JP7089613B1 - 燃料電池用電解質膜及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、DMFC100は、プロトンをキャリアとする燃料電池の一種である。DMFC100は、上記の電解質膜10、アノード20、及び、カソード30を備える。電解質膜10は、アノード20及びカソード30の間に配置される。DMFC100は、燃料供給部21及び酸化剤供給部22をさらに有する。
・カソード30:6H++3/2O2+6e-→3H2O
・ 全体 :CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
アノード20は、一般に燃料極と呼ばれる陰極である。DMFC100の発電中、アノード20には、メタノールを含む燃料が燃料供給部21から供給される。アノード20は、内部にメタノールを拡散可能な多孔質体である。アノード20の気孔率は特に制限されない。アノード20の厚みは特に制限されないが、例えば10~500μmとすることができる。
カソード30は、一般に空気極と呼ばれる陽極である。DMFC100の発電中、カソード30には、酸素(O2)を含む酸化剤が酸化剤供給部22から供給される。カソード30は、内部に酸化剤を拡散可能な多孔質体である。カソード30の気孔率は特に制限されない。カソード30の厚みは特に制限されないが、例えば10~200μmとすることができる。
電解質膜10は、膜状、層状、或いは、シート状に形成される。電解質膜10の厚みは特に制限されないが、例えば5~100μmである。
イオン伝導体12は、支持体13中に分散されている。イオン伝導体12は、支持体13によって支持される。
支持体13は、イオン伝導体12を支持する。詳細には、支持体13が結着剤14を介してイオン伝導体12を支持することによって、電解質膜10の形状を維持している。
結着剤14は、イオン伝導体12と支持体13とを結着する。具体的には、次のとおりである。結着剤14は、イオン伝導体12を構成する各構成粒子間、及び、イオン伝導体12の構成粒子と支持体13との間に配置されている。本実施形態において、結着剤14がイオン伝導体12と支持体13とを結着して、イオン伝導体12と支持体13との密着性を高める。
官能基14Aは、グラフト型のポリマーの主鎖に直接結合している。官能基14Aは、酸性である。イオン伝導体12の表面において、酸性の官能基14Aが酸性系のイオン伝導体12に結合して、イオン伝導体12を被覆する。つまり、結着剤14は、イオン伝導体12と同じ極性の官能基14Aを有する。これにより、イオン伝導体12と結着剤14との界面での密着性が高まり、イオン伝導体12と結着剤14との界面でのメタノールの透過を抑制することができる。
本実施形態においては、炭素鎖14Bは疎水性であり、支持体13も疎水性である。つまり、炭素鎖14Bは、親水性及び疎水性のうち、支持体13と同じ特性を有する。そのため、支持体13の表面において、疎水性の炭素鎖14Bと、疎水性の支持体13と、が相互作用し、支持体13に対する結着剤14の濡れ性が高まる。これにより、支持体13と結着剤14との界面での密着性が高まり、電解質膜10の強度が高まる。親水性又は疎水性の程度によらず、炭素鎖14Bが親水性及び疎水性のうち支持体13と同じ特性を有すれば、この効果が得られる。
次に、電解質膜10の製造方法について説明する。
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
上記実施形態では、DMFC100の一例として、プロトンをキャリアとする燃料電池であるDMFC100の電解質膜10について説明したが、電解質膜10は、これに限られない。
上記実施形態では、支持体13は疎水性であったが、特にこれに限定されない。支持体13は、親水性でもよい。親水性の支持体13を用いる場合、結着剤14は、親水性のグラフト鎖を有する。親水性のグラフト鎖は例えば、トリアルコキシシリル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、及び、イソシアネート基とすることができる。この時に使用される親水性化合物としては、親水性であれば特に限定はないが、具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミドなどとすることができる。その他、親水性モノマーの重合体、又は、親水性モノマーを含む共重合体を使用することができる。
上記実施形態では、結着剤14は、グラフト型のポリマーであったが、特にこれに限定されない。結着剤14は、例えば、ブロック型のポリマー、及び/又は、ランダム型ポリマーでもよい。
上記実施形態では、結着剤14は、ポリマーであったが、特にこれに限定されない。結着剤14は、低分子のものでもよい。ここでいう低分子とは、分子量で103以下の分子である。低分子は、合成され又は自然界から単離された化合物を含む。低分子は、重合度10以下の、直鎖状、分岐状又は環状の化合物を含んでもよい。
以下のようにして、試験番号1~10に係る電解質膜10を作製した。
次に、Pt担持量50wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC10E50E)の白金担持カーボン(以下、「Pt/C」という。)とPVDF粉末(以下、「PVDFバインダ」という。)とを準備した。そして、(Pt/C):(PVDFバインダ):(水)の重量比が9wt%:0.9wt%:90wt%となるように、Pt/C、PVDFバインダ及び水を混合してカソード用ペーストを作製した。
CO2生成速度を、以下のとおり測定した。
電解質膜10の強度を、以下のとおり評価した。JISZ1707の試験方法に準拠して、Φ10mmの穴が空いた板に電解質膜10をはさみ、Φ0.5mmの針で穴の真ん中を突き刺して割れたときの最大破断荷重を測定した。表1では、結着剤14が無添加の電解質膜10における最大破断荷重を1として、結着剤14を添加した電解質膜10の最大荷重が1.3以上であったサンプルを強度に優れる(表1の◎)と評価した。最大荷重が1.3より小さく、1.1以上であってサンプルを十分な強度であると(表1の〇)と評価した。最大荷重が1.1Nより小さかったサンプルを強度不足(表1の×)と評価した。
試験番号1、3、4及び6~10では、いずれの試験番号においても、結着剤14がイオン伝導体12と同じ極性の官能基14Aを有した。そのため、高いメタノール透過抑制性能が得られた。
12 イオン伝導体
13 支持体
14 結着剤
14A 官能基
14B 炭素鎖
Claims (9)
- セラミックスによって構成されるイオン伝導体と、
樹脂によって構成される支持体と、
前記イオン伝導体と同じ極性の官能基を有し、前記イオン伝導体と前記支持体とを結着する結着剤と、
を備える、
燃料電池用電解質膜。
- 前記イオン伝導体は、プロトン伝導性であり、
前記結着剤は、酸性の官能基を有する、
請求項1に記載の燃料電池用電解質膜。
- 前記イオン伝導体は、水酸化物イオン伝導性であり、
前記結着剤は、塩基性の官能基を有する、
請求項1に記載の燃料電池用電解質膜。
- 前記結着剤はさらに、炭素鎖を有し、
前記支持体は、親水性又は疎水性であり、
前記炭素鎖は、親水性及び疎水性のうち、前記支持体と同じ特性を有する、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜。
- 前記支持体は、疎水性であり、
前記炭素鎖は、疎水性である、
請求項4に記載の燃料電池用電解質膜。
- 前記結着剤は、グラフト型のポリマーであり、
前記炭素鎖は、前記ポリマーのグラフト鎖である、
請求項4又は請求項5に記載の燃料電池用電解質膜。
- 前記支持体は、絶縁性である、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜。
- 前記支持体は、フッ素樹脂である、
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜と、
メタノールを含む燃料が供給されるアノードと、
酸化剤が供給されるカソードと、
を備える、燃料電池。
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JP2021050730A JP7089613B1 (ja) | 2021-03-24 | 2021-03-24 | 燃料電池用電解質膜及び燃料電池 |
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---|---|---|---|---|
JP2002198067A (ja) * | 2000-12-25 | 2002-07-12 | Hitachi Ltd | 高温作動型固体高分子複合電解質膜、膜/電極接合体及び燃料電池 |
JP2006278231A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Toshiba Corp | 燃料電池用プロトン伝導性膜、膜電極複合体及び燃料電池 |
JP2019220463A (ja) * | 2018-06-15 | 2019-12-26 | 日本碍子株式会社 | 電気化学セル用電解質及び電気化学セル |
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