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JP6909436B2 - モータ及びモータユニット - Google Patents

モータ及びモータユニット Download PDF

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JP6909436B2 JP2017158284A JP2017158284A JP6909436B2 JP 6909436 B2 JP6909436 B2 JP 6909436B2 JP 2017158284 A JP2017158284 A JP 2017158284A JP 2017158284 A JP2017158284 A JP 2017158284A JP 6909436 B2 JP6909436 B2 JP 6909436B2
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Description

開示の実施形態は、モータ及びモータユニットに関する。
特許文献1には、モータ軸を中空にして該中空部にネジ軸を貫通させ、ネジ軸の片側をモータ軸に固定すると共に、ネジ軸の他側にネジ軸を螺設し、加圧軸に形成したボールナットをネジ軸に噛み合わせた電動溶接機におけるモータ一体型駆動ユニットが記載されている。
特開2000−107865号公報
上記従来技術の駆動ユニットでは、加圧軸の移動によりハウジング内の圧力が変動する。その結果、軸受を介してモータ内部に空気の大きな流出入が生じる場合があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、内部に対する空気の流出入量を低減できるモータ及びモータユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、ハウジングと、前記ハウジングを貫通し貫通方向に移動するように構成された貫通部材と、を備える装置に用いられるモータであって、前記ハウジングに隣接して配置されたモータケースと、前記貫通部材に連結され、前記モータケースに回転自在に支持されたシャフトと、前記ハウジングの内部に連通して、前記装置及び前記モータの外部から密閉された空間で構成される内圧緩衝室と、を有するモータが適用される。
また、本発明の別の観点によれば、モータ及び当該モータで駆動される装置を備えたモータユニットであって、モータケースと、前記モータケースに回転自在に支持されたシャフトと、前記モータケースに隣接して配置されたハウジングと、前記シャフトに連結され、前記ハウジングを貫通して配置され、前記シャフトの回転により貫通方向に移動するように構成された貫通部材と、前記ハウジングの内部と連通して、前記装置及び前記モータの外部から密閉された空間で構成される内圧緩衝室と、を有するモータユニットが適用される。
本発明によれば、モータの内部に対する空気の流出入量を低減できる。
実施形態に係るモータを備えた溶接ハンドの概略構成を表す模式図である。 ロッドを負荷側に移動した状態の溶接ガンユニットの内部構造を表す断面図である。 ロッドを反負荷側に移動した状態の溶接ガンユニットの内部構造を表す断面図である。 内圧緩衝室をモータケースの外周側に配置した変形例における溶接ガンユニットの内部構造を表す断面図である。 内圧緩衝室をモータケースの外周側に配置して内圧緩衝室外殻部を省略した変形例における溶接ガンユニットの内部構造を表す断面図である。 内圧緩衝室を溶接ガンユニットの外部に配置した変形例における溶接ガンユニットの内部構造を表す断面図である。
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、モータを溶接ガンに適用した場合を一例として説明する。
<溶接機>
図1を用いて、実施形態に係るモータ2を備えた溶接ハンド1の概略構成を説明する。溶接ハンド1は、例えば特に図示しない6軸アームロボットのアーム先端部に装着する溶接機である。図1に示すように、溶接ハンド1は、アーム7と、溶接ガンユニット9と、固定側電極6とを有する。アーム7は、アーム基部7aを介して上記6軸アームロボットのアーム先端部に固定する連結部分である。アーム7は、例えば略C型形状であり、溶接ガンユニット9及び固定側電極6等を支持する。溶接ガンユニット9は、アーム7の一方端に取り付けられ、固定側電極6は、アーム7の他方端に取り付けられている。なお、図1では、溶接ガンユニット9のうち後述する溶接ガン3のハウジングがアーム7の一方端に固定された場合を図示している。
溶接ガンユニット9(モータユニット)は、モータ2と、溶接ガン3(装置)とを有する。溶接ガン3のロッド4(貫通部材)は、モータ2により軸方向に往復移動される。ロッド4の先端には、移動側電極5が取り付けられている。溶接ハンド1は、コントローラ8によるモータ2の駆動制御により、移動側電極5を固定側電極6に向けて移動させ、移動側電極5と固定側電極6との間で図示しないワークを挟み込んで加圧する。そして、溶接ハンド1は、移動側電極5と固定側電極6との間に図示しない溶接電源からの大電流を通電して、ワークの2部材が重なった被溶接部を溶融し溶接する。
<モータ>
次に、図2、図3を用いて、溶接ガンユニット9のモータ2の構成を説明する。図2は、後述するロッド4及び移動側電極5が負荷側に移動した状態を表しており、図3はロッド4及び移動側電極5が反負荷側に移動した状態を表している。これら図2、図3に示すように、モータ2は、モータ部10と、内圧緩衝室外殻部40と、エンコーダ部26とを有する。
(モータ部)
モータ部10は、モータケース11と、電磁部12と、回転子13と、シャフト15と、ブレーキ21とを備える。モータケース11は、溶接ガン3のハウジング33から反負荷側(軸方向他方側;図中の上方側)に隣接して配置される。モータケース11は、負荷側(軸方向一方側;図中の下方側)の端部に位置する負荷側ブラケット16aと、反負荷側の端部に位置する反負荷側ブラケット16bと、これら負荷側ブラケット16aと反負荷側ブラケット16bとの間に位置するフレーム16cとを連結して備える。
電磁部12は、固定子鉄心12aと、固定子巻線12bとを備え、モータケース11のフレーム16cの内周側に設置される。回転子13は永久磁石13aを備えており、シャフト15の外周面に固定されつつ電磁部12の内周側に所定の空隙を空けて配置される。
シャフト15は、負荷側ブラケット16aに設けられた負荷側軸受17aと、反負荷側ブラケット16bに設けられた反負荷側軸受17bとにより、モータケース11に回転自在に支持されている。シャフト15は、その反負荷側端部でキャップ50と溶接ガン3のネジ軸30を介してロッド4に連結される。本実施形態では、シャフト15を中空シャフトとし、ロッド4をシャフト15の内部に引き込み可能な構造とすることで、溶接ガンユニット9の軸方向寸法の小型化を図っている。但し、シャフト15は中空シャフトに限定されるものではなく、中実シャフトとしてもよい。キャップ50の反負荷側の端部は、内圧緩衝室外殻部40の内部を貫通してエンコーダ部26の内部に挿入されている。
(ブレーキ)
ブレーキ21は、反負荷側ブラケット16bの内部に収納されており、シャフト15の制動を行う。具体的には、ブレーキ21は、固定板22と、ブレーキディスク23と、可動鉄心(アーマチュア)24と、コイル25と、図示しないばね等を備える。固定板22は、シャフト15の外周部に固定されており、可動鉄心24は、固定板22に対し軸方向に移動可能かつ周方向に回転不可能に係合される。コイル25は、ブレーキディスク23の反負荷側に配置されている。
本実施形態では、ブレーキ21は無励磁作動型のブレーキとして構成される。つまり、コイル25が通電されていない状態(無励磁状態)では、可動鉄心24がばねで押圧されて負荷側に移動することで、ブレーキディスク23を固定板22に押し付け、それらの間に摩擦が生じることでシャフト15の制動が行われる。一方、コイル25が通電された状態(励磁状態)では、可動鉄心24がコイル25の磁気吸引力により反負荷側に移動して、可動鉄心24とブレーキディスク23の間に空隙ができて、ブレーキディスク23が解放され、シャフト15の制動が解除される。なお、ブレーキ21は無励磁作動型に限定されるものではなく、励磁作動型としてもよい。
(内圧緩衝室外殻部)
内圧緩衝室外殻部40は、本実施形態の例ではモータ部10の反負荷側に連結されている。内圧緩衝室外殻部40は、内圧緩衝室カバー41を有する。この内圧緩衝室カバー41は、上記反負荷側ブラケット16bの反負荷側端部と、後述のエンコーダカバー26aの負荷側端部との間を軸方向に連結する略円筒形状部材であり、その内部には当該溶接ガンユニット9の外部空間に対して密閉された空間である内圧緩衝室42が形成されている。この内圧緩衝室42の内部空間には上記モータの反負荷側軸受17bが露出しているとともに、上述したようにキャップ50が貫通している。なお、この内圧緩衝室42の周辺における連通構成については、後に詳述する。
(エンコーダ部)
エンコーダ部26は、内圧緩衝室外殻部40の反負荷側に連結されている。エンコーダ部26は、エンコーダカバー26aと、エンコーダ27(位置検出器)とを有する。
エンコーダカバー26aは、上記内圧緩衝室42の空間と区分する隔壁26bと、この隔壁26bの反負荷側に設けられたカバー本体26cとを有しており、隔壁26bは軸受26dを介して後述のエンコーダシャフト26eを回転自在に支持している。
エンコーダ27は、エンコーダカバー26aの内部に収納されている。エンコーダ27は、エンコーダシャフト26eと、ディスク28と、光学センサ29と、図示しない処理基板とを備える。エンコーダシャフト26eは上記キャップ50の反負荷側端部に連結されており、当該キャップ50とともに回転可能となっている。ディスク28は、エンコーダシャフト26eの反負荷側端部に固定され、反負荷側の面に図示しない複数の反射スリットが形成されている。光学センサ29は、ディスク28のスリットアレイに対向配置され、図示しない発光部及び受光部を有する。光学センサ29は、発光部からシャフト15の回転により回転するディスク28の反射スリットに光を照射し、反射光を受光部で受光して電気信号に変換する。処理基板は、光学センサ29からの電気信号を処理してシャフト15の回転位置を表す位置データを生成する。生成された位置データは、エンコーダ部26からコントローラ8に出力され、コントローラ8によるモータ2のフィードバック制御に使用される。
なお、エンコーダ27は反射型のエンコーダに限定されるものではなく、ディスク28を挟んで発光部と受光部とが対向配置された透過型のエンコーダであってもよい。
<溶接ガン>
次に、溶接ガンユニット9の溶接ガン3の構成について説明する。図2に示すように、溶接ガン3は、モータ2の負荷側に連結される。溶接ガン3は、ネジ軸30と、ロッド4と、移動側電極5と、ハウジング33とを有する。
ネジ軸30は、外周面に雄ネジ部30aが形成され、反負荷側の端部には頭部30bを備えている。ネジ軸30は、シャフト15の中空穴15aに反負荷側から挿入され、頭部30bがシャフト15の反負荷側の端部に当接した状態で、キャップ50と共にシャフト15に固定されている。ネジ軸30は、シャフト15の回転と共に回転する。
ロッド4は、ハウジング33を貫通し、軸方向(貫通方向)に移動するように構成される。具体的には、ロッド4は、反負荷側が開口した装着穴4aを備え、装着穴4aの内周面に図示しない雌ネジ部が設けられている。ロッド4は、装着穴4aの雌ネジ部をネジ軸30の雄ネジ部30aに螺合させて、ネジ軸30に装着される。ロッド4の負荷側は、ハウジング33を貫通して外部に露出している。このハウジング33におけるロッド4の貫通箇所では、例えばいわゆるスプライン結合のようにロッド4が軸方向の移動自由度を確保しつつ相対回転不可能に貫通しており(後述)、それらの摺接箇所によってハウジング33の内部空間と当該溶接ガンユニット9の外部空間との間の気密性が保持される。一方、ロッド4の外径寸法はシャフト15の中空穴15aの内径寸法よりも少しだけ小さく形成されており、これにより上記回転子13とともに回転動作するシャフト15の内周面に対して、回転動作しないロッド4の外周面が摺接することがない。
移動側電極5は、ハウジング33から露出されたロッド4の先端に取り付けられている。ロッド4は、ネジ軸30の正逆回転により軸方向に往復移動し、これにより移動側電極5が固定側電極6に対し進退移動する。なお上述したように、図2はロッド4及び移動側電極5が負荷側に移動した状態、図3はロッド4及び移動側電極5が反負荷側に移動した状態を示している。
ハウジング33は、反負荷側に位置する大径部33aから、負荷側に位置する小径部33bまで外径が連続的に減少する略テーパ形状に形成されており、大径部33aは、モータケース11の負荷側の端部に取り付けられている。ハウジング33は、ロッド4の一部を収納しており、ロッド4の負荷側端部はハウジング33の小径部33bから外部に露出している。小径部33bの負荷側端部の内周面には、ロッド4を軸方向に摺動自在に支持するブッシュ34が設けられており、これによりロッド4がハウジング33に対して軸方向の移動自由度を確保しつつ相対回転不可能に貫通している。
<内圧緩衝室周辺の連通構成>
本実施形態における内圧緩衝室42は、上記ハウジング33の内部空間と連通している。具体的には、上述したようにロッド4の外径寸法がシャフト15の中空穴15aの内径寸法よりも少しだけ小さく形成されていることで、ロッド4の外周面とシャフト15の中空穴15aの内周面との間の隙間を介してハウジング33の内部空間とシャフト15の中空穴15aの内部空間が連通している。さらに本実施形態の例では、シャフト15の反負荷側において、中空穴15aとキャップ50の内部との間を連通するシャフト連通孔15bが形成されている。さらに、キャップ50の側面において、当該キャップ50の内部をその外周側の内圧緩衝室42に開口する開口孔50aが形成されている。これにより内圧緩衝室42は、開口孔50a、シャフト連通孔15b、中空穴15aを介して常にハウジング33の内部空間と連通している。
ここで、以上の連通構成において、本実施形態では内圧緩衝室42とシャフト連通孔15b(及び開口孔50a)とを合わせた全体の容積を内圧緩衝室42の内部容積とし、シャフト15の中空穴15aとハウジング33とを合わせた全体の容積をハウジング33の内部容積として規定する。そして本実施形態の例では、内圧緩衝室42は、ロッド4の移動によるハウジング33内部の変動容積(図2中の破線部参照)に対して略1.5倍以上の内部容積を有している。
なお、図示する例では、シャフト連通孔15bと開口孔50aがそれぞれ同じ周方向に1箇所ずつ設けた場合を示しているが、それぞれ2箇所以上設けてもよい。また、上記のシャフト連通孔15bと開口孔50aが一体となって、各請求項に記載の第1連通路を構成している。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のモータ2は、溶接ガン3に用いられる。この溶接ガン3では、ロッド4がハウジングを貫通しており、モータ2の駆動によりロッド4が軸方向に移動される。このロッド4の移動によりハウジング33内の圧力が変動すると、図2、図3中矢印X1に示すように、シャフト15を支持する軸受17a,17bを介してモータ2内部に空気の流出入が生じ、例えば軸受のグリースが押し出されて潤滑不良が生じる等、モータ2が動作不良を生じる可能性がある。
これに対して本実施形態では、ハウジング33の内部と連通して、溶接ガン3及びモータ2の外部から密閉された空間で構成される内圧緩衝室42を有している。これにより、ロッド4が移動した場合でもハウジング33の内圧の変動を低減でき、ハウジング33の内圧とモータ2の内圧(一定圧と想定)との差圧の変動が低減される。この結果、上記軸受17a,17bを介してモータ2の内部に対する空気の流出入量を低減できる。
また、本実施形態の場合は、ハウジング33の内部空間及び内圧緩衝室42の内部空間のいずれも外気から密閉した構造であることから、ハウジング33の内部を溶接ガン3(モータ2)外部の周囲大気と連通する構成と比較しても、外気からの塵芥の吸引を防ぐことができる点で軸受17a,17bの保全に優位であり、またそれを防ぐための防塵フィルタの外付けが不要であることで外部機器との干渉を低減できる点でも優位である。
また、本実施形態では特に、内圧緩衝室42は、ロッド4の移動によるハウジング33内部の変動容積(図2中の破線部参照)に対して略1.5倍以上の内部容積を有する。ここで本願発明者は、種々の検討を重ねた結果、内圧緩衝室42の内部容積が上述した下限値(略1.5倍)以上を確保できていれば、当該ハウジング33の内部空間にモータ用の軸受17aが露出している場合でもそれを保全する観点で十分にハウジングの内圧の変動を低減できることを今回新たに知見した。これにより、モータ2を利用した一般的な溶接ガン3において、ロッド4の軸方向移動によるハウジング33の内圧の変動を、軸受17a,17bの保全を目的とした基準で十分に低減できる。
また、本実施形態では特に、内圧緩衝室42は、ハウジング33と逆側でモータケース11に隣接して配置されている。これにより、ハウジング33、モータ2、及び内圧緩衝室42が軸方向で直列に配置されるため、モータ2を含めた溶接ガンユニット9全体の小径化が可能となり、特に図示しない固定型溶接機やロボットアームへ設置するための設計自由度が向上する。
また、本実施形態では特に、モータケース11の負荷側と反負荷側の各端部に設置され、シャフト15を回転自在に支持する軸受と、シャフト15に設けられ、ハウジング33の内部と内圧緩衝室42とを連通するシャフト連通孔15b及びキャップ50の開口孔50aと、をさらに有し、負荷側の軸受17aは、ハウジング33の内部に露出し、反負荷側の軸受17bは、内圧緩衝室42の内部に露出している。
これにより、モータ2の内部が軸方向両端でそれぞれ軸受17a,17bを介してハウジング33の内部及び内圧緩衝室42の内部と直列に連通する一方、ハウジング33の内部と内圧緩衝室42の内部とがシャフト連通孔15b及びキャップ50の開口孔50aを介して直接連通する構成となる。したがって、ロッド4の移動によるハウジング33の内圧の変動を内圧緩衝室42で吸収した際には、モータ2の軸方向両側でその内圧変動がバランスよく分散されるため当該モータ2の内圧に対する影響を良好に低減できる。
また、本実施形態では特に、モータケース11の内部に配置され、シャフト15の制動を行うように構成されたブレーキ21をさらに有する。これにより、モータ2を含めた溶接ガンユニット9全体の軸方向寸法を短縮化できるため、特にロボットアームに装着して移動させた場合の外部機器との干渉接触を回避できる。なお特に図示しないが、ブレーキ21を分離して、モータ部10、内圧緩衝室外殻部40、又はエンコーダ部26のいずれかの反負荷側に隣接して(又はそれらの間に)配置してもよい。
また、本実施形態では特に、溶接ガン3は、ネジ軸30と、先端に移動側電極5を備え、ネジ軸30の回転により軸方向に移動するように構成されたロッド4と、少なくともロッド4の一部を収納するように構成されたハウジング33と、を有し、シャフト15は、ネジ軸30に連結されている。これにより、モータ2を利用した溶接ガン3としての装置の具体的な構成を実現できる。
<変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)内圧緩衝室をモータケースの外周側に配置する場合
本変形例の一例を図4に示す。図4において、図2、図3と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
本変形例では、図4に示すように、モータケース11の反負荷側ブラケット16bの負荷側端部とハウジング33の大径部33aのそれぞれが径方向外側に突出したフランジ部16d,33cを有し、さらに大径部33aのフランジ部33cは反負荷側方向に延設した中空の円筒部33dを一体に有している。この円筒部33dの反負荷側端部は、反負荷側ブラケット16bのフランジ部16dの負荷側面と密接に連結している。また、円筒部33dの内周側面と、フレーム16c及び負荷側ブラケット16aの外周側面との間には十分な隙間があり、つまり円筒部33dはこの隙間を介してその内部にフレーム16c及び負荷側ブラケット16aを収容している。そして、大径部33aのフランジ部33cには径方向に形成された空気孔35が形成されており、この空気孔35がハウジング33の内部空間と上記隙間とを連通する。このように形成された円筒部33dの内部空間は、本変形例においてハウジング33の内部空間と連通しつつ外部から密閉された内圧緩衝室42Aとして機能する。
以上のように本変形例においては、内圧緩衝室42Aが、モータケース11の外周に配置されている。これにより、モータ2の駆動により発熱しやすいモータケース11に対して、内圧緩衝室42Aの内部における空気還流により冷却効果も期待できる。
また、本変形例においては内圧緩衝室外殻部40が不要となるため、図5に示すように内圧緩衝室外殻部40を省略してモータケース11の反負荷側端部に直接エンコーダ部26を配置してもよい。つまり、エンコーダ部26を、ハウジング33と軸方向逆側でモータケース11に隣接して配置しても機能上問題はない。これは、本変形例の場合でも内圧緩衝室42Aを別途設けていることで、ロッド4が移動してもモータ内部に対する空気の流出入量を低減できるため、ハウジング33と軸方向逆側でモータケース11に隣接する空間中に軸受17a,17bが露出している場合でも軸受17a,17bからのグリスの飛散やミスト化が生じない。このため、エンコーダ部26を当該空間の内部に設けても位置検出精度を低下させることなく、それだけモータ2を含めた溶接ガンユニット9全体の軸方向寸法を短縮化、省容積化が可能となる。これにより、特にロボットアームに設置して移動させた場合の外部機器との干渉接触を回避できる。
(2)内圧緩衝室を溶接ガンユニットの外部に配置する場合
上記実施形態及び変形例では、内圧緩衝室42,42Aを溶接ガンユニット9の内部に設けたが、溶接ガンユニット9の外部に設けてもよい。本変形例の一例を図6に示す。図6において、図2〜図5等と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
本変形例では、図6に示すように、溶接ガンユニット9の外部に中空の箱体60を設けている。また大径部33aで径方向に形成された空気孔35が、ゴム管などの配管61(第2連通路)を介して箱体60に接続されている。このように形成され箱体60の内部空間は、本変形例においてハウジング33の内部空間と連通しつつ外部から密閉された内圧緩衝室42Bとして機能する。
以上のように本変形例においては、箱体60内部の内圧緩衝室42Bは、溶接ガンユニット9(装置及びモータ)の外部に設けられ、ハウジング33の内部と配管61を介して連通する。これにより、容積の大きい内圧緩衝室外殻部40を省略化できるため、モータ2を含めた溶接ガンユニット9全体の省容積化が可能となり、特に図示しない固定型溶接機のロボットアームへ設置するための設計自由度が向上する。
(3)その他
以上では、モータを用いる装置が溶接ガンである場合を一例として説明したが、装置はこれに限定されるものではない。すなわち、モータを用いる装置は、ハウジングと、ハウジングを貫通し貫通方向に移動するように構成された貫通部材とを備え、貫通部材の移動によりハウジング内に圧力変動が生じうる装置であればよく、上述の実施形態等に係るモータは溶接ガン以外の装置に対しても適用可能である。
また、上記第1変形例及び第2変形例の場合には、空気孔35は、モータケース11とハウジング33の両方に設けてもよい。また、空気孔35の一部はモータケース11内に形成され、他の一部はハウジング33内に形成されるといったように、モータケース11とハウジング33とに跨るように設けてもよい。
また以上では、モータ2がブレーキ21及びエンコーダ部26を有する場合を一例として説明したが、これらの一方又は両方を有しない構成としてもよい。
また以上では、溶接ハンド1のアーム7などに対する溶接ガンユニット9の装着容易性などを優先してハウジング33の内部容積を大きく確保できない場合を前提とし、その内圧の変動を低減するために内圧緩衝室42,42A,42Bを設ける構成として説明した。しかし、ハウジング33の内部容積が十分大きく確保できる構成の場合には、特に大きな容積の内圧緩衝室42,42A,42Bを設ける必要がなく、これを省略してもよい。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 溶接ハンド
2 モータ
3 溶接ガン(装置)
4 ロッド(貫通部材)
5 移動側電極(電極)
9 溶接ガンユニット(モータユニット)
11 モータケース
12 電磁部
15 シャフト
15a 中空穴
15b シャフト連通孔(第1連通路)
17a 負荷側軸受(軸受)
21 ブレーキ
27 エンコーダ(位置検出器)
30 ネジ軸
33 ハウジング
35 空気孔
35a 開口
42,42A,42B 内圧緩衝室
50 キャップ
50a 開口孔(第1連通路)
60 箱体
61 配管(第2連通路)

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングの軸方向一方側を貫通し貫通方向に移動するように構成された貫通部材と、
    を備える装置に用いられるモータであって、
    前記ハウジングに隣接して配置されたモータケースと、
    前記貫通部材に連結され、前記モータケースに回転自在に支持されたシャフトと、
    前記ハウジングと逆側で前記モータケースに隣接して配置され、前記ハウジングの内部に連通して、前記装置及び前記モータの外部から密閉された空間で構成される内圧緩衝室と、
    前記シャフトの内部に設けられ、前記ハウジングの内部空間と前記内圧緩衝室とを連通する第1連通路と、
    を有し、
    前記モータケースの軸方向他方側に、前記内圧緩衝室の外郭部を連結し、
    前記外郭部のさらに軸方向他方側に、前記シャフトの回転を検出するための位置検出器を連結した
    ことを特徴とするモータ。
  2. 前記内圧緩衝室は、
    前記貫通部材の移動による前記ハウジング内部の変動容積に対して略1.5倍以上の内部容積を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のモータ。
  3. 前記モータケースの軸方向一方側と軸方向他方側の各端部に設置され、前記シャフトを回転自在に支持する軸受をさらに有し、
    前記軸方向一方側の軸受は、前記ハウジングの内部に露出し、
    前記軸方向他方側の軸受は、前記内圧緩衝室の内部に露出している、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のモータ。
  4. 前記モータケースの内部に配置され、前記シャフトの制動を行うように構成されたブレーキをさらに有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のモータ。
  5. 前記装置は、
    ネジ軸と、
    先端に電極を備え、前記ネジ軸の回転により軸方向に移動するように構成された、前記貫通部材としてのロッドと、
    少なくとも前記ロッドの一部を収納するように構成された前記ハウジングと、を有する溶接ガンであり、
    前記シャフトは、
    前記ネジ軸に連結されている
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のモータ。
  6. モータ及び当該モータで駆動される装置を備えたモータユニットであって、
    モータケースと、
    前記モータケースに回転自在に支持されたシャフトと、
    前記モータケースに隣接して配置されたハウジングと、
    前記シャフトに連結され、前記ハウジングの軸方向一方側を貫通して配置され、前記シャフトの回転により貫通方向に移動するように構成された貫通部材と、
    前記ハウジングと逆側で前記モータケースに隣接して配置され、前記ハウジングの内部と連通して、前記装置及び前記モータの外部から密閉された空間で構成される内圧緩衝室と、
    前記シャフトの内部に設けられ、前記ハウジングの内部空間と前記内圧緩衝室とを連通する第1連通路と、
    を有し、
    前記モータケースの軸方向他方側に、前記内圧緩衝室の外郭部を連結し、
    前記外郭部のさらに軸方向他方側に、前記シャフトの回転を検出するための位置検出器を連結した
    ことを特徴とするモータユニット。
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