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JP6831650B2 - 高屈折率ポリカーボネート系樹脂及び成形体 - Google Patents

高屈折率ポリカーボネート系樹脂及び成形体 Download PDF

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JP6831650B2 JP2016124595A JP2016124595A JP6831650B2 JP 6831650 B2 JP6831650 B2 JP 6831650B2 JP 2016124595 A JP2016124595 A JP 2016124595A JP 2016124595 A JP2016124595 A JP 2016124595A JP 6831650 B2 JP6831650 B2 JP 6831650B2
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Description

本発明は、9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を有する新規なポリカーボネート系樹脂及びこのポリカーボネート系樹脂で形成された成形体(例えば、光学フィルム、光学レンズなどの光学用成形体)に関する。
光学レンズ用樹脂の高屈折率化のニーズは高く、現在は屈折率1.66台の熱可塑性樹脂が市場に出回りつつある。しかし、近年の光学機器の高度な要求に対して、更なる高屈折率化(1.66以上)が求められている。なかでも、ポリカーボネートは、透明性などの光学特性と耐衝撃性などの機械的特性とのバランスに優れるため、光学レンズとして汎用されている。一方、高屈折率樹脂としては、フルオレン骨格(9,9−ビスアリールフルオレン骨格)やナフタレン骨格を導入した樹脂が知られており、ポリカーボネートにおいても、フルオレン骨格やナフタレン骨格を導入した高屈折率なポリカーボネートが提案されている。
WO2014/073496号パンフレット(特許文献1)には、ビナフチル骨格を有するジオール成分に由来する構成単位を含むポリカーボネートが開示されている。この文献の実施例では、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンと、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンと、ジフェニルカーボネートとを重合して得られるポリカーボネート;2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンと、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンと、ジフェニルカーボネートとを重合して得られるポリカーボネートとを重合して得られるポリカーボネートが記載されている。
しかし、このポリカーボネートでも、高屈折率化は十分でなく、例えば、実施例では、1.67を超える屈折率を有するポリカーボネートは製造されておらず、しかも1.66を超える屈折率を有するポリカーボネートは、ガラス転移温度と分子量とのバランスを取るのが難しく、耐熱性と成形性との両立が困難であった。
WO2015/170691号パンフレット(特許文献2)には、ビナフチル骨格を有するジオール成分に由来する構成単位と、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有するジオール成分に由来する構成単位とを含むポリカーボネートが開示されている。この文献の実施例では、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンと、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンと、ジフェニルカーボネートとを重合して得られるポリカーボネート;2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンと、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンと、ジフェニルカーボネートとを重合して得られるポリカーボネート;2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンと、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンと、ジフェニルカーボネートと、テレフタル酸ジメチルとを重合して得られるポリエステルカーボネートが記載されている。
しかし、このポリカーボネートでも、高屈折率化は十分でなく、例えば、実施例では、1.67を超える屈折率を有するポリカーボネートは製造されておらず、1.66を超える屈折率を有するポリカーボネートは、ガラス転移点が低く、耐熱性も十分でない。
すなわち、高屈折率と低複屈折と耐熱性はトレードオフの関係にある上に、さらに耐熱性も向上させるのは極めて困難であり、従来のポリカーボネートでは実現できなかった。
WO2014/073496号パンフレット(請求項1、実施例、表2−1、表3−1) WO2015/170691号パンフレット(請求項16、実施例、表1、4及び9)
従って、本発明の目的は、耐熱性に優れ、かつ高屈折率と低複屈折とを両立できるポリカーボネート系樹脂及びこのポリカーボネート系樹脂で形成された成形体(例えば、光学フィルム、光学レンズなどの光学用成形体)を提供することにある。
本発明の他の目的は、アッベ数が低く、高分子量であるポリカーボネート系樹脂及びこのポリカーボネート系樹脂で形成された成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、成形性及び機械的特性にも優れたポリカーボネート系樹脂及びこのポリカーボネート系樹脂で形成された成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を有する新規なポリカーボネート系樹脂が、耐熱性に優れ、かつ高屈折率と低複屈折という相反する特性を両立できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリカーボネート系樹脂は、下記式(1)で表される構成単位を含む。
Figure 0006831650
(式中、環Zはナフタレン環、Aはアルキレン基、R及びRは置換基、nは0以上の整数、mは0〜4の整数、kは0〜6の整数である)。
前記式(1)で表される構成単位が、下記式(1a)で表される構成単位であってもよい。
Figure 0006831650
(式中、Aはアルキレン基、R及びR2aは置換基、nは0以上の整数、mは0〜4の整数、k1は0〜3の整数である)。
前記式(1)又は(1a)において、AはC2−3アルキレン基であり、nが1であってもよい。前記式(1)で表される構成単位は、全構成単位中30モル%以上であってもよい。本発明のポリカーボネート系樹脂は、下記式(2)で表される構成単位及び/又は下記式(3)で表される構成単位をさらに含んでいてもよい。
Figure 0006831650
(式中、環Zはナフタレン環、A及びAはアルキレン基、R〜Rは置換基、nは0以上の整数、m及びpは0〜4の整数、kは0〜6の整数である)
Figure 0006831650
(式中、環Zはナフタレン環、A及びAはアルキレン基、R、R及びRは置換基、nは0以上の整数、m、q及びrは0〜4の整数、kは0〜6の整数である)。
前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)で表される構成単位及び/又は前記式(3)で表される構成単位とのモル比は、例えば、前者/後者=90/10〜5/95程度である。本発明のポリカーボネート系樹脂は、前記式(2)で表される構成単位を繰り返し単位とするポリエステルブロック単位を含むポリエステルカーボネートであってもよい。
前記ポリカーボネート系樹脂は、下記式(5)で表される構成単位をさらに含んでいてもよい。
Figure 0006831650
(式中、Xは直接結合又はアルキレン基、Aはアルキレン基、R及びRは置換基、sは0以上の整数、tは0〜2の整数、uは0〜4の整数である)。
前記式(1)で表される構成単位と、前記式(5)で表される構成単位とのモル比は、前者/後者=80/20〜10/90程度であってもよい。
本発明のポリカーボネート系樹脂は、20℃、波長589nmでの屈折率が1.668〜1.700であり、20℃でのアッベ数が17〜23であり、ガラス転移点よりも10℃高い温度で3倍に延伸したフィルムにおける20℃、波長600nmでの複屈折の絶対値が0.001×10−4〜75×10−4であってもよい。本発明のポリカーボネート系樹脂は、ガラス転移点(ガラス転移温度)が160℃以上であってもよい。
本発明には、前記ポリカーボネート系樹脂を含む成形体も含まれる。本発明の成形体は、光学フィルム、光学シート、光学レンズなどの光学用部材であってもよい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、用語「ポリカーボネート」は、主鎖の連結基(炭化水素基に対する連結基)がカーボネート結合(炭酸エステル結合)のみからなるポリカーボネートを意味し、用語「ポリカーボネート系樹脂」は、主鎖の連結基としてカーボネート結合を含む樹脂を意味する。すなわち、用語「ポリカーボネート系樹脂」は、前記ポリカーボネートだけでなく、主鎖の連結基としてカーボネート結合に加えてカーボネート結合以外の連結基(例えば、エステル結合など)を含むポリマー(例えば、ポリエステルカーボネートなど)も含む意味で用いる。
本発明では、ポリカーボネート系樹脂が9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を有するため、耐熱性に優れ、かつ高屈折率と低複屈折とを両立できる。また、アッベ数を低減でき、分子量も向上できる。さらに、特定のジカルボン酸単位を導入してポリエステルカーボネートを重合すると、高屈折率と低複屈折とを高度に両立でき、さらに成形性及び機械的特性も向上できる。
本発明のポリカーボネート系樹脂は、前記式(1)で表される構成単位などのカーボネート単位(又はカーボネート結合含有単位)のみで形成されたポリカーボネートであってもよく、カーボネート単位(又はポリカーボネート単位)と、カーボネート単位以外の単位(又はポリカーボネート単位以外のポリマー単位)とで形成された変性ポリカーボネートであってもよい。
[ポリカーボネート]
(式(1)で表される構成単位(第1の構成単位))
前記式(1)において、Zのナフタレン環は、フルオレン環の9−位に対して、ナフタレン環の1−位又は2−位のいずれで置換(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換)してもよく、2−位で置換するのが好ましい。
オキシアルキレン基を構成する基Aのアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2−ブタンジイル基、テトラメチレン基などのC2−6アルキレン基などが挙げられる。両側の基Aは、それぞれ同一のアルキレン基であってもよく、異なるアルキレン基であってもよい。また、nが2以上のポリオキシアルキレン基であるとき、ポリオキシアルキレン基を構成するアルキレン基は異なるアルキレン基であってもよく、通常、同一のアルキレン基であってもよい。基Aとしては、光学特性の点から、C2−4アルキレン基が好ましく、エチレン基やプロピレン基などのC2−3アルキレン基(特にエチレン基)が特に好ましい。
オキシアルキレン基AOの繰り返し数(付加モル数)であるn(各基AOの繰り返し数)は、0以上の整数であればよいが、光学特性及び重合性の点から、例えば0〜3、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1(特に1)である。
9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を連結するためのオキシアルキレン基AO含有基は、ナフタレン環とフルオレン環との結合位置以外の位置であれば、特に限定されないが、通常、フルオレン環と1位又は2位で結合するナフチル基の5〜8−位のいずれかの位置に置換している場合が多く、例えば、フルオレン環の9−位に対して、ナフタレン環の1−位又は2−位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5−位、2,6−位などの関係で置換している場合が多く、前記式(1a)で表される2,6−位の関係で置換しているのが好ましい。
置換基Rとしては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基など)などの炭化水素基;シアノ基;ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)などが挙げられる。
これらの置換基Rは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。置換基Rとしては、アルキル基[例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(特に、メチル基などのC1−3アルキル基)]、シアノ基、ハロゲン原子が好ましく、特にアルキル基(例えば、メチル基などのC1−2アルキル基など)が好ましい。
置換基Rの置換数mは、それぞれ0〜4の整数から選択でき、例えば0〜3、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1(特に0)であってもよい。なお、フルオレン骨格を形成する2つのベンゼン環において、それぞれの置換数mは、互いに同一又は異なっていてもよく、それぞれのRの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、mが2以上である場合、同一のベンゼン環に置換する2以上のRの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、Rの置換位置は特に制限されず、例えば、フルオレン環の2−位乃至7−位(2−位、3−位及び7−位など)であってもよい。
置換基R(又はR2a)としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのC1−6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5−8シクロアルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などのC6−10アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基などのC1−6アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など);アルキルチオ基(メチルチオ基などのC1−6アルキルチオ基など);アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);ニトロ基;シアノ基;ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基などのジC1−4アルキルアミノ基など);ジアルキルカルボニルアミノ基(ジアセチルアミノ基などのジC1−4アルキル−カルボニルアミノ基など)などが挙げられる。
これらの置換基Rは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。置換基Rとしては、C1−6アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C1−4アルコキシ基が好ましく、メチル基などのC1−4アルキル基が特に好ましい。
置換基Rの置換数k(又は置換数k1の2倍の数)は、それぞれ例えば0〜6の整数から選択でき、例えば0〜4、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1(特に0)であってもよい。なお、異なるZにおける置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。また、置換数kが2以上である場合、同一のZに置換する2以上のRの種類は、同一又は異なっていてもよい。また、Rの置換位置は特に制限されず、ナフタレン環Zと、エーテル結合(−O−)及びフルオレン環の9−位との結合位置以外の位置に置換していればよい。
(フルオレン骨格を有する他の構成単位(第2の構成単位))
ポリカーボネートは、フルオレン骨格を有する他の構成単位(カーボネート単位)をさらに含んでいてもよい。このような構成単位としては、フルオレン骨格を有する限り、特に限定されないが、光学特性や耐熱性などの点から、例えば、下記式(4)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006831650
(式中、環Zはナフタレン環以外の芳香族炭化水素環、Aはアルキレン基、R及びRは置換基、nは0以上の整数、mは0〜4の整数、kは0〜6の整数である)。
式(4)において、Zで表される芳香族炭化水素環(アレーン環)としては、例えば、ベンゼン環などの単環式芳香族炭化水素環(単環式アレーン環)、多環式芳香族炭化水素環(多環式アレーン環)などが挙げられ、多環式芳香族炭化水素環には、例えば、縮合多環式芳香族炭化水素環(縮合多環式アレーン環)、環集合芳香族炭化水素環(環集合アレーン環)などが含まれる。
縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合三環式アレーン環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合三乃至四環式アレーン環などが挙げられる。
環集合アレーン環としては、ビアレーン環(例えば、ビフェニル環、ナフチルフェニル環などのビC6−16アレーン環など)、テルアレーン環(例えば、テルフェニレン環などのテルC6−18アレーン環など)などが挙げられる。
これらのZのうち、ベンゼン環、ビフェニル環などのC6−12アレーン環が好ましく、特にベンゼン環、ビフェニル環が特に好ましい。また、2つのZは、互いに同一又は異なっていてもよい。
アルキレン基A及びオキシアルキレン基AOの繰り返し数n、置換基R及びその置換数m、置換基R及びその置換数kについては、好ましい態様も含め、前記式(1)と同一である。なお、Rの置換数及び置換位置は環Zの種類に応じて適宜選択できる。
式(4)で表される構成単位の割合は、カーボネート単位全体に対して70モル%以下であってもよく、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下(特に10モル%以下)である。式(4)で表される構成単位の割合が多すぎると、屈折率が低下する虞がある。屈折率を向上させる点からは、式(4)で表される構成単位は0モル%であってもよい。
一方、低複屈折が重要な用途では、式(4)で表される構成単位を含むのが好ましく、式(1)で表される構成単位と、式(4)で表される構成単位とのモル比は、例えば、前者/後者=100/0〜10/90、好ましくは90/10〜20/80(例えば80/20〜25/75)、さらに好ましくは70/30〜30/70(特に60/40〜40/60)程度である。
(式(5)で表されるビ又はビスナフチル骨格を有する構成単位(第3の構成単位))
前記式(5)において、Xで表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2−ブタンジイル基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキレン基などが挙げられる。Xとしては、光学特性(例えば、高屈折率、低アッベ数、低複屈折など)の点から、直接結合、C1−2アルキレン基(例えば、メチレン基)が好ましく、特に、直接結合が好ましい。
オキシアルキレン基を構成する基Aで表されるアルキレン基としては、例えば、前記式(1)で例示のアルキレン基Aと好ましい態様も含めて同一である。
オキシアルキレン基AOの繰り返し数sは、0以上の整数であればよく、例えば0〜3、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1であり、光学特性(高屈折率、低アッベ数、低複屈折など)及び耐熱性の点から、繰り返し数sが特に0であるのが好ましく、着色を抑制できる点からは、繰り返し数sが特に1であるのが好ましい。
ポリカーボネート系樹脂の主鎖を形成する基−O−(AO)−及び基−O−(AO)−CO−の置換位置は、ナフタレン環の2−位乃至4−位(又は2’−位乃至4’−位)のいずれの位置であってもよいが、複屈折を低減できる点から、2−位(又は2’−位が特に好ましい。
置換基R及びRとしては、それぞれ、例えば、前記式(1)で例示の置換基Rと好ましい態様も含めて同一である。
置換基Rの各置換数tは、それぞれ0〜2の整数から選択でき、例えば0又は1、好ましくは0であってもよい。置換基Rの各置換数uは、それぞれ0〜4の整数から選択でき、例えば0〜3、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1(特に0)であってもよい。
なお、ビ又はビスナフチル骨格を形成する2つの異なるナフタレン環において、各置換数t及び各置換数uは、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよく、それぞれの基R及びRの種類は、置換数t、uに応じて互いに同一又は異なっていてもよい。また、同一のナフタレン環に2以上の基R及び/又は2以上の基Rが置換する場合(tが2及び/又はuが2以上である場合)、2つの基Rの種類及び/又は2以上の基Rの種類は、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。
また、基Rの置換位置は、前記基−O−(AO)−及び基−O−(AO)−CO−の置換位置以外の位置である限り、特に制限されない。基Rの置換位置も特に制限されず、ナフタレン環の5−位乃至8−位(又は5’−位乃至8’−位)のうち、任意の位置に置換されていてもよい。
ポリカーボネート系樹脂は、式(5)で表される構成単位を含むことにより、高い耐熱性を維持(又は保持)しつつ、光学特性(例えば、高屈折率、低アッベ数、低複屈折など)をより一層バランスよく向上(又は改善)できる。式(1)で表される構成単位と、式(5)で表される構成単位とのモル比は、例えば、前者/後者=100/0〜5/95(例えば、90/10〜60/40)程度の範囲から選択でき、例えば、80/20〜10/90(例えば、70/30〜50/50)、好ましくは60/40〜15/85(例えば、55/45〜40/60)、さらに好ましくは50/50〜20/80(例えば、45/55〜30/70)程度であってもよく、通常、40/60〜22/78(例えば、40/60〜30/70)、好ましくは35/65〜25/75程度である。
(フルオレン骨格及び/又はビもしくはビスナフチル骨格を有さない構成単位(第4の構成単位))
ポリカーボネートは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、カーボネート単位として、第4の構成単位(フルオレン骨格及び/又はビもしくはビスナフチル骨格を有さない構成単位)を含んでいてもよい。このような構成単位としては、ポリカーボネートとして利用される慣用の構成単位(カーボネート単位)であってもよい。
慣用の構成単位としては、ビスフェノール類由来の構成単位、例えば、ビフェノール;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)などのビスフェノール類などに由来する構成単位などが挙げられる。これらの単位は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
第4の構成単位(フルオレン骨格及び/又はビもしくはビスナフチル骨格を有さない構成単位)の割合は、カーボネート単位全体に対して50モル%以下(例えば0.1〜50モル%)であってもよく、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下(特に5モル%以下)である。
ポリカーボネートは、前記式(1)で表される構成単位を全構成単位中10モル%以上(例えば10〜100モル%)含んでいればよく、例えば30モル%以上、好ましくは50モル%以上(特に90モル%以上)含んでいてもよく、前記式(1)で表される構成単位単独で形成されていてもよい。
[変性ポリカーボネート]
本発明のポリカーボネート系樹脂は、前記カーボネート単位に加えて、カーボネート結合以外の連結基を有する他の構成単位を含む変性ポリカーボネートであってもよい。カーボネート結合以外の連結基としては、例えば、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合などが挙げられる。これらの連結基のうち、ポリカーボネート系樹脂の生産性などの点から、エステル結合が好ましい。エステル結合を有する他の構成単位(エステル単位)としては、エステル結合を有する限り、特に限定されないが、諸特性のバランスに優れる点から、前記式(2)で表される構成単位及び/又は前記式(3)で表される構成単位が好ましい。本発明では、嵩高い9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を有するカーボネート単位に対して、さらにエステル単位としても、フルオレン骨格を有する特定の構成単位を組み合わせることにより、意外なことに、主骨格として嵩高いフルオレン骨格を高密度で含むにも拘わらず、成形性を向上でき、かつ光学特性(高屈折率及び低複屈折、特に低複屈折)と耐熱性とを高度に両立できる。
前記式(2)及び(3)において、環Z、アルキレン基A及びオキシアルキレン基AOの繰り返し数n、置換基R及びその置換数m、置換基R及びその置換数kについては、好ましい態様も含め、前記式(1)と同一である。
前記式(2)において、基Aのアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2−エチルエチレン基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−8アルキレン基などが挙げられる。基Aのアルキレン基は、置換基をさらに有していてもよい。置換基としては、例えば、アリール基(例えば、フェニル基など)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基など)などが例示できる。
基Aとしては、直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキレン基が特に好ましく、エチレン基、プロピレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基である場合が多い。置換基を有するアルキレン基は、例えば、1−フェニルエチレン基、1−フェニルプロパン−1,2−ジイル基などであってもよい。
置換基Rとしては、前記式(1)における置換基Rとして例示された置換基などが例示できる。置換基Rとしては、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基(特にアルキル基)である場合が多い。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−12アルキル基(例えば、C1−8アルキル基、特にメチル基などのC1−4アルキル基)などが例示できる。
なお、pが複数(2以上)である場合、フルオレン骨格中の同一ベンゼン環内の基Rは、それぞれのベンゼン環内において、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレン骨格を構成する2つのベンゼン環に置換する基Rは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレン骨格を構成する2つのベンゼン環に対する基Rの結合位置(置換位置)は、特に限定されず、例えば、フルオレン骨格の2−位、7−位、2−位及び7−位などが例示できる。好ましい置換数pは、例えば0〜1、特に0である。なお、フルオレン骨格を構成する2つのベンゼン環において、置換数pは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記式(3)において、基Aのアルキレン基としても、前記基Aとして例示されたアルキレン基など挙げられる。基Aとしては、直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキレン基が特に好ましく、メチレン基、エチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−3アルキレン基である場合が多い。
メチレン基の繰り返し数であるqは0〜4の整数から選択でき、例えば0〜2、好ましくは0又は1である。
置換基R及びその置換数rは、好ましい態様も含め、前記式(2)における置換基R及びpとそれぞれ同一である。
式(1)で表される構成単位と、式(2)で表される構成単位及び/又は式(3)で表される構成単位(両構成単位を組み合わせる場合は総量)とのモル比は、例えば、前者/後者=90/10〜5/95、好ましくは80/20〜10/90(例えば70/30〜20/80)、さらに好ましくは50/50〜25/75(特に40/60〜30/70)程度である。前者の構成単位の割合が少なすぎると、屈折率が低くなる虞があり、後者の構成単位の割合が少なすぎると、複屈折が高くなったり、成形性が低下する虞がある。
式(2)で表される構成単位及び/又は式(3)で表される構成単位を含む変性ポリカーボネートは、通常、式(2)で表される構成単位及び/又は式(3)で表される構成単位を繰り返し単位とするポリエステルブロック単位を含むポリエステルカーボネートであり、式(2)で表される構成単位を繰り返し単位とするポリエステルブロック単位を含むポリエステルカーボネートが好ましい。
式(2)で表される構成単位及び/又は式(3)で表される構成単位の割合は、変性ポリカーボネート中90モル%以下であってもよく、例えば10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%、さらに好ましくは50〜75モル%(特に60〜70モル%)程度である。これらの構成単位の割合が少なすぎると、複屈折が低くなる虞があり、多すぎると、屈折率が低下したり、成形性が低下する虞がある。
変性ポリカーボネートは、他の構成単位を含んでいてもよい。他の構成単位としては、ポリカーボネートの項で例示された他のカーボネート単位[フルオレン骨格を有する他の構成単位(第2の構成単位)、式(5)で表されるビ又はビスナフチル骨格を有する構成単位(第3の構成単位)、フルオレン骨格及び/又はビもしくはビスナフチル骨格を有さない構成単位(第4の構成単位)]、慣用のエステル単位(エステル結合を含有する構成単位)などが挙げられる。
慣用のエステル単位としては、エステル結合を有する限り特に限定されないが、例えば、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートなどのC2−4アルキレンテレフタレート単位や、エチレンナフタレート、プロピレンナフタレート、ブチレンナフタレートなどのC2−4アルキレンナフタレート単位などが挙げられる。
他の構成単位の割合は、構成単位全体に対して30モル%以下(例えば0.1〜30モル%)であってもよく、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下(特に5モル%以下)である。
[ポリカーボネート系樹脂の特性]
本発明のポリカーボネート系樹脂は、9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を有する樹脂であり、具体的には、前記式(1)で表される構成単位を全構成単位中10モル%以上(特に30モル%以上)含んでいればよく、例えば15〜90モル%、好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは25〜75モル%(特に30〜40モル%)含んでいてもよく、前記式(1)で表される構成単位単独で形成されていてもよい。そのため、種々の特性(例えば、光学的特性、機械的特性、熱的特性など)において優れ、特に、耐熱性に優れ、かつ高屈折率と低複屈折とを両立している。さらに、9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を有するカーボネート単位と、前記式(2)で表される構成単位及び/又は前記式(3)で表される構成単位を含むポリエステルブロック単位とを組み合わせることにより、高い屈折率、分子量、耐熱性及び低いアッベ数を維持した上、成形性を向上でき、複屈折を低減できる。
本発明のポリカーボネート系樹脂の20℃、波長589nmでの屈折率は、例えば1.660以上(例えば1.660〜1.750程度)の範囲から選択でき、例えば1.665以上(例えば1.665〜1.720程度)、好ましくは1.668以上(例えば1.670〜1.700程度)、さらに好ましくは1.670以上(例えば1.675〜1.695程度)、特に高屈折率が要求される用途では、例えば1.675以上(例えば1.680〜1.692程度)、好ましくは1.680以上(例えば1.680〜1.690程度)、さらに好ましくは1.685以上(例えば1.685〜1.691程度)であってもよい。
本発明のポリカーボネート系樹脂の20℃でのアッベ数は、例えば23.0以下(例えば17.0〜23.0程度)の範囲から選択でき、例えば21.0以下(例えば17.0〜21.0程度)、好ましくは20.0以下(例えば17.0〜20.0程度)、さらに好ましくは19.5以下(例えば17.0〜19.5程度)、特に19.0以下(例えば17.0〜19.0程度)であってもよく、18.5以下(例えば、17.0〜18.3程度)であってもよい。
本発明のポリカーボネート系樹脂の20℃、波長600nmでの複屈折(ガラス転移点よりも10℃高い温度で3倍に1軸延伸したフィルムにおける複屈折)の絶対値は、例えば75×10−4以下(例えば0.001×10−4〜75×10−4程度)の範囲から選択でき、例えば、60×10−4以下(例えば0.005×10−4〜60×10−4程度)、好ましくは50×10−4以下(例えば0.01×10−4〜50×10−4程度)、さらに好ましくは40×10−4以下(例えば0.1×10−4〜40×10−4程度)、特に30×10−4以下(例えば1×10−4〜30×10−4程度)であってもよく、25×10−4以下(例えば5×10−4〜25×10−4程度)であってもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、この複屈折は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明のポリカーボネート系樹脂のガラス転移点(Tg)は高く、例えばTg130〜250℃(例えば150〜250℃)程度の範囲から選択でき、例えば160℃以上(例えば160〜230℃程度)、好ましくは165℃以上(例えば165〜220℃程度)、さらに好ましくは170℃以上(例えば170〜210℃程度)、特に180℃以上(例えば180〜200℃程度)であってもよい。
本発明のポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば1.5×10〜50×10程度の範囲から選択でき、例えば2×10〜30×10、好ましくは2×10〜20×10、さらに好ましくは2.5×10〜10×10程度、特に3×10〜5×10程度であってもよい。
[ポリカーボネート系樹脂の製造方法]
本発明のポリカーボネート系樹脂は、慣用の方法、例えば、ホスゲン法(溶剤法)やエステル交換法(溶融法)などにより、少なくとも前記式(1)で表される構成単位を形成するためのジオールを、ホスゲン又は炭酸ジエステル(ジフェニルカーボネートなど)と反応(重合又は縮合)させることにより製造できる。なお、必要に応じて、ジオール成分は、さらに、前記式(4)及び/又は(5)で表される構成単位を形成するためのジオールを含んでいてもよい。これらの方法のうち、溶媒が不要であり、ポリエステルカーボネートも容易に製造できる点から、エステル交換法が好ましい。エステル交換法では、前記ジオールに加えて、前記式(2)及び/又は(3)で表される構成単位を形成するためのジカルボン酸を同時に添加して反応させ、重合途中で減圧することにより、前記式(2)及び/又は(3)で表される構成単位を繰り返し単位とするポリエステルブロック単位を含むポリエステルカーボネートを容易に製造できる。
エステル交換反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、エステル交換反応に利用される種々の触媒、例えば、金属触媒などが使用できる。金属触媒としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、遷移金属(マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、コバルト、チタンなど)、周期表第13族金属(アルミニウムなど)、周期表第14族金属(ゲルマニウムなど)、周期表第15族金属(アンチモンなど)などを含む金属化合物が用いられる。金属化合物としては、例えば、アルコキシド、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、金属酸化物などが例示できる。これらの触媒は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。触媒の使用量は、例えば、ジオール1モルに対して0.01×10−4〜100×10−4モル、好ましくは0.1×10−4〜40×10−4モル程度であってもよい。
また、反応は、必要に応じて、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤など)などの添加剤の存在下で行ってもよい。
反応は、通常、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うことができる。また、反応は、減圧下(例えば1×10〜1×10Pa程度)で行うこともできる。反応温度は、重合法に応じて選択でき、例えば、エステル交換法における反応温度は、例えば150〜320℃、好ましくは200〜310℃、さらに好ましくは250〜300℃程度であってもよい。特に、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを使用する場合、高温減圧下でフェノールを留去しながら重縮合するのが有効であり、前述のように、重合途中で減圧することによりポリエステルカーボネートも容易に製造できる。
前記式(1)で表される構成単位を形成するためのモノマーとしては、例えば、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(5−ヒドロキシ−1−ナフチル)フルオレンなどのビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン;9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシナフチル)フルオレンなどのジオールが挙げられる。
前記式(4)で表される構成単位を形成するためのモノマーとしては、例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル]フルオレン;9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシ−C6−10アリール−フェニル]フルオレンなどのジオールが挙げられる。
前記式(5)で表される構成単位を形成するためのモノマーとしては、例えば、2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン;2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン、2,2’−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−1,1’−ビナフタレン、2,2’−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−1,1’−ビナフタレンなどの2,2’−ビス[ヒドロキシ−(ポリ)C2−4アルコキシ)−1,1’−ビナフタレンなどのジオールが挙げられる。前記式(5)で表される構成単位を形成するためのモノマーは、光学活性体であってもよく、ラセミ体であってもよい。
前記式(2)及び(3)で表される構成単位を形成するための代表的なモノマーとしては、例えば、前記式(1)で表される構成単位を形成するためのジオールと、例えば、9,9−ビス(2−カルボキシエチル)フルオレン、9,9−ビス(2−カルボキシプロピル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC2−6アルキル)フルオレン;9−(1−カルボキシ−2−カルボキシエチル)フルオレン、9−(2−カルボキシ−3−カルボキシプロピル)フルオレンなどの9−(カルボキシ−カルボキシC2−6アルキル)フルオレンなどのジカルボン酸との組み合わせなど挙げられる。
前記ジカルボン酸は、エステル形成性誘導体であってもよい。エステル形成性誘導体としては、例えば、エステル[例えば、アルキルエステル[例えば、メチルエステル、エチルエステルなどの低級アルキルエステル(例えば、C1−4アルキルエステル、特にC1−2アルキルエステル)など]など]、酸ハライド(例えば、酸クロライドなど)、酸無水物などが例示できる。エステル形成性誘導体は、モノエステル(ハーフエステル)又はジエステルであってもよい。
[成形体]
本発明の成形体は、前記ポリカーボネート系樹脂を含み、優れた光学的特性(高屈折率、低複屈折など)、機械的特性、高耐熱性を有しているため、光学フィルム、光学レンズ、光学シートなどの光学用部材として利用できる。形体の形状は、特に限定されず、例えば、二次元的構造(例えば、フィルム状、シート状、板状など)、三次元的構造(例えば、凹又は凸レンズ状、管状、棒状、チューブ状、中空状など)などが挙げられる。
本発明の成形体は、各種添加剤[例えば、充填剤又は補強剤、着色剤(例えば、染顔料など)、導電剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、安定剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、離型剤、帯電防止剤、分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、表面改質剤、低応力化剤(例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリングプラスチック粉末など)、炭素材など]を含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
成形体は、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などを利用して製造することができる。
特に、本発明のポリカーボネート系樹脂は、種々の光学的特性に優れているため、フィルム(特に光学フィルム)を形成するのに有用である。そのため、本発明には、前記ポリカーボネート系樹脂で形成されたフィルム(光学フィルム)も含まれる。
このようなフィルムの厚み(平均厚み)は1〜1000μm程度の範囲から用途に応じて選択でき、例えば1〜200μm、好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜120μm程度であってもよい。
このようなフィルム(光学フィルム)は、前記ポリカーボネート系樹脂を、慣用の成膜方法、キャスティング法(溶剤キャスト法)、溶融押出法、カレンダー法などを用いて成膜(又は成形)することにより製造できる。
フィルムは、延伸フィルムであってもよい。本発明のフィルムは、延伸フィルムであっても、低複屈折を維持できる。なお、このような延伸フィルムは、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。
延伸倍率は、一軸延伸又は二軸延伸において各方向にそれぞれ1.1〜10倍(好ましくは1.2〜8倍、さらに好ましくは1.5〜6倍)程度であってもよく、通常1.1〜2.5倍(好ましくは1.2〜2.3倍、さらに好ましくは1.5〜2.2倍)程度であってもよい。なお、二軸延伸の場合、等延伸(例えば、縦横両方向に1.5〜5倍延伸)であっても、偏延伸(例えば、縦方向に1.1〜4倍、横方向に2〜6倍延伸)であってもよい。また、一軸延伸の場合、縦延伸(例えば、縦方向に2.5〜8倍延伸)であっても横延伸(例えば、横方向に1.2〜5倍延伸)であってもよい。
延伸フィルムの厚み(平均厚み)は、例えば1〜150μm、好ましくは3〜120μm、さらに好ましくは5〜100μm程度であってもよい。
なお、このような延伸フィルムは、成膜後のフィルム(又は未延伸フィルム)に、延伸処理を施すことにより得ることができる。延伸方法は、特に制限が無く、一軸延伸の場合、湿式延伸法又は乾式延伸法のいずれであってもよく、二軸延伸の場合、テンター法(フラット法ともいわれる)であってもチューブ法であってもよいが、延伸厚みの均一性に優れるテンター法が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、用いた原料の略号及び詳細を以下に示す。また、樹脂又はフィルムの特性の測定や評価は以下の方法によって行った。
[原料]
BNEF:9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(後述する合成例1によって合成)
BOPPEF:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
BPEF:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
FDPM:9,9−ビス(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン(フルオレン−9,9−プロピオン酸のジメチルエステル)、特開2005−89422号公報の実施例1のアクリル酸t−ブチルをアクリル酸メチル37.9g(0.44モル)に変更した以外は同様にして合成
DPC:ジフェニルカーボネート
BINOL:2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン、東京化成工業(株)製
BINOL−2EO:2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(後述する合成例2によって合成)。
[分子量]
試料をクロロホルムに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製「HLC−8120GPC」)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
[ガラス転移点(Tg)]
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製「DSC 6220」)を用いて、アルミパンに試料を入れ、30℃から200℃の範囲でガラス転移点(Tg)を測定した。
[屈折率(nD)]
試料を200〜240℃で熱プレスすることによって、厚みが200〜300μmのフィルムを成形した。このフィルムを縦20〜30mm×横10mmの短冊状に切り出し、試験片を得た。得られた試験体について、多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製「DR−M2/1500」)を用いて、測定温度20℃で、接触液にジヨードメタンを使用して、589nm(D線)の屈折率nDを測定した。
[アッベ数]
多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製「DR−M4(循環式恒温水槽60−C3)」)を用いて、測定温度20℃で、接触液にジヨードメタンを使用して、測定波長486nm(F線)、589nm(D線)、656nm(C線)の屈折率nF、nD、nCを其々、測定し、以下の式によって算出した。
アッベ数=(nD−1)/(nF−nC)。
[複屈折(又は3倍複屈折)]
試料を200〜240℃で熱プレスすることによって、厚みが200〜600μmのフィルムを成形した。このフィルムを10mm×50mmの短冊状に切り出し、Tg+10℃の温度条件下、25mm/分で延伸倍率が3倍となるように一軸延伸して試験片を得た。延伸した試験片を、位相差フィルム・光学材料検査装置(大塚電子(株)製「RETS−100」)を用いて、測定温度20℃、測定波長600nmの条件下、平行ニコル回転法(回転検光子法)にてリタデーションを測定し、その値を測定部位の厚みで除することで算出した。
[BNEFの合成(合成例1)]
1Lのセパラブルフラスコに、9−フルオレノン45g(0.25モル、大阪ガスケミカル(株)製)、エチレングリコールモノ(2−ナフチル)エーテル188g(1モル)、3−メルカプトプロピオン酸1gを投入した後に、60℃まで加温して完全に溶解させた。その後、硫酸54gを徐々に投入して、60℃を維持しつつ5時間攪拌したところ、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて9−フルオレノンの転化率が99%以上であることを確認できた。得られた反応液に48%苛性ソーダ水を投入して中和した後、キシレン400gを添加して蒸留水にて数回洗浄し、冷却することで結晶を析出させた。さらに、ろ過して乾燥したところ、87g(収率67%)の結晶として、目的とする9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)を得た。得られた結晶のHPLC純度を測定したところ、純度が98.3%であった。なお、得られたサンプルは、H−NMR及びマススペクトルにより、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)であることを確認した。
[BINOL−2EOの合成(合成例2)]
1Lのセパラブルフラスコに、BINOL 89g(0.31モル、東京化成工業(株)製)、炭酸カリウム86g(0.62モル)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)295gを投入し、100℃まで加温した後、DMF 112gに炭酸エチレン110gを溶解した溶液を徐々に投入して、100℃を維持しつつ2時間攪拌した。HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にてBINOLの転化率が99%以上であることを確認できた。得られた反応液に蒸留水800gと酢酸エチル900gを添加して、蒸留水にて数回洗浄し、減圧濃縮後、酢酸エチル/エタノール混合溶媒にて再結晶を行った。析出物をろ過して乾燥したところ、67g(収率58%)の結晶として、目的とする2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(BINOL−2EO)を得た。得られた結晶のHPLC純度を測定したところ、純度が94.8%であった。なお、得られたサンプルは、H−NMR及びマススペクトルにより、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(BINOL−2EO)であることを確認した。
[実施例1]
反応器に、BNEF 1モル、DPC 1.05モル、エステル交換触媒としてチタニウムテトライソプロポキシド2×10−4モルを仕込み、攪拌しながら徐々に加熱溶融し、250℃に昇温した後、10kPaまで段階的に減圧を行った。270℃、0.13kPa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらフェノールを除去した。所定の攪拌トルクに到達後、内容物を反応器から取り出し、ポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの100モル%がBNEF由来であった。
[実施例2]
反応器に、BNEF 0.8モル、FDPM 0.2モル、DPC 0.63モル、エステル交換触媒としてチタニウムテトライソプロポキシド2×10−4モルを仕込み、攪拌しながら徐々に加熱溶融し、250℃に昇温した後、10kPaまで段階的に減圧を行った。270℃、0.13kPa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらフェノールを除去した。所定の攪拌トルクに到達後、内容物を反応器から取り出し、ポリエステルカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリエステルカーボネートに導入されたモノマーの80モル%がBNEF由来であり、20モル%がFDPM由来であった。
[実施例3]
原料の仕込み量を、BNEF 0.6モル、FDPM 0.4モル、DPC 0.21モルに変更する以外は実施例2と同様にしてポリエステルカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリエステルカーボネートに導入されたモノマーの60モル%がBNEF由来であり、40モル%がFDPM由来であった。
[実施例4]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.5モル、BOPPEF 0.5モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの50モル%がBNEF由来であり、50モル%がBOPPEF由来であった。
[実施例5]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.5モル、BPEF 0.5モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの50モル%がBNEF由来であり、50モル%がBPEF由来であった。
[比較例1]
BNEF 1モルに代えて、BOPPEF 1モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの100モル%がBOPPEF由来であった。
[比較例2]
BNEF 1モルに代えて、BOPPEF 0.5モル、BPEF 0.5モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの50モル%がBOPPEF由来であり、50モル%がBPEF由来であった。
[比較例3]
BNEF 1モルに代えて、BPEF 1モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの100モル%がBPEF由来であった。
[実施例6]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.55モル、BINOL 0.45モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの55モル%がBNEF由来であり、45モル%がBINOL由来であった。
[実施例7]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.45モル、BINOL 0.55モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの45モル%がBNEF由来であり、55モル%がBINOL由来であった。
[実施例8]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.4モル、BINOL 0.6モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの40モル%がBNEF由来であり、60モル%がBINOL由来であった。
[実施例9]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.35モル、BINOL 0.65モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの35モル%がBNEF由来であり、65モル%がBINOL由来であった。
[実施例10]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.3モル、BINOL 0.7モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの30モル%がBNEF由来であり、70モル%がBINOL由来であった。
[実施例11]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.7モル、BINOL−2EO 0.3モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの70モル%がBNEF由来であり、30モル%がBINOL−2EO由来であった。
[実施例12]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.55モル、BINOL−2EO 0.45モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの55モル%がBNEF由来であり、45モル%がBINOL−2EO由来であった。
[実施例13]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.5モル、BINOL−2EO 0.5モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの50モル%がBNEF由来であり、50モル%がBINOL−2EO由来であった。
[実施例14]
BNEF 1モルに代えて、BNEF 0.3モル、BINOL−2EO 0.7モルを使用する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートのペレットを得た。得られたペレットをH−NMRで分析したところ、ポリカーボネートに導入されたモノマーの30モル%がBNEF由来であり、70モル%がBINOL−2EO由来であった。
実施例及び比較例で得られたポリカーボネート及びポリエステルカーボネートの重量平均分子量Mw、ガラス転移点Tg、屈折率、アッベ数、3倍複屈折を表1及び表2に示す。
Figure 0006831650
Figure 0006831650
表1及び表2から明らかなように、実施例では、高い耐熱性と、高い屈折率と、低いアッベ数と、低い複屈折とを充足できた。特に、実施例2及び3では、高度に充足できていた。これに対して、比較例では、屈折率が1.66未満であった。
本発明のポリカーボネート系樹脂は、高屈折率、低複屈折、高透明性などの優れた光学的特性を有しており、さらに耐熱性や機械的特性などの各種特性にも優れている。そのため、本発明のポリカーボネート系樹脂(又はその樹脂組成物)は、光学レンズ、光学フィルム、光学シート、ピックアップレンズ、プリズム、ホログラム、液晶用フィルム、有機EL用フィルムなどに好適に利用できる。また、本発明のポリカーボネート系樹脂(又はその樹脂組成物)は、塗料、帯電防止剤、インキ、接着剤、粘着剤、樹脂充填材、帯電トレイ、導電シート、保護膜(例えば、電子機器、液晶部材などの保護膜など)、電気・電子材料(例えば、キャリア輸送剤、発光体、有機感光体、感熱記録材料、ホログラム記録材料など)、電気・電子部品又は機器(例えば、光ディスク、インクジェットプリンタ、デジタルペーパ、有機半導体レーザ、色素増感型太陽電池、EMIシールドフィルム、フォトクロミック材料、有機EL素子、カラーフィルタなど)用樹脂、機械部品又は機器(例えば、自動車、航空・宇宙材料、センサ、摺動部材など)用の樹脂などに好適に利用できる。
特に、本発明のポリカーボネート系樹脂は、光学的特性に優れているため、光学用途の成形体(光学用成形体)を構成するのに有用である。このような前記ポリカーボネート系樹脂で構成された光学用成形体としては、例えば、光学フィルム、光学レンズ、光学シートなどが挙げられる。
光学フィルムとしては、偏光フィルム(及びそれを構成する偏光素子と偏光板保護フィルム)、位相差フィルム、配向膜(配向フィルム)、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)、プリズムシート、導光板、輝度向上フィルム、近赤外吸収フィルム、反射フィルム、反射防止(AR)フィルム、反射低減(LR)フィルム、アンチグレア(AG)フィルム、透明導電(ITO)フィルム、異方導電性フィルム(ACF)、電磁波遮蔽(EMI)フィルム、電極基板用フィルム、カラーフィルタ基板用フィルム、バリアフィルム、カラーフィルタ層、ブラックマトリクス層、光学フィルム同士の接着層もしくは離型層などが挙げられる。とりわけ、本発明のフィルムは、機器のディスプレイに用いる光学フィルムとして有用である。このような本発明の光学フィルムを備えたディスプレイ用部材(又はディスプレイ)としては、具体的には、パーソナル・コンピュータのモニタ、テレビジョン、情報端末(例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末など)、ゲーム機、カー・ナビゲーションシステム、タッチパネルなどFPD装置(例えば、LCD、PDPなど)などが挙げられる。
光学レンズとしては、例えば、カメラ用レンズなどの低アッベ数が要求されるレンズ[例えば、カメラ機能を有する小型機器(又はモバイル機器、例えば、携帯電話、デジタルカメラなど)に搭載されるレンズなど]などが挙げられる。

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表される構成単位を含み、20℃、波長589nmでの屈折率が1.660〜1.700であり、ガラス転移点よりも10℃高い温度で3倍に延伸したフィルムにおける20℃、波長600nmでの複屈折の絶対値が75×10 −4 以下であるポリカーボネート系樹脂。
    Figure 0006831650
    (式中、環Zはナフタレン環、Aはアルキレン基、Rは、同一又は異なって、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、Rは、同一又は異なって、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基を示し、nは1〜3の整数、mは0〜4の整数、kは0〜6の整数である)
  2. 式(1)で表される構成単位が、下記式(1a)で表される構成単位である請求項1記載のポリカーボネート系樹脂。
    Figure 0006831650
    (式中、Aはアルキレン基、Rは、同一又は異なって、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、R2aは、同一又は異なって、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基を示し、nは1又は2の整数、mは0〜4の整数、k1は0〜3の整数である)
  3. 式(1)又は(1a)において、AがC2−3アルキレン基であり、nが1である請求項1又は2記載のポリカーボネート系樹脂。
  4. 式(1)で表される構成単位が、全構成単位中30モル%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂。
  5. 下記式(1-1)で表される構成単位と、
    下記式(2)で表される構成単位及び/又は下記式(3)で表される構成単位とを含み、20℃、波長589nmでの屈折率が1.660〜1.700であり、ガラス転移点よりも10℃高い温度で3倍に延伸したフィルムにおける20℃、波長600nmでの複屈折の絶対値が75×10 −4 以下であるポリカーボネート系樹脂。
    Figure 0006831650
    (式中、環Zはナフタレン環、Aはアルキレン基、Rは、同一又は異なって、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、Rは、同一又は異なって、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基を示し、nは0〜3の整数、mは0〜4の整数、kは0〜6の整数である)
    Figure 0006831650
    (式中、Aはアルキレン基、Rは、同一又は異なって、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、及びpは0〜4の整数を示し、環Z、A、n、R、m、R及びkは前記式(1-1)に同じ)
    Figure 0006831650
    (式中、Aはアルキレン基、Rは、同一又は異なって、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、q及びrは0〜4の整数を示し、環Z、A、n、R、m、R及びkは前記式(1-1)に同じ)
  6. 式(1-1)で表される構成単位と、式(2)で表される構成単位及び/又は式(3)で
    表される構成単位とのモル比が、前者/後者=90/10〜5/95である請求項5記載のポリカーボネート系樹脂。
  7. 式(2)で表される構成単位を繰り返し単位とするポリエステルブロック単位を含むポリエステルカーボネートである請求項5又は6記載のポリカーボネート系樹脂。
  8. 下記式(5)で表される構成単位をさらに含む請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂。
    Figure 0006831650
    (式中、Xは直接結合又はアルキレン基、Aはアルキレン基、R及びRはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基を示し、sは0以上の整数、tは0〜2の整数、uは0〜4の整数である)
  9. 請求項1記載の式(1)又は請求項5記載の式(1-1)で表される構成単位と、式(5
    )で表される構成単位とのモル比が、前者/後者=80/20〜10/90である請求項8記載のポリカーボネート系樹脂。
  10. 20℃、波長589nmでの屈折率が1.668〜1.700であり、20℃でのアッベ数が17〜23であり、ガラス転移点よりも10℃高い温度で3倍に延伸したフィルムにおける20℃、波長600nmでの複屈折の絶対値が0.001×10−4〜75×10−4である請求項1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂。
  11. ガラス転移点が160℃以上である請求項1〜10のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂を含む成形体。
  13. 光学用部材である請求項12記載の成形体。
  14. 光学フィルム、光学シート又は光学レンズである請求項12又は13記載の成形体。
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