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JP7043251B2 - ハイブリッド車 - Google Patents

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  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)
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Description

本発明は、エンジンおよびモータを走行用の駆動源として搭載したハイブリッド車に関する。
従来、エンジンおよびモータジェネレータを走行用の駆動源として搭載したハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle)が知られている。
たとえば、スプリット方式(シリーズ・パラレル方式)のハイブリッド車では、エンジンおよびモータジェネレータが遊星歯車機構に接続されており、エンジンからの動力を分割してモータジェネレータおよび駆動輪に振り分けることができ、エンジンからの動力およびモータジェネレータからの動力を合成して駆動輪に伝達することができる。また、エンジンを停止して、モータジェネレータからの動力のみによるEV走行が可能である。
このようなハイブリッド車には、モータジェネレータが遊星歯車機構およびデファレンシャルギヤとともにケース内に収容されて、それらが駆動輪に動力を伝達するトランスアクスルを構成しているものがある。トランスアクスルは、たとえば、車両の前部に設けられたエンジンルーム(エンジンコンパートメント)に、エンジンと並べて配置される。
また、エンジンルームには、エンジンを冷却するエンジン冷却系が配置されている。エンジン冷却系は、ウォータポンプの作動により、冷却水をエンジンとラジエータとの間で循環させる。冷却水がエンジンを流通することにより、冷却水とエンジンとの間で熱交換が行われ、エンジンが冷却され、冷却水が熱せられる。そして、エンジンを流通した冷却水がラジエータを流通することにより、冷却水とラジエータとの間で熱交換が行われ、冷却水が冷却される。
特開平10-238345号公報
かかる構成のハイブリッド車では、夏場の高速走行や登坂走行などの高負荷走行の直後におけるホットソーク状態(アイドル運転状態)において、エンジンおよびラジエータなどから放出される熱により、エンジンルームが高温になり、エンジンルームに配設された部品などの熱劣化が進行するという問題がある。
また、車両停止中におけるエアコンディショナの稼働時に、ラジエータおよびエアコンディショナの冷却系に含まれるコンデンサを通過した熱風がラジエータの後側に配置された電動ファンを通過した後にその前方へ回り込み、ラジエータおよびコンデンサを再び通過する再循環により、エアコンディショナの性能が低下するという問題もある。
本発明の目的は、熱環境の改善を図ることができる、ハイブリッド車を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係るハイブリッド車は、エンジンおよびモータを走行用の駆動源として搭載したハイブリッド車であって、第1ラジエータおよび第1ラジエータに送風を供給する第1電動ファンを備え、エンジンを冷却する第1冷却系と、第2ラジエータおよび第2ラジエータに送風を供給する第2電動ファンを備え、モータの動力を伝達する動力伝達機構を冷却する第2冷却系とを含み、第2電動ファンは、第2冷却系の冷媒の温度が所定温度以上である場合に駆動され、第2冷却系の冷媒の温度が所定温度未満であっても所定条件が成立した場合に駆動される。
この構成によれば、エンジンを冷却する第1冷却系と、モータの動力を伝達する動力伝達機構を冷却する第2冷却系とが設けられている。そのため、エンジンと動力伝達機構とを個別に冷却することができる。
第2電動ファンは、第2冷却系の冷媒の温度が所定温度以上である場合に駆動される。これにより、ラジエータ内を流通する冷媒を第2電動ファンからの送風により冷却して、その冷媒の温度を低下させることができる。
また、第2冷却系の冷媒の温度が所定温度未満であっても所定条件が成立した場合には、第2電動ファンが駆動される。第2電動ファンを第2冷却系の冷媒の冷却以外にも使用することにより、ハイブリッド車における熱環境を改善することができる。
たとえば、第1冷却系および第2冷却系がエンジンおよびモータとともにエンジンルーム(エンジンコンパートメント)に収容される構成では、エンジンルームの温度が一定温度以上であることを所定条件とすれば、所定条件が成立した場合に第2電動ファンを駆動させることにより、第2電動ファンからの送風により、エンジンルームを冷却することができる。その結果、エンジンルームの熱環境を改善することができ、エンジンルームに配設された部品などの熱劣化を抑制できる。また、エンジンルームに配設される部品に耐熱性の低い部品を採用することが可能となり、コストの低減を図ることができる。
第1冷却系および第2冷却系がエンジンおよびモータとともにエンジンルームに収容される構成において、停車中におけるエアコンディショナの稼働を所定条件とすれば、所定条件が成立した場合に第2電動ファンを駆動させることにより、第2電動ファンからの送風により、第1冷却系を通過した熱風が第1電動ファンを通過した後に第1冷却系の前方に回り込むことを抑制できる。その結果、エアコンディショナの性能の向上を図ることができ、車室の熱環境を改善することができる。
本発明によれば、熱環境の改善を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る車両の構成を一部図解的に示す平面図である。 図1に示される冷却系の左後方から見た斜視図である。 第2ラジエータファンの駆動を制御するための処理の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<ハイブリッド車の冷却系>
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る車両1の冷却系の構成を図解的に示す図である。
車両1は、たとえば、スプリット方式(シリーズ・パラレル方式)のハイブリッド車であり、エンジン(E/G)11およびモータジェネレータ(MG)12を走行用の駆動源として搭載している。
エンジン11は、たとえば、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンである。
モータジェネレータ12は、DCブラシレスモータからなり、モータとしての機能と発電機(ジェネレータ)としての機能とを有している。モータジェネレータ12は、たとえば、遊星歯車機構およびデファレンシャルギヤとともにケース内に収容されて、駆動輪に動力を伝達するトランスアクスル(T/A)13を構成している。トランスアクスル13には、トランスアクスル13で使用されるオイルを冷却(または加温)するためのオイルクーラが設けられている。また、車両1には、モータジェネレータ12を駆動するためのインバータやマイコン(マイクロコントローラユニット)などを内蔵するPCU(Power Control Unit:パワーコントロールユニット)14が設けられている。
車両1では、たとえば、エンジン11およびモータジェネレータ12が遊星歯車機構に接続されており、エンジン11からの動力を分割してモータジェネレータ12および駆動輪に振り分けることができる。また、エンジン11からの動力およびモータジェネレータ12からの動力を合成して駆動輪に伝達することができる。また、エンジン11を停止して、モータジェネレータ12からの動力のみによるEV走行が可能である。
なお、ここでは、スプリット方式(シリーズ・パラレル方式)のハイブリッドシステムの構成を例にとって説明したが、ハイブリッドシステムの方式は、スプリット方式に限らず、たとえば、シリーズ方式であってもよいし、パラレル方式であってもよい。シリーズ方式では、エンジンの動力が発電機で電力に変換され、発電機で発生する電力が駆動モータの駆動に使用されて、駆動モータの動力が駆動輪に伝達される。パラレル方式では、遊星歯車機構からなる動力分割機構を備え、エンジンの動力とモータ(モータジェネレータ)の動力とが駆動輪に伝達される。
また、車両1では、エンジン11を冷却するエンジン冷却系15と、トランスアクスル13およびPCU14を冷却するHV冷却系16とが別個に設けられている。
<エンジン冷却系>
エンジン冷却系15は、第1ラジエータ21および第1ラジエータファン22を備えている。
第1ラジエータ21は、四角板状の外形を有しており、車両1の前部のエンジンルーム(エンジンコンパートメント)の前端部の左寄りの位置に、上下方向および左右方向(縦横)に延びるように配置されている。
第1ラジエータファン22は、電動ファンであり、ファンモータ23の回転軸24が前後に延びる向きで、第1ラジエータ21に後側から対向して配置されている。
エンジン冷却系15では、第1ウォータポンプ(図示せず)の作動により、冷却水(水を含む液体)をエンジン11と第1ラジエータ21の間で循環させる。具体的には、ウォータポンプが駆動されると、エンジン11のウォータジャケットに冷却水が流入し、ウォータジャケットを流通した冷却水がエンジン11から流出する。冷却水がウォータジャケットを流通することにより、冷却水とエンジン11との間で熱交換が行われて、エンジン11が冷却または加温され、冷却水が昇温または降温する。
エンジン11から流出した冷却水は、第1ラジエータ21内に流入し、第1ラジエータ21内を流通する。第1ラジエータファン22の駆動時には、第1ラジエータ21内を流通する冷却水が第1ラジエータファン22からの送風により冷却される。車両1の走行時は、第1ラジエータファン22が作動していなくても、第1ラジエータ21内を流通する冷却水が走行風により冷却される。第1ラジエータ21で冷却された冷却水は、第1ラジエータ21から流出して、エンジン11に向けて流れる。
<HV冷却系>
HV冷却系16は、第2ラジエータ31、第2ラジエータファン32、第2ウォータポンプ33および密閉型のリザーブタンク34を備えている。
第2ラジエータ31は、四角板状の外形を有しており、車両1の前部のエンジンルームの前端部であって、第1ラジエータ21の右側に横並びで、上下方向および左右方向(縦横)に延びるように配置されている。第2ラジエータ31は、第1ラジエータ21よりも幅狭であり、左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも小さい縦長に形成されている。
第2ラジエータファン32は、電動ファンであり、ファンモータ35の回転軸36が前後に延びる向きで、第2ラジエータ31に後側から対向して配置されている。
第2ウォータポンプ33は、第2ラジエータ31の後側に配置されている。
リザーブタンク34は、第2ラジエータ31の上側に配置されている。
HV冷却系16では、第2ウォータポンプ33の作動により、冷却水をトランスアクスル13およびPCU14と第2ラジエータ31との間で循環させる。具体的には、第2ウォータポンプ33が駆動されると、リザーブタンク34から冷却水が吸い出されて、その冷却水がゴムホース37を流通する。冷却水は、ゴムホース37から第2ウォータポンプ33に吸い込まれ、第2ウォータポンプ33からゴムホース38を通して第2ラジエータ31に流入し、第2ラジエータ31内を流通する。第2ラジエータファン32の駆動時には、第2ラジエータ31内を流通する冷却水が第2ラジエータファン32からの送風により冷却される。車両1の走行時は、第2ラジエータファン32が作動していなくても、第2ラジエータ31内を流通する冷却水が走行風により冷却される。
第2ラジエータ31で冷却された冷却水は、第2ラジエータ31から流出して、トランスアクスル13のオイルクーラおよびPCU14に向けて流れる。そして、冷却水がトランスアクスル13のオイルクーラおよびPCU14を経由するときに、オイルクーラおよびPCU14との間で熱交換を行う。この熱交換により、オイルクーラおよびPCU14が冷却され、冷却水が昇温する。オイルクーラおよびPCU14を経由した冷却水は、リザーブタンク34に流入する。
HV冷却系16を循環する冷却水の温度は、エンジン冷却系15を循環する冷却水の温度よりも低い。すなわち、PCU14は、エンジン11およびトランスアクスル13よりも熱に弱いため、エンジン冷却系15は、エンジン11を通過後の冷却水の温度が所定の第1温度(たとえば、約105℃)になるように設計され、HV冷却系16は、PCU14を通過後の冷却水の温度が第1温度よりも低い第2温度(たとえば、65℃)になるように設計されている。
<第2ラジエータファン制御>
図3は、第2ラジエータファン32の駆動を制御するための処理の流れを示すフローチャートである。
第2ラジエータファン32は、たとえば、PCU14により、その駆動が制御される。
第2ラジエータファン32の駆動制御のための処理では、HV冷却系16の冷却水の温度が第2温度以上であるか否かが判別される(ステップS1)。
HV冷却系16の冷却水の温度が第2温度以上である場合(ステップS1のYES)、第2ラジエータファン32が駆動される(ステップS2)。
HV冷却系16の冷却水の温度が第2温度未満である場合には(ステップS1のNO)、続いて、所定条件が成立しているか否かが判別される(ステップS3)。
所定条件は、たとえば、エンジンルーム内の温度が一定温度以上であるという条件を含む。エンジンルーム内の温度は、エンジンルーム内に配設された温度センサにより検出されてもよいが、車両1が停止している時のエンジン冷却系15の冷却水の温度から推定されてもよいし、外気温センサにより検出される温度から推定されてもよい。
また、所定条件は、別の条件として、たとえば、車両1の停止中にエアコンディショナが稼働しているという条件を含む。
所定条件のいずれか1つが成立している場合(ステップS3のYES)、第2ラジエータファン32が駆動される(ステップS2)。
HV冷却系16の冷却水の温度が第2温度未満であり(ステップS1のNO)、かつ、いずれの所定条件も成立していない場合には(ステップS3のNO)、第2ラジエータファン32の駆動が停止される(ステップS4)。
<作用効果>
以上のように、エンジン11を冷却するエンジン冷却系15と、モータジェネレータ12を含むトランスアクスル13およびPCU14を冷却するHV冷却系16とが設けられている。そのため、エンジン11とトランスアクスル13およびPCU14とを別々に冷却することができる。
第2ラジエータファン32は、HV冷却系16の冷媒の温度が第2温度以上である場合に駆動される。これにより、第2ラジエータ31内を流通する冷媒を第2ラジエータファン32からの送風により冷却して、その冷媒の温度を低下させることができる。
また、HV冷却系16の冷媒の温度が第2温度未満であっても所定条件が成立した場合には、第2ラジエータファン32が駆動される。第2ラジエータファン32をHV冷却系16の冷媒の冷却以外にも使用することにより、ハイブリッド車における熱環境を改善することができる。
エンジンルームの温度が一定温度以上であるという条件が所定条件に含まれる。この条件が成立した場合に第2ラジエータファン32が駆動されることにより、第2ラジエータファン32からの送風により、エンジンルームを冷却することができる。その結果、エンジンルームの熱環境を改善することができ、エンジンルームに配設された部品などの熱劣化を抑制できる。また、エンジンルームに配設される部品に耐熱性の低い部品を採用することが可能となり、コストの低減を図ることができる。
車両1の停止中にエアコンディショナが稼働しているという条件が所定条件に含まれる。この条件が成立した場合に第2ラジエータファン32が駆動されることにより、第2ラジエータファン32からの送風により、エンジン冷却系15を通過した熱風が第1ラジエータファン22を通過した後にエンジン冷却系15の前方に回り込むことを抑制できる。また、図1に示されるように、トランスアクスル13の後方にエアコンディショナの電動コンプレッサ41が配置された構成では、その電動コンプレッサ41を第2ラジエータファン32からの送風により冷却することができる。その結果、エアコンディショナの性能の向上を図ることができ、車室の熱環境を改善することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、トランスアクスル13に搭載されるモータジェネレータの個数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。また、トランスアクスル13に含まれる駆動源は、モータジェネレータに限らず、単なるモータであってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:車両(ハイブリッド車)
11:エンジン
12:モータジェネレータ(モータ)
13:トランスアクスル(動力伝達機構)
15:エンジン冷却系(第1冷却系)
16:HV冷却系(第2冷却系)
21:第1ラジエータ
22:第1ラジエータファン(第1電動ファン)
31:第2ラジエータ
32:第2ラジエータファン(第2電動ファン)

Claims (2)

  1. エンジンおよびモータを走行用の駆動源として搭載し、かつエアコンディショナを搭載したハイブリッド車であって、
    第1ラジエータおよび前記第1ラジエータに送風を供給する第1電動ファンを備え、前記エンジンを冷却する第1冷却系と、
    第2ラジエータおよび前記第2ラジエータに送風を供給する第2電動ファンを備え、前記モータの動力を伝達する動力伝達機構を冷却する第2冷却系とを含み、
    前記第2電動ファンは、前記第2冷却系の冷媒の温度が所定温度以上である場合に駆動され、前記第2冷却系の冷媒の温度が所定温度未満であっても所定条件が成立した場合に駆動され
    前記所定条件は、前記ハイブリッド車の停車中に前記エアコンディショナが稼動しているという条件を含む、ハイブリッド車。
  2. 前記所定条件は、エンジンルーム内の温度が一定温度以上であるという条件を含む、請求項1に記載のハイブリッド車。
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