以下、本発明によるウェハ処理装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態によるウェハ処理装置は、ヒータの支持部と、その支持部が挿入される孔部との接触部分で発生するパーティクル等を、排出口に導く流路が形成されたものである。
図1は、本実施の形態によるウェハ処理装置1の構成を示す一部切り欠き斜視図である。図2、図3は、ウェハ処理装置1のチャンバ11の縦断面を示す断面図である。図2は、チャンバ11が開いた状態を示しており、図3は、チャンバ11が閉じた状態を示している。図4は、上部ユニット21を下面側から見た斜視図である。図5は、下部ユニット22の平面図である。図6Aは、上部ユニット21に装着された状態の上部プレート部材26の底面図である。図6Bは、下部ユニット22に装着された状態の下部プレート部材27の平面図である。図7A〜図7Cは、上部ユニット22の底面図である。図7Aは、上部ユニット21のみを示しており、図7Bは、上部プレート部材26が装着された状態を示しており、図7Cは、上部プレート部材26及びU字部材28が装着された状態を示している。図8は、図5のA−A線におけるチャンバ11の縦断面図である。図9は、図5のA−A線の位置でのチャンバ11の縦断面図における中心付近(図8の破線で囲われた領域)の拡大断面図である。図10は、図9で示される縦断面図における上部プレート部材26付近(図9の左上側の破線で囲われた領域)の拡大断面図である。図11は、図9で示される縦断面図における下部プレート部材27付近(図9の右下側の破線で囲われた領域)の拡大断面図である。図12は、図5のB−B線の位置でのチャンバ11の縦断面図における収容空間22cの排出口224d付近の拡大断面図である。
本実施の形態によるウェハ処理装置1は、上部ユニット21及び下部ユニット22を有するチャンバ11と、チャンバ11の上部ユニット21及び下部ユニット22を開閉するための開閉手段12と、上部ユニット21に取り付けられる上部ヒータ24と、下部ユニット22に取り付けられる下部ヒータ25と、上部ユニット21に設けられる上部プレート部材26と、下部ユニット22に設けられる下部プレート部材27と、上部ヒータ24と上部ユニット21との間をシールするための上部シール部31と、下部ヒータ25と下部ユニット22との間をシールするための下部シール部32と、を備える。
チャンバ11では、ウェハ2に超臨界流体を用いた所定の処理が行われる。本実施の形態では、その所定の処理が超臨界流体を用いたウェハ2の乾燥処理である場合について主に説明するが、その他の処理、例えば、超臨界流体を用いた洗浄処理や洗浄乾燥処理がウェハ2に行われてもよい。ウェハ2の乾燥処理は、例えば、ウェハ2の表面に残留した有機溶剤などの処理液を、超臨界流体に置換することによって除去し、その超臨界流体を乾燥させることによって行われる。本実施の形態では、処理に用いられる流体が二酸化炭素である場合、すなわち二酸化炭素の超臨界流体が用いられる場合について主に説明するが、他の超臨界流体が用いられてもよい。
上部ユニット21の下面側には、水平方向に搬入されるウェハ2を支持する支持手段21aが設けられている。したがって、ウェハ2が搬入されると、図2で示されるように、上部ユニット21の下方側にウェハ2が位置することになる。支持手段21aは、例えば、図2、図4で示されるように、断面が略L字形状であり、水平方向に延びる先端部分において、搬入されたウェハ2の周縁部を支持するものであってもよい。本実施の形態では、図4、図5で示されるように、上部ユニット21に3個の支持手段21aが設けられている場合について主に説明するが、そうでなくてもよい。支持手段21aの個数は、例えば、1個や2個であってもよく、4個以上であってもよい。また、ウェハ2を適切に支持できるのであれば、支持手段21aの形状も問わない。
下部ユニット22は、上部ユニット21と対向するものである。上部ユニット21及び下部ユニット22によって、ウェハ2を収容する収容空間22cが構成される。収容空間22cは、通常、略円柱形状の空間である。収容空間22cの容積が大きい場合には、流体を超臨界状態にするための昇圧の時間が長くなるため、収容空間22cの容積は、小さいことが好適である。なお、本実施の形態では、収容空間22cが下部ユニット22側に形成されている場合について主に説明するが、そうでなくてもよい。収容空間22cは、上部ユニット21及び下部ユニット22のそれぞれによって形成されていてもよく、上部ユニット21側に形成されていてもよい。また、下部ユニット22には、図8等で示されるように、流体の注入路と排出路222とが設けられていてもよい。流体の注入路や排出路222は、可動側のユニットではなく、固定側のユニットに設けられることが好適である。
下部ユニット22の上面側(すなわち、収容空間22cの底面側)には、ウェハ2を支持する支持手段22aが設けられている。本実施の形態では、上部ユニット21の支持手段21aによってウェハ2が支持された状態で上部ユニット21及び下部ユニット22が閉じられた際には、ウェハ2は、上部ユニット21の支持手段21aで支持されなくなり、下部ユニット22の支持手段22aで支持されるようになる場合について主に説明する。すなわち、チャンバ11が閉じられた際には、支持手段22aにおけるウェハ2の載置面が、支持手段21aにおけるウェハの載置面よりも上方側に位置しているものとする。一方、収容空間22cに収容されたウェハ2は、上部ユニット21に設けられた支持手段21aによって支持されてもよい。いずれの場合であっても、収容空間22cにおいては、下部ユニット22側の支持手段22a、及び上部ユニット21側の支持手段21aの一方によってのみウェハ2が支持されていることが好適である。
支持手段22aは、略円柱形状の収容空間22cの外周側から軸心に向かって下方に傾斜するテーパ面と、テーパ面の下端側に繋がる水平方向の面である載置面とを少なくとも有する。複数の支持手段22aの各テーパ面によってウェハ2の位置決めがなされ、収容空間22cにおけるあらかじめ決められた位置(例えば、平面視における収容空間22cの中心位置)のウェハ2が、載置面で支持されるようになる。本実施の形態では、図5で示されるように、下部ユニット22に3個の支持手段22aが設けられている場合について主に説明するが、そうでなくてもよい。支持手段22aの個数は、例えば、1個や2個であってもよく、4個以上であってもよい。また、ウェハ2を適切に支持できるのであれば、支持手段22aの形状も問わない。
収容空間22cに流体を注入するための1以上の注入口と、収容空間22cから流体を排出するための1以上の排出口がそれぞれ、上部ユニット21及び下部ユニット22の少なくとも一方に設けられている。すなわち、1以上の注入口が上部ユニット21及び下部ユニット22の少なくとも一方に設けられており、1以上の排出口が上部ユニット21及び下部ユニット22の少なくとも一方に設けられているものとする。本実施の形態では、図5で示されるように、平面視において円形状である収容空間22cの一端側(図中右側)に、流体の注入口223a、223bが設けられており、他端側(図中左側)に、流体の排出口224d、224e、224fが設けられており、注入口223a、223bの間、及び収容空間22cの中心付近に、流体の排出口224a、224b、224c、224g、224hが設けられている場合について主に説明する。なお、注入口223a、223bを特に区別しない場合には、単に注入口223と呼ぶこともある。排出口224a〜224hについても同様である。図5で示されるように、平面視における収容空間22cの一端側に注入口223a、223bが設けられており、他端側に排出口224d、224e、224fが設けられていることによって、全体として、一端側から他端側に流体が流れることになり、ウェハ2上に流体が滞留したり、ウェハ2上から流れ出た流体が再度、ウェハ2上に戻ったりすることを回避することができる。なお、図5で示されるように、全体として収容空間22cの一端側から他端側に流体が流れるのであれば、それら以外の排出口224a、224b、224c、224g、224hが設けられてもよい。また、その他の注入口223が設けられてもよい。
また、注入口223及び排出口224の配置は、図5で示される配置以外であってもよい。本実施の形態では、注入口223及び排出口224の両方が、下部ユニット22に設けられる場合について主に説明するが、注入口223は、上部ユニット21に設けられてもよい。なお、排出口224は、通常、下部ユニット22に設けられることが好適であるが、上部ユニット21に設けられてもよい。
また、上部ユニット21の下面(すなわち、収容空間22cの上面)には、上下方向に延びる円筒形状の孔部21eが設けられている。孔部21eは、上部ヒータ24を装着するために用いられる。孔部21eは、上方の空間21fにつながっていてもよい。また、空間21fも軸方向が上下方向である円筒形状であってもよい。
また、下部ユニット22の上面(すなわち、収容空間22cの下面)には、上下方向に延びる円筒形状の孔部22eが設けられている。孔部22eは、下部ヒータ25を装着するために用いられる。孔部22eは、下方の空間22fにつながっていてもよい。また、空間22fも軸方向が上下方向である円筒形状であってもよい。
上部ユニット21及び下部ユニット22は、耐圧性のある材料によって構成されていることが好適である。その材料は、例えば、ステンレス鋼等であってもよい。また、その表面には、例えば、パーティクルの発生を防止するための不動態皮膜を形成する処理や、硬質化のためのDLC処理がなされてもよい。
チャンバ11は、チャンバ11が閉じられた際に上部ユニット21及び下部ユニット22の間をシールするためのシール部23を有していてもよい。シール部23は、円環状の部材であり、下部ユニット22における収容空間22cの開口の環状の縁部分、または、その縁部分に対向する上部ユニット21の部分に配置されてもよい。シール部23は、例えば、図2、図3で示されるように、上部ユニット21の下端側に装着されてもよい。シール部23は、図12で示されるように、断面が略U字形状のものであってもよい。その場合には、チャンバ11が閉じている状態において、収容空間22cの流体がシール部23を介して外部に流出しようとする際に、略U字形状の内側部分の圧力が高まってシール性がより向上し、収容空間22cの流体の流出を効果的に防止することができる。また、図12で示されるように、シール部23は、例えば、シール押え23aによって押えられることによって、その位置が保持されてもよい。シール部23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、またはシリコンなどの材料によって構成されてもよい。
開閉手段12は、上部ユニット21及び下部ユニット22の少なくとも一方を上下方向に移動させることによってチャンバ11を開閉する。上部ユニット21及び下部ユニット22が開閉手段12によって閉じられ、両者が嵌め合わされて一体化されることによって、ウェハ2に対して処理を行うための収容空間22cが形成される。また、シール部23、上部シール部31、下部シール部32が存在することによって、収容空間22cの気密性が高められる。本実施の形態では、開閉手段12が、ベース15に固定されたエアシリンダであり、ベース15に対して、矩形状の上面板16の四隅をそれぞれ同じタイミングで上下方向に移動させることによって、上部ユニット21を上下方向に移動させる場合について主に説明する。なお、図1では、一部の開閉手段12を省略している。
開閉手段12は、エアシリンダ以外のソレノイド、ラックアンドピニオンとピニオンを駆動させる回転駆動手段、または、ボールねじとねじ軸を回転させる回転駆動手段等によって構成されてもよい。また、上面板16の四隅のうち、1個から3個の隅に開閉手段12が設けられており、それ以外の箇所には上面板16の頂点部分を上下方向にガイドするためのガイド部材が設けられていてもよい。なお、本実施の形態では、開閉手段12が、上部ユニット21を上下方向に移動させる場合について説明するが、そうでなくてもよい。開閉手段12は、下部ユニット22を上下方向に移動させてもよく、上部ユニット21及び下部ユニット22の両方をそれぞれ上下方向の逆向きに移動させてもよい。
ウェハ処理装置1は、チャンバ11が閉じた状態、すなわち上部ユニット21及び下部ユニット22が上下方向に嵌め合わされて、内部の空間22cが気密に保たれている状態において、チャンバ11の周縁部を締め付けるクランプ41を有していてもよい。クランプ41は、ステージ42の上面に固定されている。ベース15には、スライドレール43が固定されており、そのスライドレール43にはスライドガイド44が摺動可能に設けられている。そして、ステージ42にスライドガイド44が固定されていることによって、スライドレール43の長手方向にクランプ41が移動可能となっている。クランプ41の移動、すなわちステージ42の移動は、図示しない駆動手段を用いて実現されてもよい。その駆動手段は、例えば、エアシリンダやソレノイド、ラックアンドピニオンとピニオンを駆動させる回転駆動手段、ボールねじとねじ軸を回転させる回転駆動手段等であってもよい。クランプ41は、駆動手段によって、チャンバ11のロック位置と、リリース位置との間を移動することになる。本実施の形態では、図1で示されるように、3個のクランプ41によってチャンバ11の上部ユニット21と下部ユニット22とがロックされる場合について主に説明するが、クランプ41の個数は、例えば、2個であってもよく、4個以上であってもよい。複数のクランプ41のロック位置とリリース位置との間の移動は、独立して行われてもよく、連動して行われてもよい。
上部ヒータ24は、収容空間22cにおいて水平方向に延びる加熱プレート24aと、加熱プレート24aの上面に接続される円筒形状の支持部24bとを有する。加熱プレート24aは、例えば、円盤形状であってもよい。また、支持部24bの一端は、加熱プレート24aの平面と、支持部24bの円筒形状の中心軸とが直交するように、円盤形状である加熱プレート24aの中心付近に固定されていてもよい。加熱プレート24aと支持部24bとは、例えば、一体的に構成されていてもよく、独立した部材であってもよい。上部ヒータ24の支持部24bが、上部ユニット21に設けられた円筒形状の孔部21eに挿入されることによって、上部ヒータ24が上部ユニット21に装着される。なお、支持部24bは、全体が円筒形状であってもよく、または、少なくとも一部が円筒形状であってもよい。本実施の形態では、図9で示されるように、支持部24bが、半径の異なる複数の円筒形状によって構成される場合について主に説明する。後述する支持部25bについても同様であるとする。
図9で示されるように、上部ヒータ24の加熱プレート24aの上面と、上部ユニット21の下面との間には、流体が流通可能な水平方向に延びる隙間21nが存在している。すなわち、加熱プレート24aの上面と、上部ユニット21の下面との間に上下方向の所定の間隔が空くように、上部ユニット21に上部ヒータ24が取り付けられている。
下部ヒータ25は、収容空間22cにおいて水平方向に延びる加熱プレート25aと、加熱プレート25aの下面に接続される円筒形状の支持部25bとを有する。下部ヒータ25は、上下が逆となる以外は、上部ヒータ24と同様のものであり、その詳細な説明を省略する。下部ヒータ25の支持部25bが、下部ユニット22に設けられた円筒形状の孔部22eに挿入されることによって、下部ヒータ25が下部ユニット22に装着される。
図9で示されるように、下部ヒータ25の加熱プレート25aの下面と、下部ユニット22の上面との間には、流体が流通可能な水平方向に延びる隙間22nが存在している。すなわち、加熱プレート25aの下面と、下部ユニット22の上面との間に上下方向の所定の間隔が空くように、下部ユニット22に下部ヒータ25が取り付けられている。
上部ヒータ24及び下部ヒータ25は、収容空間22c内の流体を加熱するために用いられる。収容空間22cにおいて、流体を超臨界状態にするためである。流体が二酸化炭素である場合には、例えば、上部ヒータ24及び下部ヒータ25によって二酸化炭素が31.1℃以上となるように加熱されてもよい。なお、上部ユニット21及び下部ユニット22に設けられた空間21f、22fは、それぞれ上部ヒータ24及び下部ヒータ25への電力供給用の配線の通る空間である。
上部シール部31は、上部ヒータ24の支持部24bと、上部ユニット21の孔部21eとの間をシールする。上部シール部31は、支持部24bと孔部21eとの間から流体が漏れることを防止し、収容空間22cを気密に保つために用いられる。上部シール部31は、シール部23と同様のものであってもよい。
下部シール部32は、下部ヒータ25の支持部25bと、下部ユニット22の孔部22eとの間をシールする。下部シール部32は、支持部25bと孔部22eとの間から流体が漏れることを防止し、収容空間22cを気密に保つために用いられる。下部シール部32は、シール部23と同様のものであってもよい。
上部ヒータ24及び下部ヒータ25は、例えば、メンテナンスなどのために取り外されることもある。そのように、上部ヒータ24及び下部ヒータ25がチャンバ11から取り外されたり、取り付けられたりする際に、上部ヒータ24及び下部ヒータ25とチャンバ11との接触部分、より具体的には上部シール部31及び下部シール部32の箇所においてパーティクル等が発生しやすくなる。また、収容空間22cにおける効率的な加熱を実現するため、上部ヒータ24及び下部ヒータ25を回転させることも考えられる。そのように、上部ヒータ24及び下部ヒータ25を回転させた際にも、上部シール部31及び下部シール部32の箇所においてパーティクル等が発生しやすくなる。本実施の形態によるウェハ処理装置1は、後述するように、そのようにして発生したパーティクル等を、ウェハ2のほうに拡散させることなく、効率よく排出することができるものである。
ここで、上述したように、収容空間22cは、通常、略円柱形状の空間であり、孔部21e、22e、及び支持部24b、25bは円筒形状である。本実施の形態では、収容空間22cの略円柱形状、孔部21e、22e、及び支持部24b、25bの円筒形状のそれぞれの上下方向に延びる中心軸が、同一直線上に存在する場合について主に説明する。したがって、その中心軸に直行する平面において、中心軸を通る直線の方向を半径方向と呼ぶことがある。また、その半径方向において中心軸に近い側を内周側、中心軸から離れる側を外周側と呼ぶこともある。
上部プレート部材26は、円環形状の板状の部材であり、上部ヒータ24の支持部24bの周囲において、流体が下方から上方に移動可能となるように、上部シール部31の収容空間22c側に設けられている。図6A、図10で示されるように、上部プレート部材26の中心に設けられた、支持部24bの通る円形状の孔26cの内周面における一方の面側の角部26bは、C面取りされている。なお、C面取りに代えて、R面取りなどの別の面取りがされていてもよい。いずれの場合であっても、孔26cの内周面には、孔26cの中心を通り、上部プレート部材26の面方向に直交する方向に延びる直線と平行な面が存在することが好適である。上部プレート部材26は、C面取りされた角部26bの側が下方側となるように、上部ユニット21の下面に固定されている。孔26cの内径は、円筒形状の支持部24bの外径と略同じであり、孔26cと支持部24bとの間に隙間がないことが好適である。すなわち、上部プレート部材26の内周面は、支持部24bの外周面に接していることが好適である。このように構成されていることによって、図10で示されるように、上部プレート部材26の内周側(孔26cの周囲)は上方には容易にたわむが、下方にはたわみ難くなり、逆止弁のように作用することによって、支持部24bの周囲では流体が下方から上方に流れ、逆方向に流れ難くなる。図10において、角部26bは面取りされているため、上部プレート部材26の内周面(図10の右端)は上方に移動しやすくなっているが、上部プレート部材26の内周面の上側の角部は面取りされていないため、上部プレート部材26の内周面(図10の右端)は下方に移動し難くなっているからである。上部ユニット21の底面には、図7Aで示されるように、上部プレート部材26に対応した形状の凹部21dが設けられている。上部プレート部材26は、図7Bで示されるように、C面取りされた角部26bが下方側となるように凹部21dに装着される。なお、図7Bでは、上部ヒータ24、及び上部シール部31については省略している。
上部ユニット21の孔部21eの下端側の開口には、上部ヒータ24の支持部24bの周囲に周方向に沿って周方向溝部21hが形成されている。図9で示されるように、周方向溝部21hは、上部ヒータ24の支持部24bと、上部ユニット21の孔部21eの内周面と、上部シール部31とによって形成されていてもよい。そして、周方向溝部21hの下方側の開口はすべて、図9で示されるように、上部プレート部材26の内周側によって塞がれる。このように、周方向溝部21hの下方側の開口が上部プレート部材26によって閉じられることにより、孔部21eの下端側の開口における支持部24bの周囲に、周方向の流路が形成されることになる。
上部ユニット21の下面には、周方向溝部21hから上部プレート部材26の外周側に向かって、上部プレート部材26の半径方向に延びる外周側溝部21kが設けられている。外周側溝部21kの外周側の端部は、平面視において、上部プレート部材26の外縁よりも外方側にまで延びていてもよく、または、上部プレート部材26の外縁よりも内側に存在してもよい。本実施の形態では、前者の場合について主に説明する。外周側溝部21kは、半径方向に直行する面での断面が、上方に凸の円弧状となるように、上部ユニット21の下面に形成されてもよい。本実施の形態では、上部ユニット21に2個の外周側溝部21kが形成されている場合について主に説明するが、外周側溝部21kの個数は問わない。上部ユニット21に形成される外周側溝部21kの個数は、例えば、1個であってもよく、3個以上であってもよい。2個以上の外周側溝部21kが形成される場合には、平面視において、2個以上の外周側溝部21kの長手方向が、支持部24bの中心軸を中心として均等な角度となることが好適である。
図7Bで示されるように、上部ユニット21の下面に上部プレート部材26が装着された状態においても、外周側溝部21kの外周側の端部は、上部プレート部材26で塞がれていなくてもよい。すなわち、外周側溝部21kの下方側の開口は、少なくとも一部(内周側)が、上部プレート部材26によって塞がれることになる。なお、外周側溝部21kの外周側の端部が、平面視において、上部プレート部材26の外縁よりも内側に存在する場合には、外周側溝部21kの下方側の開口のすべてが上部プレート部材26によって塞がれることになる。このように、外周側溝部21kの下方側の開口の少なくとも一部が上部プレート部材26によって閉じられることにより、半径方向の流路が形成されることになる。
外周側溝部21kの外周側の端部は排出口224につながっている。本実施の形態では、外周側溝部21kの外周側の端部から排出口224につながる上部流路21mがU字部材28によって形成される場合について主に説明する。U字部材28は、平面視がU字形状の部材であり、加熱プレート24aの上面と、上部ユニット21の下面との間に配設される。そして、図7Cで示されるように、開口側が排出口224側となり、他端側が外周側溝部21kの外周側の端部の位置となるように配置される。なお、外周側溝部21kの外周側の端部は、平面視でU字部材28の内側の位置となっているものとする。U字部材28は、上面は上部ユニット21の下面に接しており、下面は加熱プレートの上面に接している。このようにして、外周側溝部21kの外周側の端部から、排出口224の近傍までの上部流路21mが形成される。したがって、後述するように、パーティクル等を含む流体が上部流路21mを流れることによって、パーティクル等がウェハ2のほうに拡散しないようにすることができ、ウェハ2にパーティクル等が付着する可能性を低減することができる。なお、上部流路21mは、外周側溝部21kの外周側の端部と排出口224とをつなぐものであれば、どのようなものであってもよい。したがって、U字部材28以外によって、上部流路21mが形成されてもよいことは言うまでもない。例えば、上部流路21mは、半径方向に配置される一対の棒状部材であってもよい。そして、その一対の棒状部材の間に、外周側溝部21kの外周側の端部から排出口224までの上部流路21mが形成されてもよい。
下部プレート部材27は、円環形状の板状の部材であり、下部ヒータ25の支持部25bの周囲において、流体が上方から下方に移動可能となるように、下部シール部32の収容空間22c側に設けられている。図6B、図11で示されるように、下部プレート部材27の中心に設けられた、支持部25bの通る円形状の孔27cの内周面における一方の面側の角部27bは、C面取りされている。なお、C面取りに代えて、R面取りなどの別の面取りがされていてもよい。いずれの場合であっても、孔27cの内周面には、孔27cの中心を通り、下部プレート部材27の面方向に直交する方向に延びる直線と平行な面が存在することが好適である。下部プレート部材27は、C面取りされた角部27bの側が上方側となるように、下部ユニット22の上面に固定されている。孔27cの内径は、円筒形状の支持部25bの外径と略同じであり、孔27cと支持部25bとの間に隙間がないことが好適である。すなわち、下部プレート部材27の内周面は、支持部25bの外周面に接していることが好適である。このように構成されていることによって、図11で示されるように、下部プレート部材27の内周側(孔27cの周囲)は下方には容易にたわむが、上方にはたわみ難くなり、逆止弁のように作用することによって、支持部25bの周囲では流体が上方から下方に流れ、逆方向に流れ難くなる。なお、下部プレート部材27は、2個の貫通孔27aを有する以外は、上部プレート部材26と同様のものである。下部ユニット22の上面には、図5で示されるように、下部プレート部材27に対応した形状の凹部22dが設けられている。下部プレート部材27は、C面取りされた角部27bが上方側となるように凹部22dに装着される。
下部ユニット22の孔部22eの上端側の開口には、下部ヒータ25の支持部25bの周囲に周方向に沿って周方向溝部22hが形成されている。図9で示されるように、周方向溝部22hは、下部ヒータ25の支持部25bと、下部ユニット22の孔部22eの内周面と、下部シール部32とによって形成されていてもよい。そして、周方向溝部22hの上方側の開口はすべて、図9で示されるように、下部プレート部材27の内周側によって塞がれる。このように、周方向溝部22hの上方側の開口が下部プレート部材27によって閉じられることにより、孔部22eの上端側の開口における支持部25bの周囲に、周方向の流路が形成されることになる。
下部ユニット22の上面には、周方向溝部22hから下部プレート部材27の外周側に向かって、下部プレート部材27の半径方向に延びる外周側溝部22kが設けられている。外周側溝部22kの外周側の端部は、平面視において、下部プレート部材27の外縁よりも外方側にまで延びていてもよく、または、下部プレート部材27の外縁よりも内側に存在してもよい。本実施の形態では、後者の場合について主に説明する。外周側溝部22kは、半径方向に直行する面での断面が、下方に凸の円弧状となるように、下部ユニット22の上面に形成されてもよい。本実施の形態では、下部ユニット22に2個の外周側溝部22kが形成されている場合について主に説明するが、外周側溝部22kの個数は問わない。下部ユニット22に形成される外周側溝部22kの個数は、例えば、1個であってもよく、3個以上であってもよい。2個以上の外周側溝部22kが形成される場合には、平面視において、2個以上の外周側溝部22kの長手方向が、支持部25bの中心軸を中心として均等な角度となることが好適である。
外周側溝部22kの上方側の開口は、少なくとも一部(内周側)が、下部プレート部材27によって塞がれている。なお、外周側溝部22kの外周側の端部が、平面視において、下部プレート部材27の外縁よりも内側に存在する場合には、外周側溝部22kの上方側の開口のすべてが下部プレート部材27によって塞がれることになる。一方、外周側溝部22kの外周側の端部が、平面視において、下部プレート部材27の外縁よりも外周側に存在する場合には、外周側溝部22kの外周側の端部は、下部プレート部材27で塞がれないことになる。このように、外周側溝部22kの上方側の開口の少なくとも一部が下部プレート部材27によって閉じられることにより、半径方向の流路が形成されることになる。
下部ユニット22の上面に設けられた外周側溝部22kの外周側の端部は排出口224につながっている。外周側溝部22kの外周側の端部の位置が、排出口224の位置であってもよく、または、外周側溝部22kの外周側の端部から、排出口224までの下部流路が形成されていてもよい。前者の場合には、外周側溝部22kの外周側の端部と排出口224とは直接つながっていることになり、後者の場合には、外周側溝部22kの外周側の端部と排出口224とは間接的につながっていることになる。下部流路は、例えば、上部流路21mと同様に、隙間22nにU字部材などを用いて形成されてもよい。本実施の形態では、前者の場合、すなわち外周側溝部22kの外周側の端部の位置が、排出口224の位置である場合について主に説明する。
下部プレート部材27に設けられた上下方向の貫通孔27aは、下部プレート部材27が下部ユニット22の凹部22dに装着された際に、平面視で排出口224b、224cとそれぞれ重なっていることが好適である。このようにして、例えば、図12で示されるように、ウェハ2から下部ユニット22の上面と下部ヒータ25の下面との間の隙間22nに流れた流体を、排出口224b、224cから排出することができる。なお、貫通孔27aの個数は問わない。貫通孔27aの個数は、例えば、1個であってもよく、3個以上であってもよい。なお、貫通孔27aの個数に応じた個数の排出口224が、下部ユニット22の上面に設けられていることが好適である。
上部プレート部材26及び下部プレート部材27は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、またはシリコンなどの樹脂材料によって構成されてもよい。なお、上部プレート部材26及び下部プレート部材27は、逆止弁として作用することが好適であるため、内周面側がたわむことができる程度の弾性を有していることが好適である。上部プレート部材26及び下部プレート部材27は、例えば、外周側が上部ユニット21及び下部ユニット22の凹部21d及び凹部22dにそれぞれねじ止め等によって固定されてもよい。また、U字部材28は、例えば、樹脂、金属等の材料によって構成されてもよい。U字部材28もねじ止め等によって、上部ユニット21または上部ヒータ24に固定されてもよい。
上部プレート部材26及び下部プレート部材27は、それぞれ円筒形状の支持部24b、25bの周囲に配置される。したがって、上部プレート部材26及び下部プレート部材27の孔26c、27cの中心を通り、上部プレート部材26及び下部プレート部材27の面方向に垂直な直線は、通常、円筒形状である支持部24b、25bの中心軸と同軸になる。
次に、上部プレート部材26及び下部プレート部材27の箇所における流体の流れについて、図9の破線で囲われた領域をそれぞれ拡大した図面である図10、図11を用いて説明する。なお、図10、図11では、収容空間22cに対して流体の注入と排出とが並行して行われている状況を示しているとする。
図10において、上部流路21mは、図7Cで示されるように、排出口224eにつながっている。また、上部プレート部材26は、支持部24bの周囲において、下方から上方に流体が流れるように、角部26bのC面取りがなされている。したがって、図中の矢印で示されるように、上部ユニット21の下面と上部ヒータ24の上面との間の隙間21nから、上部プレート部材26の内周面、周方向溝部21h、外周側溝部21kを介して上部流路21mに向かって流体が流れることになる。そのため、例えば、上部シール部31などの箇所で生じたパーティクル17等は排出口224eから排出されることになり、ウェハ2の周囲に拡散してウェハ2に付着することを防止することができる。
図11において、外周側溝部22kの外周側の端部の位置が排出口224hとなっている。また、下部プレート部材27は、支持部25bの周囲において、上方から下方に流体が流れるように、角部27bのC面取りがなされている。したがって、図中の矢印で示されるように、下部ユニット22の上面と下部ヒータ25の下面との間の隙間22nから、下部プレート部材27の内周面、周方向溝部22h、外周側溝部22kを介して排出口224h、排出路222に向かって流体が流れることになる。そのため、例えば、下部シール部32などの箇所で生じたパーティクル17等は排出口224hから排出されることになり、ウェハ2の周囲に拡散してウェハ2に付着することを防止することができる。
次に、上部ユニット21と下部ユニット22との接触部分で生じたパーティクル17等の排出について、図12を参照して説明する。図12は、図5のB−B線の位置でのチャンバ11の縦断面図における排出口224d付近を拡大した拡大断面図である。図12で示されるように、下部ユニット22には、収容空間22cの外周に沿って溝部22gが設けられている。溝部22gは、図12で示されるように、チャンバ11が閉じられた状態において、シール部23の下方側となる位置に、上方に開口するように設けられている。そのため、シール部23や、上部ユニット21及び下部ユニット22の接合部において生じたパーティクル17などを効率よく受けることができる。また、上部ヒータ24の上面側を通過した流体も、溝部22gで受けられることが好適である。そのため、上部ヒータ24と下部ユニット22の本体側との間の隙間は、上部ヒータ24の上面側から溝部22gに至る流路よりも狭くなっていることが好適である。さらに、溝部22gの底部に、排出口224a、224d、224e、224fが設けられている。そのため、溝部22gで受けられたパーティクル17等を、ウェハ2の側に拡散させることなく排出することができ、溝部22gで受けられたパーティクル17等がウェハ2に付着する可能性を低減することができる。また、ウェハ2の上面を通過した流体は、下部ヒータ25の下面側を介して、収容空間22cの中央付近の排出口224b、224cから排出される。
次に、本実施の形態によるウェハ処理装置1の動作について具体的に説明する。まず、図1で示されるように、クランプ41がリリース位置に移動され、開閉手段12によってチャンバ11が開けられ、上部ユニット21及び下部ユニット22が上下方向に離間した状態になっているとする。その状態において、前工程の洗浄装置において、例えばIPA(イソプロピルアルコール)等の洗浄剤によって洗浄されたウェハ2が、搬送ロボットによって搬送され、上部ユニット21の下面側に搬入される。その搬入されたウェハ2は、支持手段21aによって支持される(図2)。
その後、開閉手段12によって上面板16が下降されることによってチャンバ11が閉じられる。なお、収容空間22cにおいては、ウェハ2は、下部ユニット22の支持手段22aによって支持されることになる。また、ステージ42がチャンバ11の軸心に向かって移動されることによって、クランプ41が、上部ユニット21及び下部ユニット22をロックするロック位置に移動される(図3)。
そして、二酸化炭素の注入路に接続された注入バルブが開けられ、チャンバ11の収容空間22cに二酸化炭素が注入される。二酸化炭素は、例えば、加圧ポンプなどの昇圧機構を用いて昇圧されて収容空間22cに注入される。また、上部ヒータ24及び下部ヒータ25によって、注入された二酸化炭素が加熱される。
注入された二酸化炭素は、収容空間22c内の圧力が臨界圧力7.38MPa以上、温度が臨界温度31.1℃以上になると超臨界状態となり、ウェハ2上のIPA等は、超臨界状態の二酸化炭素に溶解される。収容空間22cにおける超臨界状態の二酸化炭素(超臨界流体)の圧力が一定値を超えると、排出路222に接続された排出バルブ(圧力調整バルブ)によって、収容空間22c内の圧力を保ちながら超臨界流体が徐々に排出される。このようにして、ウェハ2に付着していたIPA等が溶解した超臨界流体が排出され、収容空間22cにおいて、ウェハ2からのIPA等の除去が行われることになる。
なお、収容空間22cは、少なくともIPA等の排出が完了するまで二酸化炭素が超臨界状態となる圧力及び温度に保たれることが好適である。収容空間22cは、例えば、圧力は7.4〜15MPaに、また、温度は上部ヒータ24及び下部ヒータ25によって31〜50℃に保たれることが好ましい。
収容空間22cへの二酸化炭素の注入は継続されるため、超臨界二酸化炭素流体の注入と、IPA等が溶解している超臨界二酸化炭素流体の排出が並行して行われることになる。その場合に、図10、図11で示されるように、上部ユニット21と上部ヒータ24との接触部分で発生したパーティクル、粉塵等は、周方向溝部21h、外周側溝部21k、及び上部流路21mを介して、排出口224に流れ、下部ユニット22と下部ヒータ25との接触部分で発生したパーティクル、粉塵等は、周方向溝部22h、外周側溝部22kを介して、排出口224に流れることになる。また、上部ユニット21と下部ユニット22との接触部分で発生したパーティクル、粉塵等は、収容空間22cの周囲に設けられた溝部22gを介して排出口224に流れることになる。したがって、パーティクル等がウェハ2の周囲に拡散することを防止することができる。
IPA等が溶解している超臨界流体の排出が終了すると、注入バルブが閉じられ、収容空間22c内を排出バルブによって降圧し、超臨界流体を気体に相転換させてから排出する。その後、排出バルブが閉じられる。収容空間22cは、加温が停止されてもよく、31〜50℃に維持されてもよい。なお、超臨界流体によるIPA等の排出が終了したかどうかは、例えば、IPA等を検知するセンサによって収容空間22c内においてIPA等を検知することによって確認されてもよい。IPA等を検知するセンサは、例えば、アルコール検知センサ等であってもよい。
その後、クランプ41は、リリース位置に移動される。また、開閉手段12によって上面板16が上昇されることによってチャンバ11が開けられ、上部ユニット21と下部ユニット22とが離間する。上部ユニット21と下部ユニット22とが離間することによって、ウェハ2は、下部ユニット22の支持手段22aによって支持された状態から、上部ユニット21の支持手段21aによって支持された状態となり、上部ユニット21と一緒に上方に移動する。そして、超臨界流体を用いて乾燥されたウェハ2は、搬送ロボットによって搬出され、一連の乾燥処理が終了になる。
以上のように、本実施の形態によるウェハ処理装置1によれば、パーティクル等の発生しやすい箇所から排出口224までの流路を形成することができるため、パーティクル等のウェハ2の周囲への拡散を防止することができる。具体的には、上部ユニット21の孔部21eにおいて発生するパーティクル等を、周方向溝部21h及び外周側溝部21kを介して、排出口224に導くことができる。また、下部ユニット22の孔部22eにおいて発生するパーティクル等を、周方向溝部22h及び外周側溝部22kを介して、排出口224に導くことができる。したがって、パーティクル等がウェハ2のほうに拡散することを防止することができ、ウェハ2にパーティクル等が付着する可能性をより低減することができるようになる。また、上部流路21mや下部流路がU字部材28等によって形成されている場合には、上部流路21mや下部流路から、パーティクル等がウェハ2のほうに拡散することを防止することができる。
また、収容空間22cの外周側であって、シール部23の下方側に溝部22gが設けられており、溝部22gの底部に排出口224が設けられていることにより、シール部23や、上部ユニット21と下部ユニット22との接触部分において生じたパーティクル等を溝部22gから排出することができ、パーティクル等が拡散してウェハ2に付着することを防止することができる。
また、平面視における収容空間22cの一端側(例えば、図5の右側)に注入口223が設けられており、他端側(例えば、図5の左側)に排出口224が設けられていている場合には、ウェハ2上を一方向に超臨界流体が流れることになり、IPA等の処理液を含む超臨界流体がウェハ2上に滞留することや、処理液を含む超臨界流体がウェハ2に戻ることを回避することができる。その結果、効率よく処理液を除去することができるようになる。
なお、本実施の形態では、図10で示されるように、外周側溝部21kの外周側の端部が、上部流路21mを介して排出口224につながっている場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。例えば、上部ユニット21に排出口224が設けられている場合には、外周側溝部21kの外周側の端部の位置が、排出口224の位置となっていてもよい。この場合には、外周側溝部21kの外周側の端部は、平面視において、上部プレート部材26の外縁よりも内側に位置していてもよい。このように、外周側溝部21kの外周側の端部が排出口224につながる構成は問わない。
また、本実施の形態では、図11で示されるように、外周側溝部22kの外周側の端部の位置が、排出口224の位置である場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。例えば、外周側溝部22kの外周側の端部から排出口224につながる下部流路が形成されていてもよい。その下部流路は、例えば、下部ユニット22の上面と、下部ヒータ25の下面との間の隙間22nに、U字部材や、その他の部材などを用いて形成されてもよい。この場合には、外周側溝部22kの外周側の端部は、平面視において、下部プレート部材27の外縁よりも外方に位置していてもよい。このように、外周側溝部22kの外周側の端部が排出口224につながる構成は問わない。
ここで、例えば、外周側溝部21kの外周側の端部の位置が排出口224の位置となっている場合には、通常、その排出口224は、上方に延びる排出路に接続されていることになる。したがって、流体の排出が行われていない場合には、排出路に存在する流体に含まれるパーティクル等が、重力の影響によって下方側に、すなわち外周側溝部22kの側に逆流する可能性がある。また、外周側溝部22kの外周側の端部が、下部流路を介して排出口224につながっており、下部流路が隙間22nに形成されている場合には、通常、下部流路のほうが、外周側溝部22kよりも上方側に位置することになる。したがって、流体の排出が行われていない場合には、下部流路に存在する流体に含まれるパーティクル等が、重力の影響によって下方側に、すなわち外周側溝部22kの側に逆流する可能性がある。一方、図9で示されるように構成されている場合には、流体の排出が行われていなくても、上部流路21mのパーティクル等が外周側溝部21kの側に逆流する可能性は低く、また、排出路222のパーティクル等が外周側溝部22kの側に逆流する可能性も低い。したがって、図9で示されるように、外周側溝部21kの外周側の端部は、上部流路21mを介して排出口224につながることが好適であり、外周側溝部22kの外周側の端部の位置が、下部ユニット22に設けられた排出口224の位置となっていることが好適である。
また、本実施の形態では、上部プレート部材26及び下部プレート部材27がそれぞれ円環形状の部材である場合について説明したが、そうでなくてもよい。上部プレート部材26及び下部プレート部材27はそれぞれ、支持部24b、25bの通る円形状の孔26c、27cを有しているのであれば、外周側の形状は問わない。上部プレート部材26及び下部プレート部材27の少なくとも一方の外周側の形状は、例えば、楕円形状、矩形状、多角形状等であってもよい。
また、本実施の形態では、外周側溝部21k、22kが、円環形状の上部プレート部材26及び下部プレート部材27の半径方向に延びる場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。外周側溝部21k、22kはそれぞれ、少なくとも周方向溝部21h、22hから上部プレート部材26及び下部プレート部材27の外周側に延びるものであればよく、外周側溝部21k、22kの延びる方向は問わない。また、外周側溝部21k、22kは、例えば、直線状のものであってもよく、曲線状のものであってもよい。また、上述したように、外周側溝部21k、22kの外周側の端部はそれぞれ、上部プレート部材26、下部プレート部材27の外縁よりも外方に存在してもよく、または、外縁よりも内側に存在してもよい。
また、本実施の形態では、ウェハ処理装置1が上部ヒータ24及び下部ヒータ25の両方を備えている場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。ウェハ処理装置1は、上部ヒータ24を有していなくてもよく、または、下部ヒータ25を有していなくてもよい。ウェハ処理装置1が上部ヒータ24を有していない場合には、上部ユニット21に上部シール部31や上部プレート部材26が装着されていなくてもよい。また、ウェハ処理装置1が下部ヒータ25を有していない場合には、下部ユニット22に下部シール部32や下部プレート部材27が装着されていなくてもよい。
また、本実施の形態では、収容空間22cの外周側に収容されたウェハ2を取り囲むように環状の溝部22gが設けられている場合について説明したが、そうでなくてもよい。収容空間22cには、溝部22gが設けられていなくてもよい。
また、本実施の形態では、収容空間22cが所定の圧力になるまでは流体の排出が行われない場合について説明したが、そうでなくてもよい。二酸化炭素などの流体をボンベから収容空間22cに供給し始めた際に、所定の期間(例えば、数秒程度)だけ排出口224を介した排気を行い、その後に、排気を終了して収容空間22cの圧力が上昇するようにしてもよい。そのようにすることで、昇圧開始時に収容空間22cに残留しているパーティクルや粉塵等を、収容空間22cから排出することができる。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。