JP7094734B2 - 繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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で表される亜リン酸エステル系化合物(C)を0.01~0.2重量部、脂肪酸エステル(D)を0.1~2重量部、及び、熱可塑性エラストマー(E)を0.2~10重量部含有することを特徴とする繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
で表される亜リン酸エステル系化合物(C)を0.01~0.2重量部、脂肪酸エステル(D)を0.1~2重量部、及び、熱可塑性エラストマー(E)を0.2~10重量部含有することを特徴とする。
で表される亜リン酸エステル系化合物(C)が配合されている。該化合物(C)を配合することにより、ポリカーボネート樹脂(A)が本来有する機械的強度等の特性が損なわれることがなく、熱安定性に優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
で表される化合物が挙げられる。
1.ポリカーボネート樹脂(A)
1-1.ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化ポリカーボネート株式会社製、SDポリカ200-3、粘度平均分子量28000、以下「PC1」と略記)
1-2.ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化ポリカーボネート株式会社製、SDポリカ200-13、粘度平均分子量21000、以下「PC2」と略記)
1-3.ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化ポリカーボネート株式会社製、SDポリカ200-20、粘度平均分子量19000、以下「PC3」と略記)
2-1.扁平断面ガラス繊維
(日東紡績株式会社製 CSG 3PA-820、長径28μm、短径7μm、繊維長3mm、ウレタン系集束剤、以下「GF1」と略記)
2-2.円形断面ガラス繊維
(KCC社製 CS321、繊維径10μm、繊維長3mm、エポキシ系集束剤、以下「GF2」と略記)
2-3.円形断面ガラス繊維
(KCC社製 CS311、繊維径10μm、繊維長3mm、ウレタン系集束剤、以下「GF3」と略記)
3-1.以下の式で表される、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-〔3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロポキシ〕ジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン(住友化学(株)製のスミライザーGP、以下「化合物C1」と略記)
(商品名、BASF社製のイルガフォス168、以下「化合物C2」略記)
ペンタエリスリトールステアレート
ロキシオールVPG861(商品名、コグニス社製、以下、「D1」と略記)
5-1.ポリエステル系熱可塑性エラストマー
(1)ポリエステル-ポリエステル共重合体
ペルプレンS-3001(商品名、東洋紡社製、「E1」と略記)
ハードセグメント:ポリブチレンテレフタレート
ソフトセグメント:ポリ(ε-カプロラクトン)
(2)ポリエステル-ポリエーテル共重合体
ペルプレンP-150B(商品名、東洋紡社製、「E2」と略記)
ハードセグメント:ポリブチレンテレフタレート
ソフトセグメント:ポリテトラメチレングリコール
(3)ポリエステル-ポリカーボネート共重合体
ペルプレンC-2003(商品名、東洋紡社製、「E3」と略記)
ハードセグメント:ポリブチレンテレフタレート
ソフトセグメント:ポリアルキレンカーボネート
(4)ポリエステル-ポリエーテル共重合体
ペルプレンEN-3000(商品名、東洋紡社製、「E4」と略記)
ハードセグメント:ポリブチレンナフタレート
ソフトセグメント:ポリテトラメチレングリコール
5-2.水添スチレン系熱可塑性エラストマー
ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック-ポリスチレン共重合体
セプトン8104(商品名、クラレ社製、スチレン単位含有量60重量%、「E5」と略記)
前述の各種配合成分を表1~2に示す配合比率にて、二軸押出機(東芝機械社製TEM-37SS)を用いて、溶融温度300℃にて混練し、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物を得た。ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂はポリカーボネート樹脂、亜リン酸エステル系化合物、脂肪酸エステル及び熱可塑性エラストマーを第一フィーダー(原料供給口)から押出機バレル内に供給し、樹脂組成物を十分に溶融した後にガラス繊維を第二フィーダー(充填剤供給口)から押出機バレル内に供給した後、混練を行い、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ125℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(ファナック社製、ROBOSHOT S2000i100B)を用いて設定温度300℃、射出圧力100MPaにてISO試験法に準じた厚み4mmの試験片を作成し、得られた試験片を用いてISO 178に準じ曲げ弾性率(剛性)を測定した。曲げ弾性率をもとに、以下の基準で評価した。
◎:10GPa以上
〇:6GPa以上10GPa未満
×:6GPa未満
上記で得られた各種樹脂組成物のペレット及び曲げ弾性率(剛性)を測定した試験片をジクロロメタンに溶解し、NO.1濾紙を用いて溶解液中の不溶物をろ過した。この濾液をドライアップし、得られたポリマーの一定量(0.25g)をジクロロメタン50mlに溶解した。キャノン・フェンスケ粘度計を用いてジクロロメタン希薄溶液の粘度を23℃で測定し、シュネルの式を用いて各試験片の粘度平均分子量を求めた。
(シュネルの式) [η]=1.23×10-4・M0.83
[η]:固有粘度、M:粘度平均分子量
なお、熱安定性の指標である分子量低下は、ペレットの粘度平均分子量から試験片の粘度平均分子量を減じた値(ΔMv)をもとに、以下の基準で評価した。
◎:1000未満
〇:1000以上2000未満
×:2000以上
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ125℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(ファナック社製、ROBOSHOT S2000i100B)を用いて、シリンダー設定温度300℃、金型温度50℃、冷却時間20秒の条件にて、離型性を評価した。金型には、コップ型の離型抵抗金型(成形品の形状:直径70mm、高さ20mm、厚み4mm)を用いて、カップ型成形品を成形する際の突き出しピンにかかる突き出し荷重を測定し、離型抵抗値を求めた。離型抵抗値をもとに、以下の基準で評価した。
◎:400N未満
〇:400N以上800N未満
×:800N以上
曲げ弾性率(剛性)を測定した試験片について、ガラス繊維による成形品表面の荒れ具合について目視にて観察した。ガラス繊維による成形品表面の荒れないものを◎、荒れが存在するものの許容できるものを〇、荒れがひどいものを×として評価した。
曲げ弾性率(剛性)を測定した試験片の断面について、走査電子顕微鏡(日立社製、S-3400N)を用いて500倍で観察した。樹脂が付着しているガラス繊維が全体の割合をもとに、以下の基準で評価し、評価結果を表中に記載した。なお、観察前に、イオンスパッター(日立社製、E-1010)を用いて、試験片断面は金蒸着した。
◎:70%以上のガラス繊維に樹脂が付着
○:50%以上70%未満のガラス繊維に樹脂が付着
×:50%未満のガラス繊維に樹脂が付着
Claims (6)
- ポリカーボネート樹脂(A)40~80重量%及びガラス繊維(B)20~60重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、
下記式:
で表される亜リン酸エステル系化合物(C)を0.01~0.2重量部、脂肪酸エステル(D)を0.1~2重量部、及び、熱可塑性エラストマー(E)を0.2~10重量部含有することを特徴とする射出成形用繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物であって、
熱可塑性エラストマー(E)が、ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体、ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体、ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック-ポリスチレン共重合体、ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体、または、ポリエステル系熱可塑性エラストマーである射出成形用繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。 - ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が16000~30000である請求項1に記載の射出成形用繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- ガラス繊維(B)がエポキシ系集束剤またはウレタン系集束剤で処理され、繊維断面の平均直径が6~20μmである請求項1または2に記載の射出成形用繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- ガラス繊維(B)が、繊維断面の長径の平均値が10~50μmであり、長径と短径の比(長径/短径)の平均値が2~8である扁平断面を有する、請求項1または2に記載の射出成形用繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- 脂肪酸エステル(D)が、ペンタエリスリトールテトラステアレートである請求項1~4のいずれかに記載の射出成形用繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれかに記載の射出成形用繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物を射出成形して得られた樹脂射出成形品。
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