JP6986797B1 - 次亜塩素酸水調製用剤及びその個包装物及び次亜塩素酸水の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、例えば水に電解質である塩を溶解した電解液を、例えば電気分解して次亜塩素酸水を調製し、得られた次亜塩素酸水を殺菌や消臭に利用している。より具体的には、このような次亜塩素酸水に物品や食品を浸漬したり、霧化散布したりすることで、対象物を殺菌したり消臭したりすることが恒常的に行われている。
より詳細には、次亜塩素酸水に野菜を浸漬することで、野菜の腐敗の原因となる雑菌の繁殖を抑制することができる。あるいは、病院や介護施設、又は個人の住宅等において、次亜塩素酸水を霧化散布することで、感染性を有する病原菌やウイルス等を殺菌したり失活させたりすることができる。
また、次亜塩素酸水は消臭効果も有する。このため、次亜塩素酸水を霧化噴霧することで、ペット臭やたばこ臭を消臭する、あるいはキッチンや風呂場などにおいて不快な臭気が発生するのを防ぐことができる。
このような事情に鑑み、家庭又は個人での使用に適した簡易タイプの次亜塩素酸水生成装置に関する発明や考案がいくつか開示されている。
特許文献1に開示される考案である次亜塩素酸水溶液生成装置は、同文献中の図2に示される符号をそのまま用いて説明すると、容器内部で水と食塩とを混ぜ合わせて食塩水とし、さらにこの食塩水を電気分解し、得られた電解水を調整することで所望の次亜塩素酸水溶液を得ることができる次亜塩素酸水溶液生成装置10に用いられ、この次亜塩素酸水溶液生成装置10の容器載置台50の電気接続部と電気的な接続がなされる水溶液容器20である。また、この水溶液容器20の底部には、電極取付け部24が設けられるとともに、この電極取付け部24には容器載置台50の電気接続部と電気的に接続される一対の電解電極板26が設けられ、さらに電極取付け部24の最大径が、水溶液容器20の注ぎ口の最大径よりも小さく設定されている。
上述のような特許文献1に開示される考案によれば、家庭または個人での使用に適した次亜塩素酸水溶液生成装置を提供することができる。また、特許文献1に開示される考案は、小型で安価であり生成コストを抑えることができる。しかも、特許文献1に開示される考案によれば、必要とする人が必要な場所で次亜塩素酸水溶液を生成することができ、誰でも安全に使用することのできる次亜塩素酸水溶液生成装置及びこれに用いられる水溶液容器を提供することができる。
特許文献2に開示される発明である義歯洗浄装置は、同文献中の図1に示される符号をそのまま用いて説明すると、水が供給される本体容器2と、この水に電流を流して電解生成水を生成する複数の電解用電極3と、この電解用電極3に電圧を印加する電源部4とを備えることを特徴とするものである。
上述のような特許文献2に開示される発明によれば、アルカリ性過酸化物等の薬剤を用いる必要がなく、しかも家庭で簡単に義歯の洗浄ができる義歯洗浄装置を提供することができる。
このように、特許文献1に開示される考案を用いる場合は、次亜塩素酸水溶液を得るのに時間と手間がかかる。
さらに、特許文献1を参酌する場合は、使用者は次亜塩素酸水溶液生成装置を使用する度毎に、食塩水を調製するための水道水、塩、希釈水として用いる水道水及び中和剤として用いる炭酸水の量をそれぞれ適切に計量する必要がある。また、これらの量が適切に計量されていないと、得られた次亜塩素酸水溶液の遊離残留塩素濃度及びpH値を、当初目的とした値にすることができない。つまり、特許文献1を参酌する場合は、使用者が希釈工程や、中和工程を忘れた場合、目的とする次亜塩素酸水溶液を得ることができないといった課題があった。
このように、特許文献1に開示される考案は、使用者にとってその取扱いが依然として煩雑であった。
したがって、特許文献2を参酌すれば、特許文献1に開示される考案を用いる場合のように、生成した電解液のpHを調整するために「炭酸水」を混合する作業を行う必要がない。このため、特許文献2を参酌する場合は、特許文献1を参酌する場合に比べて、電解処理液のpHの調整が容易になる。
その一方で、特許文献2には、電解質であるNaCl、及び緩衝剤として電解液に添加される酢酸及び酢酸ナトリウムが、添加剤用タンク6(図3を参照)に収容され、この添加剤用タンク6からチューブ29を介して本体容器2に供給される旨の開示がある。つまり、特許文献2に開示される発明では、電解質及び緩衝剤が液体、すなわち水溶液として供給されるという技術内容を有している。
特許文献2に開示される装置では、添加剤用タンク6内の添加剤(液体)から溶媒である例えば水等が蒸発するなどして徐々に失われる可能性がある。この場合、添加剤の濃度を適切に維持することができないという課題が生じる。さらに、添加剤の一部が添加剤用タンク6内において酸化するなどして変質する可能性もある。この場合は、電解処理液のpHを適切に調整することができないという課題が生じる。
つまり、特許文献2を参酌する場合は、電解処理液のpHを高い精度を維持しながら管理することが困難である。
また、第1の発明において二酢酸ナトリウムは、電解処理液のpH値を下げるという作用を有する。つまり、食塩水を電解処理して得られる電解処理液のpH値は9に近いが、二酢酸ナトリウムを溶解させた食塩水を電解処理して得られる電解処理液のpH値は9よりも小さくなる。よって、第1の発明において二酢酸ナトリウムは、電解処理液の酸性度を高めるという作用を有する。これにより、第1の発明は、二酢酸ナトリウムを含有しない場合に比べて、電解処理液中の次亜塩素酸の存在比率を高めるという作用を有する。
そして、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有する場合、この炭酸水素ナトリウムは、水中で二酢酸ナトリウムが電離して生じる酢酸と反応して二酸化炭素を発生させる。
このため、第1の発明の態様が特にタブレット状であり、かつこのタブレットが炭酸水素ナトリウムを含有する場合は、このタブレットを水に投入した際に二酸化炭素が発生して、水中においてタブレットをスムーズに解砕させることができる。
よって、第1の発明の態様が特にタブレット状である場合は、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有することで構成成分が水に溶解する時間を短くすることができる。
さらに、上述の通り第1の発明が二酢酸ナトリウムを含有することで、電解処理液の酸性度が高まる。その一方で、炭酸水素ナトリウムの含有の有無に関わらず、第1の発明を溶解させた電解液に付加される電荷量が増えるにつれその水溶液のアルカリ度が高まる。
そして、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有する場合、この炭酸水素ナトリウムは、二酢酸ナトリウムのpH緩衝作用の一部を減殺するという作用を有する。つまり、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有する場合は、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有しない場合に比べて、電解処理液のアルカリ度が高くなる。
このように、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有する場合は、炭酸水素ナトリウムの含有量を調整することで、電解処理液のアルカリ度を容易に調整することができる。つまり、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有する場合は、電解処理液のアルカリ度を調整するために、電解液に付加する電荷量を調整する必要がない。このことは、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有する場合、二酢酸ナトリウムの含有量を変えることで電解処理液の酸性度を調整することができ、炭酸水素ナトリウムの含有量を変えることで同電解処理液のアルカリ度を調整することができることを意味する。つまり、第1の発明が炭酸水素ナトリウムを含有する場合は、構成成分の配合割合を変更するだけで、電解処理液のpHを微調整することができる。
さらに、第1の発明の態様が粉状又は粉粒状又は粒状又はタブレット状であることで、所望量ずつ小分けされた第1の発明を水に添加する際に、次亜塩素酸水調製用剤の一部が容器に残存して使用できないといった事態が起こり難い。このため、容器等に収容された第1の発明を残さず使い切ることができる。
さらに、「粉粒状」とは、添加剤を構成する成分の一部又は全部が完全に粉末化されておらず、粉末状のものと粉末よりも粒子径が大きいものが混在した状態のものである。
加えて、「粒状」とは、添加剤を構成する各成分を粉末化することなく単に混合したものである。
また、「タブレット状」とは、添加剤を構成する各成分を粉末化した後、打錠成形してなる錠剤である。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第2の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.5にすることで、電解処理液中の遊離残留塩素濃度を10−120ppmの範囲内にするという作用を有する。この場合、電解処理して得られる次亜塩素酸水を希釈することなく原液のまま使用することができる。
なお、第2の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)が0.07を下回ると、電解処理液中の遊離残留塩素濃度が10ppmに満たなくなる。この場合、十分な殺菌効果や消臭効果が期待できなくなる。
また、第2の発明における二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)を0.08≦Xにすることで、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内にすることができる。この結果、電解処理して得られる次亜塩素酸水中の次亜塩素酸の存在比率を90mol%以上にすることができる。
なお、第2の発明では、塩化ナトリウムの含有量A(gw)が大きいほど、電解処理液のpH値を4.5−6.5に保つために必要な二酢酸ナトリウムの量が増える。このため、二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)が0.08を下回ると、塩化ナトリウムの含有量A(gw)が0.5である場合に、電解処理して得られる電解処理液のpH値を6.5以下にすることができなくなる。
上記構成の第3の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第3の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.5にすることで、電解処理液中の遊離残留塩素濃度を10−120ppmの範囲内にするという作用を有する。この場合、電解処理して得られる次亜塩素酸水を希釈することなく原液のまま使用することができる。
なお、第3の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)が0.07を下回ると、電解処理液中の遊離残留塩素濃度が10ppmに満たなくなる。この場合、十分な殺菌効果や消臭効果が期待できなくなる。
また、第3の発明では、二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)を0.3≦Xにするとともに、炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)をY≦0.67Xにすることで、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内にすることができる。この結果、電解処理して得られる次亜塩素酸水中の次亜塩素酸の存在比率を90mol%以上にすることができる。
上記構成の第4の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第4の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.5にすることで、電解処理液中の遊離残留塩素濃度を10−120ppmの範囲内にするという作用を有する。この場合、電解処理して得られる次亜塩素酸水を希釈することなく原液のまま使用することができる。
なお、第4の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)が0.07を下回ると、電解処理液中の遊離残留塩素濃度が10ppmに満たなくなる。この場合、十分な殺菌効果や消臭効果が期待できなくなる。
また、第4の発明では、二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)を0.15≦X<0.3にするとともに、炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)をY≦(X−0.1)にすることで、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内にすることができる。この結果、電解処理して得られる次亜塩素酸水中の次亜塩素酸の存在比率を90mol%以上にすることができる。
上記構成の第5の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第5の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.3にすることで、電解処理液中の遊離残留塩素濃度を10−70ppmの範囲内にするという作用を有する。この場合、電解処理して得られる次亜塩素酸水を希釈することなく原液のまま使用することができる。
なお、第5の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)が0.07を下回ると、電解処理液中の遊離残留塩素濃度が10ppmに満たなくなる。この場合、十分な殺菌効果や消臭効果が期待できなくなる。
また、第5の発明では、二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)を0.08≦X<0.15にするとともに、炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)をY≦(0.43X−0.014)にすることで、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内にすることができる。この結果、電解処理して得られる次亜塩素酸水中の次亜塩素酸の存在比率を90mol%以上にすることができる。
上記構成の第6の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第6の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.5にすることで、電解処理液中の遊離残留塩素濃度を10−120ppmの範囲内にするという作用を有する。この場合、電解処理して得られる次亜塩素酸水を希釈することなく原液のまま使用することができる。
なお、第6の発明における塩化ナトリウムの含有量A(gw)が0.07を下回ると、電解処理液中の遊離残留塩素濃度が10ppmに満たなくなる。この場合、十分な殺菌効果や消臭効果が期待できなくなる。
また、第6の発明では、二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)を0.2≦Xにするとともに、炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)をY≦0.05にすることで、電解処理液のpH値を5に近似させることができる。この結果、電解処理して得られる次亜塩素酸水中の次亜塩素酸の存在比率をほぼ100mol%にすることができる。
上記構成の第7の発明は、上述の第2乃至第6のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第7の発明である次亜塩素酸水調製用剤の態様がタブレットであることで、その態様が粉状又は粉粒状又は粒状である場合に比べてその取扱いを一層容易にできる。
つまり、第7の発明の場合は、水に添加する成分の全てが単数又は複数の、より詳細には単数又は数十個以下の固形物(錠剤)として供給される。
この場合、この固形物を予め計量された水に投入するだけで、次亜塩素酸水を調製するのに必要な全成分を過不足なく、しかも一度の作業で迅速に水に供給することができる。
しかも、第7の発明は、必須成分として炭酸水素ナトリウムを含有しているため、水中に投入された際に、タブレットが水中で容易に解砕する。このため、第7の発明によれば、各成分をスムーズに水に溶解させることができる。
よって、第7の発明によれば、炭酸水素ナトリウムを含有しないタブレットを用いる場合に比べて、次亜塩素酸水の調製に要する時間を短くすることができる。
上記構成の第8の発明において、次亜塩素酸水調製用剤は、上述の第1乃至第7のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。
また、第8の発明において、密封容器は、次亜塩素酸水調製用剤の保管時又は輸送時に、次亜塩素酸水調製用剤が吸湿するのを防ぐという作用を有する。この場合、次亜塩素酸水調製用剤の保管時又は輸送時に、次亜塩素酸水調製用剤が吸湿してその成分の一部が水分とともに染み出て喪失したり、水と反応して喪失したりするのを防ぐという作用を有する。
なお、密封容器の材質としては、合成樹脂や、アルミニウム等の金属薄膜を備える合成樹脂を使用することができる。
上記構成の第9の発明において、次亜塩素酸水調製用剤の作用は、上述の第1乃至第7のそれぞれの発明である次亜塩素酸水調製用剤による作用と同じである。
また、第9の発明によれば、上述のような次亜塩素酸水調製用剤を、計量された所望量の水に添加して数分間放置して電解液とし、この電解液を電解処理するだけで次亜塩素酸の含有比率が90mol%以上で高く、しかも原液をそのまま使用することができる次亜塩素酸水を得ることができる。
よって、第9の発明によれば、次亜塩素酸水を調整する際の手間を必要最小限度にするという作用を有する。
この場合、次亜塩素酸水調製用剤が液体で供給される場合に比べて、その取扱いを容易かつ安全にできる。
つまり、第1の発明によれば、次亜塩素酸水を調製する場合に、所望量の水を計量して第1の発明である次亜塩素酸水調製用剤を添加(投入)して電解液とし、この電解液を電解処理するだけで、二酢酸ナトリウムを含有しない食塩水を電解処理して得られる電解処理液と比較してpH値がより小さい次亜塩素酸水を得ることができる。より具体的には、第1の発明によれば、二酢酸ナトリウムを含有しない食塩水を電解処理して得られる電解処理液よりも次亜塩素酸の存在比率が高い次亜塩素酸水を得ることができる。
つまり、第1の発明によれば使用者は、水の計量作業と、計量済の水に第1の発明である次亜塩素酸水調製用剤を投入する作業と、電解装置を作動させる操作を行うだけで、原液のまま使用できる次亜塩素酸水を得ることができる。
すなわち、第1の発明によれば、上述の特許文献1を参酌する場合のように、電解液を得るために電解質を計量したり、電解処理液を希釈したり、さらにはこの希釈水に炭酸水を混合してpHを調製したりするなどの煩雑な作業を行う必要がない。
また、第1の発明によれば、上述の特許文献2を参酌する場合のように、電解液を調製するのに用いる添加剤の濃度が変わったり、あるいは添加剤の成分が酸化するなどして変質したりする懸念がない。このため、第1の発明を用いて調製された次亜塩素酸水中の遊離残留塩素濃度や、pHを所望の状態にコントロールすることが容易である。
しかも、第1の発明によれば、次亜塩素酸水調製用剤を製造後に一時保管する場合や運搬する際の形態をコンパクトにできる。加えて、第1の発明によれば、製造された次亜塩素酸水調製用剤を一時保管する場合や運搬する際に、構成成分の一部が喪失したり、変質したりするのを防ぐことができる。
この結果、第1の発明によれば、使用時、及び保管時や運搬時の取扱いが極めて容易な次亜塩素酸水調製用剤を提供することができる。
このことは、第1の発明を用いて調製された次亜塩素酸水の品質の再現性が高いことを意味している。つまり、第1の発明によれば、使用者の力量や能力によって、電解処理して得られる次亜塩素酸水の品質にばらつきが生じ難い。したがって、第1の発明によれば、誰でも当初目的とした品質を有する次亜塩素酸水を短時間で容易に調製することができる。
また、第1の発明を構成する各成分は、いずれも人体に有害でない。よって、第1の発明を用いて調製された次亜塩素酸水も、人体に安全なものにすることができる。
よって、第2の発明によれば、殺菌効果や消臭効果に優れ、しかも人体に安全な次亜塩素酸水を容易に得ることができる。
よって、第2の発明によれば、電解処理して得られる次亜塩素酸水を用いることで、生活環境を容易に改善することができる。
よって、第3乃至第5のそれぞれの発明によれば、殺菌効果や消臭効果に優れ、しかも人体に安全な次亜塩素酸水を容易に得ることができる。
この結果、第3乃至第5のそれぞれの発明によれば、調製された次亜塩素酸水を用いることで人の生活環境を改善することができる。
さらに、第3乃至第5のそれぞれの発明では、二酢酸ナトリウムの含有量を上述の範囲内で変更することで電解処理液の酸性度を所望に調整できるとともに、炭酸水素ナトリウムの含有量を上述の範囲内で変更することで電解処理液のアルカリ度を所望に調整することができる。
つまり、第3乃至第5のそれぞれの発明によれば、電解処理して得られる次亜塩素酸水のpH値を4.5−6.5の範囲内の目的とする値に一致又は近似させることが容易である。
よって、第3乃至第5のそれぞれの発明によれば、使用者のニーズに合致したpH値を有する次亜塩素酸水を提供することができる。
よって、第6の発明によれば、人体に安全で、第3乃至第5のそれぞれの発明よりも殺菌効果や消臭効果が優れた次亜塩素酸水を得ることができる。
しかも、第7の発明は水中で容易に解砕するので、次亜塩素酸水の製造に必要な時間を短くすることができる。
さらに、第7の発明によれば、次亜塩素酸水調製用剤の態様が粉状又は粉粒状又は粒状である場合に比べて、その態様を一層コンパクトにできるので、保管時や輸送時の取扱いが一層容易になる。
よって、第8の発明によれば、各成分が予め計量されてなる次亜塩素酸水調製用剤を、密封容器内に封止しておくことで、次亜塩素酸水調製用剤を長期間保管する場合や運搬する際に、次亜塩素酸水調製用剤が意図せず吸湿するのを防ぐことができる。この場合、次亜塩素酸水調製用剤を構成する各成分が水分と接触することで、成分同士が反応して構成成分の一部が喪失したり、構成成分の一部が変質したりするのを防ぐことができる。
この結果、第8の発明を用いて調製された次亜塩素酸水の品質にばらつきが生じるのを防ぐことができる。
また、第8の発明によれば、使用者は密封容器を開封して中身である次亜塩素酸水調製用剤を水に投入するだけでよいので、次亜塩素酸水を調製する際の作業性を向上させることができる。
よって、第9の発明の発明における次亜塩素酸水調製用剤による効果は、上述の第1乃至第7のそれぞれの発明による効果と同じである。
また、第9の発明によれば、使用者は煩雑な計量作業をほとんど行うことなく、必要時に迅速に次亜塩素酸水を調製して使用することができる。
加えて、第9の発明によれば、使用者が行う作業が極めて少ないので、電解処理して得られる次亜塩素酸水の品質にばらつきが生じるのを防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤について説明する。
本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤は、所望量の水に電解質を溶解してなる電解液を電解処理して次亜塩素酸水を調製するのに用いられる添加剤であって、この添加剤は、塩化ナトリウムと、二酢酸ナトリウムと、必要に応じて含有する炭酸水素ナトリウム(重曹)のみからなり、その態様が粉状又は粉粒状又は粒状又はタブレット状をなしているものである。
より具体的には、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤は、その態様が粉状、粉粒状、粒状タブレット状のいずれかであり、かつその成分が塩化ナトリウム及び二酢酸ナトリウムの2つのみからなる場合(実施例1)と、塩化ナトリウム、二酢酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの3つのみからなる場合(実施例2)の2種類がある。
なお、本明細書において単に「本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤」と記載する場合は、上述の実施例1及び実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤の両方を指し示している。
一般に、濃度が0.1mol/Lである二酢酸ナトリウム水溶液のpH値は、その製造元によってやや変動するが、概ね4.5−5の範囲内である。このため、上述のような本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する二酢酸ナトリウムは、電解処理して得られる次亜塩素酸水のpH値を4.5−6.5の範囲内に調整するという作用を有する。これにより、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水中における次亜塩素酸の存在比率を90mol%以上にすることができる。
さらに、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤では、二酢酸ナトリウムの含有量を調整することによって電解処理して得られる次亜塩素酸水のpH値を所望に調整することができる。
ただし、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する炭酸水素ナトリウムは、電解処理して得られる次亜塩素酸水中の次亜塩素酸イオンの濃度を高めることにも低下させることにも寄与しない。
このため、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤においても、上述の実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤と同様に、塩化ナトリウムの含有量によって電解処理して得られる次亜塩素酸水中の遊離残留塩素濃度が決まる。
さらに、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤では、二酢酸ナトリウムの含有量と炭酸水素ナトリウムの含有量を調整することで、電解処理して得られる次亜塩素酸水のpHを微調整することができる。
つまり、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、当初目的とするpH値を有する次亜塩素酸水を簡単に調製することができる。
このため、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤の態様が特に打錠成型してなるタブレットである場合、水中に投入した際にタブレットから生じる二酸化炭素により、タブレットをスムーズに解砕させることができる。
よって、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤の態様が特に打錠成型してなるタブレットである場合、水への各成分の溶解を促進することができる。
ここで、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤と水から次亜塩素酸水が生成される原理について説明する。
[2−1−1;実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤について]
実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する各成分の詳細は下記の通りである。
(1)成分i;塩化ナトリウム(食塩)
・化学式;NaCl
・分子量;58.5
・原子量;
・Na(ナトリウム):23.0
・Cl(塩素):35.5
(2)成分ii;二酢酸ナトリウム
・化学式;NaH(C2H3O2)2
・分子量;142
・原子量;
・O(酸素):16
・C(炭素):12
・H(水素):1
(3)添加対象である水の容積300mLに対する各成分の当量
・成分i;塩化ナトリウム
・510mgw=0.51/58.5=8.7mmol → 29mmol/L
・成分ii;二酢酸ナトリウム
・210mgw=0.21/142=1.5mmol → 4.9mmol/L
容積300mLの水に対し、成分i及び成分iiを上述の通り計量して添加して得られる電解液中において各成分は下記に示すようにイオンとして存在している。
・H2O → H+ + OH−
・NaCl → Cl− + Na+
・CH3COONa → CH3COO− + Na+
・CH3COOH → CH3COO− + H+
・平衡式:
[CH3COO−][H+]/[CH3COOH]=Ka=1.75×10−5
ただし、上記平衡式におけるKaは電離定数である。
上記平衡式より、下記(式1)が得られる。
・式1:[H+]=Ka×[CH3COOH]/[CH3COO−]
ここで、酢酸ナトリウムは水中でほぼ電離しているので、下記(関係式1)が成り立つ。
・関係式1:[CH3COO−]≒[CH3COONa]
そして、上記(式1)と上記(関係式1)から水素イオン濃度([H+] mol/L)は下記(式2)のように示される。
また、下記(式2)から求められる水素イオン濃度([H+] mol/L)に基づき、上記成分i及び成分iiが溶解してなる電解液のpHは下記(式3)により求めることができる。
・式2:[H+]=Ka×[CH3COOH]/[CH3COO−]
=Ka×[CH3COOH]/[CH3COONa]
=Ka×12[mmol/L]/12[mmol/L]
=Ka
・式3: pH=−log[H+]
=−log(Ka)
=4.76
成分i及び成分iiを300mLの水に溶解してなる電解液を無隔膜一室電解槽で電気分解、つまり電解処理した場合、陽極(Anode)及び陰極(Cathode)では、下記のような反応が起こる。
<陽極(Anode)>
2NaCl → Cl2+2e−+2Na+
Cl2+H2O → HCl+HClO (Kw=1.56×10−4)
つまり、陽極(Anode)では以下に示すような反応が起こる。
2NaCl+H2O → HCl+HClO+2e−+2Na+
<陰極(Cathode)>
2H2O+2e− → H2↑+2OH−
すなわち、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を300mLの水に溶解させてなる電解液を無隔膜一室電解槽で電解処理した場合の、陽極と陰極における反応をまとめると下記のようになる。
2NaCl+H2O+2H2O
→ HCl+HClO+2Na++2OH−+H2↑
→ HCl+H++ClO−+2Na++2OH−+H2↑
→ H++Cl−+H2O+ClO−+2Na++OH−+H2↑
→ Cl−+2H2O+ClO−+2Na++H2↑
→ Na++Cl−+(Na++ClO−)+2H2O+H2↑
HCl ⇔ H++Cl−
HClO ⇔ H++ClO−
NaClO ⇔ Na++ClO−
ここで、成分iiである二酢酸ナトリウムによる電解液の緩衝作用について説明する。
二酢酸ナトリウムは水中で電離して、酢酸と酢酸ナトリウムが生じる。
NaH(C2H3O2)2 → CH3COOH + CH3COONa
CH3COOH → CH3COO− + H+
CH3COONa → CH3COO− + Na+
このとき、酢酸ナトリウムは水中でほぼ電離しているので、上記(関係式1)が成り立つ。
そして、上記(式1)と上記(関係式1)から水素イオン濃度([H+] mol/L)を下記(式4)のように示すことができる。なお、Kaは電離定数である。
このとき、酢酸濃度[CH3COOH]をCa(mol/L)、酢酸ナトリウム濃度[CH3COONa]をCs(mol/L)とすると、得られる水素イオン濃度([H+] mol/L)から電解液のpHは下記(式5)により求めることができる。
・式4:[H+]=Ka×[CH3COOH]/[CH3COO−]
=Ka×[CH3COOH]/[CH3COONa]
≒Ka×Ca/Cs
・式5: pH=−log[H+]
=−log(Ka×Ca/Cs)
=−logKa−log(Ca/Cs)
したがって、1molの二酢酸ナトリウムを水1Lに溶かして得られる緩衝液を電気分解することで0.1molの塩酸(HCl)が生成する場合、この緩衝液のpHは上記(式3)及び(式5)に基づいて下記のようになる。
pH=−logKa−log(Ca+0.1)/(Cs−0.1)
=4.76−log(1.1/0.9)
=4.76−0.087
=4.67
1Lの水に成分iである塩化ナトリウムp(mol)と、成分iiである二酢酸ナトリウムn(mol)を加えて電気分解することでk(mol)の塩酸(HCl)が生成すると仮定する。(ただし、k<p,n)
・[NaCl]=p(mol/L)
・[NaH(C2H3O2)2]=n(mol/L)
電気分解により陽極(Anode)及び陰極(Cathode)における生成物を加えた電解液中の反応は下記のようになる。
・kHCl+kHClO+2kNa++2kOH−+kH2↑+nCH3COO−+nNa++nCH3COOH
→kNa++kCl−+kH2O+kHClO+kNa++kOH−+kH2↑+nCH3COO−+nNa++nCH3COOH
なお、上記反応式においてk(mol)分のHClはk(mol)分のNaOHと中和する。さらに、上記反応式は下記のようになる。
→kNa++kCl−+kH2O+kHClO+kH2↑+(n+k)CH3COO−+(n+k)Na++kH2O+(n−k)CH3COOH
また、残りのk(mol)分のNaOHにおける水酸化イオン(OH−)は、k(mol)分の酢酸と反応してkH2OとkCH3COO−となる。なお、この反応が電解液中における二酢酸ナトリウムによる緩衝作用である。
・式6: pH=−logKa−log(n−k)/(n+k)
(a)n=1、k=0.01の場合
pH=−log(1.75×10−5)−log(1−0.01)/(1+0.01)
=4.76+0.0087
=4.77
n、kをそれぞれ上記のように設定する場合は、電解液のpH値はわずかにアルカリ性を高める方向にシフトする。
(b)n=1、k=0.1の場合
pH=−log(1.75×10−5)−log(1−0.1)/(1+0.1)
=4.76+0.087
=4.85
(c)n=1、k=0.5の場合
pH=−log(1.75×10−5)−log(1−0.5)/(1+0.5)
=4.76+0.48
=5.24
(d)n=1、k=0.8の場合
pH=−log(1.75×10−5)−log(1−0.8)/(1+0.8)
=4.76+0.95
=5.71
(e)n=1、k=0.99の場合
pH=−log(1.75×10−5)−log(1−0.99)/(1+0.99)
=4.76+2.30
=7.06
n、kをそれぞれ上記のように設定する場合は、電解液のpH値は電気分解が進むにつれて酸性が弱まり中和点に近づく。
一般に、「残留塩素」には、「遊離残留塩素」と「結合残留塩素」の2種類がある。また、「残留塩素」は「全残留塩素」ともいう。なお、単に「残留塩素」という場合は、通念的には「遊離残留塩素」を指し示す。
さらに、「遊離残留塩素」は、水中に投入された「殺菌力のある塩素」である。そして、「遊離残留塩素濃度」は、水中の塩素ガス分子(Cl2)、次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸イオン(ClO−)の3種類の濃度を合計した値であり、これらが存在する水溶液のpHによってそれぞれの存在比率が変わる。この点については、厚生労働省ウェブサイトに公開されている「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料」(以下、この資料を「参考資料1」という。URL: https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8k.pdf)における図2を参照。なお、「遊離残留塩素」は、塩素イオン(Cl−)とは化学的に性質が異なっており、塩素イオンは「遊離残留塩素」には含まれない。
さらに、「結合残留塩素」は、上述の「残留塩素が」アミンやアンモニアと結合して形成したクロラミンと呼ばれる塩素の呼称である。
先の[2]の説明からも明らかなように、実施例1に係る次亜塩素酸水調整剤を用いて調製される次亜塩素酸水、すなわち電解処理液中に「結合残留塩素」は存在しない。ただし、この電解処理中に意図しない不純物として「結合残留塩素」が存在する可能性はある。
このため、実施例1に係る次亜塩素酸水調整剤を用いて調製される電解処理液中の「残留塩素」は理論上その全てが「遊離残留塩素」である。さらに、先にも述べたが水中の次亜塩素酸(HClO)の存在比率は、その水溶液のpHに依存する。
より具体的には、次亜塩素酸イオン(ClO−)を含有する水溶液のpH値が4.5−6.5の範囲内である場合、この水溶液中に存在する次亜塩素酸イオン(ClO−)の90mol%以上が次亜塩素酸(HClO)として存在する。この点については、上記参考資料1中の図2を参照。
したがって、上記[2−1−5]における(a)〜(e)の記載から明らかなように、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば理論上、緩衝剤として成分iiの二酢酸ナトリウムを含有することで、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内に調整することができる。
つまり、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いる場合は、その電解液を無隔膜一室電解槽において電解処理するだけで、得られる電解処理液のpHを次亜塩素酸(HClO)の存在比率が高い状態にすることができる。
また、この効果は、電解液中の二酢酸ナトリウムの当量(n)が、電気分解によって生じる塩酸の当量(k)と比較して大きい場合に特に発揮され易い。
実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤は、先の[2−1−1]において示す成分i及び成分iiに加えて、成分iiiである炭酸水素ナトリウムを所望量含有してなるものである。ただし、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤では、成分iiiの含有量が成分iiの含有量を下回っている必要がある。
(3)成分iii;炭酸水素ナトリウム(重曹)
・化学式;NaHCO3
なお、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤における成分iiiの含有量の具体的な数値範囲については後段において試験結果を参照しながら説明する。
実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤において成分iiiである炭酸水素ナトリウムは、特に成分iiである二酢酸ナトリウムとともに水に添加された際に、二酸化炭素を発生させるという作用を有する。
つまり、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を水に投入すると以下に示すような反応が起こる。
<二酢酸ナトリウムの電離>
NaH(C2H3O2)2+H2O
→ Na+[CH3COO]−+H+[CH3COO]−+H++NaOH
<二酢酸ナトリウムから電離した酢酸と炭酸水素ナトリウムの反応>
NaHCO3+CH3COOH → CH3COONa+H2O+CO2↑
つまり、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する成分iiiは、成分iiによる電解処理液のpH緩衝作用の一部を減殺する。
このため、本発明に係る次亜塩素酸水調製用剤は、成分iiiである炭酸水素ナトリウムを含有しないことが望ましいが、成分iiiを含有していることで以下に示すような他の有利な効果を発揮させることができる。
より具体的には、タブレット状の実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤の全重量が例えば1.0gwである場合、このタブレットが成分iiiである炭酸水素ナトリウムを含有しない場合、水中でタブレットが解砕するのに3分程度の時間がかかる。
他方、このタブレットが例えばタブレットの全重量の1wt%に相当する量の炭酸水素ナトリウムを含有している場合は、水中でタブレットが解砕するのに必要な時間は1分程度である。
よって、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤において成分iiiは、成分iiの作用の一部を減殺するものの、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤が水に投入された際にその構成成分が水に溶解する時間を短くすることができる。
したがって、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、タブレット状の実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を使用する場合と比較して、次亜塩素酸水を調整するのに必要な時間を短くすることができる。
本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いる場合、先の[2−1−5]において述べた通り、電解処理時の通電量を一定にした場合に、電解処理する時間が長いほど電解処理液のpHは大きくなる。つまり、電解処理時間に比例して電解処理液のアルカリ度が高くなる。
このため、使用者側のニーズとして例えばpH値が6.0である次亜塩素酸水が必要である場合、電解処理により生成される塩酸の量から電解処理時間を逆算して、電解処理時間を設定すればよいことになる。
しかしながら、使用者側が十分な知識を有しない場合は、目的とするpH値を有する次亜塩素酸水を得ることは極めて難しい。
つまり、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、成分iiiである炭酸水素ナトリウムの含有量を適宜調整するだけで、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内の目的値に一致又は近似させることができる。
この場合、次亜塩素酸水のpH値を目的とする値に一致又は近似させるために、使用者が電解処理装置を自ら操作して電解処理時の通電量や通電時間を調整する必要がない。
よって、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いる場合は、目的とするpH値を有する次亜塩素酸水を容易に調製することができるという効果も有する。
また、実施例2に係る次亜塩素酸水調整剤を用いて次亜塩素酸水を調製する場合も次亜塩素酸(HClO)や次亜塩素酸イオン(ClO−)が生成される原理については、実施例1の次亜塩素酸水調整剤を用いる場合と同じである。
したがって、実施例2に係る次亜塩素酸水調整剤を用いて調製される電解処理液、すなわち次亜塩素酸水中にも「結合残留塩素」は存在しない。ただし、この電解処理中に意図しない不純物として「結合残留塩素」が存在する可能性はある。
このため、実施例2に係る次亜塩素酸水調整剤を用いて調製される電解処理液中の「残留塩素」も理論上その全てが「遊離残留塩素」である。
上述のような本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、予め計量された所望量の水に、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を投入して電解液とし、この電解液を電解処理するだけで、原液をそのまま使用することができ、かつ次亜塩素酸(HClO)の存在比率が成分iiである二酢酸ナトリウムを含有しない場合と比較して高い次亜塩素酸水を得ることができる。
よって、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、殺菌・消臭効果が優れた次亜塩素酸水を容易に調製して使用できるので、人の居住空間の快適性を容易に向上させることができる。
なお、二酢酸ナトリウムの人体への安全性については、例えば「ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY OFFICE OF PESTICIDE PROGRAMS SPECIAL REVIEW AND REREGISTRATION DIVISION WASHINGTON, D.C.」による「REREGISTRATION ELIGIBILITY DOCUMENT SODIUM DIACETATE, LIST D,CASE 4001, ACETIC ACID」(URL;https://www3.epa.gov/pesticides/chem_search/reg_actions/reregistration/red_PC-044008_1-Sep-91.pdf)を参照。
よって、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、人体に安全な成分と水のみからなり、次亜塩素酸の存在比率が高い次亜塩素酸水を容易に調製することができる。
さらに、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤に比べて、電解処理液のpH調整を一層容易に行うことができる。
続いて、表1,2及び図1を参照しながら本発明の実施形態を構成する各成分の含有量について詳細に説明する。
[4−1;実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する各成分の含有量について]
以下に示す表1は、成分iである塩化ナトリウムと、成分iiである二酢酸ナトリウムの量を様々に変えた電解液を準備し、この電解液を電解処理して得られる電解処理液のpH値と遊離残留塩素濃度の測定結果をまとめたものである。また、表1中において試料番号に下線を付したもの、すなわちグレーのハッチングを付したものは比較例である。
なお、表1に示す各試験に供試した試料や装置の概要は下記の通りである。また、上述の通り実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された電解処理液中に含まれる「残留塩素」は、理論上その全てが「遊離残留塩素」である。よって、表1中において単位(ppm)で示す値は、実質的に次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO−)の2種類の濃度を合計した値である。なお、表1中及び後段に示す表2、3中に示す「遊離残留塩素濃度」の測定に使用した計測器は先に述べた「残留塩素」を計測し、この計測器による計測値に、すなわち表1〜3中において単位(ppm)で示す値に塩素イオン(Cl−)の濃度は含まれない。
・水;水道水(試験地;香港)300mL/試料
・成分i(塩化ナトリウム);
・「試料S-1」〜「試料S-3」;「The Dairy Farm Company, Limited」製、ブランド名「Meadows」、製品名「Mediterranean Sea Salt」
・「試料T-1」〜「試料T-17」;「味の素株式会社」製、製品名「瀬戸のほんじお」(登録商標)
・上記以外の試料;「公益財団法人塩事業センター」製、製品名「食卓塩」
・成分ii(二酢酸ナトリウム);「富士フイルム和光純薬株式会社」製、製品名「二酢酸ナトリウム」
・電解処理装置;「Momax Technology Ltd.」(MOMAX)製、製品名「Clean-Jug」
・電解槽タイプ;無隔膜一室式
・使用電力;17.5±1W
・電流;165mA
・電解槽容量;300mL
・電解処理時間(通電時間);3min
・各成分の秤量に使用した秤;「株式会社エー・アンド・デイ」製、製品名「GX-200」
・pH計測器;「ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社」製、製品名「edge」(エッジ) 、型番「HI 2002-01」(pH専用器)
・遊離残留塩素濃度の測定に使用した計測器;「ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社」製、製品名「ポータブル デジタル残留塩素計(超高濃度 全塩素/低濃度 遊離塩素)」、型番「HI 96771」
実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤において成分iである塩化ナトリウムの含有量A(gw)がA>0.07となる場合は、電解処理液中の遊離残留塩素濃度を10ppm以上にすることができなくなる。この根拠として、表1中の「試料C-2-1C」、「試料C-2-1D」の試験結果を参照。なお、成分iである塩化ナトリウムの含有量Aが増加するにつれて、電解処理液中の遊離残留塩素濃度が高くなる。
また、成分iiである二酢酸ナトリウムを含有しない場合は、電解処理液のpH値を6.5以下にすることができない。この根拠として、表1中の「試料S-1」、「試料S-2」、「試料S-3」の試験結果を参照。したがって、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤において成分iiである二酢酸ナトリウムは必須成分である。
また、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する成分iiである二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)の含有量が増えても、電解処理液のpHに悪影響は生じないが、成分iiの含有量Xが多いほど実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤の製造コストが高くなる。このため、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤において成分iiを必要量以上含有することによるメリットはあまりない。
この場合、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水を希釈することなく原液のまま安全に使用することができる。
また、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水のpH値を4.5−6.5の範囲内にすることができる。
この場合、電解処理液中における次亜塩素酸(HClO)の存在比率を90mol%以上にすることができるので、殺菌効果及び消臭効果が優れた次亜塩素酸水を提供することができる。
さらに、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水のpH値が4.5−5.5の範囲内である場合は、電解処理液中における次亜塩素酸(HClO)の存在比率をほぼ100mol%にすることができる。この場合、殺菌効果及び消臭効果がより優れた次亜塩素酸水を提供することができる。
上述の通り、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する成分iiである二酢酸ナトリウムは、その含有量が多くても電解処理液の遊離残留塩素濃度やpHに悪影響を及ぼさない。このため、成分iiを、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤の嵩増し剤や賦形剤として利用することができる。この場合、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤のハンドリングを一層容易にできる。
以下に示す表2は、成分iである塩化ナトリウムと、成分iiである二酢酸ナトリウムと、成分iiiである炭酸水素ナトリウム(重曹)の量を様々に変えた電解液を準備し、この電解液を電解処理して得られる電解処理液のpH値と遊離残留塩素濃度の測定結果をまとめたものである。また、表2中において試料番号に下線を付したもの、すなわちグレーのハッチングを付したものは比較例である。
なお、下表2に示す各試験に供試した試料や装置の概要は下記の通りである。また、上述の通り実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された電解処理液中に含まれる「残留塩素」も、理論上その全てが「遊離残留塩素」である。よって、表2中において単位(ppm)で示す値は、実質的に次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO−)の2種類の濃度を合計した値である。
・水;水道水(試験地;香港)300mL/試料
・成分i(塩化ナトリウム);「公益財団法人塩事業センター」製、製品名「食卓塩」
・成分ii(二酢酸ナトリウム);「富士フイルム和光純薬株式会社」製、製品名「二酢酸ナトリウム」
・成分iii(炭酸水素ナトリウム);「Church & Dwight Co., Inc.」(チャーチ・アンド・ドワイト)製、製品名「アーム・アンドハンマーのベーキング・ソーダ」
・電解処理装置;「Momax Technology Ltd.」(MOMAX)製、製品名「Clean-Jug」
・電解槽タイプ;無隔膜一室式
・使用電力;17.5±1W
・電流;165mA
・電解槽容量;30 mL
・電解処理時間(通電時間);3min
・各成分の秤量に使用した秤;「株式会社エー・アンド・デイ」製、製品名「GX-200」
・pH計測器;「ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社」製、製品名「edge」(エッジ) 、型番「HI 2002-01」(pH専用器)
・遊離残留塩素濃度の測定に使用した計測器;「ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社」製、製品名「ポータブル デジタル残留塩素計(超高濃度 全塩素/低濃度 遊離塩素)」、型番「HI 96771」
ここで、成分iiiの含有量の上限値を明らかにするために、上表2に示す試験結果において、電解処理液のpH値が6.5に近似する場合の二酢酸ナトリウム(成分ii)の含有量と、その際の炭酸水素ナトリウム(成分iii)の含有量をプロットして二次元のグラフに示した。
図1は表2に示す試験結果のうち電解処理液のpH値が6.5に近似するものを抽出し、X軸に二酢酸ナトリウム(成分ii)の含有量(gw)を、Y軸に炭酸水素ナトリウム(成分iii)の含有量(gw)をプロットして二次元のグラフで示したものである。
また、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤において、添加対象である水の容積300mLに対し、成分iである塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.5の範囲内になるように設定し、かつ成分iiである二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)が0.15≦X<0.3である場合に、炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)がY≦(X−0.1)を満たすように設定するとよい。この根拠として、図1,2及び表2中の「試料A-5」、「試料A-12」、「試料A-10」、「試料M-2」の試験結果を参照。
さらに、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤において添加対象である水の容積300mLに対し、成分iである塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.3の範囲内になるように設定し、かつ成分iiである二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)が0.08≦X<0.15である場合に、炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)がY≦(0.43X−0.014)を満たすように設定するとよい。この根拠として、図1,2及び表2中の「試料M-2」、「試料M-6」の試験結果を参照。
この場合、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水を希釈することなく原液のまま安全に使用することができる。
また、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水のpH値を4.5−6.5の範囲内にすることができる。
この場合、電解処理液中における次亜塩素酸(HClO)の存在比率を90mol%以上にすることができるので、殺菌効果及び消臭効果が優れた次亜塩素酸水を提供することができる。
さらに、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水のpH値が4.5−5.5の範囲内である場合は、電解処理液中における次亜塩素酸(HClO)の存在比率をほぼ100mol%にすることができる。
より詳細には、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤において、添加対象である水の容積300mLに対し、成分iである塩化ナトリウムの含有量A(gw)を0.07≦A≦0.5の範囲内になるように設定し、かつ成分iiである二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)を0.2≦Xとし、かつ炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)をY≦0.05とすることで、電解処理液のpH値を5に近づけることができる。この根拠として、表2中の「試料A-3」、「試料A-4」、「試料F-1」〜「試料F-7」、「試料F-8-1」、「試料F-8-2」、「試料H-1」〜「試料H-5」、「試料H-1B」、「試料H-4B」の試験結果を参照。
この場合、殺菌効果及び消臭効果がより優れた次亜塩素酸水を提供することができる。
加えて、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、上述の範囲内で成分iiである二酢酸ナトリウムの含有量と成分iiiである炭酸水素ナトリウムの含有量を適宜調整することで、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内の所望の値に一致又は近似させることが容易になる。
より具体的には、表2中に示す「試料F-4」及び「試料H-6」を比較すると、これらの試料では成分iiiである炭酸水素ナトリウムの含有量が異なっている以外は、成分i及び成分iiの含有量はほぼ同じである。また、「試料F-4」、「試料H-6」では、電解処理液のpH値が「試料F-4」よりも「試料H-6」の方が高かった。他方、表2中に示す「試料F-4」、「試料H-6」の電解処理時間はいずれも3分間である。したがって、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤では、電解処理時の通電量や電解処理時間を変更することなく、成分iiiである炭酸水素ナトリウムの含有量を適宜調整するだけで、電解処理液のpH値を所望に調整することができる。
この場合、使用者のニーズに応じた遊離残留塩素濃度及びpH値を有する次亜塩素酸水を極めて容易に調製することができる。よって、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤によれば、実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤に比べて利便性に優れた次亜塩素酸水調製用剤を提供することができる。
なお、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する成分iiiである炭酸水素ナトリウムは、電解処理液中の遊離残留塩素濃度の増減に影響を及ぼさない。この根拠として、表1中の「試料H-1A」、表2中の「試料H-1B」、表1中の「試料H-4A」、表2中の「試料H-4B」の試験結果を参照。つまり、「試料H-1A」及び「試料H-1B」、並びに「試料H-4A」及び「試料H-4B」では、成分iiiの含有量以外の条件を同じにして試験を行った。より具体的には、「試料H-1A」、「試料H-1B」では、成分i及び成分iiを表1又は表2に示す量を含有する電解液を二倍量調製した後、この電解液を二等分してその一方に成分iiiである炭酸水素ナトリウムを表2に示す量だけ添加して「試料H-1B」にするとともに、他方には成分iiiを添加しないで「試料H-1A」とし、それぞれの電解液の電解処理を行った。また、「試料H-4A」、「試料H-4B」も上述の「試料H-1A」、「試料H-1B」と同様に調製した。
よって、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いる場合、電解処理液である次亜塩素酸水中の遊離残留塩素濃度は、成分iである塩化ナトリウムの含有量に依存する。
ここで、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製した次亜塩素酸水中の遊離残留塩素濃度の変化について説明する。
図3は表1,2中のいくつかの試料の電解処理後の遊離残留塩素濃度の経時変化を示すグラフである。なお、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製した次亜塩素酸水は、透明なペットボトルに移し替えて、直射日光が当たらない室内の室温で遮光せずに保管した。
図3から明らかなように、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水中の遊離残留塩素濃度はいずれも電解処理後、時間の経過とともに徐々に低下する傾向が認められた。
このため、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製した次亜塩素酸水は、可能な限り電解処理後の早いうちに使い切ることが望ましい。
[6−1;本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物について]
ここで、図4及び図5を参照しながら本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物について説明する。
図4(a),(b)はいずれも本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物のイメージ図である。また、図5(a),(b)はいずれも本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物の別の態様のイメージ図である。
本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤、すなわち実施例1,2に係る次亜塩素酸水調製用剤は、図4(a)に示すように、粉体1aであってもよいし、あるいは特に図示しないが粉粒体又は粒体であってもよい。
または、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤は、図4(b)に示すように、打錠成型してなるタブレット1bでもよい。
上述のように、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤が粉体1a(粉粒体又は粒体)又はタブレット1bである場合、所望量ずつ計量したものを小分けにした状態で保管することができる。この場合、使用者は次亜塩素酸水を調製する度に、必要量の本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を秤量する必要がないので便利である。
この場合、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤の保管中に、その構成成分が吸湿して、その構成成分と水分が反応して喪失したり、水分とともに構成成分の一部が流亡したりするのを防ぐことができる。
この場合、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製された次亜塩素酸水の品質、すなわち遊離残留塩素濃度やpH値にばらつきが生じるのを防ぐことができる。
よって、図4(a),(b)に示すような本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物3A,3Bによれば、保管時等の次亜塩素酸水調製用剤の品質の安定性を向上させることができる。
この場合、本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物3A,3Bをコンパクトにすることができる。
この結果、個別に分離されている場合に比べて、本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物3A,3Bを流通したり、保管したりする際の取扱いが一層容易になる。
ここで、図6乃至図8を参照しながら本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて次亜塩素酸水を調製する際に用いる電解装置の例について説明する。
図6は本発明の実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて次亜塩素酸水を調製する際に用いる電解装置の一例を示す側面図である。また、図7は同電解装置を分解した状態を示す側面図である。さらに、図8(a),(b)はいずれも図6,7に示す電解装置の電極部の例を示す部分斜視図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて次亜塩素酸水を調製する際に用いる電解装置4は、例えば図6,7に示すように、無隔膜一室電解槽であり電解液を収容する容器5と、この容器5の底側に設けられる筐体とその内蔵設備からなる出力制御部8と、この出力制御部8に電力を供給する電源コード10と、出力制御部8の側面に設けられこの出力制御部8を動作させるスイッチ9と、容器5の底面上に設けられる電極部6を備えたものを用いることができる。なお、特に図示しないが出力制御部8は、電極部6への通電時間をコントロールするタイマーを備えている。
上述のような電解装置4によれば、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を水に溶解してなる電解液を容器5内に収容して、使用者がスイッチ9を操作して電解装置4を動作させるだけで、電解液の電解処理を行うことができる。そして、電解液の電解処理を行うことで、次亜塩素酸水を得ることができる。
この場合は、容器5に所望量の、より具体的には例えば300mLの水を入れた後、本実施の形態に係る次亜塩素酸水調製用剤、すなわち実施例1又は実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を投入するだけで、電解処理用の電解液を得ることができる。
この場合、取手14を把持することで電解装置4の持ち運びを容易に行うことができる。さらに、電解装置4が上蓋11を備えることで容器5から電解処理中の電解液や、電解処理液である次亜塩素酸水がこぼれ出るのを防ぐことができる。
この場合、電解装置4の容器5内における電解液の電解処理が完了した後に、上蓋11に設けられるポンプ12の操作部13鉛直方向に上下動させることで、容器5内に空気を供給して、容器5内の圧力を上昇させることができる。
そして、この後、使用者が噴射スイッチ15を操作することで、容器5内に収容される次亜塩素酸水19を吸い上げノズル17で吸い上げて噴射ノズル16から噴射することができる。
この場合、電解装置4によって電解処理された次亜塩素酸水19を、別の噴霧装置に移し替えることなく容器5内に収容したまま使用することができるので便利である。
電解装置4の電極部6の形態は図示される形態に特定される必要はなく、電解液に通電可能であり、かつ洗浄して繰り返し使用できるものであればどのような形態であってもよい。
続いて、図9及び図10を参照しながら上述の電解装置4の変形例について説明する。
図9は本発明の実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて次亜塩素酸水を調製する際に用いる電解装置の他の例を示す側面図である。また、図10は図9に示す電解装置に用いる次亜塩素酸水調製用個包装物の斜視図である。なお、図1乃至図8に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
他の例に係る電解装置4’は、例えば図9に示すように、容器5の開口5a側に、先の図5(b)に示す次亜塩素酸水調製用個包装物3Bを帯状に切り分けたものを収納保持するためのタブレットホルダー20を備えていてもよい。なお、この特徴は必須でなく任意である。
そして、このタブレットホルダー20には、先の図5(b)に示す次亜塩素酸水調製用個包装物3Bを帯状に切り分けたもの、すなわち「Press-Through-Pack包装物」、あるいは「PTP包装物」ともいう、をその内側から嵌設することができる。
さらに、このタブレットホルダー20に嵌設された次亜塩素酸水調製用個包装物3Bは、特に図示しないが容器5の内側からこの次亜塩素酸水調製用個包装物3Bを保持可能な支持構造物により固定されている。
そして、他の例に係る電解装置4’では、タブレットホルダー20に突設される突起21を、容器5の外側から内側に向かって押し込むことで、次亜塩素酸水調製用個包装物3B内に個別に収容された例えばタブレット1b状の次亜塩素酸水調製用剤を容器5内に投入することができる。
つまり、上述のような変形例に係る電解装置4’を用いる場合は、電解装置4’に次亜塩素酸水調製用個包装物3Bが常設されているので、次亜塩素酸水を調製す度毎に次亜塩素酸水調製用個包装物3Bを探す必要がない。
このように、他の例に係る電解装置4’によれば、使用者は必要時に本発明に係る次亜塩素酸水調製用個包装物3B用いて迅速かつ容易に次亜塩素酸水を調整することができる。
最後に、図6及び図7、並びに図11を参照しながら本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いた次亜塩素酸水の製造方法について説明する。
図11は本発明の実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて次亜塩素水を調製する際の手順を示すフローである。なお、図1乃至図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤、すなわち実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤又は実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて次亜塩素酸水を調製するには、まず、例えば先の図6に示すような無隔膜一室電解槽を有する電解装置4を準備し、その容器5内に所望に計量された水18(図7を参照)、例えば水道水や市販の飲料水等を収容する(ステップS1)。
次に、容器5内に収容された水に本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を添加する(ステップS2)。
この後、容器5内の水に添加された次亜塩素酸水調製用剤が水に溶解する又は水中で解砕するまで待つ(ステップS3)。なお、このステップS3の待ち時間は容器5内に供給される水の量が300mLである場合、およそ1分から数分間程度である。そして、このステップS3により、電解処理用の電解液が得られる。
この後、電解装置4のスイッチ9を操作して容器5内に収容される電解液に通電して電解処理(電気分解)すればよい(ステップS4)。
つまり、電解液に付加される電荷量が増えるほど、電解処理液のpHが高くなる、すなわち電解処理液のアルカリ度が高くなる。
したがって、本発明に係る次亜塩素酸水の製造方法22では、電解処理液のpH値が4.5−6.5の範囲内になるように、より望ましくは電解処理液のpH値が4.5−5.5の範囲内になるように、さらに望ましくは電解処理液のpH値が5に近似するように、溶媒である水の量及び本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する各成分の含有量に基づいて電解処理に必要な時間を逆算して、図11に示すステップS4における通電時間を設定すればよい。
つまり、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いる場合は、電解装置の通電量及び通電時間が変更できなくとも、成分iiiである炭酸水素ナトリウムの含有量を上述の[4−2]において述べた範囲内で適宜調整するだけで、目的とするpH値に一致又は近似する次亜塩素酸水を得ることができる。
実施例1に係る次亜塩素酸水調製用剤は成分iである塩化ナトリウム及び成分iiである二酢酸ナトリウムのみからなる。また、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤は成分i及び成分ii及び成分iiiである炭酸水素ナトリウムのみからなる。しかしながら、実施例1,2に係る次亜塩素酸水調製用剤は、いずれもその製造過程において意図しない不純物が混入することがある。
より具体的には、実施例1,2に係る次亜塩素酸水調製用剤を製造する場合、上記成分i及び成分ii、又は、成分i及び成分ii及び成分iiiを、乾燥状態で磨砕しながら混合するため、その容器等の一部が削られて不純物として混入する可能性がある。
また、実施例1,2に係る次亜塩素酸水調製用剤の態様が特にタブレットである場合は、各成分を乾燥状態で磨砕して混合した後、打錠成型してタブレットにするが、その際にタブレットの離型性を向上させるために型枠に微量の油を塗布する場合があり、このような成分が不純物として混入する可能性もある。
さらに、上記以外にも、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を構成する成分i、成分ii及び成分iiiの製造時に不可避な不純物が混入する懸念もある。
よって、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤は、上述のような意図しない不純物を少量含有するものも本発明の技術範囲に含まれる。
表1中の「試料H-3」、表2中の「試料H-1」、「試料H-2」、「試料H-4」、「試料H-5」についてハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社にて追試を行った。また、この追試結果をまとめたものが以下に示す表3である。さらに、この追試に先立ち、本発明の出願人である有限会社クラウン商会とハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社は秘密保持契約を締結した。
下表3に示す各試験に供試した試料や装置の概要は下記の通りである。
・水;水道水(試験地;日本)300mL/試料
・成分i(塩化ナトリウム);「公益財団法人塩事業センター」製、製品名「食卓塩」
・成分ii(二酢酸ナトリウム);「富士フイルム和光純薬株式会社」製、製品名「二酢酸ナトリウム」
・成分iii(炭酸水素ナトリウム);「カネヨ石鹸株式会社」製、製品名「重曹ちゃん」
・電解処理装置;「Momax Technology Ltd.」(MOMAX)製、製品名「Clean-Jug」
・電解槽タイプ;無隔膜一室式
・使用電力;17.5±1W
・電流;165mA
・電解槽容量;300mL
・電解処理時間(通電時間);3min
・各成分の秤量に使用した秤;「オーハウスコーポレーション」製、製品名「PA214CJP」
・pH計測器;「ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社」製、製品名「edge」(エッジ) 、型番「HI 2002-01」(pH専用器)
・遊離残留塩素濃度の測定に使用した計測器;「ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社」製、製品名「ポータブル デジタル残留塩素計(超高濃度 全塩素/低濃度 遊離塩素)」、型番「HI 96771」
また、表3では、試験結果の比較を容易にするため、表1,2に記載される試験結果を併記した。
表3から明らかなように、本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いる場合は、特に電解処理液のpH値を所望に調整することができ、かつその再現性も十分であることが確認された。
本実施形態に係る次亜塩素酸水調製用剤では、添加対象である水の容積300mLに対し、成分iである塩化ナトリウムの含有量Aの上限値を0.5gw、又は場合によっては0.3gwに設定しているが、成分iiの含有量Xの下限値を上述の[4]に記載した下限値以上に設定することで、塩化ナトリウムの含有量Aが0.5gwを超える場合も、電解処理液のpH値を4.5−6.5の範囲内に調整することが、より好ましくはpH値を5に近似させることができる。なお、この根拠としては、表1中の「試料T-2」〜「試料T-8」、「試料T-13」、「試料B-1」、「試料B-6」、及び表2中の「試料H-5」、並びに表3中の「試料HH-5」の試験結果を参照。
また、特に実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤では、成分iiである炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)の上限を、先の[4−2]に記載するパラメータの95wt%以下に設定することで、より望ましくは90wt%以下に設定することで、さらに望ましくは80wt%以下に設定することで、実施例2に係る次亜塩素酸水調製用剤を用いて調製される電解処理液のpH値をより確実に6.5以下にすることができる。
Claims (7)
- 所望量の水に電解質を溶解してなる電解液を電解処理して次亜塩素酸水を調製するのに用いられる添加剤であって、
前記添加剤は、
塩化ナトリウムと、二酢酸ナトリウムと、炭酸水素ナトリウムのみからなり、
その態様が粉状又は粉粒状又は粒状又はタブレット状であり、
前記水の容積300mLに対し、
前記添加剤を構成する
前記塩化ナトリウムの含有量A(gw)は0.07≦A≦0.5であり、
前記二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)は0.3≦Xであり、
前記炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)はY≦0.67Xであることを特徴とする次亜塩素酸水調製用剤。 - 所望量の水に電解質を溶解してなる電解液を電解処理して次亜塩素酸水を調製するのに用いられる添加剤であって、
前記添加剤は、
塩化ナトリウムと、二酢酸ナトリウムと、炭酸水素ナトリウムのみからなり、
その態様が粉状又は粉粒状又は粒状又はタブレット状であり、
前記水の容積300mLに対し、
前記添加剤を構成する
前記塩化ナトリウムの含有量A(gw)は0.07≦A≦0.5であり、
前記二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)は0.15≦X<0.3であり、
前記炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)はY≦(X−0.1)であることを特徴とする次亜塩素酸水調製用剤。 - 所望量の水に電解質を溶解してなる電解液を電解処理して次亜塩素酸水を調製するのに用いられる添加剤であって、
前記添加剤は、
塩化ナトリウムと、二酢酸ナトリウムと、炭酸水素ナトリウムのみからなり、
その態様が粉状又は粉粒状又は粒状又はタブレット状であり、
前記水の容積300mLに対し、
前記添加剤を構成する
前記塩化ナトリウムの含有量A(gw)は0.07≦A≦0.3であり、
前記二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)は0.08≦X<0.15であり、
前記炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)はY≦(0.43X−0.014)であることを特徴とする次亜塩素酸水調製用剤。 - 所望量の水に電解質を溶解してなる電解液を電解処理して次亜塩素酸水を調製するのに用いられる添加剤であって、
前記添加剤は、
塩化ナトリウムと、二酢酸ナトリウムと、炭酸水素ナトリウムのみからなり、
その態様が粉状又は粉粒状又は粒状又はタブレット状であり、
前記水の容積300mLに対し、
前記添加剤を構成する
前記塩化ナトリウムの含有量A(gw)は0.07≦A≦0.5であり、
前記二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)は0.2≦Xであり、
前記炭酸水素ナトリウムの含有量Y(gw)はY≦0.05であることを特徴とする次亜塩素酸水調製用剤。 - 予め定められた所望量の水と添加剤のみからなる水溶液に、予め定められた所望の値の電流を、予め定められた所望時間だけ通電させる無隔膜一室電解槽を備える電解装置を用いて電解処理液である次亜塩素酸水を調製する際に用いられる前記添加剤であって、
前記添加剤は、
塩化ナトリウムと、二酢酸ナトリウムのみからなり、
その態様が粉状又は粉粒状又は粒状又はタブレット状であり、
前記水の容積300mLに対し、
前記添加剤を構成する
前記塩化ナトリウムの含有量A(gw)は0.07≦A≦0.5であり、
前記二酢酸ナトリウムの含有量X(gw)は0.08≦Xであり、
前記次亜塩素酸水のpHは4.5−6.5の範囲内であることを特徴とする次亜塩素酸水調製用剤。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の次亜塩素酸水調製用剤と、
前記次亜塩素酸水調製用剤を収容する密封容器と、を備えていることを特徴とする次亜塩素酸水調製用個包装物。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の次亜塩素酸水調製用剤のみを所望量に計量された水に添加して電解液を得る工程と、
前記電解液を無隔膜一室電解槽にて電解処理して次亜塩素酸水を得る工程と、を備えていることを特徴とする次亜塩素酸水の製造方法。
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