以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態における被曝線量管理システムのシステム構成を示す図である。
本発明の被曝線量管理システムは、X線CT装置等のモダリティ101、医用画像表示装置102(被曝線量算出装置)、院内の画像管理サーバ103(サーバ装置)、がLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の病院内ネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されている。さらに病院内のネットワークは、院外の画像管理サーバ104(被曝線量管理装置)ともネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続することもでき、院内の画像等を院外に保管することもできる。
なお、図1の各端末構成は一例あり、用途や目的に応じてさまざまな構成例があることは言うまでもない。
以下、本実施形態ではモダリティとしてX線CT装置を例に説明を行うが、これに限られず、線量管理が必要となるモダリティであれば適用可能である。
X線CT装置101は、撮影した医用画像を予め設定された医用画像表示装置102や院内の画像管理サーバ103や外部の画像管理サーバ104に送信し、保存させることができる。X線CT装置101によって撮影され、サーバに送信される医用画像データ(DICOM画像データ)は、患者名、患者ID、患者の性別、X線CT装置で撮影した際のX線管電流の値、医用画像撮影時のX線強度を示すCTDIvol(線量情報)等の付帯情報と画像データとで構成されている。
医用画像表示装置102は、X線CT装置101で撮影された医用画像データ(複数の断層画像データ)をもとに、種々の画像処理を行うことができるワークステーションである。本実施形態では、この医用画像表示装置102で、X線CT装置101で撮影された複数の断層画像を所定の方向から見たレイサム画像を生成し、当該レイサム画像上で被検体の体型の指標となる体幅または体厚、若しくはその両方の値を取得し、被検体の体型に応じた値を用いて補正値テーブルから補正値を取得し、DICOM画像データの付帯情報に設けられたCTDIvolを補正することで被検体の体型を反映させた被曝線量を算出さする。
画像管理サーバ103は、主に院内のモダリティで撮影された画像を保存し、管理するためのサーバ装置であり、モダリティから送信された医用画像や、医用画像表示装置102で画像処理された後の医用画像も保存することができる。院内の情報処理装置(不図示)から画像管理サーバ103にアクセスすることで、所望の場所から画像管理サーバ103内の医用画像を閲覧することができる。
画像管理サーバ103は、院外に設けられており、院内のモダリティから撮影された医用画像や、医用画像表示装置102で画像処理された医用画像等を保存し、管理することができるサーバ装置である。画像管理サーバ103は、複数の病院からの保管依頼を受けたりや複数の病院の放射線量管理を行うこともできる。
図2は、医用画像表示装置102、画像管理サーバ103、画像管理サーバ104のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
また、ROM202あるいは外部メモリ211(記憶手段)には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、医用画像表示装置102、画像管理サーバ103、画像管理サーバ104の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、入力コントローラ205は、キーボードや不図示のマウス等のポインティングデバイス等の入力デバイス209からの入力を制御する。
ビデオコントローラ206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。表示器の種類はCRTや、液晶ディスプレイを想定するが、これに限らない。
メモリコントローラ207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスクやフレキシブルディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。
また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明の各端末が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている
次に図3乃至図9を用いて被検体の体型を反映させた被曝線量を算出する流れを説明する。
図3は、本発明の実施形態における医用画像表示装置102が行う処理を示すフローチャートである。図3のフローチャートに示す処理は、CPU201が記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。図4は、医用画像表示装置102の画像処理プログラムの初期画面の一例である。図5は医用画像表示装置102で表示される線量管理画面500の初期画面の一例である。図6は、医用画像表示装置102で表示される線量管理画面500で被検体の体型を反映させた被曝線量が算出された様子の一例である。図7は、被検体の前後方向のレイサム画像を説明するための図である。図8は、被検体の左右方向のレイサム画像を説明するための図である。図9は、医用画像表示装置102の記憶手段に予め記憶されている被検体の体型に対応させるためにCTDIvolを補正する際に用いる補正係数903と、被検体の体型情報(体幅+体厚901、体厚911、体幅921)及び実効直径912との関係を示すテーブルである。図9(a)乃至(c)は16cmのファントムで取得した初期値をもとに算出されたCTDIvolを体型に応じて補正する際に用いられる補正係数と、被検体の体型情報及び実効直径とを示すテーブルである。そして図9(d)乃至(f)は32cmのファントムで取得した初期値をもとに算出されたCTDIvolを体型に応じて補正する際に用いられる補正係数と、被検体の体型情報及び実効直径とを示すテーブルである。
図3のS301では、医用画像表示装置102のCPU201が、線量管理ツールが起動されたかを判断し、線量管理ツールが起動されたと判断された場合にS302に移行する。
具体的には、図4に示す医用画像表示装置102に搭載される医用画像処理プログラムの初期画面で線量管理ボタン446が押下されたかどうかで判断することができる。
図4の医用画像表示装置102の初期画面は、患者名401や患者ID402や検査日406やカレンダー407等を選択した状態で検索ボタン405を押下することにより、医用画像表示装置102内若しくは画像管理サーバ103、104に記憶されている医用画像を検索することができる。
検索された情報は、患者名411、患者ID412、性別413、最新日時414、モダリティ415、年齢416、状態417、コメント418等の医用画像データの付帯情報から取得される情報が一覧画面410として表示される。
ユーザが、一覧画面410上で所望の患者を選択すると、検査情報一覧画面420に当該患者の属性421、検査日422、モダリティ423、検査記述424、患者名425、検査ID426等の検査情報が表示される。そして、ユーザが検査情報一覧画面420上で所望の検査情報を選択すると、シリーズ情報一覧画面430に当該検査情報のシリーズNo.431、ピクセルサイズ432、FOV433、検査日時434、モダリティ435、スライス厚436、画像枚数437等のシリーズ情報が表示される。いずれかのシリーズ情報が選択されると当該シリーズの画像のサムネイル等を表示領域440に表示することもできる。
さらにユーザは、シリーズ情報一覧画面430で所望のシリーズ情報を選択した状態(若しくはシリーズ内の1枚の画像を選択した状態)で、例えばX線CT装置101で撮影された複数の断層画像をもとに3次元表示を行う3D描画ボタン441、断層画像を見るためのビューアボタン442、プリンタ転送ボタン443、レポートの登録を行うためのレポート登録ボタン444、画像管理サーバ103・104に選択画像を保存するための外部保存ボタン445、線量算出処理を行うための線量管理ボタン446等の各所望の処理を行うための指示をすることができる。なお、各所望の処理を開始するボタンを押下した後に、所望の医用画像を選択することもできる。
S302では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザに選択された医用画像データ(DICOM画像データ)を読み込む。線量管理ボタン446が押下される前にシリーズが選択されている場合には、当該選択されているシリーズの医用画像データが読み込まれる。一方選択されていない場合には、図5の被曝線量管理画面のDICOM画像読み込みボタン511を押下し、被曝線量を算出したい医用画像データを選択することで、当該医用画像データを読み込むこともできる。
S303では、医用画像表示装置102のCPU201が、S302で取得した医用画像データから線量情報(CTDIvol)等を取得する。具体的には、DICOM画像データが読み込まれるとDICOMデータの付帯情報から図5の線量管理画面500に示す、線量計算を行うために被験者パラメータ512、CT線量指標514のCTDIvol、線量計算用のパラメータ515等が読み込まれる。(図6)
S304では、医用画像表示装置102のCPU201が、図5に示す線量管理画面500を表示し、この画面介してユーザからの算出処理方法の指定やその他の入力を受け付ける。
S305では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザによって指定された被検体の体型の算出処理方法がいずれであるかを判断する。
具体的には、算出処理方法は、ユーザが図5の線量管理画面上で被検体の体型の算出方法を選択することで指定される。被検体の体型情報は、DICOM画像データとして取得される複数の医用画像(断層画像)をもとに生成されたレイサム画像から取得することができる。ユーザは、体型として被検体のAP画像(前後方向の画像)から取得される体幅を用いるか(AP diameter)、ラテラル画像(左右方向の画像)から取得される体厚を用いるか(Lateral diameter)、体幅と体厚の両方を用いるか(Lateral+AP diameter)を用いるかを選択欄523で選択することができる。
さらにユーザは、線量管理画面上でユーザ選定項目513の設定や被曝線量計算パラメータ518のファントムサイズ等を選択することもできる。なお、ファントムサイズ等はDICOMデータの付帯情報から取得できる場合には、DICOMデータの内容が反映される。
なお、DICOMデータの付帯情報から線量情報(CTDIvol)が取得できない場合には、適宜ユーザが線量管理画面上で入力することもできる。
S305でAP画像から求まる体幅を被検体の体型情報として用いると判断された場合(AP diameterが選択)にはS306に進み、医用画像表示装置102のCPU201が、複数の医用画像からレイサム画像を生成し表示領域516に表示する。
例えばX線CT装置101では、図7(a)に示すように被検体が寝台701に横たわった状態で撮影が行われ図7(b)に示すような複数の断層画像が撮影される。レイサム画像は、この複数の断層画像(若しくはボリューム画像)のCT値を所定の方向に沿って積算して得られた値をもとに生成される画像である。図7(c)は、被検体の前面から後面にむかう方向(AP方向)に沿って生成されたAP画像の例を示している。このように生成されたレイサム画像が、線量管理画面500の表示領域516に表示される。
S307では、医用画像表示装置102のCPU201が、S306で生成されたレイサム画像により特定される被検体の体幅情報を取得する。取得方法としては、レイサム画像からX線CT装置で検査した領域の被検体の体軸方向における中心位置における、被検体の幅を自動で取得することができる。また、図6の表示領域516に表示されるようなレイサム画像に対してユーザから2点の指定を受け付け(611)、当該2点間の距離を体幅情報として取得することもできる。
S308では、医用画像表示装置102のCPU201が、ファントムサイズを取得する。ファントムサイズは、DICOMデータの付帯情報にデータがある場合にはそのデータを参照することができる。一方DICOMデータの付帯情報にファントムサイズのデータが無い場合には、ユーザが線量管理画面500の被曝線量計算パラメータ518を介して設定されたものが取得される。
そして、S308では、医用画像表示装置102のCPU201が、S307で取得された体幅情報とS308で取得されたファントムサイズをもとに、利用するテーブルを特定し、さらに当該テーブルから補正係数を取得する。
S318では、医用画像表示装置102のCPU201が、S303で取得した線量情報(CTDIvol)をS308で取得された補正係数を用いて補正(積算)し、被検体の体型に応じて補正された被曝線量を算出する。
S319では、医用画像表示装置102のCPU201が、S306で生成されたレイサム画像及びS318で算出された被曝線量等を記憶手段に記憶する。このような保存処理は、被曝線量が算出された後に自動で行うこともできるが、ユーザが線量管理画面500のデータ保存ボタン522を押下することに伴い保存させてもよい。
さらに、保存させる記憶手段としては、医用画像表示装置102内の記憶手段でもよいし、院外の画像管理サーバ104上のデータベース1040に保存させてもよい。
次に、S304〜S309、S318及びS319の流れを、図6の選択欄523でAP diameterを選択(601)し、表示領域516に表示されるAP方向のレイサム画像で2点間の距離を体幅情報とし、ファントムとして32cmが用いられた例をもとに具体的に説明する。
表示領域516に表示されたレイサム画像の2点間の距離(体幅情報)として『20.6cm』が取得された場合には、当該情報が線量管理画面500の欄602に当該値が表示される。表示領域517には、体幅情報を取得した面の医用画像が表示される。
そして、医用画像表示装置102の記憶手段から32cmファントムのAP画像に対応する補正テーブルである図9(f)を特定し、当該補正テーブルをもとに『20.6cm』に対応する補正係数『1.48』と実効係数『25』を取得する。なお補正テーブルに設けられていない場合でも、近接する2つの体幅に対応する補正係数をもとに適宜必要な補正係数を求めることができる。そして取得された補正係数『1.48』は、変換係数欄519に表示され、実効係数『25』は実効係数欄に表示される。
DICOMデータの付帯情報から取得されたCTDIvolが、図6のCT線量指標の欄603に示すように『8.9216』である場合には、補正係数『1.48』とCTDIvol『8.9216』を積算し、体幅に応じた被曝線量として『13.204』が算出される。
なお、図6の表示領域516で選択できる2点は、本実施形態ではレイサム画像の体軸方向における中央位置で選択した例を示しているが、レイサム画像のZ軸方向のいずれの位置で取得してもよい。その場合には、この時に取得された体幅(体型)をもとに体型に応じた被曝線量が算出することができる。
このような状態でデータ保存ボタン522が押下されることにより、DICOM画像から取得される被検体情報とともに、補正係数『1.48』や被曝線量『13.204』が保存されることになる。
また、この例で示すように、レイサム画像上でユーザから所望の指定部位を受け付け、対応する被検体の体型に応じた被曝線量を算出してやることにより、所望の臓器を含む撮影位置に対する被曝線量を容易に算出さえることができる。
図3に戻り説明を続ける。図3のS305でラテラル画像から求まる体厚を被検体の体型情報として用いると判断された場合(Lateral diameterが選択されている場合)にはS310に進む。S310では、医用画像表示装置102のCPU201が、複数の医用画像からレイサム画像を生成し、表示領域516に表示する。この場合には図8(a)に示すように被検体の左面から右面に向かう方向(ラテラル方向)に沿ってCT値を積算して得られたラテラル画像(図8(b))が線量管理画面500の表示領域516に表示される。
S311では、医用画像表示装置102のCPU201が、S310で生成されたレイサム画像により特定される被検体の体厚情報を取得する。取得方法としては、レイサム画像から自動で取得してもよいし、図6の表示領域516に表示されるようなレイサム画像に対してユーザから2点の指定を受け付け(611)、当該2点間の距離を体厚情報として取得することもできる。
S312では、医用画像表示装置102のCPU201が、ファントムサイズを取得する。ファントムサイズは、DICOMデータの付帯情報にデータがある場合にはそのデータを参照することもできるし、DICOMデータの付帯情報にデータが無い場合には、ユーザが線量管理画面500の被曝線量計算パラメータ518を介して設定されたものが取得される。
そして、S313では、医用画像表示装置102のCPU201が、S311で取得された体厚情報とS312で取得されたファントムサイズをもとに、利用するテーブルを特定し、さらに当該テーブルから補正係数を取得する。
S318では、医用画像表示装置102のCPU201が、S303で取得した線量情報(CTDIvol)をS313で取得された補正係数を用いて補正(積算)し、被検体の体型に応じて補正された被曝線量を算出する。
S319では、医用画像表示装置102のCPU201が、S310で生成されたレイサム画像及びS318で算出された被曝線量等を記憶手段に記憶する。このような保存処理は、被曝線量が算出された後に自動で行うこともできるが、ユーザが線量管理画面500のデータ保存ボタン522を押下することに伴い保存させてもよい。
以上のようにラテラル方向のレイサム画像を用いて被検体の体型情報を求める場合にもAP方向のレイサム画像を用いて被検体の体型情報を求める場合と同様に被曝線量を算出することができる。
また、S305でAP画像及びラテラル画像から求まる体幅及び体厚を被検体の体型情報として用いると判断された場合(Lateral+AP diameterが選択されている場合)にはS314に進む。
S314では、S306とS310と同様に、医用画像表示装置102のCPU201が、複数の医用画像からAP方向とラテラル方向の2つのレイサム画像を生成し、表示領域516に表示する。
S315では、S307及びS311と同様に、医用画像表示装置102のCPU201が、S314で生成されたレイサム画像により特定される被検体の体幅及び体厚情報を取得する。
S316では、S308及びS312と同様に、医用画像表示装置102のCPU201が、ファントムサイズを取得する。
S317では、S309及びS313と同様に、医用画像表示装置102のCPU201が、S315で取得された体幅及び体厚情報とS316で取得されたファントムサイズをもとに、利用するテーブルを特定し、さらに当該テーブルから補正係数を取得する。
S318では、医用画像表示装置102のCPU201が、S303で取得した線量情報(CTDIvol)をS317で取得された補正係数を用いて補正(積算)し、被検体の体型に応じて補正された被曝線量を算出する。
S319では、医用画像表示装置102のCPU201が、S314で生成されたレイサム画像及びS318で算出された被曝線量等を記憶手段に記憶する。このような保存処理は、被曝線量が算出された後に自動で行うこともできるが、ユーザが線量管理画面500のデータ保存ボタン522を押下することに伴い保存させてもよい。保存先としては医用画像表示装置102内に限られず、院内の画像管理サーバ103や院外の画像管理サーバ104に保存させることもできる。
以上図3乃至図9を用いて説明したように、本実施形態においては、複数の医用画像から生成したレイサム画像を用いて特定される被検体の体幅及び体厚の少なくとも一方の被検体情報を用いて特定される補正係数を用いて、医用画像撮影時のX線強度であるCTDIvolを補正する。
本実施形態では、レイサム画像を用いて体型を取得することにより、従来のようなガントリを回転させずに撮影したスキャン画像から被検体の体型を用いる場合より、実際の被検体の体型を反映した値を算出することができ、信頼性の高い被曝線量を取得することができているといえる。
さらに本実施形態のように、レイサム画像から被検体の体幅や体厚を取得することにより、被検体情報を取得する位置を複数の医用画像から選択するという手間を削減することができ、簡便に被検体の体型に応じた被曝線量が取得でいるといえる。
なお、本実施形態においては複数の医用画像(断層画像)からのレイサム画像生成、被曝線量算出を一連の流れとして説明したが、一連の流れとしなくとも予めレイサム画像と医用画像撮影時のX線強度であるCTDIvolの代表値を保存しておけば、所望のタイミングで体型及び代表のCTDIvolを取得し、体型に応じた被曝線量を算出することもできる。具体的にはいずれかのレイサム画像を生成した後に、2点を指定611することなくデータ保存ボタン522を押下する。これにより、被検体の体型に応じた被曝線量を算出することなくレイサム画像や医用画像撮影時のX線強度であるCTDIvolの代表値(例えば撮影領域の中央部のDICOM画像データとして記憶されているCTDIvol)を記憶させる。このようにレイサム画像を保存しておくことで、ユーザは所望のタイミングでレイサム画像から被検体の体型情報を取得し、医用画像撮影時の代表値であるCTDIvolを体型に合わせて補正した被曝線量を取得することができる。これにより、被曝線量を算出するために複数の医用画像を保管していなくとも適宜被曝線量を算出できるため、画像管理サーバの容量を削減しつつ所望のタイミングで被検体の体型に応じた被曝線量を算出することができる。
次に、図10乃至図13を用いて、被検体の体型に応じた被曝線量を管理する仕組みについて説明する。図3のS319で示したように算出された被曝線量は、医用画像表示装置102や院内の画像管理サーバ103や院外の画像管理サーバ104で管理することができる。このような管理手段で管理された被曝線量は、医用画像表示装置102や不図示の情報処理装置等から例えば一覧として参照できる。そしてこの一覧情報をもとに被曝線量を管理手段で管理されている情報を参照してリストや被曝線量管理グラフを生成することができる。
ここでは、院外の画像管理サーバ104で管理されている複数の被検体に対応する被曝線量をもとに、医用画像表示装置102からグラフの生成指示に応じて生成された被曝線量管理グラフが表示される例を用いて説明を行う。
図10は、被曝線量グラフを表示する一連の流れを説明するためのフローチャートである。図10のフローチャートに示す処理は、医用画像表示装置102のCPU201及び画像管理サーバ104のCPU201が記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。図11は、画像管理サーバ104で管理されている複数の被検体(患者)の被曝線量の一覧であり、医用画像表示装置102の要求に応じて画像管理サーバ104で生成され、医用画像表示装置102で表示される一覧画面である。この画面を介してユーザは、被曝線量グラフの表示指示を行うことができる。このようにして表示される被曝線量管理グラフの一例が図12及び図13である。
図10のS1001では、医用画像表示装置102のCPU201が、画像管理サーバ104に対して、一覧画像の表示要求をする。
S1002では、画像管理サーバ104のCPU201が、医用画像表示装置102の表示要求に応じて、画像管理サーバ104内管理されている複数のX線CT検査情報をもとに、レイサム画像や被曝線量等の管理情報を把握することができる一覧画面を生成する。それとともに、S1003で医用画像表示装置102に対して一覧画面とグラフ表示条件を設定する条件欄1130とが含まれる表示画面1101を送信する。
S1004では、医用画像表示装置102のCPU201が、画像管理サーバ104から送信された表示画面1101をディスプレイ上に表示させる。
このような表示画面1101の一例が図11である。図11に示す表示画面1101からわかるように画像管理サーバ104では、選択ボックス1102及び管理番号1103、DICOMデータから取得される検査日1104、患者ID1105、患者名1106、性別1107、年齢1108、体重1109、撮影部位1110が管理されている。さらに、保存されているレイサム画像の枚数を示す画像枚数1111、医用画像撮影時のX線強度であるCTDIvol1112(被曝線量を算出する際に用いたCTDIvol若しくはデータ保存ボタン522が押下された際に特定されるCTDIvolの代表値)、DLP1113、ファントムサイズ1114が管理されている。さらに、被検体の体型に応じてCTDIvolを補正して算出した被曝線量1115、補正テーブルから取得した実効直径1116・変換係数1117等を管理している。
一覧画面上では、被曝線量1115を算出した後にデータが登録された検査情報と、レイサム画像は生成したが被曝線量1115が算出されていない状態でデータを登録された検査情報とが識別可能に一覧表示されている。図11の例では、管理番号1103がNo.1とNo.2とNo.3とNo.5が、被検体の体型に応じた被曝線量1115が算出された後にデータが登録された検査情報である。そしてNo.4とNo.6が、レイサム画像は生成したが被曝線量1115が算出されていない状態でデータが登録された検査情報である。この例では被曝線量1115等の値が入っているか否かにより、いずれの状態であるかを判断することができる。このように一覧画面上で判断できるように表示させることで、被曝線量管理手段で管理されている検査情報において被検体の体型に応じた被曝線量が算出されているか否かを容易に確認することができる。
表示画面1101の新規登録ボタン1118は、線量管理画面500を介することなく、新たな患者のレイサム画像や被曝線量1115等の情報を登録するボタンである。表示画面1101の削除ボタン1119は、選択ボックス1102が選択されている検査情報を削除できるボタンである。表示画面1101のダウンロードボタン1120は、選択ボックス1102が選択されている検査情報のレイサム画像や管理項目として管理されている被曝線量1115等の情報をダウンロードするボタンである。表示画面1101の上書保存ボタンは、選択ボックス1102で選択されている検査情報に対して上書保存を行うボタンである。
ここでレイサム画像は生成したが被曝線量1115が算出されていないNo.4またはNo.6の検査に対して被検体の体型に応じた被曝線量を登録させたい場合について説明する。No.4またはNo.6が選択された状態でダウンロードボタン1120を押下すると、医用画像表示装置102のCPU201は、線量管理ツールを起動する。そして、管理サーバ104に記憶されている対応するレイサム画像とCTDIvolの代表値とを取得する。そして図3乃至9を用いて説明した被曝線量算出の流れと同様に、レイサム画像から体幅及び体厚の少なくとも一方の被検体情報を特定し、特定した被検体情報を用いてCTDIvolを補正して被曝線量算出する。
そのうえで、線量管理画面500のデータ保存ボタン522を押下することで、算出した被曝線量をダウンロードした検査情報に対して上書保存させることができる。
また、このように医用画像表示装置102で算出する処理を行わずとも直接上書保存させることもできる。
このように複数の断層画像を保存していなくともレイサム画像が保存されていることで、所望のタイミングで被曝線量を算出することができ、さらに保存させることもできる。
図10に戻りグラフ生成処理の説明を続ける。S1005では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザによってグラフ表示ボタン1131が押下されたかを判断する。ユーザによってグラフ表示ボタン1131が押下されたと判断された場合には、S1006で、医用画像表示装置102のCPU201が、グラフ表示条件の条件欄1130の条件とともに、画像管理サーバ104に対してグラフ表示要求を行う。具体的には、グラフ表示ボタン1131が押下された際に条件欄1130でチェックされている項目に対応したグラフの表示要求が、画像管理サーバ104に対して行われる。
S1007では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザから指定された条件に応じたグラフを生成する。具体的には、予め条件設定ごとに適用するグラフのテンプレートを用意しておき、条件欄1130で設定された条件に応じてテンプレートを選択し、被曝線量として管理されているデータをテンプレート上に反映することでグラフを生成する。
S1008では、画像管理サーバ104のCPU201が、S1007で生成されたグラフを医用画像表示装置102に送信する。
S1009では、医用画像表示装置102のCPU201が、画像管理サーバ104から送信されたグラフを表示し、終了する。
次にこのように生成されるグラフの一例を具体的に説明する。図11の条件欄1130で、撮影部位:胸部、腹部、性別:女性、男性、項目:CTDIvol、被曝線量が選択された状態でグラフ表示ボタン1131が押下された場合を図12に示す。この場合、胸部と腹部に区分けされ、かつ、女性と男性に区分けされ、かつ、CTDIvolと被曝線量に区分けされたテンプレートが選択され、管理されている検査情報がプロットされたグラフが表示される。
また、図11に示す条件欄1130で、撮影部位:胸部がチェックされ、性別:女性がチェックされ、項目:CTDIvolがチェックされ、パーセンタイル表示がチェックされている場合には、図13(a)に示すようなテンプレートが選択され、検査情報がプロットされたグラフが表示される。
さらに、図11に示す条件欄1130で、撮影部位:胸部がチェックされ、性別:男性がチェックされ、項目:被曝線量がチェックされ、パーセンタイル表示がチェックされている場合には、図13(b)に示すようなテンプレートが選択され、検査情報がプロットされたグラフが表示される。
なお、図11の条件欄では、項目のいずれか一方が選択されていない場合にはグラフを表示させることができないため、このいずれかが選択されていない場合には、グラフ表示ボタン1131をグレーアウトさせるなどして選択できないようにしてもよい。
以上のように管理されている検査情報をもとに、所望の条件に応じたグラフが表示できることで、ユーザは適切な被曝線量とする指標を把握することができる。
次に、図14を用いて、体型特定画像について説明する。図14は、体型特定画像の一例を示す図である。図14(a)は、体型情報が適切に算出された場合における体型特定画像の表示の例を示す。図14(b)は、体型特定画像が適切に算出されていない場合における体型特定画像の表示の例を示す。ここで、「体型特定画像」は、上述した被曝線量を算出した際の体型情報として、断層画像あるいはレイサム画像におけるいずれの領域を用いたかを識別可能に表示した画像である。ここで、「識別可能に表示」とは、断層画像あるいはレイサム画像に対して、該画像に含まれる被検体の輪郭を識別するための識別情報(輪郭情報)を重畳表示する形態を含む。ここで、輪郭情報を重畳表示する形態には、断層画像あるいはレイサム画像に含まれる被検体の輪郭に対して、該輪郭情報を重ね合わせて表示する形態を含む。「輪郭情報」は、少なくとも、該画像に含まれる被検体の輪郭を特定するための線あるいは枠を含む。また、輪郭情報は、医用画像表示装置102のCPU201により算出した結果を示すものであり、必ずしも画像の輪郭と一致するものではない。
体型情報確認画面1400は、医用画像表示装置102で表示される表示画面である。なお、体型情報確認画面1400は、医用画像表示装置102のCPU201により表示制御され、該制御によりディスプレイ210等の表示器に表示される。ここで、本実施形態における表示器は、表示部として機能する。
体型情報確認画面1400は、少なくとも、表示される画像の内容を示す表示情報1410、1420と、体型特定画像1430、1450とを含む。体型情報確認画面1400は、更に、画面を閉じるための表示アイテム1470を含む。
体型特定画像1430は、断層画像に対して体型情報を特定する輪郭情報1440が重畳表示された画像である。輪郭情報1440は、視認性を向上するために、輪郭に対応する部分を破線で示して表示されている。
体型特定画像1450は、レイサム画像に対して体型情報を特定する輪郭情報1460が重畳表示された画像である。輪郭情報1460は、視認性を向上するために、輪郭を破線で示し重畳表示させている。
再計算入力受付部1480は、被曝線量を再計算する処理を受け付ける表示アイテムである。医用画像表示装置102のCPU201は、ユーザにより再計算入力受付部1480が選択されると、体型特定画像を用いて体型情報の再計算を行う。
編集入力受付部1490は、輪郭情報1440の表示される位置を編集するための表示アイテムである。
次に、図14(a)と図14(b)の違いについて説明する。図14(a)では、体型特定画像1430の断層画像の輪郭と、輪郭情報1440の破線とが重畳表示されている。このため、ユーザは、体型特定画像1430により体型情報が間違っていないことを視覚的に識別することができる。図14(b)では、領域1431で示すように、体型特定画像1430の断層画像の輪郭と、輪郭情報1440の破線との間で2次元上の位置が一部ずれて表示されている。なお、領域1431は、説明の便宜上表示している枠であり、体型情報確認画面1400に表示されるものではない。なお、体型特定画像1450と輪郭情報1460でも同様である。
次に、ユーザが輪郭情報1440の表示位置を変更して再計算する場合の操作について説明する。医用画像表示装置102のCPU201は、ユーザの操作により、輪郭情報1440の表示位置の変更を受け付ける。医用画像表示装置102のCPU201は、編集入力受付部1490への入力があった場合に、その表示位置の変更を確定させる。このため、ユーザは、図14(b)の領域1431のように、輪郭情報1440と実際の体型特定画像1430とがずれている場合に、その輪郭情報1440の位置を編集することが可能となる。次に、ユーザの操作により、再計算入力受付部1480への入力を受け付けた場合に、該編集後の輪郭情報1440の位置に応じて体型情報を再計算する。なお、編集後の体型情報の値は、画像管理サーバ104で更新され管理される。
体型情報確認画面1400は、このように、体型特定画像1430と体型特定画像1450のように、方向の異なる2種類の画像において、輪郭情報1460を表示することにより、体型情報が適切に算出できていない部分を容易に特定できる。なお、体型情報確認画面1400は、一方向(一種類)のみの体型特定画像を表示するものであってもよい。
以上により、被曝線量を算出に用いた体型情報が適切に算出されているかを識別可能に表示することができる。
次に、図15を用いて一覧画面1500について説明する。図15における表示画面1500は、画像管理サーバ104から送信された画面を医用画像表示装置102のCPU201により表示制御され、該制御によりディスプレイ210等の表示器に表示される。一覧画面1500は、図3のフローチャートで示した被曝線量算出した後の各情報を一覧表示した画面である。なお、一覧画面1500は、複数の算出処理で算出した場合の結果を一覧で表示したものである。
一覧画面1500は、患者情報1510と、被曝量判定結果1520と、被曝量算出結果1553と、少なくとも含み、これらが互いに対応付けられた状態で表示される。
患者情報1510は、患者を特定するための情報であり、医用画像のDICOMデータに含まれる情報である。なお、患者情報1510は、図15に記載された内容に限定されるものでなく、表示画面1104〜1117で表示する各種情報を含んでいてもよい。また、患者情報1510は、医用画像の検査あるいは患者を1単位としたものであり、複数のシリーズ画像が含まれる。シリーズ画像とは、1つの検査における1又は複数の画像データからなるデータである。
被曝量判定結果1520は、線量指標1552または被曝量算出結果1553の少なくともいずれか一方が基準値よりも大きいか否かを識別可能に表示した情報である。ここで、線量指標1552は、本実施形態において、医用画像におけるDICOMデータの付帯情報として出力されるCTDIvolである。ここで、線量指標1552における基準値は、診断参考レベルの指標であるDRL(Diagnostic Reference Level)の値を適用してもよい。なお、DRLは、診断の参考値として用いられる値であり、標準的な体格の患者または標準ファントムについて、容易に測定され再現性の高い線量尺度を用いて設定される基準値であり線量限度を定めるものではない。被曝量算出結果1553の基準値は、線量指標1552における基準値と同様にDRLに基づくものであってもよいし、統計データに基づいてユーザが任意に設定した値であってもよい。一覧画面1500で、被曝量判定結果1520を患者情報単位で識別可能とすることで、ユーザは被曝量の高い患者を容易に識別することが可能となる。また、一覧画面1500は、被曝量判定結果1520の各表示欄で基準値よりも大きいか否かを示すための表示アイテム1521を表示する。表示アイテム1521は、一例として、基準値よりも大きいこと示しているが(図15における「×」)、これに限られるものではない。
表示アイテム1530は、ユーザの操作に応じて被曝線量を表示するか否かを変更する機能を備える。具体的には、ユーザの操作に基づいて表示アイテム1530が選択された場合に、被曝線量の表示領域1540の表示の可否が相互に切り替わる。さらに、表示アイテム1530が選択される毎に、被曝線量の表示状態に応じて、表示アイテム1530の表示状態が変更される。
被曝線量の表示領域1540は、患者情報1510に対応する被曝線量を表示する領域である。表示領域1540には、シリーズ画像情報1551と、線量指標1552と、被曝量算出結果1553とが表示される。被曝線量の表示領域1540は、体型特定画像を表示するための表示アイテム1560を更に含む。具体的には、ユーザの操作に基づいて表示アイテム1560が選択された場合に、体型情報確認画面1400が表示される。なお、表示アイテム1560は、一覧画面1500とは異なる画面に表示されるものであってもよい。表示領域1540は、シリーズ画像情報1551と、線量指標1552と、被曝量算出結果1553とからなる情報1550を、シリーズ毎に異なる領域で表示する。本実施形態では、一覧画面1500において、シリーズ1とシリーズ2とが情報1550の1単位として表示されている。
ここで、被曝量算出結果1553は、同一の検査情報に含まれる1つのシリーズ画像に対して複数の算出方法により被曝線量を算出した結果を含む。ここで、被曝量算出結果1553として表示される方法1と方法2は、それぞれが互いに被曝線量の算出方法が異なる。ここで、算出方法が異なる場合には、例えば、体型情報の特定方法が異なる場合が含まれうる。医用画像表示装置102のCPU201は、体型情報の特定方法の一つとして、レイサム画像から被検体の輪郭を特定し、該特定した輪郭における体軸あるいは体軸に対して垂直な方向の長径を求める。また、医用画像表示装置102のCPU201は、体型情報の他の特定方法として、レイサム画像から被検体の断面を特定し、該特定した断面の面積(断面積)に基づいて体型情報を算出する。より具体的には、医用画像表示装置102のCPU201は、当該断面を真円と仮定し断面積から長径を算出する。シリーズ1における被曝量算出結果1553は、複数の被曝線量の差が小さい場合を示す。その一方で、シリーズ2における被曝量算出結果1553は、複数の被曝線量の差が大きい場合を示している。
次に、医用画像表示装置102のCPU201による被曝量算出結果1553の表示制御処理について説明する。医用画像表示装置102のCPU201は、複数の算出方法により算出した複数の被曝線量を、互いに対比可能な態様で表示器に表示するように制御する。互いに対比可能な態様は、表示領域1540における同一のシリーズ画像の表示領域内に、縦あるいは横方向に並列して表示する態様を含む。このように、複数の算出方法により算出した被曝線量が表示されることで、ユーザが目的に応じた値を適切に参照することができる。つまり、従来のように、1つの方法で算出された被曝線量を参照する場合には、ユーザは、その値が適切な値かどうかを確認することが困難であった。しかし、上述のように、複数の算出方法により算出した被曝線量を同一画面上で表示することにより、ユーザは被曝線量の値の妥当性の判断を容易に行うことができる。さらに、ユーザは、従来のように、1つの方法で算出された被曝線量を参照する場合に、被曝線量が誤って算出された場合に、再度別の方法で被曝線量をする操作をすることなく適切な被曝線量を参照することが可能となる。らに、医用画像表示装置102のCPU201は、複数の算出方法により算出した複数の被曝線量と該複数の算出方法の名称との対応関係を識別可能な態様で、複数の算出方法により算出した被曝線量を表示器に表示する。図15では、一例として、複数の算出方法の名称である「方法1」と複数の被曝線量である「30mGy」とを被曝量算出結果1553の領域内であって近傍の領域に表示することで対応関係を識別可能としている。このことにより、ユーザは、方法毎の被曝線量の値の妥当性の判断を容易に行うことができる。
さらに、医用画像表示装置102のCPU201は、被曝線量の算出に用いた医用画像におけるDICOMデータの付帯情報に含まれる線量情報と、複数の算出方法により算出した被曝線量とを、互いに対比可能な態様で表示器に表示する。図15では、一例として、医用画像表示装置102のCPU201は、線量指標1552と、被曝量算出結果1553とを、シリーズ1および2の単位で対応づけて並列に表示する。このことにより、ユーザは、線量指標1552と、被曝量算出結果1553とを相互に比較して方法毎の被曝線量の値の妥当性の判断および線量指標1552の妥当性の判断を容易に行うことができる。
次に、医用画像表示装置102のCPU201による警告1554の表示制御処理について説明する。医用画像表示装置102のCPU201は、複数の算出方法により算出した被曝線量の値がしきい値よりも大きい場合には警告1554を表示することができる。なお、医用画像表示装置102のCPU201は、線量指標1552に関しても同様にしきい値よりも大きいか否かを判定し警告を表示してもよい。つまり、医用画像表示装置102のCPU201は、複数の算出方法により算出した複数の被曝線量同士の絶対値の差が予め設定された閾値よりも大きい場合に表示アイテム(警告1554)を表示器に表示するように制御する。一方で、医用画像表示装置102のCPU201は、複数の算出方法により算出した複数の被曝線量同士の絶対値の差が予め設定されたしきい値よりも小さい場合に、表示アイテム(警告1554)を表示器に表示しないように制御する。このことにより、ユーザは、算出した被曝線量が予め設定した被曝線量のしきい値を超えているか否かを容易に判断することができる。そして、ユーザは、差が大きい場合には複数の方法あるいはいずれか一方の体型情報の設定が適正か否かを判断することができる。医用画像表示装置102のCPU201は、複数の算出方法により算出した被曝線量の値がしきい値よりも大きい場合に、ユーザの操作に依らず自動的に体型情報確認画面1400を表示するように制御してもよい。更に、医用画像表示装置102のCPU201は、複数の算出方法により算出した複数の被曝線量のうち、選択した無効とすることができる。より具体的には、医用画像表示装置102のCPU201は、図12および図13で示したグラフ生成をする際、被曝量算出結果1553の選択した統計処理の対象外とすることができる。ユーザは、明らかに誤って算出された被曝線量を統計処理に加えないことにより、グラフ生成処理の精度を向上することが可能となる。
次に、図16を用いて、被曝線量および体型特定画像を表示するための一連の流れを説明する。図16のフローチャートに示す処理は、医用画像表示装置102のCPU201及び画像管理サーバ104のCPU201でにより記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図16のS1601では、医用画像表示装置102のCPU201が、画像管理サーバ104に対して、一覧画面の表示要求をする。
S1602では、画像管理サーバ104のCPU201が、医用画像表示装置102の表示要求に応じて、画像管理サーバ104内で管理されているX線CTの複数の検査情報をもとに、レイサム画像や被曝線量等の管理情報を把握することができる一覧画面1500を生成する。それとともに、S1603で医用画像表示装置102に対して一覧画面1500を送信する。
S1604では、医用画像表示装置102のCPU201が、画像管理サーバ104から送信された一覧画面1500をディスプレイ上に表示させる。
S1605では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザによって表示アイテム1530が押下されたかを判断する。ユーザによって表示アイテム1530が押下されたと判断された場合に、S1606で、医用画像表示装置102のCPU201が、被曝線量の表示領域1540の表示要求を行う。具体的には、表示アイテム1530が押下された際に対応する患者情報1510に対応する表示領域1540の表示要求が、画像管理サーバ104に対して送信される。なお、図15で説明したとおり、表示領域1540は、被曝線量の詳細な情報が表示される領域である。
S1607では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザから指定された条件に応じた表示領域1540を生成する。具体的には、予め表示領域1540にシリーズ単位で被曝量算出結果1553を表示するためのテンプレートを用意しておき、管理されている被曝線量等の各種データをテンプレート上に反映することで表示領域1540として表示すべき画像を生成する。
S1608では、画像管理サーバ104のCPU201が、S1607で生成された表示領域1540の画像を医用画像表示装置102に送信する。
S1609では、医用画像表示装置102のCPU201が、画像管理サーバ104から送信された表示領域1540の画像を表示する。
S1610では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザにより表示アイテム1560が押下されたかを判断する。当該判断がされた場合には、S1611で、医用画像表示装置102のCPU201が、体型情報確認画面1400の表示要求を行う。具体的には、表示アイテム1560が押下された際に対応するシリーズの体型情報確認画面1400の表示要求が、画像管理サーバ104に対して送信される。
S1612では、医用画像表示装置102のCPU201が、ユーザから指定された条件に応じた体型特定画面1430、1450を生成する。具体的には、予め型情報確認画面1400にシリーズ単位で体型特定画面1430、1450を表示するためのテンプレートを用意しておき、管理されている体型特定画像1430、1450をテンプレート上に反映することで型情報確認画面1400として表示すべき画像を生成する。
S1613では、画像管理サーバ104のCPU201が、S1612で生成された体型情報確認画面1400の画像を医用画像表示装置102に送信する。
S1614では、医用画像表示装置102のCPU201が、画像管理サーバ104から送信された体型情報確認画面1400の画像を表示し一連の処理を終了する。
以上の処理により、被曝線量管理システムにおいて、複数の算出方法で算出した被曝線量を容易に比較することができる仕組みを提供することが可能となる。
以上の処理により、被曝線量管理システムにおいて、被曝線量の算出に用いる被検体の体型情報が適切に特定されたか否かを容易に確認することができる。
上述の実施形態では、被曝線量管理システムにおいて、医用画像表示装置102のCPU201が、特定手段、算出手段、表示制御手段、として機能し、画像管理サーバ104が、管理手段として機能するものとして説明した。なお、上述の実施形態は、各機能が、医用画像表示装置102あるいは画像管理サーバ104のいずれか一方により実行されるものであってもよい。また、特定手段、算出手段、表示制御手段の各機能が、医用画像表示装置102のCPU201とは異なる制御
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置の情報処理装置が前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するために、前記情報処理装置にインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行して情報処理装置にインストールさせて実現することも可能である。
また、情報処理装置が、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。