JP6990571B2 - 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、及び成形体 - Google Patents
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Description
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、
(b)スチレン系樹脂と、
(c)リン系化合物と、
(d)無機充填材と、
(e)ポリテトラフルオロエチレンと、
を含む樹脂組成物であり、
前記(a)成分が、還元粘度が異なる2以上のポリフェニレンエーテルを含み、
前記(c)成分が、縮合リン酸エステル化合物であり、
前記樹脂組成物中に、前記(d)成分を35~60質量%含み、
前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、前記(e)成分を0.05~1.5質量部含み、
流れ方向の長さ125mm、垂直方向の長さ13mm、厚み1.6mmの寸法で作成した前記樹脂組成物の試験片を、温度150℃、24時間の条件下でエージングしたときの、下記式で示す試験片の収縮率が6~20%であることを特徴とする、樹脂組成物。
試験片収縮率[%]=((エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]-エージング後の流れ方向の試験片の長さ[mm])/(エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]))×100
[2]
前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、
前記(a)成分を50~70質量部、
前記(b)成分を10~30質量部、
前記(c)成分を10~30質量部、及び
前記(e)成分を0.05~1質量部含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
前記(a)成分が、
(a-1)還元粘度が0.45~0.55dL/gのポリフェニレンエーテル系樹脂と、
(a-2)還元粘度が0.35~0.45dL/gのポリフェニレンエーテル系樹脂と、
を含み、
(a-1)成分と(a-2)成分との合計100質量部に対する(a-2)成分の含有量が、60~90質量部である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
前記(d)成分が、ガラス繊維及びマイカから選ばれる1種以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形体。
[6]
[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法であって、
押出機を用いて、前記(a)成分~(e)成分を溶融混練する工程を含むことを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
[7]
前記(e)成分の粉体ポリテトラフルオロエチレン及び/又は改質ポリテトラフルオロエチレンを前記(a)成分~(d)成分の少なくとも1成分とドライブレンドして前記押出機へ供給する工程を含む、[6]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[8]
前記供給する工程において、前記(e)成分の粉体ポリテトラフルオロエチレン及び/又は改質ポリテトラフルオロエチレンを前記(a)成分の全量又は一部とドライブレンドして前記押出機へ供給することを含む、[7]に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(b)スチレン系樹脂と、(c)リン系化合物と、(d)無機充填材と、(e)ポリテトラフルオロエチレンと、を含む樹脂組成物であり、前記樹脂組成物中に、前記(d)成分を35~60質量%含み、流れ方向の長さ125mm、垂直方向の長さ13mm、厚み1.6mmの寸法で作成した前記樹脂組成物の試験片を、温度150℃、24時間の条件下でエージングしたときの試験片の収縮率が6~20%であることを特徴とする。
当該収縮率は、より好ましくは7~18%、更に好ましくは7~15%である。
当該収縮率は、6%以上であることで燃焼時の滴下防止性、外観に優れ、20%以下であることで流動性、難燃性に優れる。
本開示において、「エージング」とは、高温状態に一定時間置くことをいい、温度は150℃、時間は24時間とする。
樹脂組成物の試験片は、乾燥させた樹脂組成物ペレットから射出成形機を用いて作製することができ、流れ方向の長さ125mm、垂直方向の長さ13mm、厚み1.6mmの大きさとする。
なお、本開示で、「流れ方向」とは、樹脂組成物を射出成形する際に樹脂組成物が流れる方向(MD)をいい、「垂直方向」とは、「流れ方向」に垂直な幅方向(TD)をいう。
試験片収縮率[%]=((エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]-エージング後の流れ方向の試験片の長さ[mm])/(エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]))×100
なお、樹脂組成物の試験片の収縮率は、具体的には、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
逆に当該収縮率を低くする方法としては、例えば、樹脂組成物中の(e)成分の含有量を減らす、(e)成分の分散性を下げる、(e)成分のフィブリル構造を減らす等が挙げられる。
スクリュー構成に関しても、混練性が高い構成にすると(e)成分の分散性は上がるが、(e)成分のフィブリル構造は壊れやすくなり、逆に混練性が低い構成にすると(e)成分の分散性は下がるが、(e)成分のフィブリル構造は壊れにくくなるため、適宜スクリュー構成の調整を行って、当該収縮率を調整する。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂(本明細書において、「PPE」と称する場合や、単に「(a)成分」と称する場合がある。)は、フェニレンエーテルの単独重合体(ホモポリマー)でもよいし、フェニレンエーテルと他の単量体との共重合体(コポリマー)でもあってもよい。
上記(a)成分は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここでいう変性ポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素-炭素二重結合及び/又は三重結合を有するとともに、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも1個の基を有する変性化合物(以下、単に「変性化合物」と記載する場合がある。)で変性されたポリフェニレンエーテルをいう。変性化合物は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、ポリフェニレンエーテル系樹脂との反応性の観点から、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸が好ましく、フマル酸、無水マレイン酸がより好ましい。また、これら不飽和ジカルボン酸の2個のカルボキシル基のうちの1個又は2個がエステルになっている化合物も変性化合物として使用可能である。
本実施形態の(b)スチレン系樹脂(本明細書において、単に「(b)成分」と称する場合がある。)とは、スチレン系化合物、又はスチレン系化合物とスチレン系化合物に共重合可能な化合物とを、ゴム質重合体存在下又は非存在下に重合して得られる重合体である。
(b)スチレン系樹脂は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
スチレン系化合物と共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物とスチレン系化合物と共重合可能な化合物との合計量に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、(c)リン系化合物(本明細書において、単に「(c)成分」と称する場合がある。)を含有する。
上記(c)成分は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(c)成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル化合物;これらを各種置換基で変性した変性リン酸エステル化合物;各種の縮合タイプの縮合リン酸エステル系化合物等が挙げられる。これらの中でも、縮合リン酸エステル系化合物が好ましい。
ここでいう「主成分」とは、下記式(3)及び下記式(4)で表される芳香族縮合リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、(c)成分100質量%に対して、90質量%以上含まれることをいい、好ましくは95質量%以上、より好ましくは100質量%である。
本実施形態の樹脂組成物に含まれる(d)無機充填材(本明細書において、単に「(d)成分」と称する場合がある。)としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ、ウォラストナイト、タルク、焼成クレー等が挙げられる。低寸法異方性が要求される場合にはガラスビーズやガラスフレークを、高剛性、高耐衝撃性が要求される場合にはガラス繊維やウィスカー類を、導電性付与の目的には金属繊維を、高比重が要求される場合には酸化鉄を、選択して用いることが好ましい。機械的物性、難燃性の観点から、ガラス繊維及びマイカから選ばれる1種以上であることが好ましく、ガラス繊維及びマイカであることがより好ましい。
上記(d)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、本発明の目的を損なわない範囲で、所望に応じシラン系カップリング剤による表面処理や、集束剤による集束処理が施されたものも用いることができる。
本実施形態の(e)ポリテトラフルオロエチレン(本明細書において、単に「(e)成分」と称する場合がある。)(PTFE)は、ポリフェニレンエーテル中でフィブリル構造を形成することにより、ドリップの抑制効果が高く、ドリップ防止剤として好適である。
その中でも、PTFEを10~90質量%、好ましくは15~70質量%含有し、他樹脂により取り扱い性が改善された改質PTFEを用いることが好ましい。このような改質PTFEは、例えば特開平09-95583号や特開平11-29679号等に記載されており、商品としてはメタブレン(三菱レイヨン(株))やBLENDEX 449(ケムチュラ社)の商品名で販売されている。
PTFEマスターバッチの場合は、マスターバッチを作る際と樹脂組成物を作る際の2度熱がかかることになる。優れた燃焼時の滴下防止性、外観を得る観点から、1度の押出により樹脂組成物を得ることが好ましい。
更に好ましくは粉体PTFE及び/又は改質PTFEを用い、当該PTFEに事前に(a)成分~(d)成分の少なくとも1成分をドライブレンドして押出機に供給することが好ましい。また特に、当該PTFEに事前に(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の全量又は一部のみをドライブレンドして押出機に供給することが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物には、更に他の特性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、可塑剤、酸化防止剤、並びに紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料、上記以外のその他の樹脂等の添加剤を添加することができる。また、従来から知られた各種難燃剤、及び難燃助剤、例えば結晶水を含有する、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウム、アルカリ金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物等を添加して更なる難燃性の向上も可能である。
添加剤の含有量は、樹脂組成物100質量%に対して、5質量%以下としてよい。
-流動性-
本実施形態の樹脂組成物のメルトフローレートは、流動性に一層優れる観点から、5g/10分以上であることが好ましく、より好ましくは10g/10分以上である。また、燃焼試験時の滴下性防止の観点から30g/10分以下であることが好ましい。
なお、樹脂組成物のメルトフローレートは、ISO1133に準拠して測定することができ、具体的には、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、厚さ1.6mmの射出試験片を用いた、UL94-V試験に基づく難燃性の評価において、V-0、V-1の評価であることが好ましい。より好ましくはV-0の評価であることである。
また、本実施形態の樹脂組成物は、厚さ2.8mmの射出試験片を用いた、UL94-5V試験に基づく難燃性の評価において、5VAの評価であることが好ましい。より好ましくは、厚さ2.4mmの射出試験片を用いた、UL94-5V試験に基づく難燃性の評価において、5VAの評価であることである。
なお、樹脂組成物の難燃性は、後述の実施例に記載の方法で評価することができる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、例えば、二軸押出機を用いて、上述の各成分を溶融混練する方法が挙げられる。上記二軸押出機としては、例えば、コペリオン社製のZSKシリーズ、東芝機械社製のTEMシリーズ、日本製鋼所社製のTEXシリーズ等が挙げられる。
樹脂組成物に、優れた燃焼時の滴下防止性を発現させる観点から、溶融混練温度は280~320℃とすることが好ましく、スクリュー回転数は250~550rpmとすることが好ましい。
また、(e)成分の押出機への供給方法として、粉体PTFE及び/又は改質PTFEを用い、当該PTFEに事前に(a)成分~(d)成分の少なくとも1成分をドライブレンドして押出機に供給する工程を含むことが好ましい。特に、より優れた燃焼時の滴下防止性、外観を発現させる観点から、上記PTFEに事前に(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の全量又は一部のみをドライブレンドして押出機に供給する工程を含むことが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、これを成形することにより成形体とすることができる。成形方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、フィルム成形等、公知の成形方法を用いることもできる。上述の樹脂組成物を成形して得られる成形体は、種々の成形体として用いることができ、特に、家電、OA機器等に好適に使用できる。すなわち、本実施形態の成形体は、上記した樹脂組成物を含む、成形体である。
(a-1)還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃測定)0.52dL/gのポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)
(a-2)還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃測定)0.41dL/gのポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)
(b-1)ハイインパクトポリスチレン(HIPS)
ペトロケミカル社製「CT60」
(b-2)スチレン-アクリロニトリル共重合体(AS)
(b-2)のAS共重合体は、以下のようにして製造した。
アクリロニトリル4.7質量部、スチレン73.3質量部、エチルベンゼン22質量部、重合開始剤としてのt-ブチルパーオキシ-イソプロピルカーボネート0.02質量部よりなる混合液を、2.5リットル/時間の流速で、容量5リットルの完全混合型反応機に連続的に供給し、142℃で重合を行って重合液を得た。
得られた重合液を連続してベント付き押出機に導き、260℃、40Torrの条件下で未反応モノマー及び溶剤を除去し、ポリマーを連続して冷却固化し、細断して粒子状のスチレン-アクリロニトリル共重合体(以下、「AS」ということもある)を得た。
このスチレン-アクリロニトリル共重合体について、赤外吸収スペクトル法により組成分析したところ、アクリロニトリル単位9質量%とスチレン単位91質量%であった。また、このスチレン-アクリロニトリル共重合体のメルトフローレートは、78g/10分(ASTM D 1238準拠、220℃、10kg荷重で測定)であった。
縮合リン酸エステル系化合物、商品名「E890」、大八化学工業株式会社製
(d-1)マイカ
商品名「スゾライトマイカ200HK」、西日本貿易株式会社製
(d-2)ガラス繊維(GF)
商品名「マイクログラスサーフェストランド REV8」、オーウェンスコーニングジャパン社製
アクリル酸エステル-メタクリル酸エステル共重合物を50質量%含有する改質PTFE(商品名「メタブレンA3800」、三菱レイヨン株式会社製)
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを90℃で1時間乾燥した。乾燥後の樹脂組成物ペレットから、IS-100GN型射出成形機(東芝機械株式会社製、シリンダー温度を240~280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、流れ方向の長さ125mm、垂直方向の長さ13mm、厚み1.6mmの試験片を作製した。
この試験片を温度150℃で24時間エージングした後の、試験片の収縮率を下記式から求めた。
試験片収縮率[%]=((エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]-エージング後の流れ方向の試験片の長さ[mm])/(エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]))×100
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを90℃で1時間乾燥した。乾燥後の樹脂組成物ペレットから、IS-100GN型射出成形機(東芝機械株式会社製、シリンダー温度を240~280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、流れ方向の長さ90mm、垂直方向の長さ50mm、厚さ2.5mmの試験片を作製した。
この試験片の外観を目視確認し、以下の評価基準で判定した。
○(優れる):充填材の浮き上がりが少ない。
△(可):充填材の浮き上がりがやや多い。
×(不良):充填材の浮き上がりが多い。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを用い、ISO-1133に準じて250℃、10kg荷重の条件で、メルトフローレート(g/10分)を測定した。
評価基準としては、メルトフローレートが大きい値であるほど流動性に優れていると評価した。
-V試験-
UL94-V試験に基づき、1.6mm厚さの射出成形試験片を用いて難燃性を評価した。
まず、実施例及び比較例で得た樹脂組成物ペレットを90℃で1時間乾燥した。乾燥したペレットを240~280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機(商品名「IS-100GN」、東芝機械株式会社製)に供給し、金型温度80℃の条件で射出成形することで、当該規格で規定された寸法(縦125mm×横13mm×厚さ1.6mm)の試験片を作成した。
上記試験片にガスバーナーの炎を当てて、その燃焼の程度を評価した。
なお、難燃等級には、UL94-V試験によって分類される難燃性のクラスを示した。全ての試験片で試験は5本行い判定した。分類方法の概要は以下の通りである。
V-0:5本の合計燃焼時間50秒以下、最大燃焼時間10秒以下、有炎滴下なし
V-1:5本の合計燃焼時間250秒以下、最大燃焼時間30秒以下、有炎滴下なし
UL94-5V試験に基づき、2.4mm厚さ及び2.8mm厚さの射出成形試験片を用いて難燃性を評価した。
まず、実施例及び比較例で得た樹脂組成物ペレットを90℃で1時間乾燥した。
短冊サンプルにおいては、乾燥したペレットを用いて220~240℃に設定したスクリューインライン型射出成形機(商品名「SH100C」、住友重機械工業株式会社製)に供給し、金型温度30℃の条件で射出成形することで、当該規格で規定された寸法(縦125mm×横13mm×厚さ2.4mm及び厚さ2.8mm)の試験片を作成した。
板サンプルにおいては、乾燥したペレットを用いて290~310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機(商品名「SH100C」、住友重機械工業株式会社製)に供給し、金型温度100℃の条件で射出成形することで、当該規格で規定された寸法(縦150mm×横150mm×厚さ2.4mm及び厚さ2.8mm)の試験片を作成した。
上記試験片にガスバーナーの炎を当てて、その燃焼の程度を評価した。
なお、難燃等級には、UL94-5V試験によって分類される難燃性のクラスを示した。短冊サンプル5本、板サンプル3枚試験を行い、判定した。分類方法の概要は以下の通りである。
5VA:短冊サンプルにおいて5回目の接炎後の燃焼時間及びグローイング時間の合計が60秒以下で、板サンプルにおいて接炎後の穴開きがなかった。
不合格:5VAの基準に満たなかったものを不合格とした。
樹脂組成物の製造装置として、二軸押出機(商品名「TEM58SS」、東芝機械社製)を用いた。該二軸押出機においてバレル数は13ブロックであり、原料の流れ方向について、上流から1バレル目(第1供給口)、6バレル目(第2供給口)、9バレル目(第3供給口)にそれぞれ1ヶ所の計3ヶ所の供給口を設け、8バレル目に液添ポンプを設け、5バレル目、12バレル目の2ヶ所真空ベントを設けた。また、第2供給口、第3供給口への原料供給方法は、押出機サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて供給する方法とした。
製造方法1~4における、バレルに設けるスクリュー構成、バレルの設定温度は、図1に記載の通りである。なお、上記スクリュー構成の標記に用いたニーディングディスクの略号の意味は、以下のとおりである。
・R1:ニーディングディスクライト(L/D=1.03)
・R2:ニーディングディスクライト(L/D=0.51)
・L:ニーディングディスクレフト(L/D=0.51)
・N1:ニーディングディスクニュートラル(L/D=1.03)
・N2:ニーディングディスクニュートラル(L/D=0.51)
・逆:2条フライトスクリュー逆送り(L/D=0.39)
・S:SMEスクリュー(L/D=0.78)
上記のように設定した二軸押出機において、表1、3に示した組成、製造条件の下、吐出量400kg/時間の条件にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
〔実施例11〕
上記のように設定した二軸押出機において、表2に示した組成、製造条件の下、吐出量400kg/時間の条件にて溶融混練した。まず、第一の樹脂組成物を製造した後、その第一の樹脂組成物を用いて第二の樹脂組成物を製造し、樹脂組成物のペレットを得た。
Claims (8)
- (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、
(b)スチレン系樹脂と、
(c)リン系化合物と、
(d)無機充填材と、
(e)ポリテトラフルオロエチレンと、
を含む樹脂組成物であり、
前記(a)成分が、還元粘度が異なる2以上のポリフェニレンエーテルを含み、
前記(c)成分が、縮合リン酸エステル化合物であり、
前記樹脂組成物中に、前記(d)成分を35~60質量%含み、
前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、前記(e)成分を0.05~1.5質量部含み、
流れ方向の長さ125mm、垂直方向の長さ13mm、厚み1.6mmの寸法で作成した前記樹脂組成物の試験片を、温度150℃、24時間の条件下でエージングしたときの、下記式で示す試験片の収縮率が6~20%であることを特徴とする、樹脂組成物。
試験片収縮率[%]=((エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]-エージング後の流れ方向の試験片の長さ[mm])/(エージング前の流れ方向の試験片の長さ[mm]))×100 - 前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、
前記(a)成分を50~70質量部、
前記(b)成分を10~30質量部、
前記(c)成分を10~30質量部、及び
前記(e)成分を0.05~1質量部含む、請求項1に記載の樹脂組成物。 - 前記(a)成分が、
(a-1)還元粘度が0.45~0.55dL/gのポリフェニレンエーテル系樹脂と、
(a-2)還元粘度が0.35~0.45dL/gのポリフェニレンエーテル系樹脂と、
を含み、
(a-1)成分と(a-2)成分との合計100質量部に対する(a-2)成分の含有量が、60~90質量部である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 前記(d)成分が、ガラス繊維及びマイカから選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形体。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
押出機を用いて、前記(a)成分~(e)成分を溶融混練する工程を含むことを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。 - 前記(e)成分の粉体ポリテトラフルオロエチレン及び/又は改質ポリテトラフルオロエチレンを前記(a)成分~(d)成分の少なくとも1成分とドライブレンドして前記押出機へ供給する工程を含む、請求項6に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記供給する工程において、前記(e)成分の粉体ポリテトラフルオロエチレン及び/又は改質ポリテトラフルオロエチレンを前記(a)成分の全量又は一部とドライブレンドして前記押出機へ供給することを含む、請求項7に記載の樹脂組成物の製造方法。
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