JP7079563B2 - セルロースナノファイバー成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
図1の型枠11は、直方体状の内面形状を有する。また、型枠11は、底の無い枠体である。型枠11の材質は特に限定されるものではなく、金属、樹脂、木材等を挙げることができるが、高い圧力に対する耐久性等の観点からは金属が好ましい。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ;
ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)等の機械パルプ;
茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ;
古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)などが挙げられる。これらは、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
当該製造方法は、脱水工程を行う前に、図1の状態を用意する準備工程を有していてもよい。この準備工程は、図1の状態となるように、台の上に置かれた型枠11の底に紙13及びメッシュ状シート14を順に積層し、その上にスラリー15を充填する工程である。さらに、充填後のスラリー15上に蓋体16が配置される。なお、後述するように、スラリー15を充填した段階で脱水が始まった場合は、蓋体16はこのタイミングではスラリー15上に載せなくてよい。
以下、脱水工程の手順を具体的に詳説する。この脱水工程においては、スラリー15に対する加圧力を段階的又は連続的に高めることが好ましい。この脱水工程において、スラリー15中の水分は、メッシュ状シート14及び紙13を介して、型枠11の底(図1における下側)から流出していく。
なお、上記脱水工程の後は、更なる脱水を施してもよい。更なる脱水としては、得られた成形体(脱水されたスラリー15)を型枠11から取り出し、加熱しながらプレス機によりプレスする方法、乾燥機により乾燥する方法などが挙げられる。これらの中でも、加熱しながらプレスする方法が好ましい。これにより、CNF成形体の更なる高密度化及び高強度化を図ることができる。
当該製造方法によれば、このようにスラリー中に、CNFに加えて、CNFより繊維長が長い又は繊維径が太くかつCNFと水素結合可能な繊維を添加しておくことで、この繊維表面とCNFとが相互作用し、CNFの流出を抑制することができる。このため、当該製造方法においては、比較的高い圧力で脱水を行ってもCNFの流出が抑制され、効率的な脱水を行うことができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、メッシュ状部材は、シート状に限定されるものではなく、型枠の少なくとも一部がメッシュ状部材であったり、蓋体がメッシュ状部材であったりしてもよい。また、図1とは異なり、台の上に紙13及びメッシュ状シート14を順に積層し、その上に型枠11を置くように配置してもよい。
以下の各種物性は、以下の評価方法に準じて測定した。
ISO-13320(2009)に準拠して、粒度分布測定装置(堀場製作所の粒度分布測定装置「LA-960S」)を用いて体積基準粒度分布を示す曲線を測定した。
セルロースナノファイバーの保水度(%)は、JAPAN TAPPI No.26:2000に準拠して測定した。
原料パルプ(LBKP)に対し、予備叩解としてリファイナー処理し、次いで高圧ホモジナイザーで解繊(微細化)処理し、CNFのスラリー(水分散液:濃度2.2質量%)を得た。なお、リファイナー処理及び高圧ホモジナイザー処理は、いずれも複数回の循環処理を行った。得られたスラリーに含まれるCNFは、レーザー回折を用いた粒度分布測定の疑似粒度分布において1つのピークを有し(最頻値45μm)、保水度は343%であった。
図1に示した直方形状の金属製の型枠11の底に紙13を敷き、次いでメッシュ状シート14を敷いた。紙13とメッシュ状シート14とは、共に型枠11の底面と同じ大きさにして用いた。紙13は、厚さ0.28mmのろ紙を用いた。メッシュ状シートは、目数300メッシュ、線径40μmのSUS316製のものを用いた。
スラリーとして、CNFとパルプとを95:5の質量比で混合した固形分濃度2.3質量%のスラリーを用いたこと以外は比較例1と同様にして、実施例1を行った。なお、パルプは、濃度21.6質量%、フリーネス580mLの未叩解パルプ(LBKP)を使用した。初期工程から最終工程までの全脱水時間は90分であった。なお、初期工程から最終工程まで、CNFは流出していないことを目視にて確認した。
スラリーとして、CNFとパルプとを80:20の質量比で混合した固形分濃度2.7質量%のスラリーを用いたこと以外は比較例1と同様にして、実施例2を行った。なお、パルプは、濃度21.6質量%、フリーネス580mLの未叩解パルプ(LBKP)を使用した。初期工程から最終工程までの全脱水時間は60分であった。なお、初期工程から最終工程まで、CNFは流出していないことを目視にて確認した。
スラリーとして、CNFとパルプとを80:20の質量比で混合した固形分濃度2.0質量%のスラリーを用いたこと以外は比較例1と同様にして、実施例3を行った。なお、パルプは、濃度1.5質量%、フリーネス460mLの叩解パルプ(LBKP)を使用した。初期工程から最終工程までの全脱水時間は75分であった。なお、初期工程から最終工程まで、CNFは流出していないことを目視にて確認した。
蓋体16の上に重しを載せ、加圧力2.6kPaで初期工程を行ったこと以外は、比較例1と同様にして比較例2を行った。白濁した水が流出した。CNFが流出していることが確認できた。
蓋体16の上に重しを載せ、初期工程の加圧力をそのまま維持し、加圧力を高めなかったこと以外は、比較例1と同様にして比較例3を行った。十分な脱水を行うことができなかった。
13 紙
14 メッシュ状シート
15 スラリー
16 蓋体
Claims (3)
- メッシュ状部材を介してセルロースナノファイバーを含むスラリーを脱水する工程
を備え、
上記スラリーが、上記セルロースナノファイバーより繊維長が長い又は繊維径が太くかつ上記セルロースナノファイバーと水素結合可能な繊維を含み、
上記セルロースナノファイバーが水分散状態でレーザー回折法により測定される擬似粒度分布曲線において単一のピークを有し、上記単一のピークとなるセルロースナノファイバーの粒径が5μm以上50μm以下であり、
上記繊維が広葉樹クラフトパルプ及び/又は針葉樹クラフトパルプであり、
上記スラリーの固形分に占める上記セルロースナノファイバーの含有量が70質量%以上であり、
上記スラリーの固形分に占める上記繊維の含有量が3質量%以上30質量%以下であるセルロースナノファイバー成形体の製造方法。 - 上記パルプが未叩解パルプである請求項1に記載のセルロースナノファイバー成形体の製造方法。
- 上記脱水工程において、上記スラリーに対する加圧力を段階的又は連続的に高める請求項1又は請求項2に記載のセルロースナノファイバー成形体の製造方法。
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