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JP7065280B2 - モータ - Google Patents

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JP7065280B2
JP7065280B2 JP2019501082A JP2019501082A JP7065280B2 JP 7065280 B2 JP7065280 B2 JP 7065280B2 JP 2019501082 A JP2019501082 A JP 2019501082A JP 2019501082 A JP2019501082 A JP 2019501082A JP 7065280 B2 JP7065280 B2 JP 7065280B2
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Description

ここに開示する技術は、モータにおけるコイルの構造に関する。
近年、産業、車載用途で、モータの需要は高まっている。その中で、モータの効率向上、低コスト化が要望されている。
モータの効率向上の一つの手法として、ステータのスロット内に配置されるコイルの占積率を向上させることが知られている。コイルの占積率を向上させることで、モータの駆動時に、コイルに流れる電流に起因する損失を抑制できる。
コイルの占積率を向上させる手法として、銅材を用いた鋳造コイルをスロット内に配置する構成が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
モータ効率を低下させる要因の一つに熱があり、モータ内部に冷媒を循環させて温度上昇を抑制することが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
コイルの占積率が向上すると、スロット内での空きスペースが小さくなり、スロット内を冷媒が流れにくくなる。その結果、コイルまたはコイルが巻回されるティースに熱がこもりやすくなり、モータ効率が低下するおそれがあった。
独国特許出願公開第102012212637号明細書 特開2015-109733号公報
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、冷媒によるコイルの冷却効果をより高めて、高効率のモータを実現することにある。
上記の目的を達成するために、ここに開示する技術のモータは、ステータコアと、ステータコアから突出したティースとを有するステータと、ティースにn(nは1以上の整数)ターン巻回された第1~第nターンからなるコイルとを備える。コイルは断面が多角形の導電部材からなる。また、コイルをティースがステータコアから突出する方向に沿って切断したときの断面において、コイルは、ティースとの対向面である第1対向面、あるいは隣接するティースに巻回されたコイルとの対向面である第2対向面の少なくとも一方に凹部を有する。また、第1対向面あるいは第2対向面の少なくとも一方と凹部とで、コイルを冷却する冷媒を通過させる空間が構成される。
この構成によれば、熱が溜まりやすいコイルに対して、コイルの近傍に冷媒の通路を設けることで、コイルの冷却効果を高めるができる。従って、高効率のモータを実現することができる。
モータにおいて、コイルの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンの角部の少なくとも一つを切り欠き部とすることで、凹部が設けられてもよい。
この構成によれば、コイルの断面積を大きく減少させることなく、冷媒の通路を設けることができる。
また、モータにおいて、コイルの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンにおける第1対向面の中央部分、あるいは第2対向面の中央部分の少なくとも一方を切り欠かれた形状とすることで、凹部が設けられてもよい。
この構成によれば、コイルの断面積を大きく減少させることなく、冷媒の通路を設けることができる。
コイルのうち、少なくとも2つのターンに凹部が設けられていてもよい。
また、モータにおいて、コイルにおける少なくともステータコア近傍のターンに、凹部が設けられてもよい。
この構成によれば、冷媒の通路から遠い位置にあるステータコア近傍のターンに冷媒の通路を設けることで、効率よくコイルを冷却することができる。
コイルの各ターンにおける第2対向面が複数の凹部を有していてもよい。
この構成によれば、コイルの表面積を増やすことができ、コイルの冷却効果をより高めることができる。
冷媒は液体であってもよい。
本開示によれば、冷媒によるコイルの冷却効果を高めて、高効率のモータを実現することができる。
実施形態に係るモータを示す上面図である。 実施形態に係るモータを示す側面図である。 図1Bにおける1C-1C線での断面図である。 図1Cの部分拡大図である。 実施形態に係るモータのティースとコイルの別の断面を示す図である。 実施形態に係るモータのティースとコイルのさらに別の断面を示す図である。 変形例1に係るティースとコイルの断面を示す図である。 変形例1に係るティースとコイルの別の断面を示す図である。 変形例1に係るティースとコイルのさらに別の断面を示す図である。 変形例2に係るティースとコイルの断面を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態)
(モータ構造)
図1Aは、実施形態に係るモータ1を示す上面図である。図1Bは、実施形態に係るモータ1を示す側面図である。図1Cは、図1Bにおける1C-1C線での断面図である。ただし、いずれにおいても、カバーケース等は図示していない。なお、図1Cにおいては、要部の断面のみをハッチングで示す。モータ1は、カバーケース(図示せず)の内部に、シャフト2と、ロータ3と、ステータ4と、コイルU11~U41、V12~V42、W11~W41と、バスバー51~54と、を備えている。
ここで、シャフト2の長手方向(図1A紙面に対して垂直な方向)をZ軸方向と呼ぶ。これに直交する方向(図1A紙面に対して平行な方向)をX軸方向、Y軸方向と呼ぶ。X軸方向とY軸方向は直交する。
「一体」あるいは「一体化」とは、複数の部品が、ボルト締め、または、かしめ等の機械的に接続されているだけでなく、共有結合、イオン結合、または、金属結合などの材料結合によって、部品が電気的に接続された1つの物体、または、部品全体が溶融などによって材料結合され、電気的に接続された1つの物体の状態をいう。
シャフト2は、Z軸方向に延びる中空部2aを内部に有している。シャフト2の側面には複数の貫通孔2bが設けられている。中空部2aは、モータ1の内部を冷却するための冷媒Cの通路である。冷媒Cは中空部2a内をZ軸方向に沿って流れている。外部に設けられたポンプ等(図示せず)により、冷媒Cは循環してモータ1の内部を流れている。また、中空部2a内を流れる冷媒Cの一部は、複数の貫通孔2bから流れ出て、モータ1の中心側から外側、つまりロータ3からステータ4のある方向に向けても流れ、ロータ3及びステータ4を冷却する。
ロータ3は、シャフト2の外周に接して設けられている。ロータ3は、ステータ4に対向して、N極、S極がシャフト2の外周方向に沿って交互に配置された磁石31を含んでいる。本実施形態で、ロータ3に用いられる磁石31としてネオジム磁石を使用しているが、磁石31の材料、形状、及び材質については、モータの出力等に応じて、適宜変更しうる。
ステータ4は、実質的に円環状のステータコア41と、ステータコア41の内周に沿って等間隔に設けられた複数のティース42と、ティース42間にそれぞれ設けられたスロット43とを有している。ステータ4は、Z軸方向から見て、ロータ3の外側に、ロータ
3と一定の間隔を持って、離間して配置されている。
ステータコア41は、例えば、ケイ素等を含有した電磁鋼板を積層した後に、打ち抜き加工して形成される。
本実施形態において、ロータ3の磁極数は、ステータ4に対向するN極が5個、S極が5個の計10極である。スロット43の数は12個である。しかし、ロータ3の磁極数とスロット43の数は、特にこれに限定されるものではなく、その他の磁極数とスロット数との組合せについても適用される。
ステータ4は12個のコイルU11~U41、V12~V42、W11~W41を有している。コイルU11~U41、V12~V42、W11~W41の各々は、対応するティース42に対して装着されて、Z軸方向から見て、各スロット43内に配置されている。つまり、コイルU11~U41、V12~V42、W11~W41はティース42に対して集中巻になっている。さらに、コイルU11~U41がバスバー51と、コイルV12~V42はバスバー52と、コイルW11~W41はバスバー53と、それぞれ一体化されて配置されている。
ここで、コイルを表わす符号UPQ、VPQ、WPQのうち、最初の文字はモータ1の各相(本実施形態の場合では、U相、V相、W相)を表わす。2番目の文字は同相内のコイルの配列順を表わす。3番目の文字はコイルの巻回方向を表わし、本実施形態では、1は時計回り方向、2は反時計回り方向である。従って、コイルU11は、U相の配列順が1番目のコイルで、巻回方向が時計回り方向であることを表わす。コイルV42は、V相の配列順が4番目のコイルで、巻回方向が反時計回り方向であることを表わす。なお、時計回りとは、モータ1の中心から見て右回りをいい、「反時計回り」とはモータ1の中心から見て左回りをいう。
厳密には、コイルU11,U41はU相のコイルであり、コイルU22,U32はUバー相(U相のコイルと発生する磁界の向きが逆)のコイルである。しかし、以降の説明では、特に断らない限り、U相のコイルと総称する。コイルV12~V42及びコイルW11~W41についても同様に、V相のコイル、W相のコイルとそれぞれ総称する。
(コイル断面の特徴)
図2は、図1Cの断面図の部分拡大図である。図2は、ステータコア41から突出したティース42と、ティース42に巻回されたコイル5Aとを示している。ステータコア41はモータ外側に位置し、ティース42はモータ中心側に位置する。コイル5Aは、図1Cに示したコイルU11~U41、V12~V42、W11~W41のいずれかに対応する。コイル5Aは、例えば、銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、真鍮、鉄、及びSUS(Steel Use Stainless)などのいずれかを主たる材料として形成されている。
ここでは、ティース42がステータコア41から突出する方向をR方向とする。図2は、R方向に沿った断面を示している。図2では、コイル5Aは、ティース42に6ターン巻回されている。A1~A6はそれぞれ、第1ターンから第6ターンにおけるコイル5Aを断面で示している。また、符号A1~A6はそれぞれ、当該A1~A6の断面積を表す場合もある。
本実施形態では、コイル5Aにおいて、実質的に台形形状の断面形状を有する各ターンは、ティース42に近い側で、かつR方向に沿って、モータ1の中心側にある角部60AがC面取りされたよう形状を有する切り欠き部を有している。切り欠き部は、直線的に角
部60Aが切り取られた形状を有し、ティース42と角部60Aとがなす空間は、実質的な三角形となっている。この空間は、ステータ4内を流れる冷媒Cの通路として機能する。言いかえると、コイル5Aにおけるティース42との対向面61に複数の凹部63が設けられ、ティース42の側面と凹部63とで冷媒Cの通路が構成されている。
このような構成とすることで、熱が溜まりやすいコイル5Aの近傍に、冷媒Cの通路を確保でき、コイル5Aを効率よく冷却することができる。また、コイル5Aの各ターンにおいて、角部60AはC面取りされたような形状であるから、コイル5Aの断面積を大きく減少させることがなく、コイル5Aの占積率を維持できる。これらにより、モータ1の効率を向上できる。また、コイル5Aの各ターンにおいて、角部60AをC面取りされたような形状とすることにより、角部60Aを丸めるようにR面取りされた形状にする場合と比べて、凹部63の面積を大きく取ることができる。したがって、冷媒Cの通路が確保されて、効率よくコイル5Aを冷却することができる。
図3Aは、実施形態に係るモータ1のティース42とコイル5Aの別の断面を示す図である。図3Aは、コイル5Aの第3ターンA3と、隣接するコイル5Aの第3ターンA3及びティース42とを示している。図2と同様に、コイル5Aの各ターンにおける断面は、実質的な台形形状である。コイル5Aの第3ターンA3は、4つの角部60A~60Dを有している。図3Bは、実施形態に係るモータ1のティース42とコイル5Aのさらに別の断面を示す図である。図3Bは、コイル5Aの第2及び第3ターンA2,A3と、隣接するコイル5Aの第2及び第3ターンA2,A3と、ティース42とを示している。4つの角部60A~60Dが全て、C面取りされたような形状を有する切り欠き部となっている。なお、説明を簡便に行うために、コイル5Aにおいて、第3ターンA3もしくは第2ターンA2と第3ターンA3のみを示しているが、他のターンにおいても同様の形状が適用されうる。
図2では、4つの角部のうち、角部60Aのみが切り欠き部である例を示した。しかし、ティース42との対向面61にあるもう一方の角部60Bも、C面取りされたような形状を有する切り欠き部とすると、冷媒Cの通路がさらに拡大され、コイル5Aの冷却効率が高まる。コイル5Aの断面形状を実質的な台形形状とし、スロット43内でのコイル5Aの占積率を高めると、スロット43内のスペースが減少し、冷媒Cが流れにくくなる。特にコイル5Aにおける対向面61とティース42とは密着しているため、ほとんど冷媒Cが流れない。しかし、角部60Aまたは60Bの形状を変えることで、冷媒Cの通路が確保され、コイル5A及びティース42を冷却することができる。
一方、隣接するコイル5A同士では、通常、これらの間に隙間が設けられるため、コイル5Aとティース42との間に比べて、冷媒Cは流れやすい。しかし、隣接するコイル5Aとの対向面62に位置する角部60C,60Dも切り欠き部とすることで、隣接するコイル5A,5A間における冷媒Cの通路がさらに拡大される。同時に、冷媒Cとの接触面が増加する。従って、コイル5Aの冷却効率が高まる。従って、図3Bに示すように、4つの角部60A~60DをすべてC面取りされたような形状を有する切り欠き部とすることで、冷媒Cによるコイル5A及びティース42の冷却効果をより高めることができる。
このように、角部を切り欠き部とするときの角部の位置によって、コイルの冷却効果は異なる。しかし、いずれの角部の形状を変えても、冷媒によるコイルの冷却は促進される。角部60Aから60Dのどの角部の形状を変えるかは、モータ1に求められる性能、モータ1の使用環境、及びコイル5Aに求められる上限温度、あるいはコイル5Aの設定占積率等によって適宜変更しうる。このうち、ティース42との対向面61に位置する角部60A,60Bの形状を変えると、冷媒Cの通路が確保され、コイル5A及びティース42を冷却するにはより好ましい。
また、コイル5Aにおいて全てのターンの角部を、例えば図2または図3Bに示した形状としてもよいが、一部のターンのみを図2または図3Bに示した形状としてもよい。例えば、ステータコア41に近い側では、冷媒Cが流れるモータ1の中心側よりもコイルが冷却されにくい。このため、第5ないし第6ターンの角部のみをC面取りされた形状を有する切り欠き部としてもよい。どのターンの角部の形状を変えるかは、モータ1に求められる性能、モータ1の使用環境、及びコイル5Aに求められる上限温度、あるいはコイル5Aの設定占積率等によって適宜変更しうる。また、コイル5Aにおいて、電流密度を一定にするためには、各ターンの断面積を同じにするのが好ましい。所定のターンにおいて、角部の形状を変えることで各ターンの断面積を同じにするようにしてもよい。すなわち、ティース42にn(nは1以上の整数)ターン巻回されたコイル5Aにおいて、コイル5Aは、断面が多角形の導電部材からなり、コイル5Aをティース42のステータコア41からの突出方向であるR方向に沿って切断したときの断面において、コイル5Aは、ティース42との対向面61あるいは隣接するティース42に巻回されたコイル5Aとの対向面62の少なくとも一方に凹部63を有し、対向面61あるいは対向面62の少なくとも一方と凹部63とで、コイル5Aを冷却する冷媒Cを通過させる空間が構成されていればよい。また、コイル5Aの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンの角部の少なくとも一つを切り欠き部とすることで、凹部63が設けられていればよい。
以上のように、本実施形態のモータ1は、ステータコア41と、ステータコア41から突出したティース42とを有するステータ4と、ティース42にn(nは1以上の整数)ターン巻回された第1~第nターンからなるコイル5Aとを備える。コイル5Aは断面が多角形の導電部材からなる。また、コイル5Aをティース42がステータコア41から突出する方向Rに沿って切断したときの断面において、コイル5Aは、ティース42との対向面61である第1対向面、あるいは隣接するティース42に巻回されたコイル5Aとの対向面62である第2対向面の少なくとも一方に凹部63を有する。また、対向面61に相当する第1対向面あるいは対向面62に相当する第2対向面の少なくとも一方と凹部63とで、コイル5Aを冷却する冷媒Cを通過させる空間が構成される。
この構成によれば、熱が溜まりやすいコイル5Aに対して、コイル5Aの近傍に冷媒Cの通路を設けることで、コイル5Aの冷却効果を高めるができる。従って、高効率のモータ1を実現することができる。
また、モータ1において、コイル5Aの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンの角部の少なくとも一つを切り欠き部とすることで、凹部63が設けられてもよい。
この構成によれば、コイル5Aの断面積を大きく減少させることなく、冷媒Cの通路を設けることができる。
また、モータ1において、コイル5Aの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンにおける対向面61に相当する第1対向面の中央部分、あるいは対向面62に相当する第2対向面の中央部分の少なくとも一方を切り欠かれた形状とすることで、凹部63が設けられてもよい。
この構成によれば、コイル5Aの断面積を大きく減少させることなく、冷媒Cの通路を設けることができる。
また、コイル5Aのうち、少なくとも2つのターンに凹部63が設けられていてもよい。
また、モータ1において、コイル5Aにおける少なくともステータコア41近傍のターンに、凹部63が設けられてもよい。
この構成によれば、冷媒Cの通路から遠い位置にあるステータコア41近傍のターンに冷媒Cの通路を設けることで、効率よくコイル5Aを冷却することができる。
(変形例1)
角部60A~60Dの形状は、C面取りされた形状に限られず、様々な形状とすることができる。図4Aは、変形例1に係るティース42とコイル5Aの断面を示す図である。図4Bは、変形例1に係るティース42とコイル5Aの別の断面を示す図である。図4Cは、変形例1に係るティース42とコイル5Aのさらに別の断面を示す図である。図4A~図4Cは、それぞれ異なる形状の角部60Aまたは凹部63を示している。例えば、図4Aに示すように、角部60Aを実質的に矩形状に切り欠かれた形状を有する切り欠き部とすることで、凹部63が設けられていてもよい。また、図4Bに示すように、角部60Aを円弧がコイル5Aの内部に向かうように、実質的に四分円形状に切り欠かれた形状を有する切り欠き部とすることで、凹部63が設けられていてもよい。さらに、図4Cに示すように、コイル5Aの各ターンにおいて、対向面61の中央部分が、実質的に矩形状に切り欠かれた形状となって、凹部63が設けられていてもよい。または、実質的な半円形状、あるいは三角形等の多角形状に切り欠かれていてもよい。さらには、対向面62の中央部分が、実質的な矩形状、実質的な半円形状、あるいは多角形状に切り欠かれた形状となって、凹部63が設けられていてもよい。対向面61の中央部分及び対向面62の中央部分が、実質的な矩形状、実質的な半円形状、あるいは多角形状に切り欠かれた形状となって、凹部63が設けられていてもよい。
いずれの場合も、コイル5Aの断面積は、図2~図3Bに示した場合と比べて若干減少する。しかし、冷媒Cの通路面積は大きくなり、コイル5Aの冷却効果を高めることができる。
また、コイル5Aの角部60A~60Dにおいて、どの部分を切り欠き部とするか、またはコイル5Aの各ターンにおいてどの角部を切り欠き部とするかは、上記と同様に、モータ1に求められる性能、モータ1の使用環境、及びコイル5Aに求められる上限温度、あるいはコイル5Aの設定占積率等によって適宜変更しうる。
さらに、コイル5Aの各ターンにおいて、どのターンの中央部分に実質的な矩形状、実質的な半円形状、あるいは多角形状に切り欠かれた形状の凹部63を設けるかについても、上記と同様に、モータ1に求められる性能、モータ1の使用環境及びコイル5Aに求められる上限温度、あるいはコイル5Aの設定占積率等によって、適宜変更しうる。また、図2,図3B、図4Aあるいは図4Bに示すように、コイル5Aの角部の形状を変えるのと同時に、コイル5Aのいずれかのターンの中央部分に切り欠かれた形状の凹部63を設けてもよい。
すなわち、コイル5Aの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンの角部の少なくとも一つを切り欠き部とすることで、凹部63が設けられるか、または、コイル5Aの第kターンにおける対向面61の中央部分あるいは対向面62の中央部分の少なくとも一方を切り欠かれた形状とすることで、凹部63が設けられていればよい。
(変形例2)
図5は、変形例2に係るティース42とコイル5Aの断面を示す図である。図5は、コイル5Aの第3ターンA3とティース42とを示している。図5に示すように、コイル5Aにおいて、隣接するコイル5Aとの対向面62に複数の凹部63が設けられている。上
述したとおり、隣接するコイル5A間では、コイル5Aとティース42との間に比べて冷媒Cが流れやすい。従って、対向面62に複数の凹部63を設けることで、冷媒Cと接する部分の表面積を増やす。従って、コイル5Aの冷却効果がより高まる。なお、対向面62に位置する角部60C,60Dを切り欠き部とすることも、対向面62の表面積を増やす作用がある。
なお、対向面62の凹凸形状については、図5に示す形状に限定されない。また、コイル5Aの全てのターンにおいて、対向面62に複数の凹部63を設けるのか、一部のターンのみで対向面62に複数の凹部63を設けるのかは、モータ1に求められる性能、モータ1の使用環境、及びコイル5Aに求められる上限温度、あるいはコイル5Aの設定占積率等によって適宜変更しうる。
また、図5に示した対向面62の形状は、図2、図3A,図3B、または図4A~4Cに示した構成のいずれに対しても適用可能である。
以上のように、本変形例2のコイルの各ターンにおける対向面62に相当する第2対向面が複数の凹部を有していてもよい。
この構成によれば、コイルの表面積を増やすことができ、コイルの冷却効果をより高めることができる。
なお、実施形態において、コイルのターン数を6としたが、これに限定されるものではなく、モータ1のサイズまたは性能等によって適宜変更しうる。
実施形態において、コイル5Aの断面形状は、実質的な台形形状であったが、それ以外の四角形、例えば、実質的な矩形状であってもよい。また、四角形に限られず、他の多角形であってもよい。
また、コイル5Aの角部60A~60Dは、成形加工または切削加工等により実際にC面取りを行うか、あるいは切り欠くかして切り欠く部にしてもよい。鋳造等によりコイル5Aを一括成形する場合は、鋳型等において、角部60A~60Dを予めC面取りされた形状にするか、あるいは多角形か実質的な四分円形状に切り欠かれた形状にしておいてもよい。コイル5Aの各ターンの中央部分を多角形か実質的な半円形状に切り欠かれた形状とする場合も同様である。
実施形態において、コイルU11~U41がバスバー51と、コイルV12~V42はバスバー52と、コイルW11~W41はバスバー53とそれぞれ一体化されている例を示した。しかし、各々のコイル形状に対応する様に、ヒュージングまたは溶接処理等により、バスバーへ取り付けられていてもよい。
実施形態において、冷媒Cがシャフト2内の中空部2aを流れる構成としたが、例えば、ロータ3とステータ4との間の空間を循環して流れるようにしてもよい。冷媒Cとして、例えば油または水等の液体を用いることができる。冷媒Cとして液体を用いることで、コイル5Aの冷却効果がより高まる。
本開示に係るモータは、冷媒によるコイルの冷却効果をより高める。従って、高効率かつ低コストのモータを実現する上で、有用である。
1 モータ
2 シャフト
2a 中空部
2b 貫通孔
3 ロータ
4 ステータ
5A コイル
31 磁石
41 ステータコア
42 ティース
43 スロット
51~54 バスバー
60A~60D コイル5Aの角部
61 対向面
62 対向面
63 凹部
A1~A6 コイル5Aの各ターンにおける断面
C 冷媒
U11,U22,U32,U41,V12,V21,V31,V42,W11,W22,W32,W41 コイル

Claims (7)

  1. ステータコアと、前記ステータコアから突出したティースとを有するステータと、
    前記ティースにn(nは1以上の整数)ターン巻回された第1~第nターンからなるコイルとを備えたモータであって、
    前記コイルは断面が多角形の導電部材からなり、
    前記コイルを前記ティースが前記ステータコアから突出する方向に沿って切断したときの断面において、
    前記コイルは、前記ティースとの対向面である第1対向面、あるいは隣接するティースに巻回されたコイルとの対向面である第2対向面の少なくとも一方に凹部を有し、
    前記第1対向面あるいは前記第2対向面の少なくとも一方と前記凹部とで、前記コイルを冷却する冷媒を通過させる空間が構成され、
    前記凹部は、一部のターンのみに形成され、かつ少なくとも前記ステータコアに隣接するターンに形成されるモータ。
  2. 前記コイルの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンの角部の少なくとも一つを切り欠き部とすることで、前記凹部が設けられる請求項1記載のモータ。
  3. 前記コイルの第k(kは整数であり、1≦k≦n)ターンにおける前記第1対向面の中央部分、あるいは前記第2対向面の中央部分の少なくとも一方を切り欠かれた形状とすることで、前記凹部が設けられる請求項1記載のモータ。
  4. 前記コイルのうち、少なくとも2つのターンに前記凹部が設けられる請求項1記載のモータ。
  5. 前記コイルにおける少なくとも前記ステータコア近傍のターンに、前記凹部が設けられる請求項1記載のモータ。
  6. 前記コイルの各ターンにおける前記第2対向面が複数の前記凹部を有する請求項1記載のモータ。
  7. 前記冷媒は液体である請求項1記載のモータ。
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