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JP6997528B2 - 包装用容器 - Google Patents

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JP6997528B2 JP2017069269A JP2017069269A JP6997528B2 JP 6997528 B2 JP6997528 B2 JP 6997528B2 JP 2017069269 A JP2017069269 A JP 2017069269A JP 2017069269 A JP2017069269 A JP 2017069269A JP 6997528 B2 JP6997528 B2 JP 6997528B2
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Description

本発明は、加熱可能な食品が収容され、物流時や店頭での販売時に複数個積み重可能な包装用容器に関するものである。
従来から、スーパーマーケット・コンビニエンスストア・デパート等の小売店では、例えば、加熱調理し立ての食品や電子レンジで加熱調理が必要な食品を、所定の包装用容器に収納して店頭販売していた。このとき、包装用容器には、販売時に収納されている食品を消費者が見え易くしたり、物流時に壊れ難くしたりする工夫が施されていた。すなわち、商品価値の向上を図るためには、食品のみならず包装用容器の改善が求められていた。
例えば、温かい食品から発生する蒸気により、食品が湿っぽくなったり、包装用容器がくもって内部の食品が見え難くなったり、水滴が包装用容器内に流れ落ちてしまうことで、商品価値を下げる恐れがある。そこで、包装用容器を構成する容器本体のフランジ部分や蓋体のフランジ部分に凹溝状の排気構造を設ける発想が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。詳細には、容器本体のフランジ部分の外側に対して蓋体のフランジ部分の内側が嵌合するもの(いわゆる「外嵌合式」)であり、容器本体のフランジ部分に蓋体のフランジ部分が覆い被さることにより、排気構造が包装用容器の内部から外部に通じる唯一の排気通路となると共に、この包装用容器の外部から内部に異物が入り込み難い構造としている。
また、物流のスピードや店頭での陳列スペースの効率化に鑑み、商品の上に別の商品を積み重ねることで、下側の包装用容器(特に、蓋体)が押しつぶされる恐れがある。そこで、最も荷重が加わり易い蓋体の角部分を面取する発想が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。詳細には、平坦状の天面部の角部分から側壁部の屈曲状の角部分に向かって面取部分を有することにより、蓋体の四つ角部分に集中し易い積み重ね時の応力を分散させる構造としている。
特開2007-276835号公報 意匠登録第1352511号公報
しかしながら、特許文献1に記載の排気構造では、容器本体の所定部分の内側に対して蓋体の所定部分の外側が嵌合するもの(いわゆる「内嵌合式」)に適用し難い。すなわち、内嵌合式では、容器本体と蓋体との嵌合部分より各々のフランジ部分が外側に位置するため、フランジ部分に設けた凹溝では排気構造としての機能を果たし得ないばかりでなく、凹溝から異物が入り込みやすい。さらに、外嵌合式でも内嵌合式でも、一般的には薄肉に形成された蓋体が容器本体の上から被さるため、凹溝が蓋体側にあると蓋体のフランジ部の表面から部分的に突出してデザイン性を損ねる恐れがある。したがって、内嵌合式の包装用容器でも排気機能を発揮し、外部からの異物の入り込みを防ぎ、外観のデザイン性を損なわない排気構造が望まれる。
また、特許文献2に記載の面取部分では、蓋体の天面部分側に位置する面取部分の端部に対する耐荷重への配慮がなされていない。すなわち、包装用容器が複数個積み重ねられたり、積み重ねた状態で振動を受けたりすると、天面部分全体に荷重が加わって面取部分の端部に応力が集中し易く、中心から折れ曲がってしまう恐れがある。さらに、面取部分の面積が広いと、蓋体の天面部分や側壁部分に対する面取部分の割合が大きくなるため、包装用容器の内部が見え難くなる恐れがある。したがって、従来よりも剛性を高め、かつ視認性を損なわない面取構造が望まれる。
また、近年では収納される食品の種類も豊富なため、食品の特徴に応じて包装用容器の形状を改善する余地がある。例えば、液体状のソースが表面に塗布されたり、固形の具材が表面に複数散りばめられたりする平坦状の食品(例えば、お好み焼きなど)では、表面からソースが流れ落ちたり固形の具材が転がり落ちたりする恐れがあるため、適した盛り付け状態を補助する形状が望まれる。さらに、温かい食品から生じた蒸気が冷えて水滴になると、容器本体内に滞留して食品が湿っぽくなってしまう恐れがあるため、食品が水滴を吸い込み難くする形状が望まれる。さらに、食材の価格高騰に伴い、食品の量目調整により消費者がボリューム感の低下を感じる恐れがあるため、食品の盛り付け高さを補強する形状が望まれる。さらに、同一の包装用容器を用いて数種類の食品を数種類の配置で盛り付けるには、作業者の経験や技能に依存してしまう恐れがあるため、作業者にとって食品の盛り付け負担を軽減する形状が望まれる。
そこで、本発明の第1の目的は、内勘合式に伴う機能性及びデザイン性に適した排気処理を実現する包装用容器を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、複数個の積み重ね時に対する剛性及び内容物の視認性の向上を実現する包装用容器を提供することにある。また、本発明の第3の目的は、平坦状の食品を含む複数の食品の品質向上及び盛り付けの作業効率の向上を実現する包装用容器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明による包装用容器は、蓋体の嵌合部分と内嵌合する本体嵌合部と、上記本体嵌合部の上端から外方に延出している本体フランジ部とを少なくとも有する容器本体を備え、上記本体嵌合部は、上記容器本体の内部から上記本体フランジ部の内周縁に至っている蒸気抜き溝部を有し、上記蒸気抜き溝部は、閉蓋時に上記本体フランジ部と重なる上記蓋体のフランジ部分で閉鎖されることを特徴としてもよい。
また、上記本体フランジ部が、外側に位置する部分を高くする段差部を有し、上記段差部が、上記蓋体のフランジ部分の先端をめくり上げていることが望ましい。
また、上記蒸気抜き溝部が、略矩形状の上記容器本体の角部分に該当する位置に配され、上記蓋体のフランジ部分の先端が、開蓋時に摘まれる程度に幅広な部分に該当し、かつ閉蓋時に上記容器本体の角部分に位置することが望ましい。
また、本発明による包装用容器は、略矩形状の天面部と、上記天面部の周縁から下方に連接される蓋体側壁部と、上記天面部の角部分から上記蓋体側壁部の角部分に向かって面取された面取部とを有する蓋体を備え、上記面取部は、上記天面部の角部分との境界に該当する面取直線端部と上記側壁部の角部分との境界に該当する面取円弧端部とが直結して構成されていることを特徴としてもよい。
また、上記蓋体側壁部が、上記面取部の両脇に位置し、上記天面部の周縁から縦断している蓋体側壁リブ部を有することが望ましい。
また、本発明による包装用容器は、内容物が載置される底部を少なくとも有する容器本体を備え、上記底部は、上記内容物を下から支持する土台部を有し、上記土台部は、上記底部の中央から外側に位置するほど高いことを特徴としてもよい。
また、上記土台部が、上記底部の周方向に断続的に複数個設けられていることが望ましい。
また、上記土台部が、さらに上記底部の中央に一体的かつ同一の高さで設けられている
ことが望ましい。
なお、面取部を構成する「面取円弧端部」とは、所定の曲率半径からなる円周の一部が該当し、面取直線端部と面取円弧端部とが「直結して」いる構造とは、面取直線端部と面取円弧端部との間に他の形状(例えば、他の直線や他の円弧)を介していないことを意味してもよい。すなわち、面取円弧端部を構成する円周の曲率半径が大きいほど、面取直線端部と接近してもよい。
「土台部」が「底部の中央から外側に位置するほど高い」とは、底部の中央寄りから外側寄りまで反り返って形成されたもの又は底部の中央寄りが同一の高さで外側寄りが底部より高く形成されたものを意味してもよい。「土台部」とは、中央寄りと外側寄りとが一体的に形成されたもの又は分離して形成されたものでもよく、所定の領域又は部分的に突出したものでもよく、平面視で略正方形状、略長方形状、略円形状、略楕円形状、略円弧形状、略直線形状、又は略ドーナツ形状でもよい。
「土台部」が「底部の周方向に断続的に複数個に設けられている」とは、底部内の同一及び/又は異なる円周上に所定の間隔で少なくとも2つ以上配されていることを意味してもよい。
本発明による包装用容器は、蓋体の嵌合部分と内嵌合する容器本体の本体嵌合部に設けられ、容器本体の内部から本体フランジ部の内周縁に至っている蒸気抜き溝部が、閉蓋時に本体フランジ部と重なる蓋体のフランジ部分で閉鎖されることにより、通常時には外部から容器本体内部に異物が入り込むことを防ぎ、食品からの蒸気発生時には容器本体内部から蒸気抜き溝部を介して外部に蒸気を放出することができるため、食品の爆発や蓋体の破裂の予防効果が期待できる。さらに、閉蓋時には蒸気抜き溝部が蓋体の嵌合部分で隠れて目立たないため、包装用容器全体のデザイン性を損ねる恐れも極めて低い。
また、本体フランジ部の段差部が、閉蓋時に蓋体のフランジ部の先端をめくり上げていることにより、本体フランジ部の先端側が蓋体のフランジ部分に面していないため、食品からの蒸気発生時に蒸気抜き溝部から外部に蒸気を放出しやすい効果が期待できる。すなわち、通常時には異物混入を防ぐと共に、食品からの蒸気発生時には蒸気を放出しやすい逆止弁効果が期待できる。
また、蒸気抜き溝部と蓋体のフランジ部分の先端で開蓋時に摘まれる程度に幅広な部分とが、共に同等の容器本体の角部分に該当する位置に配されることにより、蓋体のフランジ部分の先端を開蓋時の摘み部分として兼用することができるため、包装用容器の蓋体を開蓋する構造に対して食品の蒸気を放出する構造を容易に備え付けることができ、ユーザビリティの向上も期待できる。
また、本発明による包装用容器は、蓋体の角部分から蓋体側壁部の角部分に向かって面取りされた面取部が、天面部の角部分との境界に該当する面取直線端部と蓋体側壁部の角部分との境界に該当する面取円弧端部とが直結して構成されることにより、面取部の剛性の向上が期待できる。すなわち、下側に湾曲している面取円弧端部が、面取直線端部を介して面取部全体に加わる応力をクッションのように吸収するため、面取部の破損を予防する効果が期待できる。さらに、荷重に伴う応力集中により面取直線端部が屈曲しても、面取円弧端部が応力を受け止めるため、面取円弧端部の下に通ずる蓋体側壁部の角部分の破損を回避する効果も期待できる。
また、蓋体側壁リブ部が面取部の両脇に位置し、天面部の周縁から縦断していることにより、面取直線端部の両端に加わる応力を分散することができるため、面取部の剛性をより一層高める効果が期待できる。さらに、荷重に伴う応力集中により面取直線端部が屈曲しても、蓋体側壁リブ部が応力を受け止めるため、蓋体側壁リブ部に通ずる天面部の破損を回避する効果も期待できる。
また、本発明による包装用容器は、内容物を下から支持すると共に、底部の中央から外側に位置するほど高い土台部を有することにより、例えば、平坦状の食品の場合、食品の中央寄りより外側寄りを高く盛り付ける効果が期待できる。すなわち、平坦状の食品では、表面に塗布された液状物(例えば、ソースやたれ)が食品の外側縁から流れ落ちず中央寄りに集まり易いため、食品の品質維持を期待できる。
また、土台部が底部の周方向に断続的に複数個設けられていることにより、高く盛り付けられた食品の外側寄りと底部との間に隙間を設けることができるため、食品が湿っぽくなり難い効果も期待できる。すなわち、容器本体の側壁部分をつたって底部に流れてきた食品からの蒸気による水滴は、土台部で高くなった食品の外側寄りと底部との隙間に入り込むため、食品の外側寄りが湿っぽくなることを予防し、所望の状態にて食品を維持する効果を期待できる。
また、土台部が底部の中央に一体的かつ同一の高さで設けられていることにより、食品の外側寄りのみならず中央寄りも高く盛り付けることができるため、食品全体を底部に対して高い位置に載置する効果を期待できる。すなわち、中央に設けられた一体的かつ同一の高さの土台部が食品の中央寄りを所定の高さに安定して支持すると共に、外側寄りの土台部がさらに高く食品の外側寄りを支持するため、食品のボリューム感を増幅する効果を期待できる。
本発明の一実施形態における包装用容器の一例を示す斜視図である。 上記包装用容器の容器本体の一例を示す斜視図である。 上記包装用容器の容器本体の一例を示す平面図である。 上記包装用容器の容器本体の一例を示す底面図である。 上記包装用容器の容器本体の一例を示す正面図である。 上記包装用容器の容器本体の一例を示す右側面図である。 上記包装用容器の容器本体の一例を示す部分拡大図である。 上記包装用容器の蓋体の一例を示す斜視図である。 上記包装用容器の蓋体の一例を示す平面図である。 上記包装用容器の蓋体の一例を示す底面図である。 上記包装用容器の蓋体の一例を示す正面図である。 上記包装用容器の蓋体の一例を示す右側面図である。 上記包装用容器の蓋体の一例を示す部分拡大図である。 上記包装用容器の蓋体が装着された容器本体の一例を示す部分拡大図である。
以下、図1~図13を参照しつつ、本発明の一実施形態における包装用容器(以下、「本包装用容器」ともいう。)の詳細を説明する。これらの図において、複数個存在する同一の部位については、一つの部位のみに符番しているものもある。また、図面上では確認できず見えない部位については、その部位の該当箇所や引き出し線を破線で示しているものもある。また、背面図が正面図と、左側面図が右側面図と、それぞれ同一又は対称に表れる場合は、背面図及び左側面図を省略するものとする。
なお、本包装用容器の向きは、消費者が本包装用容器と向き合う通常の向きを基準としてもよく、この通常の向きを本包装用容器の正面としてもよく、この正面に位置する消費者にとって近い方を手前側、遠い方を奥側、左手方向を左側、右手方向を右側、上方向を上側、下方向を下側と表現してもよい。
本包装用容器は、食品(例えば、お好み焼き)が盛り付けられる容器本体1と、この包装用容器の開口を閉じる透明な蓋体2とを備えていてもよい。本包装用容器の通常の向きにおける形状は、平面視で各辺の長さが同等の略正方形状でもよい。
なお、本包装用容器に収納される食品は、お好み焼き以外(例えば、焼そばやたこ焼き等)でもよく、限定はない。本包装用容器の形状及び寸法は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの店頭に陳列できる程度のものならいずれでもよく、限定はない。
そして、図1に示すように、本包装用容器は、例えば、蓋体2の蓋体嵌合部24と内嵌合する本体嵌合部13と、この本体嵌合部の上端から外方に延出している本体フランジ部14とを少なくとも有する容器本体1を備え、この本体嵌合部は、この容器本体の内部からこの本体フランジ部の内周縁に至っている蒸気抜き溝部133を有し、この蒸気抜き溝部は、閉蓋時にこの本体フランジ部と重なる蓋体2の蓋体フランジ部25で閉鎖されていてもよい。
また、本体フランジ部14が、外側に位置する部分を高くする本体フランジ段差部141を有し、この本体フランジ段差部が、蓋体2の蓋体フランジ部25の先端をめくり上げていてもよい。
また、蒸気抜き溝部133が、略矩形状の容器本体1の角部分に該当する位置に配され、蓋体2の蓋体フランジ部25の先端が、開蓋時に摘まれる程度に幅広な部分の摘み部251に該当し、かつ閉蓋時にこの容器本体の角部分に位置してもよい。
また、図1に示すように、本包装用容器は、略矩形状の天面部21と、この天面部の周縁から下方に連接される蓋体側壁部22と、この天面部の角部分からこの蓋体側壁部の角部分に向かって面取された面取部23とを有する蓋体2を備え、この面取部は、この天面部の角部分との境界に該当する面取直線端部231と上記側壁部の角部分との境界に該当する面取円弧端部232とが直結して構成されていてもよい。
また、蓋体側壁部22が、面取部23の両脇に位置し、天面部21の周縁から縦断している蓋体側壁リブ部221を有していてもよい。
また、図1に示すように、本包装用容器は、内容物が載置される底部11を少なくとも有する容器本体1を備え、この底部は、この内容物を下から支持する土台部13を有し、この土台部は、この底部の中央から外側に位置するほど高くてもよい。
また、土台部13が、底部11の周方向に断続的に複数個設けられていることが望ましい。
また、土台部13が、さらに底部11の中央に一体的かつ同一の高さで設けられていてもよい。
次に、本包装用容器を構成する各部の構造を詳細に説明する。
図2~図7に示すとおり、容器本体1は、食品が載置される平面視で略正方形状の底部11と、この底部の周縁から上方に立ち上がっている本体側壁部12と、この本体側壁部の上部に位置している本体嵌合部13と、この本体嵌合部の上端から外方に延出している本体フランジ部14とを有していてもよい。
なお、底部11は、各辺が外方に緩やかに湾曲していても、各角部分が屈曲していてもよく、平面視で略長方形状、略円形状、若しくは略楕円形状でもよく、限定はない。
底部11は、中央から所定の範囲に渡って配される平面視で略正方形状かつ平坦状の載置部111と、この載置部の周縁に配されこの載置部より高さの低い載置周縁部112とを有していてもよい。載置周縁部112は、容器本体1が所定の台の上に置かれるとこの台に当接する脚部に相当してもよい。この構成によれば、容器本体1の全体の高さに比して載置部111が高い位置に配されるため、食品のボリューム感の向上が期待できると共に、この食品から出る汁、油、又は水蒸気(以下、「汁等」ともいう。)の貯水領域としての活用も期待できる。
載置部111は、さらに食品を下から支持する土台部113と、この土台部に隣接して食品から出る汁等の貯水可能な所定の深さの載置溝部114とを有していてもよい。
なお、載置部111は、平面視で略長方形状、略円形状、又は略楕円形状でもよく、限定はない。載置部111と載置周縁部112との高低差は、例えば、2~7mmでもよく、好ましくは3~5mmでもよく、限定はない。
土台部113には、載置部111の中央から所定の範囲に渡って隆起しているステージ部113aと、このステージ部の周辺からこの載置部の周方向に断続的に隆起している複数のリブ部113bとが含まれてもよい。載置溝部114は、ステージ部113aの四方にそれぞれ対称の向きで配されていてもよく、載置部111及びこのステージ部の各辺と略平行な直線状の複数の溝で構成されていてもよい。載置溝部114を構成する複数本の溝は、ステージ部113aの中心を通り、かつこのステージ部の各辺と直交する直線上に位置する所定の間隔の載置溝隙間部114aを境界にして、この載置溝隙間部の両脇に配されていてもよい。この構造によれば、載置部111に対して載置溝隙間部114aが食品の盛り付け方の目印となり、例えば、載置部111に対して種類の異なる食品を、この載置溝隙間部を境界にして手前側と奥側とに盛り付け分けてもよい。
なお、土台部113、載置溝部114、及び載置溝隙間部114aの形状、寸法、及び位置に限定はない。載置溝部114は、食品の汁等を貯水する機能、載置部111の剛性を高める機能、載置された食品の滑り止め機能を発揮してもよい。
ステージ部113aは、載置部111と略同形状(平面視で略正方形状)かつ同等の向きに平坦状に配されていてもよい。ステージ部113aには、双方の対角線上に直線状のステージ溝部113axが設けられていてもよい。この構造によれば、載置部111に対してステージ溝部113axが食品の盛り付け方の目印となり、例えば、載置部111に対して種類の異なる食品を、このステージ溝部を境界にして斜め方向に盛り付け分けてもよい。
なお、ステージ部113aは、平面視で略長方形状、略円形状、若しくは略楕円形状でもよく、対角線上の切断面において端面視で外方に向かって高くなる平坦な斜面状又は反り返った湾曲状でもよく、限定はない。ステージ部113aと載置部111との高低差は、例えば、2~7mmでもよく、好ましくは3~5mmでもよく、限定はない。ステージ溝部113axの形状、寸法、及び位置に限定はない。ステージ溝部113axは、食品の汁等を貯水する機能、ステージ部113aの剛性を高める機能、載置された食品の下から発生する蒸気を抜く機能を発揮してもよい。
リブ部113bは、載置部111の双方の対角線上(ステージ溝部113axの延長線上)、かつこの載置部の角部の各々とステージ部113aの角部の各々との間に配されていてもよい。リブ部113bには、ステージ部113aと略同じ高さの低リブ部113bxと、この低リブ部より外側に位置し、かつこの低リブ部より高い高リブ部113byとが含まれてもよい。この構造によれば、高リブ部113byが載置部111に盛り付けられた食品の四隅を下方から支持するため、この食品の四隅の高さより中央の高さが低くなってもよい。このとき、ステージ部113aと高リブ部113byとの間の低リブ部113bxが、食品の折れ曲がりや沈み込みを予防してもよい。
なお、リブ部113bには、高リブ部113byのみ含まれていてもよい。リブ部113bは、平面視で略直線又は略曲線の棒状でもよく、ステージ部113aの対角線上の切断面において端面円弧状、又は外方に向かって高くなる平坦な斜面状若しくは反り返った湾曲状でもよく、限定はない。
本体側壁部12は、載置周縁部112の外周縁から斜め上方に拡開していてもよい。本体側壁部12の上部には、垂直方向の切断面において端面略L字状の本体嵌合部13が設けられていてもよい。
本体嵌合部13は、本体側壁部12の上部に位置する所定の高さの周縁から外方に延出される本体嵌合平坦部131と、この本体嵌合平坦部の周縁から立設される本体嵌合立設部132とで構成されていてもよい。本体嵌合部13には、さらに垂直方向の切断面において端面略L字状の蒸気抜き溝部133が設けられていてもよい。
なお、本体側壁部12の高さは、盛り付けられる食品の高さや量に応じてもよく、例えば、平たい食品(例えば、お好み焼き)に適した高さであってもよい。本体嵌合平坦部131は、水平状でも傾斜状でもよい。本体嵌合立設部132は、下側が外方に膨らみ上側が内方に傾斜した略S字形状でもよい。
蒸気抜き溝部133は、容器本体1の内部から本体フランジ部14の内周縁に渡って形成され、本体嵌合部13の角部分の各々に設けられ、本体嵌合平坦部131に対して直交方向(容器本体1に対して内外方向)かつ湾曲状に凹んだ第1の蒸気抜き通路133aと、本体嵌合立設部132に対して垂直方向かつ湾曲状に凹んだ第2の蒸気抜き通路133bとが連通して構成されていてもよい。第1の蒸気抜き通路133aの一方の端部は容器本体1の内部に連通し、第2の蒸気抜き通路133bの一方の端部は本体フランジ部14の内周縁に至っていてもよい。この構成によれば、蒸気抜き溝部133の各々が、本体嵌合部13の角部分に溜まり易い食品からの蒸気を排出する効果が期待できる。さらに、蓋体2の閉蓋状態につき容器本体1の内部の温度上昇に伴い発生する蒸気を、第1の蒸気抜き通路133a及び第2の蒸気抜き通路133bを介してこの容器本体の外側に放出させる効果が期待できる。
なお、蒸気抜き溝部133は、本体嵌合部13の角部のいずれか、又は対向する角部のみに設けられていてもよい。第1の蒸気抜き通路133a及び第2の蒸気抜き通路133bの形状及び寸法に限定はなく、各々の蒸気抜き通路の幅は1~5mmで、好ましくは1.5~3.5mmで、より好ましくは2~3mmであってもよく、各々の蒸気抜き通路の深さは0.1~5mmで、好ましくは0.5~3mmで、より好ましくは0.8~1.2mmであってもよい。
本体フランジ部14は、本体嵌合立設部132の上端の周縁から外方に延出し、所定の位置より外側の高さを高くする本体フランジ段差部141が設けられ、この本体フランジ段差部を境界にして、内側が略平坦状、外側が三次元的な立体形状であってもよい。本体フランジ段差部141の下端は、本体嵌合立設部132の上端の周縁と略同等の形状でもよい。この構成によれば、本体フランジ部14の外側が上下に隆起する形状でも、蓋体2のフランジ部分がこの本体フランジ部14の内側に当接して閉蓋状態を形成してもよい。さらに、蓋体のフランジ部分の先端が、本体フランジ段差部141を介して本体フランジ部14の外側に部分的に突出すれば、この先端を蓋体2の開蓋時の摘み部分としてもよい。
なお、本体フランジ段差部141の外側は、当接する蓋体のフランジ部分の先端がめくれるよう傾斜状でもよい。本体フランジ段差部141は、部分的に高低差があってもよく、例えば、容器本体2の四つ角部分に相当する箇所が低く、この四つ角部分の両脇部分が高く、この両脇部分の間の部分が低くてもよい。
次に、図7~図14を参照しつつ、蓋体2の詳細な構造を説明する。
蓋体2は、平坦状で角部分が屈曲している天面部21と、この天面部の周縁から下方に連接され角部分が屈曲している蓋体側壁部22と、この天面部の角部分からこの蓋体側壁部の角部分に向かって面取される面取部23と、この蓋体側壁部の下端の周縁から外方に延出され本体嵌合部13と内嵌合する蓋体嵌合部24と、この蓋体嵌合部の上端の周縁から外方に延出している蓋体フランジ部25とを有していてもよい。
なお、天面部21は、各辺が外側に緩やかに湾曲していてもよく、平面視で略長方形状、略円形状、若しくは略楕円形状でもよく、限定はない。蓋体側壁部22は、各々の壁部分が外側に緩やかに膨出していてもよい。面取部23の面取面は、平坦状でも外側に緩やかに膨出している形状でもよい。蓋体嵌合部24は、垂直方向の切断面において端面視で本体嵌合部13と同等の形状でもよい。
面取部23は、天面部21の角部分の面取により形成される直線状の面取直線端部231と、蓋体側壁部22の角部分の面取により形成される面取円弧端部232とを有していてもよい。面取円弧端部232の両端は、面取直線端部231の両端に至っていてもよい。この構成によれば、物流や店頭での陳列時に別の包装用容器が蓋体2の上に積み重ねられた場合、面取直線端部231が天面部21の角部分の変形のみならず、面取円弧端部232がこの面取直線端部の両端を下側から支持するため、この面取直線端部の変形を予防してもよい。
なお、面取直線端部231及び面取円弧端部232は、所定の曲率変形で面取されていてもよい。天面部21の各辺に対する面取直線端部231の角度は、35~55°でもよく、好ましくは40~50°、より好ましくは43~47°でもよい。面取円弧端部232の曲率半径は、面取部23の面取面の角度に応じてもよく、10~50mmでもよく、好ましくは15~45mm、より好ましくは20~40mmでもよい。面取直線端部231の両端は、それぞれ両脇に位置する天面部21の各辺と連接していてもよい。
蓋体側壁部22は、面取部23の両脇から所定の距離に位置する天面部21の周縁に相当するこの蓋体側壁部の上端からから段差状に形成されている下端まで、この蓋体側壁部の角部分を縦方向に二等分する中心線寄りに傾斜して縦断している直線状の蓋体側壁リブ部221を有していてもよい。蓋体側壁リブ部221は、蓋体側壁部22の角部分を壁部分より蓋体2の内側に凹ませるように配するために形成された段差部分でもよい。この構成によれば、別の包装用容器が蓋体2の上に積み重ねられた場合、双方の蓋体側壁リブ部221が面取部23の両脇から蓋体側壁部22の角部分を支持するため、この面取部及び蓋体側壁部の変形を予防してもよい。
なお、蓋体側壁リブ部221は、蓋体側壁部22の角部分と壁部分との境界から所定の高さ突き出ている直線状の突起でもよい。面取部23の両脇と蓋体側壁リブ部221の上端との間隔は、点接触による剛性の低下を回避するためのものであるが、これに限定されることはない。蓋体側壁リブ部221の傾斜の向きは、蓋体側壁部22越しからの容器本体1の視認性低下の回避や蓋体2の内側に付着する水滴拡散の予防のためであるが、これに限定されることはない。
蓋体フランジ部25は、蓋体2の四つ角部分に相当する箇所から部分的に幅広に形成され蓋体2の開蓋時に摘まれる摘み部251を有していてもよい。摘み部251は、蓋体2の閉蓋時に本体フランジ段差部141を介して反り返り、この本体フランジ段差部より外側の本体フランジ部14に当接して傾斜し、先端部分がこの本体フランジ部より外方に突出してもよい。摘み部251以外の蓋体フランジ部25の全周は、本体フランジ段差部141より内側の本体フランジ部14の全周に当接してもよい。この構成によれば、蓋体2の閉蓋時に本体フランジ部14の内周縁に蓋体フランジ部25が当接して蒸気抜き溝部133の第2の蒸気抜き通路133bの上端が閉鎖されると共に、本体フランジ段差部141により反り返って摘み部251がこの本体フランジ部の内周縁から遠ざかってもよい。
このように、本実施形態における包装用容器は、蓋体2の蓋体嵌合部24と内嵌合する容器本体1の本体嵌合部13に設けられ、この容器本体の内部から本体フランジ部14の内周縁に至っている蒸気抜き溝部133が、閉蓋時にこの本体フランジ部と重なる蓋体のフランジ部分で閉鎖されることにより、通常時には外部からこの容器本体内部に異物が入り込むことを防ぎ、食品からの蒸気発生時にはこの容器本体内部からこの蒸気抜き溝部を介して外部に蒸気を放出することができるため、食品の爆発や蓋体の破裂の予防効果が期待できる。さらに、閉蓋時には蒸気抜き溝部133が蓋体2の蓋体嵌合部24で隠れて目立たないため、包装用容器全体のデザイン性を損ねる恐れも極めて低い。
また、本体フランジ部14の本体フランジ段差部141が、閉蓋時に蓋体2の蓋体フランジ部25の先端をめくり上げていることにより、この本体フランジ部の先端側がこの蓋体の蓋体フランジ部に面していないため、食品からの蒸気発生時に蒸気抜き溝部133から外部に蒸気を放出しやすい効果が期待できる。すなわち、通常時には異物混入を防ぐと共に、食品からの蒸気発生時には蒸気を放出しやすい逆止弁効果が期待できる。
また、蒸気抜き溝部133と蓋体2の蓋体フランジ部25の先端で開蓋時に摘まれる程度に幅広な部分の摘み部251とが、共に同等の容器本体1の角部分に該当する位置に配されることにより、この蓋体の蓋体フランジ部の先端を開蓋時の摘み部分として兼用することができるため、包装用容器の蓋体を開蓋する構造に対して食品の蒸気を放出する構造を容易に備え付けることができ、ユーザビリティの向上も期待できる。
また、本実施形態における包装用容器は、蓋体2の角部分から蓋体側壁部22の角部分に向かって面取りされた面取部23が、この天面部の角部分との境界に該当する面取直線端部231とこの蓋体側壁部の角部分との境界に該当する面取円弧端部232とが直結して構成されることにより、面取部23の剛性の向上が期待できる。すなわち、下側に湾曲している面取円弧端部232が、面取直線端部231を介して面取部23全体に加わる応力をクッションのように吸収するため、この面取部の破損を予防する効果が期待できる。さらに、荷重に伴う応力集中により面取直線端部231が屈曲しても、面取円弧端部232が応力を受け止めるため、この面取円弧端部の下に通ずる蓋体側壁部22の角部分の破損を回避する効果も期待できる。
また、蓋体側壁リブ部221が面取部23の両脇に位置し、天面部21の周縁から縦断していることにより、面取直線端部231の両端に加わる応力を分散することができるため、この面取部の剛性をより一層高める効果が期待できる。さらに、荷重に伴う応力集中により面取直線端部231が屈曲しても、蓋体側壁リブ部221が応力を受け止めるため、この蓋体側壁リブ部に通ずる天面部21の破損を回避する効果も期待できる。
また、本実施形態における包装用容器は、内容物を下から支持すると共に、底部11の中央から外側に位置するほど高い土台部113(ステージ部113a、リブ部113bを含む。)を有することにより、例えば、平坦状の食品の場合、食品の中央寄りより外側寄りを高く盛り付ける効果が期待できる。すなわち、平坦状の食品では、表面に塗布された液状物(例えば、ソースやたれ)が食品の外側縁から流れ落ちず中央寄りに集まり易いため、食品の品質維持を期待できる。
また、土台部113(リブ部113b)が底部11の周方向に断続的に複数個設けられていることにより、高く盛り付けられた食品の外側寄りとこの底部との間に隙間を設けることができるため、食品が湿っぽくなり難い効果も期待できる。すなわち、容器本体1の本体側壁部12をつたって底部11に流れてきた食品からの蒸気による水滴は、土台部113(リブ部113b)で高くなった食品の外側寄りと底部との隙間に入り込むため、食品の外側寄りが湿っぽくなることを予防し、所望の状態にて食品を維持する効果を期待できる。
また、土台部113(ステージ部113a)が底部の中央に一体的かつ同一の高さで設けられていることにより、食品の外側寄りのみならず中央寄りも高く盛り付けることができるため、食品全体を底部11に対して高い位置に載置する効果を期待できる。すなわち、中央に設けられた一体的かつ同一の高さの土台部113(ステージ部113a)が食品の中央寄りを所定の高さに安定して支持すると共に、外側寄りの土台部(リブ部113b)がさらに高く食品の外側寄りを支持するため、食品のボリューム感を増幅する効果を期待できる。
なお、本実施形態による容器本体1や蓋体2は、例えば真空成形、圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形、熱板成形等のシート成形で、合成樹脂シートを熱成形することにより形成されてもよい。合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂で、単層や多層のシートを使用してもよい。樹脂としては、例えば、発泡樹脂を使用すれば、軽量かつ断熱性があり好ましい。さらに、シートの表面または裏面を合成樹脂フィルムで覆ってもよく、表面を覆った場合は印刷を施してもよい。合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、0.15~0.5mmであればよく、好ましくは0.18~0.45mm、より好ましくは0.2~0.35mmである。
1 容器本体
11 底部
111 載置部
112 載置周縁部
113 土台部
113a ステージ部
113ax ステージ溝部
113b リブ部
113bx 低リブ部
113by 高リブ部
114 載置溝部
114a 載置溝隙間部
12 本体側壁部
13 本体嵌合部
131 本体嵌合平坦部
132 本体嵌合立設部
133 蒸気抜き溝部
133a 第1の蒸気抜き通路
133b 第2の蒸気抜き通路
14 本体フランジ部
141 本体フランジ段差部
2 蓋体
21 天面部
22 蓋体側壁部
221 蓋体側壁リブ部
23 面取部
231 面取直線端部
232 面取円弧端部
24 蓋体嵌合部
25 蓋体フランジ部
251 摘み部

Claims (3)

  1. 容器本体と、該容器本体を内嵌合式で閉蓋する蓋体とからなり、
    前記容器本体は、蓋体に設けられた蓋体嵌合部と内嵌合する本体嵌合部と、該本体嵌合部の上端から外方に延出している水平部分を含む本体フランジ部とを少なくとも有し、
    前記蓋体は、閉蓋時に少なくとも本体フランジ部の水平部分上に重なる部分を含む蓋体フランジ部を有し、
    前記本体嵌合部は、本体フランジ部の内周端から下方に延出している本体嵌合立設部と、該本体嵌合立設部の下端から内方に延出している本体嵌合平坦部と、容器本体の内部から外部へと延伸している蒸気抜きのための通路を形成する蒸気抜き溝部を有し、
    少なくとも前記蒸気抜き溝部の上端は、本体嵌合部の本体嵌合立設部内に位置するように形成され、かつ、容器本体を内嵌合式で閉蓋する蓋体の蓋体フランジ部によって本体フランジ部の水平部分の内方で閉鎖される
    ことを特徴とする包装用容器。
  2. 前記本体フランジ部が、外側に位置する部分を高くする段差部を有し、
    前記段差部が、前記蓋体フランジ部の先端をめくり上げている
    ことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
  3. 前記蒸気抜き溝部が、略矩形状の前記容器本体の角部分に該当する位置に配され、
    前記蓋体フランジ部の先端が、開蓋時に摘まれる程度に幅広な部分に該当し、かつ閉蓋時に前記容器本体の角部分に位置する
    ことを特徴とする請求項2に記載の包装用容器。
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