JP6811132B2 - 動翼解析装置、動翼解析方法、プログラム - Google Patents
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Description
図1は本実施形態によるタービンの構成を示す図である。
タービン100は、回転するタービンロータ9(ロータ)と、このタービンロータ9を回転可能に覆うタービンケーシング10とを有している。タービンロータ9は、回転軸9aを軸中心に有し、複数の動翼列Y1,Y2,Y3・・・を備える。動翼列Y1,Y2,Y3・・それぞれはタービンロータ9の軸方向に間を空けて設けられている。タービンケーシング10の内面の複数の動翼列Y1,Y2,Y3・・・の各間には、複数の静翼11が取り付けられている。タービンケーシング10には、動翼Y1,Y2,Y3・・の通過を検出するための第一センサ20が取り付けられている。
動翼列Y1,Y2,Y3・・はタービンロータ9の周方向に取り付けられた複数の動翼Bによりそれぞれが構成される。図2は一例として動翼列Y1に設けられた複数の動翼B(B1−1,B1−2,B1−3・・・)を示している。動翼解析装置1は動翼Bが回転する周囲に対向するタービンケーシング10の内面の位置に複数の第一センサ20を備える。他の動翼列Yについても同様に第一センサ20が備えられている。第一センサ20は動翼解析装置1の本体と電気信号ケーブルを介して接続されている。第一センサ20は動翼Bに対向する位置にタービンケーシング10に設置されている。動翼解析装置1はタービンロータ9の1回転を検出する第二センサ30を備える。第二センサ30はタービンロータ9の1回転を検出して、その検出時を示す所定のパルス波を出力するための機構を有している。
一つの第一センサ20の出力する翼通過検知信号を図3に示す。この図が示すように翼通過検知信号は第一センサ20の直近を動翼Bが通過した際に大きな電圧値となるので、動翼がタービンロータ9の周方向に放射状に等間隔に設けられている場合には、当該信号の極大値が定期的に現れる波形となる。動翼解析装置1は翼通過検知閾値th1以上の電圧値の翼通過検知信号から各動翼Bの通過時刻を、時間を追って順次検出し、その通過時刻に基づいて動翼Bの状態を解析する。図3はノイズが含まれていない翼通過検知信号を示している。
図4はノイズが含まれている翼通過検知信号を示している。図4で示す翼通過検知信号は、10回の翼通過がP1,P2,・・・P10のパルスで表される。当該信号は、P1〜P2、P2とP3のパルス間、P3とP4のパルス間、P4とP5のパルス間、P8とP9のパルス間、P9とP10のパルス間の電圧値が図3と比較して増加し、より速いタイミングで電圧がth1を超えていることを示す。タービン100の内部を流れる作動流体が蒸気などである場合、第一センサ20は、当該作動流体で反射したレーザ光の反射光を受光することにより、図4で示すようなノイズの含まれる翼通過信号を出力する場合がある。この信号は、動翼以外の蒸気等において反射した反射光を第一センサ20で受光すること等により発生する。
動翼解析装置1は第一センサ20から得られた動翼検知信号を用いて、タービンロータ9の1回転の間に発生したパルスを分割する。例えば動翼解析装置1の動翼列Y1に5つの動翼Bが設けられている場合には、第二センサ30から得られたパルス信号を基準に次の第二センサ30から1回転を示すパルス信号が得られる時刻まで1/5回転周期毎に動翼検知信号を分割する。なお第二センサ30は、タービンロータ9の1回転の検出をパルスとパルスの間の電圧値が低いタイミング、つまり動翼Bを検出しないタイミングで取得できるよう予め設計されている。動翼解析装置1は取得した動翼検知信号を分割して各パルス信号を取得する処理を繰り返す。
図6は図5で示す処理によって動翼解析装置1が取得した各パルスを重畳して示したものである。この図において動翼Bを検知したことを示す信号のピークの発生時刻をピーク時刻tPと呼ぶ。また2つの動翼の間の位置を第一センサ20が検出した場合の電圧値の低い時刻をローレベル時刻tLと呼ぶ。一例としてローレベル時刻tLは、ピーク時刻tPを基準としてパルス出現周期の1/2周期前の時刻と設定される。ローレベル時刻tLは、動翼の検出を示すパルスのピークの間隔の中間の時刻である。この図が示すように、動翼検知信号には、ローレベル時刻tLの近辺において電圧値が第二閾値th2(th2<th1)よりも大きい信号が存在する場合がある。動翼解析装置1はローレベル時刻tLにおいて電圧値が第一閾値th2よりも高い信号を、動翼以外から反射した光の受光による影響を示すノイズ信号と特定し、動翼検知信号から除去する処理を行う。これにより動翼以外の蒸気などの影響により受光した反射光に対応する信号を除去することができる。
動翼解析装置1はローレベル時刻tLを基準とした前後の期間を検知対象区間Dと記憶している。この検知対象区間Dの長さは動翼解析装置1が予め記憶する。検知対象区間Dは動翼検知信号において動翼と動翼の間を検知していると想定される電圧値の低い領域に設定される。本実施形態による動翼解析装置1は、この検知対象区間Dにおいて電圧値が第一閾値th1よりも高い信号を、ノイズの含まれる信号と特定し、動翼検知信号から除去する。
図8の左図81はノイズ除去前の動翼検知信号を示す。図8の右図82はノイズ除去後の動翼検知信号を示す。動翼解析装置1はノイズ除去を行うことにより、パルス波にノイズが含まれることによる動翼解析に生じる悪影響を軽減することができる。
図9で示すように動翼解析装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、信号受信モジュール105を備えるコンピュータである。
動翼解析装置1のCPU101は予め自装置で記憶するプログラムを実行することにより、制御部111、ノイズ除去部112、解析部113、表示部114の各構成を備える。
ノイズ除去部112は時刻の経過に応じて第一センサ20で得られた翼通過検知信号の信号強度の変化を示す第一の翼検知パターンデータを取得する。第一の翼検知パターンデータは図8の左図81で示すデータである。ノイズ除去部112は、当該第一の翼検知パターンデータに含まれる複数の動翼についての翼検知信号に基づいて動翼を検知していない不検知期間を特定する。この不検知期間が翼通過検知信号に含まれるノイズの検知対象区間となる。ノイズ除去部112は当該検知対象区間において翼検知信号の信号強度が閾値th2よりも高い翼検知信号を第一翼検知パターンデータから除去し、第二の翼検知パターンデータを生成する。第二の翼検知パターンデータは図8の右図82で示すデータである。
解析部113は第二の翼検知パターンデータを用いて動翼の状態を解析する処理を行う。
表示部114は動翼の解析結果を出力する処理部である。
次に動翼解析装置1の処理フローについて順を追って説明する。
まず動翼解析装置1は動作中のタービン100に取り付けられた複数の第一センサ20から動翼検知信号を受信する(ステップS101)。また動翼解析装置1はタービン100に取り付けられた第二センサ30から1回転を検知した回転パルス信号を受信する(ステップS102)。
図12の上図121は、第一センサ20−1,20−2,20−3,・・・,20−nで検出した、各動翼B1−1,B1−2,B1−3,・・・,B1−Nの通過検知タイミングを示す。上図121の動翼B1−1についてみると、第一センサ20−1,20−2,20−3,・・・,20−nにおいて、基準のタイミングよりもτ1,τ2,τ3,・・・,τNの時間差が生じている。解析部113は、このような第二の翼検知パターンデータを用いて、図12の下図122で示すような振動変位波形を各動翼ごとに生成する。解析部113は図12の下図122の解析結果を表示部114に出力するようにしもよい。また解析部113はさらに、図12の下図122の振動変位波形に基づいて、動翼Bの不良を解析するようにしてもよい。例えば解析部113は振動変位波形の振幅が所定の閾値以上である場合に、動翼Bが不良であると解析してもよい。
20・・・第一センサ
30・・・第二センサ
B・・・動翼
Y・・・動翼列
111・・・制御部
112・・・ノイズ除去部
113・・・解析部
114・・・表示部
101・・・CPU
102・・・ROM
103・・・RAM
104・・・HDD
105・・・信号受信モジュール
Claims (8)
- タービンに放射状に複数設けられた動翼より外側に固定されて設けられ前記動翼の通過を検知するセンサと、
時刻の経過に応じて前記センサで得られた翼通過検知信号の信号強度の所定期間の変化を示す第一の翼検知パターンデータを取得し、当該第一の翼検知パターンデータに含まれる複数の動翼についての翼通過検知信号の信号強度の所定期間の変化が示すパルス間隔の中間を含む前記動翼を検知していない不検知期間を特定し、前記翼通過検知信号の所定期間の変化において前記動翼を検知している検知期間と前記不検知期間とのうち、前記不検知期間のみにおいて前記翼通過検知信号の信号強度が閾値よりも高い翼通過検知信号の所定期間の変化を示す翼通過検知信号を前記第一の翼検知パターンデータから除去した第二の翼検知パターンデータを生成する除去部と、
を備える動翼解析装置。 - 前記第二の翼検知パターンデータを用いて動翼の状態を解析する解析部と、
を備える請求項1に記載の動翼解析装置。 - 前記解析部は前記第二の翼検知パターンデータを用いて前記動翼それぞれの翼振動の状態を解析する
請求項2に記載の動翼解析装置。 - 前記所定期間は、前記時刻の経過に応じて前記センサで得られた翼通過検知信号の信号強度の変化の前記タービンの1周期分を、前記動翼の数で分割した期間であって前記不検知期間と、一つの前記パルスを含む前記検知期間と、を含む期間を示す
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の動翼解析装置。 - タービンに放射状に複数設けられた動翼より外側に固定されて設けられ前記動翼の通過を検知するセンサを備えた動翼解析装置が、
時刻の経過に応じて前記センサで得られた翼通過検知信号の信号強度の所定期間の変化を示す第一の翼検知パターンデータを取得し、当該第一の翼検知パターンデータに含まれる複数の動翼についての翼通過検知信号の信号強度の所定期間の変化が示すパルス間隔の中間を含む前記動翼を検知していない不検知期間を特定し、前記翼通過検知信号の所定期間の変化において前記動翼を検知している検知期間と前記不検知期間とのうち、前記不検知期間のみにおいて前記翼通過検知信号の信号強度が閾値よりも高い翼通過検知信号の所定期間の変化を示す翼通過検知信号を前記第一の翼検知パターンデータから除去した第二の翼検知パターンデータを生成する
動翼解析方法。 - 前記第二の翼検知パターンデータを用いて動翼の状態を解析する
請求項5に記載の動翼解析方法。 - タービンに放射状に複数設けられた動翼より外側に固定されて設けられ前記動翼の通過を検知するセンサを備えた動翼解析装置のコンピュータを、
時刻の経過に応じて前記センサで得られた翼通過検知信号の信号強度の所定期間の変化を示す第一の翼検知パターンデータを取得し、当該第一の翼検知パターンデータに含まれる複数の動翼についての翼通過検知信号の信号強度の所定期間の変化が示すパルス間隔の中間を含む前記動翼を検知していない不検知期間を特定し、前記翼通過検知信号の所定期間の変化において前記動翼を検知している検知期間と前記不検知期間とのうち、前記不検知期間のみにおいて前記翼通過検知信号の信号強度が閾値よりも高い翼通過検知信号の所定期間の変化を示す翼通過検知信号を前記第一の翼検知パターンデータから除去した第二の翼検知パターンデータを生成する除去手段、
として機能させるプログラム。 - 前記コンピュータを、前記第二の翼検知パターンデータを用いて動翼の状態を解析する解析手段
として機能させる請求項7に記載のプログラム。
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JP2017058624A JP6811132B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 動翼解析装置、動翼解析方法、プログラム |
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JP2017058624A JP6811132B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 動翼解析装置、動翼解析方法、プログラム |
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Family Applications (1)
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