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JP6821971B2 - オニウム塩、ルイス酸化合物、及び活性水素含有化合物を含有する組成物 - Google Patents

オニウム塩、ルイス酸化合物、及び活性水素含有化合物を含有する組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を含有する組成物に関する。本発明の組成物は、例えば、ハロゲン含有アルキレンオキシド類を効率的に開環重合する触媒として特に有用である。
アルキレンオキシド類の開環重合の手法としては、例えば、アニオン重合、カチオン重合、配位アニオン重合等が知られている。アニオン重合は、例えば、アルカリ金属のアルコキシド、水素化物、水酸化物、アミド等のアニオン重合開始剤を用いて行なわれる。
界面活性剤材料として用いるポリエチレンオキシドやエチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体を得る場合には、上記のような、汎用的なアニオン重合開始剤を用いたアニオン重合が最も良く用いられる。しかしながら、アニオン重合開始剤との反応性を有する官能基を持つ、エピクロロヒドリン等のハロゲン含有アルキレンオキシドを単量体として用いる場合には、そのようなアニオン重合を適用することはできない。
アルキレンオキシド類のカチオン重合は、ルイス酸等のカチオン重合開始剤を用いて行なわれ、エピクロロヒドリン等の開環重合にも適用できることが知られている。しかしながら、アルキレンオキシド類の開環重合では、種々の副反応が起こるために、効率よくポリエーテル系重合を得ることができないという問題がある。
ハロゲン含有アルキレンオキシドの重合触媒として、周期表第15族又は第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩、及び有するアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムからなる触媒が報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
ここで、特許文献1に記載の周期表第15族又は第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、有するアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムとからなる触媒は、ハロゲン化アルキレンオキシドを重合することはできる。しかしながら、得られるハロゲン含有ポリアルキレンオキシドの1つの末端が必ずハロゲン原子となるため、ハロゲン含有ポリアルキレングリコールとするためには、末端のハロゲン原子を水酸基に変換する工程が必要であり効率的な方法とはいえない。
ホスファゼニウム化合物とトリイソブチルアルミニウム及び活性水素含有化合物を用いたプロピレンオキシドの重合については既に報告されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、非特許文献2にはハロゲン含有アルキレンオキシドの重合については全く報告されていない。また、非特許文献2に記載の方法は、高価なホスファゼニウム化合物を活性水素含有化合物に対して多量に使用する必要があり、極めて不経済なものである。
特許第5229464号明細書(特開平2010−053217)
Macromolecules,2008,41,7058. Polymer Chemistry,2012,3,1189.
本発明は上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、オニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を含む組成物、その組成物を含むハロゲン含有ポリアルキレングリコールを効率よく製造することができる重合触媒、及びその重合触媒を用いたハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のオニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を含む組成物を見出し、その組成物を含む重合触媒がハロゲン含有ポリアルキレングリコールを効率良く製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの組成物、その組成物を含む重合触媒、及びその重合触媒を用いたハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法に関するものである。
[1]下記一般式(1)で示されるオニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を含有する組成物。
[上記一般式(1)において、Xは窒素原子又はリン原子を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基又はアルコキシ基又はジアルキルアミノ基又はハロゲン原子又は水素原子を表し、R〜Rのうち2〜4つが結合して環状構造を形成しその中にヘテロ原子を含んでいても良く、Yは無機又は有機の基からなる対イオンを表す。]
[2]ルイス酸が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、及びホウ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする上記[1]に記載の組成物。
[3]オニウム塩とルイス酸との割合が、[オニウム塩]:[ルイス酸]=1:1.01〜100(モル比)であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]活性水素含有化合物とオニウム塩との割合が、活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対して、オニウム塩が0.001〜0.5モルの範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]活性水素含有化合物が、官能基数が2以上のヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、及び水酸基を有するポリエーテルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]オニウム塩と活性水素含有化合物とを混合した後に、ルイス酸を混合することを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[7]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とするハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒。
[8]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の組成物の存在下、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことを特徴とするハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法。
本発明の組成物を含む重合触媒は、ハロゲン含有アルキレンオキシドの重合において高活性を有する。また、本発明の組成物を用いてハロゲン含有アルキレンオキシドを重合することによって、高分子量かつ狭分子量分布を示すハロゲン含有ポリアルキレングリコールを製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は上記一般式(1)で示されるオニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を含有する組成物である。
ここで、R、R、R及びRで表される炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、ベンジル基、トリル基、オクチル基、シクロオクチル基、キシリル基等が例示され、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ビニルオキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、アリルオキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、ノルマルペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、へプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、トリルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、キシリルオキシ基が例示され、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジシクロプロピルアミノ基等が例示される。
触媒活性に優れるハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒となることから、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルブチル基又はノルマルオクチル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
〜Rのうち2つ又は3つが結合して環状構造を形成したオニウム塩の構造としては、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩が例示され、触媒活性に優れるハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒となることからイミダゾリウム塩であることが好ましい。
Yが表す無機又は有機の基としては、具体的には、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、水素化ホウ素基、ヘキサフルオロリン酸基が例示され、触媒活性に優れるハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒となることから、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、ヘキサフルオロリン酸基のいずれかであることが好ましい。
本発明で、好ましく用いられるオニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルプロピルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルペンチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルプロピルアンモニウムクロライド、テトラノルマルブチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルペンチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルプロピルホスホニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルペンチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルオクチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルプロピルホスホニウムクロライド、テトラノルマルブチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルペンチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルオクチルホスホニウムクロライド、ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
これらの中で、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリアルキレングリコール製造触媒となることから、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロリド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミドが好ましく用いられる。
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム、メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチル−イソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機アルミニウムを挙げることができる。
亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛を挙げることができる。
ホウ素化合物としては、例えば、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、トリエチルボロン、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリイソプロポキシボロン、トリノルマルプロポキシボロン、トリフェニルボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン等を挙げることができる。
そして、これらルイス酸の中でも、触媒性能に優れる組成物となることから、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛、ホウ素化合物が好ましく、特に好ましくは、有機アルミニウムである。
本発明において、活性水素含有化合物としては、活性水素を有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、水、ヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、水酸基を有するポリエーテルポリオール等を挙げることができ、官能基数が2以上のものが好ましい。
ヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、シュークローズ、グルコース、2−ナフトール、ビスフェノール等を挙げることができる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン等を挙げることができる。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、アジピン酸等を挙げることができる。
チオール化合物としては、例えば、エタンジチオール、ブタンジチオール等を挙げることができる。
水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子量200〜3000のポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
そして、これら活性水素含有化合物は、単独で用いても良いし、数種類を混合して用いても良い。
本発明の組成物において、触媒性能に優れる組成物となることから、オニウム塩とルイス酸との割合は、オニウム塩:ルイス酸=1:1.01〜100(モル比)が好ましく、より好ましくは、オニウム塩:ルイス酸=1:1.1〜10(モル比)、特に好ましくは、オニウム塩:ルイス酸=1:1.2〜5(モル比)である。
本発明の組成物において、触媒性能に優れる組成物となることから、活性水素含有化合物中の活性水素とオニウム塩との割合は、活性水素含有化合物中の活性水素:オニウム塩=1:0.001〜0.5(モル比)が好ましく、より好ましくは、活性水素含有化合物中の活性水素:オニウム塩=1:0.001〜0.25(モル比)、特に好ましくは、活性水素含有化合物中の活性水素:オニウム塩=1:0.001〜0.1(モル比)である。
本発明の組成物の製造方法としては、本発明の組成物の調製が可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、特に限定されない。例えば、オニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を混合する方法を挙げることができる。その際には、溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等を用いても良い。
また、オニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物のうち、2成分を混合した後に残り1成分を混合し調製する方法、1成分にあらかじめ混合した残り2成分を混合し調製する方法等の如何なる調製方法を用いても良い。その中でも、触媒性能に優れる組成物となることから、オニウム塩と活性水素含有化合物とを混合した後に、ルイス酸とを混合し、組成物を調製することが好ましい。
本発明の組成物を調製する際は、加熱・減圧処理等を行ってもよい。加熱処理の温度としては、例えば、50〜150℃、好ましくは70〜130℃を挙げることができる。また、減圧処理の際の圧力としては、例えば、50kPa以下、好ましくは20kPa以下を挙げることができる。
本発明の組成物は、触媒性能に優れることから、ハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造に有用であり、本発明の組成物を含む重合触媒はハロゲン含有アルキレンオキシドの製造に好適に使用することができる。
本発明のハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法は、上記した本発明の組成物存在下、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことをその特徴とする。
本発明のハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法において、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしては、特に制限はなく、例えば、炭素数2〜20のハロゲン含有アルキレンオキシドを挙げることができる。具体的には、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリン等のエピハロヒドリン、p−クロロスチレンオキシド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、テトラフルオロエチレンオキシド、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、パーフルオロフェニルグリシジルエーテル、3,3−ジクロロプロピレンオキシド、3−クロロ1,2−エポキシブタン、3,4−ジクロロ−1,2−エポキシブタン、1,4−ジクロロ−2,3−エポキシブタン、3,3,3−トリクロロプロピレンオキシド等を例示することができる。これらの中で、入手が容易で、得られるハロゲン含有ポリアルキレングリコールの工業的価値の高いことから、エピクロロヒドリン、3,4−ジクロロ−1,2−エポキシブタンが好ましい。
本発明のハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法において、上記したハロゲン含有アルキレンオキシドは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。2種以上を混合して用いる場合は、例えば、第1のハロゲン含有アルキレンオキシドを反応させた後、第2、第3のハロゲン含有アルキレンオキシドを反応させても良いし、2種以上のハロゲン含有アルキレンオキシドを同時に反応させても良い。
本発明のハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法において、重合圧力は、常圧〜1.0MPaの範囲が好ましく、常圧〜0.5MPaの範囲がより好ましい。また、重合温度は、0〜180℃の範囲が好ましく、50〜130℃の範囲がより好ましい。
本発明のハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法において、重合反応は無溶媒で実施されることが好ましい。
本発明のハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法においては、効率的なハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法となることから、触媒活性として100g/mol・min以上を示すものであることが好ましく、特に150g/mol・min以上を示すものであることが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、これら実施例は本発明を何ら制限するものではない。
まず、本発明における触媒活性の算出方法、本発明により製造されるハロゲン含有ポリアルキレングリコールの分析方法について説明する。
〜ポリエピクロロヒドリングリコールの転化率〜
核磁気共鳴スペクトル測定装置(日本電子社製、(商品名)JNM−ECZ400S/LI)を用い、重溶媒に重クロロホルムを用いてH−NMRを測定し、2.6〜2.8ppmのモノマー由来のピークと3.3〜4.1ppmのポリマー由来のピークとの積分比から算出した。
〜ポリ3,4−ジクロロ−1,2−ブチレングリコールの転化率〜
核磁気共鳴スペクトル測定装置(日本電子社製、(商品名)JNM−ECZ400S/LI)を用い、重溶媒に重クロロホルムを用いてH−NMRを測定し、2.6〜2.8ppmのモノマー由来のピークと3.4〜4.4ppmのポリマー由来のピークとの積分比から算出した。
〜触媒活性(単位:g/mol・min)〜
反応したハロゲン含有アルキレンオキシドの量をa(単位:g)、用いたオニウム塩の量をb(単位:mol)、重合に要した時間をc(単位:min)とし、次式により触媒活性を算出した。
触媒活性=a/(b×c)。
〜ハロゲン含有ポリアルキレングリコールの分子量(単位:g/mol)〜
JIS K−1557記載の方法により、ハロゲン含有ポリアルキレングリコールの水酸基価d(単位:mgKOH/g)を測定した。得られるハロゲン含有ポリアルキレングリコールの官能基数をeとし、次式によりハロゲン含有ポリアルキレングリコールの分子量を算出した。
分子量=(56100/d)×e。
実施例1.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量94mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド0.64g(1.2mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Aを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例1で得られた組成物A(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に5.5時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール95gを得た。転化率は99.9%であり、触媒活性は142g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は1900g/molであった。
実施例2.
(3,4−ジクロロ−1,2−エポキシブタンの重合)
実施例1で得られた組成物A(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとして3,4−ジクロロ−1,2−エポキシブタン75gを常圧下で間欠的に5時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留3,4−ジクロロ−1,2−エポキシブタンの除去を行い、無色無臭のポリ3,4−ジクロロ−1,2−ブチレングリコール90gを得た。転化率は94.6%であり、触媒活性は144g/mol・min、得られたポリ3,4−ジクロロ−1,2−ブチレングリコールの分子量は1920g/molであった。
実施例3.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量94mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド0.26g(0.47mmol、活性水素1molに対して5.0mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液0.9ml(0.9mmol、活性水素1molに対して10mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Bを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例3で得られた組成物B(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:0.47mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に6時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後6時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール80gを得た。転化率は84.9%であり、触媒活性は189g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は1780g/molであった。
実施例4.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]6.52g(16mmol、活性水素量33mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド0.22g(0.41mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液1.2ml(1.2mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Cを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例4で得られた組成物C(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:0.41mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に6時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後7時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール75gを得た。転化率は91.5%であり、触媒活性は200g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は4980g/molであった。
実施例5.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量94mmol)、及びテトラノルマルブチルアンモニウムクロライド0.33g(1.2mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Dを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例5で得られた組成物D(テトラノルマルブチルアンモニウムクロライド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に5時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール94gを得た。転化率は99.2%であり、触媒活性は151g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は1940g/molであった。
実施例6.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量94mmol)、及びテトラノルマルブチルホスホニウムブロミド0.40g(1.2mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Eを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例6で得られた組成物E(テトラノルマルブチルホスホニウムブロミド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に5時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール95gを得た。転化率は99.8%であり、触媒活性は152g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は1880g/molであった。
実施例7.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量94mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド0.64g(1.2mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソプロポキシアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Fを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例7で得られた組成物F(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール95gを得た。転化率は99.8%であり、触媒活性は177g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は1970g/molであった。
実施例8.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量94mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド0.64g(1.2mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、ジエチル亜鉛の1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Gを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例9で得られた組成物G(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。
内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後4時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール85gを得た。転化率は90.0%であり、触媒活性は120g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は1750g/molであった。
実施例9.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量1000のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP1000;水酸基価112mgKOH/g]75.0g(75.0mmol、活性水素量94mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド1.03g(1.9mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液5.6ml(5.6mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Hを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例10で得られた組成物H(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:1.9mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後1時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール152gを得た。転化率は99.9%であり、触媒活性は133g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は2020g/molであった。
実施例10.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として3個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスGP400;水酸基価420mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量140mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド0.64g(1.2mmol、活性水素1molに対して8.3mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して25mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Iを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例11で得られた組成物I(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に4.5時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリングリコール94gを得た。転化率は98.9%であり、触媒活性は162g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリングリコールの分子量は1920g/molであった。
比較例1.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]37.5g(94mmol、活性水素量188mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド1.28g(2.34mmol、活性水素1molに対して0.013mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Jを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
比較例1で得られた組成物J19.4g(テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド:1.2mmol)を攪拌翼、滴下ロートを付した0.5リットルの四つ口フラスコに採り、フラスコ内を窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン25gを常圧下で間欠的に2時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなったが、転化率は僅か10%であった。
比較例2.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]37.5g(94mmol、活性水素量188mmol)、及びトリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液7ml(7mmol、活性水素1molに対して0.037mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Kを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
比較例2で得られた組成物K19.6gを攪拌翼、滴下ロートを付した0.5リットルの四つ口フラスコに採り、フラスコ内を窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン25gを常圧下で間欠的に2時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなったが、転化率は僅か17%であった。
比較例3.
攪拌翼を付した0.5リットルの四つ口フラスコに、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド0.64g(1.17mmol)をトルエン30mlに溶解させ、0℃に冷却した。トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して0.037mol)を加え、15分間撹拌することで、組成物Lを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
比較例3で得られた組成物Lのフラスコ内を窒素置換した。内温を0℃のまま、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン75gを常圧下で間欠的に2時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温−10〜0℃の範囲で実施した。次いで、重合反応液に少量の水を注いで反応を停止した後、90℃、0.5kPaの減圧下でトルエンと残留エピクロロヒドリンの除去を行い、無色無臭のポリエピクロロヒドリン27gを得た。転化率は28%であり、触媒活性は76g/mol・min、得られたポリエピクロロヒドリンの分子量は52,000g/molであり、片方の末端は臭素だった。
比較例4.
攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]18.8g(47mmol、活性水素量94mmol)、及び16属の原子を含有するオニウム塩であるトリメチルスルホニルブロミド0.19g(1.2mmol、活性水素1molに対して13mmol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液3.5ml(3.5mmol、活性水素1molに対して38mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Mを得た。
(エピクロロヒドリンの重合)
実施例6で得られた組成物M(トリメチルスルホニウムブロミド:1.2mmol)が入った、攪拌翼、滴下ロートを付した0.2リットルの四つ口フラスコを窒素置換した。内温を90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン25gを常圧下で間欠的に2時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85〜90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなったが、転化率は僅か7%であった。
本発明の組成物を用いることにより、効率的にハロゲン含有ポリアルキレングリコールを製造することができる。得られるハロゲン含有ポリアルキレングリコールは、ポリウレタン原料、ポリエステル原料、界面活性剤原料、潤滑剤原料等に有用である。特に各種イソシアネート化合物と反応させることにより、接着剤、塗料、シーリング材、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマーへの展開が期待される。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるオニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を含有する組成物を含むことを特徴とするハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒。
    [上記一般式(1)において、Xは窒素原子又はリン原子を表し、R 、R 、R 及びR はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基又はアルコキシ基又はジアルキルアミノ基又はハロゲン原子又は水素原子を表し、R 〜R のうち2〜4つが結合して環状構造を形成しその中にヘテロ原子を含んでいても良く、Yは無機又は有機の基からなる対イオンを表す。]
  2. ルイス酸が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、及びホウ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒。
  3. オニウム塩とルイス酸との割合が、[オニウム塩]:[ルイス酸]=1:1.01〜100(モル比)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒。
  4. 活性水素含有化合物とオニウム塩との割合が、活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対して、オニウム塩が0.001〜0.5モルの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒。
  5. 活性水素含有化合物が、官能基数が2以上のヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、及び水酸基を有するポリエーテルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒の存在下、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことを特徴とするハロゲン含有ポリアルキレングリコールの製造方法。
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