JP6834340B2 - ロータユニット、およびロータユニットの製造方法 - Google Patents
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Description
1.磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニットにおいて、前記コアには、前記軸方向に直交する平面に交差する方向において当該コアを貫通して且つ、前記直交する平面において前記ロータユニットの回転中心に対する径方向内側から径方向外側に延びる挿入孔であって前記永久磁石が充填されている挿入孔が複数形成されており、前記永久磁石は、磁粉と樹脂との混合物を磁石材料とし、前記軸方向における前記コアの一方の端部側において、前記径方向内側における前記永久磁石の表面が前記コアの表面よりも前記軸方向の他方の端部側に位置し、前記永久磁石の表面と前記コアの表面との距離は、前記径方向内側よりも前記径方向外側の方が短い。
上記位置に凹部が形成されていることは、一方の端部側であって径方向内側において挿入孔に入るようにして圧力センサを設けて磁石材料が充填されたことを意味する。この場合、この圧力センサが圧力を感知することを条件に充填を停止するなら、磁石材料の充填量が多くなってコアの径方向に大きな圧力がかかり、コアが径方向に変形することが抑制される。
上記構成において、上記位置にゲート痕が形成されていることは、他方の端部側のうち径方向外側から磁石材料が充填されたことを意味する。そしてこの場合、径方向外側の充填量は径方向内側の充填量と比較すると多くなり、ばらつきが低減される。
図1に示すロータユニット10は、単一で、埋込磁石同期機(IPMSM)のロータを構成する。詳しくは、ロータユニット10には、その径方向Dr外側にステータが対向するようにして配置され、これにより、IPMSMを構成する。このIPMSMは、電動パワーステアリング装置(EPS)に内蔵されるものである。ロータユニット10は、円筒状をなしている。
図3に示されるように、コア20の第2端面20b側において、第1挿入孔22に充填されている永久磁石30の表面は、第2端面20bよりも図1に示した第1端面20a側に位置する。特に、永久磁石30の表面と第2端面20bとの距離は、径方向Drのうちの外側方向Droから内側方向Driに進むにつれて長くなっている。ここで、外側方向Droとは、径方向Drのうち図1に示した回転中心軸線Oから離れる方向であり、内側方向Driとは、径方向Drのうち回転中心軸線Oに近づく方向である。なお、図3に示す断面は、コア20の他の第1挿入孔22に充填される永久磁石30の表面のみならず、コア20の第2挿入孔24に充填される永久磁石30の表面の傾向をも示している。ただし、第1挿入孔22や第2挿入孔24に充填されている永久磁石30の表面のうち、内側方向Driの端部と第2端面20bとの距離は、第1挿入孔22や第2挿入孔24毎に、製造公差を有する。
図4に示されるように、永久磁石30の表面であって第1部分32と第2部分34との結合部CON付近には、凹部30cが形成されている。なお、本実施形態において、凹部30cは、コア20に埋め込まれた永久磁石30のうちの1つにのみ形成されている。
磁石材料30aの充填工程は、圧力センサ60によって検出される圧力が上昇することにより終了される。ここで圧力センサ60は、第1挿入孔22および第2挿入孔24に挿入されているものであるため、圧力センサ60によって検出される圧力が上昇する時点においては、未だ、第1挿入孔22および第2挿入孔24に磁石材料30aが完全には充填されていない。充填工程においては、磁石材料30aが高温とされるため、第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填される永久磁石30が第1挿入孔22および第2挿入孔24内の領域に占める容積の割合は、充填工程の終了後、磁石材料30aの温度が常温まで低下することによりさらに減少する。
(1)着磁工程の能力の制約によって、着磁装置52に近い径方向Dr外側と比較して着磁装置52から遠い径方向Dr内側の部分における永久磁石30の着磁率や配向率が低くなった。この場合、着磁率や配向率が相対的に高くなる径方向Dr外側への磁石材料30aの充填量が多い方が、径方向Dr内側への磁石材料30aの充填量が多くなる場合よりも、ロータユニット10の表面磁束密度を大きくすることができる。このため、径方向Dr内側の充填量を少なくする本実施形態によれば、第1挿入孔22および第2挿入孔24内に磁石材料30aを最大限充填しないながらも、ロータユニット10の磁束密度を極力大きくすることができる。
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。
「永久磁石について」
軸方向Daに直交する断面形状がU字状であることは必須ではない。たとえばV字形状であってもよい。またたとえば、第1部分32と第2部分34とを、結合部CONにおいて結合することなく分離させることで、軸方向Daに直交する断面形状がU字を2分割した形状であってもよい。またたとえば、軸方向Daに直交する断面形状が、径方向Drに延びる長方形形状であってもよい。
上記実施形態では、第1挿入孔22および第2挿入孔24を、軸方向Daに延びるように形成したが、これに限らない。たとえば、軸方向Daに直交する平面および軸方向Daの双方に交差する方向に延ばしてコア20を貫通させてもよい。
上記実施形態では、磁石材料30aを第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填する充填工程の期間と、磁石材料30aを着磁する着磁工程の期間とを重複させたが、これに限らない。たとえば、充填工程の完了後に、コア20に着磁装置52を対向配置して着磁工程に入ってもよい。またたとえば電磁石を備えて着磁装置52を構成し、充填工程の完了後に、電磁石を通電して着磁工程に入ってもよい。
圧力センサ60は1つに限らず、複数箇所に設けてもよい。この場合、たとえばそれら全ての圧力センサ60に磁石材料30aが到達することにより全ての圧力センサ60が検出する圧力が上昇することに基づき、充填工程を終了すればよい。
コアとしては、電磁鋼板によって形成されたものであることは必須ではない。たとえば、圧粉磁心によって形成されたものであってもよい。
IPMSMとしては、EPS内蔵のものに限らない。たとえば、可変ギア比ステアリングシステム内蔵のものや、電動ポンプシステム内蔵のもの、車両において4輪駆動と2輪駆動とを切り替える装置に内蔵のものなどであってもよい。
Claims (5)
- 磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニットにおいて、
前記コアには、前記軸方向に直交する平面に交差する方向において当該コアを貫通して且つ、前記直交する平面において前記ロータユニットの回転中心に対する径方向内側から径方向外側に延びる挿入孔であって前記永久磁石が充填されている挿入孔が複数形成されており、
前記永久磁石は、磁粉と樹脂との混合物を磁石材料とし、
前記軸方向における前記コアの一方の端部側において、前記径方向内側における前記永久磁石の表面が前記コアの表面よりも前記軸方向の他方の端部側に位置し、前記永久磁石の表面と前記コアの表面との距離は、前記径方向内側よりも前記径方向外側の方が短いロータユニット。 - 前記一方の端部側において、前記永久磁石には前記径方向内側に凹部が形成されている請求項1記載のロータユニット。
- 前記他方の端部側において、前記永久磁石には前記径方向外側にゲート痕が形成されている請求項1または2記載のロータユニット。
- 磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニットを製造する方法において、
前記コアには、前記軸方向に直交する平面に交差する方向において当該コアを貫通して且つ、前記直交する平面において前記ロータユニットの回転中心に対する径方向内側から径方向外側に延びる挿入孔が複数形成されており、
前記挿入孔に前記径方向外側から前記永久磁石の材料である磁粉と樹脂との混合物である磁石材料を射出成形により充填する充填工程を有し、
前記充填工程は、前記挿入孔全体に前記磁石材料が充填される前に終了するロータユニットの製造方法。 - 前記充填工程に先立ち、前記軸方向における前記コアの一方の端部側において前記挿入孔の前記径方向内側に圧力センサを配置する配置工程を有し、
前記充填工程は、前記軸方向における他方側から前記磁石材料を充填する工程であって、且つ、前記圧力センサが検出する圧力が上昇することを条件に、終了される請求項4記載のロータユニットの製造方法。
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