JP6832143B2 - フェノール樹脂発泡体及びフェノール樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]フェノール樹脂と、発泡剤と、消泡剤とを含むフェノール樹脂発泡体であって、前記発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンを含有し、密度が20kg/m3以上45kg/m3以下であり、平均気泡径が50μm以上200μm以下であり、独立気泡率が80%以上であり、ボイド面積率が1%以下である、フェノール樹脂発泡体。
[2]熱伝導率が0.0190W/m・K未満である、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体。
[3]前記消泡剤がシリコーン系消泡剤である、[1]または[2]に記載のフェノール樹脂発泡体。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤と、消泡剤と、を含むフェノール樹脂組成物を発泡させ、硬化させる、フェノール樹脂発泡体の製造方法。
本発明のフェノール樹脂発泡体の製造方法によれば、優れた断熱性を有し、かつ充分な圧縮強度を有するフェノール樹脂発泡体が得られる。
本発明のフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂と、発泡剤と、消泡剤とを含むフェノール樹脂組成物を、一対の面材間で発泡硬化させたフェノール樹脂発泡体である。なお、面材とは接着剤を使用せず、フェノール樹脂組成物自体の接着性で接合されている。
アルデヒドとしては、特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等が挙げられる。アルデヒドとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、フェノール樹脂のMwは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる。
塩素化HFOとしては、例えば、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)(E及びZ異性体)(例えば、HoneyWell社製、商品名:SOLSTICE LBA)、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yd)(E及びZ異性体)、1−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zb)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xe)(E及びZ異性体)、2−クロロ−2,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xc)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)(例えば、SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−7−09)、3−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233ye)(E及びZ異性体)、3−クロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yc)、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1223xd)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(E及びZ異性体)、及び2−クロロ−1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(E及びZ異体)等が挙げられる。塩素化HFOとしては、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
非塩素化HFOとしては、例えば、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)(E及びZ異性体)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO1336mzz)(E及びZ異性体)(例えば、SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−3−Z6)等の特表2009−513812号公報等に開示されているハイドロフルオロオレフィンが挙げられる。非塩素化HFOとしては、臭素化ハイドロフルオロオレフィン、ヨウ素化ハイドロフルオロオレフィン等を使用してもよい。なかでも、非塩素化HFOとしては、炭素原子、水素原子及びフッ素原子からなり、二重結合を有するハイドロフルオロオレフィンが好ましい。非塩素化HFOとしては、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ハロゲン化飽和炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができ、例えばフッ素化飽和炭化水素、塩素化飽和炭化水素等が挙げられる。ハロゲン化飽和炭化水素は、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されたものでもよく、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたものでもよい。ハロゲン化飽和炭化水素としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒抽出法:
予め発泡剤の標準ガスを用いて、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC/MS)での以下の測定条件における保持時間を求める。次に、上下の面材を剥がしたフェノール樹脂発泡体のサンプル1.6gを粉砕用ガラス容器に分取し、テトラヒドロフラン(THF)80mLを添加する。サンプルが溶媒に浸る程度に押しつぶした後、ホモジナイザーで1分30秒間粉砕抽出し、この抽出液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液をGC/MSに供する。塩素化HFO、非塩素化HFO等の種類は、事前に求めた保持時間とマススペクトルから同定を行う。発泡剤成分の検出感度を各々標準ガスによって測定し、上記GC/MSで得られた各ガス成分の検出エリア面積と検出感度より、組成(質量比)を算出する。
使用カラム:DB−5ms(アジレントテクノロジー社)60m、内径0.25mm、膜厚1μm、
カラム温度:40℃(10分)−10℃/分−200℃、
注入口温度:200℃、
インターフェイス温度:230℃、
キャリアガス:He 1.0mL/分、
スプリット比:20:1、
測定方法:走査法 m/Z=11〜550。
液体状の消泡剤としては、特に限定されず、例えば、鉱油系消泡剤、油脂系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、アルコール系消泡剤、エーテル系消泡剤、アミド系消泡剤、リン酸エステル系消泡剤、金属石鹸系消泡剤、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。なかでも、シリコーン系消泡剤が好ましい。消泡剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
消泡剤としては、液体状のものと固体状のものを組み合わせて使用してもよい。
HLB値が未知のポリエーテル変性ポリシロキサンXとHLB値が既知の乳化剤Aを異なった比率で混合し、HLB値が既知の油剤の乳化を行う。乳化層の厚みが最大となったときの混合比率から下記式を用いてポリエーテル変性ポリシロキサンXのHLB値を算出する。
より具体的には、例えば、フェノール樹脂発泡体試料1gを粉砕し、メタノール150mLにてソックスレー抽出を7時間程度行う。この抽出液をエバポレーターにて40℃で濃縮乾固し、さらに真空乾燥を常温、30℃で行って得た乾燥試料をメタノール5mLに溶解した溶液試料を前記方法により分析する。その分析条件の詳細については、例えば、特開2016−101750号公報の段落0074の記載を参照して行うことができる。
Siの濃度(μg/g)は、使用されるシリコーン系消泡剤の量や種類によるが、100μg/g以上3000μg/g以下が好ましい。Si濃度が100μg/g以上であれば、消泡作用が充分に得られやすく、優れた断熱性が得られやすい。Si濃度が3000μg/g以下であれば、消泡作用が強くなりすぎて、気泡核の形成が阻害されて微細な気泡ができなかったり、密度が上昇して熱伝導率が悪化することを抑制しやすい。
消泡剤はHLBの低い界面活性剤でもあり、系中に複数の界面活性剤がある場合の界面活性剤全体のHLBは各界面活性剤の加重平均となるため、界面活性剤としてはHLBの高いものを用いることが好ましい。そのため、界面活性剤のHLB値は、10以上20以下が好ましく、13以上19以下がより好ましく、15以上18以下が最も好ましい。界面活性剤のHLB値が前記範囲内であれば、雰囲気湿度が上昇したときの吸水が少ないフェノール樹脂発泡体が得られやすい。
酸触媒としては、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸、硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の成分としては、フェノール樹脂発泡体の添加剤として公知のものを使用でき、例えば、尿素、可塑剤、充填剤、難燃剤(例えばリン系難燃剤等)、架橋剤、有機溶媒、アミノ基含有有機化合物、着色剤等が挙げられる。
平均気泡径は、発泡剤の種類及び組成、界面活性剤の種類、消泡剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。
本発明のフェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、80%以上であり、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が前記範囲の下限値以上であれば、低い熱伝導率を長期にわたって保持できる。フェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、実質的に99%以下である。
フェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、JIS K 7138:2006に準拠して測定される。
フェノール樹脂発泡体が板状体である場合、例えば、厚み方向の中心部において、表裏面に平行な横断面(厚み方向と直交する平面)を切り出して、空隙部の面積を測定することができる。
フェノール樹脂発泡体の熱伝導率は、平均気泡径、発泡剤の種類及び組成、消泡剤の種類、界面活性剤の種類等により調整できる。平均気泡径が小さいほど、フェノール樹脂発泡体の熱伝導率が低い傾向がある。
圧縮強度は、JIS K 7220に準拠して測定される。
フェノール樹脂発泡体の圧縮強度は、ボイド面積率、発泡剤の種類及び組成、界面活性剤の種類、消泡剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。
また、発泡剤として、HFOを用いるため、環境に与える影響が小さい。
本発明のフェノール樹脂発泡体の製造方法は、フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤と、界面活性剤と、消泡剤と、を含む樹脂組成物を発泡させ、硬化させ方法である。
発泡成形は、連続式であってもよく、バッチ式であってもよいが、連続式が好ましい。
コンベア装置100は、一対の上側ベルトコンベア110及び下側ベルトコンベア112と、それら上側ベルトコンベア110及び下側ベルトコンベア112の内側にそれぞれ設けられた上側スラットコンベア114及び下側スラットコンベア116とを備えている。
これに対して、コンベア装置100では、上側ベルトコンベア110のコンベアベルト118及び下側ベルトコンベア112のコンベアベルト122の発泡圧による浮き上がりが上側スラットコンベア114及び下側スラットコンベア116により抑制される。このように、コンベアベルト118,122の蛇行が抑制されるため、硬化中に樹脂が流れにくく、破泡が抑制され、低密度のフェノール樹脂発泡体が得られる。
孔あきベルトとしては、開口率が15%以上80%以下に設定されたベルトを使用し、孔の形状は円径、四角形、六角形、長方形等とすることができる。開口率は残存水分の観点から30%以上が好ましい。開口率の上限はコンベアの耐久性の観点から70%以下が好ましく、65%以下がより好ましい。
このように、コンベアベルトの蛇行を抑えつつ通気性を確保することで、フェノール樹脂発泡体の密度を低下させつつボイドを低減させることができる。
フェノール樹脂発泡体を製造する際に面材を設ける方法としては、例えば、連続走行するコンベアベルト上に面材を配置し、該面材上に吐出ノズルからフェノール樹脂組成物を吐出し、その上に他の面材を積層した後、加熱炉を通過させて発泡成形する方法が挙げられる。これにより、板状のフェノール樹脂発泡体の両面に面材が積層した面材付きフェノール樹脂発泡体が得られる。
また、上記のような連続式の発泡成形やバッチ式の発泡成形の後に、接着剤を用いてフェノール樹脂発泡体に面材を貼り合わせてもよい。
また、消泡剤をフェノール樹脂に添加する場合、予め消泡剤を添加した後よく混練して消泡剤を均一に分散させたフェノール樹脂をマスターバッチとして用意しておき、このマスターバッチを発泡剤等と共にフェノール樹脂に添加することが好ましい。これによりHLBの低い、即ち疎水性の高い消泡剤を、親水性の高いフェノール樹脂中に均一に分散させやすくなる。
以上のように、消泡剤により、吐出ノズルからの吐出前にフェノール樹脂組成物中に予期せずに気泡核が発生することを抑制でき、気泡径が小さく制御され、気泡がボイドに成長することが抑えられる。
発泡剤が2種類以上の混合物である場合、発泡硬化後のフェノール樹脂発泡体の気泡中に含まれる発泡剤の組成(質量比)は、発泡硬化前のフェノール樹脂組成物に含まれる発泡剤の組成と略一致している。
[測定方法]
フェノール樹脂発泡板の物性の測定方法は以下の通りである。
(密度)
フェノール樹脂発泡板の密度は、JIS A 9511:2009に従って測定した。
フェノール樹脂発泡板の厚さ方向のほぼ中央から試験片を切り出し、該試験片の厚さ方向の切断面を50倍拡大で撮影した。撮影された画像に、ボイド(2mm2以上の空隙)を避けるように長さ9cmの直線を4本引いた。各々の直線が横切った気泡の数(JIS K6400−1:2004に準じて測定したセル数)を直線毎に計数し、直線1本当たりの平均値を求めた。気泡の数の平均値で1800μmを除し、求められた値を平均気泡径とした。
フェノール樹脂発泡板の独立気泡率は、JIS K7138−2006に従って測定した。
シリコーン系消泡剤の分析として、フェノール樹脂発泡板のSi濃度を測定した。
フェノール樹脂発泡板の厚み方向における中央部から約0.02〜0.05gの試料を切り出し、白金るつぼに採取し、試料の質量を精秤した。次に、試料を入れた白金るつぼに炭酸ナトリウムを0.5g±0.1gを加え、以下の灰化・融解手順にて融解した。融解物の冷却後、白金るつぼ内の融解物を純水に溶解して50mLメスフラスコに移し入れ、純水を用いて50mLに定容して試料溶液を作成した。得られた試料溶液を用いて後述の条件でICP測定を行い、検量線より、試料溶液中のSi含有量を算出した。そして、下式より、フェノール樹脂発泡板中のSiの濃度(μg/g)を算出した。検量線については後述する。
Q(μg/mL)=Q1(μg/mL)×50(mL)/W(g)
ただし、前記式中、Qは、フェノール樹脂発泡板中のSiの濃度(μg/g)であり、Q1は試料溶液のSiの濃度(μg/mL)であり、Wは精秤した試料の質量(g)である。
試料を入れた白金るつぼを350℃に設定したマッフル炉にて約15分間加熱し、乾燥した。次に、マッフル炉を650℃に昇温して約3時間加熱し、さらに800℃に昇温して約1時間加熱して試料を灰化した。次に、マッフル炉を910℃に昇温して約1時間加熱し、試料と炭酸ナトリウムを融解させた。
測定装置:SIIナノテクノロジーSPS5100、
測定元素:Si(波長:288.158nm)、
高周波出力:1.2kw、
キャリアガス流量:0.9L/分、
プラズマ流量:15L/分、
補助流量:1.5L/分。
純水のみのブランク(0ppm)と、標準試料として検量線用標準液(製品名:和光純薬工業(株)社製 けい素標準液)を希釈し、0.5ppm、2ppm、20ppm、50ppmに調整した希釈試料について、それぞれSiの波長ピーク強度を得た。ブランク及び希釈試料の濃度とピーク強度をプロットして最小二乗法により近似曲線(直線あるいは二次曲線)を求め、これを定量用の検量線とした。
JIS A 1412−2に準拠してフェノール樹脂発泡板の熱伝導率を測定した。測定は、同じ試料について2回実施し、それらを平均した。
フェノール樹脂発泡板の厚み方向におけるほぼ中央を表裏面に平行に切断し、その断面における100mm×150mmの範囲を200%に拡大した写真又はカラーコピーを得た。写真又はコピー図面においては、縦横それぞれの長さは実寸の2倍であり、面積は実面積の4倍である。該写真又はコピー図面に透明方眼紙を上から重ね、大径の気泡を選び、該気泡の断面積を方眼紙のマス目を使って計測し、1mm×1mmのマスが8マス以上にわたり連続して存在する孔をボイドと判断した。写真又はコピー図面内に観察されるボイドの面積を積算し、ボイドの積算面積から面積分率(ボイド面積率)を計算した。画像が200%に拡大されているため、8マスが実際の発泡体断面では2mm2の面積に相当する。測定は12回行い、それらの平均値をボイド面積率とした。
圧縮強度は、JIS K 7220に準拠して測定した。
塩素化HFOである1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)と、シクロペンタンとを質量比8:2で混合して発泡剤(A)を調製した。
液状レゾール型フェノール樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:PF−339)100質量部に、液体シリコーン系消泡剤(東レダウコーニング社製「ES−5600」、HLB=2)0.5質量部、界面活性剤としてひまし油EO付加物(伊藤製油社製「SURFRIC CO−40」、EO付加モル数:40、HLB=13)4質量部、及びホルムアルデヒドキャッチャー剤として尿素4質量部を加えて混合し、20℃で8時間放置した。得られた混合物108質量部に対し、発泡剤(A)18質量部を加え、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸とキシレンスルホン酸との混合物16質量部を加え、撹拌、混合してフェノール樹脂組成物を調製した。
第一の面材(材質:ガラス繊維混抄紙)を一方向に連続的に走行させ、TD方向に等間隔に16本配置したノズルから、該第一の面材上に前記フェノール樹脂組成物を吐出させ、その上に第二の面材(材質:ガラス繊維混抄紙)を重ね、70℃で300秒間加熱して発泡及び硬化させつつ成形した。発泡硬化工程の後、80℃で5時間乾燥し、フェノール樹脂発泡体を得た。
このとき、連続的に加熱発泡硬化するためのコンベア装置として、図1及び図2に例示したコンベア装置100を用いた。
得られたフェノール樹脂発泡体を幅910mm、長さ1820mmに切断し、厚さ45mmのフェノール樹脂発泡板を作製した。
消泡剤を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造し、フェノール樹脂発泡板を作製した。
発泡剤の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造し、フェノール樹脂発泡板を作製した。
消泡剤を用いない以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造し、フェノール樹脂発泡板を作製した。
消泡剤の配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造し、フェノール樹脂発泡板を作製した。
HCFO−1233zd:(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、
CP:シクロペンタン、
IPC:イソプロピルクロライド(2−クロロプロパン)、
LSA1:液体シリコーン系消泡剤(東レダウコーニング社製「ES−5600」、HLB=2)、
LSA2:液体シリコーン系消泡剤(東レダウコーニング社製「ES−5612」、HLB=4)、
LSA3:液体シリコーン系消泡剤(信越シリコーン社製「KF−6012」、HLB=7)、
LSA4:液体シリコーン系消泡剤(信越シリコーン社製「KF−6004」、HLB=9)、
ETA1:エーテル系消泡剤(三洋化成工業社製「ノニポール20」、HLB=6)、
ALA1:アルコール系消泡剤(高級アルコール工業社製「オレイルアルコールVP」、HLB=7)。
一方、消泡剤を含まないか、使用量が少なく、ボイド面積率が1%超の比較例1、2では、圧縮強度が不充分であった。消泡剤の使用量が多く、密度が45kg/m3超の比較例3では、断熱性が劣っていた。
Claims (3)
- フェノール樹脂と、(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む発泡剤と、HLBが2以上9以下のシリコーン系消泡剤と、HLBが10以上20以下の界面活性剤(但し、シリコーン系界面活性剤を除く)とを含むフェノール樹脂発泡体であって、
前記発泡剤の100質量%に対して(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを30質量%以上含有し、
密度が23kg/m 3 以上40kg/m 3 以下であり、
平均気泡径が50μm以上100μm以下であり、
独立気泡率が80%以上であり、
ボイド面積率が0.6%以下であり、
熱伝導率が0.0190W/m・K未満であり、
前記フェノール樹脂発泡体中のSiの濃度が100μg/g以上3000μg/g以下であり、
圧縮強度が14N/cm 2 以上である、フェノール樹脂発泡体。 - 前記消泡剤がシリコーン系消泡剤である、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体。
- 請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、
前記フェノール樹脂と、前記発泡剤と、前記消泡剤と、前記界面活性剤とを含むフェノール樹脂組成物を発泡させ、硬化させる、フェノール樹脂発泡体の製造方法。
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