JP6997429B2 - 車椅子用昇降機 - Google Patents
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Description
また、利用者を介助する人(以下、介助者)にとっても、利用者を屋外から屋内へ移動させるために抱きかかえるなど体力の負担軽減や、住宅をスロープ式に改修する必要が無くなるなどの費用面での負担軽減にもなっている。
この遮断棒が解放状態(車椅子の通過が可能な状態)では、テーブルの昇降動作ができないように構成している。
また、テーブルの昇降に合わせて車椅子の床面や段差上面からテーブルへの移動を橋渡しするためのスロープを起立状態にすることで、車椅子の車輪止めにしている。
なお、遮断棒を操作することによってスロープを倒伏することができるようにリンク機構で構成している。
さらに、遮断棒が解放状態(車椅子が通過可能な状態)では、テーブルが昇降できないようにすることで、四方が安全装置で囲われていない場合では車椅子用昇降機が作動しないため、安全に使用することができる。
また、スロープが車輪止めの機能を有するため、遮断棒を高い位置に設置することができ、スロープが車椅子を、遮断棒が利用者を囲うことでより安全に使用することができるものとなっている。
つまり、特許文献1の構成では、一定の高さで遮断棒が解放状態になると誤って転落する危険がある。
また、最高位もしくは最低位にテーブルが到達すると自動でスロープが橋渡し状態になることから、車椅子のブレーキをかけ忘れると急に車椅子が発進してしまい利用者が転落するなど、怪我の危険があった。
そして、前記開閉レバーを前記昇降部の前記テーブル側に配設し、且つ、該開閉レバーの一端を該昇降部に回動自在に軸着したことで利用者が該テーブルの上に乗った状態で該開閉レバーを前後方向に操作可能にしたことを特徴としている。
また、前記昇降部の内部に回動自在に取付けた非常降下レバーと、該非常降下レバーの回動に併せて回動するように取付けられたレバープレートと、該レバープレートに一端を回動自在に軸支され、且つ、他端は前記昇降部の連結フレームに一端を固着した作動プレートの端部に係止される非常降下ロッドと、該作動プレートに伸縮調整可能に取付けられる雄螺子と、前記テーブルを昇降させるための駆動装置の一端に配設される作動部によって構成される非常降下装置が、該非常降下レバーを回動操作することで該該作動プレートが非常降下ロッドにより撓められ、該作動プレートに取付けている該雄螺子が該作動部を押圧することによって該駆動装置の制動を解除することで、前記テーブルを上昇位置から下降可能にしたことを特徴としている。
さらに、前記段付軸の上端に連結ロッドを配設して前記レバープレートと当接可能に構成したことで、非常降下時に前記テーブルが最低位付近に到達した際に該段付軸の一端が前記ベースフレームに干渉することで前記弾性体の力に抗って前記下フレームに対して相対的に上昇するとともに該連結ロッドも上昇し、該レバープレートと当接して回動を強制的に戻すことで、前記駆動装置の制動を元に戻してブレーキがかかるようにしたことを特徴としている。
そして、昇降部の内側に開閉レバーを配置したことにより、利用者がテーブルの上に乗った状態で遮断棒、スロープ及びブリッジの姿勢変更ができるようになるため、車椅子から利用者が前傾姿勢になるなど不安定な姿勢になることがないため、利用者の車椅子からの転落を防止することができる。
そして、駆動装置の動力を用いずにテーブルを昇降位置から降下するための非常降下装置を具備したことにより、地震や火災などの天災が発生した場合であっても、動力を用いずに屋内などから屋外に利用者を脱出することができるため、建物の中に利用者が取り残されて生命の危機に瀕することを回避することができる。
そして、非常降下装置と開閉ロック機構を連動するように構成したことで、非常降下装置によってテーブルが最低位に下げられる直前に非常降下装置のブレーキ機構が動作するため、テーブルや昇降部などが勢いよくベースフレームに衝突することによって構造部材の衝撃(破損)を無くすことができるため安全に使用することができる。また、テーブルに乗っている利用者の衝撃を抑えることができ非常に安全である。
この車椅子用昇降機1は、主として地面と接地するベースフレーム2と、このベースフレーム2に立設される支柱3,3,・・・と、この支柱3,3,・・・に沿って上下方向に移動する昇降部4と、この昇降部4に取付けられ車椅子が搭乗及び通過可能な大きさのテーブル5と、該昇降部4を該支柱3,3,・・・に沿って上下に昇降させる駆動部6と、該テーブル5から利用者の転落などを防止するための安全装置7で構成している。(図1~図3参照)
なお、この後説明する中に上限位置及び下限位置を用いるが、これはテーブル5の上限及び下限の高さのことである。
このベースフレーム2は、図示は省略するが、一定間隔離間したサイドフレームの両端近傍にツナギフレームを配設して固着することによって、平面視において矩形状に構成している。
そして、このベースフレーム2の四隅には支柱3,3,・・・を直立状態で取付けている。
なお、図示は省略するがベースフレーム2の四隅にはナットを固着しており、このナットにアジャスターボルトを螺着することで上下方向に伸縮可能に構成している。
このアジャスターボルトによって凸凹な地面との隙間を埋めることができ、より安定した車椅子用昇降機1の設置ができる。
なお、この昇降部4,4は利用者の進行方向に対して左右に一対で配設されている。
昇降部4は、前記支柱3,3,・・・に外嵌可能な一対の昇降フレーム4a,4a,・・・と、該昇降フレーム4a,4a,・・・を連結する連結フレーム4b,4bで主に構成される。
なお、前記支柱3,3,・・・の上端部及び下端部にはスラシ31,31,・・・を配設している。このスラシ31,31,・・・によって支柱3,3,・・・と昇降フレーム4a,4a,・・・との隙間を少なくすることでガタが少なく昇降時の揺れを軽減することを可能にしている。
そして、詳細は後述するが、昇降部4の内部には図4で示すように複数の滑車4c,4cが配置されている
このように構成した昇降部4,4は、支柱3,3,・・・に沿って昇降自在となるように支柱3,3,・・・に昇降フレーム4a,4a,・・・を挿通している。
この駆動部6,6は、矩形状のカバー61,61内に配置され、前記昇降フレーム4a,4a間に立設され、カバー61,61内の平面視において略中間位置に配置される螺子軸6a,6aと、この螺子軸6a,6aに螺合され螺子軸6a,6aの正逆回転により上下方向に移動可能となり、両端に固着したプレートに回動可能に支持される滑車6c,6c,・・・を配設した螺合部材6b,6bと、いずれか一方の螺子軸6aに連結され、この螺子軸6aを回転駆動させるモーターなどの駆動装置6dで主に構成している。
なお、駆動装置6dと連結しない側の螺子軸6aは、一端をカバー61,61内のフレーム(図示省略)に回動自在に取付けている。
また、図示は省略するが、螺子軸6a,6aの他端には傘歯車を止着し、後述するテーブル5より下方で両端に傘歯車を止着したロッド部材を螺合することにより昇降部4,4を同期している。
そして、一端を昇降部4,4の上フレーム4kに止着し、滑車6c,6c,・・・及び昇降部4,4の滑車4c,4c,・・・に巻回して、前記支柱3,3の上端に他端を止着するようにワイヤー6e,6eを配設している。(図4参照)
このように構成した駆動部6,6は、駆動装置6dを駆動すると、この駆動装置6dを配置している側の螺子軸6aが回転するとともに同期された他方の螺子軸6aが回転することで、螺子軸6a,6aに螺合された螺合部材6b,6bが上下のいずれか一方向に移動するように構成することによって、支柱3,3にワイヤー6e,6eによって連結された昇降部4,4が螺合部材6b,6bの移動と共に支柱3,3,・・・に沿って昇降することができる。
このテーブル5は平面視において矩形状のテーブルフレーム51を昇降部4,4の内側に配設し、車椅子の進行方向に対して該テーブルフレーム51の左右に昇降部4,4を連結し、該テーブルフレーム51上にテーブル板52を止着して構成している。
また、テーブルフレーム51の両端四隅には略U字状ののフック53,53,・・・を固着している。
なお、テーブル5は少なくとも車椅子が搭乗可能な大きさである。
(なお、本実施例では、屋外などから車椅子用昇降機1に搭乗する側をスロープ8とし、屋内など段差から車椅子用昇降機1に搭乗する側をブリッジ9として説明する。)
スロープ8とブリッジ9については後述するが、このスロープ8とブリッジ9は、テーブル5が下限位置においてスロープ8を下方回動して乗降可能な状態と、テーブル5が下限位置と上限位置の間に位置している時(昇降中)にはスロープ8とブリッジ9が起立状態を保持し車椅子の車輪止めとして機能する状態と、テーブル5が上限位置に達した際にはブリッジ9が下方回動可能となり段差などの上部との橋渡しとなる状態になり、車椅子用昇降機1から降りることを可能に構成している。
この安全装置7,7はいずれか一方の昇降部4に回動可能に取付けした遮断棒71,71と、この遮断棒71,71に連結して前記スロープ8及びブリッジ9の起立状態と倒伏状態に切替え可能に連動するリンク機構72,72と、遮断棒71,71とスロープ8及びブリッジ9をテーブル5の上で利用者が開閉操作するための開閉レバー73,73で主に構成される。
なお、本実施例では図5~図7に示すようにスロープ8側の安全装置7を用いて説明する。(ブリッジ9側の安全装置7はスロープ8側と平面視において左右対称であるため省略する。)
この遮断棒71は、一端を前記昇降部4のいずれか一方の昇降部4の昇降フレーム4aに固着した支点プレート4dに回動自在に取付けし、他端はもう一方の昇降部4の昇降フレーム4aに固着した遮断棒支持プレート4e(図示)に係止されるようにしている。
また、遮断棒71の一端には連結プレート711を固着しており、この連結プレート711の一端に後述するリンク機構72の遮断棒ロッド724を回動自在に取付けしている。
このリンク機構72は、前記昇降フレーム4aの下端近傍の一端に固着したリンク支持プレート4fに第一リンク721を回動自在に軸着し、この第一リンク721にスロープ8と連結する第二リンク722と、開閉レバー73と連結する第三リンク723と、遮断棒71と連結するロッド72dをそれぞれ回動自在に軸着して主に構成している。
まず、第一リンク721は、一端を昇降部4のリンク支持プレート4fに回動可能に軸着される。
この第一リンク721は略U字状に形成されたプレートで構成している。
そして、第二リンク722は、一端を第一リンク721に、他端を後述する支持プレート822の一端にそれぞれ回動可能に軸着している。
この第二リンク722は略平仮名のく字状に形成されたプレートで構成している。
そして、第三リンク723は一端を第一リンク721に、他端を後述する開閉レバー73のレバー支持プレート735にそれぞれ回動可能に軸着している。
また、遮断棒ロッド724の一端を第一リンク721に回動可能に軸着している。
この開閉レバー73は、利用者が操作する開閉レバー本体731と、この開閉レバー本体731を規制プレート732を介して昇降部4に回動可能に軸着して主に構成している。
まず、開閉レバー本体731は本実施例では複数回屈曲して形成した棒形状で構成している。
なお、この開閉レバー本体731の形状は利用者が操作しやすい形状であれば良い。
そして、開閉レバー本体731の先端に軸部材733を固着している。
そして、この軸部材733には、伸縮調整可能に雄螺子734を螺着した規制プレート732を挿通して固着している。
そして、昇降部4のボス部材4hに軸部材733を挿通して回動自在に軸着することで開閉レバー73を回動可能にしている。
次に、開閉レバー本体731の中間位置よりやや下方位置にレバー支持プレート735を固着している。
このレバー支持プレート735には前記第三リンク723の一端を回動自在に軸着している。
このスロープ8は、スロープ本体81と、このスロープ本体81を支持しテーブル5のフック53,53に回動自在に係止するスロープ支持フレーム82で主に構成している。
まず、スロープ本体81は本実施例では金属製の薄板を使用し、両端を屈曲して車椅子の搭乗時の車輪止めを形成している。
そして、スロープ支持フレーム82は正面視において略コ字状に屈曲形成し、平面視においてテーブル5の短辺と略同じ長さのフレーム821の両端に支持プレート822,822を固着し、この支持プレート822,822に支持軸823,823を固着している。
このように構成したスロープ8は、テーブル5のフック53,53に係止した後、テーブルフレーム51にテーブル板52を止着することでフック53,53に回動自在でありながら、外れないように構成している。
図5は、遮断棒71が遮断状態で、スロープ8が起立状態を示している。
この状態から、遮断棒71もしくは開閉レバー73を開放操作すると、遮断棒71に連結している遮断棒ロッド724が正面視において斜め下方向に引き下げられる。
すると、リンク支持プレート4fを回動中心として第一リンク721が正面視において反時計回りに回動する。
同時に、第二リンク722と第三リンク723もそれぞれ回動するが回動中心はリンク支持プレート4fで、スロープ8を開くことができず、起立状態のままである。
これは、図5から後述する図6の間はリンク支持プレート4fの連結部に対して第一リンク721と第二リンク722との連結部が昇降フレーム4a側に位置しており支点越えをすることがないためスロープ8と連結している第二リンク722に力が作用しないことで回動しないためである。
この状態であると、各リンクの支点の位置のバランスがとれており各構成部材の重心が釣り合った状態となる。
すると、スロープ8の支持軸823,823が回動中心となり、第二リンク722及びスロープ8の支持プレート822,822が倒伏するように回動する。
つまり、車椅子の車輪が接触するなどしてスロープ8を開くように力が加わった場合であってもスロープ8が倒伏しないようになっており、より安全に使用することができる。
また、バネなどの弾性体を使用しない構成のため、弾性体の外力による永久変形や経年劣化による自然変形などを考慮する必要が無くなり、メンテナンス性や耐久性を向上することができる。
なお、第一リンク721はU字状屈曲形成していため、他の部品と連結した際に使用する締結部材をU字状のプレートの内側に配置して隠すことができ、利用者や車椅子が締結部材に引っかかることによるケガや破損を防止することができる。
この開閉ロック機構10は、昇降部4の内部に配置される。
まず、段付軸101の大径部101aの下端が昇降部4の下フレーム4gに穿設した孔の上端に係止できるように小径部101bを挿通する。
そして、段付軸101の小径部101bは下フレーム4gを貫通して昇降部4より下方に突出させ、最低位ではベースフレーム2に当接するように構成している。
そして、螺子軸6aに向かって垂直方向に突出するように、ロック部材102を段付軸101の大径部101aに取付けている。
そして、正面視においてロック部材102の上に配設するように段付軸101の外側に弾性体103を挿通している。
なお、本実施例の弾性体103は圧縮バネを利用している。
そして、段付軸101の大径部101aの上端に、後述する非常降下装置11の非常降下ロッド112を調整可能に取付けしている。
なお、図8は最高位で遮断棒71が遮断状態である。そして、図9は最低位で遮断棒71が開閉操作可能な状態である。
まず、図8に示すように遮断棒71が遮断状態にある場合には、段付軸101の小径部101bの一端がベースフレーム2に当接することで、弾性体103に抗って段付軸101が上方に摺動すると同時に、ロック部材102も上方に移動する。
すると、開閉レバー73の雄螺子734との係合が解消されることで、開閉レバー73を回動操作することができる。
なお、遮断棒71が開放状態にある場合は、規制プレート732の一端が昇降部4の電源スイッチ6fと導通するための通電スイッチ4iから離間するため、車椅子用昇降機1を駆動することができないようにしている。
次に、図9に示すように遮断棒71が遮断状態にある場合(昇降時もしくは最高位)には、段付軸101が自重により下フレーム4gの上面に大径部101aが係止する。なお、弾性体103の付勢力が働き、ロック部材102をより強固に固定することができる。
すると、開閉レバー73の雄螺子734が係合することで、開閉レバー73を操作することができなくなる。
なお、遮断棒71が遮断状態にある場合は、規制プレート732の一端が昇降部4の通電スイッチ4iと接触し通電することにより、車椅子用昇降機1を駆動することができるようにしている。
このように構成した、開閉ロック機構10は、最低位でないと遮断棒71及びスロープ8が開閉できないようになっている。
つまり、最低位以外では遮断棒71及びスロープ8を開閉することができないようにしているため、昇降時に誤って遮断棒71が開放されることで利用者が転落することがないようにしている。
この非常降下装置11は、駆動部6のカバー61に配設した非常降下レバー111と、この非常降下レバー111に作用される非常降下ロッド112と、作動部113で主に構成している。
この作動部113は、駆動装置6dであるモーターの後端部に備えられたブレーキ機構を利用したものである。
詳述すると、このブレーキ機構は非通電時には駆動装置6dの本体側に設けた前ブレーキプレート113aをバネ113bによって回転軸113cに連動した後ブレーキプレート113dに圧着させることにより回転軸113cの回転を拘束するもので、通電することで電磁力を発生させて、前ブレーキプレート113aがバネ113bに抗って本体側に引き寄せられて、後ブレーキプレート113dと離間して、この後ブレーキプレート113aに連動した回転軸113cが自由に回転可能になるものである。
この機構を利用して、非通電時において強制的にブレーキを解除することができるように構成している。
なお、後ブレーキプレート113dを作用させるために、駆動装置6dの外径と略同等の円形の作用プレート113eを後ブレーキプレート113dに止着している。
そして、昇降部4の連結フレーム4bに正面視において略L字状に形成した作動プレート4jを固着している。
そして、作動プレート4jの連結フレーム4bに固着していない側の辺の略中央部に延伸調整可能な雄螺子113fを取付けている。
この雄螺子113fが作動することで、作用プレート113eが押圧され、この作用プレート113eに止着されている後ブレーキプレート113dを押圧するようにしている。
そして、作動プレート4jの先端に穿設した孔に非常降下ロッド112の一端を係止している。
そして、この非常降下ロッド112の他端は非常降下レバー111に取付けられるレバープレート111aに止着している。
図8はテーブル5が最高位で非常降下装置11を作動していない状態を示している。
この状態では、非常降下レバー111が操作されないため、各構成部材が動くことが無い。
つまり、雄螺子113fが作用プレート113eと接触することがないため、昇降機構6cの回転軸113cの回転が拘束されないため、テーブル5を降下させることができない。
次に、図10はテーブル5が最高位で、非常降下装置11を作動した状態を示している。
この状態では、非常降下レバー111を回動操作することで、この非常降下レバー111に取付けられて回動自在なレバープレート111aが回動する。
すると、このレバープレート111aに止着している非常降下ロッド112が下方に引っ張られると同時に、作動プレート4jも下方に引っ張られ、この作動プレート4jに取付けられた雄螺子113fが下方に移動する。
そして、下方に移動した雄螺子113fが作動部113の作用プレート113eを押圧することで後ブレーキプレート113dが動作して、回転軸113cの回転を解除するようになる。
すると、最高位にある構造部材や利用者の体重などの荷重を受けて回転軸113cが回動することで、この回転軸113cと連結している螺子軸6aが下方に移動して、テーブル5を下降させることができる。
なお、図10では最高位での非常降下装置11を作動させた場合を説明したが、最低位でなければどの上昇位置であっても各構成部材は同じ働きをする。
このキー114は、図12(b)に示すように、非常降下レバー111の頭部に挿嵌できる形状を有している。(本実施例ではD形形状)
そして、非常降下レバー111に挿嵌したキー114を回動することによって、非常降下装置11を起動する。
なお、このキー114と非常降下レバー111を組み合わせるようにした構成は、非常降下装置11が簡単に操作されるのを防止するいたずら防止のためである。
また、本実施例では主電源を入れるためと非常降下レバー111の操作をするためにキー114一つで兼用することでコストダウンを図っているが、図示は省略するが非常降下レバー111の方に孔を穿設し、ピン部材を挿通して操作できるように構成しても良い。
これは、図2などで示すように、昇降時にブリッジ9側は段差の壁面を通過するため利用者の転落の心配が無い場合及び避難経路として使用しない場合を想定しているためである。
なお、ブリッジ9側にも昇降時に壁面となる住宅などの構造物が無い場合には、開閉ロック機構10及び非常降下装置11をスロープ8側と対称位置に配設することで昇降時の遮断棒71及びブリッジ9の開閉を規制することができる。
つまり、使用環境に合わせて非常降下装置11を利用者が任意に設定することができる。
詳述すると、開閉ロック機構10の前記段付軸101の上端に連結ロッド104を取付けして、非常降下装置11のレバープレート111aの回動時に接触するように構成している。
このように構成すると、最高位もしくは上昇中では非常降下装置11のレバープレート111aと連結ロッド104は一定間隔離間した状態となる(図8)。
そして、最低位もしく最低位付近では非常降下装置11のレバープレート111aを正面視において下から上方向に押圧するようになっている(図9)。
つまり、テーブル5を下降して最低位付近まで下降した場合、前述したように段付軸101がベースフレーム2と接触することで上方に摺動すると共に、該段付軸101の一端に取付けられた連結ロッド104が非常降下ロッド112を上方に押圧する。
すると、このレバープレート111aに止着している非常降下ロッド112の一端が作動プレート4jから離れて係止関係が解消され、この作動プレート4jに取付けられた雄螺子113fと作用プレート113eが離間することで、回転軸113cの回転が拘束される。
つまり、最低位付近にテーブル5が到着した際に、自動的に構造部材の非常降下時に最低位までテーブル5を降下させた際に構造部材への衝撃を無くすことができ、製品の破損を防止することができる。
また、開閉ロック機構10が非常降下装置11の自動ブレーキ機能を有した構成にしてあるため、非常降下装置11専用に自動ブレーキの部材を構成するよりも安価に製作することができる。
さらに、非常降下時であっても通常の昇降時と変わらずに遮断棒71及びスロープ8、ブリッジ9を開閉することができるため、利用者が操作方法に迷うことなく操作することができる。
(1)車椅子用昇降機1のスロープ8の前に利用者が車椅子で移動する。
(2)スロープ8側の遮断棒71を跳ね上げて開放状態にする。この時、同時にスロープ8は倒伏状態になる。
(3)利用者がテーブルに搭乗する。なお、この時車椅子はブレーキをかける。
(4)スロープ8側の開閉レバー73(もしくは遮断棒71)を操作して、遮断棒71を遮断状態に、スロープ8を起立状態にする。
(5)昇降スイッチを操作してテーブル5を最高位まで上昇させる。
(6)ブリッジ9側の開閉レバー73(もしくは遮断棒71)を操作して、遮断棒71を開放状態にすると同時にブリッジ9を橋渡し状態にする。
(7)車椅子のブレーキを解除し、テーブル5から車椅子を発進して目的地に降りる。
なお、利用者もしくは介助者がテーブル5に搭乗した状態から説明する。
(1)キー114を電源から抜き、非常降下レバー111にキー114を嵌める。
(2)非常降下レバー111をキー114で回動操作する。
なお、回動操作は回しっぱなしにせず断続的に操作を繰り返すことで降下速度を弱めることができ、最低位到達時の衝撃を人為的に軽減することができる。
(3)各構成部材が降下してテーブル5が最低位まで下降する。
(4)スロープ8の開閉レバー73(もしくは遮断棒71)を操作して遮断棒71を開放状態に、スロープ8を乗降可能状態にし、車椅子の車輪のブレーキを解除し、テーブル5から車椅子を発進して屋外に脱出する。
(1)遮断棒71とスロープ8及びブリッジ9の開閉を同時に行うことができる安全装置7を設けたことで、車椅子用昇降機1を利用する際の動作を減らすことができ、短時間でテーブル5に搭乗することができる。
(2)安全装置7は遮断棒71もしくは開閉レバー73を一定間隔操作しないと遮断棒71及びスロープ8、ブリッジ9が倒伏状態及び起立状態に姿勢変更しないように遊びを設けていることで、車椅子の車輪が接触することで不意にスロープ8及びブリッジ9が開くことが無いため安全である。
(3)安全装置7を構成するリンク機構72の部材がスプリングなどの弾性体を使用しない構成であるため、弾性体の伸びなどの影響を受けずにスロープ8及びブリッジ9の起立状態での車輪止めの際、ガタつきが発生しないためしっかりと車椅子の車輪を保持することができる。つまり、利用者に精神的な安心感を与えることができる。
(4)遮断棒71もしくは開閉レバー73は最低位もしくは最高位でしか開放操作ができないため、昇降時にスロープ8及びブリッジ9が倒伏して乗降状態になることが無いため、車椅子のブレーキのかけ忘れなどによる予期せぬ動作があった場合でも利用者の転落防止をすることができる。
(5)開閉ロック機構10により、遮断棒が開放状態の際には、車椅子用昇降機1を駆動することができない、つまり、四方が囲まれて安全な状態でなければ車椅子用昇降機1を駆動することができないため、誤動作による予期せぬ利用者の転落の危険がない。
(6)開閉ロック機構10が非常降下装置11と連動しており、非常降下レバー111を操作し続けた場合であっても、昇降部4及びテーブル5が最低位近傍に到達した際に開閉ロック機構10がベースフレーム2と接触することで上昇し、非常降下装置11の動作を解除することによって、駆動装置6dのブレーキ機構が作動し減速することで昇降部4及びテーブル5などの構造部材の衝撃を発生しないようにすることができる。
(7)開閉レバー73,73を車椅子の横に位置するように配設したことで、前後方向の開閉レバー73,73の操作で遮断棒71,71及びスロープ8、ブリッジ9を開閉することができるため、無理な姿勢(前傾姿勢など)にならずに操作できる。つまり、車椅子からの利用者の転倒、転落の危険を無くすことができる。
これは、ベースフレームの四隅に配置した支柱3,3,・・・に昇降部4,4の矩形状フレーム4a,4a,・・・を挿通することで、前後左右方向の揺れを軽減することを目的としているが、それ以外の昇降部の構成でも使用することができる。
例えば、ベースフレームのいずれか一辺の略中央付近に立設される支柱に沿って昇降部が上下方向に昇降可能に配設する、片持ち梁式の構成でも使用することができる。
この場合は、テーブルに一対のガード部材を立設し、いずれか一方のガード部材に回動自在に遮断棒を取付けることで安全装置を構成することができる。(特許文献1参照)
つまり、テーブルを支持する昇降部の構成に拘らず、安全装置及び開閉ロック機構を構成することができる。
2 ベースフレーム
3 支柱
4 昇降部
5 テーブル
6 駆動部
7 安全装置
71 遮断棒
72 リンク機構
73 開閉レバー
8 スロープ
9 ブリッジ
10 開閉ロック機構
11 非常降下装置
Claims (4)
- 車椅子が搭乗及び通過可能な大きさのテーブルを上下に昇降可能に構成する車椅子用昇降機において、該テーブルを支持する昇降部を搭乗方向の左右両側に配設し、いずれか一方の昇降部の前後端縁部に遮断棒の一端を回動自在に支承するとともに、他方の昇降部の前後端縁部には該遮断棒の他端を係止することで遮断状態と開放状態を適宜操作可能とし、該テーブルの前後端縁部にはスロープ及びブリッジを回動自在に軸支し、いずれか一方の前後端縁部下端近傍に回動自在に支持される第一リンクと、該第一リンクに一端を、他端を該スロープ及びブリッジにそれぞれ回動自在に軸支される第二リンクと、該遮断棒に一端を、他端を該第一リンクにそれぞれ回動自在に軸支される遮断棒ロッドと、該昇降部に一端を回動自在に軸支される開閉レバーと、該開閉レバーの略中間位置に固着したレバー支持プレートと、該レバー支持プレートに一端を、他端を該第一リンクにそれぞれ回動自在に軸支される第三リンクにより構成される安全装置を具備したことで、遮断棒もしくは開閉レバーを操作することで、該遮断棒ロッドによって該第一リンクが回動して該第一リンクと連動する該第二リンク及び該第三リンクがそれぞれ回動することで、該スロープ及び該ブリッジの起立状態と倒伏状態を該遮断棒の遮断状態と開放状態の操作を同時にできるように構成し、且つ、該昇降部の下フレームに上下方向に摺動可能に支承される段付軸と、該段付軸に垂直方向に支承されるロック部材と、該ロック部材と該昇降部の上フレームの間に配設され、且つ、該段付軸に外挿される圧縮バネからなる弾性体によって構成される開閉ロック機構を具備したことで、該テーブルが最低位では該段付軸がベースフレームに干渉することで該弾性体の力に抗って該下フレームに対して相対的に上昇し、該第三リンクの軸部材に固着した規制プレートの回動の規制が解除されることで、スロープ側の遮断棒もしくは開閉レバーの操作を可能にし、該テーブルが最低位以外ではスロープ側の遮断棒もしくは開閉レバーの操作を不可能にしたことを特徴とする車椅子用昇降機。
- 前記開閉レバーを前記昇降部の前記テーブル側に配設し、且つ、該開閉レバーの一端を該昇降部に回動自在に軸着したことで利用者が該テーブルの上に乗った状態で該開閉レバーを前後方向に操作可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の車椅子用昇降機。
- 前記昇降部の内部に回動自在に取付けた非常降下レバーと、該非常降下レバーの回動に併せて回動するように取付けられたレバープレートと、該レバープレートに一端を回動自在に軸支され、且つ、他端は前記昇降部の連結フレームに一端を固着した作動プレートの端部に係止される非常降下ロッドと、該作動プレートに伸縮調整可能に取付けられる雄螺子と、前記テーブルを昇降させるための駆動装置の一端に配設される作動部によって構成される非常降下装置が、該非常降下レバーを回動操作することで該該作動プレートが非常降下ロッドにより撓められ、該作動プレートに取付けている該雄螺子が該作動部を押圧することによって該駆動装置の制動を解除することで、前記テーブルを上昇位置から下降可能にしたことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の車椅子用昇降機。
- 前記段付軸の上端に連結ロッドを配設して前記レバープレートと当接可能に構成したことで、非常降下時に前記テーブルが最低位付近に到達した際に該段付軸の一端が前記ベースフレームに干渉することで前記弾性体の力に抗って前記下フレームに対して相対的に上昇するとともに該連結ロッドも上昇し、該レバープレートと当接して回動を強制的に戻すことで、前記駆動装置の制動を元に戻してブレーキがかかるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の車椅子用昇降機。
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