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JP7057298B2 - 止水構造及び止水方法 - Google Patents

止水構造及び止水方法 Download PDF

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JP7057298B2 JP2019026689A JP2019026689A JP7057298B2 JP 7057298 B2 JP7057298 B2 JP 7057298B2 JP 2019026689 A JP2019026689 A JP 2019026689A JP 2019026689 A JP2019026689 A JP 2019026689A JP 7057298 B2 JP7057298 B2 JP 7057298B2
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Description

本発明は、地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造及び止水方法に関する。
トンネル等のコンクリート構造物を備えた地下構造物においては、コンクリート構造物の壁面の施工目地即ち目地部からの漏水を回収し、路側帯に設けられる排水溝へ導いて排水する導水樋装置などが、設けられている。
特開2002-47900号公報(特許文献1)には、導水樋装置に用いられる導水受板の保持具であり構造物の壁面に固定される長尺の保持具において、壁面に沿いかつ長手方向に垂直な幅方向両側部に、シール部材が設けられ、幅方向両側部を連結する幅方向中間部には、構造物に埋設されるアンカー体に螺着されるねじ部材が収容され、かつ構造物の壁面とは反対側の外方に臨んで開放する凹所が形成され、この凹所の幅方向両側には、幅方向外側方に臨んで開放する一対の嵌合保持部が設けられ、各嵌合保持部に導水受板の幅方向一側部がそれぞれ嵌まり込んで保持される技術が開示されている。
特開2002-47900号公報
例えば地下構造物が地表から深い位置に建設されているときは、地下構造物の周囲での外部の土中の水の水圧は、大気圧に略等しい地下構造物の内部の圧力に比べて著しく高くなる。そのため、水圧が著しく高い地下構造物の外部から、地下構造物の目地部を通して、水圧が略大気圧に等しい地下構造物の内部に漏水しやすくなり、漏水する水の量即ち漏水量が増大する。このような場合、地下構造物の目地部から地下構造物の内部への漏水自体を止水する止水構造が望まれる。
また、地下構造物が地表から深い位置に建設されていない場合でも、例えば漏水の塩分濃度が高い場合には、地下構造物の塩害が進行しやすくなる。このような場合も、地下構造物の目地部から地下構造物の内部への漏水自体を止水する止水構造が望まれる。
ところが、上記特許文献1記載の導水樋装置は、漏水を回収して排水溝に排水するためのものであり、漏水量自体を低減するためのものではなく、漏水量を低減する他の有効な手法も開発されていなかった。そのため、上記特許文献1記載の導水樋装置等従来の手法により地下構造物の目地部から地下構造物の内部への漏水を止水することは困難であった。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、地下構造物の目地部から地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造において、漏水量を低減することができる止水構造を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の一態様としての止水構造は、第1コンクリートよりなる第1壁部と、第1壁部と隣り合い且つ第2コンクリートよりなる第2壁部と、を備えた地下構造物における第1壁部と第2壁部との間の第1目地部から地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造である。当該止水構造は、第1壁部、第1目地部及び第2壁部を覆うことにより、第1壁部、第1目地部及び第2壁部との間に、水を貯留する第1貯留空間を形成する第1覆い部と、第1貯留空間に貯留される水を充満する充満部と、第1貯留空間に貯留されている水の水圧が予め定められた上限値以下になるように調整する調整部と、を有する。
また、他の一態様として、地下構造物は、第1方向に延在し、第1壁部は、第1側壁部であり、第2壁部は、第1方向において第1側壁部と隣り合う第2側壁部であり、第1目地部は、第1方向と交差する第2方向に延在し、第1覆い部は、第2方向に延在する第1樋部を含んでもよい。
また、他の一態様として、充満部は、第1貯留空間のいずれの部分よりも高い第1位置で開口され、第1貯留空間に対して連通又は遮断可能に設けられ、且つ、第1貯留空間に貯留される水が供給される第1供給口を含み、調整部は、第1貯留空間に貯留されていた水が排出される第1排出口と、第1貯留空間と第1排出口との間に設けられた第1圧力制御弁と、を含んでもよい。充満部は、第1供給口が第1貯留空間と連通した状態で、第1供給口から第1貯留空間に貯留される水を供給した後、第1供給口を第1貯留空間から遮断することにより、第1貯留空間に貯留される水を充満してもよい。調整部は、水圧が上限値を超えたとき、第1圧力制御弁により第1排出口を第1貯留空間と連通させ、第1貯留空間に貯留されていた水を第1排出口から排出し、水圧が上限値以下のとき、第1圧力制御弁により第1排出口を第1貯留空間から遮断することにより、水圧が上限値以下になるように調整してもよい。
また、他の一態様として、当該止水構造は、充満部及び調整部として、第1貯留空間と連通した第1端部と、第1貯留空間のうち最も高い部分の高さ位置である第2位置よりも更に高い第3位置で開口された第2端部と、を含み、第1貯留空間に貯留される水を充満し、且つ、水圧が上限値以下になるように調整する管部を有してもよい。管部は、第2端部から管部に供給された水の管部内の水面の高さ位置が第2位置以上になるように水を供給することにより、第1貯留空間に貯留される水を充満し、管部は、第1貯留空間に貯留されていた水が管部の第2端部から溢れることにより、水圧が第2位置から第3位置までの高さに応じて定められた上限値以下になるように調整してもよい。
また、他の一態様として、当該止水構造は、第3コンクリートよりなる第1天井壁部と、第1方向において第1天井壁部と隣り合い且つ第4コンクリートよりなる第2天井壁部と、を備えた地下構造物における第1天井壁部と第2天井壁部との間の第2目地部から地下構造物の内部への漏水を止水するものであり、当該止水構造は、第1天井壁部、第2目地部及び第2天井壁部を覆うことにより、第1天井壁部、第2目地部及び第2天井壁部との間に、水を貯留する第2貯留空間を形成する第2覆い部を有してもよい。第2目地部は、第1方向及び第2方向のいずれとも交差する第3方向に延在し、第2覆い部は、第3方向に延在する第2樋部を含み、第2貯留空間は、第1貯留空間と連通し、充満部は、第1貯留空間及び第2貯留空間に貯留される水を充満してもよい。
また、他の一態様として、充満部は、第2貯留空間のいずれの部分よりも高い第4位置で開口され、第2貯留空間に対して連通又は遮断可能に設けられ、且つ、第2貯留空間に貯留される水が供給される第2供給口を含み、調整部は、第1貯留空間に貯留されていた水が排出される第2排出口と、第1貯留空間と第2排出口との間に設けられた第2圧力制御弁と、を含んでもよい。充満部は、第2供給口が第2貯留空間と連通した状態で、第2供給口から第2貯留空間に貯留される水を供給した後、第2供給口を第2貯留空間から遮断することにより、第1貯留空間及び第2貯留空間に貯留される水を充満してもよい。調整部は、水圧が上限値を超えたとき、第2圧力制御弁により第2排出口を第1貯留空間と連通させ、第1貯留空間に貯留されていた水を第2排出口から排出し、水圧が上限値以下のとき、第2圧力制御弁により第2排出口を第1貯留空間から遮断することにより、水圧が上限値以下になるように調整してもよい。
本発明の一態様としての止水方法は、第1コンクリートよりなる第1壁部と、第1壁部と隣り合い且つ第2コンクリートよりなる第2壁部と、を備えた地下構造物における第1壁部と第2壁部との間の第1目地部から地下構造物の内部への漏水を止水する止水方法である。当該止水方法は、第1壁部、第1目地部及び第2壁部を第1覆い部により覆うことにより、第1壁部、第1目地部及び第2壁部と、第1覆い部との間に、水を貯留する第1貯留空間を形成する(a)ステップと、第1貯留空間に貯留される水を充満する(b)ステップと、第1貯留空間に貯留されている水の水圧が予め定められた上限値以下になるように調整する(c)ステップと、を有する。
また、他の一態様として、(b)ステップでは、第1貯留空間のいずれの部分よりも高い第1位置で開口され、第1貯留空間に対して連通又は遮断可能に設けられた第1供給口が第1貯留空間と連通した状態で、第1供給口から第1貯留空間に貯留される水を供給した後、第1供給口を第1貯留空間から遮断することにより、第1貯留空間に貯留される水を充満してもよい。(c)ステップでは、水圧が上限値を超えたとき、第1貯留空間と第1排出口との間に設けられた第1圧力制御弁により第1排出口を第1貯留空間と連通させ、第1貯留空間に貯留されていた水を第1排出口から排出し、水圧が上限値以下のとき、第1圧力制御弁により第1排出口を第1貯留空間から遮断することにより、水圧が上限値以下になるように調整してもよい。
また、他の一態様として、(b)ステップでは、第1貯留空間と連通した第1端部と、第1貯留空間のうち最も高い部分の高さ位置である第2位置よりも更に高い第3位置で開口された第2端部と、を含む管部の第2端部から管部に供給された水の管部内の水面の高さ位置が第2位置以上になるように水を供給することにより、第1貯留空間に貯留される水を充満してもよい。(c)ステップでは、第1貯留空間に貯留されていた水が管部の第2端部から溢れることにより、水圧が第2位置から第3位置までの高さに応じて定められた上限値以下になるように調整してもよい。
本発明の一態様を適用することで、地下構造物の目地部から地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造において、漏水量を低減することができる。
実施の形態の止水構造が設けられた地下構造物を示す断面図である。 実施の形態の止水構造の一例を示す図である。 実施の形態の止水構造の一例を示す断面図である。 実施の形態の止水構造の一例を示す断面図である。 実施の形態の止水構造の他の例を示す図である。 実施の形態の止水構造の第1変形例の一例を示す図である。 実施の形態の止水構造の第1変形例の他の例を示す図である。 実施の形態の止水構造の第2変形例が設けられた地下構造物を示す断面図である。 実施の形態の止水構造の第2変形例を示す断面図である。
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
更に、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチング(網掛け)を省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態)
本発明の一実施形態である実施の形態の止水構造について説明する。本実施の形態の止水構造は、地下構造物の目地部から地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造である。
図1は、実施の形態の止水構造が設けられた地下構造物を示す断面図である。図2は、実施の形態の止水構造の一例を示す図である。図3及び図4は、実施の形態の止水構造の一例を示す断面図である。図5は、実施の形態の止水構造の他の例を示す図である。なお、図3及び図4は、図2のA-A線に沿った断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の止水構造が設けられる地下構造物1は、例えば地表から下方に深く離れた地下に、ある方向に沿って延在するように建設されたトンネルである。このトンネルの内部には、トンネルに沿ってレール2が敷設され、レール2上を鉄道車両3が走行する。
なお、以下では、説明の便宜上、地下構造物1即ちトンネルが延在する方向即ち地下構造物1の長さ方向をX軸方向と称し、地下構造物1即ちトンネルの幅方向をY軸方向と称し、上下方向をZ軸方向と称する場合がある。Z軸方向は、X軸方向と交差すればよく、鉛直方向には限定されない。Y軸方向は、X軸方向及びZ軸方向のいずれとも交差すればよく、X軸方向に直交する方向には限定されず、Z軸方向に直交する方向には限定されない。
図1乃至図3に示すように、地下構造物1は、それぞれコンクリートよりなる複数の躯体10を備えている。即ち、本実施の形態の止水構造が設けられる地下構造物1は、コンクリートよりなる躯体10としての躯体10aと、躯体10aと隣り合い且つコンクリートよりなる躯体10としての躯体10bと、を備えている。躯体10aは、壁部11としての側壁部11aと、壁部12としての天井壁部12aと、床部13としての床部13aと、を有し、躯体10bは、壁部11としての側壁部11bと、壁部12としての天井壁部12bと、床部13としての床部13bと、を有する。
地下構造物1は、コンクリートよりなる側壁部11aと、地下構造物1が延在する方向(X軸方向)において側壁部11aと隣り合い且つコンクリートよりなる側壁部11bと、を備え、側壁部11aと側壁部11bとの間には目地部14が形成されている。目地部14は、上下方向(Z軸方向)に延在する。
また、地下構造物1は、コンクリートよりなる天井壁部12aと、地下構造物が延在する方向(X軸方向)において天井壁部12aと隣り合い且つコンクリートよりなる天井壁部12bと、を備え、天井壁部12aと天井壁部12bとの間には目地部15が形成されている。目地部15は、地下構造物1が延在する方向と交差する方向(Y軸方向)に延在する。
また、地下構造物1は、コンクリートよりなる床部13aと、床部13aと隣り合い且つコンクリートよりなる床部13bと、を備え、床部13aと床部13bとの間には目地部16が形成されている。目地部16は、地下構造物1が延在する方向と交差する方向(Y軸方向)に延在する。
図2及び図3に示すように、止水構造は、覆い部21と、充満部22と、調整部23と、を有し、地下構造物1の目地部14から地下構造物1の内部への漏水を止水するものである。覆い部21は、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bを連続的且つ水密可能に覆うことにより、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bとの間に、水WT1を貯留する貯留空間SS1を形成する。充満部22は、貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満即ち補充する。調整部23は、貯留空間SS1に貯留されている水WT1の水圧WP1が予め定められた上限値以下になるように調整する。後述するように、調整部23として、圧力制御弁38を含むものを用いることができる。
地下構造物1が例えば地表から例えば約40mの深い位置に建設されている場合、岩石の密度を約2g/cm程度とすると、地下構造物1の周囲での外部の土中の水の水圧は約0.9MPa程度であり、大気圧である約0.1MPaに略等しい地下構造物1の内部の圧力に比べて著しく高くなる。そのため、水圧WP2が著しく高い地下構造物1の外部から、目地部14を通して、水圧が略大気圧に等しい地下構造物1の内部に漏水しやすくなり、漏水する水の量即ち漏水量が増大する。
一方、本実施の形態の止水構造は、前述したような覆い部21と、充満部22と、調整部23と、を有し、充満部22が、貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満し、調整部23が、貯留空間SS1に貯留される水WT1の水圧WP1が予め定められた上限値以下になるように調整する。このような場合、貯留空間SS1に貯留される水WT1の水圧WP1を大気圧よりも高くした状態で、貯留空間SS1に水WT1を貯留することができ、且つ、貯留空間SS1に空気が混入しないようにすることができる。これにより、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bを連続的且つ水密可能に覆う覆い部21が設けられていない場合に比べ、水圧WP2が著しく高い地下構造物1の外部から目地部14を通して貯留空間SS1に水WT1が漏水しにくくなる。そのため、水圧WP2が著しく高い地下構造物1の外部から、目地部14を通して、地下構造物1の内部に漏水しにくくなり、漏水する水の量即ち漏水量を低減することができる。
即ち、本実施の形態の止水構造は、水密性を有し、水を溜めることができる樋構造であり、弁等により樋構造の水圧を一定値以下に保つことができる構造であり、樋構造内の水圧により地下水圧に抵抗して漏水量を低減することができる機構である。
また、本実施の形態によれば、漏水量を低減することに加えて、貯留空間SS1に貯留されている水WT1によって、漏水の塩分濃度を低減し、地下構造物1の塩害を低減することができる。
地下構造物1の塩害とは、塩分を含んだ地下水が、地下構造物1の内空側に漏水し(現象1)、コンクリート表面から内部に侵入する(現象2)ことで生じる劣化現象である。塩害は、コンクリート中に侵入した塩分が、コンクリート中の鉄筋の不導体被膜を破壊する(現象3)ことで、鉄筋腐食が進行する現象である。腐食反応には、水と酸素が必要であり、水中環境、即ち水は多いが酸素はほとんど供給されない環境よりも、乾湿が繰り返される環境、即ち水も酸素も供給される環境の方が、塩害即ち鉄筋腐食が進行しやすい(現象4)ことが分かっている。また、季節変動などにより、漏水の発生と、漏水の停止とが交互に繰り返されると、水分は蒸発しても塩分が残るため、漏水中の塩分濃度が高くなり、塩害が進行しやすい(現象5)条件となる。
現状の塩害対策としては、塩分を含んだ地下水が地下構造物1の内空側に漏水する現象(上記現象1)への対策として、ひび割れに止水材を注入する方法が用いられている。また、塩分を含んだ地下水がコンクリート表面から内部に侵入する現象(上記現象2)への対策として、コンクリート表面に物質拡散抵抗性が高い材料を被膜する方法が用いられている。また、コンクリート中に侵入した塩分が、コンクリート中の鉄筋の不導体被膜を破壊する現象(上記現象3)への対策として、つり出した鉄筋に防錆処理を施す方法が用いられている。
しかし、水も酸素も供給される環境の方が塩害即ち鉄筋腐食が進行しやすい現象(上記現象4)への対策工は開発されていない。また、漏水の発生と、漏水の停止とが交互に繰り返されると漏水中の塩分濃度が高くなる現象(上記現象5)への対策工は開発されていない。
一方、本実施の形態によれば、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bを覆い部21が連続的且つ水密可能に覆うことにより、目地部14が地下構造物1の内空側の空気と接触することを防止又は抑制することができる。そのため、目地部14に酸素が供給されることを防止又は抑制することができ、塩害即ち鉄筋腐食が進行することを防止又は抑制することができる。
また、図2及び図4に示すように、本実施の形態によれば、充満部22が貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満することにより、漏水WT2の塩分濃度を低減することができる。そのため、乾湿の繰り返しによってコンクリート中の塩分が濃縮されることを防止又は抑制することができるので、地下構造物1の塩害即ち鉄筋腐食が進行することを防止又は抑制することができる。また、充満部22が充満する水WT1が真水等の塩分を含有しない水であることにより、漏水WT2の塩分濃度を更に低減することができ、地下構造物1の塩害即ち鉄筋腐食が進行することを更に防止又は抑制することができる。
即ち、本実施の形態の止水構造は、水も酸素も供給される環境の方が塩害即ち鉄筋腐食が進行しやすい現象(上記現象4)への対策工であり、また、漏水の発生と停止とが交互に繰り返されると漏水中の塩分濃度が高くなる現象(上記現象5)への対策工である。
なお、本実施の形態の止水構造に対応した止水方法は、コンクリートよりなる壁部としての側壁部11aと、側壁部11aと隣り合い且つコンクリートよりなる壁部としての側壁部11bと、を備えた地下構造物1における側壁部11aと側壁部11bとの間の目地部14から地下構造物1の内部への漏水を止水する止水構造を用いた止水方法である。当該止水方法は、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bを覆い部21により連続的且つ水密可能に覆うことにより、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bと、覆い部21との間に、水を貯留する貯留空間SS1を形成するステップ(ステップS1)と、貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満するステップ(ステップS2)と、貯留空間SS1に貯留されている水WT1の水圧WP1が予め定められた上限値以下になるように調整するステップ(ステップS3)と、を有することになる。
図2及び図3に示すように、目地部14が上下方向(Z軸方向)に延在するとき、好適には、覆い部21は、目地部14に沿って上下方向に延在する樋部24と、樋部24の長さ方向即ち上下方向における上端に設けられた上端板25と、樋部24の長さ方向における下端に設けられた下端板26と、を含む。また、好適には、覆い部21は、樋部24の幅方向(X軸方向)における両側にそれぞれ接続された2つの平板部27a及び27bと、上端板25と接続された平板部28と、下端板26と接続された平板部29と、を含む。また、好適には、覆い部21は、平板部27aと側壁部11aとの間に介在する弾性体よりなるシール材等の介在部30aと、平板部27bと側壁部11bとの間に介在する弾性体よりなるシール材等の介在部30bと、平板部28と側壁部11a及び11bとの間に介在する弾性体よりなるシール材等の介在部(図示は省略)と、平板部29と側壁部11a及び11bとの間に介在する弾性体よりなるシール材等の介在部(図示は省略)と、を含む。また、覆い部21は、介在部30aを介して平板部27aを側壁部11aにネジ止めして固定するボルト等の固定部31aと、介在部30bを介して平板部27bを側壁部11bにネジ止めして固定するボルト等の固定部31bと、介在部(図示は省略)を介して平板部28を側壁部11a及び11bにネジ止めして固定するボルト等の固定部32a及び32bと、介在部(図示は省略)を介して平板部29を側壁部11a及び11bにネジ止めして固定するボルト等の固定部33a及び33bと、を含む。このような構造により、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bを覆い部21が連続的且つ水密可能に覆うことができる。
なお、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bを覆い部21が連続的且つ水密可能に覆うことができればよく、覆い部21が他の部材よりなるものであってもよい。
図2及び図3に示す例では、好適には、充満部22は、貯留空間SS1即ち覆い部21のいずれの部分よりも高い位置HP1で開口され、貯留空間SS1との間で即ち貯留空間SS1に対して連通又は遮断可能に設けられ、且つ、貯留空間SS1に貯留される水WT1が供給される供給口34を含む。
好適には、充満部22は、例えば貯留空間SS1即ち覆い部21と供給口34との間に設けられた開閉弁35を含む。図2及び図3に示す例では、具体的には、供給口34は、供給管36を介して貯留空間SS1の上部に接続され、貯留空間SS1の上部に接続された供給管36の途中に開閉弁35が設けられている。充満部22は、ステップS2において、開閉弁35を開いて供給口34を貯留空間SS1と連通させた状態で、供給口34から貯留空間SS1に貯留される水WT1を供給した後、開閉弁35を閉じて供給口34を貯留空間SS1から遮断することにより、貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満する。これにより、貯留空間SS1に空気が混入しないようにする効果が高まる。
なお、供給口34には、例えば供給口34とは別に設置又は運搬された容器から手動で水WT1を供給してもよく、例えば供給口34に接続された水道管等から自動で水WT1を供給してもよい。
また、好適には、調整部23は、貯留空間SS1即ち覆い部21に貯留されていた水WT1が排出される排出口37と、貯留空間SS1と排出口37との間に設けられた圧力制御弁38と、を含む。図2及び図3に示す例では、具体的には、排出口37は、圧力制御弁38を介して貯留空間SS1の下部に接続されている。調整部23は、ステップS3において、貯留空間SS1に貯留されている水WT1の水圧WP1が上限値を超えたとき、圧力制御弁38により排出口37を貯留空間SS1と連通させ、貯留空間SS1に貯留されていた水WT1を排出口37から排出し、水圧WP1が上限値以下のとき、圧力制御弁38により排出口37を貯留空間SS1から遮断し、貯留空間SS1に貯留されていた水WT1を排出口37から排出しないことにより、水圧WP1が上限値以下になるように調整する。これにより、貯留空間SS1に貯留されている水WT1の水圧WP1を地下構造物1の内空側の圧力よりも高い圧力に保つことができ、水圧WP2が著しく高い地下構造物1の外部から、目地部14を通して、地下構造物1の内部に漏水しにくくなり、漏水量を低減する効果が高まる。
図2及び図3に示す例では、供給口34は、供給管36を介して貯留空間SS1即ち覆い部21の上部に接続され、供給管36の途中に開閉弁35が設けられている。しかし、供給口34が、貯留空間SS1のいずれの部分よりも高い位置HP1で開口されていればよく、図5に示す他の例のように、供給口34は、供給管36を介して貯留空間SS1の下部に接続されてもよく、貯留空間SS1の下部に接続された供給管36の途中に開閉弁35が設けられてもよい。
また、図2及び図3に示す例では、排出口37は、圧力制御弁38を介して貯留空間SS1即ち覆い部21の下部に接続されている。しかし、供給口34が、貯留空間SS1のいずれの部分よりも高い位置HP1で開口されればよく、図5に示す他の例のように、排出口37は、圧力制御弁38を介して貯留空間SS1の上部に接続されてもよい。
或いは、覆い部21は、天井壁部12a、目地部15及び天井壁部12bを連続的且つ水密可能に覆うことにより、天井壁部12a、目地部15及び天井壁部12bとの間に貯留空間を形成するものでもよい。また、覆い部21は、床部13a、目地部16及び床部13bを連続的且つ水密可能に覆うことにより、床部13a、目地部16及び床部13bとの間に貯留空間を形成するものでもよい。但し、覆い部21が、側壁部11a、目地部14及び側壁部11bを連続的且つ水密可能に覆う場合、排出口37を覆い部21の下部から地下構造物1の排水溝に導くことができる等、設置が容易である。
<実施の形態の止水構造の第1変形例>
図6は、実施の形態の止水構造の第1変形例の一例を示す図である。図7は、実施の形態の止水構造の第1変形例の他の例を示す図である。
図6に示すように、本第1変形例の止水構造は、好適には、充満部22及び調整部23としての管部41即ち水樋を有する。管部41は、貯留空間SS1(図3参照)即ち覆い部21と連通した端部42と、貯留空間SS1即ち覆い部21のうち最も高い部分の高さ位置である位置HP2よりも更に高い位置HP3で開口された端部43と、を含む。図6に示す例では、具体的には、管部41の端部42は、貯留空間SS1の下部に接続されている。
好適には、管部41は、端部43から管部41に供給された水WT1の管部41内の水面の高さ位置が位置HP2以上になるように水WT1を供給することにより、貯留空間SS1(図3参照)に貯留される水WT1を充満する。これにより、貯留空間SS1に空気が混入しないようにする効果が高まる。
なお、端部43には、例えば端部43とは別に設置又は運搬された容器から手動で水WT1を供給してもよく、例えば端部43に接続された水道管等から自動で水WT1を供給してもよい。
また、好適には、管部41は、貯留空間SS1(図3参照)即ち覆い部21に貯留されていた水WT1が管部41の端部43から溢れることにより、貯留空間SS1即ち覆い部21に貯留されている水WT1の水圧WP1(図3参照)が位置HP2から位置HP3までの高さに応じて定められた上限値以下になるように調整する。これにより、貯留空間SS1即ち覆い部21に貯留されている水WT1の水圧WP1を地下構造物1の内空側の圧力よりも高い圧力に保つことができ、漏水量を低減する効果が高まる。
なお、本第1変形例については、止水構造が、覆い部21と、充満部22としての管部41と、のみを有し、充満部22としての管部41が、貯留空間SS1(図3参照)即ち覆い部21に貯留されている水WT1の水圧WP1(図3参照)が予め定められた上限値以下になるように調整しながら貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満する、と言い換えることも可能である。また、本第1変形例については、止水構造が、覆い部21と、調整部23としての管部41と、のみを有し、調整部23としての管部41が、貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満し、且つ、貯留空間SS1に貯留されている水WT1の水圧WP1が予め定められた上限値以下になるように調整する、と言い換えることも可能である。
また、図6に示す例では、管部41の端部42は、貯留空間SS1(図3参照)即ち覆い部21の下部に接続されている。しかし、端部43が、貯留空間SS1のうち最も高い部分の高さ位置である位置HP2よりも更に高い位置HP3で開口されればよく、図7に示す他の例のように、管部41の端部42は、貯留空間SS1の上部に接続されてもよい。
<実施の形態の止水構造の第2変形例>
図8は、実施の形態の止水構造の第2変形例が設けられた地下構造物を示す断面図である。図9は、実施の形態の止水構造の第2変形例を示す断面図である。
図8及び図9に示すように、本第2変形例では、止水構造は、覆い部21と、充満部22と、調整部23と、に加えて、更に、覆い部51と、接続部52と、を有し、地下構造物1の目地部14(図2参照)から地下構造物1の内部への漏水を止水し、且つ、地下構造物1の目地部15から地下構造物1の内部への漏水を止水することができる。覆い部51は、天井壁部12a、目地部15及び天井壁部12bを連続的且つ水密可能に覆うことにより、天井壁部12a、目地部15及び天井壁部12bとの間に、水WT1を貯留する貯留空間SS2を形成する。貯留空間SS2即ち覆い部51は、貯留空間SS1(図3参照)即ち覆い部21よりも上方に配置され、接続部52は、貯留空間SS1と貯留空間SS2とを接続し、貯留空間SS2は、貯留空間SS1と連通している。なお、接続部52が設けられず、貯留空間SS2が貯留空間SS1と直接接続されてもよい。
目地部15が地下構造物1の幅方向(Y軸方向)に延在するとき、図8及び図9に示すように、好適には、覆い部51は、目地部15に沿って地下構造物1の幅方向に延在する樋部54と、樋部54の地下構造物1の幅方向における覆い部21側と反対側の端部に設けられた端板55と、樋部54の地下構造物1の幅方向における覆い部21側に設けられた端板56と、を含む。また、好適には、覆い部51は、樋部54の幅方向(X軸方向)における両側にそれぞれ接続された2つの平板部57a及び57bと、端板55と接続された平板部58と、端板56と接続された平板部59と、を含む。また、好適には、覆い部51は、平板部57aと天井壁部12aとの間に介在する弾性体よりなるシール材等の介在部60aと、平板部57bと天井壁部12bとの間に介在する弾性体よりなるシール材等の介在部60bと、を含む。また、覆い部51は、介在部60aを介して平板部57aを天井壁部12aにネジ止めして固定するボルト等の固定部61aと、介在部60bを介して平板部57bを天井壁部12bにネジ止めして固定するボルト等の固定部61bと、を含む。このような構造により、天井壁部12a、目地部15及び天井壁部12bを覆い部51が連続的且つ水密可能に覆うことができる。
なお、天井壁部12a、目地部15及び天井壁部12bを覆い部51が連続的且つ水密可能に覆うことができればよく、覆い部51が他の部材よりなるものであってもよい。また、上記した例でも、接続部52の形状によっては、端板56と、平板部59と、上端板25(図2参照)と、平板部28(図2参照)と、を省略することもできる。
図8及び図9に示す例では、好適には、充満部22は、供給口34(図2参照)に代え、貯留空間SS2即ち覆い部51のいずれの部分よりも高い位置HP4で開口され、貯留空間SS2との間で即ち貯留空間SS2に対して連通又は遮断可能に設けられ、且つ、貯留空間SS2に貯留される水WT1が供給される供給口64を含む。
好適には、充満部22は、開閉弁35(図2参照)に代え、例えば貯留空間SS2即ち覆い部51と供給口64との間に設けられた開閉弁65を含む。図8及び図9に示す例では、具体的には、供給口64は、供給管66を介して貯留空間SS2に接続され、貯留空間SS2に接続された供給管66の途中に開閉弁65が設けられている。充満部22は、ステップS2において、開閉弁65を開いて供給口64を貯留空間SS2と連通させた状態で、供給口64から貯留空間SS2に水WT1を供給した後、開閉弁65を閉じて供給口64を貯留空間SS2から遮断することにより、貯留空間SS2及び貯留空間SS1に貯留される水WT1を充満する。これにより、貯留空間SS2に空気が混入しないようにする効果が高まる。
なお、供給口64には、例えば供給口64とは別に設置又は運搬された容器から手動で水を供給してもよく、例えば供給口64に接続された水道管等から自動で水を供給してもよい。また、供給口64が、貯留空間SS2即ち覆い部51のうち最も高い部分の高さ位置と等しい高さ位置で開口された場合でも、貯留空間SS2に空気が混入しないように水WT1を充満することができる。
また、好適には、調整部23は、前述した図2を用いて説明した実施の形態と同様に、貯留空間SS1即ち覆い部21に貯留されていた水WT1が排出される排出口37と、貯留空間SS1と排出口37との間に設けられた圧力制御弁38と、を含む。具体的には、排出口37は、圧力制御弁38を介して貯留空間SS1の下部に接続されている。調整部23は、ステップS3において、貯留空間SS1に貯留されている水WT1の水圧WP1が上限値を超えたとき、圧力制御弁38により排出口37を貯留空間SS1と連通させ、貯留空間SS1に貯留されていた水WT1を排出口37から排出し、水圧WP1が上限値以下のとき、圧力制御弁38により排出口37を貯留空間SS1から遮断し、貯留空間SS1に貯留されていた水WT1を排出口37から排出しないことにより、水圧WP1が上限値以下になるように調整する。これにより、貯留空間SS1即ち覆い部21に貯留されている水WT1の水圧WP1に加えて、貯留空間SS2即ち覆い部51に貯留されている水WT1の水圧WP1をも地下構造物1の内空側の圧力よりも高い圧力に保つことができ、水圧WP2が著しく高い地下構造物1の外部から、目地部14及び15のいずれを通しても、地下構造物1の内部に漏水しにくくなり、漏水量を低減する効果が実施の形態に比べて更に高まる。
図8及び図9に示す例では、供給口64は、供給管66を介して貯留空間SS2即ち覆い部51に接続され、供給管66の途中に開閉弁65が設けられている。しかし、供給口64が、貯留空間SS2のいずれの部分よりも高い位置HP4で開口されていればよく、供給口64は、供給管66を介して貯留空間SS1に接続されてもよく、貯留空間SS1に接続された供給管66の途中に開閉弁65が設けられてもよい。
また、図8及び図9に示す例では、排出口37は、圧力制御弁38を介して貯留空間SS1即ち覆い部21に接続されている。しかし、供給口64が、貯留空間SS2のいずれの部分よりも高い位置HP4で開口されていればよく、排出口37は、圧力制御弁38を介して貯留空間SS2に接続されてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造及び止水方法に適用して有効である。
1 地下構造物
2 レール
3 鉄道車両
10、10a、10b 躯体
11、12 壁部
11a、11b 側壁部
12a、12b 天井壁部
13、13a、13b 床部
14~16 目地部
21、51 覆い部
22 充満部
23 調整部
24、54 樋部
25 上端板
26 下端板
27a、27b、28、29、57a、57b、58、59 平板部
30a、30b、60a、60b 介在部
31a、31b、32a、32b、33a、33b 固定部
34、64 供給口
35、65 開閉弁
36、66 供給管
37 排出口
38 圧力制御弁
41 管部
42、43 端部
52 接続部
55、56 端板
61a、61b 固定部
HP1~HP4 位置
SS1、SS2 貯留空間
WP1、WP2 水圧
WT1 水
WT2 漏水

Claims (6)

  1. 第1コンクリートよりなる第1壁部と、前記第1壁部と隣り合い且つ第2コンクリートよりなる第2壁部と、を備えた地下構造物における前記第1壁部と前記第2壁部との間の第1目地部から前記地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造において、
    前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部を覆うことにより、前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部との間に、水を貯留する第1貯留空間を形成する第1覆い部と、
    前記第1貯留空間に貯留される水を充満する充満部と、
    前記第1貯留空間に貯留されている水の水圧が予め定められた上限値以下になるように調整する調整部と、
    を有し、
    前記充満部は、前記第1貯留空間のいずれの部分よりも高い第1位置で開口され、前記第1貯留空間に対して連通又は遮断可能に設けられ、且つ、前記第1貯留空間に貯留される水が供給される第1供給口を含み、
    前記調整部は、
    前記第1貯留空間に貯留されていた水が排出される第1排出口と、
    前記第1貯留空間と前記第1排出口との間に設けられた第1圧力制御弁と、
    を含み、
    前記充満部は、前記第1供給口が前記第1貯留空間と連通した状態で、前記第1供給口から前記第1貯留空間に貯留される水を供給した後、前記第1供給口を前記第1貯留空間から遮断することにより、前記第1貯留空間に貯留される水を充満し、
    前記調整部は、前記水圧が前記上限値を超えたとき、前記第1圧力制御弁により前記第1排出口を前記第1貯留空間と連通させ、前記第1貯留空間に貯留されていた水を前記第1排出口から排出し、前記水圧が前記上限値以下のとき、前記第1圧力制御弁により前記第1排出口を前記第1貯留空間から遮断することにより、前記水圧が前記上限値以下になるように調整する、止水構造。
  2. 第1コンクリートよりなる第1壁部と、前記第1壁部と隣り合い且つ第2コンクリートよりなる第2壁部と、を備えた地下構造物における前記第1壁部と前記第2壁部との間の第1目地部から前記地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造において、
    前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部を覆うことにより、前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部との間に、水を貯留する第1貯留空間を形成する第1覆い部と、
    前記第1貯留空間と連通した第1端部と、前記第1貯留空間のうち最も高い部分の高さ位置である第1位置よりも更に高い第2位置で開口された第2端部と、を含み、前記第1貯留空間に貯留される水を充満し、且つ、前記第1貯留空間に貯留されている水の水圧が予め定められた上限値以下になるように調整する管部と、
    を有し、
    前記管部は、前記第2端部から前記管部に供給された水の前記管部内の水面の高さ位置が前記第1位置以上になるように水を供給することにより、前記第1貯留空間に貯留される水を充満し、
    前記管部は、前記第1貯留空間に貯留されていた水が前記管部の前記第2端部から溢れることにより、前記水圧が前記第1位置から前記第2位置までの高さに応じて定められた前記上限値以下になるように調整する、止水構造。
  3. 請求項1又は2に記載の止水構造において、
    前記地下構造物は、第1方向に延在し、
    前記第1壁部は、第1側壁部であり、
    前記第2壁部は、前記第1方向において前記第1側壁部と隣り合う第2側壁部であり、
    前記第1目地部は、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、
    前記第1覆い部は、前記第2方向に延在する第1樋部を含む、止水構造。
  4. 第1方向に延在する地下構造物であって、第1コンクリートよりなる第1側壁部と、前記第1方向において前記第1側壁部と隣り合い且つ第2コンクリートよりなる第2側壁部と、第3コンクリートよりなる第1天井壁部と、前記第1方向において前記第1天井壁部と隣り合い且つ第4コンクリートよりなる第2天井壁部と、を備えた前記地下構造物における前記第1側壁部と前記第2側壁部との間の第1目地部から前記地下構造物の内部への漏水及び前記第1天井壁部と前記第2天井壁部との間の第2目地部から前記地下構造物の内部への漏水を止水する止水構造において、
    前記第1目地部は、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、
    前記第2目地部は、前記第1方向及び前記第2方向のいずれとも交差する第3方向に延在し、
    前記止水構造は、
    前記第1側壁部、前記第1目地部及び前記第2側壁部を覆うことにより、前記第1側壁部、前記第1目地部及び前記第2側壁部との間に、水を貯留する第1貯留空間を形成する第1覆い部と、
    前記第1天井壁部、前記第2目地部及び前記第2天井壁部を覆うことにより、前記第1天井壁部、前記第2目地部及び前記第2天井壁部との間に、水を貯留する第2貯留空間を形成する第2覆い部と、
    前記第1貯留空間及び前記第2貯留空間に貯留される水を充満する充満部と、
    前記第1貯留空間に貯留されている水の水圧が予め定められた上限値以下になるように調整する調整部と、
    を有し、
    前記第1覆い部は、前記第2方向に延在する第1樋部を含み、
    前記第2覆い部は、前記第3方向に延在する第2樋部を含み、
    前記第2貯留空間は、前記第1貯留空間と連通し、
    前記充満部は、前記第2貯留空間のいずれの部分よりも高い第1位置で開口され、前記第2貯留空間に対して連通又は遮断可能に設けられ、且つ、前記第2貯留空間に貯留される水が供給される第1供給口を含み、
    前記調整部は、
    前記第1貯留空間に貯留されていた水が排出される第1排出口と、
    前記第1貯留空間と前記第1排出口との間に設けられた第1圧力制御弁と、
    を含み、
    前記充満部は、前記第1供給口が前記第2貯留空間と連通した状態で、前記第1供給口から前記第2貯留空間に貯留される水を供給した後、前記第1供給口を前記第2貯留空間から遮断することにより、前記第1貯留空間及び前記第2貯留空間に貯留される水を充満し、
    前記調整部は、前記水圧が前記上限値を超えたとき、前記第1圧力制御弁により前記第1排出口を前記第1貯留空間と連通させ、前記第1貯留空間に貯留されていた水を前記第1排出口から排出し、前記水圧が前記上限値以下のとき、前記第1圧力制御弁により前記第1排出口を前記第1貯留空間から遮断することにより、前記水圧が前記上限値以下になるように調整する、止水構造。
  5. 第1コンクリートよりなる第1壁部と、前記第1壁部と隣り合い且つ第2コンクリートよりなる第2壁部と、を備えた地下構造物における前記第1壁部と前記第2壁部との間の第1目地部から前記地下構造物の内部への漏水を止水する止水方法において、
    (a)前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部を第1覆い部により覆うことにより、前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部と、前記第1覆い部との間に、水を貯留する第1貯留空間を形成するステップ、
    (b)前記第1貯留空間に貯留される水を充満するステップ、
    (c)前記第1貯留空間に貯留されている水の水圧が予め定められた上限値以下になるように調整するステップ、
    を有し、
    前記(b)ステップでは、前記第1貯留空間のいずれの部分よりも高い第1位置で開口され、前記第1貯留空間に対して連通又は遮断可能に設けられた第1供給口が前記第1貯留空間と連通した状態で、前記第1供給口から前記第1貯留空間に貯留される水を供給した後、前記第1供給口を前記第1貯留空間から遮断することにより、前記第1貯留空間に貯留される水を充満し、
    前記(c)ステップでは、前記水圧が前記上限値を超えたとき、前記第1貯留空間と第1排出口との間に設けられた第1圧力制御弁により前記第1排出口を前記第1貯留空間と連通させ、前記第1貯留空間に貯留されていた水を前記第1排出口から排出し、前記水圧が前記上限値以下のとき、前記第1圧力制御弁により前記第1排出口を前記第1貯留空間から遮断することにより、前記水圧が前記上限値以下になるように調整する、止水方法。
  6. 第1コンクリートよりなる第1壁部と、前記第1壁部と隣り合い且つ第2コンクリートよりなる第2壁部と、を備えた地下構造物における前記第1壁部と前記第2壁部との間の第1目地部から前記地下構造物の内部への漏水を止水する止水方法において、
    (a)前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部を第1覆い部により覆うことにより、前記第1壁部、前記第1目地部及び前記第2壁部と、前記第1覆い部との間に、水を貯留する第1貯留空間を形成するステップ、
    (b)前記第1貯留空間に貯留される水を充満するステップ、
    (c)前記第1貯留空間に貯留されている水の水圧が予め定められた上限値以下になるように調整するステップ、
    を有し、
    前記(b)ステップでは、前記第1貯留空間と連通した第1端部と、前記第1貯留空間のうち最も高い部分の高さ位置である第1位置よりも更に高い第2位置で開口された第2端部と、を含む管部の前記第2端部から前記管部に供給された水の前記管部内の水面の高さ位置が前記第1位置以上になるように水を供給することにより、前記第1貯留空間に貯留される水を充満し、
    前記(c)ステップでは、前記第1貯留空間に貯留されていた水が前記管部の前記第2端部から溢れることにより、前記水圧が前記第1位置から前記第2位置までの高さに応じて定められた前記上限値以下になるように調整する、止水方法。
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