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JP6909676B2 - インキ及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、インキ及び積層体に関する。
自動車等の車両の内装品や外装品、家電製品等の表面には、意匠性の付与、機能性の付与等の目的で、インキの硬化物を含む樹脂層を表面層として有する積層体が貼り付けられる場合がある。
上記のような表面層を形成し得るインキとして、例えば、下記特許文献1には、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのイソシアネートのイソシアヌラートと1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌラート、並びに、0℃以上のガラス転移温度を有するポリオールと−20℃以下のガラス転移温度を有するポリオールとを含有するポリウレタン組成物が開示されている。
特開2012−111934号公報
上記積層体の表面層には、長期の使用に耐え得るように優れた諸性能を有することが求められる。
例えば上記特許文献1には、上記ポリウレタン組成物から成る塗膜は、良好な硬度、可撓性、耐溶媒性等を有することが記載されている。また、硬度や耐溶剤性に優れることから、自動車等で必要な耐摩耗性や耐燃料性も良好なことが推察される。
しかし、上記特許文献1に記載されているポリウレタン組成物からなる塗膜を表面層として備える積層体を熱成形すると、当該塗膜が割れる場合がある。塗膜が割れると下地が露出し、意匠性の悪化に加えて下地の保護性が低下するという懸念がある。
そこで、本発明は、熱成形性が良好であり、耐摩耗性、耐燃料性等が良好な積層体の表面層を形成し得るインキ、及び当該表面層を備える積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のインキは、(A)、(B)及び(C)から成る組成物であり、水酸基価が20mgKOH/g以下である熱可塑性樹脂(A)と、ポリカプロラクトンポリオール(B)と、脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)と、を含有することを特徴とする。
また、前記熱可塑性樹脂(A)が、ウレタン樹脂であることが好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート単位を有するウレタン樹脂であることが好ましい。
また、前記ポリカプロラクトンポリオール(B)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して100質量部以上280質量部以下であることが好ましい。
また、前記脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)が、水添キシリレンジイソシアネート由来のイソシアネート架橋剤であることが好ましい。
また、更にヘキサメチレンジイソシアネート由来のイソシアネート架橋剤を含有することが好ましい。
また、本発明の積層体は、上記本発明のインキの硬化物を含む樹脂層を表面層として備えることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、熱成形性が良好であり、耐摩耗性、耐燃料性が良好な表面層を形成し得るインキ、及び当該表面層を備える積層体が提供される。
本発明の実施形態に係る積層体の断面を概略的に示す図である。
以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。
[積層体]
図1は、本発明の実施形態に係る積層体の断面を概略的に示す図である。本実施形態の積層体10は、表面層1、プライマー層2、金属層3、及び裏面層4を備える。
[表面層1]
表面層1は、水酸基価が20mgKOH/g以下である熱可塑性樹脂(A)と、ポリカプロラクトンポリオール(B)と、脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)と、を含有するインキから成る。
一般的に、熱可塑性樹脂(A)のみからなる表面層1では、成形するのに十分な可塑性が得られる一方で、硬化性樹脂組成物のみから成る樹脂層に比べて、耐燃料性、耐摩耗性、耐水性、耐熱性など種々の性能が劣る傾向にある。一方で、ポリカプロラクトンポリオール(B)及び脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)からなる硬化性樹脂組成物のみからなる表面層1では、高い耐摩耗性、耐燃料性、耐熱性などを向上させるために架橋密度を高くすると、可塑性が失われていく傾向にある。
本実施形態のインキでは、熱可塑性樹脂(A)、ポリカプロラクトンポリオール(B)及び脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)が混合されることによって、表面層1に優れた耐燃料性、耐摩耗性、耐水性、熱成形性等が付与され得る。特に当該表面層1に金属層が積層される場合は、当該金属層の耐水性、耐薬品性が向上され得る。
また、上記本実施形態のインキでは、熱可塑性樹脂(A)として、水酸基価が20mgKOH/g以下、すなわち水酸基が少ない樹脂が用いられることによって、熱可塑性樹脂と架橋剤との反応が抑制され得る。このため、上記本実施形態のインキの硬化物を含む表面層1は、熱成形時に必要な熱可塑性の低下が抑制され、熱成形性が良好な表面層1を形成し得る。
表面層1は、例えば、インキを基材上に塗工し、硬化させることで形成される。インキの塗工方法としては、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装等を挙げることができる。これらの中で、スクリーン印刷が特に好ましい。インキを硬化させる方法としては、例えば、熱風乾燥やオーブンまたはホットプレート等を使用して行う方法を挙げることができる。これらの方法で基材上に表面層1を形成し、当該表面層1上に以下に説明する他の層を積層した後、表面層1を基材から剥がすことによって、表面層1を備えた積層体10とすることができる。表面層1と他の層とを積層する方法としては、例えば、熱を加えてラミネートする方法や、接着剤層を介して積層する方法等が考えられる。なお、表面層1は、積層体10を構成する他の層上に塗工して形成されてもよい。この場合の塗工方法は、上記と同様である。また、当該インキを用いてコンマコーター(登録商標)によりフィルムを製膜し、当該フィルムを表面層1として使用してもよい。
<熱可塑性樹脂>
本実施形態のインキに含有される熱可塑性樹脂(A)としては、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂などの樹脂が挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの一方または両方を意味する。
上記熱可塑性樹脂(A)は、1種が単独で用いられても良く、2種類以上が併用されても良い。ただし、後述するポリカプロラクトンポリオール(B)や脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)、その他の成分との相溶性の観点から、上記熱可塑性樹脂のうち(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。また、熱成形性の観点から、ウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。さらに、耐水性、耐熱性、耐薬品性等の観点からは、ポリカーボネート単位を含むウレタン樹脂を用いることが好ましい。
また、本実施形態のインキに含有される熱可塑性樹脂(A)は、水酸基価が0mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である。このように本実施形態のインキに含有される熱可塑性樹脂(A)の水酸基は少ないことが好ましく、実質的にほぼ水酸基が存在しないことがより好ましい。ここで、実質的にほぼ水酸基が存在しないとは、分子構造上水酸基が存在しない又は末端にのみ水酸基が存在することを意味する。熱可塑性樹脂(A)の水酸基が少ないことによって、本実施形態のインキに含まれる脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)による熱可塑性樹脂(A)の硬化が抑制され、積層体10を熱成形する際に必要な熱可塑性が低下することが抑制され得る。
熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、水酸基を有しない一つまたは複数の(メタ)アクリル酸エステル単量体を共重合して成るアクリル樹脂や、ジオールとジイソシアネートから成るウレタン樹脂や、アミンによる鎖延長がなされたウレタン樹脂等が挙げられ、1種が単独で使用されてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
また、熱可塑性樹脂(A)として、実質的にほぼ水酸基を含有しない(メタ)アクリル樹脂の市販品は、例えば、三菱レイヨン(株)製のダイヤナールBR−90、ダイヤナールBR−95、ダイヤナールMB−2593等が挙げられ、実質的にほぼ水酸基を含有しないウレタン樹脂の市販品は、例えば、大日精化工業(株)製のレザミンME−88NFLP、レザミンME−3612NFLP、レザミンME−8105LP、レザミンME−8115LP、レザミンME−8210LP、レザミンSP−630LP、レザミンNE−302HV、レザミンNE−308、レザミンNE−8811、レザミンNE−8836、レザミンNE−8850、レザミンNE−8880、レザミンNES−9950−3等が挙げられる。
さらに、上記本実施形態のインキにポリカプロラクトンポリオール(B)を用いることで、表面層1の耐摩耗性をより向上し得る。
<ポリカプロラクトンポリオール>
ポリカプロラクトンポリオール(B)は、例えば、分子中に複数の水酸基を有する化合物にカプロラクトンを反応させることにより得られ、1種が単独で使用されてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
または、ポリカプロラクトンポリオール(B)として市販品を使用してもよい。ポリカプロラクトンポリオールの市販品は、例えば、株式会社ダイセル製のプラクセル208(分子量830、水酸基の数2個)、プラクセル210(分子量1000、水酸基の数2個)、プラクセル212(分子量1250、水酸基の数2個)、プラクセル220(分子量2000、水酸基の数2個)、プラクセル303(分子量300、水酸基の数3個)、プラクセル305(分子量550、水酸基の数3個)、プラクセル308(分子量850、水酸基の数3個)、プラクセル309(分子量900、水酸基の数3個)、プラクセル312(分子量1250、水酸基の数3個)、プラクセル320(分子量2000、水酸基の数3個)及びプラクセル410(分子量1000、水酸基の数4個)、並びにパーストープジャパン社製のCAPA2085(分子量830、水酸基の数2個)、CAPA2100(分子量1000、水酸基の数2個)、CAPA2121(分子量1250、水酸基の数2個)、CAPA2125(分子量1250、水酸基の数2個)、CAPA2200(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2201(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2205(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2209(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA3091(分子量900、水酸基の数3個)、CAPA3121J(分子量1200、水酸基の数3個)、CAPA3201(分子量2000、水酸基の数3個)及びCAPA4101(分子量1000、水酸基の数4個)が挙げられる。
本実施形態のインキにおけるポリカプロラクトンポリオール(B)の含有量は、上記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、100質量部以上280質量部以下であることが好ましい。ポリカプロラクトンポリオール(B)の含有量が100質量部以上とされることによって、表面層1の耐燃料性、耐水性、耐摩耗性がより向上され得る。また、ポリカプロラクトンポリオール(B)の含有量が280質量部以下とされることによって、乾燥工程だけで硬化が十分に進行するため、表面層1の耐ブロッキング性が向上される。また、ポリカプロラクトンポリオール(B)の含有量が280質量部以下とされることによって、硬化後の表面層1の弾性率が高くなり過ぎず、積層体10が熱成形される際に被着体の表面形状に追従し易くなる。さらに、積層体10を熱成形した後、冷却時に表面層1が収縮して表面層1が剥がれたり、積層体10が被着体から剥がれたりすることが抑制され得る。
<架橋剤>
架橋剤は、その架橋性基が少なくとも上記ポリカプロラクトンポリオール(B)が有する水酸基と反応することで架橋構造を形成し、本実施形態のインキを硬化させる。本実施形態のインキは、架橋剤として少なくとも脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)を含有する。
脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)としては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)由来のイソシアネート架橋剤、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)由来のイソシアネート架橋剤、イソホロンジイソシアネート(IPDI)由来のイソシアネート架橋剤が挙げられる。上記脂環を有するイソシアネート架橋剤の内、耐摩耗性向上の観点から、水添キシリレンジイソシアネート由来のイソシアネート架橋剤を用いられることが好ましい。
また、本実施形態のインキでは、柔軟性の観点から、脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)由来のイソシアネート架橋剤とが併用されることが好ましい。
ただし、本実施形態のインキは、上記架橋剤以外の架橋剤を含んでもよい。他の架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、並びに、キシリレンジイソシアネート(XDI)の少なくとも一つから誘導されるイソシアネート架橋剤が挙げられる。
本実施形態のインキ中の架橋剤の含有量は、架橋剤中のイソシアネート基が上記ポリカプロラクトンポリオール(B)の水酸基に対して、0.5当量以上2.0当量以下となる質量部であることが好ましく、0.7当量以上1.5当量以下となる質量部であることがより好ましく、0.8当量以上1.2当量以下となる質量部であることがさらに好ましい。架橋剤の含有量が上記のように0.5当量以上となる質量部とされることによって、表面層1の耐燃料性、耐水性が向上され得る。また、架橋剤の含有量が2.0当量以下となる質量部とされることによって、表面層1の耐ブロッキング性、耐候性、耐熱性が向上され得る。
<その他の成分>
本実施形態のインキは、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、溶剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、着色剤、光輝剤、フィラー等が挙げられる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレンングリコールなどのアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ミネラルスピリット、ケロシン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、1,2,4−トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、及び塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤が挙げられる。溶剤は、1種が単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
本実施形態のインキをスクリーン印刷に用いる際には、蒸発速度比が0.3以下の溶剤を用いることが好ましい。ここで蒸発速度比とは、酢酸ブチルの蒸発速度を1とした際の各溶剤の相対的な蒸発速度の値である。溶剤の蒸発速度比が小さいほど、蒸発が遅いという関係にある。インキが蒸発速度比で0.3以下の溶剤を含む場合、スクリーン印刷時の版乾きが抑制され、作業性が向上する傾向にある。
表面層1の厚さは特に制限されず、用途に応じて選択される。表面層1の厚さは、例えば、1μm以上300μm以下とされる。被着体への貼付け、蒸着、成形工程での作業性や、耐候性、耐摩耗性等の下地保護の観点から、表面層1の厚さは、2μm以上200μm以下であることが好ましく、30μm以上150μm以下であることがより好ましく、40μm以上100μm以下であることが更に好ましい。
[プライマー層2]
本実施形態のプライマー層2は、表面層1と金属層3との間に設けられ、金属層3との密着性を向上し得る。
プライマー層2は、例えば、ウレタン樹脂とイソシアネート架橋剤とを含むウレタン樹脂組成物によって構成される。プライマー層2に用いられる当該ウレタン樹脂は、プライマー層2と金属層3との密着性向上の観点から、エーテル系ウレタン樹脂またはエステル系ウレタン樹脂を含むことが好ましい。また、成形性向上の観点からはエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。
プライマー層2を構成する上記ウレタン樹脂は、シリル基を含有するウレタン樹脂であることがより好ましい。プライマー層2にシリル基を含有するウレタン樹脂を用いることで、シリル基と金属層3との間で結合が生じるため、プライマー層2と金属層3との密着性が向上し得る。なお、本明細書においてシリル基とは、シリルヒドリド基、シリルエーテル基(アルコキシシリル基)及びシラノール基のいずれかを意味する。
プライマー層2を構成するウレタン樹脂組成物の粘度やガラス転移温度(Tg)を調整するため、ウレタン樹脂組成物は一種のウレタン樹脂から調製しても良く、複数のウレタン樹脂を混合して調製しても良い。
また、プライマー層2を構成するウレタン樹脂組成物にイソシアネート架橋剤が添加されることによって、プライマー層2と金属層3との密着性が向上し、かつ、積層体10の耐燃料性、耐水性が向上し得る。
プライマー層2を構成する上記ウレタン樹脂組成物に添加されるイソシアネート架橋剤の含有量は、ウレタン樹脂の固形分100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。イソシアネート架橋剤の添加量を1質量部以上にすることで、プライマー層2の耐水性、耐燃料性がより向上し得る。また、イソシアネート架橋剤の添加量を20質量部以下とすることで、上記ウレタン樹脂組成物のポットライフが短くなることを抑制し得る。
プライマー層2の厚さは特に制限されないが、例えば、0.1μm以上10μm以下とすることができ、0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。
[金属層3]
金属層3は、例えば、金属をプライマー層2上に、蒸着またはスパッタリングあるいは印刷することによって形成される。積層体10がこのような金属層3を備えることによって、積層体10に金属調の外観が付与される。特に金属を蒸着することで金属層3を形成した場合、鏡面に近い金属調を付与することができる。金属層3に用いられる金属としては、例えばアルミニウム、スズ、インジウム等が挙げられる。
金属層3の厚さは特に制限されないが、例えば、金属層3の全光線透過率が2%以上10%以下程度となる厚さとすることができる。金属層3の全光線透過率が2%以上となるように金属層3を形成することによって、積層体10に金属特有の風合いを付与し得る。また、金属層3の全光線透過率が10%以下となるように金属層3を形成することによって、積層体10に金属光沢を付与し得る。
[裏面層4]
裏面層4は、金属層3の保護あるいは積層体10の加飾または成形性向上などの目的で、金属層3の表面層1側とは反対側の面に設ける層である。
裏面層4の材質、厚みは特に制限されないが、例えば、0.1μm以上500μm以下が好ましい。
例えば、金属層3の保護の観点からは、裏面層4の厚みは、0.1μm以上であることが好ましい。0.1μm以上とすることで、他工程への搬送時に金属層3が傷付くことが防止され、金属層3の耐水性、耐薬品性が向上し得る。また、裏面層4を20μm以下とすることで、一体成形時の被着体への追従性を損なうことなく、加飾や成形性向上等を目的として、他の層を積層し得る。また、金属層3の保護の観点からは、裏面層4には上記プライマー層2と同様の材料を用いることがより好ましい。
また、加飾の観点からは、裏面層4の厚みは、例えば、5μm以上であることが好ましい。裏面層4を着色層とした場合、5μm以上とすることで、成形により裏面層4が伸長された場合にも成形前の色調を保持し得る。
積層体10の成形性向上の観点からは、裏面層4の厚みは、例えば、150μm以上500μm以下が好ましい。150μm以上とすることで、インサート成形等の積層体10単体で形状を保持する必要のある成形方法であっても、積層体10が成形補助層を用いることなく成形し得る。また、500μm以下にすることで、真空成形や圧空成形、あるいは真空圧空成形等による一体成形時に、積層体10を被着体の細かな装飾に追従させ得る。
以上に説明したように、本実施形態のインキは、耐燃料性、耐摩耗性、耐水性、熱成形性が良好な表面層を形成でき、本実施形態のインキからなる表面層1を備える積層体10は、例えば、車両の内装品や外装品、家電製品、または屋外に設置される物体に貼り付けるためのフィルム、ステッカー等としての使用に好適である。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、積層体10は、必要に応じて被着面に貼着するための粘着剤層や接着剤層等の他の部材を含んでもよい。また、表面層1が被着体に直接設けられてもよく、表面層1と金属層3の間や金属層3と裏面層4との間等に印刷層等が設けられてもよい。また、表面層1の上に印刷層などが設けられても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に説明するように、表1から表2に示す処方で調製したインキを用いて積層体を作製して評価した。
表1から表2において、各成分の配合割合は、インキに含有される熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とする場合における配合割合を質量部で示している。なお、後述するように比較例4では熱可塑性樹脂を用いておらず、比較例4における各成分の配合割合は、実施例1に係るインキから熱可塑性樹脂を除いたものと同様である。また、表1から表2において、調製した実施例及び比較例に係るインキにおける各組成の配合割合を固形分のみに換算して括弧書きで付している。
(実施例1)
熱可塑性樹脂(A)としてカーボネート系ウレタン樹脂レザミンNE−8836(大日精化工業株式会社製、固形分:25wt%、官能基なし)100質量部と、ポリカプロラクトンポリオール(B)としてプラクセル305(ダイセル工業株式会社製、固形分:100wt%、重量平均分子量:550、水酸基価:300〜310mgKOH/g)37.5質量部と、溶剤としてtert−ブチルアルコール10質量部及びメチルエチルケトン(MEK)30.0質量部と、を混合し、更に脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)として水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)由来のイソシアネート架橋剤タケネートD−120N(三井化学株式会社製、HXDIのトリメチロールプロパン(TMP)アダクト体を含有する架橋剤の酢酸エチル溶液、固形分:75wt%、NCO%:11%)77.3質量部を添加し、実施例1に係るインキを調製した。その後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムP756050(リンテック株式会社製、厚さ75μm)上に、乾燥後の厚みが50μmになるように当該インキを塗工し、150℃で5分間乾燥させた。その後、60℃で2日間養生し、表面層を有する透明フィルムを作製した。
次に、シラノール基含有エーテル系水系ウレタン樹脂タケラックWS−6021(三井化学株式会社製、固形分:30wt%)57質量部と、シラノール基含有カーボネート系水系ウレタン樹脂タケラックWS−5100(三井化学株式会社製、固形分:30wt%)43質量部とを混合し、さらに水分散イソシアネート架橋剤タケネートWD−725(三井化学株式会社製、固形分:100wt%)2.8質量部を混合し、コーティング液を得た。得られたコーティング液を、乾燥後の膜厚が1μmとなるように、上記透明フィルムの表面層上に塗工して乾燥させ、プライマー層を形成した。その後、プライマー層上に、全光線透過率が5%となるようにインジウムを蒸着して金属層を形成した。その後、金属層上に、乾燥後の膜厚が1μmとなるように上記コーティング液を塗工して乾燥させ、裏面層を形成した。最後に、上記PETフィルムを剥がし、実施例1に係る金属調積層体を作製した。
(実施例2)
脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)であるタケネートD−120Nを38.7質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)由来のイソシアネート架橋剤コロネートHX(日本ポリウレタン工業株式会社製、HDIイソシアヌレート体を含有する架橋剤、NCO%:20%、固形分:100wt%)21.3質量部とを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例2に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例2に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例2に係る金属調積層体を作製した。
(実施例3)
脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)としてタケネートD−120Nを23.2質量部とコロネートHXを29.8質量部添加した以外は実施例1と同様にして、実施例3に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例3に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例3に係る金属調積層体を作製した。
(実施例4)
ポリカプロラクトンポリオール(B)として、プラクセル305にかえてプラクセル303(ダイセル工業株式会社製、固形分:100wt%、重量平均分子量:300、水酸基価:530〜550mgKOH/g)37.5質量部を使用し、脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)としてタケネートD−120Nを128.8質量部を添加した以外は実施例1と同様にして、実施例4に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例4に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例4に係る金属調積層体を作製した。
(実施例5)
ポリカプロラクトンポリオール(B)として、プラクセル305にかえてプラクセル308(ダイセル工業株式会社製、固形分:100wt%、重量平均分子量:850、水酸基価:190〜200mgKOH/g)37.5質量部を使用し、脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)としてタケネートD−120Nを51.5質量部添加した以外は実施例1と同様にして、実施例5に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例5に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例5に係る金属調積層体を作製した。
(実施例6)
脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)として、タケネートD−120NにかえてHXDI由来のタケネートD−127N(三井化学株式会社製、HXDIのイソシアヌレート体を含む架橋剤、NCO%:14%、固形分:75wt%)60.0質量部を添加した以外は実施例1と同様にして、実施例6に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例6に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例6に係る金属調積層体を作製した。
(実施例7)
脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)として、タケネートD−120Nにかえてイソホロンジイソシアネート(IPDI)由来のイソシアネート架橋剤デスモジュールZ4470(バイエルホールディング株式会社製、IPDIのイソシアヌレート体を含む架橋剤、NCO:12%、固形分:70wt%)77.3質量部を添加した以外は実施例1と同様にして、実施例7に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例7に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例7に係る金属調積層体を作製した。
(実施例8)
プラクセル305の配合量を45.6質量部に変更し、タケネートD−120Nの配合量を94.1質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例8に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例8に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例8に係る金属調積層体を作製した。
(実施例9)
プラクセル305の配合量を25.0質量部に変更し、タケネートD−120Nの配合量を51.6質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例9に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例9に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例9に係る金属調積層体を作製した。
(実施例10)
プラクセル305の配合量を60.0質量部に変更し、コロネートHKの配合量を47.7質量部に変更し、タケネートD−120Nの配合量を37.1質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、実施例10に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例10に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例10に係る金属調積層体を作製した。
(実施例11)
プラクセル305の配合量を70.0質量部に変更し、コロネートHKの配合量を39.8質量部に変更し、タケネートD−120Nの配合量を72.2質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、実施例11に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例11に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例11に係る金属調積層体を作製した。
(実施例12)
熱可塑性樹脂(A)として、カーボネート系ウレタン樹脂レザミンNE−8836にかえて、カーボネート系ウレタン樹脂NE−8850(大日精化工業株式会社製、固形分:25wt%、官能基なし)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例12に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例12に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例12に係る金属調積層体を作製した。
(実施例13)
熱可塑性樹脂(A)として、カーボネート系ウレタン樹脂レザミンNE−8836にかえてエステル系ウレタン樹脂レザミンNE−308(大日精化工業株式会社製、固形分:25wt%、官能基なし)を用い、ポリカプロラクトンポリオール(B)として、プラクセル305にかえてプラクセル308を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例13に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例13に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例13に係る金属調積層体を作製した。
(実施例14)
熱可塑性樹脂(A)として、ウレタン樹脂レザミンNE−8836にかえてアクリル樹脂ダイヤナールMB−2593(三菱レイヨン株式会社製、固形分:33.4wt%、水酸基価:5.0mgKOH/g以下)を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例14に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、実施例14に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、実施例14に係る金属調積層体を作製した。
(実施例15)
ポリ塩化ビニルを含むフィルム(日本カーバイド工業株式会社製、商品名:ハイエスペイントN−15FU06B)上に、180メッシュのスクリーンを用いてスクリーンインキ(日本カーバイド工業株式会社製、商品名:Hi−S SP INK)を印刷して印刷層を形成した。印刷層が形成されたフィルムを、熱風乾燥器を用いて60℃の環境で60分間の加熱乾燥を行い、25℃の環境で24時間静置した。次に、印刷層上に、180メッシュのスクリーンを用いて実施例1に係るインキと同様のインキを印刷した。その後、熱風乾燥器を用いて120℃の環境で60分間の加熱乾燥を行い、25℃の環境で24時間静置してインキを硬化させ、表面層を形成した。乾燥後の表面層の厚みは8μmであった。また、フィルムの印刷層とは反対側の面に実施例1と同様のプライマー層を形成し、当該プライマー層上に実施例1と同様の金属層を形成し、更に当該金属層上に実施例1と同様の裏面層を形成して実施例15に係る金属調積層体を作製した。
(比較例1)
熱可塑性樹脂(A)として、ウレタン樹脂であるレザミンNE−8836にかえてアクリル樹脂ニッセツKP−1876E(日本カーバイド工業株式会社製、固形分:50wt%、水酸基価:30.2KOHmg/g)を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、比較例1に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、比較例1に係る金属調積層体を作製した。
(比較例2)
脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)であるタケネートD−120Nにかえて、架橋剤としてコロネートHK42.6質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、比較例2に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、比較例2に係る金属調積層体を作製した。
(比較例3)
ポリカプロラクトンポリオール(B)及び脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、比較例3に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、比較例3に係る金属調積層体を作製した。
(比較例4)
熱可塑性樹脂(A)を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較例4に係るインキを調製した。その後、当該インキを用いて実施例1と同様にして、比較例4に係る表面層を有する透明フィルムを作製した。その後、実施例1と同様にして、比較例4に係る金属調積層体を作製した。
<評価方法>
上記のようにして調製したインキからなる表面層及び金属調積層体を以下に説明するように評価した。
(耐ブロッキング性)
上記のようにしてそれぞれの実施例及び比較例に係るインキによって表面層を形成した後、表面層の表面の乾燥度合いを指触タックにて確認した。次に、それぞれの実施例及び比較例に係る透明フィルムを、100mm角に裁断して、表面層を有する面とPETフィルムとが接するように10枚重ね、更にそのうえに1kgの重りを乗せて40℃で72時間静置した後、透明フィルムを互いに剥がして表面層の外観変化を確認した。このようにして耐ブロッキング性を評価した結果を以下の基準で表1から表2に示す。
○:指触タックがなく、40℃静置後は表面層を損傷させずに剥がすことができた。
△:指触タックはないが、40℃静置後は透明フィルム同士が若干くっついていた。
×:指で触った際にタックがあった。
(全光線透過率、ヘイズ)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る表面層をPETフィルムから剥がした後、表面層の全光線透過率及びヘイズを、日本電飾工業株式会社製のヘイズメーター(NDH−2000)を用いて測定した。その結果を表1から表2に示す。
(熱成形性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体の表面層側に、成形補助層としてA−PET樹脂シートPT−700M N―N0(ポリテック株式会社製、厚さ200μm)を重ねた。その後、上下ヒーター温度340℃で5秒間加熱した後、裏面層側から圧力85bar(8.5MPa)で4秒間押圧し、高さ2.3mm、縦30mm、横50mmの大きさで「NCI」の文字を金属調積層体に熱成形した。熱成形後、成形補助層を取り除いて金属調積層体の外観変化を表面層側から目視で確認した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:白化やクラック、しわ等の外観異常なく成形できた。
△:僅かに白化やクラックが見られた。
×:全面に白化やクラック、しわ等が見られた。
(耐熱性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体の裏面層と白色塗装板とを3M株式会社製の両面テープ(468MP)を用いて貼付けた後、80℃で168時間静置し、外観変化を目視で確認した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:変化なし。
△:僅かに白化または黄変が見られた。
×:全面に白化または黄変、クラックが見られた。
(耐水性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体の裏面層と白色塗装板とを3M株式会社製の両面テープ(468MP)を用いて貼付けた後、40℃の温水に168時間浸漬し、外観変化を目視で確認した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:変化なし。
△:僅かに白化が見られた。
×:全面に白化またはクラック、しわが見られた。
(耐アルカリ性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体の裏面層と白色塗装板とを3M株式会社製の両面テープ(468MP)を用いて貼付けた後、0.1N水酸化ナトリウム水溶液に8時間浸漬し、外観変化を目視で確認した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:変化なし。
△:僅かに白化が見られた。
×:全面に白化またはクラック、しわが見られた。
(耐燃料油性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体の裏面層と白色塗装板とを3M株式会社製の両面テープ(468MP)を用いて貼付けた後、Fuel−C(トルエンとイソオクタン同量混合したもの(ASTMD471))に1時間浸漬し、外観変化を目視で確認した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:変化なし。
△:僅かに白化が見られた。
×:全面に白化またはクラック、しわが見られた。
(耐ガソホール性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体の裏面層と白色塗装板とを3M株式会社製の両面テープ(468MP)を用いて貼付けた後、ハイオクガソリンにエタノールを20%含有させたガソホールに10秒浸漬した後、取り出して20秒後に再度浸漬させることを10回行い、外観変化を目視で確認した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:変化なし。
△:僅かに白化が見られた。
×:全面に白化またはクラック、しわが見られた。
(耐摩耗性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体を20mm×150mmの大きさに切断した試験片を作製した。摩擦試験機(スガ試験機株式会社製、型式FR−2型)の摩擦子に綿布(カナキン1号)を設置し、摺動面に表面層が綿布と接するように固定し、1000回学振試験を行った。その後の試験片の表面層を観察した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:外観に異常がなかった。
△:多少キズなどがあったが、実用上問題となる欠陥は生じなかった。
×:前面にはっきりと多数のキズが入った。
(耐候性)
上記のようにして作製したそれぞれの実施例及び比較例に係る金属調積層体について、ダイプラ・ウィンテス株式会社製のメタルウェザーKW−R5TP−Aを用いて、照射強度90mW/cm、フィルターKF−1、ブラックパネル温度63℃、湿度70%RT、雨降り条件2分/2時間の条件で300時間静置した。その後、測色計(コニカミノルタ株式会社製、CM−3500d)にてメタルウェザー投入前後の色差(ΔE)を測定した。その結果を以下の基準で評価し、評価結果を表1から表2に示す。
○:ΔEが1未満。
△:ΔEが1以上5未満。
×:ΔEが5以上。
Figure 0006909676
Figure 0006909676
表1から表2に示すように、実施例1から実施例16の金属調積層体は熱成形性が概ね良好であり、実施例1から実施例15の金属調積層体の表面層は車両の装飾等に用いられる際に求められる諸性能をバランス良く備えていた。一方、比較例1及び比較例4の金属調積層体は熱成形性が劣り、比較例2及び比較例3の金属調積層体に備えられる表面層は耐摩耗性等の性能が劣っていた。
以上に説明したように、本発明によれば、熱成形性が良好であり積層体の表面層として好適な表面層を形成し得るインキ、及び当該表面層を備える積層体が提供され、自動車等の車両の装飾等の分野で利用することが期待される。
1・・・表面層
2・・・プライマー層
3・・・金属層
4・・・裏面層
10・・・積層体

Claims (6)

  1. 水酸基価が20mgKOH/g以下である熱可塑性樹脂(A)と、
    ポリカプロラクトンポリオール(B)と、脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)と、を含有し、
    前記ポリカプロラクトンポリオール(B)の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して100質量部以上280質量部以下である
    ことを特徴とするインキ。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ウレタン樹脂である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインキ。
  3. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート単位を有するウレタン樹脂である
    ことを特徴とする請求項2に記載のインキ。
  4. 前記脂環を有するイソシアネート架橋剤(C)が、
    水添キシリレンジイソシアネート由来のイソシアネート架橋剤である
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインキ。
  5. 更にヘキサメチレンジイソシアネート由来のイソシアネート架橋剤を含有する
    ことを特徴とする請求項に記載のインキ。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のインキの硬化物を含む樹脂層を
    表面層として備えることを特徴とする積層体。
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