JP6948555B2 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る電解コンデンサは、陽極体および陰極体が、セパレータを介して積層されたコンデンサ素子を備える。セパレータは長尺体であって、つづら折りされている。つづら折りされたセパレータは、その第1主面を内側にして折り返す第1の折り返し部と、第1主面と反対側の第2主面を内側にして折り返す第2の折り返し部と、第1の折り返し部と第2の折り返し部との間に介在する平坦部(以下、内部平坦部と称す。)と、を備えている。
しかし、陽極体と陰極体との間に固体電解質を配置することにより、陽極体および陰極体を複数、積層する場合であっても、電解液の含浸性にかかわらず、電気抵抗を小さくすることができる。なおこの場合、必ずしも電解液を使用しなくてもよい。
セパレータ13はつづら折りされており、第1主面13Xを内側にして折り返す第1の折り返し部131と、第1主面13Xとは反対側の第2主面13Yを内側にして折り返す第2の折り返し部132と、第1の折り返し部131と第2の折り返し部132との間に介在する内部平坦部130と、を備える。また、セパレータ13の一方の端部13T1と、折り返し部(図示例では、第2の折り返し部132)との間には、第1外周平坦部133Aが形成されており、他方の端部13T2と、折り返し部(図示例では、第2の折り返し部132)との間には、第2外周平坦部133Bが形成されている。
以下、本実施形態にかかる電解コンデンサ100の製造方法を、図面を参照しながら具体的に説明するが、電解コンデンサ100の製造方法はこれに限定されるものではない。図4は、電解コンデンサ100の製造工程におけるセパレータ13および陽極体11等の斜視図である。
陽極体11と、陰極体12と、固体電解質が付着した付着領域13Rを備える長尺状のセパレータ13と、を準備する。
陽極体11は、例えば、金属箔と金属箔の表面を覆う誘電体層とを備える。
金属箔の材料は、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、および弁作用金属を含む化合物等である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンが好ましく使用される。金属箔の表面は、多孔質であることが好ましい。このような金属箔は、例えば、エッチングなどにより、その表面を粗面化することで得られる。陽極体11の厚みは特に限定されず、例えば、60〜120μmである。
陰極体12は、陰極としての機能を有していればよく、特に限定されない。陰極体12は、例えば陽極体11と同様、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、および弁作用金属を含む化合物などにより形成される金属箔である。必要に応じて、陰極体12の表面を粗面化してもよい。また、陰極体12の表面に、金属の酸化皮膜を設けてもよいし、チタン、ニッケルまたはカーボンなどの金属膜を設けてもよい。
セパレータ13は、長尺状であり、固体電解質が付着した付着領域13Rを備える(図4(a))。
付着領域13Rは、セパレータ13全体に形成されていてもよい。ただし、固体電解質を有効に活用するには、付着領域13Rを第1主面13Xの法線方向からみたとき、付着領域13Rは、陽極体11の主面の面積よりも小さく、島状に形成されていることが好ましい。この場合、陽極体11の端面と固体電解質との接触を回避することができるため、内部短絡も防止される。
セパレータ13をつづら折りするとともに、形成された第1空間部S1に陽極体11を配置し、第2空間部S2に陰極体12を配置する。これにより、陽極体11の両方の主面がセパレータ13の第1主面13Xで覆われ、陰極体12の両方の主面がセパレータ13の第2主面13Yで覆われる。そして、陽極体11および陰極体12は、付着領域13Rを介して積層される。
第2−1工程では、陽極体11を、付着領域13Rに対向するように第1主面13X上に配置し(図4(b))、セパレータ13を、ガイド200に沿って第1主面13Xを内側にして折り返して、第1主面13Xによって陽極体11を覆う(図4(c))。付着領域13Rが島状に配置されている場合、ガイド200は、第1主面13Xの付着領域13R以外の領域に置く。これにより、付着領域13Rを備えない第1の折り返し部131が形成される。
形成されたコンデンサ素子10に電解液を含浸させてもよい。コンデンサ素子10は、電解液に含浸された後、ケース20に収容されてもよい。コンデンサ素子10をケース20に収容した後、電解液を収容して、ケース20内でコンデンサ素子10に電解液を含浸させてもよい。
電解液は、例えば、溶媒とこれに溶解させたイオン性物質(溶質。例えば、有機塩)との混合物である。溶媒は、非水溶媒(例えば、有機溶媒あるいはイオン性液体)でもよく、水でもよい。非水溶媒としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、スルホラン、γ−ブチロラクトン、N−メチルアセトアミドなどを用いることができる。有機塩としては、例えば、マレイン酸トリメチルアミン、ボロジサリチル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
10:コンデンサ素子
11:陽極体
11a:陽極リードタブ
12:陰極体
12a:陰極リードタブ
13:セパレータ
13X:第1主面
13Y:第2主面
13R:付着領域
13T1、13T2:端部
130:内部平坦部
131:第1の折り返し部
132:第2の折り返し部
133A:第1外周平坦部
133B:第2外周平坦部
20:ケース
21:上部ケース
22:下部ケース
30:外部陽極端子
200:ガイド
Claims (9)
- 陽極体および陰極体が、セパレータを介して積層されたコンデンサ素子を備える電解コンデンサであって、
前記セパレータが、前記セパレータの第1主面を内側にして折り返す第1の折り返し部と、前記第1主面とは反対側の第2主面を内側にして折り返す第2の折り返し部と、前記第1の折り返し部と前記第2の折り返し部との間に介在する平坦部と、を備える長尺体であって、
前記コンデンサ素子が、前記セパレータの折り返しによって形成され、前記第1主面に挟まれた第1空間部、および、前記第2主面に挟まれた第2空間部を備え、
前記陽極体が、前記第1空間部に配置されており、
前記陰極体が、前記第2空間部に配置されており、
前記セパレータが、固体電解質が付着する付着領域を備え、
前記付着領域が、前記平坦部の少なくとも一部に形成されており、
前記コンデンサ素子を前記第1主面の法線方向からみたとき、前記付着領域が、前記陽極体の外周よりも内側に配置されている、電解コンデンサ。 - 前記付着領域が、前記陽極体と前記陰極体とが対向する領域に形成されている、請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ素子に含浸された電解液と、
前記コンデンサ素子および前記電解液を収容するケースと、をさらに備える、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。 - 前記陽極体および前記陰極体をそれぞれ複数含み、
前記陽極体および前記陰極体が、前記セパレータを介して交互に積層されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。 - 陽極体と、陰極体と、固体電解質が付着した付着領域を備える長尺状のセパレータと、を準備する第1工程と、
前記セパレータに、第1主面を内側にして折り返す第1の折り返し部、および、前記第1主面とは反対側の第2主面を内側にして折り返す第2の折り返し部を形成するとともに、前記陽極体が前記付着領域に対向するように、前記セパレータの前記第1主面で前記陽極体を覆い、かつ、前記セパレータの前記第2主面で前記陰極体を覆うことにより、前記セパレータを介して、前記陽極体および前記陰極体が積層されたコンデンサ素子を形成する第2工程と、を備える、電解コンデンサの製造方法。 - 前記第1工程において、
前記第1主面の法線方向からみたとき、前記付着領域が、前記陽極体の主面の面積よりも小さく、島状に配置された前記セパレータを準備する、請求項5に記載の電解コンデンサの製造方法。 - 前記第2工程が、
前記陽極体を、前記付着領域に対向するように前記第1主面上に配置した後、前記セパレータを前記第1主面を内側にして折り返して、前記第1主面によって前記陽極体を覆う第2−1工程と、
前記陰極体を、前記付着領域に対向するように前記第2主面上に配置した後、前記セパレータを前記第2主面を内側にして折り返して、前記第2主面によって前記陰極体を覆う第2−2工程と、を備える、請求項5または6に記載の電解コンデンサの製造方法。 - 前記第2工程が、前記第2−1工程と前記第2−2工程とを、交互に繰り返すことにより、複数の前記陽極体および前記陰極体が、前記セパレータを介して交互に積層されたコンデンサ素子を形成する工程を含む、請求項7に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記コンデンサ素子に電解液を含浸させる第3工程を備える、請求項5〜8のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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