JP7044989B2 - 熱伝達組成物 - Google Patents
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Description
性であること、低毒性であることが要求されており、そのような冷媒として、例えば、トリフルオロヨードメタン等のヨードカーボン化合物が使用されている。
項1.少なくとも1種のヨードカーボン化合物、及び冷凍機油を含有し、安定性試験後のJIS K0101に準拠して測定した濁度が100度以下である、熱伝達組成物。
項2.少なくとも1種のヨードカーボン化合物、及び主鎖骨格の炭素原子又はシリコン原
子に水素原子が結合していない冷凍機油を含有する、熱伝達組成物。
項3.前記冷凍機油が、-CH2-CH2-で表される構造を有しないフッ素オイルを含有する、
項1又は2に記載の熱伝達組成物。
項4.前記フッ素オイルが有するフッ素原子及び水素原子の総量を100モル%として、前記フッ素オイルが有するフッ素原子の含有量が50モル%以上である、項3に記載の熱伝達組
成物。
項5.前記フッ素オイルは、主鎖末端の炭素原子に水素原子が結合していない、項3又は4に記載の熱伝達組成物。
項6.前記冷凍機油が、主鎖が-Si-O-骨格を有するシリコンオイルを含有する、項1~5のいずれか1項に記載の熱伝達組成物。
項7.前記少なくとも1種のヨードカーボン化合物が、少なくとも1種のヨードフルオロカーボン化合物を含有する、項1~6のいずれか1項に記載の熱伝達組成物。
項8.前記少なくとも1種のヨードフルオロカーボン化合物が、少なくとも1種の炭素数1
~3のヨードフルオロカーボン化合物を含有する、項7に記載の熱伝達組成物。
項9.前記少なくとも1種の炭素数1~3のヨードフルオロカーボン化合物が、トリフルオ
ロヨードメタンを含有する、項8に記載の熱伝達組成物。
項10.前記冷凍機油の含有量が、前記熱伝達組成物の総量を100質量%として10~50質量%である、項1~9のいずれか1項に記載の熱伝達組成物。
項11.冷凍機用作動流体として用いられる、項1~10のいずれか1項に記載の熱伝達
組成物。
項12.項1~11のいずれか1項に記載の熱伝達組成物を含有する、冷凍機用作動流体
。
項13.項1~11のいずれか1項に記載の熱伝達組成物又は項12に記載の冷凍機用作
動流体を作動流体として含む、冷凍機。
項14.冷凍機の運転方法であって、
項1~11のいずれか1項に記載の熱伝達組成物又は項12に記載の冷凍機用作動流体を
作動流体として冷凍機において循環させる工程を備える運転方法。
項15.主鎖骨格の炭素原子又はシリコン原子に水素原子が結合していないオイルを含有する、ヨードカーボン化合物を含む熱伝達組成物の変色を抑制するための冷凍機油。
項16.主鎖骨格の炭素原子に水素原子が結合していないフッ素オイルを含有する、ヨードカーボン化合物を含む熱伝達組成物の安定化剤。
ードカーボン化合物、及び冷凍機油を含有し、安定性試験後のJIS K0101に準拠して測定
した濁度が100度以下である、熱伝達組成物が、安定性を著しく向上させ、経時劣化によ
る変色が抑制されていることを見出した。また、本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、少なくとも1種のヨードカーボン化合物、及び主鎖骨格の炭素
原子又はシリコン原子に水素原子が結合していない冷凍機油を含有することによっても、安定性を著しく向上させ、経時劣化による変色が抑制されている熱伝達組成物が得られることを見出した。
本開示において、「ヨードカーボン化合物」は、少なくとも1つの炭素-ヨウ素結合を
含む任意の化合物を意味し、ヨードフルオロカーボン化合物(少なくとも1つの炭素-ヨ
ウ素結合及び少なくとも1つの炭素-フッ素結合を有するが、炭素-炭素結合を除くその
他の結合を持たない化合物)及びヒドロヨードフルオロカーボン化合物(少なくとも1つ
の炭素-ヨウ素結合、少なくとも1つの炭素-フッ素結合、少なくとも1つの炭素-水素結合を有するが、炭素-炭素結合を除くその他の結合を持たない化合物)を包含する。
に冷媒番号が未だ付されていないとしても、それらと同等の冷媒としての特性を有するも
のが含まれる。冷媒は、化合物の構造の面で、「フルオロカーボン系化合物」と「非フルオロカーボン系化合物」とに大別される。「フルオロカーボン系化合物」には、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロ
カーボン(HFC)及びハイドロフルオロオレフィン(HFO)が含まれる。「非フルオロカーボン系化合物」としては、プロパン(R290)、プロピレン(R1270)、ブタン(R600)、
イソブタン(R600a)、二酸化炭素(R744)、アンモニア(R717)等が挙げられる。
合物(refrigerant mixtures)を含む)と、(2)その他の成分をさらに含み、冷凍機油
と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることのできる組成物と、(3
)冷凍機油を含有する冷凍機用作動流体(refrigeration working fluid)とが少なくと
も含まれる。本明細書においては、これら三態様のうち、(2)の組成物のことを、冷媒
そのもの(冷媒の混合物を含む)と区別して「冷媒組成物(refrigerant composition)
」と表記することがある。また、本開示の熱伝達組成物は(3)の冷凍機用作動流体に該
当するが、「冷媒組成物」と区別して「冷凍機油含有作動流体(working fluid containing refrigeration oil)」と表記することがある。
本開示の熱伝達組成物は、実施形態ごとに大別すると、実施形態1及び2(それぞれ熱伝達組成物1及び2ともいう)に分けることができる。熱伝達組成物1及び2は、いずれも安定性が著しく優れており、経時劣化による変色が抑制されている。よって、本開示の熱伝達組成物1及び2、並びにそれを含む組成物は、例えば冷凍機用作動流体として有用である。以下、熱伝達組成物1及び2について説明する。
本開示の熱伝達組成物1は、少なくとも1種のヨードカーボン化合物、及び冷凍機油を含有し、安定性試験後のJIS K0101に準拠して測定した濁度が100度以下である。つまり、本開示の熱伝達組成物1は、冷媒及び冷凍機油を含有し、冷媒としては少なくとも1種のヨードカーボン化合物を含むことができる。このような本開示の熱伝達組成物1は、商業用途
、工業用途及び個人用途で、特に、冷凍システム及び(自動車用空調システムを含む)空調システム等で用いられる熱伝達流体として適当であり、例えば、冷凍機における作動流
体として用いられ得る。具体的には、本開示の熱伝達組成物1は、冷凍機の圧縮機におい
て使用される冷凍機油と、冷媒又は冷媒組成物とが互いに混じり合うことにより得られ得る。さらに、該組成物は、様々な用途で著しく安定であり経時劣化に伴う変色を抑制できるものであるが、それだけではなく、不燃性であり、地球温暖化係数も低い傾向にもあり、該組成物はCFC、HCFC及びHFCの冷媒の代替として特に有用な候補となり得る。
本開示の熱伝達組成物1中に含まれる冷媒には、上記のとおり、少なくとも1種のヨードカーボン化合物が含まれている。
本開示の熱伝達組成物1は、本開示の効果を損なわない範囲でヨードカーボン化合物以
外に、通常熱伝達組成物として用いられる化合物を任意に含有してもよい。このような化合物としてはHFC(特に炭素数1~5のHFC)、HFO(特に炭素数2~5のHFO)が挙げられる。
ン(HFC-152a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)等)、トリフルオロエタン(1,1,1-
トリフルオロエタン(HFC-143a)、1,1,2-トリフルオロエタン(HFC-143)等)、テトラ
フルオロエタン(1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロ
エタン(HFC-134a)等)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ペンタフルオロプロパン
(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)等)、ヘキサフルオロプロパン(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)等)、ヘプタフルオロプロパン(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン
(HFC-227ea))、ペンタフルオロブタン、ヘプタフルオロシクロペンタン等が挙げられ
る。なかでも、HFCとしては、オゾン層への影響が少なく、かつ冷凍サイクル特性が優れ
る点から、HFC-32、HFC-152a、HFC-143a、HFC-134、HFC-134a、HFC-125等が好ましく、HFC-32、HFC-152a、HFC-134a、HFC-125等がより好ましい。HFCは、1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルオロエチレン(HFO-1123)、2-フルオロプロペン(HFO-1261yf)、1,1,2-トリフルオロプロペン(HFO-1243yc)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(E))、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(Z))、トランス-1,3,3,3-テ
トラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))、シス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(Z))、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)等が挙げられる。
とにより冷凍機用作動流体を得るために用いられる組成物中に含まれ得る成分として、水、トレーサー(FC-14(CF4)、HCC-40(CH3Cl)、HFC-23(CHF3)、HFC-41(CH3Cl)、HFC-161(CH3CH2F)、HCFC-22(CHClF2)、HCFC-31(CH2ClF)、CFC-1113(CF2=CClF)、HFE-125(CF3OCHF2)、HFE-134a(CF3OCH2F)、HFE-143a(CF3OCH3)、HFE-227ea(CF3OCHFCF3)、HFE-236fa(CF3OCH2CF3)等)、紫外線蛍光染料(ナフタルイミド、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン及びフルオレセイン、並びにこれらの誘導体等)、安定剤(ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン、ニトロスチレン、1,4-ジオキサン、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン、ジフェニルアミン、ブチルヒドロキシキシレン、ベンゾトリアゾール等)、重合禁止剤(4-メトキシ-1-ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、ジメチル-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ベンゾトリアゾール等)等より
なる群から選ばれる少なくとも1種を含むこともできる。このような各種成分の含有量は
、上記した冷媒成分とこれらの他の成分の総量を基準として、0~1質量%、好ましくは1質量ppm~0.1質量%とすることができる。
本開示において使用される冷凍機油の基油としては、特に制限されるわけではないが、ヨードカーボン化合物と反応して主鎖骨格に二重結合が導入されると冷凍機油が変色し流動性が低下することから、主鎖骨格の炭素原子又はシリコン原子に水素原子が結合していないことが好ましい。
、なかでも主鎖骨格のみならず主鎖末端の炭素原子にも水素原子が結合していないフッ素オイルを好ましく使用することができる。上記のようなフッ素オイルを使用した場合には、安定性を著しく向上させ、経時劣化による変色を抑制して流動性を維持できるのみならず、冷媒中に含まれるヨードカーボン化合物との反応も抑制し副生成物としてCHF3(R23
)等の共冷媒の生成を抑制することができることからヨードカーボン化合物の安定性も向上させ、結果的に熱伝達組成物全体の安定性を著しく向上させることが可能である。
より好ましい。なお、上記フッ素原子の含有量を100モル%とすることも可能である。
R2-(O-R1)n-R3 (1)
[式中、R1は含フッ素アルキレン基を示す。R2及びR3は(フルオロ)アルキル基を示す。nは1~500の整数を示す。]
で表されるフッ素オイルが挙げられる。
オロアルキレン基が好ましく、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基がより好ましい。
好ましい。なお、-(OC2X4)-は、-(OCX2CX2)-、及び-(OCX(CX3))-のいずれであってもよく、-(OC3X6)-は、-(OCX2CX2CX2)-、-(OCX(CX3)CX2)-、及び-(OCX2CX(CX3))-のいずれであってもよく、-(OC4X8)-は、-(OCX2CX2CX2CX2)-、-(OCX(CX3)CX2CX2)-、-(OCX2CX(CX3)CX2)-、-(OCX2CX2CX(CX3))-、-(OC(CX3)2CX2)-、-(OCX2C(CX3)2)-、-(OCX(CX3)CX(CX3))-、-(OCX(C2X5)CX2)-、及び-(OCX2CX(C2X5))-のいずれであってもよい。
させ、経時劣化による変色を抑制して流動性を維持しつつ、冷媒中に含まれるヨードカーボン化合物との反応も抑制し副生成物としてCHF3(R23)等の共冷媒の生成を抑制する観
点から、1~500の整数が好ましく、10~200の整数がより好ましい。
で表されるシリコンオイルが挙げられる。
8の炭化水素基が好ましい。
4~R7の合計個数のうち80%以上、特に90%以上がメチル基であることが好ましい。該シリコンオイルの末端は、トリオルガノシリル基で封鎖されていても、ジオルガノヒドロキシシリル基で封鎖されていてもよい。
させ、経時劣化による変色を抑制して流動性を維持しつつ、冷媒中に含まれるヨードカーボン化合物との反応も抑制し副生成物としてCHF3(R23)等の共冷媒の生成を抑制する観
点から、1~2000の整数が好ましく、1~1000の整数がより好ましい。
いることもできる。
)等の共冷媒の生成を抑制することができることからヨードカーボン化合物の安定性も向上させ、結果的に熱伝達組成物全体の安定性を著しく向上させることが可能である観点からはフッ素オイルが特に好ましい。つまり、上記フッ素オイルは、ヨードカーボン化合物を含む熱伝達組成物の安定化剤としても機能することができる。
しい。さらに、同様の理由により、冷凍機油中の基油をフッ素オイル及び/又はシリコンオイルのみからなることとすることも好ましい。
いてもよい。添加剤は、紫外線蛍光染料、安定化剤、酸化防止剤、極圧剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、銅不活性化剤、防錆剤、油性剤及び消泡剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。このような各種添加剤の含有量は、冷凍機油の総量を基準として、0~1質量%、好ましくは1質量ppm~0.1質量%とすることができる。
で好ましい。
本開示の熱伝達組成物1は、上記したように、少なくとも1種のヨードカーボン化合物、及び冷凍機油を含有するものであるが、安定性試験後のJIS K0101に準拠して測定した濁
度が100度以下である。より具体的には、本開示の熱伝達組成物1を製造後に175℃、3MPa
の条件下で2週間静置した場合に、JIS K0101に準拠して測定した濁度が100度以下である
ことが好ましい。これにより、安定性を著しく向上させ、経時劣化による変色を抑制して流動性を維持しつつ、冷媒中に含まれるヨードカーボン化合物との反応も抑制し副生成物としてCHF3(R23)等の共冷媒の生成を抑制することができる。同様の理由により、上記
のような条件下での濁度は50度以下が好ましい。なお、濁度は小さいほうが好ましく、好ましい下限値はないが、通常、濁度は1度以上である。
有作動流体は、冷凍サイクルにおいてその組成が変化する。具体的には、本開示の熱伝達組成物1を用いた冷凍機油含有作動流体の冷凍機油含量は、圧縮機内では比較的多く、圧
縮機からミスト状となって吐出されて冷凍サイクルを循環し、圧縮機に戻るまでの期間では比較的少ない。例えば、本開示の熱伝達組成物1を用いた冷凍機油含有作動流体の冷凍
機油含量は、圧縮機内では、30~70質量%であり、圧縮機から吐出されて再び圧縮機に戻
ってくるまでの期間では、好ましくは0~10質量%、より好ましくは1質量ppm~20質量%で
ある。
ーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1-トリフルオロアルカン等)等が挙げられる。このような各種添加剤の含有量は、冷凍機油含有作動流体の総量を基準として、0~1質量%、
好ましくは1質量ppm~0.1質量%とすることができる。
本開示の熱伝達組成物2は、少なくとも1種のヨードカーボン化合物、及び主鎖骨格の炭素原子又はシリコン原子に水素原子が結合していない冷凍機油を含有する。つまり、本開示の熱伝達組成物2は、冷媒及び冷凍機油を含有し、冷媒としては少なくとも1種のヨードカーボン化合物を含み、冷凍機油としては主鎖骨格の炭素原子又はシリコン原子に水素原子が結合していない冷凍機油を含む。このような本開示の熱伝達組成物2は、商業用途、
工業用途及び個人用途で、特に、冷凍システム及び(自動車用空調システムを含む)空調システム等で用いられる熱伝達流体として適当であり、例えば、冷凍機における作動流体として用いられ得る。具体的には、本開示の熱伝達組成物2は、冷凍機の圧縮機において
使用される冷凍機油と、冷媒又は冷媒組成物とが互いに混じり合うことにより得られ得る。さらに、該組成物は、様々な用途で著しく安定であり経時劣化に伴う変色を抑制できるものであるが、それだけではなく、不燃性であり、地球温暖化係数も低い傾向にもあり、該組成物はCFC、HCFC及びHFCの冷媒の代替として特に有用な候補となり得る。
本開示の熱伝達組成物2中に含まれる冷媒には、上記のとおり、少なくとも1種のヨードカーボン化合物が含まれている。
本開示の熱伝達組成物2は、本開示の効果を損なわない範囲でヨードカーボン化合物以
外に、通常熱伝達組成物として用いられる化合物を任意に含有してもよい。このような化合物としてはHFC(特に炭素数1~5のHFC)、HFO(特に炭素数2~5のHFO)が挙げられる。
ン(HFC-152a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)等)、トリフルオロエタン(1,1,1-
トリフルオロエタン(HFC-143a)、1,1,2-トリフルオロエタン(HFC-143)等)、テトラ
フルオロエタン(1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロ
エタン(HFC-134a)等)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ペンタフルオロプロパン
(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)等)、ヘキサフルオロプロパン(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)等)、ヘプタフルオロプロパン(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン
(HFC-227ea))、ペンタフルオロブタン、ヘプタフルオロシクロペンタン等が挙げられ
る。なかでも、HFCとしては、オゾン層への影響が少なく、かつ冷凍サイクル特性が優れ
る点から、HFC-32、HFC-152a、HFC-143a、HFC-134、HFC-134a、HFC-125等が好ましく、HFC-32、HFC-152a、HFC-134a、HFC-125等がより好ましい。HFCは、1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルオロエチレン(HFO-1123)、2-フルオロプロペン(HFO-1261yf)、1,1,2-トリフルオロプロペン(HFO-1243yc)、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(E))、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(Z))、トランス-1,3,3,3-テ
トラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))、シス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(Z))、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)等が挙げられる。
とにより冷凍機用作動流体を得るために用いられる組成物中に含まれ得る成分として、水、トレーサー(FC-14(CF4)、HCC-40(CH3Cl)、HFC-23(CHF3)、HFC-41(CH3Cl)、HFC-161(CH3CH2F)、HCFC-22(CHClF2)、HCFC-31(CH2ClF)、CFC-1113(CF2=CClF)、HFE-125(CF3OCHF2)、HFE-134a(CF3OCH2F)、HFE-143a(CF3OCH3)、HFE-227ea(CF3OCHFCF3)、HFE-236fa(CF3OCH2CF3)等)、紫外線蛍光染料(ナフタルイミド、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン及びフルオレセイン、並びにこれらの誘導体等)、安定剤(ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン、ニトロスチレン、1,4-ジオキサン、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン、ジフェニルアミン、ブチルヒドロキシキシレン、ベンゾトリアゾール等)、重合禁止剤(4-メトキシ-1-ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、ジメチル-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ベンゾトリアゾール等)等より
なる群から選ばれる少なくとも1種を含むこともできる。このような各種成分の含有量は
、上記した冷媒成分とこれらの他の成分の総量を基準として、0~1質量%、好ましくは1質量ppm~0.1質量%とすることができる。
本開示において使用される冷凍機油としては、ヨードカーボン化合物と反応して主鎖骨格に二重結合が導入されると冷凍機油が変色し流動性が低下することから、主鎖骨格の炭素原子又はシリコン原子に水素原子が結合していない冷凍機油を基油として使用する。
、なかでも主鎖骨格のみならず主鎖末端の炭素原子にも水素原子が結合していないフッ素オイルを好ましく使用することができる。上記のようなフッ素オイルを使用した場合には、安定性を著しく向上させ、経時劣化による変色を抑制して流動性を維持できるのみならず、冷媒中に含まれるヨードカーボン化合物との反応も抑制し副生成物としてCHF3(R23
)等の共冷媒の生成を抑制することができることからヨードカーボン化合物の安定性も向上させ、結果的に熱伝達組成物全体の安定性を著しく向上させることが可能である。
より好ましい。なお、上記フッ素原子の含有量を100モル%とすることも可能である。
R2-(O-R1)n-R3 (1)
[式中、R1は含フッ素アルキレン基を示す。R2及びR3は(フルオロ)アルキル基を
示す。nは1~500の整数を示す。]
で表されるフッ素オイルが挙げられる。
オロアルキレン基が好ましく、炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基がより好ましい。
数のうち、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは100%がフッ素原子であることが好ましい。なお、-(OC2X4)-は、-(OCX2CX2)-、及び-(OCX(CX3))-のいずれであってもよく、-(OC3X6)-は、-(OCX2CX2CX2)-、-(OCX(CX3)CX2)-、及び-(OCX2CX(CX3))-のいずれであってもよく、-(OC4X8)-は、-(OCX2CX2CX2CX2)-、-(OCX(CX3)CX2CX2)-、-(OCX2CX(CX3)CX2)-、-(OCX2CX2CX(CX3))-、-(OC(CX3)2CX2)-、-(OCX2C(CX3)2)-、-(OCX(CX3)CX(CX3))-、-(OCX(C2X5)CX2)-、及び-(OCX2CX(C2X5))-のいずれであってもよい。
させ、経時劣化による変色を抑制して流動性を維持しつつ、冷媒中に含まれるヨードカーボン化合物との反応も抑制し副生成物としてCHF3(R23)等の共冷媒の生成を抑制する観
点から、1~500の整数が好ましく、10~200の整数がより好ましい。
で表されるシリコンオイルが挙げられる。
8の炭化水素基が好ましい。
4~R7の合計個数のうち80%以上、特に90%以上がメチル基であることが好ましい。該シリコンオイルの末端は、トリオルガノシリル基で封鎖されていても、ジオルガノヒドロキシシリル基で封鎖されていてもよい。
させ、経時劣化による変色を抑制して流動性を維持しつつ、冷媒中に含まれるヨードカーボン化合物との反応も抑制し副生成物としてCHF3(R23)等の共冷媒の生成を抑制する観
点から、1~2000の整数が好ましく、1~1000の整数がより好ましい。
げられる。これらのシリコンオイルは、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用
いることもできる。
)等の共冷媒の生成を抑制することができることからヨードカーボン化合物の安定性も向上させ、結果的に熱伝達組成物全体の安定性を著しく向上させることが可能である観点からはフッ素オイルが特に好ましい。つまり、上記フッ素オイルは、ヨードカーボン化合物を含む熱伝達組成物の安定化剤としても機能することができる。
しい。さらに、同様の理由により、冷凍機油中の基油をフッ素オイル及び/又はシリコンオイルのみからなることとすることも好ましい。
いてもよい。添加剤は、紫外線蛍光染料、安定化剤、酸化防止剤、極圧剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、銅不活性化剤、防錆剤、油性剤及び消泡剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。このような各種添加剤の含有量は、冷凍機油の総量を基準として、0~1質量%、好ましくは1質量ppm~0.1質量%とすることができる。
で好ましい。
本開示の熱伝達組成物2は、上記したように、少なくとも1種のヨードカーボン化合物、及び主鎖骨格の炭素原子又はシリコン原子に水素原子が結合していない冷凍機油を含有する。
作動流体は、冷凍サイクルにおいてその組成が変化する。具体的には、本開示の熱伝達組成物1を用いた冷凍機油含有作動流体の冷凍機油含量は、圧縮機内では比較的多く、圧縮
機からミスト状となって吐出されて冷凍サイクルを循環し、圧縮機に戻るまでの期間では比較的少ない。例えば、本開示の熱伝達組成物2を用いた冷凍機油含有作動流体の冷凍機
油含量は、圧縮機内では、30~70質量%であり、圧縮機から吐出されて再び圧縮機に戻っ
てくるまでの期間では、好ましくは0~10質量%、より好ましくは1質量ppm~20質量%であ
る。
好ましくは1質量ppm~0.1質量%とすることができる。
本開示の冷凍機は、上記した本開示の熱伝達組成物1又は2を作動流体として含むものであり、本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の熱伝達組成物1又は2を用いて冷凍機を運転する方法である。
笠原理化工業(株)製の濁度計TR-55を用い、JIS K0101に準拠して、安定性試験
(175℃、3MPaの条件で2週間静置)後の冷凍機油の濁度測定を行った。
トリフルオロヨードメタン(CF3I)50質量部とフッ素オイル(ダイキン工業(株)製のデムナムS-20;フッ素化度100モル%)50質量部とを混合し、得られた混合物(熱伝達
組成物)を、鉄、銅及びアルミニウムの金属片とともにガラスチューブ内に投入し、ガラスチューブを密封した。密封したガラスチューブを175℃、3MPaに維持しながら2週間静置した。2週間経過後、ガラスチューブ内の混合物を観察した。
ことから、安定性に優れることが理解できる。さらに濁度測定を行ったところ、得られた濁度は20度であった。また、ガス分析によりCHF3(R23)の生成の有無を評価したところ
、CHF3(R23)は検出されなかったことから、冷媒成分であるCF3Iと冷凍機油であるフッ
素オイルとが一切反応していないことが理解できる。
トリフルオロヨードメタン(CF3I)50質量部と、デムナムS-20のフッ素化度を50モル%
に調整したフッ素オイル50質量部とを混合し、得られた混合物(熱伝達組成物)を、鉄、銅及びアルミニウムの金属片とともにガラスチューブ内に投入し、ガラスチューブを密封した。フッ素化度はNMR測定によりフッ素化度=100×フッ素原子数/(フッ素原子数
+水素原子数)として算出した。密封したガラスチューブを175℃、3MPaに維持しながら2週間静置した。2週間経過後、ガラスチューブ内の混合物を観察した。
ことから、安定性に優れることが理解できる。さらに濁度測定を行ったところ、得られた濁度は20度であった。また、ガス分析によりCHF3(R23)の生成の有無を評価したところ
、CHF3(R23)は検出されなかったことから、冷媒成分であるCF3Iと冷凍機油であるフッ
素オイルとが一切反応していないことが理解できる。
トリフルオロヨードメタン(CF3I)50質量部と、デムナムS-20のフッ素化度を70モル%
に処理したフッ素オイル50質量部とを混合し、得られた混合物(熱伝達組成物)を、鉄、銅及びアルミニウムの金属片とともにガラスチューブ内に投入し、ガラスチューブを密封した。フッ素化度はNMR測定によりフッ素化度=100×フッ素原子数/(フッ素原子数+水素原子数)として算出した。密封したガラスチューブを175℃、3MPaに維持しなが
ら2週間静置した。2週間経過後、ガラスチューブ内の混合物を観察した。
ことから、安定性に優れることが理解できる。さらに濁度測定を行ったところ、得られた濁度は20度であった。また、ガス分析によりCHF3(R23)の生成の有無を評価したところ
、CHF3(R23)は検出されなかったことから、冷媒成分であるCF3Iと冷凍機油であるフッ
素オイルとが一切反応していないことが理解できる。
フッ素オイルの代わりにシリコンオイル(アズワン(株)製のASO-100)を使用したこ
と以外は実施例1と同様に実験を行った。
ことから、安定性に優れることが理解できる。さらに濁度測定を行ったところ、得られた濁度は10度であった。
フッ素オイルの代わりにポリビニルエーテル(出光興産(株)製のFVC32D)を使用したこと以外は実施例1と同様に実験を行った。
たことから、安定性に劣ることが理解できる。さらに濁度測定を行ったところ、得られた濁度は100度より大きかった。
フッ素オイルの代わりにポリアルキレングリコール(日本サン石油(株)製のSUNICE P56)を使用したこと以外は実施例1と同様に実験を行った。
たことから、安定性に劣ることが理解できる。さらに濁度測定を行ったところ、得られた濁度は100度より大きかった。
フッ素オイルの代わりにポリアルキレングリコール(日本サン石油(株)製のSUNICE P56)を使用し、添加剤としてイソプレン(和光純薬工業(株)製)を使用した。つまり、トリフルオロヨードメタン(CF3I)49質量部とポリアルキレングリコール49質量部とイソプレン2質量部とを使用したこと以外は実施例1と同様に実験を行った。
たことから、特許文献1に開示されているジエンベース化合物であるイソプレンを添加しても安定性改善の効果は見られず、安定性に劣ることが理解できる。さらに濁度測定を行ったところ、得られた濁度は100度より大きかった。
Claims (8)
- 前記少なくとも1種の炭素数1~3のヨードフルオロカーボン化合物が、トリフルオロヨードメタンを含有する、請求項1に記載の熱伝達組成物。
- 前記冷凍機油の含有量が、前記熱伝達組成物の総量を100質量%として10~50質量%である、請求項1又は2に記載の熱伝達組成物。
- 冷凍機用作動流体として用いられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱伝達組成物。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の熱伝達組成物を含有する、冷凍機用作動流体。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の熱伝達組成物又は請求項5に記載の冷凍機用作動流体を作動流体として含む、冷凍機。
- 冷凍機の運転方法であって、
請求項1~4のいずれか1項に記載の熱伝達組成物又は請求項5に記載の冷凍機用作動流体を作動流体として冷凍機において循環させる工程を備える運転方法。
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