以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る電子時計、制御回路及び針位置検出方法を説明する。なお、以下で説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を以下に限定するものではない。本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、図面においては、同一又は類似の要素には同一又は類似の符号をそれぞれ付して、重複する説明を省略する。図面は模式的であり、実際の寸法及び寸法の相対的比率、配置、構造等と異なる場合が含まれ得る。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態に係る電子時計1は、指針11及び指針11を駆動するアクチュエーター12を有する駆動モジュール10と、発光素子21及び発光素子21から発せられた光を感知する受光素子22を有する針位置検出器20と、駆動モジュール10及び針位置検出器20を制御する制御装置30とを備える。
指針11は、電子時計1において例えば時刻等の情報を指し示す針である。指針11は、24時針、小時計やクロノグラフの指針であってもよく、日付、曜日、アラーム、各種センサーの値等、何らかの情報を指し示す他の指針であってもよい。アクチュエーター12は、例えば単相ステッピングモーターである。アクチュエーター12は、例えば、図1において図示されない輪列を介して指針11を間接的に駆動する。
発光素子21は、制御装置30から入力される点灯信号に応じて発光する光源である。発光素子21は、例えば発光ダイオードである。受光素子22は、感知した光に応じた感知信号を制御装置30に出力する光センサーである。受光素子22は、例えばフォトダイオード、フォトトランジスター等である。発光素子21及び受光素子22は、指針11が予め決定された基準位置にあるとき、発光素子21から発せられた光を受光素子22が選択的に感知するように配置される。
制御装置30は、例えば、発振回路31と、分周回路32と、計時回路33と、アクチュエーター12及び発光素子21を制御し、受光素子22の感知結果に応じて基準位置の指針11を検出する制御回路35とを有する。制御装置30のハードウェア資源の構成は、例えば図1のように、論理構造を示すブロック図として表現可能である。制御装置30は、例えば、中央演算処理装置(CPU)等の処理回路と、半導体メモリー等の記憶装置と、周辺回路や回路部品とを備える集積回路(IC)から構成可能である。制御装置30は、一体のハードウェアから構成されてもよく、別個の複数のハードウェアから構成されてもよい。また、制御装置30は、時刻表示等の電子時計1の他の制御に用いるICと兼用されてもよい。
発振回路31は、例えば水晶振動子に電圧を印加することによって水晶振動子から得られる発振信号を分周回路32に出力する。分周回路32は、発振回路31から入力された発振信号を分周することによって得られる、所定の周波数を有する基準信号を計時回路33に出力する。計時回路33は、分周回路32から入力された基準信号に基づいて内部時刻を計時する。
制御回路35は、処理部36と、検出器駆動部37と、指針駆動部38と、記憶部39とを有する。処理部36は、例えばCPU等の処理回路からなる。処理部36は、例えば、電子時計1における針位置検出方法に必要な演算を処理するコンピューターシステムを構成する。処理部36は、例えば記憶部39に記憶されたプログラムを実行することにより第1実施形態に記載された各機能を実行する。処理部36は、各機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含み得る。記憶部39は、例えば、処理部36の動作に必要な一連の処理のプログラムや各種データを記憶する、コンピューターにより読み取り可能な記憶媒体である。記憶部39は、CPUに内蔵されるレジスターや他の主記憶装置等の記憶装置を含み得る。
処理部36は、発光素子21を点灯する間、基準位置の指針11を検出するまで一方向に連続的に指針11を駆動する第1モードと、第1モードにおいて受光素子22が光を感知したことに応じて、指針11の駆動及び発光素子21の点灯を交互に実行する第2モードとを有する。処理部36は、第1モード及び第2モードを有することにより、基準位置の指針11の検出を開始してから完了するまでの時間を節減することができる。検出器駆動部37は、処理部36による制御信号に応じて針位置検出器20を駆動する。具体的には、検出器駆動部37は、発光素子21を点灯させたり、受光素子22から感知信号を入力したりする。指針駆動部38は、処理部36による制御信号に応じて、アクチュエーター12を駆動することにより、指針11を間接的に駆動する。
図2に示すように、電子時計1は、例えば、時針11a、分針11b及び秒針11cを備える。この場合、指針11は、時針11a、分針11b及び秒針11cの少なくとも何れかであり得る。電子時計1は、例えば、バンド58によりユーザーの腕に装着される腕時計である。電子時計1は、構成部品を収容するケース50から露出されたりゅうず401及びボタン402を操作部材として備えてもよい。
図3に示すように、電子時計1は、例えば、時針11a及び分針11bを駆動するステッピングモーターである時分モーター12aと、秒針11cを駆動するステッピングモーターである秒モーター12bとを備える。図3では、時分モーター12aに含まれる時分ローター121a及び時分ステーター122aと、秒モーター12bに含まれる秒ローター121b及び秒ステーター122bとが図示される。
この場合、図1に示すアクチュエーター12は、図3に示す時分モーター12a又は秒モーター12bであり得る。即ち、例えば指針11が時針11aであると定義されるとき、アクチュエーター12は、時針11aを駆動する時分モーター12aであると定義される。アクチュエーター12は、制御装置30による制御に応じて、指針11を直接又は間接的に駆動するものであれば、ステッピングモーターに限られず、ピエゾアクチュエーター等の他のアクチュエーターであってもよい。
図3に示すように、電子時計1は、例えば、第1検出器20aと、第2検出器20bと、時分輪列41と、秒輪列45と、地板55と、輪列受56と、文字板59とを更に備える。時分輪列41は、時分モーター12aの動力を時針11a及び分針11bに伝達する歯車の列である。秒輪列45は、秒モーター12bの動力を秒針11cに伝達する歯車の列である。時分モーター12a、秒モーター12b、時分輪列41及び秒輪列45のそれぞれの軸は、例えば、地板55及び輪列受56によって、互いに平行に支持される。
例えば、指針11が時針11a又は分針11bであると定義されるとき、駆動モジュール10は、時分モーター12a、時分輪列41、時針11a及び分針11bを備える時分モジュールであると定義される。一方、指針11が秒針11cであると定義されるとき、駆動モジュール10は、秒モーター12b、秒輪列45及び秒針11cを備える秒モジュールであると定義される。
時分輪列41は、時分ローター121aに駆動される中間車42と、中間車42に駆動される分針中間車(三番車)43と、分針中間車43に駆動される分針車(二番車)44と、図示を省略した日の裏車を介して分針車44に駆動される時針車(筒車)48とを備える。中間車42は、時分ローター121aのかな(ピニオン)と噛み合う中間歯車と、中間歯車より小さな直径を有する中間かなとを有する。分針中間車43は、中間かなと噛み合う分針中間歯車と、分針中間歯車より小さな直径を有する分針中間かなとを有する。分針車44は、分針中間かなと噛み合う分針歯車と、日の裏車と噛み合う分針かなと、分針11bを取り付ける分針軸52とを有する。分針車44は、分針11bと一体的に分表示の周期で回転する。時針車48は、日の裏車のかなに噛み合う時針歯車と、時針11aを取り付ける時針軸51とを有する。時針車48は、時針11aと一体的に時表示の周期で回転する。このように、第1実施形態において時針11a及び分針11bは、互いに連動する。
第1検出器20aは、第1光源21aと、第1光センサー22aとを備える。第1光源21a及び第1光センサー22aは、例えば、時針車48、地板55、分針車44及び分針中間車43を挟み込むように、各車の軸に沿う方向において互いに対向して配置される。第1光源21aは、例えば、時針車48の時針歯車の文字板59側に隣接して配置された第1支持板551の表面に搭載される。第1光センサー22aは、例えば、分針中間車43の分針中間歯車の輪列受56側に隣接して配置された第2支持板552の表面に搭載される。
地板55は、第1光源21aから発せられた光を第1光センサー22aに向けて透過させる地板窓550を有する。即ち、地板窓550、第1光源21a及び第1光センサー22aは、軸方向から見た平面パターンにおいて重なる。時針車48は、時針歯車に設けられ、光を透過させる時針窓480を有する。分針車44は、分針歯車に設けられ、光を透過させる分針窓440を有する。分針中間車43は、分針中間歯車に設けられ、光を透過させる分針中間窓430を有する。地板窓550、時針窓480、分針窓440及び分針中間窓430のそれぞれは、例えば軸方向に貫通する貫通孔である。
時分輪列41は、例えば時針11a及び分針11bが12時の位置、即ち0時0分又は12時0分を指示するとき、軸方向から見た平面パターンにおいて、時針窓480、分針窓440及び分針中間窓430が、地板窓550に重なるように設けられる。換言すれば、時針11a及び分針11bが12時の位置、即ち基準位置にあるときに選択的に、第1光センサー22aは、第1光源21aから発せられ貫通孔を透過した光を感知する。
秒輪列45は、秒モーター12bに駆動される秒針中間車(五番車)46と、秒針中間車46に駆動される秒針車(四番車)47とを備える。秒針中間車46は、秒ローター121bのかなと噛み合う秒針中間歯車と、秒針中間歯車より小さな直径を有する秒針中間かなとを有する。秒針車47は、秒針中間かなと噛み合う秒針歯車と、秒針11cを取り付ける秒針軸53とを有する。秒針車47は、秒針11cと一体的に秒表示の周期で回転する。
第2検出器20bは、第2光源21bと、第2光センサー22bとを備える。第2光源21b及び第2光センサー22bは、例えば、秒針車47を挟み込むように、軸に沿う方向において互いに対向して配置される。第2光源21bは、例えば、秒針車47の秒針歯車の文字板59側に隣接して配置された第2支持板552の表面に配置される。第2光センサー22bは、例えば輪列受56の表面に、図示を省略した基板を介して配置される。
秒針車47は、秒針歯車に設けられ、光を透過させる秒針窓470を有する。秒針窓470は、例えば軸方向に貫通する貫通孔である。秒輪列45は、例えば秒針11cが12時の位置、即ち毎分0秒を指示するとき、軸方向から見た平面パターンにおいて、秒針窓470が第2光源21b及び第2光センサー22bに重なるように設けられる。換言すれば、秒針が12時の位置、即ち基準位置にあるときに選択的に、第2光センサー22bは、第2光源21bから発せられ貫通孔を透過した光を感知する。
この場合、図1に示す針位置検出器20は、第1検出器20a又は第2検出器20bであり得る。例えば、指針11が時針11a又は分針11bであると定義されるとき、針位置検出器20は第1検出器20a、発光素子21及び受光素子22は、それぞれ第1光源21a及び第1光センサー22aであると定義される。一方、指針11が秒針11cであると定義されるとき、針位置検出器20は第2検出器20b、発光素子21及び受光素子22は、それぞれ第2光源21b及び第2光センサー22bであると定義される。
{制御回路の動作}
図4のフローチャートを参照して、第1実施形態に係る電子時計1における針位置検出方法の一例として、制御回路35の動作を説明する。図4のフローチャートに示す一連の処理は、例えば、システムリセット時の初期動作として実行される。なお、以下において、図3に示す分針11bが指針11、時分モーター12aがアクチュエーター12、第1検出器20aが針位置検出器20であると定義して例示的に説明する。
先ず、ステップS101において、処理部36は、第1モードにおける処理を開始し、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオンにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aに電力を供給することにより、第1光源21aの点灯を開始する。
ステップS102において、処理部36は、指針駆動部38を介して、分針11bの順方向、即ち時計回りへの駆動を開始する。指針駆動部38は、時分モーター12aに駆動信号を出力して時分ローター121aを駆動することにより、分針11bを一方向に連続的に駆動する。ここで「連続的に」とは、分針11bの駆動及び第1光源21aの点灯が交互でなく、実質的に連続的であることを意味する。
ステップS103において、処理部36は、検出器駆動部37を介して第1光センサー22aから入力された感知信号を、感知結果として記憶部39に格納する。なお、ステップS103は所定のサンプリング周期で複数回実行され得るが、記憶部39は、すべての感知結果の蓄積を記憶する必要はなく、サンプリング周期毎に循環的に記憶すればよい。
ステップS104において、処理部36は、直近のステップS103で記憶部39に記憶された感知結果を参照して、第1光センサー22aが第1光源21aから発せられた光を感知したか否かを判定する。処理部36は、光を感知したと判定する場合、ステップS105に処理を進め、光を感知していないと判定する場合、ステップS103に処理を戻す。
ステップS105において、処理部36は、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオフにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aへの電力の供給を停止することにより、第1光源21aの点灯を終了する。
ステップS106において、処理部36は、指針駆動部38を介して、ステップS102で開始した分針11bの順方向への駆動を停止する。即ち、指針駆動部38は、時分モーター12aへの駆動信号の出力を停止して時分ローター121aの駆動を停止することにより、分針11bの駆動を停止する。これにより、処理部36は、第1モードにおける一連の処理を終了する。
ステップS107において、処理部36は、指針駆動部38を介して、分針11bを逆方向、即ち反時計回りに所定量駆動する。処理部36は、分針11bが所定量駆動された時点で、第2モードに移行する。ステップS104で光が感知されてから、ステップS106の処理によって分針11bの駆動が停止されるまで、CPUの割り込み処理等による遅延時間が生じるため、時分モーター12aの駆動周波数が所定値以上のとき、分針11bは基準位置を越えた位置で停止する。これに対して、処理部36は、例えば数十程度の所定のステップ数だけ分針11bを逆方向に駆動する。即ち、ステップS107における所定量は、基準位置を順方向に越えた分針11bが、再び基準位置を逆方向に越えて基準位置からの駆動量が所定範囲となる量である。
ステップS108において、処理部36は、第2モードにおける処理を開始し、指針駆動部38を介して、分針11bを順方向に1ステップ駆動する。即ち、指針駆動部38は、時分モーター12aに駆動信号を出力して時分ローター121aを1ステップ駆動することにより、分針11bを順方向に駆動する。
ステップS109において、処理部36は、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオンにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aに電力を供給することにより、第1光源21aの点灯を開始する。
ステップS110において、処理部36は、検出器駆動部37を介して第1光センサー22aから入力された感知信号を、感知結果として記憶部39に格納する。ステップS110は所定のサンプリング周期で複数回実行され得るが、記憶部39は、すべての感知結果の蓄積を記憶する必要はなく、サンプリング周期毎に循環的に記憶すればよい。
ステップS111において、処理部36は、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオフにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aへの電力の供給を停止することにより、第1光源21aの点灯を終了する。
ステップS112において、処理部36は、直近のステップS110で記憶部39に記憶された感知結果を参照して、第1光センサー22aが第1光源21aから発せられた光を感知したか否かを判定する。処理部36は、光を感知したと判定する場合、ステップS113に処理を進め、光を感知していないと判定する場合、ステップS108に処理を戻す。
ステップS113において、処理部36は、基準位置の分針11bが第1検出器20aにより検出されたため、指針11が基準位置にあることが確定したとして処理を終了する。なお、上述の通り、第1実施形態において分針11bは時針11aと連動しており、時針11a及び分針11bの基準位置は、0時0分又は12時0分を指示するときの位置であるとして定義される。したがって、制御回路35は、時分モーター12a及び第1検出器20aを制御して、第1指針である時針11a及び第2指針である分針11bの2本の指針の基準位置を検出すると考えることもできる。
以上のように、制御回路35は、第1モードのステップS104において第1光センサー22aが光を感知したことに応じて、ステップS107で分針11bを逆方向に所定量駆動した時点で、第2モードに移行する。制御回路35は、第2モードのステップS108及びS109において分針11bの駆動及び第1光源21aの点灯を交互に実行する。これにより、制御回路35は、基準位置の指針11の検出開始から完了までの時間を短縮することができる。
{第1モードにおける制御}
以下において、アクチュエーター12を駆動する指針駆動部38の第1モードにおける動作の一例を説明する。引き続き、時分モーター12aがアクチュエーター12であると定義して例示的に説明する。
(モーターの構成)
先ず、図5を参照して、制御対象である時分モーター12aの構成の一例を説明する。図5に示すように、時分モーター12aは、時分ローター121a及び時分ステーター122aの他に、時分ステーター122aに連結されるコア123と、コア123に巻かれたコイル120を更に備える。時分ローター121aは、軸に直交する直径方向に着磁される。時分ステーター122a及びコア123は、それぞれ強磁性体からなる。コア123の両端は、時分ステーター122aの両端にそれぞれ連結される。コイル120の両端は、指針駆動部38の出力端子O1及びO2にそれぞれ配線される。
時分ローター121aは、時分ステーター122aに設けられた収容孔の内側に配置される。収容孔は、時分ローター121aの軸方向から見た平面パターンにおいて、概略として時分ローター121aの軸を中心とする円形状である。時分ステーター122aは、収容孔の内側面において互いに対向するように設けられた一対の内ノッチと、時分ステーター122aの両端を結ぶ方向に直交する方向において互いに反対向きに設けられた一対の外ノッチとを有する。時分ステーター122aの内ノッチは、時分ローター121aが安定して停止する安定位置を定義する。時分ステーター122aの外ノッチは、時分ステーター122aがコイル120により励磁されるときに磁気抵抗が他所より高くなる領域を定義する。
コイル120は、指針駆動部38から一方向に電流が流されることにより、コア123内に磁束を発生させ、時分ステーター122aに一対の磁極を発生させる。これにより、一対の磁極を有する時分ローター121aは、1ステップ、即ち180°回転する。一方、コイル120に逆方向の電流が流れることにより、時分ステーター122aの磁極が反転する。これにより、時分ローター121aは、更に1ステップ回転する。
(指針駆動部の構成)
次に、図6を参照して、指針駆動部38の構成の一例を説明する。図6に示すように、指針駆動部38は、駆動制御回路381と、駆動回路382と、電流検出回路383とを備える。駆動制御回路381は、処理部36から出力される設定信号SSに応じて、駆動回路382にスイッチング信号を出力する。駆動回路382は、駆動回路382から入力されたスイッチング信号に応じて、時分モーター12aのコイル120に駆動信号を出力する。電流検出回路383は、コイル120に流れる電流を検出し、検出された電流に応じた検出信号を駆動制御回路381に出力する。
図6に示す例では、駆動回路382は、2つのpチャンネル型のトランジスターであるスイッチング素子Q1及びQ2と、4つのnチャンネル型のトランジスターであるスイッチング素子Q3~Q6と、2つの検出抵抗R1,R2とを備える。スイッチング素子Q1の一方の主電極は入力電圧Vinに接続され、他方の主電極は出力端子O1に接続される。スイッチング素子Q2の一方の主電極は入力電圧Vinに接続され、他方の主電極は出力端子O2に接続される。スイッチング素子Q3の一方の主電極は出力端子O1に接続され、他方の主電極は接地電位GNDに接続される。スイッチング素子Q4の一方の主電極は出力端子O2に接続され、他方の主電極は接地電位GNDに接続される。スイッチング素子Q5の一方の主電極は検出抵抗R1を介して出力端子O1に接続され、他方の主電極は接地電位GNDに接続される。スイッチング素子Q6の一方の主電極は検出抵抗R2を介して出力端子O1に接続され、他方の主電極は接地電位GNDに接続される。
6つのスイッチング素子Q1~Q6のそれぞれの制御電極は、駆動制御回路381に接続される。制御電極は、例えばゲート電極であり、一対の主電極の間を流れる電流を制御する電極である。スイッチング素子Q1~Q6は、駆動制御回路381から各制御電極に入力されるスイッチング信号p1,p2,n1,n2,n3,n4にそれぞれ対応して制御される。このように、駆動回路382は、複数のスイッチング素子を用いてステッピングモーターに交流信号である駆動信号を出力する。
電流検出回路383は、出力端子O1及びO2から出力される信号を検出することにより、コイル120に流れる電流を検出する。例えば、電流検出回路383は、検出抵抗R1,R2の両端に生じる電圧と基準電圧とをそれぞれ比較することにより、コイル120に流れる電流Icが下限電流値Iminより低いか否か、及び、上限電流値Imaxより高いか否かを判定する。電流検出回路383は、判定結果を示す検出信号を駆動制御回路381に出力する。
(指針駆動部の動作)
次に、図7を参照して、指針駆動部38の第1モードにおける動作の一例を説明する。処理部36が第1モードにおける処理を開始することにより、指針駆動部38は、第1光源21aの点灯が開始されたことに応じて、時分モーター12aの一方向への連続駆動を開始する。
時刻t1において、駆動制御回路381は、駆動回路382を、コイル120に正方向の電流を供給するオン状態にする。正方向は、例えば出力端子O1から出力端子O2に向かってコイル120の巻線を流れる方向である。駆動制御回路381は、低(L)レベルのスイッチング信号p1,n1,n2及びn3と、高(H)レベルのスイッチング信号p2及びn4を駆動回路382に出力する。これにより、スイッチング素子Q1及びQ6がオン、スイッチング素子Q2,Q3,Q4及びQ5がオフとなる。よって、スイッチング素子Q1、出力端子O1、コイル120、出力端子O2、検出抵抗R2、スイッチング素子Q6の順となる方向に電流が流れる。結果として、図7に示すように、コイル120を流れる電流Icは、逆起電力により時刻t1から時間的に増加していく。電流Icが正の上限電流値Imaxより高くなると、電流検出回路383は、電流Icが上限電流値Imaxを正方向に超えたことを示す検出信号を駆動制御回路381に出力する。
駆動制御回路381は、電流Icが上限電流値Imaxを超えたことを示す検出信号に応じて、駆動回路382を、正方向の電流の供給を停止するオフ状態にする。駆動制御回路381は、Lレベルのスイッチング信号n2と、Hレベルのスイッチング信号p1,p2,n1,n3及びn4を駆動回路382に出力する。これにより、スイッチング素子Q3,Q5及びQ6がオン、スイッチング素子Q1,Q2及びQ4がオフとなる。コイル120の両端は、入力電圧Vinから切断され、検出抵抗R1及びR2をそれぞれ介して接地電位GNDに接続される。結果として、電流Icは、上限電流値Imaxを超えた時点から逆起電力により時間的に減少していく。電流Icが正の下限電流値Iminより低くなると、電流検出回路383は、電流Icが下限電流値Iminを負方向に超えたことを示す検出信号を駆動制御回路381に出力する。
駆動制御回路381は、電流Icが下限電流値Iminを負方向に超えたことを示す検出信号に応じて、駆動回路382を、コイル120に正方向の電流を供給するオン状態にする。このように、時刻t1から時刻t2の間において、駆動制御回路381は、オン状態及びオフ状態を交互に繰り返すことにより、電流Icが正の上限電流値Imaxと下限電流値Iminとの範囲内となるように、時分モーター12aを定電流制御する。
時刻t2において、駆動制御回路381は、コイル120に供給する電圧の極性を切り替える。即ち、駆動制御回路381は、駆動回路382を、コイル120に負方向の電流を供給するオン状態にする。駆動制御回路381は、Lレベルのスイッチング信号p2,n1,n2及びn4と、Hレベルのスイッチング信号p1及びn3を駆動回路382に出力する。これにより、スイッチング素子Q2及びQ5がオン、スイッチング素子Q1,Q3,Q4及びQ6がオフとなる。よって、スイッチング素子Q2、出力端子O2、コイル120、出力端子O1、検出抵抗R1、スイッチング素子Q5の順に電流が流れる。結果として、図7に示すように、コイル120を流れる電流Icは、逆起電力により時刻t2から時間的に減少していく。電流Icの方向が反転し、電流Icが負の上限電流値-Imaxより低くなると、電流検出回路383は、電流Icが上限電流値-Imaxを負方向に超えたことを示す検出信号を駆動制御回路381に出力する。
駆動制御回路381は、電流Icが上限電流値-Imaxを負方向に超えたことを示す検出信号に応じて、駆動回路382を、負方向の電流の供給を停止するオフ状態にする。駆動制御回路381は、Lレベルのスイッチング信号n1と、Hレベルのスイッチング信号p1,p2,n2,n3及びn4を駆動回路382に出力する。これにより、スイッチング素子Q4,Q5及びQ6がオン、スイッチング素子Q1,Q2及びQ3がオフとなる。コイル120の両端は、入力電圧Vinから切断され、検出抵抗R1及びR2をそれぞれ介して接地電位GNDに接続される。結果として、電流Icは、上限電流値-Imaxを負方向に超えた時点から逆起電力により時間的に減少していく。電流Icが負の下限電流値-Iminより高くなると、電流検出回路383は、電流Icが下限電流値-Iminを正方向に超えたことを示す検出信号を駆動制御回路381に出力する。
駆動制御回路381は、電流Icが下限電流値-Iminを正方向に超えたことを示す検出信号に応じて、駆動回路382を、コイル120に負方向の電流を供給するオン状態にする。このように、時刻t2から時刻t3の間において、駆動制御回路381は、オン状態及びオフ状態を交互に繰り返すことにより、電流Icが負の上限電流値-Imaxと下限電流値-Iminとの範囲内となるように、時分モーター12aを定電流制御する。
駆動制御回路381が時刻t1~t3の処理を実行することにより、時分ローター121aは、2ステップ、即ち360°回転する。駆動制御回路381が時刻t1~t3のような処理を周期的に実行することにより、指針駆動部38は、所定の駆動周波数を有する駆動信号を時分モーター12aに出力することができる。
指針駆動部38は、例えば、コイル120に流れる電流Icから、時分ローター121aの自由振動により流れる誘導電流を検出することにより、時分ローター121aの回転角を推定することができる。指針駆動部38は、推定された回転角に応じて駆動回路382のオン状態及びオフ状態の時間を制御することにより、時分ローター121aを回転させることができる。指針駆動部38は、時分ローター121aを1ステップごとに停止させることなく回転させることができるので、指針11を高速に駆動することができる。このため、第1モードにおける針位置検出の開始から完了までの時間を短縮することができる。更に、指針駆動部38は、時分ローター121aの回転角に応じてコイル120に供給する電力を制御することにより、時分ローター121aを両方向に回転させることができる。なお、第2モードにおいては、指針駆動部38は、駆動回路382のオン状態及びオフ状態の時間を制御し、1ステップごとに回転させることができる。
なお、指針駆動部38は、必ずしも第1モードにおいてステッピングモーターを定電流制御しなくてもよい。例えば、処理部36は、ステッピングモーターが180度回転するように予め設定された固定パルスを出力することによってステッピングモーターを駆動してもよい。この場合、時刻表示の周期の回転等に用いられる駆動信号の駆動周波数よりも、第1モードの駆動周波数を高くすることで、指針11を早送りで駆動するようにしてもよい。この場合も、第1モードにおいて、発光素子21が点灯する間に指針11が連続的に駆動されることにより、針位置検出の開始から完了までの時間を短縮することができる。
{検出時間の検討}
時刻を表示する時針11a及び分針11bが1つの時分モーター12aにより駆動され、時分モーター12aが5秒毎に1ステップ駆動される場合、時針11aの1サイクル、即ち12時間当たりの、時分モーター12aのステップ数は8640ステップである。時分モーター12aの駆動と第1光源21aの点灯とを交互に実行して針位置検出を行う場合、時分モーター12aの駆動周波数の30Hzとすると、検出に必要な最大時間である合計検出時間は、(1/30)×8640から288秒である。
図8は、第1モードによって基準位置の時針11a及び分針11bを検出する場合における駆動周波数毎の合計検出時間を示す表である。駆動周波数が30Hzの場合、合計検出時間は、上述の例と同様に288秒である。駆動周波数が85.3Hzの場合、合計検出時間は、(1/85.3)×8640から101秒である。85.3Hzは、定電流制御でない予め設定された固定パルスによって時分モーター12aを適正に駆動することができる最大の駆動周波数の一例である。駆動周波数が250Hzの場合、合計検出時間は34.56秒である。駆動周波数が500Hzの場合、合計検出時間は17.28秒である。
このように、時針11a及び分針11bの駆動と第1光源21aの点灯を交互に実行する場合に比べて、発光素子21が点灯する間に連続的に時針11a及び分針11bを駆動する場合の方が、短い最大検出時間で針位置検出を行うことができる。
上述の通り、時分モーター12aの駆動と第1光源21aの点灯を交互に実行して針位置検出を行う場合、検出開始から完了までの時間が長くなる場合がある。これに対して、制御回路35は、第1モードにおいて、第1光源21aを点灯する間、基準位置の時針11a及び分針11bを検出するまで一方向に連続的に時分モーター12aを駆動する。制御回路35は、第1光センサー22aが光を感知した時点で時分モーター12aを逆方向に所定量駆動した後、第2モードに移行する。制御回路35は、第2モードにおいて、時分モーター12aの駆動と第1光源21aの点灯とを交互に実行することにより、第1モードと比べて高精度な針位置検出を行う。このため、電子時計1は、第2モードで検出する時間を短くすることができるので、針位置検出開始から完了までの時間を短縮することができる。
{変形例}
上述の第1実施形態では、アクチュエーター12として、1つのコイル120を備える時分モーター12aについて説明したが、例示である。アクチュエーター12は、例えば、2つの系統のコイルを有するステッピングモーターであってもよい。即ち、図9に示すように、第1実施形態の変形例に係るアクチュエーターは、ステーター61と、ローター62と、第1コイルブロック63と、第2コイルブロック64とを備えるモーター12Aである。
ステーター61は、それぞれ強磁性体からなる第1ヨーク611、第2ヨーク612及び第3ヨーク613を有する。第2ヨーク612及び第3ヨーク613は、一方向に連続するように互いに連結する。第1ヨーク611は、第2ヨーク612及び第3ヨーク613に直交するように、第2ヨーク612及び第3ヨーク613が互いに連結する箇所に更に連結する。ステーター61は、第1ヨーク611、第2ヨーク612及び第3ヨーク613が互いに連結する箇所に設けられ、ローター62を収容する収容孔614を有する。収容孔614は、ローター62の軸方向から見た平面パターンにおいて、概略としてローター62の軸を中心とする円形状である。
ステーター61は、収容孔614の内側面において第1ヨーク611、第2ヨーク612及び第3ヨーク613のそれぞれに対応するように設けられた3つの内ノッチを有する。3つの内ノッチのうち、第2ヨーク612及び第3ヨーク613にそれぞれ対応する、互いに対向する2つの内ノッチは、直径方向に着磁されたローター62が安定して停止する安定位置を定義する。ステーター61は、第1ヨーク611、第2ヨーク612及び第3ヨーク613が互いに連結する箇所にそれぞれ設けられた3つの外ノッチを有する。3つの外ノッチは、第1ヨーク611、第2ヨーク612及び第3ヨーク613の幅を収容孔614の近傍において狭めることにより、ステーター61が励磁されるときに磁気抵抗が他所より高くなる領域を定義する。
第1コイルブロック63は、強磁性体からなる第1コア631と、第1コアに巻かれた第1コイル632とを備える。第1コア631の両端は、第1ヨーク611及び第2ヨーク612にそれぞれ連結される。第1コイル632は、指針駆動部38の図示しない出力端子にそれぞれ接続される入力端子M1及びM2を両端に有する。第1コイル632は、例えば、入力端子M1から入力端子M2に電流が流れるとき、第1コア631、第1ヨーク611及び第2ヨーク612からなるループL1に、図9における時計回りの磁束が生じる方向に巻かれる。
第2コイルブロック64は、強磁性体からなり、第1コア631に連結する第2コア641と、第2コア641に巻かれた第2コイル642とを備える。第2コア641の両端は、第1ヨーク611及び第3ヨーク613にそれぞれ連結される。第2コア641は、第1コア631に連結されなくてもよい。第2コイル642は、指針駆動部38の図示しない出力端子にそれぞれ接続される入力端子M3及びM4を両端に有する。第2コイル642は、例えば、入力端子M3から入力端子M4に電流が流れるとき、第2コア641、第1ヨーク611及び第3ヨーク613からなるループL2に、図9における時計回りの磁束が生じる方向に巻かれる。
2つの系統の第1コイル632及び第2コイル642に流れる電流が制御されることにより、第1ヨーク611、第2ヨーク612及び第3ヨーク613は、それぞれの収容孔614側においてローター62に作用する磁極を発生させる。このため、ローター62は、指針駆動部38の制御に応じて、両方向に回転することができる。
(反時計回り)
ローター62は、例えば図10に示すような駆動信号が入力端子M1~M4にそれぞれ入力されることにより、図9における反時計回りに回転する。
先ず、図10の期間A1において、指針駆動部38は、入力端子M1にLレベル、入力端子M2~M4にHレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M2から入力端子M1に向かって第1コイル632を流れるため、図9における反時計回りの磁束がループL1に生じる。よって、第2ヨーク612の収容孔614側はN極、第1ヨーク611の収容孔614側はS極となる。このとき、第1コア631、第2コア641、第2ヨーク612及び第3ヨーク613からなるループL3にも、反時計回りの磁束が生じる。よって、第3ヨーク613の収容孔614側はS極となる。結果として、図9に示す初期状態のローター62は、反時計回りに回転する。
次の期間B1において、指針駆動部38は、入力端子M4にLレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M3から入力端子M4に向かって第2コイル642を流れるため、図9における反時計回りの磁束がループL1に生じた状態で、新たに時計回りの磁束がループL2に生じる。第2ヨーク612及び第3ヨーク613の収容孔614側がそれぞれN極となり、第1ヨーク611の収容孔614側がS極となるため、ローター62は、N極が第1ヨーク611側に近接した状態で停止する。結果として、反時計回りに回転したローター62は、初期状態から180°の位置で安定して停止する。
次の期間C1において、指針駆動部38は、入力端子M1及びM4にHレベルの駆動信号を出力する。第1コイル632及び第2コイル642には電流が流れないため、ステーター61における磁気分極は解消する。
次の期間D1において、指針駆動部38は、入力端子M2にLレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M1から入力端子M2に向かって第1コイル632を流れるため、図9における時計回りの磁束がループL1に生じる。よって、第2ヨーク612の収容孔614側はS極、第1ヨーク611の収容孔614側はN極となる。このとき、ループL3にも時計回りの磁束が生じる。よって、第3ヨーク613の収容孔614側はN極となる。結果として、初期状態から180°回転されたローター62は、反時計回りに更に回転する。
次の期間E1において、指針駆動部38は、入力端子M3にLレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M4から入力端子M3に向かって第2コイル642を流れるため、図9における時計回りの磁束がループL1に生じた状態で、新たに反時計回りの磁束がループL2に生じる。第2ヨーク612及び第3ヨーク613の収容孔614側がそれぞれS極となり、第1ヨーク611の収容孔614側がN極となるため、ローター62は、S極が第1ヨーク611側に近接した状態で停止する。結果として、反時計回りに回転したローター62は、初期状態から360°の位置で安定して停止する。
次の期間F1において、指針駆動部38は、入力端子M2及びM3にHレベルの駆動信号を出力する。第1コイル632及び第2コイル642には電流が流れないため、ステーター61における磁気分極は解消する。指針駆動部38が図10に示す期間A1~F1のような駆動信号を出力することにより、ローター62は、2ステップ、即ち360°回転する。
(時計回り)
一方、ローター62は、例えば図11に示すような駆動信号が入力端子M1~M4にそれぞれ入力されることにより、図9における時計回りに回転する。
先ず、図11の期間A2において、指針駆動部38は、入力端子M4にLレベル、入力端子M1~M3にHレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M3から入力端子M4に向かって第2コイル642を流れるため、図9における時計回りの磁束がループL2に生じる。よって、第3ヨーク613の収容孔614側はN極、第1ヨーク611の収容孔614側はS極となる。このとき、ループL3にも時計回りの磁束が生じる。よって、第1ヨーク611の収容孔614側はS極となる。結果として、図9に示す初期状態のローター62は、時計回りに回転する。
次の期間B2において、指針駆動部38は、入力端子M1にLレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M2から入力端子M1に向かって第1コイル632を流れるため、図9における時計回りの磁束がループL2に生じた状態で、新たに反時計回りの磁束がループL1に生じる。第2ヨーク612及び第3ヨーク613の収容孔614側がそれぞれN極となり、第1ヨーク611の収容孔614側がS極となるため、ローター62は、N極が第1ヨーク611側に近接した状態で停止する。結果として、時計回りに回転したローター62は、初期状態から180°の位置で安定して停止する。
次の期間C2において、指針駆動部38は、入力端子M1及びM4にHレベルの駆動信号を出力する。第1コイル632及び第2コイル642には電流が流れないため、ステーター61における磁気分極は解消する。
次の期間D2において、指針駆動部38は、入力端子M3にLレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M4から入力端子M3に向かって第2コイル642を流れるため、図9における反時計回りの磁束がループL2に生じる。よって、第3ヨーク613の収容孔614側はS極、第1ヨーク611の収容孔614側はN極となる。このとき、ループL3にも反時計回りの磁束が生じる。よって、第1ヨーク611の収容孔614側はN極となる。結果として、初期状態から180°回転されたローター62は、時計回りに更に回転する。
次の期間E2において、指針駆動部38は、入力端子M2にLレベルの駆動信号を出力する。このとき、電流が入力端子M1から入力端子M2に向かって第1コイル632を流れるため、図9における反時計回りの磁束がループL2に生じた状態で、新たに時計回りの磁束がループL1に生じる。第2ヨーク612及び第3ヨーク613の収容孔614側がそれぞれS極となり、第1ヨーク611の収容孔614側がN極となるため、ローター62は、S極が第1ヨーク611側に近接した状態で停止する。結果として、時計回りに回転したローター62は、初期状態から360°の位置で安定して停止する。
次の期間F2において、指針駆動部38は、入力端子M2及びM3にHレベルの駆動信号を出力する。第1コイル632及び第2コイル642には電流が流れないため、ステーター61における磁気分極は解消する。指針駆動部38が図11に示す期間A2~F2のような駆動信号を出力することにより、ローター62は、2ステップ、即ち360°回転する。
{電力節減のための構成}
以下、処理回路において消費される電力を節減するための構成について説明する。CPU等の処理回路である処理部36は、指針駆動部38に制御信号を出力することにより時刻表示の制御を行う。即ち、処理部36が、内部時刻に応じた割り込み要求信号を計時回路33から入力すると、処理回路が起動し、指針駆動部38に制御信号を出力する。指針駆動部38が制御信号に応じて各アクチュエーターを制御することにより、時針11a、分針11b及び秒針11cは、計時回路33により計時された内部時刻を指し示す。更に、処理部36は、定期的に動作する他の機能を実行し得る。
図12に示すように、電子時計1は、例えば、受信機71、蓄電池72、充電用電源73、電池電圧検出回路74及び充電検出回路75を備える。受信機71は、全地球測位システム(GPS)や準天頂衛星システム(QZSS)等の測位システムにおける衛星から送信される電波を受信する。受信機71は、例えば、アンテナを含む処理回路からなる。受信機71は、JJY等の標準周波数局から送信される電波を受信するようにしてもよい。受信機71は、受信した電波から、時刻や位置情報を取得し得る。
蓄電池72は、例えば充電式ボタン電池等の二次電池である。充電用電源73は、蓄電池72に充電用の電力を供給して蓄電池72を充電する電源である。充電用電源73は、例えばソーラーセルである。充電用電源73は、電子時計1の運動を電磁誘導によって電流に変換することにより蓄電池72に電力を供給する電源であってもよい。電池電圧検出回路74は、処理部36から入力される、電池電圧検出を要求する制御信号に応じて、蓄電池72の電圧を検出する。電池電圧検出回路74は、検出した電圧を示す信号を処理部36に出力する。充電検出回路75は、処理部36から入力される、充電検出を要求する制御信号に応じて、蓄電池72に供給される電力を充電状態として検出する。充電検出回路75は、検出した電圧を示す信号を処理部36に出力する。
以下、図13のシーケンス図を参照して、予め定められた時刻に定期的に充電状態の検出を実行する場合の処理部36の動作の一例を説明する。前提として、計時回路33は、内部時刻に応じて5秒毎に割り込み要求信号を処理部36に出力する。処理部36は、割り込み要求信号毎に、時分モーター12aを1ステップ駆動するように指針駆動部38に制御信号を出力することにより、時刻表示の制御を行う。これにより、時針11a及び分針11bは、内部時刻である現在時刻を指し示す。
先ず、ステップS11において、計時回路33は、割り込み要求信号を処理部36に出力する。ステップS12において、処理部36は、5秒毎に出力される割り込み要求信号に応じて、処理回路を起動し、時分モーター12aを1ステップ駆動するように指針駆動部38に制御信号を出力する。指針駆動部38は、制御信号に応じて時分モーター12aを1ステップ駆動することにより、時針11a及び分針11bを駆動する。ステップS13において、指針駆動部38は、時分モーター12aの駆動が完了したことを示す信号を処理部36に出力する。
ステップS14において、処理部36は、充電検出を要求する制御信号を充電検出回路75に出力する。充電検出回路75は、制御信号に応じて、蓄電池72に供給される電力を充電状態として検出する。ステップS15において、充電検出回路75は、検出した充電状態を示す信号を処理部36に出力する。処理部36は、充電状態を記憶部39(図1参照)に記憶する。ステップS16において、処理部36は、記憶部39に記憶された充電状態に応じて、電源モードを通常モードからパワーセーブモードに移行するか否か判定する。処理部36は、移行すると判定する場合においてパワーセーブモードに移行し、移行しないと判定する場合において通常モードを継続した後、ステップS12で起動した処理回路を停止させる。
パワーセーブモードは、通常モードにおける時刻表示より消費電力が少ない電源モードである。処理部36は、パワーセーブモードにおいて、例えば、アクチュエーター12の駆動回数を減少させたり、受信機71による電波の受信を休止させたりすることにより、消費電力を抑制する。例えば、処理部36は、秒針11cを2秒以上毎に駆動してもよく、分針11bを1分毎に駆動するようにしてもよい。更に、処理部36は、日車や曜車を24時間毎に駆動するようにしてもよい。
以上のように、処理部36は、予め定められた時刻に実行される機能である充電検出の制御を、時刻表示の制御に連続するタイミング、即ち、処理回路が起動される同一の期間内で実行する。よって、処理部36は、処理回路の起動時間を短縮する他、割り込み要求信号毎の判定処理の回数を低減することができるため、処理回路における消費電力を節減することができる。更に、処理部36は、同一の処理回路により複数種類の制御を行うため、電子時計1の大型化を抑制できる。なお、充電検出の制御を行う処理回路が、時刻表示の制御を行う処理回路と異なる場合も同様に、通常、充電検出の回数だけ充電検出の制御を行う処理回路を起動する必要があるため、上述の処理部36の処理を実行することにより消費電力を節減できる。
次に、図14のシーケンス図を参照して、予め定められた時刻に定期的に電池電圧の検出を実行する場合の処理部36の動作の一例を説明する。図13の例と同様に、計時回路33が、内部時刻に応じて5秒毎に割り込み要求信号を処理部36に出力することを前提とする。更に、図14の例において、指針駆動部38は、時針11a、分針11b及び図示しない日車をそれぞれ駆動する3つのアクチュエーターを制御するものと仮定する。
先ず、ステップS21において、計時回路33は、内部時刻を示す割り込み要求信号を処理部36に出力する。ステップS22において、処理部36は、割り込み要求信号に応じて、処理回路を起動し、分針11bを駆動するように指針駆動部38に制御信号を出力する。ステップS23において、処理部36は、毎分0秒の場合、指針駆動部38及びアクチュエーターを介して、時針11aを駆動する。ステップS24において、処理部36は、0時0分0秒の場合、指針駆動部38及びアクチュエーターを介して、日車を駆動する。ステップS25において、指針駆動部38は、時針11a、分針11b及び日車の少なくとも何れかの駆動が完了したことを示す信号を処理部36に出力する。
ステップS26において、処理部36は、受信機71が電波を受信中でなく、内部時刻が毎分30秒である場合、電池電圧検出を要求する制御信号を電池電圧検出回路74に出力する。電池電圧検出回路74は、制御信号に応じて、蓄電池72の電圧を検出する。ステップS27において、電池電圧検出回路74は、電池電圧を示す信号を処理部36に出力する。処理部36は、電池電圧を記憶部39に記憶する。ステップS28において、処理部36は、記憶部39に記憶された電池電圧に応じて、電源モードを通常モードからパワーセーブモードに移行するか否か判定する。処理部36は、移行すると判定する場合においてパワーセーブモードに移行し、移行しないと判定する場合において通常モードを継続した後、ステップS22で起動した処理回路を停止させる。
処理部36は、ステップS26において受信機71が電波を受信中か否かを判定する。処理部36は、受信機71が電波を受信中である場合、電池電圧の検出を禁止し、電池電圧検出を要求する制御信号を電池電圧検出回路74に出力しない。このように、処理部36は、例えば時刻同期処理等における電波を受信中である場合等、所定条件を満たす場合に、定期的に動作する機能の実行を禁止する。これにより、処理部36は、処理回路の処理負荷を低減できるため、消費電力を節減できることに加えて、誤動作等のリスクを低減できる。機能の実行を禁止する他の所定条件は、例えば、処理回路がSPI(Serial Peripheral Interface)、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の規格で、受信機71や記憶部39等の他の回路と通信中であることであってもよい。その他、所定条件として、指針の早送り駆動や無線通信等の消費電力が増加する処理中であることが挙げられる。
その他、処理部36は、例えば秒針11c等の指針11の駆動を、1秒を超える整数秒毎に実行するようにしてもよい。この場合、処理部36は、処理回路の起動回数を低減し、起動時間を短縮することができる。また、処理部36は、時刻表示の制御毎に実行するようにしてもよい。この場合、処理部36は、定期的に動作する機能を実行するか否かを判定する必要がないため、処理回路における処理負荷を低減することができる。
また、定期的に動作する機能は、充電検出、電池電圧検出に限らない。例えば、電子時計1が気圧センサーや方位センサー等の各種センサーを備える場合、機能は、センサーの指示値の検出であってもよい。また、定期的に動作する機能として、受信機71を用いた現在位置、高度、タイムゾーン及び現在時刻の少なくとも何れかの取得であってもよい。その他、機能として、分周回路32における分周の割合を調整する論理緩急、制御回路35による針位置検出等が挙げられる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る電子時計1は、第2モードにおいて指針11が逆方向に駆動される点において第1実施形態と異なる。第1実施形態と同様の構成、作用及び効果の説明は、第2実施形態において省略される。
{制御回路の動作}
図15のフローチャートを参照して、第2実施形態に係る電子時計1における針位置検出方法の一例として、制御回路35の動作を説明する。第1実施形態と同様に、以下の説明は、例として、図3に示す分針11bが指針11、時分モーター12aがアクチュエーター12、第1検出器20aが針位置検出器20であると定義する。
先ず、ステップS201において、処理部36は、第1モードにおける処理を開始し、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオンにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aに電力を供給することにより、第1光源21aの点灯を開始する。
ステップS202において、処理部36は、指針駆動部38を介して、分針11bの順方向、即ち時計回りへの駆動を開始する。指針駆動部38は、時分モーター12aに駆動信号を出力して時分ローター121aを駆動することにより、分針11bを一方向に連続的に駆動する。
ステップS203において、処理部36は、検出器駆動部37を介して第1光センサー22aから入力された感知信号を、感知結果として記憶部39に格納する。なお、ステップS203は所定のサンプリング周期で複数回実行され得るが、記憶部39は、すべての感知結果の蓄積を記憶する必要はなく、サンプリング周期毎に循環的に記憶すればよい。
ステップS204において、処理部36は、直近のステップS203で記憶部39に記憶された感知結果を参照して、第1光センサー22aが第1光源21aから発せられた光を感知したか否かを判定する。処理部36は、光を感知したと判定する場合、ステップS205に処理を進め、光を感知していないと判定する場合、ステップS203に処理を戻す。
ステップS205において、処理部36は、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオフにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aへの電力の供給を停止することにより、第1光源21aの点灯を終了する。
ステップS206において、処理部36は、指針駆動部38を介して、ステップS202で開始した分針11bの順方向への駆動を停止する。即ち、指針駆動部38は、時分モーター12aへの駆動信号の出力を停止して時分ローター121aの駆動を停止することにより、分針11bの駆動を停止する。これにより、処理部36は、第1モードにおける一連の処理を終了し、第2モードに移行する。
ステップS207において、処理部36は、第2モードにおける処理を開始し、指針駆動部38を介して、分針11bを逆方向、即ち反時計回りに1ステップ駆動する。指針駆動部38は、時分モーター12aに駆動信号を出力して時分ローター121aを1ステップ駆動することにより、分針11bを逆方向に駆動する。
ステップS208において、処理部36は、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオンにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aに電力を供給することにより、第1光源21aの点灯を開始する。
ステップS209において、処理部36は、検出器駆動部37を介して第1光センサー22aから入力された感知信号を、感知結果として記憶部39に格納する。ステップS209は所定のサンプリング周期で複数回実行され得るが、記憶部39は、すべての感知結果の蓄積を記憶する必要はなく、サンプリング周期毎に循環的に記憶すればよい。
ステップS210において、処理部36は、検出器駆動部37を介して、第1検出器20aをオフにする。即ち、検出器駆動部37は、第1光源21aへの電力の供給を停止することにより、第1光源21aの点灯を終了する。
ステップS211において、処理部36は、直近のステップS209で記憶部39に記憶された感知結果を参照して、第1光センサー22aが第1光源21aから発せられた光を感知したか否かを判定する。処理部36は、光を感知したと判定する場合、ステップS212に処理を進め、光を感知していないと判定する場合、ステップS207に処理を戻す。
ステップS212において、処理部36は、基準位置の分針11bが第1検出器20aにより検出されたため、指針11が基準位置にあることが確定したとして処理を終了する。第1実施形態と同様に、分針11bは時針11aと連動しており、時針11a及び分針11bの基準位置は、0時0分又は12時0分を指示するときの位置であるとして定義される。したがって、制御回路35は、時分モーター12a及び第1検出器20aを制御して、第1指針である時針11a及び第2指針である分針11bの2本の指針の基準位置を検出すると考えることもできる。
以上のように、制御回路35は、第1モードのステップS204において第1光センサー22aが光を感知した時点で、ステップS207において第2モードに移行する。制御回路35は、第2モードのステップS207及びS208において分針11bの駆動及び第1光源21aの点灯を交互に実行する。これにより、制御回路35は、基準位置の指針11の検出開始から完了までの時間を短縮することができる。
[他の実施形態]
以上のように第1及び第2実施形態を説明したが、本発明はこれらの開示に限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成に置換されてよく、また、本発明の技術的範囲内において、任意の構成が省略されたり追加されたりしてもよい。このように、これらの開示から当業者には様々な代替の実施形態が明らかになる。
例えば、第1及び第2実施形態において、針位置検出は、システムリセット時の初期動作として、システム起動をトリガーとして実行される例を説明したが、ユーザーの操作をトリガーとして実行されてもよい。例えば、制御回路35は、図2に示すボタン402のような操作部材に対するユーザーの操作に応じて、針位置検出方法を開始するようにしてもよい。
また、第1及び第2実施形態において、発光素子21から発せられ、指針11を駆動する輪列に設けられた窓を透過した光を、受光素子22により感知する透過型の検出器を説明したが、針位置検出器20は反射型であってもよい。即ち、受光素子22は、発光素子21から発せられ、輪列の一部や指針11に配置された反射面において反射した光を感知するようにしてもよい。
その他、上述の各構成を相互に応用した構成等、本発明は以上に記載しない様々な実施形態を含むことは勿論である。本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を記載する。
電子時計は、指針と、前記指針を駆動するアクチュエーターと、前記指針の検出に用いられる発光素子と、前記指針が基準位置にあるときに選択的に、前記発光素子から発せられた光を感知する受光素子と、前記アクチュエーター及び前記発光素子を制御する制御回路であって、前記発光素子を点灯する間、前記指針を検出するまで一方向に連続的に前記指針を駆動する第1モードと、前記第1モードにおいて前記受光素子が光を感知し、前記指針が前記基準位置を通過した後に、前記指針の駆動及び前記発光素子の点灯を交互に実行して前記指針が前記基準位置にあることを検出する第2モードと、を実行する制御回路と、を備える。
この構成によれば、制御回路は、第1モードにおいて発光素子が点灯している間に連続的に指針を駆動することにより、指針が基準位置を通過した後、第2モードにおいて指針の駆動と発光素子の点灯とを交互に実行する。このため、検出精度を悪化させることなく針位置の検出開始から完了までの時間を短縮することができる。
電子時計は、指針と、前記指針を駆動するアクチュエーターと、前記アクチュエーターの動力を前記指針に伝達し、軸方向に沿って貫通する貫通孔を有する歯車と、前記歯車に光を発する発光素子と、前記指針が基準位置にあるときに選択的に、前記発光素子から発せられ前記貫通孔を透過した光を感知する受光素子と、前記アクチュエーター及び前記発光素子を制御する制御回路であって、前記発光素子を点灯する間、前記指針を検出するまで一方向に連続的に前記指針を駆動する第1モードと、前記第1モードにおいて前記受光素子が光を感知し、前記指針が前記基準位置を通過した後に、前記指針の駆動及び前記発光素子の点灯を交互に実行して前記指針が前記基準位置にあることを検出する第2モードと、を実行する制御回路と、を備える。
この構成によれば、制御回路は、第1モードにおいて発光素子が点灯している間に連続的に指針を駆動することにより、指針が基準位置を通過した後、第2モードにおいて指針の駆動と発光素子の点灯とを交互に実行する。このため、検出精度を悪化させることなく針位置の検出開始から完了までの時間を短縮することができる。
上記の電子時計において、前記制御回路は、前記第1モードにおいて前記受光素子が光を感知した時点で、前記指針を前記一方向の逆方向に駆動し、前記指針が前記逆方向に所定量駆動された時点で、前記第2モードに移行し、前記第2モードにおいて、前記一方向への前記指針の駆動及び前記発光素子の点灯を交互に実行する。
この構成によれば、制御回路は、第1モードにおいて受光素子が光を感知した時点で指針を逆方向に所定量駆動する。このため、受光素子が感知信号を出力してから指針の停止が完了するまでの遅延時間によって基準位置を通り過ぎた指針を、基準位置の手前に戻すことができる。
上記の電子時計において、前記制御回路は、前記第2モードにおいて、前記一方向の逆方向への前記指針の駆動及び前記発光素子の点灯を交互に実行する。
この構成によれば、制御回路は、第1モードにおいて受光素子が光を感知した時点で、指針を逆方向に駆動することと発光素子を点灯することを交互に実行する。このため、受光素子が感知信号を出力してから指針の停止が完了するまでの遅延時間によって基準位置を通り過ぎた指針を、基準位置の手前に戻すことなく検出を継続することができる。よって、針位置の検出開始から完了までの時間を更に短縮することができる。
上記の電子時計において、前記制御回路は、システムリセット時の初期動作として前記第1モード及び前記第2モードの処理を実行する。
この構成によれば、指針の位置を認識していない初期状態の電子時計が、短時間で指針の位置を認識することができる。よって、システム起動時において短時間のうちに指針が時刻等の情報を指し示すことが可能となる。
上記の電子時計において、前記アクチュエーターは、ステッピングモーターである。
この構成によれば、ステッピングモーターを用いて指針を駆動することにより、指針の駆動する精度及び速度を向上することができる。
上記の電子時計において、前記制御回路は、前記第2モードにおいて、前記ステッピングモーターを1ステップ駆動すること及び前記発光素子を点灯することを交互に実行する。
この構成によれば、指針がステッピングモーターの1ステップ角毎に駆動されるため、高精度に指針の位置を検出することができる。
上記の電子時計において、前記制御回路は、前記第1モードにおいて、前記ステッピングモーターを定電流制御する。
この構成によれば、指針が定電流制御されるステッピングモーターにより駆動されるため、第1モードにおける検出時間を更に短縮することができる。更に、検出時間が短縮されることにより、発光素子において消費される電力を低減することができる。
電子時計の制御回路は、指針を駆動するアクチュエーター及び発光素子を制御し、前記指針が基準位置にあるときに選択的に前記発光素子から発せられた光を感知する受光素子によって、前記基準位置の前記指針を検出する電子時計の制御回路であって、前記発光素子を点灯する間、前記指針を検出するまで一方向に連続的に前記指針を駆動する第1モードと、前記第1モードにおいて前記受光素子が光を感知し、前記指針が前記基準位置を通過した後に、前記指針の駆動及び前記発光素子の点灯を交互に実行して前記指針が前記基準位置にあることを検出する第2モードと、を実行する。
この構成によれば、制御回路が、第1モードにおいて発光素子が点灯している間に連続的に指針を駆動することにより、指針が基準位置を通過した後、第2モードにおいて指針の駆動と発光素子の点灯とを交互に実行する。このため、検出精度を悪化させることなく針位置の検出開始から完了までの時間を短縮することができる。
針位置検出方法は、制御回路により、指針を駆動するアクチュエーター及び発光素子を制御し、前記指針が基準位置にあるときに選択的に前記発光素子から発せられた光を感知する受光素子によって、前記基準位置の前記指針を検出する針位置検出方法であって、前記発光素子を点灯する間、前記指針を検出するまで一方向に連続的に前記指針を駆動することと、前記受光素子が光を感知し、前記指針が前記基準位置を通過した後に、前記指針の駆動及び前記発光素子の点灯を交互に実行して前記指針が前記基準位置にあることを検出することと、を含む。
この方法によれば、制御回路は、第1モードにおいて発光素子が点灯している間に連続的に指針を駆動することにより、指針が基準位置を通過した後、第2モードにおいて指針の駆動と発光素子の点灯とを交互に実行する。このため、検出精度を悪化させることなく針位置の検出開始から完了までの時間を短縮することができる。