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JP6808292B2 - 加工装置の診断方法 - Google Patents

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JP6808292B2 JP2017082560A JP2017082560A JP6808292B2 JP 6808292 B2 JP6808292 B2 JP 6808292B2 JP 2017082560 A JP2017082560 A JP 2017082560A JP 2017082560 A JP2017082560 A JP 2017082560A JP 6808292 B2 JP6808292 B2 JP 6808292B2
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Description

本発明は、板状の被加工物を加工するための加工装置の診断方法に関する。
半導体ウェーハに代表される板状の被加工物を加工するために、例えば、切削装置(ダイサ)や研削装置(グラインダ)等の加工装置を用いることがある。これらの加工装置は、砥粒を結合材で固めた砥石工具が装着されるスピンドル(回転軸)を備えており、砥石工具を回転させながら被加工物に接触させることで被加工物の一部を削り取る。
このような加工装置では、砥石工具と被加工物との摩擦によって熱や加工屑(削り屑)が多く発生する。そのため、純水等の加工液を砥石工具や被加工物に供給しながら被加工物を加工することで、熱や加工屑を除去できるようにしている(例えば、特許文献1,2等参照)。
特開2008−91775号公報 特開2014−124690号公報
ところで、砥石工具に供給される加工液の量が多くなると、例えば、加工液の圧力等によって砥石工具が変形し、加工の精度を高く維持できなくなる。また、この場合には、加工によって形成されるチップ等が加工液で飛ばされ、砥石工具に衝突することもある。よって、砥石工具が破損する可能性も高くなる。
一方で、砥石工具に供給される加工液の量が少なくなると、熱や加工屑の除去が不十分になる。そこで、加工装置には、加工液の供給量を適正な範囲に保つための流量調整部(流量コントローラ)が設けられている。ところが、この流量調整部が何らかの理由で適切に機能しなくなることも考えられる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工液の供給量を調整するための流量調整部が適切に機能しているか否かを診断できる加工装置の診断方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該被加工物を加工する砥石工具が装着されモータによって回転するスピンドルを備える加工ユニットと、流量調整部で流量が調整された加工液を該砥石工具に供給する加工液供給ユニットと、該モータの負荷電流値を検出する電流値検出ユニットと、オペレータに装置の情報を提供する報知ユニットと、各構成要素を制御する制御ユニットと、を備える加工装置の診断方法であって、該加工ユニットで被加工物を加工する加工ステップと、該加工ステップを実施する前、又は該加工ステップを実施した後に、正常に機能している該流量調整部で所定の流量に調整された該加工液を供給しつつ該スピンドルを所定の回転数で空転させた時の該負荷電流値に基づいて予め設定される閾値と、該所定の流量の加工液を供給するように該流量調整部を制御して該加工液を供給しつつ該スピンドルを該所定の回転数で空転させた時の該負荷電流値と、を比較した結果に応じて、該流量調整部を正常又は異常と診断する診断ステップと、該診断ステップの診断結果を報知する報知ステップと、を備える加工装置の診断方法が提供される。
本発明の一態様において、加工ステップ及び診断ステップを実施する前に、該閾値を設定する閾値設定ステップを更に備えても良い。
本発明の一態様に係る加工装置の診断方法では、正常に機能している流量調整部で所定の流量に調整された加工液を供給しつつスピンドルを所定の回転数で空転させた時の負荷電流値に基づいて予め設定される閾値と、所定の流量の加工液を供給するように流量調整部を制御しながらスピンドルを所定の回転数で空転させた時の負荷電流値と、を比較するので、流量調整部が適切に機能しているか否かを診断できる。
加工装置の構成例を模式的に示す斜視図である。 切削ユニット等の構成例を模式的に示す斜視図である。 切削ユニット等の構成例を模式的に示す側面図である。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る加工装置の診断方法が適用される加工装置の構成例について説明する。図1は、本実施形態に係る加工装置2の構成例を模式的に示す斜視図である。なお、図1では、加工装置2の一部の構成要素を機能ブロックで示している。また、本実施形態では、板状の被加工物を切削するための切削装置を例に挙げて説明するが、本発明が適用される加工装置は、研削装置等でも良い。
図1に示すように、加工装置2は、各構成要素を支持する基台4を備えている。基台4の前方の角部には、開口4aが形成されており、この開口4a内には、昇降機構(不図示)によって昇降するカセットエレベータ6が設けられている。カセットエレベータ6の上面には、複数の被加工物11を収容するためのカセット8が載せられる。なお、図1では、説明の便宜上、カセット8の輪郭のみを示している。
被加工物11は、例えば、シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハである。この被加工物11の表面側は、格子状に配列された分割予定ライン(ストリート)によって複数の領域に区画されており、各領域には、IC(Integrated Circuit)等のデバイスが形成されている。
被加工物11の裏面側には、被加工物11よりも径の大きい粘着テープ(ダイシングテープ)13が貼付されている。粘着テープ13の外周部分は、環状のフレーム15に固定されている。被加工物11は、この粘着テープ13を介してフレーム15に支持された状態でカセット8に収容される。
なお、本実施形態では、シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハを被加工物11としているが、被加工物の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなる被加工物を用いることもできる。また、デバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
カセットエレベータ6の側方には、X軸方向(前後方向、加工送り方向)に長い開口4bが形成されている。開口4b内には、ボールねじ式のX軸移動機構(加工送りユニット)10と、X軸移動機構10の上部を覆う防塵防滴カバー12とが配置されている。X軸移動機構10は、X軸移動テーブル10aを備えており、このX軸移動テーブル10aをX軸方向に移動させる。
X軸移動テーブル10a上には、被加工物11を保持するチャックテーブル(保持テーブル)14が配置されている。チャックテーブル14は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向(鉛直方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル14は、上述したX軸移動機構10によってX軸方向に移動する(加工送り)。
チャックテーブル14の上面は、被加工物11を保持するための保持面14aになっている。保持面14aは、X軸方向及びY軸方向(左右方向、割り出し送り方向)に対して概ね平行に形成され、チャックテーブル14の内部に形成された吸引路(不図示)等を介して吸引源(不図示)に接続されている。また、チャックテーブル14の周囲には、被加工物11を支持する環状のフレーム15を四方から固定するための4個のクランプ16が設けられている。
開口4bの上方には、上述した被加工物11(フレーム15)をチャックテーブル14等へと搬送するための搬送ユニット(不図示)が配置されている。搬送ユニットで搬送された被加工物11は、例えば、表面側が上方に露出するようにチャックテーブル14の保持面14aに載せられる。
開口4bに隣接する位置には、被加工物11を切削する切削ユニット(加工ユニット)18を支持するための片持ち梁状の支持構造20が配置されている。支持構造20の前面上部には、切削ユニット18をY軸方向及びZ軸方向に移動させる切削ユニット移動機構(割り出し送りユニット)22が設けられている。
切削ユニット移動機構22は、支持構造20の前面に配置されY軸方向に平行な一対のY軸ガイドレール24を備えている。Y軸ガイドレール24には、切削ユニット移動機構22を構成するY軸移動プレート26がスライド可能に取り付けられている。
Y軸移動プレート26の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Y軸ガイドレール24に平行なY軸ボールネジ28が螺合されている。Y軸ボールネジ28の一端部には、Y軸パルスモータ(不図示)が連結されている。Y軸パルスモータでY軸ボールネジ28を回転させれば、Y軸移動プレート26は、Y軸ガイドレール24に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動プレート26の表面(前面)には、Z軸方向に平行な一対のZ軸ガイドレール30が設けられている。Z軸ガイドレール30には、Z軸移動プレート32がスライド可能に取り付けられている。
Z軸移動プレート32の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ガイドレール30に平行なZ軸ボールネジ34が螺合されている。Z軸ボールネジ34の一端部には、Z軸パルスモータ36が連結されている。Z軸パルスモータ36でZ軸ボールネジ34を回転させれば、Z軸移動プレート32は、Z軸ガイドレール30に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート32の下部には、切削ユニット18が設けられている。図2は、切削ユニット18等の構成例を模式的に示す斜視図であり、図3は、切削ユニット18等の構成例を模式的に示す側面図である。なお、図2及び図3でも、一部の構成要素を機能ブロックで示している。
切削ユニット18は、筒状のスピンドルハウジング38を備えている。スピンドルハウジング38には、回転軸となるスピンドル40が収容されている。スピンドル40の一端部は、スピンドルハウジング38の一端部から外部に露出しており、このスピンドル40の一端部には、被加工物11を切削(加工)するための切削ブレード(砥石工具)42が装着される。スピンドル40の他端側には、モータを含む回転駆動源(不図示)が連結されている。
スピンドルハウジング38の一端部には、スピンドル40に装着される切削ブレード42等を収容するためのブレードカバー44が取り付けられている。このブレードカバー44の後部には、切削ブレード42の下部を挟む略L字状の一対の第1ノズル(加工液供給ユニット)46aが設けられている。
第1ノズル46aの先端側には、切削ブレード42に対面する複数のスリットが形成されている。また、第1ノズル46aの基端側(上端側)には、第1供給路48aや第1流量コントローラ(流量調整部)50a等を介して加工液供給源52が接続されている。この加工液供給源52から、純水等の加工液が供給される。
ブレードカバー44の前端部には、下方に延びる第2ノズル(加工液供給ユニット)46bが設けられている。第2ノズル46bの先端部(下端部)には、後ろ斜め下方に向かって開口する噴射孔が形成されている。また、第2ノズル46bの基端側(上端側)には、第2供給路48bや第2流量コントローラ(流量調整部)50b等を介して加工液供給源52が接続されている。
切削ブレード42と第2ノズル46bとの間の位置には、第3ノズル(加工液供給ユニット)46cが設けられている。第3ノズル46cの先端部には、切削ブレード42の前部に対面する噴射孔が形成されている。また、第3ノズル46cの基端側(上端側)には、第3供給路48cや第3流量コントローラ(流量調整部)50c等を介して加工液供給源52が接続されている。
加工液は、第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、又は第3流量コントローラ50cで流量を調整された後に、それぞれ、第1ノズル46a(スリット)、第2ノズル46b(噴射孔)、及び第3ノズル46c(噴射孔)から噴射される。これにより、切削(加工)時に切削ブレード42や被加工物11が冷却、洗浄される。
図1に示すように、切削ユニット18には、スピンドル40を回転させるモータ(回転駆動源)の電流値を検出するための電流値検出ユニット54が接続されている。この電流値検出ユニット54により、負荷が掛かった状態のモータの電流値(負荷電流値)を測定(検出)することで、モータに掛かる負荷を評価できる。よって、例えば、加工液を供給しながら切削ブレード42(スピンドル40)を空転させれば(すなわち、被加工物11に対して切削ブレード42を切り込ませずに回転させれば)、加工液の供給量等を確認できる。
切削ユニット28に隣接する位置には、被加工物11等を撮像するための撮像ユニット(カメラ)56が設けられている。切削ユニット移動機構22でY軸移動プレート26をY軸方向に移動させれば、切削ユニット18及び撮像ユニット56は、Y軸方向に移動する(割り出し送り)。また、切削ユニット移動機構22でZ軸移動プレート32をZ軸方向に移動させれば、切削ユニット18及び撮像ユニット56は、Z軸方向に移動する。
開口4bに対して開口4aと反対側の位置には、開口4cが形成されている。開口4c内には、切削後の被加工物11等を洗浄するための洗浄ユニット58が配置されている。カセットエレベータ6、X軸移動機構10、チャックテーブル14、切削ユニット18、切削ユニット移動機構22、第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、第3流量コントローラ50c、電流値検出ユニット54、撮像ユニット56、洗浄ユニット58等の構成要素には、制御ユニット60が接続されている。
この制御ユニット60は、被加工物11の切削(加工)に必要な一連の工程に合わせて、上述した各構成要素を制御する。また、制御ユニット60には、ユーザインタフェースとなるタッチパネル式のモニタ(報知ユニット)62が接続されている。制御ユニット60の機能の詳細については後述する。
本実施形態に係る加工装置の診断方法では、まず、第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、及び第3流量コントローラ50cが正常に機能しているか否かを判定する際の基準となる閾値を設定する閾値設定ステップを行う。この閾値設定ステップは、制御ユニット60の閾値設定部60aによって遂行される。
具体的には、各ノズルから切削ブレード42に対して所定の流量に調整された加工液を供給しながら、切削ブレード42(スピンドル40)を所定の回転数で空転させて(被加工物11に切削ブレード42を切り込ませずに回転させて)、その時のモータ(回転駆動源)の電流値(負荷電流値)を電流値検出ユニット54で測定する。
より具体的には、例えば、第1流量コントローラ50aが正常に機能していることを確認した上で、第1ノズル46aに供給される加工液を第1流量コントローラ50aによって所定の流量に調整しながら、切削ブレード42を所定の回転数で空転させる。併せて、第2ノズル46b及び第3ノズル46cへの加工液の供給を停止させる。そして、この時のモータの電流値を、電流値検出ユニット54で測定する。
これにより、所定の流量及び所定の回転数に対応するモータの電流値が得られる。なお、所定の流量及び所定の回転数は、任意に設定される。例えば、所定の流量及び所定の回転数として、被加工物11を実際に切削(加工)する際の流量(例えば、0.5L/min〜2.0L/min)及び回転数(例えば、20000rpm〜100000rpm)を用いることができる。
所定の流量及び所定の回転数に対応するモータの電流値が得られた後には、閾値設定部60aは、第1流量コントローラ50aが正常に機能しているか否かを判定するための閾値(上限値及び下限値)を設定する。切削ブレード42(スピンドル40)の回転数や、第1ノズル46aに供給される加工液の流量、電流値検出ユニット54の測定値等には、ある程度の誤差がある。よって、閾値設定部60aは、得られた電流値(負荷電流値)と各種の誤差等とを考慮して閾値を設定する。
例えば、所定の流量を1.5L/minに設定し、所定の回転数を40000rpmに設定した場合に、電流値検出ユニット54で測定される電流値が1.5Aであるとする。各種誤差等の総計が±0.2Aであれば、閾値設定部60aは、1.5A±0.2A(すなわち、1.3A及び1.7A)を閾値として設定する。ただし、閾値の設定方法に特段の制限はなく、他の基準等に沿って閾値を設定することもできる。
同様に、第2流量コントローラ50bが正常に機能していることを確認した上で、第2ノズル46bに供給される加工液を第2流量コントローラ50bによって所定の流量に調整しながら、切削ブレード42を所定の回転数で空転させる。併せて、第1ノズル46a及び第3ノズル46cへの加工液の供給を停止させる。そして、この時のモータの電流値を、電流値検出ユニット54で測定する。
これにより、所定の流量及び所定の回転数に対応するモータの電流値が得られる。所定の流量及び所定の回転数に対応するモータの電流値が得られた後には、閾値設定部60aは、第2流量コントローラ50bが正常に機能しているか否かを判定するための閾値を設定する。
更に、第3流量コントローラ50cが正常に機能していることを確認した上で、第3ノズル46cに供給される加工液を第3流量コントローラ50cによって所定の流量に調整しながら、切削ブレード42を所定の回転数で空転させる。併せて、第1ノズル46a及び第2ノズル46bへの加工液の供給を停止させる。そして、この時のモータの電流値を、電流値検出ユニット54で測定する。
これにより、所定の流量及び所定の回転数に対応するモータの電流値が得られる。所定の流量及び所定の回転数に対応するモータの電流値が得られた後には、閾値設定部60aは、第3流量コントローラ50cが正常に機能しているか否かを判定するための閾値を設定する。
なお、この閾値設定ステップは、加工装置2を実際に使用する際に、オペレータ等(ユーザ)の指示に基づいて行われても良いし、加工装置2の出荷時等に、加工装置2の製造者等の指示に基づいて行われても良い。
閾値設定ステップの後には、例えば、切削ユニット18を用いて被加工物11を切削(加工)する加工ステップを行う。この加工ステップでは、まず、被加工物11の裏面側に貼付されている粘着テープ13をチャックテーブル14の保持面14aに接触させて、吸引源の負圧を作用させる。併せて、クランプ16でフレーム15を固定する。これにより、被加工物11は、表面側が上方に露出した状態で保持される。
次に、例えば、チャックテーブル14を回転させて、対象となる分割予定ラインの延びる方向を加工装置2のX軸方向に合わせる。また、チャックテーブル14及び切削ユニット18を相対的に移動させて、対象となる分割予定ラインの延長線上に切削ブレード42の位置を合わせる。そして、切削ブレード42の下端を被加工物11の表面より低い位置まで移動させる。
その後、切削ブレード42を回転させながらチャックテーブル4をX軸方向に移動させる。併せて、第1ノズル46a、第2ノズル46b、及び第3ノズル46cから、切削ブレード42及び被加工物11に対して加工液を供給する。これにより、対象の分割予定ラインに沿って切削ブレード42を切り込ませ、被加工物11を切削(加工)できる。
加工ステップの後には、例えば、第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、及び第3流量コントローラ50cが正常に機能しているか否かを診断する診断ステップを行う。この診断ステップは、制御ユニット60の診断部60bによって遂行される。
具体的には、各ノズルから切削ブレード42に対して所定の流量に調整された加工液を供給しながら、切削ブレード42(スピンドル40)を所定の回転数で空転させて(被加工物11に切削ブレード42を切り込ませずに回転させて)、その時のモータ(回転駆動源)の電流値(負荷電流値)を電流値検出ユニット54で測定する。そして、測定された電流値を、閾値設定部60aによって設定された閾値と比較する。
より具体的には、例えば、第1ノズル46aに供給される加工液を第1流量コントローラ50aによって所定の流量に調整しながら、切削ブレード42を所定の回転数で空転させる。併せて、第2ノズル46b及び第3ノズル46cへの加工液の供給を停止させる。そして、この時のモータの電流値を、電流値検出ユニット54で測定する。
診断ステップで設定される所定の流量及び所定の回転数は、閾値設定ステップの所定の流量及び所定の回転数に合わせる。すなわち、第1流量コントローラ50aの診断を行う際には、第1流量コントローラ50aの閾値を決定する際に用いた所定の流量及び所定の回転数が採用される。
例えば、測定された電流値が閾値によって決まる範囲内の場合、診断部60bは、第1流量コントローラ50aが正常に機能していると判定する。一方で、測定された電流値が閾値によって決まる範囲外の場合、診断部60bは、第1流量コントローラ50aが正常に機能していない(異常)と判定する。
同様に、第2ノズル46bに供給される加工液を第2流量コントローラ50bによって所定の流量に調整しながら、切削ブレード42を所定の回転数で空転させる。併せて、第1ノズル46a及び第3ノズル46cへの加工液の供給を停止させる。そして、この時のモータの電流値を、電流値検出ユニット54で測定する。
例えば、測定された電流値が閾値によって決まる範囲内の場合、診断部60bは、第2流量コントローラ50bが正常に機能していると判定する。一方で、測定された電流値が閾値によって決まる範囲外の場合、診断部60bは、第2流量コントローラ50bが正常に機能していない(異常)と判定する。
更に、第3ノズル46cに供給される加工液を第3流量コントローラ50cによって所定の流量に調整しながら、切削ブレード42を所定の回転数で空転させる。併せて、第1ノズル46a及び第2ノズル46bへの加工液の供給を停止させる。そして、この時のモータの電流値を、電流値検出ユニット54で測定する。
例えば、測定された電流値が閾値によって決まる範囲内の場合、診断部60bは、第3流量コントローラ50cが正常に機能していると判定する。一方で、測定された電流値が閾値によって定められる範囲外の場合、診断部60bは、第3流量コントローラ50cが正常に機能していない(異常)と判定する。
診断ステップの後には、診断の結果をオペレータ等に報知する報知ステップを行う。この報知ステップは、制御ユニット60の報知部60cによって遂行される。具体的には、例えば、報知部60cは、第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、及び第3流量コントローラ50cの診断の結果をモニタ62に表示させる。
なお、第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、及び第3流量コントローラ50cのいずれかが正常に機能していないと判定された場合にのみ、その旨をモニタ62に表示させるようにしても良い。その他、警告音の発生、警告灯の点灯(点滅)等によって、正常に機能していない旨をオペレータ等に報知することもできる。
以上のように、本実施形態に係る加工装置の診断方法では、正常に機能している第1流量コントローラ(流量調整部)50a、第2流量コントローラ(流量調整部)50b、又は第3流量コントローラ(流量調整部)50cで所定の流量に調整された加工液を供給しつつ切削ブレード42(スピンドル40)を所定の回転数で空転させた時の電流値(負荷電流値)に基づいて予め設定される閾値と、所定の流量の加工液を供給するように第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、又は第3流量コントローラ50cを制御しながら切削ブレード42を所定の回転数で空転させた時の電流値と、を比較するので、第1流量コントローラ50a、第2流量コントローラ50b、又は第3流量コントローラ50cが適切に機能しているか否かを診断できる。
なお、本発明は、上記実施形態等の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、診断の前提となる各流量コントローラ(流量調整部)の使用方法、状態等が大きく変わらない限り、既に設定されている閾値を続けて使用できる。すなわち、閾値設定ステップを何度も行う必要はない。より具体的には、閾値設定ステップは、加工装置の出荷時等にのみ行われても良い。
また、診断ステップを任意のタイミングで行うことができる。例えば、カセット毎に被加工物の切削(加工)を開始する前に診断ステップを行っても良い。すなわち、診断ステップを、必ずしも加工ステップの後に行う必要はない。また、定期的(所定の時間毎)に診断ステップを行うようにしても良い。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
13 粘着テープ(ダイシングテープ)
15 フレーム
2 加工装置
4 基台
4a,4b,4c 開口
6 カセットエレベータ
8 カセット
10 X軸移動機構(加工送りユニット)
10a X軸移動テーブル
12 防塵防滴カバー
14 チャックテーブル(保持テーブル)
14a 保持面
16 クランプ
18 切削ユニット(加工ユニット)
20 支持構造
22 切削ユニット移動機構(割り出し送りユニット)
24 Y軸ガイドレール
26 Y軸移動プレート
28 Y軸ボールネジ
30 Z軸ガイドレール
32 Z軸移動プレート
34 Z軸ボールネジ
36 Z軸パルスモータ
38 スピンドルハウジング
40 スピンドル
42 切削ブレード(砥石工具)
44 ブレードカバー
46a 第1ノズル(加工液供給ユニット)
46b 第2ノズル(加工液供給ユニット)
46c 第3ノズル(加工液供給ユニット)
48a 第1供給路
48b 第2供給路
48c 第3供給路
50a 第1流量コントローラ(流量調整部)
50b 第2流量コントローラ(流量調整部)
50c 第3流量コントローラ(流量調整部)
52 加工液供給源
54 電流値検出ユニット
56 撮像ユニット
58 洗浄ユニット
60 制御ユニット
60a 閾値設定部
60b 診断部
60c 報知部
62 モニタ(報知ユニット)

Claims (2)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該被加工物を加工する砥石工具が装着されモータによって回転するスピンドルを備える加工ユニットと、流量調整部で流量が調整された加工液を該砥石工具に供給する加工液供給ユニットと、該モータの負荷電流値を検出する電流値検出ユニットと、オペレータに装置の情報を提供する報知ユニットと、各構成要素を制御する制御ユニットと、を備える加工装置の診断方法であって、
    該加工ユニットで被加工物を加工する加工ステップと、
    該加工ステップを実施する前、又は該加工ステップを実施した後に、正常に機能している該流量調整部で所定の流量に調整された該加工液を供給しつつ該スピンドルを所定の回転数で空転させた時の該負荷電流値に基づいて予め設定される閾値と、該所定の流量の加工液を供給するように該流量調整部を制御して該加工液を供給しつつ該スピンドルを該所定の回転数で空転させた時の該負荷電流値と、を比較した結果に応じて、該流量調整部を正常又は異常と診断する診断ステップと、
    該診断ステップの診断結果を報知する報知ステップと、を備えることを特徴とする加工装置の診断方法。
  2. 加工ステップ及び診断ステップを実施する前に、該閾値を設定する閾値設定ステップを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の加工装置の診断方法。
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