JP6835357B2 - 樹脂ダクト - Google Patents
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Description
特許文献2は硬質樹脂管の内管表面に管軸方向に平行に三角形状の凹凸を付けた管について記載されているが、硬質樹脂管であることから、フレキシブル性がなく、カット作業が困難であり、住宅の換気・空調用配管として使用するにはフレキシブル性、施工性の観点で満足できるものではない。また、凹凸のピッチが狭いため、住宅の換気・空調用配管として使用するには圧力損失特性が満足できるものではない。
また、特許文献3は不織布を使用した可とう性管材の技術が記載されており、不織布が使用されていることから、フレキシブル性、施工性は満足できるものである。しかし、圧力損失を低減させるためには、内面に凹凸がないフラットな状態が好ましいとしているため、住宅の換気・空調用配管として使用するには圧力損失特性が満足できるものではない。
(2)ダクト内面の凸部間の窪みの深度をZ(mm)、ダクト内径をID(mm)とした時、0.01≦Z/ID≦0.05であること。
(1)ダクト内面の凸部頂点の繰り返し単位をX(mm)とした時、5mm≦X≦25mm、
(2)ダクト内面の凸部間の窪みの深度をZ(mm)、ダクト内径をID(mm)とした時、0.01≦Z/ID≦0.05。
繰り返し単位X(mm)は5〜13(mm)の間にあることがより好適である。
しかし、窪みの深度Z(mm)とダクト内径ID(mm)との関係Z/IDが0.01未満となる場合は、管内を指先で触れて観察しても内面がほぼフラットで、凹凸状態が殆ど存在していないことが分かると共に、流体の圧力損失が大きくなり、流体を流す際の抵抗が増えるため適切でない。また、窪みの深度Z(mm)とダクト内径ID(mm)との関係Z/IDが0.05を超える場合には、流体の圧力損失が大きくなり、流体を流す際の抵抗が増えるため適切でない。
窪みの深度Z(mm)とダクト内径ID(mm)との関係Z/IDは、0.015〜0.023の範囲であることが好適であり、さらに、0.018〜0.023にあることがより好適である。
また、ダクト内径ID(mm)は、最小目盛り0.1mmのテーパーゲージをホース内部に挿入して測定した値(ダクト内面で向かい合う凸部間の距離)に、上記で求めた窪みの深度Z(mm)の2倍の値を加えることで求めることができる。
(1)長さ2mの樹脂ダクトを直管状に設置し、その片側の端末を固定する。次に、固定していない側の端末を徐々に固定されている端末側へ曲げていき、樹脂ダクトが偏平する直前まで曲げる。その状態での樹脂ダクトの曲げ半径r(mm)を測定する。
(2)フレキシブル性の評価は以下の基準によって評価した。なお、IDはダクト内径(mm)を表す。
○:r≦2×ID(フレキシブル性が良好であり、施工時の取り回しが容易)
△:2×ID<r≦3×ID(施工時に取りまわしにくさが多少あるが、施工に問題はない)
×:3×ID<r(フレキシブル性が悪く、ダクトとしての使用に適さない)
施工性は、上記フレキシブル性の評価にダクトのカット性の評価を合わせて評価した。
ダクトのカット性は以下の基準によって評価した。
1.カットに使用する工具が、ハサミやカッターに代表される一般的な工具であるか
○:一般的な工具でカット作業が可能
×:専用の工具を使用しないとカット作業が出来ない
2.カットに使用する工具の点数が少ないか
○:1点の工具でカットが可能
×:2点以上の工具を使用する
施工性の評価は、フレキシブル性の評価およびカット性の評価の結果を使用して、以下の基準によって評価した。
○:評価した3項目全てが○
×:評価した項目の中に少なくとも1項目以上△または×の結果がある
(1)長さ3mの樹脂ダクトを直管状に設置し、その片側の端末に送排風機(株)スイ
デン製「SJF−250−2」)を取り付けると共に、ダクトの両端部から0.5m内側の箇所にΦ8mmの穴をあけて差圧計を取り付ける。次に送排風機から発生する風量を段階的に変化させ、その際の圧力差ΔP(Pa)と相当流速V(m/秒)を測定する。
(2)上記(1)の方法で測定した相当流速V(m/秒)とホースの断面積A(m2)の値を用いて通気量Q(m3/時間)の値を式(1)にしたがって算出する。
式(1) 通気量Q=3,600×V×A
(3)上記(2)で算出された通気量Q(m3/時間)の値と圧力差ΔP(Pa)の値から通気率a(m3/時間/Pa1/2)の値を式(2)にしたがって算出する。
式(2) 通気率a=Q/△P1/2
(4) 上記(3)で算出された通気率a(m3/時間/Pa1/2)の値を用いて圧力損失係数ζを式(3)に従って算出する。
式(3) 圧力損失係数ζ=2/[ρ(a/3,600)2]
なお、ρは空気密度(kg/m3)を表す。
(5)上記(4)で算出された圧力損失係数ζを用いて直管時の摩擦損失係数λを式(4)に従って算出する。
式(4) 摩擦損失係数λ=(ID×ζ)/L
なお、IDはダクト内径(m)で、Lはダクト長(m)を表す。
(6)直管時の摩擦損失係数λは、以下の基準によって評価した。
◎:0.020<λ≦0.045(流体と内管面との摩擦が小さく、流体の圧力損失は殆どない)
○:0.045<λ≦0.060(流体と内管面との摩擦は多少あるが、ホースを使用する際に流体の圧力損失は問題ない)
△:0.060<λ≦0.080(流体と内管面との摩擦があり、ホースを使用する際に流体の圧力損失による流量低下が認められる)
×:0.080<λ(流体と内管面との摩擦が大きいので、ホースを使用する際に流体の圧力損失も大きくなり、ホースの使用に適さない)
(1)30mm幅に裁断されたポリエステル不織布の両面にポリエチレンが貼り合わせられた帯状体(シンワ製『KD5030WN』)を、外形が54.5mmの製管機上に螺旋状に捲回し、その隣接する側縁同士を500℃の熱風で熱融着することで、管肉部を形成した。
(2)続けて、上記(1)と同じ製管機上において、HDPE(日本ポリエチレン製『HY540』)を単軸押出機(40mmφ、シリンダー温度=200℃、ダイス温度=230℃)を蒲鉾型に押出し、帯状体に熱融着し、製管機の外から冷風および水を当てて60℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径53.2mm、凸部の繰り返し単位X=8mm、Z/ID=0.012を有する実施例1の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。このとき、製管機のスプリング状の回転棒のひねりを弱くすることで、凸部の繰り返し距離を5mmとした。なお、製管機の外から冷風および水を当てて70℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径52.7mm、凸部の繰り返し単位X=5mm、Z/ID=0.017を有する実施例2の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。製管機の外から冷風および水を当てて50℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径53.4mm、凸部の繰り返し単位X=8mm、Z/ID=0.010を有する実施例3の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。なお、外径が79.0mmの製管機を用い、製管機の外から冷風および水を当てて100℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径75.5mm、凸部の繰り返し単位X=8mm、Z/ID=0.023を有する実施例4の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。なお、製管機の外からの冷風および水を止め、ホース状の成形品が120℃で製管機から外して空冷することで、内径50.5mm、凸部の繰り返し単位X=8mm、Z/ID=0.040を有する実施例5の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。なお、外径が81.9mmの製管機を用い、製管機の外から冷風および水を当てて90℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径79.0mm、凸部の繰り返し単位X=13mm、Z/ID=0.018を有する実施例6の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。なお、外径が158.0mmの製管機を用い、製管機の外から冷風および水を当てて90℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径155.0mm、凸部の繰り返し単位X=25mm、Z/ID=0.015を有する実施例1の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。このとき、製管機のスプリング状の回転棒のひねりを弱くすることで、凸部の繰り返し距離を4mmとした。ホース状の成形品の冷却条件は実施例1と同様の条件とした。最終的に、内径53.2mm、凸部の繰り返しX単位=4mm、Z/ID=0.011を有する比較例1の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。このとき、製管機のスプリング状の回転棒のひねりを強くすることで、凸部の繰り返し距離を27mmとした。ホース状の成形品の冷却条件は実施例1と同様の条件とした。最終的に、内径53.2mm、凸部の繰り返し単位X=27mm、Z/ID=0.013を有する比較例2の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。なお、製管機の外から冷風および水を当てて130℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径49.5mm、凸部の繰り返し単位X=8mm、Z/ID=0.051を有する比較例3の樹脂ダクトを得た。
実施例1と同様の工程を経て成形品を得た。なお、製管機の外から冷風および水を当てて50℃までホース状の成形品を冷却した後に、製管機から外して空冷することで、内径53.9mm、凸部の繰り返し単位X=8mm、Z/ID=0.006を有する比較例2の樹脂ダクトを得た。
一方、比較例1のようにダクト内面の凸部頂点の繰り返し単位Xが5mm未満の場合、比較例2のようにXが20mmを超える場合、比較例3のようにZ/IDが0.05を超える場合、比較例4のようにZ/IDが0.01未満の場合はいずれも圧力損失特性が劣ったものとなる。
Claims (3)
- 少なくとも不織布を含む帯状体からなる肉部と、熱可塑性硬質樹脂からなる螺旋状の芯材からなり、以下の(1),(2)の構造を満たす樹脂ダクト。
(1)ダクト内面の凸部頂点の繰り返し単位をX(mm)とした時、5mm≦X≦25mmであること、
(2)ダクト内面の凸部間の窪みの深度をZ(mm)、ダクト内径をID(mm)とした時、0.01≦Z/ID≦0.05であること。 - 熱可塑性硬質樹脂がオレフィン系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂ダクト。
- 請求項1または2に記載の樹脂ダクトの外側にさらに断熱層が被覆された樹脂ダクト。
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