯させるもの等でもよい。
動画表示画面54の型締装置64の表示手法については射出装置56と同様であって、各画像が複層的に表示可能にプログラミングされている。型締装置64の画像のうち、固定金型65と固定盤66は画像が移動することがない静止画表示部に相当し、可動金型67および可動盤68、タイバ69、ハーフナット70、エジェクタ71は移動可能な動画表示部に相当する。本実施形態では少なくともこれら動画表示画面54の動画表示部の画像は動画データ生成部49で生成される。固定金型65および固定盤66の画像は、背景色の画像の上に移動不可能に配置されている。タイバ69は移動可能な画像として背景色の画像と固定盤66等の画像の間にX軸方向に移動可能な画像として配置されるが、固定盤66等の画像と同様に移動不可能な画像としてもよい。
可動金型67および可動盤68の型開閉方向の画像移動については、上記したスクリュ58の画像を軸方向に移動させる方式と同じであり、実機の可動盤26の型開閉ストロークに対応して、背景色の画像の上に可動盤68の動画表示画面54上での型開閉ストロークが所定の縮尺率により所定の長さにわたり設定されている。そして実機の可動盤26の検出位置を前記フルストロークで除算した演算値(百分率の値)を、動画表示画面54上での型開閉ストロークの長さに乗算し、可動金型67および可動盤68の画像を移動させるための可動金型67または可動盤68のX軸の座標値が演算される。そして前記座標値の移動量に応じて動画表示画面54上で可動金型67および可動盤68が移動される。従って射出成形機11の可動盤26の低速移動、高速移動等の型開閉速度の変化に対応して動画表示画面54上の可動盤68の移動がリアルに動画表示される。
ハーフナット70については、可動盤68とは別の画像として配置され、ハーフナットの開閉に応じてY軸方向の座標軸が変更されるようになっている。しかし型開閉時には可動盤68と同じ長さX軸方向に移動する。エジェクタ71の画像は可動金型67の画像の後方側にX軸方向に移動可能に設けられている。そして型開閉時には可動金型67等と同じ長さX軸方向に移動し、エジェクタ突出時には可動金型67に対して、固定金型65側に向けて更にX軸方向に移動する。
ただし射出成形機11におけるタイバ24、ハーフナット27、エジェクタは、作動時の移動距離が小さいので、動画表示画面54に動画表示する際のストロークの縮尺率は、装置ごとに異ならせ、動画表示画面54における前記部位の画像の移動量が大きくなるようにデフォルメして表示するようにしている。また移動距離の短い部位や位置検出機能が設けられていない部位にあっては、装置の移動開始検知の検出に対応させて動画表示画面の画像を定速で移動させるものでもよい。
また動画表示画面54の型締装置64の画像表示に関して、ハーフナットの位置、エジェクタの位置、可動盤の位置、タイバの位置等の位置情報や、型締圧力等の負荷要素の情報は、数値として型締装置64の図上または図の近傍のハーフナット位置表示部72、エジェクタ位置表示部(EJ位置表示部)73、可動盤位置表示部74、タイバ位置表示部75、型締圧力表示部76等の表示部にそれぞれ表示される。なお図3では負荷要素表示部である型締圧力表示部76の型締圧力は数値のみが表示されているが、型締圧力や型締力といった負荷要素は、上記したようなレベルメータにより表示し、視覚的に容易に把握できるようにしてもよい。更には作動油を型締シリンダ23等に送出する図示しないポンプを駆動するサーボモータの作動状況は、型締装置またはその近傍に設けたモータ作動表示部77に回転数の数値が表示されるとともに、回転部77aの画像を回転されることにより回転状態の有無が容易に視覚的に判る形で表示されるようになっている。なお本実施形態では2個の回転数制御ポンプが設置されているがポンプの数や種類は限定されない。また射出用サーボモータ、計量用サーボモータも同様の作動状態が判るような画像を設けてもよい。
動画表示画面54の型締装置64において、可動盤68の位置は、可動盤位置表示部74の数値表示とともに型開完了位置に到達したことを表示するための三角形で示されるような型開完了表示部78が配置されている。前記型開完了表示部78の位置は、オペレータにより成形条件が変更されて型開完了位置の値が変更されると、動画表示画面54における型開完了表示部78の位置も変更されるようになっている。また型閉完了位置にも同様の三角形で示されるような型閉完了表示部79が配置されている。そして型開工程において実際の可動盤26が型開完了位置に到達したことが検知されると型開完了表示部78の色が最初の色から異なる色へ変色され、次に型開完了位置を外れると元の色に戻される。また型閉工程において可動盤26が型閉完了位置に到達したことが検知されると型閉完了表示部79の色が最初の色から異なる色へ変色され、次に型閉完了位置を外れると元の色に戻される。更に図5のみに示されるように型締装置64の近傍には型締圧力または型締力が設定値に到達したことを表示する型締完了表示部104が配置されている。本実施形態では型締完了表示部104は、型締完了した際に背景色の部分に文字が表示されるが、型閉完了表示部79と同様に図形表示とし図形の色が異なることにより型締完了を表示するものでもよい。
また動画表示画面54の型締装置64の可動金型67の内側の部分にはエジェクタ71の突出完了位置または後退完了位置への到達と作動方向を示すエジェクタ作動表示部80が配置されている。図3はエジェクタ71が突出完了の状態であり、エジェクタ作動表示部80は先端頂部が可動盤68を向いた緑色の三角形で表示される。また図示は省略するがエジェクタ71が前進途中または後退途中の場合はピンク色の四角形で表示される。更に図5に示されるようにエジェクタ71が後退完了位置にあるときは、エジェクタ作動表示部80は先端頂部が固定盤66を向いた緑色の三角形で表示される。エジェクタ作動表示部80は、型開閉時には可動金型67とともにX軸方向に移動する。なお本実施形態ではエジェクタ作動表示部80は、突出完了位置への到達確認と後退完了位置への到達確認を兼ねているが、エジェクタ71の突出完了位置への到達確認と後退完了位置への到達確認は、それぞれ突出完了表示部と後退完了表示部を別々に表示してもよい。またエジェクタ作動表示部80の図形についても上記した三角形や四角形に限定されない。
なお前記計量完了表示部61、型開完了表示部78、型閉完了表示部79、およびエジェクタ作動完了表示部80は、本発明の上位概念では作動状態確認部と称され、その下位概念としては動作完了確認部と称される。そしていずれの動作完了確認部も、作動の完了が確認された状態で、色が最初の色から別の色に変色される。または動作完了確認部の前記以外の表示方法としては、表示されていない状態から動作完了確認部のマークが表示されたり、動作完了確認部の形状が変化したり、ライトが点灯する等の手段によりオペレータに報知するものでもよい。そしてこれら動作完了確認部が設けられたことにより、従来はオペレータが表示装置に示される計量完了位置、型開完了位置、型開完了位置等の数値を確認するか、安全扉や安全カバー越しに実機の作動が完全に停止するかを確認する必要があったものが、表示装置32において一目で確認ができるようになり非常に使い勝手がよくなった。
次に射出成形機11の成形サイクルに対応して動画表示画面54の動画表示について説明する。図3および図5において、動画表示画面54の射出装置56は、射出装置12の前進に対応した座標軸まで全体が前進してノズル59が固定金型65に当接されている。次の型閉工程においては可動盤26の移動量は型開閉用サーボモータのロータリエンコーダ等の位置センサ33により検出され制御装置30に送られる。そして演算部の動画データ生成部49において前記移動量に基づき動画表示用の信号が生成されて表示装置32に送られ、動画表示画面54において可動金型67および可動盤68の画像、ハーフナット70の画像、エジェクタ71の画像がそれぞれ図3において移動距離の比率に対応したX軸座標軸分だけ右側に向けて移動される。具体的な画面処理としては、可動盤68が移動した部分の液晶画面のドットの色が背景色から可動盤68の色(境界部分の黒を含む)に変化(または可動盤68の色から背景色に変化)することにより可動盤68の移動が描画される。
そして可動盤26の型閉完了が確認されると型閉完了表示部79が例えばピンク色から緑色に変色される。また型閉完了後に各ハーフナット70はY軸方向に移動される。更にこれら射出成形機11の作動状態の動画表示とともに数値データ生成部48から送られたデータにより可動盤位置表示部74やハーフナット位置表示部72の数値も変更表示される。そして次の型締工程において型締シリンダの作動油の昇圧が圧力センサ34により検出され、制御装置30に送られ、数値データ生成部48を介して動画表示画面54のタイバ位置表示部75、型締圧力表示部76の数値も変更表示される。また型締圧力または型締力が設定値となり型締完了したことは型締完了表示部104に表示がされる。前記型締工程を含め全ての工程で、回転数制御ポンプを駆動するサーボモータの作動状況は、モータ作動表示部77の回転部77aにおける回転状態の絵表示と回転数の数値表示により確認可能となっている。
次の射出工程では、射出装置12のスクリュ18の移動位置は射出用サーボモータのロータリエンコーダ等の位置センサ33により検出され、制御装置30に送られる。そして型閉時の可動盤68の移動動画表示と同様に動画データ生成部49によりスクリュ18の移動距離の比率に対応したスクリュ58のX軸座標軸が演算され、動画表示画面54においてスクリュ58が図3の左側に向けて移動される。具体的な画面処理としては、スクリュ58が移動した部分の液晶画面のドットの配色が加熱シリンダ内孔57aの色からスクリュ58の色に変化(またはスクリュ58の色から前記内孔57aの色に変化)することによりスクリュ58の移動が描画される。また射出工程ではロードセルの値から加熱シリンダ内の圧力が換算され、シリンダ圧力表示部63のレベルメータ63aや数値が変更される。
そして射出工程に続く保圧工程の間もシリンダ圧力表示部63の値は検出値に応じて変更表示される。また冷却工程の間に平行して計量工程が行われると、射出装置56のスクリュ58がロータリエンコーダにより回転速度が検出されて制御装置30に送られ、動画データ生成部49において回転速度に対応したスクリュ58の回転動画が生成され、動画表示画面54に表示される。計量工程におけるスクリュ18の軸方向の位置は、射出用ロータリエンコーダにより検出され、制御装置30に送られ、射出時のスクリュ58の動画データ生成部49による演算処理と同様に処理される。そして動画表示画面54においてスクリュ58が図3の右側に向けて移動される。従って計量工程においては、動画表示画面54のスクリュ58は加熱シリンダ57内を回転しながら後退するように見える。この際機構部60の画像よりも裏側に配置されているスクリュ58の画像は、スクリュ後退により後ろ側から順に機構部60に隠れて見えなくなる。実機のスクリュ18が計量完了位置に到達したことが検出されると、計量完了表示部61が例えばピンク色から緑色に変色される。
次に冷却時間が完了すると圧抜がされたことが圧力センサ34により検出され型締圧力表示部76の数値が変更される。次の型開工程の動画表示手法については上記の型閉工程と同様であるが、型開閉用サーボモータ28のロータリエンコーダの検出値に対応して動画表示画面54において可動金型67および可動盤68画像、ハーフナット70の画像、エジェクタ71の画像が図3の左側に向けて移動される。この際型閉完了位置を外れると型閉完了表示部は緑色からピンク色に変色され、型開完了位置に到達すると型開完了表示部78がピンク色から緑色に変色される。
そして次に実機のエジェクタが作動されるとエジェクタロッドの位置は図示しないサーボモータのエンコーダの位置センサ33等により検出され、更に動画データ生成部49により演算処理され、エジェクタ71の画像が図3における固定金型65に向けて移動される。この際エジェクタ71の画像は、可動金型67の画像よりも裏側に配置されているので、前進前に可動金型67の画像に隠れていた状態からエジェクタ前進とともに見える部分が長くなる。
実機のエジェクタのエジェクタロッドが突出完了位置に到達したことが検出されると制御装置30の動画データ生成部49を介してエジェクタ作動表示部80の緑色の三角形が図3において先端頂部が左側を向くように表示される。そして成形品の突出が完了してエジェクタが後退すると前記エジェクタ作動表示部80の表示は消えてピンク色の四角形や表示される。そして更に後退完了位置まで後退すると、エジェクタ作動表示部80の緑色の三角形が図3において先端頂部が右側を向くように表示される。またエジェクタ作動時のエジェクタロッドの位置はエジェクタ位置表示部73にも数値表示される。そしてこれら1成形サイクルの時間の経過は演算部におけるタイマにおいてカウントされ、動画表示画面54のサイクル時間表示部81に表示される。
これら位置センサ33等のセンサ群38による射出成形機11の作動状態の検出から動画表示画面54への表示は、厳密には通信時間および演算部43の処理時間が必要となるが、実質的な体感としては射出成形機11の作動と略同時に動画表示画面54への動画表示がなされる。
また動画表示画面54にはサイクル時間表示部81とともに成形回数を数値表示するショット数表示部103が設けられている。そしてサイクル時間表示部81に表示されるサイクル時間については1成形サイクルが終了すると数値が0にリセットされる。なおサイクル時間やショット数についても各工程や全体の成形計画がどの程度進行しているかレベルメータ等の数字以外の表示手段により表示をするようにしてもよい。特に成形サイクルにおいて射出側の工程の進行と型締側の工程の進行を対比して見たい場合は、上下、左右等に平行して射出側のレベルメータと型締側のレベルメータを並列状態に設けてもよい。
次に本実施形態の表示装置32の各画面44の関係および画面44間の遷移について説明する。本実施形態では表示装置32に2画面が同時に表示可能となっている。そして下側の画面44は、図3の下側に示されるホームタブ82をタッチすることによりホーム画面83がタッチパネル内の下側部分に表示され、動作モニタタブ84をタッチすることにより該ホーム画面83は動画表示画面54に遷移されて表示されるようになっている。またタッチパネルの下側の動作モニタタブ84の右側には成形履歴画面に遷移用のアイコン105等が設けられている。そして前記アイコン105をタッチすることにより下側の画面44には成形履歴画面が表示されるようになっている。図4は、ホーム画面83がタッチパネル内の下側部分に表示された例であり、図5は、動画表示画面54が表示装置32のタッチパネル内の下側部分に表示された例であり、成形履歴画面が下側部分に表示された例は図示を省略する。なおタッチパネルの下側部分の遷移画面は、ホーム画面83、動画表示画面54、成形履歴画面に加えて他の画面44も含まれるようにしてもよい。また表示装置32のタッチパネル内の上側部分には、型開閉設定画面93等の設定画面またはオシロスコープ画面等の射出成形機11の作動の状態を示す状態表示画面のいずれかが表示可能となっている。なお状態表示画面には、成形履歴を示す画面等も含まれ上側の画面44に成形履歴画面を表示してもよい。
図4に示されるホーム画面83には上側の設定画面をいずれかの設定画面に遷移(移動)するための各画面または各工程を連想する絵が表示された遷移用のアイコンが多数配置されている。そして一例としてホーム画面83の型開閉設定画面用のアイコン85をオペレータがタッチすることにより、タッチパネルの上側部分に型開閉設定画面93が表示される。なおこれらアイコンはオペレータがタッチパネル上でカスタマイズして配置するようにしてもよい。またホーム画面83内にも動画表示画面54への遷移用のアイコンを配置し、前記アイコンをタッチすればホーム画面83が動画表示画面54に遷移されるようにしてもよい。
図5は、表示装置32の上側部分に型開閉設定画面93が表示され、下側部分に動画表示画面54が上下に並列表示された例である。図5では、図3に示される型開完了状態から可動盤68および可動金型67が型閉移動して型閉完了状態となっている。図3および図5の動画表示画面54も前記ホーム画面83と同様に遷移先の画面を連想する絵が表示された遷移用のアイコンが多数配置可能となっている。前記アイコンは設定画面において設定される射出成形機11の装置の部分と関連づけて動画表示画面54に配置されている。より具体的には射出装置12の設定画面や射出装置12の状態を表示する状態表示画面を表示させるための遷移用のアイコンは、動画表示画面54の射出装置56の画像の上か近傍に配置されている。本実施形態では射出設定画面へ遷移用のアイコン86と計量設定画面に遷移用のアイコン87は射出装置56の画像の上に配置されている。また射出装置56の画像の上側近傍には加熱シリンダの温度設定画面に遷移用のアイコン88、ホットランナの設定画面に遷移用のアイコン89が設けられており、射出装置の下側近傍には、品質管理画面に遷移用のアイコン90とオシロスコープ画面に遷移用のアイコン91等が設けられている。
また型締装置64の画像の上には型開閉設定画面に遷移用のアイコン85と金型交換等の段取設定が可能な段取設定画面に遷移用のアイコン92等が設けられている。そのためオペレータは自分の選択したい設定画面や状態表示画面を動画表示画面54の射出成形機の射出装置56や型締装置64といった各装置の画像や設定内容を示すアイコンと関連づけて視覚的に容易に発見することができ、表示装置32に各種の設定画面や状態表示画面が早く表示できる。本実施形態では動画表示画面54に配置されるアイコンは、固定的に配置されているが、オペレータが表示するアイコンを取捨選択したり、配置位置を変更可能なようにしてもよい。
次に型開閉設定画面93について説明すると、画面の下部部分には型閉工程の高速と低速の型閉速度の設定値を設定する型開閉速度設定部94と、金型保護の設定値を設定する金型保護設定部95、ハーフナットロック表示部96、型締工程の設定値を設定する型締設定部97、強力型開工程の設定値を設定する強力型開設定部98、ハーフナットアンロック表示部99、型開工程の高速と低速の設定値を入力する型開速度設定部100の画面が配置されている。そして前記各設定部の設定値の部分をクリックすると別途にテンキー画面がポップアップされ設定値の入力が可能となっている。または表示装置32の下部に設けられたテンキーのキーボードから設定値を入力可能となっている。
またこれらの型開閉速度設定部94と、金型保護の設定値を設定する金型保護設定部95、ハーフナットロック表示部96、型締工程の設定値を設定する型締設定部97、強力型開工程の設定値を設定する強力型開設定部98、ハーフナットアンロック表示部99、型開工程の高速と低速の設定値を入力する型開速度設定部100の画面のブロックは、工程の進捗に対応して現在どの工程が行われているか最初の色から異なる色に変色されて表示されるようになっている。そのため動画表示画面54とともに現在どの工程が行われているか確認が可能となっている。また型開閉設定画面93の上側部分には表示枠部101が設けられ、上部に複数配置された遷移用のタブ102のいずれかを選択することにより成形データのグラフィック表示の画面や品質管理データの画面更に詳細な設定値の設定画面などが表示されるようになっている。また型開閉設定画面93には図示しない成形履歴画面等への遷移用のアイコンを設け、前記アイコンをタッチすることにより、例えば下側の画面44に成形履歴画面を表示するようにしてもよい。従って本実施形態における全ての設定画面は、設定入力機能のみならずデータの表示を行う状態表示画面や他画面への遷移用のアイコンも兼ねても表示可能なものでもよい。
次に図6を参照して表示装置32の画面44の遷移の関係を説明する。上記のように表示装置32のホーム画面83と動画表示画面54は、タッチパネルの下側の動作モニタタブ84をオペレータがタッチすることによりホーム画面83から動画表示画面54へ、またはホームタブ82をタッチすることにより動画表示画面54からホーム画面83へ画面遷移可能となっている。更にホーム画面83または動画表示画面54の画面遷移用のアイコン85ないし92等のいずれかをオペレータがタッチすることにより、表示装置32の上側の画面44が型開閉設定画面93から別の射出設定画面に遷移するなど各設定画面や各状態表示画面の間での画面遷移を行うことができる。従ってアイコンとは、表示装置32において画面遷移を指示する指示手段の一種であり、遷移先の画面を連想する絵、絵文字、文字等を用いて表示される。なお前記ホーム画面83や動画表示画面54に表示される遷移用のアイコンには、外部機器42の設定画面も含めてもよい。
従って本実施形態ではオペレータは手動成形(半自動成形を含む)または自動成形の際に、動画表示画面54を常時表示して成形を行うことが可能であり、その場合、射出成形機11の現在の作動状態を視覚的に容易に把握できる。一例として特に手動成形の際は、可動盤26が型開完了位置にあることを素早く確認して安全扉を開放したり、スクリュ18が計量完了位置にあることを素早く確認して手動での射出やパージ等を行ったりすることができる。また経験の少ないオペレータにとっては現在の射出成形機11の作動状態を動画で容易に把握できる。そして本実施形態では、表示装置32の動画表示画面54からも各種の設定画面等や状態表示画面を変更することができる。そのため一度、ホーム画面83に戻ることなく設定画面等や状態表示画面を立ち上げることができるので画面遷移および設定が容易となる。またそのためオペレータが動画表示画面54を常時表示しておく画面にしやすくなる。
なお表示装置32のホーム画面83、動画表示画面54、設定画面、状態表示画面等の表示方法は、上記の本実施形態に限定されない。表示装置32における画面44の分割数やホーム画面83や動画表示画面54の表示位置は限定されない。表示装置32は画面分割の無い1画面のものでもよく、その場合、動画表示画面54に配置された設定画面への遷移用のアイコンがタッチされると、動画表示画面54が消えて設定画面へ切替表示がされる。
更に本発明は上記の型開完了表示部78等以外に、動画表示画面54に動画とともに射出成形機11の作動状態を図形の変色または出現により表示する作動状態確認部を設けたものでもよい。一例としては、型締圧力または型締力が設定値に到達したことを型締装置64の図形の一部または全部の変色により報知するものでもよい。或いはタイバ69を型締力に応じて徐々に色を変化させるもの等でもよい。また射出成形機の成形材料が一定以下になった際に材料供給装置の図形の色を変色させたり、材料供給装置の図形の近傍に材料不足報知用の図形を設け、前記図形の変色や出現させることにより報知するものでもよい。更には射出成形機11のいずれかの装置に異常が発生したときに、異常が発生した装置に対応する図形を異なる色に変色等させるものでもよい。また前記動画表示画面54の表示は、メッセージとともに表示されるものでもよい。
次に本発明の別の実施形態に係る射出成形機の動画表示画面について図7を参照して説明する。図7は、トグル式型締装置を備えた電動射出成形機の動画表示画面111である。動画表示画面111の表示装置への表示手法は、上記実施形態の動画表示画面54と同じであるので説明を省略する。そして動画表示画面111における射出成形機112の射出装置113の表示、スクリュ114が計量完了位置に到達したことを表示する計量完了表示部115等の動作完了表示部の表示、射出設定画面や計量設定画面および各状態表示画面への遷移用のアイコン116の表示方法等についても、上記実施形態の動画表示画面54と同じであるので説明を省略する。
動画表示画面111の型締装置117は、固定金型118が取付けられる固定盤119が静止画の層として画像が配置されている。一方可動金型120が取付けられる可動盤121、エジェクタ122、型締用サーボモータ123やボールねじ124が取付けられる型締ハウジング125は、座標画面においてX軸方向のみに移動可能な画像として配置されている。更にトグル機構126の画像については、トグルリンク127,128,129はX軸方向に移動と回転が可能なそれぞれ別々の画像として作成される。また前記ボールねじ124に沿って移動されるクロスヘッド130はX軸方向のみに移動される画像として配置されている。なおトグル機構126の部分は型開時、型閉中、型閉時で複数枚の画像を準備し、可動盤121と型締ハウジング125との間のスペースでそれらの画像を交換するようにしてもよい。
更に動画表示画面111では、図示しない型締されたキャビティに射出装置113から溶融樹脂が射出される様子が元の色から異なる色に色を変えて表示されるようになっている。そして図7の型開状態では、成形品132が前記エジェクタ122により突き出される様子が表示されるようになっている。また動画表示画面111では、取出機131により成形品132が取り出される状態も動画表示されるようになっている。前記において型締されたキャビティに射出される溶融樹脂は複数枚の画像を交換表示する方法で動画が作成される。また取出機131と成形品132は、X軸方向とY軸方向の両方に移動可能な画像として作成されている。
また型締装置117の画像の上またはその近傍には型開閉設定画面等に遷移する遷移用のアイコン133や型開完了表示部134や型閉完了表示部135が設けられている点も図3等の動画表示画面54と同様である。更に動画表示画面111の射出成形機112の画像の上側の近傍部分には、ロードセル等により検出される型締力を数値として表示する負荷要素表示部である型締力表示部136、可動盤の位置を表示する可動盤位置表示部137、クロスヘッドの位置を表示するクロスヘッド位置表示部138、エジェクタの位置を表示するエジェクタ位置表示部139、図示しない型締ハウジング移動用サーボモータのロータリエンコーダおよび型締用サーボモータのロータリエンコーダ等により検出され型締ハウジングの位置を表示する型締ハウジング位置表示部140が設けられる。なお図7の動画表示画面111には図示されないが金型厚表示部を設けてもよい。
また動画表示画面111の射出成形機112の画像の下側の近傍部分には、型締用サーボモータ、エジェクタ用サーボモータ、射出用サーボモータ、計量用サーボモータの作動状態を表示する型締モータ作動表示部141、エジェクタモータ作動表示部142、射出モータ作動表示部143、計量モータ作動表示部144が設けられ、モータの回転数や回転状態の有無が容易に判る形で表示されている。なお前記各モータ作動表示部141,142,143,144の少なくとも一つの表示部にモータのトルクも数値またはレベルメータの形で表示するようにしてもよい。
本発明については、一々列挙はしないが本実施形態のものに限定されず、上記の各記載を組み合わせたものや当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。本発明の射出成形機には、金属の射出成形を行うダイカスト成形機も含まれる。
回転テーブル等の回転部に取付けられた複数の金型を回転移動させて多色成形を行う射出成形機においては、金型や回転部の回転部分等を表示装置の動画表示画面に表示するようにしてもよい。また金型を型開閉方向と直交方向に移動させて中空成形品等を成形するダイスライド成形を行う射出成形機についても、金型の移動部分等を表示装置の動画表示画面に表示するようにしてもよい。また本発明の射出成形機は、水平方向に型開閉される横型射出成形機に限らず、垂直方向に型開閉される竪型射出成形機であってもよい。