JP6834538B2 - 超音波デバイス、超音波探触子、及び超音波装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の超音波センサーは、開口部が形成された基板と、開口部を塞ぐように基板に設けられた振動板と、振動板の開口部とは反対側に積層された圧電素子とを備えている。この超音波センサーでは、1つの開口部に対向して複数の圧電素子が配置され、隣り合う圧電素子間で、かつ、振動板の基板とは反対側の面に、振動板の振動を抑制する柱状部が設けられている。このような超音波センサーでは、振動板のうち、開口部の縁と、柱状部の縁とにより囲われる領域が圧電素子によって振動される振動部となり、開口部に複数の振動部が設けられる構成となる。
これに対し、本態様によれば、隔壁と壁部とにより振動部が構成される構成であり、隔壁から突出する凸部が設けられたとしても、隣り合う振動部の間で開口部が連通する。すなわち、凸部と、当該凸部が位置する隔壁に向かい合う隔壁、若しくは、当該隔壁に位置する凸部と、の間に隙間が形成される。このため、開口部内に音響層を充填した際に上記剪断応力が発生した場合でも、当該応力を隙間から逃がすことができ、ダイラタンシーの発生を抑制できる。したがって、超音波デバイスにより送受信する超音波の周波数制御も容易となり、高精度な超音波の送受信が可能となる。
本態様では、凸部は、振動膜における隔壁と壁部とにより囲まれた領域毎、つまり、振動部と振動部との間毎に設けられている。このような構成によれば、隣り合う振動部間での振動漏れを効果的に抑制できる。
本態様では、凸部は開口部を挟み込む一対の隔壁のそれぞれに設けられているので、例えば、上記凸部が一対の隔壁の一方にのみ設けられている場合に比べて、振動漏れの影響をより抑制できる。つまり、開口部を挟み込む一対の隔壁の一方にのみ凸部が有る場合、他方の隔壁から振動漏れが発生するおそれがあるが、本態様では、このような不都合を抑制できる。
本態様では、隔壁の第二方向における一方側及び他方側の両側に凸部が少なくとも1つずつ設けられている。このような構成では、隔壁の前記一方側に設けられた凸部によって、隔壁の前記一方側への変位(倒れ込み)を抑制でき、他方側に設けられた凸部によって、隔壁の前記他方側への変位(倒れ込み)を抑制できる。したがって、隔壁の振動をより効果的に抑制でき、振動漏れの発生をより効果的に抑制できる。
本態様では、凸部の先端は、平面視において、振動子の端部よりも隔壁側に位置している。言い換えると、第一方向からの投影視において、凸部と振動子とが重ならない。
振動部において、振動子が位置する部分は、振動子の振動時に最も変位量が大きくなる位置である。よって、開口部に音響層を充填させた際、第二方向における凸部の突出寸法が、隔壁から振動子の端部までの距離よりも大きいと、凸部の一部(突出先端部)に当接する音響層に大きい剪断応力が発生する可能性が高まる。
これに対し、本態様では、上記構成により、開口部に音響層を充填させた場合でも、凸部に上記のような大きい剪断応力が作用せず、ダイラタンシーの影響を効果的に抑制できる。これにより、超音波の周波数制御がより容易になり、高精度な超音波の送受信を実行できる。
本態様では、筐体内に上述したような超音波デバイスが収納されており、当該超音波探触子を被検体に接触させることで、被検体に対する超音波測定を実施することができる。そして、上述したように、超音波デバイスは、振動漏れやダイラタンシーを抑制した高性能な超音波の送受信を実施することができるので、当該超音波デバイスを備えた超音波探触子では、高精度な超音波測定を実施することができる。
本態様では、制御部により、超音波デバイスによる超音波の送信を制御する送信処理や、超音波デバイスで超音波を受信させる受信処理を実施できる。また、制御部は、受信処理により得られた受信信号に基づいて、例えば、測定対象の内部断層像を形成するなどの各種処理を実施できる。そして、上述したように、超音波デバイスは、振動漏れやダイラタンシーを抑制した高性能な超音波の送受信を実施することができるので、当該超音波デバイスを備えた超音波装置では、上述したような各種処理を高精度に実施することができる。
[超音波装置の概略構成]
図1は、本実施形態の超音波装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態の超音波装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の超音波装置1は、図1に示すように、超音波プローブ2と、超音波プローブ2にケーブル3を介して電気的に接続された制御装置10と、を備えている。
この超音波装置1は、超音波プローブ2を対象物(例えば生体)の表面に当接させ、超音波プローブ2から生体内に超音波を送出する。また、対象物(生体)内の器官にて反射された超音波を超音波プローブ2にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。
図3は、超音波プローブ2の概略構成を示す断面図である。
超音波プローブ2は、本発明の超音波探触子に相当し、筐体21と、超音波センサー22と、を備える。
[筐体の構成]
筐体21は、図1に示すように、平面視矩形状の箱状に形成され、超音波センサー22を収容する。筐体21の厚み方向に直交する一面(センサー面21A)には、センサー窓21Bが設けられており、超音波センサー22の一部(後述する音響レンズ7)が露出している。また、筐体21の一部(図1に示す例では側面)には通過孔が設けられ、通過孔を介してケーブル3が筐体21の内部に挿入される。このケーブル3は、図示を省略するが、筐体21の内部にて超音波センサー22(後述する回路基板6)に接続されている。
なお、本実施形態では、ケーブル3を用いて、超音波プローブ2と制御装置10とが接続される構成例を示すが、これに限定されない。例えば、超音波プローブ2と制御装置10とが無線通信により接続されていてもよく、超音波プローブ2内に制御装置10の各種構成が設けられていてもよい。
超音波センサー22は、図3に示すように、超音波デバイス4と、回路基板6と、音響レンズ7と、を備える。後述するが、回路基板6には、超音波デバイス4を制御するためのドライバー回路等が設けられており、超音波デバイス4は、例えばフレキシブル基板等の配線部材5を介して回路基板6に電気的に接続される。この超音波デバイス4の超音波送受信側の面に、音響レンズ7が設けられており、当該音響レンズ7は、筐体21の一面側から外部に露出する。
次に、超音波基板41の構成について詳述する。
図4は、超音波基板41の概略構成を示す平面図である。
超音波デバイス4は、図4に示すように、超音波基板41を有する。
このような超音波基板41には、図4に示すように、互いに交差(本実施形態では、直交を例示)するX方向(スキャン方向)及びY方向(スライス方向)に沿って、複数の超音波トランスデューサー41A(超音波素子)が2次元アレイ状に配置されている。ここで、Y方向に配置された複数の超音波トランスデューサー41Aにより、1CH(チャネル)の送受信列41B(素子群)が構成される。また、当該1CHの送受信列がY方向に沿って複数並んで配置されることで、1次元アレイ構造の超音波基板41が構成される。
なお、図4及び後述する図5は、説明の便宜上、超音波トランスデューサー41Aの配置数を減らしているが、実際には、より多くの超音波トランスデューサー41Aが配置されている。
超音波基板41は、図5〜図8に示すように、素子基板411と、素子基板411の第一面411C上に設けられる支持膜412と、支持膜412上に設けられる圧電素子413とを備えて構成されている。
また、隣り合う開口部411A間には、当該開口部411Aを隔てる隔壁411Bが位置している。具体的には、開口部411Aは、図5に示すように、Y方向に沿って延びる長手状の第一隔壁面411B1(−X側)及び第二隔壁面411B2(+X側)と、第一隔壁面411B1及び第二隔壁面411B2の±Y端部間を連結する一対の第三隔壁面411B3により囲われて形成されている。隔壁411Bは、+X側に位置する開口部411Aを構成する第一隔壁面411B1から、−X側に位置する開口部411Aを構成する第二隔壁面411B2に亘って、素子基板411の基板厚みと同一の厚み寸法に形成される部分により構成される。
そして、隔壁411Bは、第二方向(X方向)に向けて延伸する凸部43を有する。
なお、凸部43の詳しい構成については、後に詳述する。
また、支持膜412の素子基板411と反対側の面には、封止板42を接合する壁部421が接合される。この壁部421は、X方向に長手となり、Y方向に等間隔で複数配置されている。そして、支持膜412のうち、隔壁411B及び壁部421により囲われた部分は、振動部412Aを構成する。すなわち、本実施形態では、1つの開口部411Aに対して、複数の振動部412AがY方向に並ぶ構成となる。そして、各振動部412Aには、それぞれ圧電素子413が設けられており、これらの振動部412Aと圧電素子413とにより、1つの超音波トランスデューサー41Aが構成される。
このような超音波トランスデューサー41Aでは、下部電極413A及び上部電極413Cの間に所定周波数の矩形波電圧(駆動信号)が印加されることで、圧電膜413Bが撓んで振動部412Aが振動して超音波が送出される。また、生体から反射された超音波により振動部412Aが振動されると、圧電膜413Bの上下で電位差が発生する。これにより、下部電極413A及び上部電極413Cの間に発生する電位差を検出することで、受信した超音波を検出することが可能となる。
封止板42は、素子基板411を補強する機能を有する。この封止板42は、図5〜図8に示すように、当該封止板42を素子基板411に接続するための複数の壁部421を有する。
これら各壁部421は、支持膜412の素子基板411とは反対側に設けられ、上記第一方向であるY方向に交差(直交)する第二方向(X方向)に向かって所定の間隔にて複数延設される。具体的には、壁部421は、開口部411Aの+Y側端部に設けられる壁部421、開口部411Aの−Y側端部に設けられる壁部421、及び、これらの+Y側端部の壁部421及び−Y側端部の壁部421の間で、超音波トランスデューサー45により送受信される超音波の周波数に応じた所定間隔で配置された複数の壁部421が設けられている。
これにより、上述のように、圧電素子413は、素子基板411の厚み方向から見た平面視(以降単に平面視と称す)において、支持膜412のうち、隣り合う一対の隔壁411Bと、隣り合う一対の壁部421とにより囲われる領域によって振動部412Aが構成されることになる。
図9は、素子基板411を厚み方向から見た平面図であり、図10は、超音波基板41の一部を拡大して示した平面図である。
図5、図9及び図10に示すように、隔壁411Bの第一隔壁面411B1は、+X側に向かって延伸する例えば略四角柱状の凸部43を有し、第二隔壁面411B2は、−X側に向かって延伸する例えば略四角柱状の凸部43を有する。これらの凸部43は、隔壁411Bと同様、支持膜412に接合されている。すなわち、凸部43は、隔壁411BのX方向における一方側(−X側)及び他方側(+X側)の双方に設けられている。換言すると、凸部43は、開口部411AをX方向に沿って挟み込む一対の隔壁411Bの対向する面(第一隔壁面411B1及び第二隔壁面411B2)から、それぞれ、互いに近接する方向に突出している。
ここで、第一隔壁面411B1は、Y方向と平行な第一基準面P1に沿って形成されており、第一隔壁面411B1に設けられる凸部43の先端は、第一基準面P1から寸法L1だけ+X側に突出して位置する。同様に、第二隔壁面411B2は、Y方向と平行な第二基準面P2に沿って形成されており、第二隔壁面411B2に設けられる凸部43の先端は、第二基準面P2から寸法L1だけ−X側に突出して位置する。
一方、圧電素子413の−X側端部は第一基準面P1から寸法L2の位置に、また、圧電素子413の+X側端部は第二基準面P2から寸法L2の位置にあり、当該寸法L2は、寸法L1よりも大きい。
換言すると、平面視において、1つの開口部411Aの互いに対向する第一隔壁面411B1、及び第二隔壁面411B2に設けられて、1つの壁部421と重なる一対の凸部43は、寸法L3の隙間をあけて対向しており、当該隙間は、圧電素子413のX方向における寸法L4よりも大きい。
また、本実施形態では、各凸部43のY方向の寸法は、壁部421のY方向の幅寸法と略同じに設定されている。このため、支持膜412のうち、平面視において壁部421と重なる部分の一部は、凸部43及び壁部421により挟持される構成となる。
これに対し、本実施形態では、上記のように対向する凸部43間に隙間が設けられているので、開口部411AがY方向に並ぶ複数の振動部412Aに亘って連通する。このため、各振動部412Aが振動した場合でも、音響層414に加わる応力を上記隙間から逃がすことができ、ダイラタンシーの発生を抑制できる。したがって、超音波デバイス4により送受信する超音波の周波数制御も容易となる。
これに対し、本実施形態では、隔壁411Bに凸部43が設けられていることで、圧電素子413により振動部412Aが振動された場合でも、当該振動による隔壁411Bの振動が抑制される。このため、隔壁411Bを伝って1つの振動部412Aから他の振動部412Aへの振動漏れを抑制できる。
音響レンズ7は、超音波デバイス4から送信された超音波を測定対象である生体に効率よく伝搬させ、また、生体内で反射した超音波を効率よく超音波デバイス4に伝搬させる。この音響レンズ7は、超音波デバイス4が超音波を送受信する面に沿って配置される。
ここで、上述のように、超音波デバイス4と音響レンズ7との間には、音響層414が設けられる。この音響層414は、音響層414を形成する液状の材料(例えば、液状のシリコーン等)を、開口部411Aに充填して形成する。
次に、回路基板6について説明する。
図2に戻って、回路基板6は、超音波トランスデューサー41Aを駆動させる各種回路として、例えば選択回路61、送信回路62(信号出力部)及び受信回路63を備えている。また、回路基板6は、超音波基板41の第一端子413A1に接続される第一入出力部66A1、第二端子413A2に接続される第二入出力部66A2を備える。
さらに、回路基板6は、図示は省略するが、共通端子413D1に接続される共通入出力部、共通入出力部に接続されて共通端子413D1に共通電圧を印加する共通電圧出力部等を備える。
この選択回路61は、制御装置10の制御に基づいて、超音波トランスデューサー41A(送受信列41B)と送信回路62とを接続する送信接続、及び超音波トランスデューサー41A(送受信列41B)と受信回路63とを接続する受信接続を切り替える。
送信回路62は、駆動信号を出力する信号出力部であり、制御装置10の制御により送信接続に切り替えられた際に駆動信号を出力する。この駆動信号は、選択回路61を介して各送受信列41Bに入力され、これにより、各超音波トランスデューサー41Aが駆動されて超音波が送出される。
制御装置10は、図2に示すように、例えば、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14と、を備えて構成されている。この制御装置10は、例えば、タブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピューター等の端末装置を用いてもよく、超音波プローブ2を操作するための専用端末装置であってもよい。
操作部11は、ユーザーが超音波装置1を操作するためのUI(user interface)であり、例えば表示部12上に設けられたタッチパネルや、操作ボタン、キーボード、マウス等により構成することができる。
表示部12は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、画像を表示させる。
記憶部13は、超音波装置1を制御するための各種プログラムや各種データを記憶する。
制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路や、メモリー等の記憶回路により構成されている。そして、制御部14は、記憶部13に記憶された各種プログラムを読み込み実行することで、送受信制御部141及び画像形成部142等として機能する。
画像形成部142は、超音波プローブ2から送信された受信信号(画像信号)に基づいて、生体の内部断層像(超音波画像)を生成する。また、画像形成部142は、生成した内部断層像を表示部12に表示させる。
以上説明した本実施形態に係る超音波装置1は、以下の効果を奏する。
ここで、各凸部43間に上記隙間が形成されていない場合、すなわち、1つの振動部412Aの四方が隔壁により囲われることで開口部が形成される場合、狭い体積の開口部(隔壁に囲われる領域)内に音響層414が充填される構成となる。この場合、開口部により囲われる振動部412Aが振動すると、上記音響層414の隔壁411Bに接触する一部に剪断応力が作用してダイラタンシーが発生する。よって、振動部412Aにおいて送受信可能な超音波の周波数が高ぶれする可能性があり、超音波の周波数制御が困難となる。
これに対し、本実施形態では、上記のように対向する凸部43間に隙間が設けられているので、開口部411AがY方向に並ぶ複数の振動部412Aに亘って連通する。このため、各振動部412Aが振動した場合でも、音響層414に加わる応力を上記隙間から逃がすことができ、ダイラタンシーの発生を抑制できる。したがって、超音波デバイス4により送受信する超音波の周波数制御も容易となる。
これに対し、本実施形態では、隔壁411Bに凸部43が設けられていることで、圧電素子413により振動部412Aが振動された場合でも、当該振動による隔壁411Bの振動が抑制される。このため、隔壁411Bを伝って1つの振動部412Aから他の振動部412Aへの振動漏れを抑制できる。
これに対し、本実施形態では、凸部43の先端は、平面視において、圧電素子413の端部よりも隔壁411B側に位置している。言い換えると、Y方向からの投影視において、凸部43と圧電素子413とが重ならないので、開口部411Aに音響層414を充填させていても、凸部43に上記のような大きい剪断応力が作用せず、ダイラタンシーの影響を効果的に抑制できる。これにより、超音波の周波数制御がより容易になり、高精度な超音波の送受信を実行できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び以下の変形例を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、凸部43のY方向における寸法は、壁部421のY方向における寸法と略同一であることとしたが、これに限らず、例えば、凸部43のY方向における寸法は、壁部421のY方向における寸法より小さくてもよい。
図11は、上記実施形態の第一変形例に係る超音波装置における超音波基板の一部を拡大して示した平面図である。
例えば、図11に示す例では、凸部43Aは、上記凸部43と同様に四角柱状であり、Y方向における寸法が凸部43より小さく(略半分)形成されている。すなわち、凸部43AのY方向における寸法は、壁部421のY方向における寸法より小さくなっている。
このような凸部43Aは、隣り合う一対の隔壁411Bのそれぞれ対向する面(第一隔壁面411B1及び第二隔壁面411B2)に設けられ、図11に示すように、平面視で、壁部421と重なっている。また、各凸部43Aは、壁部421のY方向における範囲内において略中央に位置する。
図12は、上記実施形態の第一変形例に係る超音波装置における超音波基板の一部を拡大して示した平面図である。
図12に示すように、凸部43Aは、壁部421と重なる位置で、かつ、Y方向に対して、振動部412A側に近接して設けられていてもよい。また、図12に示す例では、各凸部43Aの−Y方向側の端部と壁部421の−Y方向側の端部とが一致しているが、各凸部43Aの+Y側端部と壁部421の+Y側端部とが一致するように構成されてもよい。
さらに、図13に示すように、Y方向に沿って、+Y側端部が壁部421の+Y側端部に一致する凸部43Aと、−Y側端部が壁部421の−Y側端部に一致する凸部43Aと、が交互に配置されていてもよい。この際、図13に示すように、1つの壁部421と重なり、かつ、開口部411Aを挟んで互いに対向する第一隔壁面411B1及び第二隔壁面411B2のそれぞれに設けられる凸部43Aに関して、Y方向の位置を異ならせてもよい。例えば、第一隔壁面411B1の凸部43Aの+Y側端部が壁部421の+Y側端部と一致する場合、第二隔壁面411B2の凸部43Aの−Y側端部が壁部421の−Y側端部と一致するように、各凸部43Aを配置する。
加えて、図14に示すように、各凸部43Aは、壁部421と隔壁411Bとにより囲まれる領域(振動部412A)ごとに2つずつ設けられていてもよい。この際、図14に示すように、隔壁411Bの第一隔壁面411B1から突出する凸部43Aは、振動部412Aに対して+Y方向側に位置し、かつ、壁部421と重なる領域において−Y方向側に位置するようにしてもよい。また、隔壁411Bの第二隔壁面411B2から突出する凸部43Aは振動部412Aに対して−Y方向側に位置し、かつ、壁部421と重なる領域において+Y方向側に位置してもよい。すなわち、図14の例では、振動部412Aを囲む領域において、2つの凸部43Aを配置する。
このような構成においても、本変形例に係る超音波装置は、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記実施形態及び上記第一変形例では、凸部43,43Aは、四角柱状であることとしたが、これに限らない。例えば、上記各凸部43,43Bは、図15に示す形状であってもよい。
図15は、上記実施形態の第二変形例に係る超音波装置における超音波基板の一部を拡大して示した平面図である。
図15に示すように、各凸部43Bは、上記平面視で半円形状に形成されている。すなわち、凸部43Bは、半円柱状であってもよい。また、この凸部43BのX方向の寸法(各隔壁面411B1,411B2から突出端部までの距離)は、上記凸部43と同一である。
図16に示すように、各凸部43Cは、上記平面視で五角形状に形成されていてもよい。すなわち、凸部43Cは、それぞれが設けられた隔壁411Bから離れるにしたがって先端のY方向の寸法が小さくなる五角柱状に形成されていてもよい。
また、凸部43Bは、平面視で略半円形状であり、凸部43Cは、平面視で略五角形状であることとしたが、これに限らず、凸部43B,43Cの先端は、どのような形状であってもよい。
このような構成であっても、本変形例に係る超音波装置は、上記実施形態及び上記第一変形例の超音波装置と同様の効果を奏することができる。
なお、上記実施形態及び上記各変形例においては、各凸部43,43A,43B間の寸法L3は、圧電素子413のX方向の寸法L4よりも大きいこととしたが、これに限られない。
例えば、図16に示すように、各凸部43C間のX方向の寸法L6は、隔壁411Bの各隔壁面411B1,411B2(第一基準面P1及び第二基準面P2)から圧電素子413の端部までの寸法L2よりも大きくてもよい。このため、各凸部43C間のX方向における寸法L7は、上記圧電素子413のX方向における寸法L4よりも若干大きくなっている。
なお、本変形例においては、凸部43Cの先端が異なる凸部43Cに向かうにしたがって小さくなることとしたが、これに限らず、上記実施形態と同様の平面視で略矩形状であってもよいし、凸部43Cの先端部が凹状に凹む形状であってもよい。すなわち、上記凸部43Cの先端の形状は、どのような形状であってもよく、例えば、凸部43CのX方向の寸法が、上記ダイラタンシーの発生を抑制する程度の寸法であればよい。
このような構成においても、本変形例に係る上記凸部43C間の寸法が若干小さいながらも各凸部43C間に隙間が形成されているので、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記実施形態では、隔壁411Bと、壁部421により囲われる振動部412Aが、略矩形状となる例を示したが、これに限定されない。
図17は、上記実施形態の第四変形例に係る超音波装置の素子基板411を示す図である。
例えば、隔壁411Bのうち、隣り合う壁部421に挟まれる部分の形状が、複数平面により構成されていてもよく、曲面により構成されていてもよい。図17に示す例では、第一隔壁面411B4は、開口部411Aを介して対向する第二隔壁面411B5から離れる方向に凹状となる。図17に示す例では、凸部43の基端部から振動部412AのY方向における中心に向かうにしたがって、第二隔壁面411B5からの距離が長くなる斜辺を有する。この場合、平面視における振動部412Aの形状は、略六角形状となる。
第一隔壁面411B4の形状は、上記形状に限定されず、半円等の円弧等であってもよく、この場合、振動部412Aは、楕円形状となる。
また、図18に示すように、凸部43の先端から、第一基準面P1や第二基準面P2の上の所定点までを凹状に形成することで、第一隔壁面411B4及び第二隔壁面411B5を構成してもよい。この場合、例えば、凸部43の先端から前記所定点までが円弧状となる第一隔壁面411B6及び第二隔壁面411B7を形成する。すなわち、Y方向に隣り合う凸部43間に、例えば半円凹状となる第一隔壁面411B6及び第二隔壁面411B7を形成する。この場合、平面視における振動部412Aの形状は、略円形状となる。
なお、本変形例では、図17及び図18に示すように、振動部412Aの形状の一例を紹介したが、これらに限らず、振動部412Aの形状はどのような形状であってもよい。
このような構成においても、本変形例に係る超音波装置は、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
Claims (7)
- 第一面を有し、前記第一面において前記第一面の面方向に沿う第一方向に延設される複数の開口部と、隣り合う前記開口部を隔てる隔壁と、を有する基板と、
前記第一面に設けられ、前記開口部を閉塞する振動膜と、
前記振動膜の前記基板とは反対側に設けられ、前記第一方向に交差する第二方向に向かって延設される複数の壁部と、
前記振動膜に設けられ、前記基板の厚み方向から見た平面視において、前記隔壁と前記壁部とに囲われる位置に設けられる振動子と、
前記振動膜の前記基板側に設けられ、前記隔壁から前記第二方向に向かって延伸する凸部と、を有し、
前記凸部は、前記平面視において前記壁部と重なる
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項1に記載の超音波デバイスにおいて、
前記凸部は、前記振動膜における前記隔壁と前記壁部とにより囲まれた領域毎にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項2に記載の超音波デバイスにおいて、
前記凸部は、前記開口部を前記第二方向に沿って挟み込む一対の前記隔壁のそれぞれに設けられている
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項3に記載の超音波デバイスにおいて、
前記凸部は、前記隔壁の前記第二方向に対する一方側と、他方側とに少なくとも1つずつ設けられている
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の超音波デバイスにおいて、
前記平面視において、前記第二方向における前記凸部の先端は、前記第二方向における前記振動子の端部よりも前記隔壁側に位置する
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の超音波デバイスと、
前記超音波デバイスを収容する筐体と、を備えた
ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項6に記載の超音波探触子と、
前記超音波デバイスを制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする超音波装置。
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