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JP6835240B2 - コイル - Google Patents

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Description

本発明は、軸方向に延びるスロットが周方向に複数形成されているコアに巻装されるコイルに関する。
上記のようなコイルの一例が、特開2016−123249号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1には、一対のスロット間に複数回巻回される同芯巻部(カセットコイル)を複数用いて、コイルを形成する技術が記載されている。具体的には、特許文献1に記載の技術では、第1同芯巻部と、当該第1同芯巻部に比べて巻数が1つ少ない第2同芯巻部との2種類の同芯巻部を用いてコイルを形成している。コイルが用いられる回転電機の特性を所望のものとするために、1つのスロット内において径方向に並んで配置されるスロット収容部の本数を奇数とすることが望ましい場合があるが、特許文献1に記載の技術では、上記のようにコイルを形成することで、このような要求を満たすことを可能としている。
ところで、このように複数の同芯巻部を用いてコイルを形成する場合、コイルのコアへの巻装は、例えば、コアに対して径方向の内側に配置された複数の同芯巻部を径方向の外側に放射状に押し出して、各同芯巻部のスロット収容部をスロットに対して径方向の内側から挿入することで行われる。この挿入の過程で、同芯巻部のそれぞれは、各同芯巻部の一対のスロット収容部の周方向の間隔が変化するように変形させる必要がある。そのため、このような巻装方法では、スロット収容部のそれぞれをスロット内の所定の層に配置するのが容易ではない。また、このような巻装方法では、スロットの形状を、開口部における周方向幅がスロットの内部における周方向幅と同じ形状(フルオープンスロット形状)とする必要がある等、スロットの形状についての自由度が低くなりやすい。
これらの問題を解決するために、複数のセグメント導体を用いてコイルを形成することが考えられる。例えば特開2015−23771号公報(特許文献2)や特開2017−34860号公報(特許文献3)には、複数のセグメント導体を用いてコイルを形成する技術が記載されている。しかしながら、特許文献2や特許文献3に記載の技術では、特許文献2の図6や特許文献3の図22に示されるように、1つのスロット内において径方向に並んで配置されるスロット収容部の本数は偶数となり、この本数を奇数とすることはできない。
特開2016−123249号公報 特開2015−23771号公報 特開2017−34860号公報
そこで、1つのスロット内において径方向に並んで配置されるスロット収容部の本数が奇数のコイルを、複数のセグメント導体を用いて適切に形成することが可能な技術の実現が望まれる。
上記に鑑みた、軸方向に延びるスロットが周方向に複数形成されているコアに巻装されるコイルの特徴構成は、前記スロット内にそれぞれ配置される複数本のスロット収容部と、互いに異なる前記スロット内に配置される一対の前記スロット収容部である第1スロット収容部と第2スロット収容部とを、前記コアに対して前記軸方向の外側でそれぞれ接続する複数本の渡り部と、を備え、複数本の前記渡り部には、互いに径方向に隣接する層に配置される前記第1スロット収容部と前記第2スロット収容部とを接続する第1渡り部と、前記径方向の最も外側の層にそれぞれ配置される前記第1スロット収容部と前記第2スロット収容部とを接続する第2渡り部と、前記コアに対して第2渡り部が配置される側とは前記軸方向の反対側に配置されて、前記径方向の最も内側の層にそれぞれ配置される前記第1スロット収容部と前記第2スロット収容部とを接続する第3渡り部とが含まれ、前記第1渡り部は、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、を備え、前記第2渡り部は、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置及び前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置よりも前記径方向の外側に配置される外側部分と、前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、を備え、前記第3渡り部は、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置及び前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置よりも前記径方向の内側に配置される内側部分と、前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、を備え、前記第1渡り部の少なくとも一部を有する第1セグメント導体と、前記第2渡り部の少なくとも前記外側部分を有する第2セグメント導体と、前記第3渡り部の少なくとも前記内側部分を有する第3セグメント導体とを接合して構成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、径方向の最も外側の層(すなわち、最外層)にそれぞれ配置される一対のスロット収容部を接続する第2渡り部と、径方向の最も内側の層(すなわち、最内層)にそれぞれ配置される一対のスロット収容部を接続する第3渡り部とが、コアに対して軸方向の互いに反対側に配置される。よって、1つのスロット内において径方向に並んで配置されるスロット収容部の本数が奇数のコイルを実現することができる。
なお、上記の特徴構成によれば、第2渡り部が外側部分を備えるため、複数本の第2渡り部を、互いの干渉を回避しつつそれぞれの周方向の配置領域を一部重複させて配置することができる。また、第3渡り部が内側部分を備えるため、複数本の第3渡り部を、互いの干渉を回避しつつそれぞれの周方向の配置領域を一部重複させて配置することができる。よって、複数本の第2渡り部及び複数本の第3渡り部を備えるコイルを適切に形成することができる。
その上で、上記の特徴構成によれば、コイルが、第1渡り部の少なくとも一部を有する第1セグメント導体と、第2渡り部の少なくとも外側部分を有する第2セグメント導体と、第3渡り部の少なくとも内側部分を有する第3セグメント導体とを接合して構成される。すなわち、1つのスロット内において径方向に並んで配置されるスロット収容部の本数が奇数のコイルを適切に形成するためには、コアに対して軸方向の互いに反対側に配置される外側部分と内側部分とが必要となるが、これらの外側部分と内側部分とが互いに異なるセグメント導体に設けられた構成とすることができる。よって、セグメント導体のそれぞれのコアへの配置の容易性を適切に確保しつつ、上記の本数が奇数のコイルを実現することができる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、1つのスロット内において径方向に並んで配置されるスロット収容部の本数が奇数のコイルを、複数のセグメント導体を用いて適切に形成することが可能となる。
コイルの更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
第1の実施形態に係るコイルの斜視図 第1の実施形態に係るステータの一部の軸方向に直交する断面図 第1の実施形態に係るステータの一部の軸方向に沿った断面図 第1の実施形態に係る第1セグメント導体を示す図 第1の実施形態に係る別の第1セグメント導体を示す図 第1の実施形態に係る第2セグメント導体を示す図 第1の実施形態に係る第3セグメント導体を示す図 第1の実施形態に係るコイルの配線図 第2の実施形態に係る第1セグメント導体を示す図 第2の実施形態に係る第2セグメント導体を示す図 第2の実施形態に係る第3セグメント導体を示す図 第3の実施形態に係る第1セグメント導体を示す図 第3の実施形態に係る別の第1セグメント導体を示す図 第3の実施形態に係る第2セグメント導体を示す図 第3の実施形態に係る第3セグメント導体を示す図
〔第1の実施形態〕
コイルの第1の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。以下の説明では、「軸方向L」、「径方向R」、及び「周方向C」は、コイル1が巻装されるコア90(図2及び図3参照)の軸心(円筒状の内周面90b又は円筒状の外周面90aの軸心)を基準として定義している。すなわち、コア90の内周面90b又は外周面90aは、各方向の基準となる面(コア基準面)である。そして、図1に示すように、軸方向Lの一方側(本実施形態では、軸方向Lにおけるコア90に対して第3渡り部20cが配置される側)を軸方向第1側L1とし、軸方向Lの他方側(軸方向第1側L1とは反対側)を軸方向第2側L2としている。また、周方向Cの一方側(本実施形態では、コア90を軸方向第2側L2から見た場合の時計回り方向側)を周方向第1側C1とし、周方向Cの他方側(周方向第1側C1とは反対側)を周方向第2側C2としている。以下の説明では、コイル1についての各方向は、コイル1がコア90に巻装された状態での方向である。
本明細書では、部材の形状に関して「ある方向に延びる」とは、当該方向を基準方向として、部材の延在方向が当該基準方向に平行な形状に限らず、部材の延在方向が当該基準方向に交差する方向であっても、その交差角度が所定範囲内(例えば、45度未満)である形状も含む概念として用いている。また、本明細書では、寸法、配置方向、及び配置位置等に関する用語(例えば、「平行」等)は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態も含む概念として用いている。
図2及び図3に示すように、コイル1は、軸方向Lに延びるスロット91が周方向Cに複数形成されているコア90に巻装される。本実施形態では、コア90は、回転界磁型の回転電機のステータ9に用いられる。すなわち、コイル1の巻装対象のコア90は、ステータ9のコア(ステータコア)であり、また、電機子コアである。このように、本実施形態では、コイル1は、ステータコアに巻装されるコイルである。また、本実施形態では、コイル1は、電機子コアに巻装される電機子コイルである。コア90は、磁性材料を用いて形成される。例えば、複数枚の磁性体板(例えば、ケイ素鋼板等の電磁鋼板)を積層してコア90が形成され、或いは、磁性材料の粉体を加圧成形してなる圧粉材を主な構成要素としてコア90が形成される。コア90は、円筒状に形成されている。なお、本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
図2に示すように、コア90に形成されるスロット91のそれぞれは、径方向Rにおけるロータ(図示せず)が配置される側に開口部(径方向開口部)を有している。本実施形態では、コア90は、インナロータ型の回転電機に用いられるステータコアであり、スロット91のそれぞれは、径方向Rの内側(径方向内側R1)に径方向開口部を有している。本実施形態では、スロット91のそれぞれは、径方向Rに平行に延びるように形成されている。また、本実施形態では、スロット91のそれぞれにおける少なくともコイル1(後述するスロット収容部60)が配置される部分は、周方向Cの幅(周方向Cの両側の側面部の間隔)が径方向Rに沿って均一に形成されている。図2では、径方向開口部も含めてスロット91の周方向Cの幅が径方向Rに沿って均一に形成される場合を例示しているが、径方向開口部におけるスロット91の周方向Cの幅が、コイル1(スロット収容部60)が配置される部分におけるスロット91の周方向Cの幅よりも狭い構成(すなわち、スロット91がセミオープンスロットである構成)とすることもできる。また、図3に示すように、スロット91のそれぞれは、軸方向Lの両側に開口部を有している。本実施形態では、スロット91のそれぞれは、軸方向Lに平行に延びるように形成されている。
図2に示すように、周方向Cに隣接する2つのスロット91の間には、ティース92が形成されている。言い換えれば、コア90は、軸方向L視で円環状に形成されるヨーク部93と、ヨーク部93から径方向Rにおけるロータが配置される側(本実施形態では、径方向内側R1)に延びる複数のティース92とを備えている。そして、周方向Cに隣接する2つのティース92の間に、径方向Rの外側(径方向外側R2)に底部を有するスロット91が形成されている。複数のティース92のそれぞれの径方向内側R1の端面によって、コア90の円筒状の内周面90bが形成されている。また、ヨーク部93の外周面によって、コア90の円筒状の外周面90aが形成されている。なお、コア90の外周面にケース等への取り付けのための突出部が設けられる場合には、ヨーク部93の外周面における当該突出部を除く部分が、円筒状に形成される。図示は省略するが、本実施形態では、コア90には、合計で48個のスロット91が周方向Cに沿って一定間隔で配置されている。
コイル1は、スロット91内にそれぞれ配置される複数本のスロット収容部60を備えている。本実施形態では、スロット収容部60は、軸方向Lに平行に延びるようにスロット91内に配置されている。コイル1は、スロット収容部60が径方向Rに奇数個配列される奇数層巻構造を有している。すなわち、1本のスロット収容部60の径方向Rの配置領域を1層とすると、図2及び図3に示すように、1つのスロット91の内部には、複数本のスロット収容部60が奇数個の層に分かれて配置される。本実施形態では、コイル1は7層巻構造を有しており、1つのスロット91の内部には、複数本のスロット収容部60が7つの層に分かれて配置される。また、本実施形態では、1つのスロット91の内部には、複数本のスロット収容部60が一列に並んで径方向Rに沿って配置される。よって、本実施形態では、1つのスロット91の内部には、7本のスロット収容部60が径方向Rに並べて配置される。
コイル1は、互いに異なるスロット91内に配置される一対のスロット収容部60をコア90に対して軸方向Lの外側でそれぞれ接続する複数本の渡り部20を備えている。後述するように、複数本の渡り部20には、第1渡り部20aと、第2渡り部20bと、第3渡り部20cとが含まれる。ここで、図4〜図7に示すように、渡り部20によって接続される一対のスロット収容部60のうち、周方向第1側C1に配置されるスロット収容部60を第1スロット収容部61とし、周方向第2側C2に配置されるスロット収容部60を第2スロット収容部62とする。図1及び図3に示すように、複数本の渡り部20の集合によって、コア90に対して軸方向Lの両側に突出するようにコイルエンド部が形成される。
本実施形態では、コイル1は複数相(本例では、3相)のコイルであり、コイル1は、各相用のスロット91(本例では、U相用のスロット91、V相用のスロット91、及びW相用のスロット91)が周方向Cに沿って繰り返し現れるようにコア90に巻装される。本実施形態では、毎極毎相あたりのスロット91の数が“2”であり、コイル1は、U相用のスロット91、V相用のスロット91、及びW相用のスロット91が周方向Cに沿って2つずつ繰り返し現れるようにコア90に巻装される。図1には、コイル1が備える複数の相コイル(本例では3つの相コイル)のうちの1つの相コイルのみを示している。図示は省略するが、コイル1が備える他相の相コイルも、コア90に対する周方向Cの配置位置を除いて、図1に示す相コイルと同様の構成を有している。
コイル1は、複数のセグメント導体10を接合して構成される。セグメント導体10のそれぞれは、当該セグメント導体10の延在方向の両側の端部に接合部64を有し(図4〜図7参照)、複数のセグメント導体10の接合部64同士を順次接合することにより、コイル1が形成される。セグメント導体10のそれぞれは、1本の連続する線状導体を用いて構成される。ここで、「連続」とは、継ぎ目なく延在方向に一体に形成されていることを意味する。線状導体は、銅やアルミニウム等の導電性を有する材料により構成される。線状導体の表面は、異なる部材間の電気的接続箇所(後述する接合箇所63(図3参照)等)を除いて、樹脂等の電気的絶縁性を有する材料からなる絶縁皮膜により被覆されている。図2に示すように、本実施形態では、セグメント導体10を構成する線状導体として、延在方向に直交する断面の形状が矩形状の線状導体(平角線)を用いている。ここで、「矩形状」には、正方形状の矩形、角部が円弧状に面取り(R面取り)又は直線状に面取り(C面取り)された矩形、内角の大きさと90度との差の絶対値が予め定められた角度(例えば、5度や10度等)未満の矩形等を含む。
図1に示すように、コイル1が備える複数本の渡り部20には、第1渡り部20aと、第2渡り部20bと、第3渡り部20cとが含まれる。図1及び図8に示すように、第1渡り部20aは、互いに径方向Rに隣接する層に配置される第1スロット収容部61と第2スロット収容部62とを接続する渡り部20であり、第2渡り部20bは、径方向Rの最も外側(最も径方向外側R2)の層(最外層)にそれぞれ配置される第1スロット収容部61と第2スロット収容部62とを接続する渡り部20であり、第3渡り部20cは、径方向Rの最も内側(最も径方向内側R1)の層(最内層)にそれぞれ配置される第1スロット収容部61と第2スロット収容部62とを接続する渡り部20である。なお、図8は、図1に示すコイル1(1つの相コイル)の配線図であり、スロット91の内部に記された数字は、コイル1の一端(第1端部1a)と他端(第2端部1b)との間の電流の経路に沿って、第1端部1aの側から順に一対のスロット収容部60毎に“1”から付した識別番号である。後述するように、コイル1は、第1コイル部2a及び第2コイル部2bを電気的に接続して(ここでは、直列に接続して)構成されており、図8では、コイル1の配線構成の理解を容易にするために、第1コイル部2aの配線図と第2コイル部2bの配線図とをずらして示している。すなわち、図8において上下方向(図8に示す符号が読める向きでの上下方向)に並ぶ2つのスロット91は同一のスロット91である。
ここで、軸方向Lにおけるコア90に対して第3渡り部20cが配置される側を軸方向第1側L1とすると、第2渡り部20bは、コア90に対して軸方向第1側L1とは反対側である軸方向第2側L2に配置される。すなわち、第3渡り部20cは、コア90に対して第2渡り部20bが配置される側とは軸方向Lの反対側に配置される。また、コイル1が備える複数本の第1渡り部20aの一部の第1渡り部20a(具体的には、半数の第1渡り部20a)は、コア90に対して軸方向第1側L1に配置され、残りの第1渡り部20aは、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される。図8では、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される渡り部20(第1渡り部20a及び第2渡り部20b)を実線で示すと共に、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される渡り部20(第1渡り部20a及び第3渡り部20c)を破線で示している。
図4及び図5に示すように、第1渡り部20aは、第1スロット収容部61に対応する径方向Rの位置に配置される部分(第1部分31)と、第2スロット収容部62に対応する径方向Rの位置に配置される部分(第2部分32)と、を備えている。第1部分31は、第1渡り部20aの延在方向において、第2部分32よりも第1渡り部20aと第1スロット収容部61との接続部側に配置される。ここで、スロット収容部60に対応する径方向Rの位置とは、スロット収容部60と径方向Rの同じ位置とされ、或いは、スロット収容部60とは径方向Rの異なる位置とされる。但し、後者の場合であっても、径方向Rに隣接する層に配置される2つのスロット収容部60の間で、径方向外側R2の層に配置されるスロット収容部60に対応する径方向Rの位置は、径方向内側R1の層に配置されるスロット収容部60に対応する径方向Rの位置よりも、径方向外側R2に設定される。すなわち、スロット収容部60に対応する径方向Rの位置を「径方向対応位置」とすると、複数の径方向対応位置の径方向Rの並び順は、対応するスロット収容部60の径方向Rの並び順と一致する。なお、図4及び図5、並びに後に参照する図6及び図7では、コイル1を構成するセグメント導体10(後述する第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10c)について、径方向R視での形状、軸方向L視での形状、及び周方向C視での形状を1つの図にまとめて示している。
図4に示すように、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第1渡り部20aは、第1スロット収容部61と、当該第1スロット収容部61に対して径方向内側R1に隣接する層に配置される第2スロット収容部62とを接続する。よって、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第1渡り部20aでは、第2部分32は第1部分31よりも径方向内側R1に配置される。一方、図5に示すように、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第1渡り部20aは、第1スロット収容部61と、当該第1スロット収容部61に対して径方向外側R2に隣接する層に配置される第2スロット収容部62とを接続する。よって、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第1渡り部20aでは、第2部分32は第1部分31よりも径方向外側R2に配置される。このように、コア90に対して軸方向Lの両側のそれぞれにおいて、第1渡り部20aの第2部分32は、第1渡り部20aの第1部分31に対して径方向Rの同じ側に配置される。これにより、コア90に対して軸方向Lの同じ側で径方向Rの同じ位置(領域)に配置される複数本の第1渡り部20aを、互いの干渉を回避しつつそれぞれの周方向Cの配置領域を一部重複させて配置することが可能となっている。
図4及び図5に示すように、第1渡り部20aは、第1部分31と第2部分32との接続部に、第2部分32を第1部分31に対して径方向Rにオフセット(本実施形態では、1層分オフセット)して配置するための第1オフセット部41(屈曲部)を有している。第1オフセット部41は、コア90に対して軸方向Lの同じ側で径方向Rの同じ位置に配置される複数本の渡り部20(ここでは、第1渡り部20a)の間の干渉を回避するためのオフセット部である。本実施形態では、第1渡り部20aに設けられる第1オフセット部41は、第1渡り部20aにおける周方向Cの中間部(具体的には、中央部)に形成されている。そして、第1部分31は、軸方向L視で円弧状に延びるように形成されて第1スロット収容部61と第1オフセット部41とを接続し、第2部分32は、軸方向L視で円弧状に延びるように形成されて第1オフセット部41と第2スロット収容部62とを接続している。なお、第1部分31と第1スロット収容部61との接続部には、第1部分31の延在方向を第1スロット収容部61の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(第1屈曲部)が設けられている。第2渡り部20b及び第3渡り部20cにも同様の屈曲部(第1屈曲部)が設けられている。また、第2部分32と第2スロット収容部62との接続部には、第2部分32の延在方向を第2スロット収容部62の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(第2屈曲部)が設けられている。第1渡り部20aにおけるこれらの第1屈曲部と第2屈曲部とを接続する部分が、第1渡り部20aにおける周方向Cに延びる部分である周方向延在部50を構成している。本実施形態では、第1渡り部20aの周方向延在部50は、実質的に第1渡り部20aの全体を構成している。
図6に示すように、第2渡り部20bは、第1スロット収容部61に対応する径方向Rの位置に配置される部分(第1部分31)と、第1スロット収容部61に対応する径方向Rの位置及び第2スロット収容部62に対応する径方向Rの位置よりも径方向外側R2に配置される外側部分33と、第2スロット収容部62に対応する径方向Rの位置に配置される部分(第2部分32)と、を備えている。第1部分31は、第2渡り部20bの延在方向において、外側部分33よりも第2渡り部20bと第1スロット収容部61との接続部側に配置され、第2部分32は、第2渡り部20bの延在方向において、外側部分33よりも第2渡り部20bと第2スロット収容部62との接続部側に配置されている。第2渡り部20bは、最も径方向外側R2の層にそれぞれ配置される第1スロット収容部61と第2スロット収容部62とを接続する(すなわち、互いに同一の層に配置される第1スロット収容部61と第2スロット収容部62とを接続する)ため、第1スロット収容部61に対応する径方向Rの位置と第2スロット収容部62に対応する径方向Rの位置とは、径方向Rの互いに同じ位置とされる。すなわち、第2渡り部20bでは、第1部分31と第2部分32とが径方向Rの互いに同じ位置に配置され、外側部分33は、これらの第1部分31及び第2部分32よりも径方向外側R2に配置される。第2渡り部20bにこのような外側部分33を設けることで、複数本の第2渡り部20bを、互いの干渉を回避しつつそれぞれの周方向Cの配置領域を一部重複させて配置することが可能となっている。
図6に示すように、第2渡り部20bは、第1部分31と外側部分33との接続部に、外側部分33を第1部分31に対して径方向外側R2にオフセット(本実施形態では、1層分オフセット)して配置するための第1オフセット部41(屈曲部)を有している。第2渡り部20bの第1オフセット部41は、第1渡り部20aの第1オフセット部41と同様に、径方向Rの同じ位置に配置される複数本の渡り部20(ここでは、第2渡り部20b)の間の干渉を回避するために設けられている。第2渡り部20bは、更に、外側部分33と第2部分32との接続部に、外側部分33を第2部分32に対して径方向外側R2にオフセット(本実施形態では、1層分オフセット)して配置するための第2オフセット部42(屈曲部)を有している(図3参照)。
本実施形態では、第2渡り部20bの第1オフセット部41は、第2渡り部20bにおける周方向Cの中間部(具体的には、中央部)に形成されている。よって、第1部分31は、軸方向L視で円弧状に延びるように形成されて第1スロット収容部61と第1オフセット部41とを接続している。また、本実施形態では、第2オフセット部42は、第2渡り部20bにおける周方向第2側C2の端部に形成されている。よって、外側部分33は、軸方向L視で円弧状に延びるように形成されて第1オフセット部41と第2オフセット部42とを接続し、第2部分32は、軸方向Lに延びるように(本実施形態では、軸方向Lに平行に延びるように)形成されて第2スロット収容部62と第2オフセット部42とを接続している。なお、本実施形態では、第2オフセット部42は、外側部分33の延在方向を第2スロット収容部62の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(第2屈曲部)と重複して(すなわち、第2渡り部20bの延在方向において互いに重複するように)形成されている。上述したように、第2渡り部20bには第1屈曲部が設けられており、第2渡り部20bにおけるこれらの第1屈曲部と第2屈曲部とを接続する部分が、第2渡り部20bにおける周方向Cに延びる部分である周方向延在部50を構成している。本実施形態では、第2渡り部20bの周方向延在部50は、実質的に第2渡り部20bの全体を構成している。
図7に示すように、第3渡り部20cは、第1スロット収容部61に対応する径方向Rの位置に配置される部分(第1部分31)と、第1スロット収容部61に対応する径方向Rの位置及び第2スロット収容部62に対応する径方向Rの位置よりも径方向内側R1に配置される内側部分34と、第2スロット収容部62に対応する径方向Rの位置に配置される部分(第2部分32)と、を備えている。第1部分31は、第3渡り部20cの延在方向において、内側部分34よりも第3渡り部20cと第1スロット収容部61との接続部側に配置され、第2部分32は、第3渡り部20cの延在方向において、内側部分34よりも第3渡り部20cと第2スロット収容部62との接続部側に配置されている。第3渡り部20cは、最も径方向内側R1の層にそれぞれ配置される第1スロット収容部61と第2スロット収容部62とを接続する(すなわち、互いに同一の層に配置される第1スロット収容部61と第2スロット収容部62とを接続する)ため、第1スロット収容部61に対応する径方向Rの位置と第2スロット収容部62に対応する径方向Rの位置とは、径方向Rの互いに同じ位置とされる。すなわち、第3渡り部20cでは、第1部分31と第2部分32とが径方向Rの互いに同じ位置に配置され、内側部分34は、これらの第1部分31及び第2部分32よりも径方向内側R1に配置される。第3渡り部20cにこのような内側部分34を設けることで、複数本の第3渡り部20cを、互いの干渉を回避しつつそれぞれの周方向Cの配置領域を一部重複させて配置することが可能となっている。
図7に示すように、第3渡り部20cは、第1部分31と内側部分34との接続部に、内側部分34を第1部分31に対して径方向内側R1にオフセット(本実施形態では、1層分オフセット)して配置するための第1オフセット部41(屈曲部)を有している。第3渡り部20cの第1オフセット部41は、第1渡り部20aの第1オフセット部41や第2渡り部20bの第1オフセット部41と同様に、径方向Rの同じ位置に配置される複数本の渡り部20(ここでは、第3渡り部20c)の間の干渉を回避するために設けられている。第3渡り部20cは、更に、内側部分34と第2部分32との接続部に、内側部分34を第2部分32に対して径方向内側R1にオフセット(本実施形態では、1層分オフセット)して配置するための第3オフセット部43(屈曲部)を有している(図3参照)。
本実施形態では、第3渡り部20cの第1オフセット部41は、第3渡り部20cにおける周方向Cの中間部(具体的には、中央部)に形成されている。よって、第1部分31は、軸方向L視で円弧状に延びるように形成されて第1スロット収容部61と第1オフセット部41とを接続している。また、本実施形態では、第3オフセット部43は、第3渡り部20cにおける周方向第2側C2の端部に形成されている。よって、内側部分34は、軸方向L視で円弧状に延びるように形成されて第1オフセット部41と第3オフセット部43とを接続し、第2部分32は、軸方向Lに延びるように(本実施形態では、軸方向Lに平行に延びるように)形成されて第2スロット収容部62と第3オフセット部43とを接続している。なお、本実施形態では、第3オフセット部43は、内側部分34の延在方向を第2スロット収容部62の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(第2屈曲部)と重複して(すなわち、第3渡り部20cの延在方向において互いに重複するように)形成されている。上述したように、第3渡り部20cには第1屈曲部が設けられており、第3渡り部20cにおけるこれらの第1屈曲部と第2屈曲部とを接続する部分が、第3渡り部20cにおける周方向Cに延びる部分である周方向延在部50を構成している。本実施形態では、第3渡り部20cの周方向延在部50は、実質的に第3渡り部20cの全体を構成している。
図1に示すように、コイル1は、第1セグメント導体10aと、第2セグメント導体10bと、第3セグメント導体10cとを接合して構成されている。上述したように、本実施形態では、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cのそれぞれが、延在方向に直交する断面の形状が矩形状の線状導体である。なお、図1では、コイル1の構成の理解を容易にするために、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cのうちの第2セグメント導体10b及び第3セグメント導体10cのみに、互いに異なるパターンのハッチングを施している。図3についても同様である。第1セグメント導体10aは、第1渡り部20aの少なくとも一部を有するセグメント導体10であり、第2セグメント導体10bは、第2渡り部20bの少なくとも外側部分33を有するセグメント導体10であり、第3セグメント導体10cは、第3渡り部20cの少なくとも内側部分34を有するセグメント導体10である。
接続の対象となる2つの渡り部20は、スロット収容部60によって接続される。よって、互いに接合される2つのセグメント導体10の少なくとも一方が、スロット収容部60を備える。スロット91に対してスロット収容部60を軸方向Lに挿入可能とするために、スロット収容部60を備えるセグメント導体10は、2本以下のスロット収容部60(すなわち、1本又は2本のスロット収容部60)を備える。ここで、スロット収容部60の本数は整数であり、軸方向Lの長さがスロット91の軸方向Lの長さ未満のスロット収容部60も、1本のスロット収容部60とする。本実施形態では、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cのそれぞれが、2本以下のスロット収容部60を有している。
図4〜図7に示すように、本実施形態では、第1セグメント導体10aは、第1渡り部20aにおける周方向Cに延びる周方向延在部50の全体を有し、第2セグメント導体10bは、第2渡り部20bにおける周方向Cに延びる周方向延在部50の全体を有し、第3セグメント導体10cは、第3渡り部20cにおける周方向Cに延びる周方向延在部50の全体を有している。ここでは、第1セグメント導体10aは、第1渡り部20aの全体を有し、第2セグメント導体10bは、第2渡り部20bの全体を有し、第3セグメント導体10cは、第3渡り部20cの全体を有している。また、本実施形態では、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cのそれぞれは、2本のスロット収容部60(すなわち、第1スロット収容部61及び第2スロット収容部62)を有している。すなわち、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cは、いずれも、径方向R視でU字状に形成されている。また、本実施形態では、第1セグメント導体10aが備える2本のスロット収容部60、第2セグメント導体10bが備える2本のスロット収容部60、及び第3セグメント導体10cが備える2本のスロット収容部60は、いずれも、軸方向Lの長さがスロット91の軸方向Lの長さ未満のスロット収容部60である。よって、スロット収容部60の先端部(渡り部20との接続部側とは反対側の端部)に、別のセグメント導体10のスロット収容部60と接合するための接合部64が形成されている。
本実施形態では、コイル1は、第1セグメント導体10aとして、第1導体11と第2導体12とを用い、第2セグメント導体10bとして第3導体13を用い、第3セグメント導体10cとして第4導体14を用いて形成されている。図4に示すように、第1導体11は、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第1接続部21(第1渡り部20a)の周方向延在部50を有する第1セグメント導体10aである。図5に示すように、第2導体12は、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第2接続部22(第1渡り部20a)の周方向延在部50を有する第1セグメント導体10aである。また、第3導体13は、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第3接続部23(第2渡り部20b)の周方向延在部50を有し、第4導体14は、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第4接続部24(第3渡り部20c)の周方向延在部50を有している。よって、本実施形態では、スロット91内へのスロット収容部60の挿入は、第1導体11及び第4導体14については、スロット91に対して軸方向第1側L1から行うことができ、第2導体12及び第3導体13については、スロット91に対して軸方向第2側L2から行うことができる。
本実施形態では、コイル1は、重ね巻(同芯巻)によりコア90に巻装される。すなわち、図8に示すように、コイル1は、周方向Cに並べて配置される複数の重ね巻部3(同芯巻部)を電気的に接続して形成されている。本例では、図1及び図8に示すように、コイル1(1つの相コイル)は、周方向Cに並べて配置される複数の重ね巻部3を電気的に接続して形成される第1コイル部2aと、周方向Cに並べて配置される複数の重ね巻部3を電気的に接続して形成される第2コイル部2bとを、電気的に接続して(ここでは、直列に接続して)構成されている。第1コイル部2aを構成する複数の重ね巻部3と、第2コイル部2bを構成する複数の重ね巻部3とは、周方向Cにスロット91の配設ピッチ分(1スロットピッチ分)ずらして配置されている。
図1、図3、及び図8に示すように、重ね巻部3の1ターンは、周方向Cの同じ位置において径方向Rに位置をずらして配置される1つの第1導体11と1つの第2導体12とが接合されて形成される。なお、これらの第1導体11と第2導体12との接合は、第1導体11の第2スロット収容部62の先端部に設けられた接合部64(図4参照)と、第2導体12の第2スロット収容部62の先端部に設けられた接合部64(図5参照)とを、スロット91内で軸方向Lに接合することで行われる。これにより、第1導体11の第2スロット収容部62と第2導体12の第2スロット収容部62とが軸方向Lに沿って直線状に延在するように接合されて、スロット91における軸方向Lの両端部間を軸方向Lに延びるスロット収容部60が形成される。このように、本実施形態では、互いに異なる第1セグメント導体10a同士(具体的には、第1導体11と第2導体12)が、スロット91内で接合されている。接合部64同士の接合は、例えば、導電性接合材(銀ナノ粒子を含んだペースト状の接合材等)を用いて行うことができる。なお、接合材を用いることなく溶接等によって接合部64同士を接合してもよい。
本実施形態では、1つの重ね巻部3において、上記のように互いに接合される1つの第1導体11と1つの第2導体12との組(第1セグメント導体組)が、周方向Cの同じ位置において径方向Rに位置をずらして複数組(具体的には、3組)配置されている。そして、径方向Rに隣接して配置される2つの第1セグメント導体組について、径方向Rの外側の第1セグメント導体組を構成する第2導体12の、第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64と、径方向Rの内側の第1セグメント導体組を構成する第1導体11の、第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64とが、スロット91内で接合されている。すなわち、周方向Cの同じ位置において径方向Rに交互に配置される第1導体11と第2導体12とを順次接合することで、1つの重ね巻部3が形成されている。
図1及び図8に示すように、1つのスロット91の内部には、1つの重ね巻部3の周方向第1側C1のスロット収容部60(第1スロット収容部61)と、別の1つの重ね巻部3の周方向第2側C2のスロット収容部60(第2スロット収容部62)とが、径方向Rに交互に配置される。すなわち、1つの重ね巻部3の第1スロット収容部61は、径方向Rに隣接する第1スロット収容部61の間に1層分の空間(隙間)が形成されるように一列に並んで配置され、当該隙間のそれぞれに、別の重ね巻部3の第2スロット収容部62が配置されている。本実施形態では、図4に示すように、第1導体11が備える一対のスロット収容部60は、第1スロット収容部61が第2スロット収容部62よりも軸方向Lに短く形成されており、これに応じて、第2導体12が備える一対のスロット収容部60は、第1スロット収容部61が第2スロット収容部62よりも軸方向Lに長く形成されている。これにより、図3に示すように、1つのスロット91内において径方向Rに隣接する接合箇所63(接合部64同士の接合箇所)を、軸方向Lに互いに位置をずらして配置することができ、接合箇所63の絶縁処理を簡略化することが可能となっている。
図1及び図8に示すように、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第1渡り部20aの周方向延在部50を有する第1セグメント導体10a(本実施形態では、第1導体11)と、第2セグメント導体10b(本実施形態では、第3導体13)とが接合されている。具体的には、第3導体13の第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64(図6参照)と、1つの重ね巻部3(当該第3導体13と周方向Cの同じ位置に配置される重ね巻部3)を構成する最も径方向外側R2に配置された第1導体11の、第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64(図4参照)とが接合されている。また、第3導体13の第2スロット収容部62の先端部に設けられた接合部64(図6参照)と、上記重ね巻部3に対して周方向第2側C2に配置される重ね巻部3を構成する最も径方向外側R2に配置された第1導体11の、第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64(図4参照)とが接合されている。これにより、1つの重ね巻部3と、当該重ね巻部3の周方向第2側C2のスロット収容部60(第2スロット収容部62)が配置されるスロット91に、周方向第1側C1のスロット収容部60(第1スロット収容部61)が配置される別の重ね巻部3とが、第2セグメント導体10b(第3導体13)によって電気的に接続される。本実施形態では、第1セグメント導体10a(第1導体11)と第2セグメント導体10b(第3導体13)とが、スロット91内で接合されている(図3参照)。
また、図1及び図8に示すように、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第1渡り部20aの周方向延在部50を有する第1セグメント導体10a(本実施形態では、第2導体12)と、第3セグメント導体10c(本実施形態では、第4導体14)とが接合されている。具体的には、第4導体14の第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64(図7参照)と、1つの重ね巻部3(当該第3導体13と周方向Cの同じ位置に配置される重ね巻部3)を構成する最も径方向内側R1に配置された第2導体12の、第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64(図5参照)とが接合されている。また、第4導体14の第2スロット収容部62の先端部に設けられた接合部64(図7参照)と、上記重ね巻部3に対して周方向第2側C2に配置される重ね巻部3を構成する最も径方向内側R1に配置された第2導体12の、第1スロット収容部61の先端部に設けられた接合部64(図5参照)とが接合されている。これにより、1つの重ね巻部3と、当該重ね巻部3の周方向第2側C2のスロット収容部60(第2スロット収容部62)が配置されるスロット91に、周方向第1側C1のスロット収容部60(第1スロット収容部61)が配置される別の重ね巻部3とが、第3セグメント導体10c(第4導体14)によって電気的に接続される。本実施形態では、第1セグメント導体10a(第2導体12)と第3セグメント導体10c(第4導体14)とが、スロット91内で接合されている(図3参照)。
上述したように、第2渡り部20bと第3渡り部20cとは、コア90に対して軸方向Lの互いに反対側に配置される。これにより、第1渡り部20aによって接続される一対のスロット収容部60が配置される一対のスロット91の組のそれぞれについて、互いに同一の層に配置されるスロット収容部60同士の接続が、第2渡り部20b及び第3渡り部20cの一方のみにより行われるようにコイル1をコア90に対して巻装することが可能となっている。すなわち、図8に示すように、第1コイル部2a又は第2コイル部2bにおいて周方向Cに並ぶ複数の重ね巻部3は、第2渡り部20b及び第3渡り部20cを交互に用いて順次電気的に接続される。これにより、1つのスロット91内において径方向Rに並んで配置されるスロット収容部60の本数が奇数(3以上の奇数であって、本実施形態では、7本)のコイル1を実現することが可能となっている。
なお、本実施形態では、渡り部20のそれぞれは、周方向Cにスロット91の配設ピッチの6倍分(6スロットピッチ分)離間して配置された一対のスロット収容部60を接続するように設けられている。但し、図8に示すように、第1コイル部2aと第2コイル部2bとを接続する渡り部20(第2渡り部20b)のみ、周方向Cにスロット91の配設ピッチの7倍分(7スロットピッチ分)離間して配置された一対のスロット収容部60を接続している。
図1に示すように、本実施形態では、コイル1は、上述した第1導体11、第2導体12、第3導体13、及び第4導体14に加えて、第8導体18及び第9導体19を備えている。第8導体18は、1本のスロット収容部60を有するセグメント導体10であり、第8導体18における第1導体11との接続部側とは反対側の端部が、コイル1(相コイル)の一端である第1端部1aを構成している。また、第9導体19は、1本のスロット収容部60を有するセグメント導体10であり、第9導体19における第1導体11との接続部側とは反対側の端部が、コイル1(相コイル)の他端である第2端部1bを構成している。複数の相コイルがスター結線により結線される場合には、第1端部1a及び第2端部1bの一方が、動力線が接続される動力線端子に接続され、第1端部1a及び第2端部1bの他方が中性点に接続される。また、複数の相コイルがデルタ結線により結線される場合には、第1端部1a及び第2端部1bの双方が、互いに異なる動力線端子に接続される。
〔第2の実施形態〕
コイルの第2の実施形態について、図9〜図11を参照して説明する。以下では、本実施形態のコイルについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。なお、上記の第1の実施形態やこの第2の実施形態で示す各セグメント導体10の構成は一例に過ぎず、コイル1を複数のセグメント導体10に分割する箇所は、適宜変更可能であり、各セグメント導体10の構成もそれに応じて変更される。
本実施形態では、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cを含むセグメント導体10のそれぞれは、2本のスロット収容部60(第1スロット収容部61及び第2スロット収容部62)と、コア90に対して軸方向Lの一方側である軸方向第1側L1に配置されて2本のスロット収容部60を接続する渡り部20と、2本のスロット収容部60のそれぞれから延びてコア90に対して軸方向第1側L1とは反対側である軸方向第2側L2に配置される延出部70と、を有している。第1スロット収容部61から延びる延出部70を第1延出部71とし、第2スロット収容部62から延びる延出部70を第2延出部72とすると、第1延出部71は、その先端部(第1スロット収容部61との接続部側とは反対側の端部)に他のセグメント導体10の延出部70と接合するための第1接合部71aを有し、第2延出部72は、その先端部(第2スロット収容部62との接続部側とは反対側の端部)に他のセグメント導体10の延出部70と接合するための第2接合部72aを有している。
具体的には、本実施形態のコイル1は、第1セグメント導体10aとして図9に示す第5導体15を用い、第2セグメント導体10bとして図10に示す第6導体16を用い、第3セグメント導体10cとして図11に示す第7導体17を用いて形成されている。図9及び図10に示すように、第5導体15及び第6導体16のそれぞれは、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第1渡り部20aと、当該第1渡り部20aによって接続される一対のスロット収容部60(第1スロット収容部61及び第2スロット収容部62)と、コア90に対して軸方向第2側に配置される一対の延出部70(第1延出部71及び第2延出部72)と、を有している。すなわち、第5導体15は、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第5接続部25(第1渡り部20a)を有し、第6導体16は、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第6接続部26(第1渡り部20a)を有している。そして、第1延出部71と第1スロット収容部61との接続部には、第1延出部71の延在方向を第1スロット収容部61の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(周方向屈曲部)が設けられ、第2延出部72と第2スロット収容部62との接続部には、第2延出部72の延在方向を第2スロット収容部62の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(周方向屈曲部)が設けられている。なお、第5導体15及び第6導体16は、第1延出部71及び第2延出部72の双方がスロット収容部60と平行に延びるように形成された状態(すなわち、上記2つの周方向屈曲部が形成される前の状態)で、スロット91に対してスロット収容部60を軸方向Lに挿入可能な形状を有している。
図9に示すように、第5導体15の第1延出部71は、周方向第2側C2に向かうに従ってコア90から徐々に離れるように、第1スロット収容部61の延在方向に対して周方向第2側C2に傾斜するように形成されている。一方、図10に示すように、第6導体16の第1延出部71は、周方向第1側C1に向かうに従ってコア90から徐々に離れるように、第1スロット収容部61の延在方向に対して周方向第1側C1に傾斜するように形成されている。また、図9及び図10に示すように、第5導体15の第2延出部72及び第6導体16の第2延出部72は、いずれも、周方向第1側C1に向かうに従ってコア90から徐々に離れるように、第2スロット収容部62の延在方向に対して周方向第1側C1に傾斜するように形成されている。
図11に示すように、第7導体17は、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第7接続部27(第3渡り部20c)と、当該第3渡り部20cによって接続される一対のスロット収容部60(第1スロット収容部61及び第2スロット収容部62)と、コア90に対して軸方向第2側に配置される一対の延出部70(第1延出部71及び第2延出部72)と、を有している。そして、第1延出部71と第1スロット収容部61との接続部には、第1延出部71の延在方向を第1スロット収容部61の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(周方向屈曲部)が設けられ、第2延出部72と第2スロット収容部62との接続部には、第2延出部72の延在方向を第2スロット収容部62の延在方向に対して周方向Cに傾斜した方向とするための屈曲部(周方向屈曲部)が設けられている。なお、第7導体17は、第1延出部71及び第2延出部72の双方がスロット収容部60と平行に延びるように形成された状態(すなわち、上記2つの周方向屈曲部が形成される前の状態)で、スロット91に対してスロット収容部60を軸方向Lに挿入可能な形状を有している。
図11に示すように、第7導体17の第1延出部71は、周方向第2側C2に向かうに従ってコア90から徐々に離れるように、第1スロット収容部61の延在方向に対して周方向第2側C2に傾斜するように形成されている。また、第7導体17の第2延出部72は、周方向第2側C2に向かうに従ってコア90から徐々に離れるように、第2スロット収容部62の延在方向に対して周方向第2側C2に傾斜するように形成されている。
本実施形態のコイル1は、このように構成された第5導体15、第6導体16、及び第7導体17を用いて形成されるため、コア90に対して軸方向第1側L1に配置される第1渡り部20a及び第3渡り部20cは、上記第1の実施形態と同様に、渡り部20の全体が1つのセグメント導体10に含まれる。すなわち、第1渡り部20aの全体は、第5導体15(第1セグメント導体10a)又は第6導体16(第2セグメント導体10b)に含まれ、第3渡り部20cの全体は、第7導体17(第3セグメント導体10c)に含まれる。このように、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、第1セグメント導体10aが第1渡り部20aの全体を有し、第3セグメント導体10cが第3渡り部20cの全体を有しているが、上記第1の実施形態とは異なり、第2セグメント導体10bは、以下に述べるように、第2渡り部20bにおける外側部分33を含む一部のみを有している。
本実施形態のコイル1では、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される渡り部20は、1つのセグメント導体10に渡り部20の全体が含まれず、互いに異なるセグメント導体10の延出部70同士を接合して形成される。具体的には、第5導体15の第1延出部71と、別の第5導体15の第2延出部72とを接合することで、これらの第1延出部71及び第2延出部72によって、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第1渡り部20aが形成される。すなわち、第5導体15の第1延出部71は、第1渡り部20aが備える第1部分31に相当し、第5導体15の第2延出部72は、第1渡り部20aが備える第2部分32に相当する(図9参照)。また、延出部70同士の接合部により、一方の延出部70(第1部分31)と他方の延出部70(第2部分32)とを径方向Rにオフセット(本実施形態では、1層分オフセット)して配置するための第1オフセット部41が形成される。更には、第5導体15の第1延出部71(図9参照)と、第6導体16の第2延出部72(図10参照)とを接合することで、これらの第1延出部71及び第2延出部72によって、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第1渡り部20aが形成される。すなわち、第6導体16の第2延出部72は、第1渡り部20aが備える第2部分32に相当する。
また、第5導体15の第2延出部72(図9参照)と、第7導体17の第1延出部71(図11参照)とを接合することで、これらの第2延出部72及び第1延出部71によって、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第1渡り部20aが形成される。すなわち、第7導体17の第1延出部71は、第1渡り部20aが備える第1部分31に相当する。更には、第5導体15の第2延出部72(図9参照)と、第7導体17の第2延出部72(図11参照)とを接合することで、これら2つの第2延出部72によって、コア90に対して軸方向第2側L2に配置される第1渡り部20aが形成される。すなわち、第7導体17の第2延出部72は、第7導体17の第1延出部71と同様に、第1渡り部20aが備える第1部分31に相当する。このように第5導体15の第2延出部72と第7導体17の第2延出部72とを接合して形成される第1渡り部20aに着目すると、第7導体17の第2スロット収容部62は、当該第1渡り部20aによって接続される一対のスロット収容部60のうちの周方向第1側C1に配置されるスロット収容部60であるという点で、第1スロット収容部61に相当する。
更には、第5導体15の第1延出部71(図9参照)と、第6導体16の第1延出部71(図10参照)とを接合することで、これら2つの第1延出部71によって、第2渡り部20bが形成される。すなわち、第6導体16の第1延出部71は、第2渡り部20bが備える外側部分33に相当する。この第2の実施形態では、上記第1の実施形態とは異なり、第2セグメント導体10b(第6導体16)は、第2渡り部20bの外側部分33及び第2部分32を備えているが、第2渡り部20bの第1部分31を備えていない。また、第5導体15の第1延出部71は、この場合、第2渡り部20bが備える第1部分31に相当する。このように形成される第2渡り部20bに着目すると、第6導体16の第1スロット収容部61は、当該第2渡り部20bによって接続される一対のスロット収容部60のうちの周方向第2側C2に配置されるスロット収容部60であるという点で、第2スロット収容部62に相当する。以上のように、この第2の実施形態では、第3渡り部20cの全体が第3セグメント導体10c(第7導体17)に含まれると共に、第2渡り部20bが、第1セグメント導体10a(第5導体15)の延出部70と第2セグメント導体10b(第6導体16)の延出部70とが接合して形成される。
〔第3の実施形態〕
コイルの第3の実施形態について、図12〜図15を参照して説明する。以下では、本実施形態のコイルについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態のコイル1は、上記第1の実施形態と同様に、第1セグメント導体10aとして、第1導体11と第2導体12とを用い、第2セグメント導体10bとして第3導体13を用い、第3セグメント導体10cとして第4導体14を用いて形成される。但し、図12〜図15を図4〜図7と比較すると明らかなように、第1導体11、第2導体12、第3導体13、及び第4導体14の構成が、本実施形態と第1の実施形態とでは互いに異なっている。
本実施形態では、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cを含む複数のセグメント導体10の中の、一部のセグメント導体10のみが、スロット収容部60を有している。具体的には、図12及び図15に示すように、第1セグメント導体10aとしての第1導体11と第3セグメント導体10cとしての第4導体14が、2本以下のスロット収容部60(ここでは、2本のスロット収容部60)を備え、図13及び図14に示すように、第1セグメント導体10aとしての第2導体12と第2セグメント導体10bとしての第3導体13は、スロット収容部60を備えていない。
そして、本実施形態では、スロット収容部60を備えるセグメント導体10(ここでは、第1導体11及び第4導体14)は、図12及び図15に示すように、スロット収容部60から延びてコア90に対して軸方向Lにおける渡り部20(当該セグメント導体10が備える渡り部20)とは反対側(ここでは、軸方向第2側L2)に配置される延出部を備えており、当該延出部(すなわち、スロット91の外側に配置される部分)に、他のセグメント導体10と接合するための接合部64が形成されている。ここでは、スロット収容部60を備えるセグメント導体10は、2本のスロット収容部60に対応して2本の延出部を備えており、当該2本の延出部のそれぞれに接合部64が形成されている。ここでは、これら2本の延出部は、軸方向Lの長さが互いに等しく形成されている。
一方、スロット収容部60を備えないセグメント導体10(ここでは、第2導体12及び第3導体13)は、渡り部20の全体又は一部を有し、本実施形態では、図13及び図14に示すように、渡り部20の一部(周方向延在部50の全体を含む部分)を有している。なお、渡り部20におけるセグメント導体10に含まれない部分は、当該セグメント導体10が接合される他のセグメント導体10の上記延出部により構成される。そして、スロット収容部60を備えないセグメント導体10における当該セグメント導体10の延在方向の両端部は、スロット91の外側(コア90に対して軸方向Lの外側)に配置されており、当該両端部のそれぞれに、他のセグメント導体10と接合するための接合部64が形成されている。
上記のように各セグメント導体10が形成されるため、本実施形態では、互いに異なる第1セグメント導体10a同士(具体的には、第1導体11と第2導体12)は、スロット91内ではなくスロット91外で、すなわち、コア90に対して軸方向Lの外側で、接合される。同様に、第1セグメント導体10a(第1導体11)と第2セグメント導体10b(第3導体13)とが、コア90に対して軸方向Lの外側で接合されると共に、第1セグメント導体10a(第2導体12)と第3セグメント導体10c(第4導体14)とが、コア90に対して軸方向Lの外側で接合される。本実施形態では、コア90に対して軸方向Lの同じ側(ここでは、軸方向第2側L2)で、互いに異なる第1セグメント導体10a同士(第1導体11と第2導体12)が接合され、第1セグメント導体10a(第1導体11)と第2セグメント導体10b(第3導体13)とが接合され、更に、第1セグメント導体10a(第2導体12)と第3セグメント導体10c(第4導体14)とが接合される。
〔その他の実施形態〕
次に、コイルのその他の実施形態について説明する。
(1)上記第2の実施形態では、第3渡り部20cの全体が第3セグメント導体10cに含まれると共に、第2渡り部20bが、第1セグメント導体10aの延出部70と第2セグメント導体10bの延出部70とが接合して形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2渡り部20bの全体が第2セグメント導体10bに含まれると共に、第3渡り部20cが、第1セグメント導体10aの延出部70と第3セグメント導体10cの延出部70とが接合して形成される構成とすることもできる。具体的には、上記第2の実施形態とは異なり、軸方向Lにおけるコア90に対して第2渡り部20bが配置される側を軸方向第1側L1とし、第2渡り部20bの全体が第2セグメント導体10bに含まれ、第3渡り部20cにおける内側部分34を含む一部のみが第3セグメント導体10cに含まれる構成とすることができる。
(2)上記第1及び第2の実施形態では、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cのそれぞれが、2本のスロット収容部60を有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1セグメント導体10a、第2セグメント導体10b、及び第3セグメント導体10cのうちの少なくともいずれかのセグメント導体10が、スロット収容部60を一本のみ有する構成(例えば、当該セグメント導体10が径方向R視でJ字状に形成される構成)とすることもできる。
(3)上記第1の実施形態では、互いに異なる第1セグメント導体10a同士がスロット91内で接合され、第1セグメント導体10aと第2セグメント導体10bとがスロット91内で接合され、更に、第1セグメント導体10aと第3セグメント導体10cとがスロット91内で接合される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、互いに異なる第1セグメント導体10a同士の接合箇所63、第1セグメント導体10aと第2セグメント導体10bとの接合箇所63、及び第1セグメント導体10aと第3セグメント導体10cとの接合箇所63のうちの少なくともいずれかの接合箇所63が、コア90に対して軸方向Lの外側に配置される構成とすることもできる。
(4)上記第1〜第3の実施形態では、コア90がインナロータ型の回転電機に用いられるステータコアであり、スロット91のそれぞれが、径方向内側R1に開口部を有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、コア90がアウタロータ型の回転電機に用いられるステータコアであり、スロット91のそれぞれが、径方向外側R2に開口部を有する構成とすることもできる。
(5)上記第1〜第3の実施形態では、スロット91が軸方向Lに平行に延びるように形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、1つのスロット91の全体又は一部が軸方向Lに対して傾斜した方向に延びる構成とすることもできる。
(6)上記第1〜第3の実施形態では、セグメント導体10を構成する線状導体として、延在方向に直交する断面の形状が矩形状の線状導体を用いる場合を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、延在方向に直交する断面の形状が矩形状以外の形状(例えば、円形状、楕円形状、三角形状、五角形以上の多角形状等)の線状導体を、セグメント導体10を構成する線状導体として用いることもできる。
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明したコイルの概要について説明する。
軸方向(L)に延びるスロット(91)が周方向(C)に複数形成されているコア(90)に巻装されるコイル(1)であって、前記スロット(91)内にそれぞれ配置される複数本のスロット収容部(60)と、互いに異なる前記スロット(91)内に配置される一対の前記スロット収容部(60)である第1スロット収容部(61)と第2スロット収容部(62)とを、前記コア(90)に対して前記軸方向(L)の外側でそれぞれ接続する複数本の渡り部(20)と、を備え、複数本の前記渡り部(20)には、互いに径方向(R)に隣接する層に配置される前記第1スロット収容部(61)と前記第2スロット収容部(62)とを接続する第1渡り部(20a)と、前記径方向(R)の最も外側(R2)の層にそれぞれ配置される前記第1スロット収容部(61)と前記第2スロット収容部(62)とを接続する第2渡り部(20b)と、前記コア(90)に対して第2渡り部(20b)が配置される側とは前記軸方向(L)の反対側に配置されて、前記径方向(R)の最も内側(R1)の層にそれぞれ配置される前記第1スロット収容部(61)と前記第2スロット収容部(62)とを接続する第3渡り部(20c)とが含まれ、前記第1渡り部(20a)は、前記第1スロット収容部(61)に対応する前記径方向(R)の位置に配置される部分(31)と、前記第2スロット収容部(62)に対応する前記径方向(R)の位置に配置される部分(32)と、を備え、前記第2渡り部(20b)は、前記第1スロット収容部(61)に対応する前記径方向(R)の位置に配置される部分(31)と、前記第1スロット収容部(61)に対応する前記径方向(R)の位置及び前記第2スロット収容部(62)に対応する前記径方向(R)の位置よりも前記径方向(R)の外側(R2)に配置される外側部分(33)と、前記第2スロット収容部(62)に対応する前記径方向(R)の位置に配置される部分(32)と、を備え、前記第3渡り部(20c)は、前記第1スロット収容部(61)に対応する前記径方向(R)の位置に配置される部分(31)と、前記第1スロット収容部(61)に対応する前記径方向(R)の位置及び前記第2スロット収容部(62)に対応する前記径方向(R)の位置よりも前記径方向(R)の内側(R1)に配置される内側部分(34)と、前記第2スロット収容部(62)に対応する前記径方向(R)の位置に配置される部分(32)と、を備え、前記第1渡り部(20a)の少なくとも一部を有する第1セグメント導体(10a)と、前記第2渡り部(20b)の少なくとも前記外側部分(33)を有する第2セグメント導体(10b)と、前記第3渡り部(20c)の少なくとも前記内側部分(34)を有する第3セグメント導体(10c)とを接合して構成されている。
上記の構成によれば、径方向(R)の最も外側(R2)の層(すなわち、最外層)にそれぞれ配置される一対のスロット収容部(60)を接続する第2渡り部(20b)と、径方向(R)の最も内側(R1)の層(すなわち、最内層)にそれぞれ配置される一対のスロット収容部(60)を接続する第3渡り部(20c)とが、コア(90)に対して軸方向(L)の互いに反対側に配置される。よって、1つのスロット(91)内において径方向(R)に並んで配置されるスロット収容部(60)の本数が奇数のコイル(1)を実現することができる。
なお、上記の構成によれば、第2渡り部(20b)が外側部分(33)を備えるため、複数本の第2渡り部(20b)を、互いの干渉を回避しつつそれぞれの周方向(C)の配置領域を一部重複させて配置することができる。また、第3渡り部(20c)が内側部分(34)を備えるため、複数本の第3渡り部(20c)を、互いの干渉を回避しつつそれぞれの周方向(C)の配置領域を一部重複させて配置することができる。よって、複数本の第2渡り部(20b)及び複数本の第3渡り部(20c)を備えるコイル(1)を適切に形成することができる。
その上で、上記の構成によれば、コイル(1)が、第1渡り部(20a)の少なくとも一部を有する第1セグメント導体(10a)と、第2渡り部(20b)の少なくとも外側部分(33)を有する第2セグメント導体(10b)と、第3渡り部(20c)の少なくとも内側部分(34)を有する第3セグメント導体(10c)とを接合して構成される。すなわち、1つのスロット(91)内において径方向(R)に並んで配置されるスロット収容部(60)の本数が奇数のコイル(1)を適切に形成するためには、コア(90)に対して軸方向(L)の互いに反対側に配置される外側部分(33)と内側部分(34)とが必要となるが、これらの外側部分(33)と内側部分(34)とが互いに異なるセグメント導体(10)に設けられた構成とすることができる。よって、セグメント導体(10)のそれぞれのコア(90)への配置の容易性を適切に確保しつつ、上記の本数が奇数のコイル(1)を実現することができる。
以上のように、上記の構成によれば、1つのスロット(91)内において径方向(R)に並んで配置されるスロット収容部(60)の本数が奇数のコイル(1)を、複数のセグメント導体(10)を用いて適切に形成することが可能となる。
ここで、前記第1セグメント導体(10a)、前記第2セグメント導体(10b)、及び前記第3セグメント導体(10c)のそれぞれが、2本以下の前記スロット収容部(60)を有していると好適である。
この構成によれば、第1セグメント導体(10a)、第2セグメント導体(10b)、及び第3セグメント導体(10c)のいずれもが、スロット(91)に対してスロット収容部(60)を軸方向(L)に挿入可能な形状を有する。よって、スロット収容部(60)のそれぞれのスロット(91)内への配置の容易性を適切に確保しつつ、1つのスロット(91)内において径方向(R)に並んで配置されるスロット収容部(60)の本数が奇数のコイル(1)を実現することができる。
また、前記第1セグメント導体(10a)は、前記第1渡り部(20a)における前記周方向(C)に延びる周方向延在部(50)の全体を有し、前記第2セグメント導体(10b)は、前記第2渡り部(20b)における前記周方向(C)に延びる周方向延在部(50)の全体を有し、前記第3セグメント導体(10c)は、前記第3渡り部(20c)における前記周方向(C)に延びる周方向延在部(50)の全体を有し、前記軸方向(L)における前記コア(90)に対して前記第3渡り部(20c)が配置される側を軸方向第1側(L1)とし、前記軸方向第1側(L1)とは反対側を軸方向第2側(L2)として、前記コア(90)に対して前記軸方向第1側(L1)に配置される前記第1渡り部(20a)の前記周方向延在部(50)を有する前記第1セグメント導体(10a)と、前記コア(90)に対して前記軸方向第2側(L2)に配置される前記第1渡り部(20a)の前記周方向延在部(50)を有する前記第1セグメント導体(10a)とが接合され、前記コア(90)に対して前記軸方向第1側(L1)に配置される前記第1渡り部(20a)の前記周方向延在部(50)を有する前記第1セグメント導体(10a)と、前記第2セグメント導体(10b)とが接合され、前記コア(90)に対して前記軸方向第2側(L2)に配置される前記第1渡り部(20a)の前記周方向延在部(50)を有する前記第1セグメント導体(10a)と、前記第3セグメント導体(10c)とが接合されていると好適である。
この構成によれば、第1セグメント導体(10a)、第2セグメント導体(10b)、及び第3セグメント導体(10c)の中のスロット収容部(60)を有するセグメント導体(10)のそれぞれに対して、スロット(91)内へのスロット収容部(60)の挿入後に折り曲げ等の加工を行うことなく、異なる第1セグメント導体(10a)同士を接合すること、第1セグメント導体(10a)と第2セグメント導体(10b)とを接合すること、及び、第1セグメント導体(10a)と第3セグメント導体(10c)とを接合することが可能となる。よって、複数のセグメント導体(10)をコア(90)に配置して互いに接合し、コイル(1)を形成する工程の簡素化を図ることができる。
また、少なくとも互いに異なる前記第1セグメント導体(10a)同士が、前記スロット(91)内で接合されていると好適である。
この構成によれば、互いに異なる第1セグメント導体(10a)同士の接合箇所(63)を、スロット(91)内に配置することができるため、互いに異なる第1セグメント導体(10a)同士がコア(90)に対して軸方向(L)の外側において接合される場合に比べて、コイル(1)の軸方向(L)の長さを短く抑えることが容易となる。
或いは、前記第1セグメント導体(10a)、前記第2セグメント導体(10b)、及び前記第3セグメント導体(10c)を含むセグメント導体(10)のそれぞれは、2本の前記スロット収容部(60)と、前記コア(90)に対して前記軸方向(L)の一方側である軸方向第1側(L1)に配置されて2本の前記スロット収容部(60)を接続する前記渡り部(20)と、2本の前記スロット収容部(60)のそれぞれから延びて前記コア(90)に対して前記軸方向第1側(L1)とは反対側である軸方向第2側(L2)に配置される延出部(70)と、を有し、前記コア(90)に対して前記軸方向第2側(L2)に配置される前記渡り部(20)が、互いに異なる前記セグメント導体(10)の前記延出部(70)同士を接合して形成されていると好適である。
この構成によれば、第1セグメント導体(10a)、第2セグメント導体(10b)、及び第3セグメント導体(10c)の間で、スロット収容部(60)をスロット(91)内へ配置する際のスロット(91)に対するスロット収容部(60)の軸方向(L)の挿入方向を共通化することができる。この結果、異なるセグメント導体(10)同士の接合部を、コア(90)に対して軸方向(L)の同じ側(軸方向第2側(L2))に集中させることが可能となり、複数のセグメント導体(10)をコア(90)に配置して互いに接合する工程の簡素化を図ることができる。
上記のように、前記コア(90)に対して前記軸方向第2側(L2)に配置される前記渡り部(20)が、互いに異なる前記セグメント導体(10)の前記延出部(70)同士を接合して形成される構成において、前記第2渡り部(20b)の全体が前記第2セグメント導体(10b)に含まれると共に、前記第3渡り部(20c)が、前記第1セグメント導体(10a)の前記延出部(70)と前記第3セグメント導体(10c)の前記延出部(70)とが接合して形成されており、又は、前記第3渡り部(20c)の全体が前記第3セグメント導体(10c)に含まれると共に、前記第2渡り部(20b)が、前記第1セグメント導体(10a)の前記延出部(70)と前記第2セグメント導体(10b)の前記延出部(70)とが接合して形成されていると好適である。
この構成によれば、第1セグメント導体(10a)、第2セグメント導体(10b)、及び第3セグメント導体(10c)の間で、スロット収容部(60)をスロット(91)内へ配置する際のスロット(91)に対するスロット収容部(60)の軸方向(L)の挿入方向を共通化しつつ、第2渡り部(20b)及び第3渡り部(20c)の双方を適切に形成することができる。
上記の各構成のコイル(1)において、1つの前記スロット(91)内において前記径方向(R)に並んで配置される前記スロット収容部(60)の本数が、3以上の奇数であると好適である。
コイル(1)が用いられる装置(回転電機等)の特性を所望のものとするために、1つのスロット(91)内において径方向(R)に並んで配置されるスロット収容部(60)の本数を3以上の奇数とすることが望ましい場合があるが、本開示の技術によれば、このような要求を満たすコイル(1)を、複数のセグメント導体(10)を用いて適切に形成することができる。
また、前記第1セグメント導体(10a)、前記第2セグメント導体(10b)、及び前記第3セグメント導体(10c)のそれぞれが、延在方向に直交する断面の形状が矩形状の線状導体であると好適である。
この構成によれば、スロット(91)内におけるコイル(1)の占積率を高めて、コイル(1)が用いられる装置(回転電機等)の性能向上を図ることができる。
本開示に係るコイルは、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
1:コイル
10:セグメント導体
10a:第1セグメント導体
10b:第2セグメント導体
10c:第3セグメント導体
20:渡り部
20a:第1渡り部
20b:第2渡り部
20c:第3渡り部
31:第1部分(第1スロット収容部に対応する径方向の位置に配置される部分)
32:第2部分(第2スロット収容部に対応する径方向の位置に配置される部分)
33:外側部分
34:内側部分
50:周方向延在部
60:スロット収容部
61:第1スロット収容部
62:第2スロット収容部
70:延出部
90:コア
91:スロット
C:周方向
L:軸方向
L1:軸方向第1側
L2:軸方向第2側
R:径方向
R1:径方向内側(径方向の内側)
R2:径方向外側(径方向の外側)

Claims (8)

  1. 軸方向に延びるスロットが周方向に複数形成されているコアに巻装されるコイルであって、
    前記スロット内にそれぞれ配置される複数本のスロット収容部と、互いに異なる前記スロット内に配置される一対の前記スロット収容部である第1スロット収容部と第2スロット収容部とを、前記コアに対して前記軸方向の外側でそれぞれ接続する複数本の渡り部と、を備え、
    複数本の前記渡り部には、互いに径方向に隣接する層に配置される前記第1スロット収容部と前記第2スロット収容部とを接続する第1渡り部と、前記径方向の最も外側の層にそれぞれ配置される前記第1スロット収容部と前記第2スロット収容部とを接続する第2渡り部と、前記コアに対して第2渡り部が配置される側とは前記軸方向の反対側に配置されて、前記径方向の最も内側の層にそれぞれ配置される前記第1スロット収容部と前記第2スロット収容部とを接続する第3渡り部とが含まれ、
    前記第1渡り部は、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、を備え、
    前記第2渡り部は、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置及び前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置よりも前記径方向の外側に配置される外側部分と、前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、を備え、
    前記第3渡り部は、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、前記第1スロット収容部に対応する前記径方向の位置及び前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置よりも前記径方向の内側に配置される内側部分と、前記第2スロット収容部に対応する前記径方向の位置に配置される部分と、を備え、
    前記第1渡り部の少なくとも一部を有する第1セグメント導体と、前記第2渡り部の少なくとも前記外側部分を有する第2セグメント導体と、前記第3渡り部の少なくとも前記内側部分を有する第3セグメント導体とを接合して構成されている、コイル。
  2. 前記第1セグメント導体、前記第2セグメント導体、及び前記第3セグメント導体のそれぞれが、2本以下の前記スロット収容部を有している、請求項1に記載のコイル。
  3. 前記第1セグメント導体は、前記第1渡り部における前記周方向に延びる周方向延在部の全体を有し、
    前記第2セグメント導体は、前記第2渡り部における前記周方向に延びる周方向延在部の全体を有し、
    前記第3セグメント導体は、前記第3渡り部における前記周方向に延びる周方向延在部の全体を有し、
    前記軸方向における前記コアに対して前記第3渡り部が配置される側を軸方向第1側とし、前記軸方向第1側とは反対側を軸方向第2側として、
    前記コアに対して前記軸方向第1側に配置される前記第1渡り部の前記周方向延在部を有する前記第1セグメント導体と、前記コアに対して前記軸方向第2側に配置される前記第1渡り部の前記周方向延在部を有する前記第1セグメント導体とが接合され、
    前記コアに対して前記軸方向第1側に配置される前記第1渡り部の前記周方向延在部を有する前記第1セグメント導体と、前記第2セグメント導体とが接合され、
    前記コアに対して前記軸方向第2側に配置される前記第1渡り部の前記周方向延在部を有する前記第1セグメント導体と、前記第3セグメント導体とが接合されている、請求項1又は2に記載のコイル。
  4. 少なくとも互いに異なる前記第1セグメント導体同士が、前記スロット内で接合されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル。
  5. 前記第1セグメント導体、前記第2セグメント導体、及び前記第3セグメント導体を含むセグメント導体のそれぞれは、2本の前記スロット収容部と、前記コアに対して前記軸方向の一方側である軸方向第1側に配置されて2本の前記スロット収容部を接続する前記渡り部と、2本の前記スロット収容部のそれぞれから延びて前記コアに対して前記軸方向第1側とは反対側である軸方向第2側に配置される延出部と、を有し、
    前記コアに対して前記軸方向第2側に配置される前記渡り部が、互いに異なる前記セグメント導体の前記延出部同士を接合して形成されている、請求項1又は2に記載のコイル。
  6. 前記第2渡り部の全体が前記第2セグメント導体に含まれると共に、前記第3渡り部が、前記第1セグメント導体の前記延出部と前記第3セグメント導体の前記延出部とが接合して形成されており、又は、
    前記第3渡り部の全体が前記第3セグメント導体に含まれると共に、前記第2渡り部が、前記第1セグメント導体の前記延出部と前記第2セグメント導体の前記延出部とが接合して形成されている、請求項5に記載のコイル。
  7. 1つの前記スロット内において前記径方向に並んで配置される前記スロット収容部の本数が、3以上の奇数である、請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル。
  8. 前記第1セグメント導体、前記第2セグメント導体、及び前記第3セグメント導体のそれぞれが、延在方向に直交する断面の形状が矩形状の線状導体である、請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル。
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