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JP6825400B2 - テーパボールエンドミル - Google Patents

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JP6825400B2 JP2017022198A JP2017022198A JP6825400B2 JP 6825400 B2 JP6825400 B2 JP 6825400B2 JP 2017022198 A JP2017022198 A JP 2017022198A JP 2017022198 A JP2017022198 A JP 2017022198A JP 6825400 B2 JP6825400 B2 JP 6825400B2
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Description

本発明は、例えば金型等のリブ溝加工に用いられるテーパボールエンドミルに関するものである。
このようなテーパボールエンドミルとして、例えば特許文献1には、先端ボール刃(底刃)と、この先端ボール刃に連続する外周刃と先端ボール刃とは連続しない外周刃からなるテーパボールエンドミルであって、外周刃の総刃数を4枚以上の偶数とし、エンドミル正面視で、略対称の位置にある1対の外周刃に連続して2枚の先端ボール刃を有し、先端ボール刃と連続しない外周刃は、該外周刃の先端部の位置と該エンドミルの先端部との間隔が、軸線方向で測定したときの長さで、ボール刃の半径に0.05〜0.5mm加えた長さとし、かつ先端ボール刃のアール45°部の心厚を該部位の刃径に対して20〜50%としたものが提案されている。
このようなテーパボールエンドミルによれば、先端ボール刃と連続しない外周刃の先端部の位置と該エンドミルの先端部との間隔が、軸線方向で測定したときの長さで、ボール刃の半径に0.05〜0.5mm加えた長さであって、すなわち先端ボール刃と連続しない外周刃の先端が先端ボール刃の後端よりもエンドミル本体の後端側に位置しており、この外周刃の先端が切削量の多い切刃部位から外れているので、切削加工時における外周刃先端部のチッピングや欠けの発生を抑制し、切削加工面の面粗さや工具寿命を向上することができる。
特許第4573340号公報
ところで、このようなテーパボールエンドミルによるリブ溝加工は、従来は特許文献1にも記載されているように往復加工が主流であったが、近年ではCAMデータによって設定されたピックフィードにより所定の軸線方向深さごとに工作物形状に接近する工具軌跡で加工を行う等高線加工が多く採用されつつある。そして、このようなリブ溝の等高線加工においては、先端ボール刃がエンドミル本体の軸線回りになす半球状の回転軌跡のうち後端外周部が切削に多用されることになる。
しかしながら、特許文献1に記載されたテーパボールエンドミルでは、上述のように4枚以上の偶数の外周刃のうち、2枚の先端ボール刃に連続する1対の外周刃以外の外周刃は先端ボール刃と連続してはおらず、上記半球状の回転軌跡の後端外周部も2枚の先端ボール刃によって形成されることになる。このため、特に等高線加工による仕上げ加工において、加工効率を高めることができず、また加工精度や加工面品位を確保することも困難となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、リブ溝等の等高線加工においても加工効率の向上を図るとともに高い加工精度や加工面品位を得ることが可能なテーパボールエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に後端側に向けて延びる複数条の切屑排出溝が形成されていて、これらの切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面の外周縁にそれぞれ切刃が形成されており、上記切刃のうち一部の切刃は、上記エンドミル本体の先端において上記軸線回りの回転軌跡が該軸線上に中心を有する半球状をなす底刃と、この底刃の後端から延びて上記軸線回りの回転軌跡が後端側に向かうに従い漸次拡径する上記軸線を中心とした円錐状をなす外周刃とを備え、上記切刃のうち残りの切刃は、上記軸線回りの回転軌跡が上記一部の切刃における上記底刃の回転軌跡の後端外周部から後端側に延びて上記外周刃の回転軌跡に重なり合う補助外周刃を備えており、上記補助外周刃の先端の上記軸線回りの回転軌跡と上記底刃との交点と、該底刃の回転軌跡がなす半球の上記中心とを結ぶ直線は、60°〜80°の範囲内の交差角で上記中心において上記軸線に交差している
このように構成されたテーパボールエンドミルでは、複数条の切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面の外周縁にそれぞれ形成される複数条の切刃のうち、一部の切刃は、エンドミル本体の軸線回りの回転軌跡が半球状をなす底刃(先端ボール刃)を備えるとともに、残りの切刃は、この底刃の回転軌跡がなす半球の後端外周部から後端側に延びる補助外周刃を備えており、従って底刃の回転軌跡の後端外周部は、これら一部の切刃の底刃と残りの切刃の補助外周刃との双方によって構成されることになる。すなわち、等高線加工において多用される底刃の後端外周部では多刃化を図ることができるので、加工効率の向上を図るとともに高い加工精度や加工面品位を得ることができる。
ここで、上記補助外周刃の先端の上記軸線回りの回転軌跡と上記底刃との交点と、該底刃の回転軌跡がなす半球の上記中心とを結ぶ直線は、上記エンドミル本体の後端側に向かうに従い内周側に向かって傾斜することになるが、こうして傾斜して上記中心において上記軸線に交差するときの上記直線の軸線に対する交差角は、60°〜80°の範囲内とされるのが望ましい。この交差角が上記範囲を超えて90°に近づくと、残りの切刃の補助外周刃の先端部における一部の切刃の底刃と重なり合う部分が短くなりすぎて、等高線加工の際に加工効率や加工精度、加工面品位を十分に向上させることができなくなるおそれがある一方、上記範囲を下回ると、特に切刃の数が多い場合にはエンドミル本体の最先端部において、切屑排出溝容量が小さくなって切屑詰まりを生じたり、強度の不足を招いたりするおそれがある。
なお、上記残りの切刃の補助外周刃よりも先端側においてエンドミル本体は、底刃によって形成された加工面と干渉しないように、軸線回りの回転軌跡が底刃の回転軌跡の内側に位置するように後退させられている。ここで、エンドミル本体の先端部外周に複数条ずつの上記一部の切刃と上記残りの切刃とが周方向に交互に形成されている場合には、この残りの切刃の補助外周刃よりも先端側は、残りの切刃のエンドミル回転方向に隣接する一部の切刃の底刃の逃げ面と、残りの切刃のエンドミル回転方向の反対側に隣接する一部の切刃の底刃のギャッシュ壁面とが交差して切り欠かれるように形成されるのが望ましい。一部の切刃における底刃の逃げ面がエンドミル本体先端部に残されることによって、この底刃のエンドミル本体最先端部における切刃強度を確保することができる。
以上説明したように、本発明によれば、リブ溝等の特に等高線加工において、加工効率の向上を図るとともに、高い加工精度や加工面品位を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態の先端部の拡大側面図である。 図1に示す実施形態を軸線方向先端側から見たときの回転中心周辺の拡大正面図である。
図1ないし図3は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態のテーパボールエンドミルにおいて、エンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料によって図1に示すように軸線Oを中心とした円柱軸状に形成され、その後端側(図1および図2における右側)の部分は円柱状のままのシャンク部2とされるとともに、先端側(図1および図2における左側)の部分は切刃部3とされている。このようなテーパボールエンドミルは、上記シャンク部2が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転させられつつ、例えば金型等の被削材に等高線加工を施してリブ溝を形成するのに用いられる。
切刃部3は、図1に示すように先端側に向かうに従い外径が漸次小さくなる外形略円錐状に形成され、その外周部にはエンドミル本体1の先端から後端側に向けてエンドミル回転方向Tとは反対側に捩れる複数条の切屑排出溝4が形成されている。本実施形態では、4条の切屑排出溝4が周方向に等間隔に形成されている。そして、これらの切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tを向く壁面の外周縁には、この壁面をすくい面とする切刃5がそれぞれ形成されており、従って本実施形態のエンドミル本体1には4条の切刃5が形成されることになる。
これらの切刃5のうち、周方向に1つおきの2条の切刃5は本実施形態における一部の切刃5Aとされ、残りの周方向に1つおきの切刃5は本実施形態における残りの切刃5Bとされる。上記一部の切刃5Aは、エンドミル本体1の切刃部3先端において軸線O回りの回転軌跡が該軸線O上に中心Cを有する半球状をなす底刃5aと、この底刃5aの後端から延びて切刃部3の外形がなす上記円錐に合わせるように軸線O回りの回転軌跡が後端側に向かうに従い漸次拡径する軸線Oを中心とした円錐状をなす外周刃5bとを備えている。
外周刃5bの逃げ面は、外周刃5bからエンドミル回転方向Tとは反対側へ微小な幅を持つ微小二番面(逃げ面)と、さらにこの微小二番面からエンドミル回転方向Tとは反対側へかけて微小二番面よりも大きな逃げ角を有する幅の大きな主二番面(逃げ面)とを設けることが望ましい。そのような微小二番面を設けることで、微小二番面で摩耗が抑制されて外周刃5bの摩耗幅が増大するのを抑制することができる。
ここで、上記一部の切刃5Aがエンドミル回転方向Tを向く壁面の外周縁に形成された切屑排出溝4の先端部には、エンドミル本体1の先端側に向かうに従い内周側に向かう凹溝状のギャッシュ6が形成されている。上記底刃5aは、このギャッシュ6のエンドミル回転方向Tを向く壁面6aの外周縁、すなわち該壁面6aと底刃5aのエンドミル回転方向Tとは反対側に連なる逃げ面7との交差稜線部に、回転軌跡が上述のような半球状をなすように形成されている。
なお、本実施形態では、軸線O方向先端側から見たときには図3に示すように、2条の一部の切刃5Aにおける底刃5aの上記ギャッシュ6は、互いに交差することなく軸線Oを僅かに越えて行き違うように形成されている。これにより、切屑排出性をより高めることができる。また、底刃5aの上記逃げ面7は、エンドミル回転方向Tの反対側に向かうに従い逃げ角が順次大きくなる第1逃げ面(2番面)7a、第2逃げ面(3番面)7b、および第3逃げ面(4番面)7cにより形成されている。
これに対して、上記残りの切刃5Bは、軸線O回りの回転軌跡が上記一部の切刃5Aにおける底刃5aの回転軌跡の後端外周部から後端側に延びて、同じく上記一部の切刃5Aの外周刃5bの回転軌跡に重なり合う補助外周刃5cを備えている。すなわち、この残りの切刃5Bの補助外周刃5cは、その軸線O回りの回転軌跡が一部の切刃5Aにおける底刃5aの後端に至る手前の外周部から後端側に延びて、該底刃5aの先端部以外の部分と重なり合うように同一形状、寸法に形成されている。また、この補助外周刃5cよりも先端側の、回転軌跡が重ならない一部の切刃5Aの底刃5aの先端部に対応する部分においてエンドミル本体1の先端部は、この底刃5aの回転軌跡に対して内周側に後退するように切り欠かれて形成されている。
補助外周刃5cの逃げ面も、補助外周刃5cからエンドミル回転方向Tとは反対側へ微小な幅を持つ微小二番面(逃げ面)と、さらにこの微小二番面からエンドミル回転方向Tとは反対側へかけて微小二番面よりも大きな逃げ角を有する幅の大きな主二番面(逃げ面)とを設けることが望ましい。そのような微小二番面を設けることで、微小二番面で摩耗が抑制されて補助外周刃5cの摩耗幅が増大するのを抑制することができる。
ここで、上記補助外周刃5cの先端Pの軸線O回りの回転軌跡と底刃5aとの交点Qと、上記底刃5aの回転軌跡がなす半球の上記中心Cとを結ぶ直線Lは、図2に示すようにエンドミル本体1の後端側に向かうに従い内周側に向かって傾斜して軸線Oと中心Cにおいて交差することになる。そして、この直線Lが中心Cにおいて軸線Oに対してなす交差角θは、60°〜80°の範囲内とされるのが望ましく、本実施形態では70°とされている。
なお、残りの切刃5Bの補助外周刃5cの上記先端Pよりも先端側において上述のように切り欠かれたエンドミル本体1の先端部は、本実施形態ではこの残りの切刃5Bのエンドミル回転方向Tに隣接する一部の切刃5Aの底刃5aの上記逃げ面7と、該残りの切刃5Bのエンドミル回転方向Tの反対側に隣接する一部の切刃5Aの底刃5aのギャッシュ壁面(ギャッシュ6のエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面)6bとが交差することにより、その軸線O回りの回転軌跡が、一部の切刃5Aの底刃5aの回転軌跡がなす半球よりも内側に後退した凸曲線状をなすように形成されている。
このような構成のテーパボールエンドミルにおいては、一部の切刃5Aの底刃5aが軸線O回りになす半球状の回転軌跡の後端外周部は、この底刃5aと、該底刃5aがなす回転軌跡と重なり合う回転軌跡を先端部に有する残りの切刃5Bの補助外周刃5cとによって構成されることになる。このため、リブ溝等の等高線加工に用いた場合に多用される上記底刃5aの後端外周部を多刃化することができ、1刃当たりの送り量を大きくして加工効率の向上を図るとともに、こうして送り量を大きくしても高い加工精度や加工面品位を得ることができる。
その一方で、この残りの切刃5Bの補助外周刃5cよりも先端側のエンドミル本体1における最先端部には、この補助外周刃5cに連続して底刃5aと同様に回転軌跡が半球状をなすような切刃は形成されておらず、本実施形態では底刃5aの半球状の回転軌跡の内側に後退するように形成されている。このため、補助外周刃5cより先端側にも底刃を形成しようとした場合のように、エンドミル本体1最先端部におけるギャッシュ6の数が多くなって強度低下を招いたり、それぞれのギャッシュ6を小さくせざるを得なくなって切屑詰まりを生じたりすることはない。
また、本実施形態では、この補助外周刃5cの先端Pの軸線O回りの回転軌跡と底刃5aとの交点Qと、底刃5aの回転軌跡がなす半球の中心Cとを結ぶ直線Lがこの中心Cにおいて軸線Oに交差するときの軸線Oに対する交差角θが60°〜80°の範囲内とされており、これによってエンドミル本体1の最先端部の強度低下や切屑詰まりを確実に防ぎつつ、加工効率や加工精度、加工面品位の一層の向上を図ることができる。
すなわち、交差角θが上記範囲を超えると、補助外周刃5cの先端部と底刃5aとが重なり合う部分が短くなりすぎて、等高線加工の際に加工効率や加工精度、加工面品位を十分に向上させることができなくなるおそれが生じる。また、逆に交差角θが上記範囲を下回ると、エンドミル本体1のより最先端近くにまで補助外周刃5cが延びることになり、切屑排出溝4やギャッシュ6の容量が小さくなって切屑詰まりを生じたり、強度の不足を招いたりするおそれがある。
さらに、本実施形態では、エンドミル本体1の先端部(切刃部3)の外周に複数条ずつの一部の切刃5Aと残りの切刃5Bとが周方向に交互に形成されているのに対し、残りの切刃5Bの補助外周刃5cよりも先端側は、この残りの切刃5Bのエンドミル回転方向Tに隣接する一部の切刃5Aの底刃5aの逃げ面7(第3逃げ面7c)と、同じくこの残りの切刃5Bのエンドミル回転方向Tとは反対側に隣接する一部の切刃5Aの底刃5aのギャッシュ壁面(ギャッシュ6のエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面)6bとが交差して切り欠かれることにより、上述のように軸線O回りの回転軌跡が底刃5aのなす半球よりも内側に後退した凸曲線状に形成されている。
このため、補助外周刃5cよりも先端側において底刃5aのエンドミル回転方向Tとは反対側には、この底刃5aの逃げ面7がそのまま残されることになり、一部の切刃5Aと残りの切刃5Bとが2条ずつ形成された4枚刃のテーパボールエンドミルである本実施形態でも、残りの切刃5Bの補助外周刃5cより先端側では2枚刃のテーパボールエンドミルと同様の構成とすることができる。従って、この補助外周刃5cよりも先端側における底刃5aの切刃強度やエンドミル本体1自体の強度を確保して、欠損等の発生を防止することができる。
次に、本発明の実施例を挙げてその効果について実証する。本実施例においては、上記実施形態に基づいて交差角θを70°としたものと、交差角θを上記範囲内の上下限の80°、60°としたもの、さらに上記範囲を僅かに下回る交差角θが55°のものと、上記範囲を僅かに上回る85°とした5種のテーパボールエンドミルを作製した。これらを交差角θが小さいものから大きいものの順に実施例1〜5とする。
また、これら実施例1〜5に対する比較例として、交差角θを0°すなわち4条の切刃5のすべてが半球状の回転軌跡をなす底刃5aを有するものとしたものと、交差角θを90°すなわち残りの切刃5Bが一部の切刃5Aの底刃5aと回転軌跡が重なり合う部分を有することなく外周刃5bのみと重なり合っているもの、さらに交差角θが90°よりも大きい95°であって、すなわち特許文献1に記載されたテーパボールエンドミルと同様に底刃(先端ボール刃)と連続しない外周刃の先端が先端ボール刃の後端よりもエンドミル本体の後端側に位置しているものを作製した。これらについても、交差角θが小さいものから大きいものの順に比較例1〜3とする。
なお、これら実施例1〜5および比較例1〜3のテーパボールエンドミルは超硬合金製で、底刃5aの回転軌跡がなす半球の半径が0.5mm、外周刃5bのテーパ片角が0.5°、底刃5aの軸線O上における先端から外周刃5bの後端までの軸線O方向の刃長が10mm、外周刃5bの捩れ角は25°であった。
そして、これら実施例1〜5と比較例1〜3のテーパボールエンドミルにより、クロムモリブデン鋼(SCM420)よりなる被削材に等高線加工によってリブ溝を形成して、その際の溝壁面の表面粗さ(JIS B 0601:2001における算術平均粗さRa)とテーパボールエンドミルを回転させるのに要した最大の駆動力とを測定した。この結果を次表1に、交差角θが小さいものから大きいものの順に示す。なお、加工したリブ溝は溝深さが10mm、溝幅が1.1mm、リブ溝の勾配角が0.75°、溝長さが50mmであって、予め粗加工により溝全体に0.3mmの仕上げ代がついており、加工条件はエンドミル本体1の回転数が15000回転/min、送り速度が750mm/min、軸線O方向の1回当たりの切り込み深さは0.03mmで、水溶性切削油剤を用いた湿式の加工であった。
Figure 0006825400
この表1より、表面粗さについては、一部の切刃5Aの底刃5aと残りの切刃5Bの補助外周刃5cの回転軌跡が重なり合う部分が多い比較例1および実施例1〜4において略同等の良好な結果が得られていた。また、実施例5では、比較例1および実施例1〜4と比べると表面粗さは低い傾向にあるが、その差は僅かであった。
これに対して、残りの切刃5Bが一部の切刃5Aの底刃5aの回転軌跡と重なり合う部分を有することのない比較例2、3では、半球状の回転軌跡の後端外周部を形成するのが2条の一部の切刃5Aの底刃5aだけであったため、上述のような一定の送り速度では実施例1〜5および比較例1と比べて表面粗さの低下が著しかった。
次に、最大回転駆動力を比較すると、表面粗さの場合とは逆に、4条の切刃5のすべてが半球状の回転軌跡をなす底刃5aを有している比較例1において、上記の加工条件を満たしつつ等高線加工を行うには、他の比較例2、3や実施例1〜5と比べて極端に大きな駆動力を要する結果となった。また、加工終了後の比較例1のテーパボールエンドミルを観察すると、特にエンドミル本体1の先端内周部の回転中心周辺において底刃5aに切屑詰まりと著しい摩耗が認められた。
これに対して、実施例2〜5および比較例2、3では、比較例1ほど大きな駆動力を要することはなく、略同等の駆動力で上記の加工条件を満たす等高線加工が可能であり、効率的な加工を行うことができた。また、実施例1では、実施例2〜5および比較例2、3と比べると大きな駆動力が必要であったが、その差は比較例1との差ほど大きくはなかった。
従って、これら表面粗さと最大回転駆動力の結果より、実施例1〜5によれば、等高線加工において加工効率と加工精度、加工面品位の両立を図ることが可能であり、さらに交差角θが上記範囲内である実施例2〜4によれば、一層確実に加工効率と加工精度、加工面品位の向上を図ることが可能であることが認められる。
1 エンドミル本体
2 シャンク部
3 切刃部(エンドミル本体1の先端部)
4 切屑排出溝
5 切刃
5A 一部の切刃
5B 残りの切刃
5a 底刃
5b 外周刃
5c 補助外周刃
6 ギャッシュ
6a ギャッシュ6のエンドミル回転方向Tを向く壁面
6b ギャッシュ壁面(ギャッシュ6のエンドミル回転方向Tとは反対側を向く壁面)
7 底刃5aの逃げ面
7a 第1逃げ面(2番面)
7b 第2逃げ面(3番面)
7c 第3逃げ面(4番面)
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル回転方向
C 底刃5aの軸線O回りの回転軌跡がなす半球の中心
P 補助外周刃5cの先端
Q 補助外周刃5cの先端Pの軸線O回りの回転軌跡と底刃5aとの交点
L 交点Qと中心Cとを結ぶ直線
θ 直線Lが軸線Oに対してなす交差角

Claims (2)

  1. 軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に後端側に向けて延びる複数条の切屑排出溝が形成されていて、これらの切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面の外周縁にそれぞれ切刃が形成されており、
    上記切刃のうち一部の切刃は、上記エンドミル本体の先端において上記軸線回りの回転軌跡が該軸線上に中心を有する半球状をなす底刃と、この底刃の後端から延びて上記軸線回りの回転軌跡が後端側に向かうに従い漸次拡径する上記軸線を中心とした円錐状をなす外周刃とを備え、
    上記切刃のうち残りの切刃は、上記軸線回りの回転軌跡が上記一部の切刃における上記底刃の回転軌跡の後端外周部から後端側に延びて上記外周刃の回転軌跡に重なり合う補助外周刃を備えており、
    上記補助外周刃の先端の上記軸線回りの回転軌跡と上記底刃との交点と、該底刃の回転軌跡がなす半球の上記中心とを結ぶ直線は、60°〜80°の範囲内の交差角で上記中心において上記軸線に交差している、
    テーパボールエンドミル。
  2. 上記エンドミル本体の先端部外周には、複数条ずつの上記一部の切刃と上記残りの切刃とが周方向に交互に形成されており、上記残りの切刃の上記補助外周刃よりも先端側は、この残りの切刃のエンドミル回転方向に隣接する上記一部の切刃の底刃の逃げ面と、該残りの切刃のエンドミル回転方向の反対側に隣接する上記一部の切刃の底刃のギャッシュ壁面とが交差して切り欠かれていることを特徴とする請求項に記載のテーパボールエンドミル。
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