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JP2771946B2 - 複層鋼板の連続鋳造における湯面レベル制御方法 - Google Patents

複層鋼板の連続鋳造における湯面レベル制御方法

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Publication number
JP2771946B2
JP2771946B2 JP5013594A JP5013594A JP2771946B2 JP 2771946 B2 JP2771946 B2 JP 2771946B2 JP 5013594 A JP5013594 A JP 5013594A JP 5013594 A JP5013594 A JP 5013594A JP 2771946 B2 JP2771946 B2 JP 2771946B2
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inner layer
surface layer
ratio
pouring amount
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中 啓 八 郎 田
木 誠 之 荒
藤 孝 佐
内 栄 一 竹
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異種溶鋼から直接に複
層鋼板を連続鋳造する際の湯面レベル制御方法に関し、
特に、一つのタンディッシュ内部を二つの独立した溶鋼
貯留槽に区分けした溶鋼貯留槽の異種溶鋼から直接、複
層鋼板を連続鋳造する際の湯面レベル制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】複層鋼板の連続鋳造設備の操業において
は、二つのタンディッシュに貯留された異種溶鋼を各別
の注湯ノズルを用いて鋳型内部に注ぎ分け、目標湯面レ
ベルや鋳造速度の設定値変更に応じて、表層および内層
用溶鋼の注湯ノズルからの注湯量の目標注湯量に対する
変動を最小にして、ブレークアウト等の操業事故の発生
を未然に防止すると共に、表面欠陥の発生を低減させ、
表層と内層の界面が明瞭な表面性状の優れた高品質の複
層鋼板を得るための湯面レベル制御が行われている。
【0003】この湯面レベル制御は一般的に、両者のタ
ンディッシュの注湯羽口にストッパー等の開度調節手段
と該タンディッシュ内の溶鋼重量を測定して検出するロ
ードセル、及び鋳型内部の湯面レベルを測定して検出す
るレベル計を設け、さらに、ロードセルによるタンディ
ッシュ内溶鋼重量の検出精度と注湯量制御に対する要求
制御精度より、ロードセルによる検出溶鋼重量を用いた
注湯量計算所定時間を予め決定して定めておき、該所定
時間内でのロードセルによる検出重量減少量と目標重量
減少量との偏差、及びレベル計による検出湯面レベルと
目標湯面レベルとの偏差が解消するように、前記開度調
節手段を動作させ、鋳型への溶鋼注湯量を調整する手順
にて行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した様
な複層鋼板の連続鋳造方法は、設備を建設するためのコ
ストと複層鋼板を製造するコストとが高価なものになる
という欠点を有する。この方法に対して、最近、一つの
タンディッシュ内部を二つの独立した溶鋼貯留槽に区分
けし、各溶鋼貯留槽に貯留された溶鋼を各別の注湯ノズ
ルを用いて鋳型内部に注ぎ分け、目標湯面レベルや鋳造
速度の設定値変更に応じて、表層および内層用溶鋼の注
湯ノズルからの注湯量の目標注湯量に対する変動を最小
にして、ブレークアウト等の操業事故の発生を未然に防
止すると共に、表面欠陥の発生を低減させ、表層と内層
の界面が明瞭な表面性状の優れた高品質の複層鋼板を得
るための湯面レベル制御技術の開発が望まれている。し
かし、未だ応答性よく制御の安定性が高い湯面レベル制
御技術は確立されるに至っていない。
【0005】さらに、前記注湯ノズルの内部には溶鋼の
通流に伴う溶損、及び局部的な凝固金属の付着が生じて
おり、この溶損の進行度合い、及び凝固金属の付着態様
の相違により、両者の注湯ノズルの流量特性が異なり、
しかもこれらが系時的に変化するため、両者の注湯ノズ
ルからの注湯量の均等化を図ることは、非常に困難であ
った。
【0006】従って本発明は、表層用および内層用のそ
れぞれの注湯ノズルからの注湯量の、目標注湯量に対す
る変動の最小化を図りつつ注湯量比を調節し、これらの
注湯ノズルにて注湯される鋳型内部において、適正な湯
面レベルを維持することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、一つのタンディッシュの内部の独立した2
つの溶鋼貯留槽のそれぞれより開度調節手段および注湯
ノズルを介して異種溶鋼を1つの鋳型の内部に注ぎ分
け、溶鋼から直接に複層鋼板を連続鋳造するにおいて、
鋳型内部の湯面レベルと鋳造速度より溶鋼注湯量を算出
し、溶鋼貯留槽それぞれの溶鋼高さと鋳型内部の湯面レ
ベルより、溶鋼貯留槽それぞれの溶鋼ヘッドを算出し、
算出した溶鋼注湯量および溶鋼ヘッド、ならびに、前記
開度調節手段の開度を用いて、表層,内層用溶鋼の第1
注湯量補正係数比を算出し、取鍋から前記溶鋼貯留槽の
どちらにも溶鋼が注湯されていない場合、溶鋼貯留槽そ
れぞれの溶鋼高さ減少速度を用いて、表層,内層用溶鋼
の第2注湯量補正係数比を算出し、第1注湯量補正係数
比の時系列平均値を、第2注湯量補正係数比に漸近させ
る補正係数を算出し、表層,内層用溶鋼の目標注湯量
比,第1注湯量補正係数比,前記補正係数、及び、溶鋼
貯留槽それぞれの溶鋼ヘッドの比を用いて、表層,内層
用溶鋼の目標注湯量比補正計算式モデルにより、目標注
湯量比を補正して更新し、鋳型内部の湯面レベルを目標
湯面レベルに維持するための開度調節手段の開度和を算
出し、該開度和および目標注湯量比を用いて、開度調節
手段それぞれの所要開度を算出して設定する、ことを特
徴とする。
【0008】1つの具体的な実施態様で本発明は、一つ
のタンディッシュ内部を二つの独立した溶鋼貯留槽に区
分けし、該両者の溶鋼貯留槽より異種溶鋼を各別の注湯
ノズルを用いて鋳型内部に注ぎ分け、前記両者の溶鋼貯
留槽の注湯羽口にストッパー等の開度調節手段と、前記
両者の溶鋼貯留槽内部の溶鋼高さを測定して検出する各
別のレベル計、及び鋳型内部の湯面レベルを測定して検
出するレベル計を設け、さらに鋳型内部に注湯された異
種溶鋼の混合抑制のため直流磁界を作用させ、溶鋼から
直接、表層,内層の界面が明瞭で表面性状の優れた複層
鋼板を連続鋳造するにおいて、 1) 目標湯面レベルや鋳造速度の設定値変更に基づい
て決定される、表層厚を一定とする表層,内層用溶鋼の
目標注湯量比計算式モデルにより、表層,内層用溶鋼の
目標注湯量比を算出し、 2) 鋳型内部の湯面レベルと鋳造速度を測定して検出
した検出湯面レベルと検出鋳造速度より、鋳型内部へ注
湯される溶鋼注湯量推定計算式モデルにより、鋳型内部
へ注湯される溶鋼注湯量を推定し、 3) 前記両者の溶鋼貯留槽内部の溶鋼高さを測定して
検出した溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さと前記鋳型内部
の検出湯面レベルより、前記両者の溶鋼貯留槽内部の溶
鋼ヘッドを推定し、 4) 前記鋳型内部へ注湯される溶鋼注湯量の推定値,
前記両者の溶鋼貯留槽内部の溶鋼ヘッドの推定値、及
び、表層,内層用ストッパーの開度を用いて、指数重み
付き最小2乗同定逐次型アルゴリズムを応用した表層,
内層用溶鋼の注湯量補正係数推定計算式モデルにより、
表層,内層用溶鋼の注湯量補正係数を推定して注湯量補
正係数比を算出し、 5) 前記溶鋼貯留槽内部の溶鋼高さを測定して検出す
るレベル計の検出精度と注湯量制御に対する要求制御精
度より、溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さを用いた注湯量
計算所定時間を予め決定して定めておき、前記両者の溶
鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さの今回値を含む過去4点の
時系列データの変動より、取鍋から前記両者の溶鋼貯留
槽への溶鋼の注湯状況を判定し、 5-1) 取鍋から前記両者の溶鋼貯留槽のどちらにも溶鋼
が注湯されていない場合、 前記表層,内層用溶鋼の注湯量補正係数比の推定
値,前記両者の溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さ,表層,
内層用ストッパーの開度比、及び、前記両者の溶鋼貯留
槽内部の推定溶鋼ヘッドの比等の鋳造データの前記所定
時間内の時系列データの更新処理を行い、 前記所定時間内の前記両者の溶鋼貯留槽内部の検出
溶鋼高さの減少量を用いて、表層,内層用溶鋼の注湯量
補正係数比計算式モデルにより、前記所定時間内での実
際の表層,内層用溶鋼の注湯量補正係数比を算出し、 適応アルゴリズムを応用して、前記表層,内層用溶
鋼の注湯量補正係数比の推定値の前記所定時間内での平
均値を、前記表層,内層用溶鋼の実際の注湯量補正係数
比に漸近させるような補正係数を算出し、 5-2) 取鍋から前記両者の溶鋼貯留槽のどちらかに溶鋼
が注湯されている場合前記表層,内層用溶鋼の注湯量補
正係数比の推定値,前記両者の溶鋼貯留槽内部の検出溶
鋼高さ,表層,内層用ストッパーの開度比、及び、前記
溶鋼貯留槽内部の推定溶鋼ヘッドの比等の鋳造データの
前記所定時間内の時系列データを初期化し、 6) 前記表層,内層用溶鋼の目標注湯量比,前記表
層,内層用溶鋼の注湯量補正係数比の推定値,前記注湯
量補正係数比の推定値を補正する補正係数、及び、前記
両者の溶鋼貯留槽内部の推定溶鋼ヘッドの比を用いて、
表層,内層用溶鋼の目標注湯量比補正計算式モデルによ
り、前記表層,内層用溶鋼の目標注湯量比を補正して、
今回の注湯量制御のための目標注湯量比を決定し、 7) 前記鋳型内部の検出湯面レベルを目標湯面レベル
に維持する表層,内層用ストッパー等の開度調節手段の
設定開度和を比例および積分制御アルゴリズムを適用し
て算出して決定し、 8) 前記表層,内層用溶鋼の今回の注湯量制御のため
の目標注湯量比,前記表層,内層用ストッパー等の開度
調節手段の設定開度和を用いて、表層,内層用ストッパ
ー等の開度調節手段の設定開度計算式モデルにより、表
層,内層用ストッパー等の開度調節手段の設定開度を算
出して決定して実行する、ことを特徴とする。
【0009】
【作用】図2は、本発明の一実施態様による制御処理手
順を図式化したものである。これは図1に示す連続鋳造
設備に実施する態様のものである。以下、主に図2に基
づいて本発明による制御処理を詳述する。なお、言及す
る連続鋳造設備要素には図1に示した符号を付す。
【0010】1) 目標湯面レベルや鋳造速度の設定値
変更に基づいて決定される表層厚を一定とする表層およ
び内層用溶鋼の目標注湯量比を算出する。
【0011】複層鋼板の連続鋳造において、表層用溶鋼
は鋳型4上部に注湯され、内層用溶鋼は鋳型下部、即ち
直流磁界の中心位置近傍に注湯される。表層用溶鋼は鋳
型内部の湯面レベル位置より凝固を開始し、内層用溶鋼
は直流磁界の中心位置近傍より凝固を開始して複層鋼板
を形成する。従って表層厚(mm)Dは、凝固時間(秒)をt
として通常用いるt1/2則より、 D=GK・((Yr−H0)/Vs)1/2 ・・・(1) で表せる。ここで、Gkは凝固速度係数(mm/秒1/2)、Yr
は目標湯面レベル(mm)、H0は直流磁界の中心位置(mm)
で、Vsは鋳造速度(mm/秒)の設定値である。複層鋼板の
板厚(mm)をW、板幅(mm)をLとすると複層鋼板の断面の
面積収支より表層厚を一定とする表層および内層用溶鋼
の目標注湯量(mm3/秒)QarおよびQbrを、 Qar=W・L・Vs−(W−2D)・(L−2D)・Vs, Qbr=(W−2D)・(L−2D)・Vs ・・・(2) で算出し、表層および内層用溶鋼の目標注湯量比βr、 βr=Qar/Qbr ・・・(3) を算出する。
【0012】2) 鋳型内部の湯面レベルと鋳造速度を
測定して、検出した検出湯面レベルと検出鋳造速度よ
り、鋳型内部へ注湯される溶鋼注湯量を推定する。図3
は、湯面レベルプロセスを表す模式図で、水平断面の内
空間面積がAMDの鋳型4を積分要素で近似し、レベル計
16を1次遅れ要素で近似する。鋳型内部へ注湯される
溶鋼注湯量Qinとピンチロール10による引き抜き鋼片
量(mm3/秒)Qout(=AMD・V)を入力、検出湯面レベ
ルYを出力とすると、湯面レベルプロセスの伝達関数G
は、 G(S)=〔Y(S)〕/〔Qin(S)−Qout(S)〕 =1/AMD・〔S(1+TS)〕 ・・・(4) で表される。ここで、Vは鋳造速度、AMDは鋳型の断面
積(mm2)、Tはレベル計16の時定数(秒)、Sはラプラ
ス変換演算子である。鋳型4へ注湯される溶鋼注湯量Q
inをステップ入力(dQin/dt=0)と仮定すると湯面
レベルプロセスの離散型状態方程式は、
【0013】
【数5】
【0014】とすると、 X(J+1)=A・X(J)+B・Qout(J), Y(J)=C・X(J) ・・・(6) で表される。ここで、Xは3次元の状態変数ベクトル
で、X1はレベル計16による鋳型内部の検出湯面レベ
ル、X2は鋳型内部の湯面レベル、X3は鋳型へ注湯され
る溶鋼注湯量Qinである。鋳型4へ注湯される溶鋼注湯
量Qinは、鋳型内部の湯面レベルと鋳造速度を測定して
検出した検出湯面レベルと検出鋳造速度より、 Qout(J)=AMD・V(J) ・・・(7) として、観測器を用いて状態変数X1,X2,X3を次の
状態変数ベクトル推定アルゴリズム 暫定値:X0(J+1)=A・X(J)+B・Qout(J), ただし、X(0)=0 最終値:X(J+1)=X0(J+1)+f(Y(J+1)ーC・X0(J+1)) ・・・(8) を用いて推定し、 Qin(J+1)=X3(J+1) ・・・
(9) より、鋳型4へ注湯される溶鋼注湯量Qinを推定す
る。ここで、fは観測器のゲインベクトルで、有限時間
制定観測器を用いる場合、
【0015】
【数10】
【0016】で与えられる。またJは、湯面レベル制御
回数である。ここで、鋳型内部の湯面レベルを測定して
検出するレベル計16としては、放射線又は熱線を利用
するレベル計、渦流式,電磁式又は磁界式のレベル計、
マイクロ波を利用するレベル計、更には湯面の撮像によ
りレベル認識を行うレベル計等、種々の形式のものが実
用されているが、これらの内から検出精度および応答性
等を考慮して選定する。 3) 表層および内層用溶鋼の溶鋼貯留槽2,7の内部
の溶鋼高さを測定して、検出した溶鋼高さ(mm)laおよ
びlbと鋳型内部の検出湯面レベルYより、各溶鋼貯留
槽2,7の内部の溶鋼ヘッド(mm)haおよびhbを、 ha(J)=la(J)ーY(J), hb(J)=lb(J)ーY(J) ・・・(11) で推定する。ここで、溶鋼貯留槽2,7それぞれの内部
の溶鋼高さを検出するレベル計14,15としては、レ
ーザ光線を利用するレベル計、マイクロ波を利用するレ
ベル計、電極を用いたレベル計、渦流式のレベル計、更
には湯面の撮像によりレベル認識を行うレベル計等、種
々の形式のものが実用されているが、これらの内から検
出精度および応答性等を考慮して選定する。
【0017】4) 鋳型内部へ注湯される溶鋼注湯量の
前記推定値,各溶鋼貯留槽内部の溶鋼ヘッドの前記推定
値、及び、表層および内層用ストッパーそれぞれの開度
を用いて、指数重み付き最小2乗同定逐次型アルゴリズ
ムを応用して、表層および内層用溶鋼の注湯量補正係数
を推定して、そして注湯量補正係数比を算出する。
【0018】各溶鋼貯留槽から各別の注湯ノズルを介し
て鋳型内部に注湯される表層および内層用溶鋼の単位時
間当たりの溶鋼注湯量QaおよびQbは、 Qa(J)=ka(J)・fa(J)・(2・g・ha(J))1/2 , Qb(J)=kb(J)・fb(J)・(2・g・hb(J))1/2 ・・・(12) で表される。ここで、kaは表層用溶鋼の注湯量補正係
数(−:無次元)、kbは内層用溶鋼の注湯量補正係数
(-)、faは表層用ストッパーの開度(mm)、fbは内層用
ストッパーの開度(mm)、gは重力加速度(mm/秒2)であ
る。表層および内層用溶鋼の注湯量補正係数kaおよび
bを推定するのに指数重み付き最小2乗同定逐次型ア
ルゴリズムを用いる。鋳型内部へ注湯される溶鋼注湯量
は、 Qin(J)=Qa(J)+Qb(J) =Ft(J)・X(J) ・・・(13) ただし、
【0019】
【数14】
【0020】で、F及びXは2次元のベクトルである。
Fの推定値をθとすると鋳型内部へ注湯される溶鋼注湯
量に次の誤差を生じる。
【0021】
【数15】
【0022】この誤差について次の評価関数を定義す
る。
【0023】
【数16】
【0024】ここで、ρは1より大きくはない正の重み
とする。ρが1より小さいときは古いデータへの重みを
へらす(過去を忘れる)ことになる。指数重み付き最小2
乗同定逐次型アルゴリズムを用いた係数ベクトルの推定
は、 θ0=任意(通常0と選ぶ), P0=γ・I(γは十分大きな正数、Iは(2×2)次元の単位行列) ・・・(17) として、
【0025】
【数18】
【0026】により、係数ベクトルθN、即ち表層およ
び内層用溶鋼の注湯量補正係数ka(N)およびkb(N)を推
定し、注湯量補正係数比(−)kM(N)を kM(N)=ka(N)/kb(N) ・・・(19) より算出する。
【0027】5) 各溶鋼貯留槽内部の溶鋼高さを測定
して検出するレベル計14,15の検出精度と注湯量制
御に対する要求制御精度より、溶鋼貯留槽内部の検出溶
鋼高さを用いた注湯量計算所定時間を予め決定して定め
ておき、各溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さの今回値を含
む過去4点の時系列データの変動より、取鍋から溶鋼貯
留槽2,7への溶鋼の注湯状況を判定する。
【0028】溶鋼貯留槽2,7の検出溶鋼高さの今回
(J)、前回(J-1)、前前回(J-2)および前前前回(J-3)のデ
ータの差分データ Δla1=la(J)ーla(J-1), Δlb1=lb(J)ーlb(J-1), Δla2=la(J-1)ーla(J-2), Δlb2=lb(J-1)ーlb(J-2), Δla3=la(J-2)ーla(J-3), Δlb3=lb(J-2)ーlb(J-3), ・・・(20) を求め、 (20)式に示す全ての差分データが正の値を持つ場
合、取鍋から溶鋼貯留槽2,7のどちらにも溶鋼が注湯
されていないと判定し、 全ての差分データの内、一つでも負の値を持つ差分
データがある場合、取鍋から溶鋼貯留槽2,7のどちら
かに溶鋼が注湯されていると判定する。
【0029】5-1) 取鍋から溶鋼貯留槽2,7のどちら
にも溶鋼が注湯されていない場合は、 表層および内層用溶鋼の注湯量補正係数比の前記推
定値kM,溶鋼貯留槽2,7の検出溶鋼高さ,表層およ
び内層用各ストッパー12,13の開度比、及び、溶鋼
貯留槽2,7の推定溶鋼ヘッドの比等の鋳造データの、
前記所定時間内の時系列データの更新処理を行い、 取鍋から前記溶鋼貯留槽に溶鋼が注湯されていない
間は、溶鋼貯留槽2,7の溶鋼高さは、溶鋼貯留槽から
鋳型4へ注湯される溶鋼注湯量によつて減少する。従っ
て、表層および内層用溶鋼の実際の注湯量は、溶鋼貯留
槽2,7の溶鋼高さの減少量の関数として表せる。そこ
で、前記所定時間内での表層および内層用溶鋼貯留槽
2,7の検出溶鋼高さの減少量(mm)ΔlaおよびΔl
b(すなわち減少速度),表層および内層用各ストッパ
ー12,13の前記所定時間内での平均開度(mm)Fa
よびFb、及び、表層および内層用溶鋼貯留槽2,7の
内部の前記所定時間内での平均溶鋼ヘッド(mm)Haおよ
びHbを用いて、前記所定時間内での表層および内層用
溶鋼の実際の注湯量補正係数比KHを、
【0030】
【数21】
【0031】で算出する。
【0032】 表層および内層用溶鋼の注湯量補正係
数比の前記推定値kMの、前記所定時間内の平均値K
Mと、表層および内層用溶鋼の前記実際の注湯量補正係
数比KHとは、計算式モデル誤差等により、一般的には
一致しない。そこで、前記表層・内層用溶鋼の注湯量補
正係数比の推定値kMを補正して、実際の注湯量補正係
数比KHに漸近させるような補正係数を適応アルゴリズ
ムを適用して算出する。前記補正係数をαとして、αに
よって補正された注湯量補正係数比の推定値kMHとして KMH(K+1)=α(K+1)・KM(K+1) ・・・(22) を考え、次の適応逐次型アルゴリズム 暫定値:KMH 0(K+1)=α(K)・KM(K+1), e0(K+1)=KH(K+1)ーKMH 0(K+1), ただし、α(0)=1.0 最終値:α(K+1)=α(K)+Rj ×{〔KH(K+1)ーKMH 0(K+1)〕/〔1+Rj・KM 2(K+1)〕 } ×KM(K+1) ・・・(23) より補正係数αを算出する。ここで、Rjは補正係数α
を同定するための適応ゲインで、正の大きな値を持つ。
またKは、補正係数αの同定回数である。
【0033】5-2) 取鍋から溶鋼貯留槽2,7のどちら
かに溶鋼が注湯されている場合、表層および内層用溶鋼
の注湯量補正係数比の推定値kM,溶鋼貯留槽2,7の
検出溶鋼高さ,表層および内層用各ストッパーの開度
比、及び、溶鋼貯留槽2,7の推定溶鋼ヘッドの比等の
鋳造データ、の前記所定時間内の時系列データを初期化
する。
【0034】6) 表層および内層用溶鋼の目標注湯量
比βr,表層および内層用溶鋼の注湯量補正係数比の推
定値kM,前記注湯量補正係数比の推定値を補正する補
正係数α、及び、溶鋼貯留槽2,7の推定溶鋼ヘッドh
aおよびhbを用いて、 β={βr/〔(K+1)・kM(J)〕}・{(hb)1/2/(ha)1/2} ・・・(24) で表層および内層用溶鋼の目標注湯量比βrを補正し
て、今回の注湯量制御のための目標注湯量比βを決定す
る。
【0035】7) 鋳型内部の検出湯面レベルを目標湯
面レベルに維持する表層および内層用各ストッパー等の
開度調節手段の設定開度和(mm)Uを、 U(J)=Ri・(YrーY(J))ーRp・(Y(J)ーY(J-1))+U(J-1) ・・・(25) に示す速度型のPI(比例,積分)制御アルゴリズムを適
用して算出して決定する。ここで、Riは積分ゲイン、
pは比例ゲインである。
【0036】8) 表層および内層用溶鋼の今回の注湯
量制御のための目標注湯量比β,表層および内層用スト
ッパー等の開度調節手段の設定開度和Uを用いて、表層
および内層用ストッパー等の開度調節手段の設定開度を Ua(J)=β・U(J)/(1+β), Ub(J)=1・U(J)/(1+β) ・・・(26) で算出して決定して実行する。ここで、Uaは表層用ス
トッパー12等の開度調節手段の設定開度(mm)、Ubは
内層用ストッパー13等の開度調節手段の設定開度(mm)
である。
【0037】以上述べた制御アルゴリズムを制御周期毎
に繰り返して実行する事により、ノズル詰まりや剥離等
の外乱による注湯ノズルの流量特性の経時的な変化に適
応して、表層および内層用溶鋼の目標注湯量比を補正し
て、表層および内層用溶鋼の注湯量和で鋳型内部の湯面
レベルを制御する事により、応答性よく制御を安定させ
ることができる。つまり、補正係数αによって補正され
た表層および内層用溶鋼の注湯量補正係数比の推定値k
M、及び鋳型内部のレベル計による検出湯面レベルと目
標湯面レベルとの偏差より、各注湯ノズル3,8からの
注湯量の目標注湯量に対する偏差が認識され、この偏差
を最小にするストッパー12,13等の開度調節手段の
開度調整が行われることによって、鋳型内部の流動パタ
ーンが適正化され、表層と内層の界面が明瞭で、表面性
状の優れた高品質の複層鋼板を得ることができる。
【0038】
【実施例】図1は、本発明の実施例としての構成を示す
ブロック図である。以下本発明をその実施例を示す図1
に基づいて詳述する。表層用溶鋼1は、図示しない取鍋
からタンディッシュ内部の表層用溶鋼貯留槽2に注湯さ
れた後、該溶鋼貯留槽2より注湯ノズル3を経て通り、
鋳型4の上部に注湯され、鋳型4内での溶鋼の凝固に伴
い表層凝固殻を形成し、該鋳型下方解放端より表層鋼板
5として、ピンチロール10により内層鋼板9と共に引
き抜かれる。内層用溶鋼6は、図示しない取鍋からタン
ディッシュ内部の内層用溶鋼貯留槽7に注湯された後、
該溶鋼貯留槽7より注湯ノズル8を経て通り、鋳型4の
下部、即ち直流磁界11の中心位置近傍に注湯され、鋳
型4内での溶鋼の凝固に伴い内層凝固殻を形成し、該鋳
型下方解放端より内層鋼板9として、ピンチロール10
により表層鋼板5と共に引き抜かれる。この時、前記溶
鋼貯留槽2,7から鋳型4に注湯される溶鋼1,6の注
湯量は、注湯ノズル3,8の湯流入口を上下方向に開閉
するストッパー12,13によって調整される。
【0039】14,15は、溶鋼貯留槽2,7内部の溶
鋼高さを測定して検出する湯面レベル計で、レーザ光線
を利用するレベル計,マイクロ波を利用するレベル計,
電極を用いたレベル計,渦流式のレベル計、更には湯面
の撮像によりレベル認識を行うレベル計等、種々の形式
のものが実用されているが、これらの内から検出精度お
よび応答性等を考慮して選定する。16は、鋳型4内部
の湯面レベルを測定して検出する湯面レベル計で、放射
線又は熱線を利用するレベル計,渦流式,電磁式又は磁
界式のレベル計,マイクロ波を利用するレベル計、更に
は湯面の撮像によりレベル認識を行うレベル計等、種々
の形式のものが実用されているが、これらの内から検出
精度および応答性等を考慮して選定する。
【0040】表層および内層用溶鋼の注湯量比を一定に
して、鋳型4内部の湯面レベルを目標湯面レベルに維持
する湯面レベル制御器31は、鋳型4内部に配置された
湯面レベル計16によって測定して検出した検出湯面レ
ベル21,溶鋼貯留槽2,7内部に配置された湯面レベ
ル計14,15によって測定し検出した溶鋼貯留槽2,
7内部の検出溶鋼高さ22,23,表層および内層用各
ストッパーの開度24,25、及び、鋳造速度の設定値
30と検出値26を入力し、表層および内層用溶鋼の注
湯量比を一定にして、鋳型4内部の湯面レベルを目標湯
面レベルに維持するための、表層および内層用各ストッ
パー等の開度調節手段の設定開度27,28を算出して
決定し、表層用の設定開度27をサーボアンプ18に、
内層用の設定開度28をサーボアンプ20に出力する。
【0041】サーボアンプ18には、ストッパー12の
開度24が与えられており、サーボアンプ18はストッ
パーの開度24と設定開度27とを比較し、両者の偏差
を解消するように油圧シリンダ17にその駆動指令を発
する。そしてこの駆動指令に従った油圧シリンダ17の
動作により、ストッパー12の開度が変更される結果、
注湯ノズル3において設定開度27に実質上等しい開度
が実現される。
【0042】サーボアンプ20は、サーボアンプ18と
同様、ストッパー13の開度25と設定開度28との偏
差を解消するように油圧シリンダ19にその駆動指令を
発し、この駆動指令に従った油圧シリンダ19の動作に
より、ストッパー13の開度が変更される結果、注湯ノ
ズル8において設定開度28に実質上等しい開度が実現
される。
【0043】湯面レベル制御器31は、図1のブロック
31内に示す制御処理を行う;すなわち、 1) 表層および内層用溶鋼の目標注湯量比の算出32で
は、目標湯面レベルや鋳造速度の設定値30の変更に基
づいて決定される表層厚を一定とする表層および内層用
溶鋼の目標注湯量比を、前記(1)〜(3)式で算出し
て決定する。
【0044】2) 鋳型4内部へ注湯される溶鋼注湯量の
推定33では、鋳型4内部の湯面レベルと鋳造速度を測
定して、検出した検出湯面レベル21と検出鋳造速度2
6より、前記(6)〜(10)式で鋳型4内部へ注湯さ
れる溶鋼注湯量を推定する。 3) 溶鋼貯留槽2,7内部の溶鋼ヘッドの推定34で
は、溶鋼貯留槽2,7内部の溶鋼高さを測定して、検出
した前記溶鋼貯留槽2,7内部の検出溶鋼高さ22,2
3と鋳型内部の検出湯面レベル21より、前記(11)
式で溶鋼貯留槽2,7内部の溶鋼ヘッドを推定する。
【0045】4) 表層および内層用溶鋼の注湯量補正係
数比の推定および算出35では、鋳型4内部へ注湯され
る溶鋼注湯量の推定値と貯留槽2,7内部の溶鋼ヘッド
の推定値及びストッパー12,13の開度より、前記
(12)〜(18)式で表層および内層用溶鋼の注湯量
補正係数を推定し、前記(19)式で注湯量補正係数比
を算出する。
【0046】5) 表層および内層用溶鋼の注湯量補正係
数比の推定値を、溶鋼貯留槽2,7内部の検出溶鋼高さ
22,23の所定時間内の減少量より算出した実際の注
湯量補正係数比に漸近させるような補正係数の算出36
は、溶鋼貯留槽2,7内部の溶鋼高さを測定して検出す
るレベル計14,15の検出精度と注湯量制御に対する
要求制御精度より、溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さを用
いた注湯量計算所定時間を予め決定して定めておき、 溶鋼貯留槽2,7内部の検出溶鋼高さ22,23の
今回値を含む過去4点の時系列データより、前記(2
0)式で差分データを求め、全ての差分データが正の値
を持つ場合、取鍋から溶鋼貯留槽2,7のどちらにも溶
鋼が注湯されていないと判定し、全ての差分データの
内、一つでも負の値を持つ差分データがある場合、取鍋
から溶鋼貯留槽2,7のどちらかに溶鋼が注湯されてい
ると判定する。
【0047】 取鍋から前記溶鋼貯留槽2,7のどち
らにも溶鋼が注湯されていない場合、表層および内層用
溶鋼の注湯量補正係数比の推定値,各溶鋼貯留槽内部の
検出溶鋼高さ22,23,各ストッパーの開度比、及
び、溶鋼貯留槽2,7内部の推定溶鋼ヘッドの比等の鋳
造データの、前記所定時間内の時系列データの更新処理
を行う。前記所定時間内での溶鋼貯留槽2,7内部の検
出溶鋼高さ22,23の減少量と各ストッパー12,1
3の開度比の前記所定時間内での平均値と各貯留槽2,
7内部の推定溶鋼ヘッドの比の前記所定時間内での平均
値より、前記(21)式で前記所定時間内での表層およ
び内層用溶鋼の実際の注湯量補正係数比を算出し、注湯
量補正係数比の推定値の前記所定時間内での平均値を前
記所定時間内での実際の注湯量補正係数比に漸近させる
ような補正係数を、前記(23)式で算出する。
【0048】 取鍋から溶鋼貯留槽2,7のどちらか
に溶鋼が注湯されている場合、表層および内層用溶鋼の
注湯量補正係数比の推定値と、各貯留槽2,7内部の検
出溶鋼高さ22,23と、各ストッパー12,13の開
度24,25の開度比と、各貯留槽2,7内部の推定溶
鋼ヘッドの比等の、前記所定時間内の時系列データを
を、初期化する。
【0049】6) 表層および内層用溶鋼の目標注湯量比
の補正37では、ノズル詰まりや剥離等の外乱による注
湯ノズル3,8の流量特性の経時的な変化に適応するた
め、注湯量補正係数比の推定値と、これを実際の注湯量
補正係数比に漸近させるような補正係数と、溶鋼貯留槽
2,7内部の溶鋼ヘッドの推定値とを用いて、表層およ
び内層用溶鋼の目標注湯量比を前記(24)式で補正し
て、今回の注湯量制御のための目標注湯量比を算出して
決定する。
【0050】7) 表層および内層用ストッパー等の開度
調節手段の設定開度和の算出38では、前記(25)式
に示す速度型のPI(比例,積分)制御アルゴリズムを
適用して、鋳型4内部に配置したレベル計16によって
測定して検出した検出湯面レベル21を、目標湯面レベ
ルに維持するための、表層および内層用ストッパー等の
開度調節手段の設定開度和を算出して決定する。
【0051】8) 表層および内層用ストッパー等の開度
調節手段の設定開度を算出して決定する設定開度算出3
9では、今回の注湯量制御のための目標注湯量比と、鋳
型4内部の検出湯面レベル21を目標湯面レベルに維持
するためのストッパー等の開度調節手段の設定開度和を
用いて、前記(26)式でストッパー等の開度調節手段
それぞれの設定開度を算出して決定する。
【0052】湯面レベル制御器31は、以上の処理を制
御周期毎に繰り返して実行し、目標湯面レベルや鋳造速
度の設定値変更に応じて、表層および内層用溶鋼の目標
注湯量に対する変動を最小にしつつ、鋳型4内部の検出
湯面レベル21を目標湯面レベルに維持する。
【0053】図4は、本発明による湯面レベル制御方法
のソフト的な評価実験結果を示す図である。図の横軸は
時間(秒)であり、図の最上段は表層および内層用各スト
ッパー等の開度調節手段の設定開度と鋳造速度の設定値
を、2段目は表層および内層用溶鋼の注湯量比の目標値
と制御値(点線)を、3段目は鋳型内部の湯面レベルの目
標値と制御値(点線)を示し、最下段は鋳型内部の表層お
よび内層用溶鋼の境界位置の目標値と制御値(点線)との
比較を示す。これらはシミュレーシヨン結果である。図
4に示すように、表層および内層用溶鋼の注湯量比,鋳
型内部の湯面レベル、及び、表層および内層用溶鋼の境
界位置は、それぞれの目標値をほぼ維持して推移してお
り、本発明による湯面レベル制御方法の制御性能は高
く、応答性よく制御の安定性が高い湯面レベル制御が実
現される。
【0054】
【発明の効果】本発明による湯面レベル制御方法によ
り、表層および内層用溶鋼の各注湯ノズルにおいて生じ
る注湯量の目標注湯量に対する変動を最小にすることが
でき、安定した注湯が実現される結果、鋳型への注湯が
安定して行え、表層および内層の界面が明瞭な表面性状
の優れた高品質の複層鋼板を得ることができる等、本発
明は製品鋼板の品質向上に優れた効果を奉する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を一態様で実施する鋳造設備の構成概
要を示す縦断面図であり、本発明を実施する電気要素は
ブロックで示す。
【図2】 図1に示す湯面レベル制御器31の、情報処
理過程および内容を示すフロ−形式のブロック図であ
る。
【図3】 図1に示す鋳型4の、溶鋼注入と湯面レベル
の関係を示すブロック図である。
【図4】 本発明による湯面レベル制御方法の、シミュ
レ−ションによる制御応答性を示すタイムチャ−トであ
る。
【符号の説明】
1,6:表層,内層用溶鋼 2,7:表
層,内層用溶鋼貯留槽 3,8:表層,内層 用注湯ノズル 4:鋳
型 5,9:表層,内層鋼板 10:ピ
ンチロール 11:直流磁界 12,13:表
層,内層用ストッパー 14,15:表層,内層用溶鋼貯留槽内部の湯面レベル
計 16:鋳型内部の湯面レベル計 17,19:表
層,内層用油圧シリンダ 18,20:表層,内層用サーボアンプ 21:鋳型内部の 検出湯面レベル 22,23:表層,内層用溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高
さ 24,25:表層,内層用ストッパー開度 26:検
出鋳造速度 27,28:表層,内層用ストッパーの設定開度 29:ピンチロール駆動系 30:鋳
造速度の設定値 31:湯面レベル制御器 32:表層および内層用溶鋼の目標注湯量比の算出 33:鋳型内部へ注湯される溶鋼注湯量の推定 34:溶鋼貯留槽内部の溶鋼ヘッドの推定 35:表層および内層用溶鋼の注湯量補正係数比の推定
および算出 36:注湯量補正係数比の推定値を補正する補正係数の
算出 37:表層・内層用溶鋼の目標注湯量比の補正 38:表層・内層用ストッパーの設定開度和の算出 39:表層・内層用ストッパーの設定開度の算出
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹 内 栄 一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平4−105759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/18 B22D 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つのタンディッシュの内部の独立した2
    つの溶鋼貯留槽のそれぞれより開度調節手段および注湯
    ノズルを介して異種溶鋼を1つの鋳型の内部に注ぎ分
    け、溶鋼から直接に複層鋼板を連続鋳造するにおいて、 鋳型内部の湯面レベルと鋳造速度より溶鋼注湯量を算出
    し、 溶鋼貯留槽それぞれの溶鋼高さと鋳型内部の湯面レベル
    より、溶鋼貯留槽それぞれの溶鋼ヘッドを算出し、 算出した溶鋼注湯量および溶鋼ヘッド、ならびに、前記
    開度調節手段の開度を用いて、表層,内層用溶鋼の第1
    注湯量補正係数比を算出し、 取鍋から前記溶鋼貯留槽のどちらにも溶鋼が注湯されて
    いない場合、溶鋼貯留槽それぞれの溶鋼高さ減少速度を
    用いて、表層,内層用溶鋼の第2注湯量補正係数比を算
    出し、 第1注湯量補正係数比の時系列平均値を、第2注湯量補
    正係数比に漸近させる補正係数を算出し、 表層,内層用溶鋼の目標注湯量比,第1注湯量補正係数
    比,前記補正係数、及び、溶鋼貯留槽それぞれの溶鋼ヘ
    ッドの比を用いて、表層,内層用溶鋼の目標注湯量比補
    正計算式モデルにより、目標注湯量比を補正して更新
    し、 鋳型内部の湯面レベルを目標湯面レベルに維持するため
    の開度調節手段の開度和を算出し、 該開度和および目標注湯量比を用いて、開度調節手段そ
    れぞれの所要開度を算出して設定する、ことを特徴とす
    る、複層鋼板の連続鋳造における湯面レベル制御方法。
  2. 【請求項2】一つのタンディッシュ内部を二つの独立し
    た溶鋼貯留槽に区分けし、該両者の溶鋼貯留槽より異種
    溶鋼を各別の注湯ノズルを用いて鋳型内部に注ぎ分け、
    前記両者の溶鋼貯留槽の注湯羽口にストッパー等の開度
    調節手段と、前記両者の溶鋼貯留槽内部の溶鋼高さを測
    定して検出する各別のレベル計、及び鋳型内部の湯面レ
    ベルを測定して検出するレベル計を設け、さらに鋳型内
    部に注湯された異種溶鋼の混合抑制のため直流磁界を作
    用させ、溶鋼から直接、表層,内層の界面が明瞭で表面
    性状の優れた複層鋼板を連続鋳造するにおいて、 1) 目標湯面レベルや鋳造速度の設定値変更に基づい
    て決定される、表層厚を一定とする表層,内層用溶鋼の
    目標注湯量比計算式モデルにより、表層,内層用溶鋼の
    目標注湯量比を算出し、 2) 鋳型内部の湯面レベルと鋳造速度を測定して検出
    した検出湯面レベルと検出鋳造速度より、鋳型内部へ注
    湯される溶鋼注湯量推定計算式モデルにより、鋳型内部
    へ注湯される溶鋼注湯量を推定し、 3) 前記両者の溶鋼貯留槽内部の溶鋼高さを測定して
    検出した溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さと前記鋳型内部
    の検出湯面レベルより、前記両者の溶鋼貯留槽内部の溶
    鋼ヘッドを推定し、 4) 前記鋳型内部へ注湯される溶鋼注湯量の推定値,
    前記両者の溶鋼貯留槽内部の溶鋼ヘッドの推定値、及
    び、表層,内層用ストッパーの開度を用いて、指数重み
    付き最小2乗同定逐次型アルゴリズムを応用した表層,
    内層用溶鋼の注湯量補正係数推定計算式モデルにより、
    表層,内層用溶鋼の注湯量補正係数を推定して注湯量補
    正係数比KMを算出し、 5) 前記溶鋼貯留槽内部の溶鋼高さを測定して検出す
    るレベル計の検出精度と注湯量制御に対する要求制御精
    度より、溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さを用いた注湯量
    計算所定時間を予め決定して定めておき、前記両者の溶
    鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さの今回値を含む過去4点の
    時系列データの変動より、取鍋から前記両者の溶鋼貯留
    槽への溶鋼の注湯状況を判定し、 5-1) 取鍋から前記両者の溶鋼貯留槽のどちらにも溶鋼
    が注湯されていない場合、 前記表層,内層用溶鋼の注湯量補正係数比の推定
    値,前記両者の溶鋼貯留槽内部の検出溶鋼高さ,表層,
    内層用ストッパーの開度比、及び、前記両者の溶鋼貯留
    槽内部の推定溶鋼ヘッドの比等の鋳造データの前記所定
    時間内の時系列データの更新処理を行い、 前記所定時間内の前記両者の溶鋼貯留槽内部の検出
    溶鋼高さの減少量を用いて、表層,内層用溶鋼の注湯量
    補正係数比計算式モデルにより、前記所定時間内での実
    際の表層,内層用溶鋼の注湯量補正係数比を算出し、 適応アルゴリズムを応用して、前記表層,内層用溶
    鋼の注湯量補正係数比の推定値の前記所定時間内での平
    均値を、前記表層,内層用溶鋼の実際の注湯量補正係数
    比に漸近させるような補正係数を算出し、 5-2) 取鍋から前記両者の溶鋼貯留槽のどちらかに溶鋼
    が注湯されている場合前記表層,内層用溶鋼の注湯量補
    正係数比の推定値,前記両者の溶鋼貯留槽内部の検出溶
    鋼高さ,表層,内層用ストッパーの開度比、及び、前記
    溶鋼貯留槽内部の推定溶鋼ヘッドの比等の鋳造データの
    前記所定時間内の時系列データを初期化し、 6) 前記表層,内層用溶鋼の目標注湯量比,前記表
    層,内層用溶鋼の注湯量補正係数比の推定値,前記注湯
    量補正係数比の推定値を補正する補正係数、及び、前記
    両者の溶鋼貯留槽内部の推定溶鋼ヘッドの比を用いて、
    表層,内層用溶鋼の目標注湯量比補正計算式モデルによ
    り、前記表層,内層用溶鋼の目標注湯量比を補正して、
    今回の注湯量制御のための目標注湯量比を決定し、 7) 前記鋳型内部の検出湯面レベルを目標湯面レベル
    に維持する表層,内層用ストッパー等の開度調節手段の
    設定開度和を比例および積分制御アルゴリズムを適用し
    て算出して決定し、 8) 前記表層,内層用溶鋼の今回の注湯量制御のため
    の目標注湯量比,前記表層,内層用ストッパー等の開度
    調節手段の設定開度和を用いて、表層,内層用ストッパ
    ー等の開度調節手段の設定開度計算式モデルにより、表
    層,内層用ストッパー等の開度調節手段の設定開度を算
    出して決定して実行する、ことを特徴とする、複層鋼板
    の連続鋳造における湯面レベル制御方法。
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