JP7091160B2 - 構造物構築方法 - Google Patents
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Description
図1に示されるように、砂防堰堤101は、下流側において多数の鉄筋コンクリート製の型枠ブロック1が斜めに積み重ねられ構築された型枠103を備えている。砂防堰堤101の建造においては、下流側で既設の型枠103の上に型枠ブロック1を配列して型枠ブロック1の1段分(又は数段分)の型枠103を構築し、上流側には土砂型枠105を構築し、型枠103と土砂型枠105との間にソイルセメント107を打設して転圧する、といった工程を繰り返して、砂防堰堤101の下部が構築される。砂防堰堤101の上部は鉛直方向に上下に延びており、型枠ブロック1とは異なる型枠ブロック3を水平方向及び鉛直方向に積み重ねて構築される。
図2を参照しながら型枠ブロック1について説明する。以下の説明において「鉛直」、「水平」、「上」、「下」等の語を用いる場合には、型枠103の一部として設置されたときの型枠ブロック1の姿勢に対応させる。また、「右」、「左」等の語を用いる場合には、型枠103の一部として設置されたときの型枠ブロック1の左岸側を「左」、右岸側を「右」とする。また、「上流側」、「下流側」等の語を用いる場合には、型枠103の一部として設置されたときの型枠ブロック1の上流側及び下流側に対応させる。
続いて、型枠ブロック1を用いた型枠103の構築方法について説明する。型枠103の構築の際には、重機31(図6)によって型枠ブロック1が1つずつ把持され移動されて、左右方向及び上下方向に配列される(型枠形成工程)。左右方向においては、図3(a)に示されるように、凸条部23同士及び凹溝27同士が直線的に連続するように型枠ブロック1同士が水平方向に一直線に配列される。上下方向においては、図3(b)に示されるように、下段の型枠ブロック1の凸条部23に、上段の型枠ブロック1の凹溝27が嵌り込むようにして、型枠ブロック1同士が斜めに積み重ねられる。また、図3(a)に示されるように、型枠ブロック1は、上下流方向の視線で見て、千鳥状に積み重ねられる。以上のようにして積み重ねられた多数の型枠ブロック1によって、砂防堰堤101の下流側の型枠103(図1)が構築される。なお、この種の型枠103の構築は、自然災害のリスクがある場所で実行される場合も多いため、無人化施工によって行われることが好ましい。
続いて、上記のように重機31で型枠ブロック1を把持し所望の位置に移動・設置すべく、重機31が型枠ブロック1を把持したり解放したりする機構について説明する。重機31(図6)のアームの先端には、図4及び図5に示されるような、型枠ブロック1を把持可能なアタッチメント33が取付けられている。アタッチメント33の先端にはブロック保持部35が設けられている。ブロック保持部35は、型枠ブロック1の貫通孔19の上面11側の開口を通じてテーパー部22内に挿抜される。この挿抜のときには、ブロック保持部35の中心軸Hを円錐軸Aに一致させた姿勢で、アタッチメント33全体が中心軸H方向に並進移動される。以下のブロック保持部35の構造の説明において、「軸方向」、「径方向」、「周方向」の語を用いる場合は、ブロック保持部35が挿入されたテーパー部22の円錐軸A方向、径方向、周方向に対応させる。
続いて、型枠103の構築にあたり、重機31が型枠ブロック1を把持し、移動させて、所望の位置に正確に型枠ブロック1を載置するための方法、及び無人化施工システム110について、図6を参照しながら説明する。前述のとおり、型枠103の構築は無人化施工であることが好ましく、無人化施工システム110によって当該重機31の運転が無人化される。
以上説明した本実施形態の型枠103の構築方法、型枠ブロック1、及びアタッチメント33によれば、アタッチメント33先端のブロック保持部35をテーパー部22に上方から挿入して可動爪37を径方向に拡げるといった比較的シンプルな動作によって、重機31が型枠ブロック1を把持する。このとき、テーパー部22が下方に向かうに従って拡径する形状であるので、型枠ブロック1はアタッチメント33から脱落し難く確実に把持される。
各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。例えば、実施形態の型枠ブロック1では、上面11に凸条部23、下面13に凹溝27が形成されているが、上下逆に、上面11に凹溝27、下面13に凸条部23が形成されてもよい。また、凸条部23及び凹溝27の断面形状も半円形には限定されず、四角形断面など、適宜変更されてもよい。また、本発明の構築方法、型枠ブロック、及びアタッチメントは、実施形態のような砂防堰堤の残置型枠には限られず、河川の護岸及び護床、海岸の護岸及び護床、防潮堤、地すべり対策抑盛土用残存型枠、ダム用残存型枠、重力式擁壁等の構築にも適用することができる。また、上記のような構造物を無人化(自動化)施工する条件の場合に、本発明は特に好適である。
Claims (4)
- 配列された複数のコンクリート製のブロックを含む構造物を構築する構造物構築方法であって、
前記ブロックを把持可能なアタッチメントが取付けられた重機で前記ブロックを水平方向又は上下方向に配列するブロック配列工程を備え、
前記ブロックは、
下方に向かうに従って拡径するテーパー部を含み上面から下面に貫通する貫通孔と、
前記ブロックの表面に位置する視認可能なマーカーと、を有し、
前記アタッチメントは、
径方向に拡縮する複数の爪部を含む先端部を有し、
前記テーパー部に上方から前記先端部を挿入して複数の前記爪部を径方向に拡げ、前記テーパー部の内壁面に複数の前記爪部が押し当てられた状態で前記ブロックを把持し、
複数の前記爪部を径方向に縮めて前記先端部を前記テーパー部から抜去して前記ブロックを解放するものであり、
前記ブロック配列工程では、
前記ブロックを撮像する撮像装置と、前記撮像装置で得られた画像データの画像処理によって前記ブロックの前記重機に対する位置関係と配列される前記ブロック同士の位置関係とを認識するブロック位置認識手段と、前記ブロック位置認識手段で認識された前記位置関係に基づいて前記アタッチメントで前記ブロックを把持し所定位置に移動設置するように前記重機を駆動する重機駆動手段と、を有する施工システムが使用されて、
前記アタッチメントで把持された前記ブロックが設置済みの他の前記ブロックに対し前記水平方向に隣接して一直線に設置されるときに、前記ブロック位置認識手段は、前記マーカーを利用し隣接する前記ブロック同士が一直線になることを認識し、
前記マーカーには前記撮像装置によって視認容易な塗料が塗布されている、構造物構築方法。 - 配列された複数のコンクリート製のブロックを含む構造物を構築する構造物構築方法であって、
前記ブロックを把持可能なアタッチメントが取付けられた重機で前記ブロックを水平方向又は上下方向に配列するブロック配列工程を備え、
前記ブロックは、
下方に向かうに従って拡径するテーパー部を含み上面から下面に貫通する貫通孔と、
前記ブロックの上面に位置する視認可能なマーカーと、を有し、
前記アタッチメントは、
径方向に拡縮する複数の爪部を含む先端部を有し、
前記テーパー部に上方から前記先端部を挿入して複数の前記爪部を径方向に拡げ、前記テーパー部の内壁面に複数の前記爪部が押し当てられた状態で前記ブロックを把持し、
複数の前記爪部を径方向に縮めて前記先端部を前記テーパー部から抜去して前記ブロックを解放するものであり、
前記ブロック配列工程では、
前記ブロックを撮像する撮像装置と、前記撮像装置で得られた画像データの画像処理によって前記ブロックの前記重機に対する位置関係と配列される前記ブロック同士の位置関係とを認識するブロック位置認識手段と、前記ブロック位置認識手段で認識された前記位置関係に基づいて前記アタッチメントで前記ブロックを把持し所定位置に移動設置するように前記重機を駆動する重機駆動手段と、を有する施工システムが使用されて、
前記アタッチメントで把持された前記ブロックが設置済みの他の前記ブロックに対し前記水平方向に隣接して一直線に設置されるときに、前記ブロック位置認識手段は、前記マーカーを利用し隣接する前記ブロック同士が一直線になることを認識し、
前記マーカーは、前記ブロックの上面に設けられた2次元バーコードである、構造物構築方法。 - 前記ブロックは、
前記上面上で直線状に延びる凸条部又は凹溝の何れか一方である上面凹凸部と、
前記下面上で前記上面凹凸部に平行に延び前記上面凹凸部と嵌まり合う形状をなす凸条部又は凹溝の何れか他方である下面凹凸部と、を有し、
前記ブロック配列工程では、
前記上面凹凸部と前記下面凹凸部とが嵌まり合うように前記ブロック同士が上下方向に積み重ねられるとともに、前記上面凹凸部同士及び前記下面凹凸部同士が直線的に連続するように前記ブロック同士が水平方向に配列される、請求項1又は2に記載の構造物構築方法。 - 前記ブロック配列工程では、前記アタッチメントで把持された前記ブロックが設置済みの他の前記ブロックに対し前記水平方向に隣接して一直線に設置されるときに、前記ブロック位置認識手段が、隣接する前記ブロック同士の前記上面凹凸部が直線的に連続することを認識する、請求項3に記載の構造物構築方法。
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