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JP6913508B2 - エアバッグ装置及びシートベルト装置 - Google Patents

エアバッグ装置及びシートベルト装置 Download PDF

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Description

本発明は、エアバッグ装置及びシートベルト装置に関する。
従来、ウェビングに摺動可能に支持されたバッグアッセンブリを備え、バッグアッセンブリに収納されたバッグを膨張させて乗員を拘束する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−260807号公報
しかしながら、従来の技術では、バッグアッセンブリの上端がバッグの膨張時にウェビングに固定されるので、バッグアッセンブリの長手方向の長さがバッグの膨張前後で変わらない。そのため、バッグが膨張する前の非膨張状態でのバッグアッセンブリのサイズが大きくなりやすい。非膨張状態でのバッグアッセンブリのサイズが大きいと、例えば、車両への搭載性が低下するおそれがある。
そこで、本開示では、エアバッグが膨張する前の状態でのサイズを小さくできるエアバッグ装置及び該エアバッグ装置を備えたシートベルト装置が提供される。
本開示の一態様では、
ウェビングの長手方向への移動をガイドする縦長のウェビングガイドと、
前記ウェビングガイドの外側に配置された膨張可能なエアバッグと、
前記エアバッグを覆うバッグカバーと、
前記ウェビングガイドのガイド上端部と前記バッグカバーのカバー上端部とを連結し、前記エアバッグの膨張展開に伴って、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動する連結部材とを備え、
前記連結部材は、前記エアバッグの膨張展開によって、前記ガイド上端部及び前記カバー上端部から離れて、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動する、エアバッグ装置が提供される。
本開示の他の一態様では、当該エアバッグ装置を備えるシートベルト装置が提供される。
本開示の一態様によれば、上側連結部材がエアバッグの膨張展開に伴って、エアバッグと共にウェビングに沿って上方に移動する。そのため、エアバッグが膨張する前の状態でのエアバッグ装置の長手方向の長さを、エアバッグが膨張した後の長さよりも短縮することができる。したがって、エアバッグが膨張する前の状態でのエアバッグ装置のサイズを小さくすることができる。
一実施形態に係るシートベルト装置の構成の一例を示す図である。 一実施形態に係るシートベルト装置のタング及びエアバッグ付近の断面図である。 平たく広げたエアバッグの斜視図である。 エアバッグの上部が折り畳まれた状態の一例を示す図である。 エアバッグが全体的に折り畳まれた状態の一例を示す図である。 図2に示される切断線D−Dでの断面図である。 エアバッグ装置の一例を示す下部断面図である。 上側連結部材の一例を示す分解斜視図である。 エアバッグ装置の一例を示す上部断面図である。 エアバッグの膨張展開状態の一例を模式的に示す図である。 エアバッグの膨張展開状態の他の一例を模式的に示す図である。 上側連結部材の一例の分解組み立て図である。 上側連結部材の一例の斜視図である。 ガイドカバーを下方から視点で示す図である。 ガイドカバーとガイドベースとフックピンとの取り付け位置関係を示す図である。 フックピンがガイドカバーに取り付けられた状態を示す正面図である。 図16に示される切断線A−Aでの断面図である。 図16に示される切断線B−Bでの断面図である。 図16に示される切断線C−Cでの断面図である。
以下、本開示に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交する。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向及びZ軸に平行な方向を表す。XY平面、YZ平面、ZX平面は、それぞれ、X軸とY軸を含む平面、Y軸とZ軸とを含む平面、Z軸とX軸とを含む平面を表す。
図1は、一実施形態に係るシートベルト装置の構成の一例を模式的に示す斜視図である。図1に示されるシートベルト装置100は、車両の座席1に装備されている。シートベルト装置100は、リトラクタ2、ウェビング11、エアベルト10、ショルダアンカ7、タング4及びバックル9を備える。
リトラクタ2から引き出されたウェビング11は、ショルダアンカ7を通って引き回され、タング4で折り返される。ウェビング11の端部は、アンカープレート6に定着されている。アンカープレート6は、固定ボルト5を介してシート又は車体の不図示の固定部に固定される。
座席1は、例えば、運転席又は助手席などの前方座席である。座席1は、後方座席でもよい。
リトラクタ2は、ウェビング11の送り出し又は巻き取りを行う装置であり、この実施の形態ではBピラーに設置されている。しかしながら、リトラクタ2は、座席1の位置に対応して、例えばBピラー、Cピラー、後方座席の後方のトレイなどの車体側部位に設置されてもよい。また、リトラクタ2は、座席1の内部(例えば、シートバック1Bの内部)に設置されてもよい。
ウェビング11に摺動可能に取り付けられたタング4よりもショルダアンカ7側には、エアベルト10が装着されている。タング4は、ガス供給パイプ4aとタングプレート4b等を備えている。ガス供給パイプ4aは、金属製筒状体であり、ガス供給パイプ4aに連通するタング4内のガス供給経路を介して、後述の図3に示されるエアバッグ20の下端部のガス導入口21に連通している。
図2は、一実施形態に係るシートベルト装置のタング及びエアバッグ付近の断面図である。タング4のタングプレート4bの先端側には、タングプレート4bがバックル9内に差し込まれたときにバックル9内のラッチ部材が係合するラッチ孔4cが設けられている。タングプレート4bの後端側は、樹脂モールド4d内に埋設されている。樹脂モールド4dに、ウェビング11の挿通口4eが設けられている。
図1において、タング4が着脱されるバックル9は、ブラケット9aを介してシート又は車体の固定部(図示せず)にボルト等の固定部材を介して固定される。バックル9には、タングプレート支持穴9bとガス供給パイプ連結穴9cとが形成されており、タング4の装着時にタングプレート4bとガス供給パイプ4aとはバックル9の各穴9b,9cに挿入される。ガス供給パイプ4aが挿入されるガス供給パイプ連結穴9cには、バックル9に設置されたインフレータ16のガス噴出口(図示せず)が連通されている。衝突時等に、インフレータ16内の点火剤の反応によりインフレータ16のガス噴出口からガスが噴出し、エアベルト10が図1の二点鎖線10'で示すようにウェビング11に沿って膨張する。エアベルト10は、ウェビング11の長手方向に沿って膨張展開しながら上方(本実施形態では、ショルダアンカ7側)に移動する。
図2において、エアベルト10は、エアバッグ装置の一例である。エアベルト10は、ウェビング11が挿通されたウェビングガイド30と、ウェビングガイド30に沿って延在する膨張可能なエアバッグ20と、エアバッグ20の折り畳み体を覆うバッグカバー40と備える。エアバッグ20は、ウェビング11の挿通方向に細長く折り畳まれた状態でウェビングガイド30の外側に配置されている。また、エアベルト10は、ウェビングガイド30及びバッグカバー40の下端側をタング4に連結する下側連結部材50と、エアバッグ20、ウェビングガイド30及びバッグカバー40の上端側同士を連結する上側連結部材51とを備える。
バッグカバー40は、カバー上端部46を有し、ウェビングガイド30は、カバー上端部46に対向するガイド上端部36を有する。カバー上端部46は、ウェビング11の挿通方向での第1のカバー端部の一例である。ガイド上端部36は、第1のカバー端部に対向する第1のガイド端部の一例である。また、バッグカバー40は、カバー下端部47を有し、ウェビングガイド30は、カバー下端部47に対向するガイド下端部37を有する。カバー下端部47は、ウェビング11の挿通方向で第1のカバー端部とは反対側の第2のカバー端部の一例である。ガイド下端部37は、第2のカバー端部に対向する第2のガイド端部の一例である。
ウェビングガイド30は、ガイド上端部36とガイド下端部37との間に連続して延在する周壁部38を有する。周壁部38がガイド上端部36とガイド下端部37との間に連続して延在することにより、孔や隙間等の切れ目が周壁部38には形成されていないので、周壁部38を介してバッグカバー40とウェビングガイド30との間に異物が混入することを防ぐことができる。
縦長のウェビングガイド30は、ウェビング11の長手方向への移動をガイドする。エアバッグ20は、ウェビングガイド30の外側に配置されている。上側連結部材51は、エアバッグ20が膨張展開する前の非膨張展開状態では、ウェビングガイド30のガイド上端部36とバッグカバー40のカバー上端部46とを連結する。そして、上側連結部材51は、エアバッグ20が膨張展開している状態では、エアバッグ20の膨張展開に伴って、エアバッグ20と共にウェビング11の長手方向に沿って上方に移動する(図1の二点鎖線10'、51'参照)。
このように、エアベルト10は、エアバッグ20の膨張展開に伴って、エアバッグ20と共にウェビング11に沿って上方に移動する上側連結部材51を備える。このような上側連結部材51を備えることによって、非膨張展開状態でのエアベルト10の長手方向の長さを、膨張展開状態での長さよりも短縮することができる。したがって、エアバッグ20が膨張展開する前の状態でのエアベルト10のサイズを小さくすることができる。その結果、エアベルト10を車両に搭載する際の搭載性が向上する。また、エアバッグ20が膨張展開する前の通常使用状態でのエアベルト10のサイズを小さくすることができるので、エアベルト10が通常使用状態で乗員に与える煩わしさを低減することができる。
図3は、平たく広げたエアバッグの一例を示す斜視図である。エアバッグ20は、下端側(タング4側)にガス導入口21を備えている。エアバッグ20は、ウェビング11に沿うように細長く延在する。エアバッグ20の上端側(ショルダアンカ7側)には、突片部22が設けられている。突片部22に係止孔22aが設けられている。突片部22は、エアバッグ20のバッグ上端部の一例である。
エアバッグ20は、細長い2枚の基布20a,20bを重ね合わせ、それらの周縁部を縫合糸23によって縫合することにより、細長い袋状に製作される。
エアバッグ20の長手方向の中間よりも下端側(タング4側)には、ウェビングガイド30をエアバッグ20の基布20a側から反対側の基布20b側に引き通すためのスリット24が設けられている。このスリット24を取り巻いて基布20a,20b同士を縫合するように縫合糸25Aによる縫合及び縫合糸25Bによる縫合が施されている。
エアバッグ20の長手方向の中間付近から上端側(突片部22側)にかけて、ウェビングガイド30を通すための複数個のループ部26が間隔をあけて設けられている。本実施形態では、5個のループ部26a〜26eが基布20aの表面から突出するように設けられている。ループ部26は、布片よって形成されている。各々のループ部26の両側辺部は、縫合糸26iによりエアバッグ20の基布20aに縫着されている。
エアバッグ20の長手方向の中間付近かつ幅方向の中間付近には、基布20a,20b同士を縫合する縫合糸27による縫合が施されている。この縫合糸27及び縫合糸25Bによる縫合を施すことにより、エアバッグ20の膨張時の厚みが規制される。
図4は、エアバッグの上部が折り畳まれた状態の一例を示す図である。各々のループ部26と基布20aとの間に、スリット24と突片部22(図3参照)とを結ぶ方向にウェビングガイド30が挿通される。図4では、図示が省略されているが、ウェビングガイド30には、ウェビング11が挿通されている。図4に示されるように、基布20aに沿ってループ部26を挿通するウェビングガイド30は、スリット24を通って基布20a側から基布20b側へ引き通され、ガス導入口21近傍まで延在する。ウェビングガイド30は、図2に示されるように、バッグカバー40のカバー下端部47からカバー上端部46まで連続して延在している。
ウェビングガイド30は、ウェビング11が挿通方向に移動自在に挿通する平坦で細長い筒状部材であり、ポリウレタン樹脂やシリコーンエラストマー等の樹脂材料により形成されている。ウェビングガイド30の長手方向の側面には、ガイド上端部36に形成された対向する一対の係止孔30a,30b(図4,5参照)以外の孔は設けられていない。これにより、ウェビングガイド30の内部に異物が入った場合でも、この異物がエアバッグ20とバッグカバー40との間に入り込むことを防ぐことができる。
第1の係止孔30aは、ガイド上端部36において、対向する一対のガイド側面のうちの第1のガイド側面に設けられている。第2の係止孔30bは、ガイド上端部36において、対向する一対のガイド側面のうちの第2のガイド側面に設けられている。
ウェビングガイド30がループ部26及びスリット24に引き通されたエアバッグ20は、図4の通り、突片部22側を複数の折り目F〜Fに沿って複数回折り返されることにより、その全長を小さくした中間折り畳み体になる。エアバッグ20は、複数の折り目F〜Fがウェビング11の長手方向に並ぶように蛇腹折りで折り畳まれた状態でバッグカバー40に覆われている。エアバッグ20がウェビング11の長手方向に蛇腹折りで折り畳まれていることによって、非膨張状態でのエアベルト10の長手方向の長さを短縮することができる。また、膨張展開時のエアベルト10の上方への伸長がスムーズになる。
折り目F〜Fの延在方向は、エアバッグ20の長手方向と直交方向である。この中間折り畳み体をエアバッグ20の長手方向の折り返し線に沿ってウェビングガイド30を包むように折り返して、図5に示す折り畳み体とする。図5は、エアバッグが全体的に折り畳まれた状態の一例を示す図である。図5の状態では、ガス導入口21及びその近傍部が図5の上側にはみ出している。そこで、図示は省略するが、このはみ出した部分をウェビングガイド30と重なる側へ折り返し、全体として略等幅の細長い折り畳み体とする。
ウェビングガイド30とエアバッグ20の折り畳み体とが、図2及び図6の通り、バッグカバー40内に挿入される。バッグカバー40は、平坦で細長い筒状のカバーの一例である。バッグカバー40は、エアバッグ20の膨張圧によって切断する縫合糸で縫製されるか、又はエアバッグ20の膨張に合わせて膨張する伸縮可能なメッシュにより形成されている。この実施の形態では、ウェビングガイド30とバッグカバー40の全長は略等しく、ウェビングガイド30とバッグカバー40の下端及び上端の位置は略一致している。
図6は、図2に示される切断線D−Dでの断面図である。ウェビングガイド30は、ウェビング11との間に空間を形成するようにガイド上端部36とガイド下端部37との間に連続して延在する周壁部38を有する。周壁部38とウェビング11との間に空間が形成されているので、ウェビング11の滑りを向上させることができる。また、ウェビングガイド30の内周面(周壁部38の内周面)に形成されたコーティング39は、ウェビング11の滑りを更に向上させることができる。例えば、コーティング39の主成分に関し、ベースバインダーは、フッ素系樹脂、潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチエン(polytetrafluoroethylene, PTFE)固定潤滑剤、潤滑剤量は、30〜40%、添加剤は、シリコーンオイルであると好適である。
図7は、エアバッグ装置の一例を示す下部断面図であり、ウェビングガイド30及びバッグカバー40の下端側(タング4側)とタング4との下側連結部材50の断面図である。下側連結部材50は、ジョイントインナ80と、ジョイントアウタ90と、ハウジング4H等を有する。
ハウジング4Hは、ジョイントインナ80と、ジョイントアウタ90と、タング4の後部を囲む。ハウジング4Hは、ハウジングアッパー4hとハウジングロワー4iとによって、樹脂モールド4d及びタングプレート4bを挟み込む。ハウジング4Hのハウジングアッパー4hには、ウェビングガイド30及びバッグカバー40を受け入れる開口4jと、開口4jの縁部から突出する起立壁4kとが設けられている。
ジョイントインナ80は、扁平環状の基部81と、基部81からタング先端側に向って張り出す張出部83と、基部81と張出部83との境界部から起立する鍔部82等を有する。ウェビングガイド30の下端内部にジョイントインナ80の基部81が挿入される。ジョイントインナ80は、ウェビングガイド30の下端が鍔部82に当接するまでウェビングガイド30に挿入される。
ジョイントインナ80の基部81の外側にウェビングガイド30の下端部が嵌まり、ウェビングガイド30の下端部の外側にジョイントアウタ90が嵌まる。ジョイントアウタ90とジョイントインナ80の基部81との間で、ウェビングガイド30の下端部が挟持される。これにより、ウェビングガイド30がジョイントインナ80に連結される。
ジョイントアウタ90は、基部81よりも一回り大きい扁平環状の部材である。ジョイントアウタ90の外面からは複数のフック91が立設されている。バッグカバー40の下端近傍には、フック91に掛けられる引っ掛け孔41が設けられている。バッグカバー40の引っ掛け孔41をフック91に掛けた後、ジョイントインナ80をタング4の樹脂モールド4dに係合させる。
ハウジングアッパー4hの起立壁4kはフック91に係合している。ジョイントインナ80の張出部83の先端側は、ウェビング11の挿通口4e近傍の樹脂モールド4dに密着している。
このように、ウェビングガイド30の下端側が、ジョイントインナ80とジョイントアウタ90とで挟持され、ウェビングガイド30とバッグカバー40との合わせ面がハウジング4Hにより密閉されて包囲されている。よって、異物がウェビングガイド30とバッグカバー40の下端側の合わせ面に入り込むことが防止される。
図8は、上側連結部材の一例を示す分解斜視図である。図9は、エアバッグ装置の一例を示す上部断面図である。次に、図8,9を参照して、エアバッグ20、ウェビングガイド30及びバッグカバー40の上端側(ショルダーアンカ側)の緊結構造について説明する。図8,9に示される上側連結部材51Aは、上側連結部材51(図2参照)の一例である。上側連結部材51Aは、ガイドベース160、ガイドカバー170及び一対のフックピン181,182を有する。
ガイドベース160の材質は、合成樹脂であることが好ましい。ガイドカバー170及び一対のフックピン181,182の材質も、合成樹脂であることが好ましいが、軽量アルミニウムや高強度の木材でもよい。
図9の通り、エアバッグ20が重ね合わされたウェビングガイド30は、バッグカバー40により包囲されている。ウェビングガイド30及びバッグカバー40には、エアバッグ20の突片部22の係止孔22aと重なる位置に係止孔30a,40aが設けられている。また、係止孔30a,40aが設けられている側とは反対側において、ウェビングガイド30の係止孔30bと重なる位置にバッグカバー40の係止孔40bが設けられている。
ウェビングガイド30の上端にガイドベース160が差し込まれる。ガイドベース160は、ガイド上端部36に取り付けられたガイドベースの一例である。ガイドベース160は、ウェビングガイド30内に差し込まれる扁平環状部161と、扁平環状部161から外側に突出する一対の柱部165,166と、扁平環状部161の上端部に連なる折り返し部163a,163bを有する。折り返し先端部164aは、折り返し部163aにおいて折り返された後の上下方向部分であり、折り返し先端部164bは、折り返し部163bにおいて折り返された後の上下方向部分である。第1の柱部165は、扁平環状部161の第1の扁平面から突出し、第2の柱部166は、扁平環状部161の第2の扁平面(第1の偏平面とは反対側の扁平面)から突出する。
カバー上端部46の先端部46cは、折り返し部163a,163bの内側に位置する。ガイドカバー170は、折り返し部163a,163bの外側でガイドベース160を取り囲む。ガイドベース160にガイドカバー170を被せる際に、折り返し部163a,163bの内側に挿入された先端部46cが外側(ガイド上端部36の先端部30cから離れる側)にめくれることを、折り返し先端部164a,164bにより防止することができる。
ガイドカバー170は、ガイドベース160の外側に嵌まる。ガイドカバー170は、ガイドベース160との間にカバー上端部46を少なくとも挟むガイドカバーの一例である。本実施形態では、ガイドカバー170は、ガイドベース160の扁平環状部161との間に、ウェビングガイド30のガイド上端部36とエアバッグ20の突片部22とバッグカバー40のカバー上端部46とを挟む。
ガイドカバー170は、平たい筒状の扁平環状部171と、扁平環状部171の一端側に設けられたエンド部172と、エンド部172に設けられたウェビング挿通口173と、ウェビング挿通口173の縁部から扁平環状部171内に向って突出する凸壁174等を有する。扁平環状部171には、フックピン181,182が挿入されるカバー孔部175,176が形成されている。
ガイドベース160とガイドカバー170とが連結されると、ウェビングガイド30のガイド上端部36とエアバッグ20の突片部22とバッグカバー40のカバー上端部46とが、ガイドベース160とガイドカバー170とで挟持される。フックピン181,182は、ガイドベース160の柱部165,166に引っ掛かることで、ガイドベース160とガイドカバー170とを連結する部材である。具体的には、ガイドカバー170がガイドベース160の外側に嵌まった状態で、フックピン181,182がカバー孔部175,176を通して柱部165,166に向って押し込まれることによって、ガイドベース160とガイドカバー170とが連結される。
このように、エアバッグ20、ウェビングガイド30及びバッグカバー40の上端側がガイドベース160とガイドカバー170とで挟持され、それらの合わせ面(端面)がガイドベース160とガイドカバー170とで取り囲まれている。よって、エアバッグ20とバッグカバー40との間に異物が入り込むことが防止される。
特に、この実施の形態では、エアバッグ20、ウェビングガイド30及びバッグカバー40において、各係止孔22a,30a,40aに柱部165が挿入されて貫通し、各係止孔30b,40bに柱部166が挿入されて貫通している。よって、エアバッグ20、ウェビングガイド30及びバッグカバー40と、ガイドベース160及びガイドカバー170との連結強度も高い。
図8において、ガイドベース160は、扁平環状部161の両脇から突出するように形成された一対のアーム162a,162bを有する。一方、ガイドカバー170は、扁平環状部171の内面に一対のリブ177a,177bを有する。リブ177aは、後述の図14に例示されている。リブ177bは、リブ177aと同一形状を有する。バッグカバー40には、X軸方向に対向する箇所に、アーム162aが貫通可能な係止孔40cとアーム162bが貫通可能な係止孔40dとが形成されている。バッグカバー40がウェビングガイド30と共にガイドベース160に組み付けられた状態で、係止孔40cにアーム162aが貫通するように挿入され、係止孔40dにアーム162bが貫通するように挿入される。ガイドベース160とガイドカバー170とが組み付けられた状態で、アーム162a,162bがリブ177a,177bと嵌合することで、上側連結部材51Aとバッグカバー40との連結強度は向上する。
なお、X軸方向は、ウェビングガイド30の幅方向を表す。Y軸方向は、ウェビングガイド30の長手方向を表す。Z軸方向は、ウェビングガイド30の厚さ方向を表す。
次に、エアバッグ20の膨張展開時の上側連結部材51Aの挙動について説明する。
図9において、エアバッグ20が膨張展開し始めると、エアバッグ20はバッグカバー40の内面を力Fで押し始める。ある程度以上の力Fがバッグカバー40に作用すると、バッグカバー40が破断し、バッグカバー40の内部からエアバッグ20が膨張展開しながら露出してくる。
図10は、エアバッグ20の膨張展開状態の一例を模式的に示す図である。図10において、便宜上、バッグカバー40の一部の図示が省略されている。エアバッグ20が膨張展開すると、膨張展開による上方への力が上側連結部材51Aに作用するとともに、エアバッグ20は突片部22と共に上方に移動しようとする。一方、ウェビングガイド30及びバッグカバー40は、下側連結部材50でタング4に固定されている。
したがって、エアバッグ20の膨張展開によって上方に移動するガイドベース160の柱部165,166によって、ガイド上端部36の先端部30c及びカバー上端部46の先端部46cは、切断される。先端部30cは、ガイド上端部36の係止孔30a,30bとガイド上端部36の上端30dとの間の部分である。先端部30c及び先端部46cが切断されるので、上側連結部材51Aは、ガイド上端部36及びカバー上端部46から離れて、エアバッグ20と共にウェビング11に沿って上方に移動する。つまり、上側連結部材51Aは、ガイド上端部36及びカバー上端部46を下方に残して、エアバッグ20と共にウェビング11に沿って上方に移動する。
一方、突片部22と柱部165,166は、いずれも上方に移動しようとするので、上方に移動する柱部165,166によって、突片部22の先端部22cは、切断されない。先端部22cは、突片部22の係止孔22aと突片部22の突端22bとの間の部分である。先端部22cが切断されないので、上側連結部材51Aは、エアバッグ20の突片部22と結合したまま、エアバッグ20と共にウェビング11に沿って上方に移動する。
図11は、エアバッグ20の膨張展開状態の他の一例を模式的に示す図である。図11において、便宜上、バッグカバー40の一部の図示が省略されている。図11も図10と同様に、エアバッグ20が膨張展開すると、膨張展開による上方への力が上側連結部材51Aに作用するとともに、エアバッグ20は突片部22と共に上方に移動しようとする。一方、ウェビングガイド30及びバッグカバー40は、下側連結部材50でタング4に固定されている。したがって、図10と同様に、上側連結部材51Aは、ガイド上端部36及びカバー上端部46から分離し、エアバッグ20の突片部22と結合したまま、エアバッグ20と共にウェビング11に沿って上方に移動する。
図11に示されるように、ループ部26e(図3,4参照)が設けられていることが好適である。エアバッグ20が膨張展開すると、エアバッグ20はループ部26eと共に上方に移動するため、ループ部26eのループ開口縁26eaは、上側連結部材51Aに当接する。したがって、突片部22は弛んだまま、突片部22よりも先行して、ループ部26eはループ開口縁26eaで上側連結部材51Aを下から全体的に持ち上げる。そのため、上側連結部材51Aに働く回転力R(図10参照)が抑制されるので、上側連結部材51Aはウェビング11に沿って上方に滑らかに移動する。
次に、上側連結部材51Aの連結構造について説明する。
図12は、上側連結部材の一例の分解組み立て図である。図13は、上側連結部材の一例の斜視図である。
図12,13に示される上側連結部材51Aは、ガイドカバー170とガイドベース160との複層構造を有し、フックピン181,182が複層構造の両側から差し込まれることで簡単に組み立てられる。
図14は、ガイドカバー170を下方から視点で示す図である。カバー孔部176は、スライド斜面176aを有する。カバー孔部175は、カバー孔部176と同一の形状を有する。
図15は、ガイドカバーとガイドベースとフックピンとの取り付け位置関係を示す図である。図15は、カバー孔部176側を示すが、カバー孔部175側も図15と同様である。図15の左側図は、ガイドベース160がガイドカバー170内に下方から挿入された状態を示す。
ガイドベース160の柱部166は、基部166aを有する。基部166aによって、上述のように、ガイド上端部36の先端部30c及びカバー上端部46の先端部46cが切断される。基部166aの引っ掛け壁166dには、複数の引っ掛け部166b,166cが設けられている。ガイドベース160がガイドカバー170内に下方から挿入されると、引っ掛け部166b,166cはスライド斜面176aをスライドする。
カバー孔部176は、取り付け孔176b,176c,176dを有する。一方、フックピン182は、複数のフック183〜188を有する。フック183,184,185,186は、取り付け孔176bに挿入される。フック187は、取り付け孔176cに挿入される。フック188は、取り付け孔176dに挿入される。
図16は、フックピン182がガイドカバー170に取り付けられた状態を示す正面図である。図17は、図16に示される切断線A−Aでの断面図である。図18は、図16に示される切断線B−Bでの断面図である。図19は、図16に示される切断線C−Cでの断面図である。
図17において、フック183の爪183aは、ガイドベース160の折り返し先端部164a,164bに上向きに引っ掛かる。フック184の爪184aは、ガイドベース160の引っ掛け壁166dに下向きに引っ掛かる。フック186は、ガイドベース160の引っ掛け壁166dに上向きに引っ掛かる。図18において、フック188は、ガイドベース160の折り返し先端部164a,164bに上向きに引っ掛かる。フック187(図15参照)も、フック188と同様に、ガイドベース160の折り返し先端部164a,164bに上向きに引っ掛かる。このように各部が引っ掛かることによって、上下方向の組み付け強度を向上させることができる。
一方、図17において、フック183の爪183aは、ガイドベース160の折り返し先端部164aに右向きに引っ掛かり、ガイドベース160の折り返し先端部164bに左向きに引っ掛かる。一方のフック184の爪184aは、ガイドベース160の引っ掛け壁166dに右向きに引っ掛かり、他方のフック184の爪184aは、ガイドベース160の引っ掛け壁166dに左向きに引っ掛かる。図19において、各部の引っ掛け部166b,166cは、それぞれ、対応するスライド斜面176aに右向き又は左向きに引っ掛かる。このように各部が引っ掛かることによって、左右方向の組み付け強度を向上させることができる。
以上、エアバッグ装置及びシートベルト装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、ガイドベース160とガイドカバー170との連結構造にフックピンを用いた構成に限定されず、ビスやリベット等の締結部材を用いた構成でもよいし、接着や溶着等の結合による構成でもよい。フックピンは、ガイドカバー170と一体に形成された部分でもよい。
また、ウェビングガイドは、筒状に形成された部材に限られず、板状に形成された部材でもよい。
1 座席
2 リトラクタ
4 タング
4b タングプレート
4d 樹脂モールド
4H ハウジング
7 ショルダアンカ
9 バックル
10 エアベルト(エアバッグ装置の一例)
11 ウェビング
16 インフレータ
20 エアバッグ
21 ガス導入口
22 突片部(バッグ上端部の一例)
30 ウェビングガイド
36 ガイド上端部
37 ガイド下端部
38 周壁部
40 バッグカバー
40a,40b,40c,40d 係止孔
41 引っ掛け孔
46 カバー上端部
46c 先端部
47 カバー下端部
51 上側連結部材
100 シートベルト装置
160 ガイドベース
161 扁平環状部
162a,162b アーム
163a,163b 折り返し部
164a,164b 折り返し先端部
165,166 柱部
170 ガイドカバー
171 扁平環状部
173 ウェビング挿通口
174 凸壁
175,176 カバー孔部
181,182 フックピン

Claims (10)

  1. ウェビングの長手方向への移動をガイドする縦長のウェビングガイドと、
    前記ウェビングガイドの外側に配置された膨張可能なエアバッグと、
    前記エアバッグを覆うバッグカバーと、
    前記ウェビングガイドのガイド上端部と前記バッグカバーのカバー上端部とを連結し、前記エアバッグの膨張展開に伴って、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記エアバッグの膨張展開によって、前記ガイド上端部及び前記カバー上端部から離れて、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動する、エアバッグ装置。
  2. 前記連結部材は、前記エアバッグの膨張展開によって、前記ガイド上端部及び前記カバー上端部を切断して、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動する、請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記連結部材は、前記ガイド上端部に形成された孔と前記カバー上端部に形成された孔とに挿入された柱部を有し、
    前記ガイド上端部及び前記カバー上端部は、前記エアバッグの膨張展開によって移動する前記柱部によって切断される、請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. ウェビングの長手方向への移動をガイドする縦長のウェビングガイドと、
    前記ウェビングガイドの外側に配置された膨張可能なエアバッグと、
    前記エアバッグを覆うバッグカバーと、
    前記ウェビングガイドのガイド上端部と前記バッグカバーのカバー上端部とを連結し、前記エアバッグの膨張展開に伴って、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記エアバッグのバッグ上端部と結合したまま、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動するエアバッグ装置。
  5. ウェビングの長手方向への移動をガイドする縦長のウェビングガイドと、
    前記ウェビングガイドの外側に配置された膨張可能なエアバッグと、
    前記エアバッグを覆うバッグカバーと、
    前記ウェビングガイドのガイド上端部と前記バッグカバーのカバー上端部とを連結し、前記エアバッグの膨張展開に伴って、前記エアバッグと共に前記ウェビングに沿って上方に移動する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記ガイド上端部に取り付けられたガイドベースと、前記ガイドベースとの間に前記カバー上端部を少なくとも挟むガイドカバーとを有するエアバッグ装置。
  6. 前記連結部材は、前記ガイドベースに引っ掛かることで、前記ガイドベースと前記ガイドカバーとを連結するフックピンを有する、請求項に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記ガイドベースは、前記ガイドベースの上端部に折り返し部を有し、前記カバー上端部の先端部が前記折り返し部の内側に位置し、
    前記ガイドカバーは、前記折り返し部の外側で前記ガイドベースを取り囲む、請求項5又は6に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記エアバッグは、前記ウェビングガイドが挿通するループ部を有し、
    前記ループ部は、前記エアバッグの膨張展開によって、前記連結部材を持ち上げる、請求項1からのいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記ウェビングガイドのガイド上端部と前記バッグカバーのカバー上端部とに連結され前記ウェビングの長手方向に折り畳まれた前記エアバッグは、膨張展開に伴い連結が解除され、前記ウェビングに沿って上方に移動する、請求項1からのいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  10. 前記ウェビングと、請求項1からのいずれか一項に記載のエアバッグ装置とを備える、シートベルト装置。
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