以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施形態により説明される。本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、実施形態以外の他の実施形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
図1は、実施形態に係る内視鏡保持具の保持対象である内視鏡を備えた内視鏡システムの構成図である。図2は、図1に示される内視鏡10の先端部を拡大して示した斜視図である。図3は、図2に示される先端部からキャップを取り外した状態を示した斜視図である。図4は、図3に示される先端部本体の上面図である。
図1に示されるように、内視鏡システムは、内視鏡10、プロセッサ装置26、光源装置27、及びディスプレイ28を備える。
図1に示される内視鏡10は、例えば十二指腸鏡として用いられる側視内視鏡である。内視鏡10は、操作部14と、操作部14の長手軸線AX1の延長線上に接続される挿入部12と、を備える。挿入部12が被検者体内に挿入される。挿入部12は、先端側から基端側に向って先端部12A、湾曲部12B、軟性部12Cが順に連結されて構成されている。
図2に示されるように、先端部12Aは、先端部本体30と、先端部本体30を覆うキャップ32と、を有している。図3及び図4に示されるように、先端部12Aには、処置具起立台60(以下、単に起立台60とも言う)が設けられる。また、先端部12Aには、観察窓36への送気と送水とを切替可能に行う送気送水ノズル39が設けられる。
操作部14は、操作部材を有する操作部本体18と把持部20とを有している。把持部20は、内視鏡10の操作時に術者が把持する部分である。
操作部14は全体として略円筒形状を有している。操作部本体18の一側面には、湾曲部12Bを湾曲操作する一対の操作ノブ21、21が配置される。一対の操作ノブ21、21は、不図示軸に回転自在に取り付けられる。湾曲部12Bは、操作ノブ21の操作により上下と左右の各々の方向に湾曲する。
また、操作部14の操作部本体18には、送気送水ボタン23と吸引ボタン24とが設けられている。送気送水ボタン23と吸引ボタン24とは、操作ノブ21、21が配置される面(ノブ面18A)とその対向する面(ノブ対向面18B)とを繋ぐ面であって、長手軸線AX1を横切らない面(ボタン面18C)の上に、配置される。また、送気送水ボタン23と吸引ボタン24とは、長手軸線AX1に沿って配置される。
送気送水ボタン23を操作することにより、図2に示される、先端部本体30に設けられた送気送水ノズル39から気体と液体と噴出することができる。また、図1に示される吸引ボタン24を操作することにより、先端部本体30に設けられた処置具導出口(不図示)を兼ねる吸引口から血液等の体液を吸引することができる。
また、図1の操作部本体18の一方の側面には、操作ノブ21、21と同軸上に起立操作レバー22が回転自在に設けられる。起立操作レバー22は、把持部20を把持する術者の手によって回転操作される。起立操作レバー22が回転操作されると、起立操作レバー22の回転操作に連動して操作ワイヤ82が押し引きされる。操作ワイヤ82が起立レバー80を介して起立台60を起立位置と倒伏位置との間で変位させる(図3参照)。
実施形態では、操作ノブ21、起立操作レバー22、送気送水ボタン23、及び吸引ボタン24が、操作部本体18に備えられた操作部材に相当する。ただし、操作部材は、これらに限定されない。
操作部14の操作部本体18には、ユニバーサルケーブル16が備えられる。ユニバーサルケーブル16は、操作部本体18のノブ対向面18Bに接続され、ボタン面18Cに対向する面(ボタン対向面18D)に向かって、長手軸線AX1に略直交する方向に延出する。ユニバーサルケーブル16の先端側には、光源コネクタ16Bが設けられる。光源コネクタ16Bには電気コネクタ16Aが分岐して設けられる。電気コネクタ16Aがプロセッサ装置26に、光源コネクタ16Bが光源装置27に接続される。
実施形態の内視鏡10の挿入部12は、食道から胃を経て十二指腸まで挿入されて、所定の検査又は治療等の処置が行われる。
処置具として、生体組織を採取可能なカップを有する生検鉗子、造影チューブ又はEST(Endoscopic Sphincterotomy:内視鏡的乳頭切開術)用ナイフ等の処置具が使用される。
次に、挿入部12の、起立台60を備える先端部12Aについて説明する。
図2に示されるように、先端部12Aは、先端部本体30と、この先端部本体30を覆うキャップ32と、を有している。キャップ32には、開口窓32Aが形成されている。キャップ32が先端部本体30に装着された状態において、開口窓32Aは後述の起立台収容部40の上面側の開口の位置に重なる。キャップ32は、弾性力のある材質、例えばフッ素ゴムからなる。内視鏡10では、キャップ32は先端部本体30に着脱自在に装着されている。なお、キャップ32をポリスルホン樹脂で形成して先端部本体に接着等によって固定してもよい。
図2に示されるように、先端部12Aには、挿入部12の長手軸方向に対して略平行な平坦面34が設けられる。平坦面34に観察窓36及び照明窓38が設けられる。なお、挿入部12の長手軸方向と操作部14の長手軸線AX1とは、必ずしも一致しない。
観察窓36は、挿入部12の長手軸方向に対して側方(径方向)に存在する被観察部位の画像を取得する観察部の構成要素である。観察窓36は、側方の被観察部位からの被写体光を、観察部の他の構成要素である光学系(結像レンズ等)及び撮像手段に取り込む。照明窓38は、先端部12Aに搭載される照明部の構成要素である。照明窓38は、照明部の他の構成要素である光出射部、即ち、光源装置27からの光を伝搬するライトガイドの終端部に設けられる。照明窓38は、光出射部から出射された照明光を被観察部位に照射する。
図3に示されるように、先端部本体30において、平坦面34の先端部12Aの基端側からみて右側には、第1側壁部42、第2側壁部44、及び基壁部46(図4参照、以下これらをまとめて起立台収納壁部48ともいう)とで囲まれる起立台収容部40が設けられ、起立台収容部40には処置具起立台60(以下、単に起立台60とも言う)が設けられる。起立台収容部40は、挿入部12内を挿通する処置具挿通チャンネルを通じて操作部14の処置具導入口25(図1参照)に連通しており、処置具導入口25から挿入された処置具が処置具導出口(不図示)を介して起立台収容部40に導かれる。
起立台60は、処置具導出口を介して起立台収容部40に導かれた処置具の進行方向を曲げて起立台収容部40の表面側の開口40Aへと向かう方向に案内する。なお、先端部本体30からキャップ32が取り外されると、開口40Aの反対側に裏面側の開口40Bが現われる。
また、起立台60は、操作部14の起立操作レバー22(図1参照)の操作により起立する方向(起立方向)又は倒伏する方向(倒伏方向)に起伏動作(回転)し、処置具導出口を介して起立台収容部40に導かれた処置具の導出方向(導出角度)を変更する。
具体的には、起立台60は、第2側壁部44を隔てて起立レバー80と不図示の回転軸を介して連結される。起立レバー80の先端には、操作ワイヤ82の先端部が連結される。操作ワイヤ82は、挿入部12内を挿通して操作部14の起立操作レバー22に連結される。
これによって、起立操作レバー22の操作により操作ワイヤ82が押し引きされて起立レバー80を介して不図示の回転軸が回転する。回転軸の回転によって起立台60が回転し、起立台60が起伏動作する。なお、回転軸を回転させる起立台起立機構は起立レバー80を操作ワイヤ82により押し引きするものに限らない。
平坦面34の観察窓36の近傍には観察窓36への送気と送水とを切替可能に行う送気送水ノズル39が設けられる。また、挿入部12内において処置具挿通チャンネルには吸引チャンネルが接続されており、操作部14の吸引ボタン24(図1参照)の操作により起立台収容部40の開口40Aを介して処置具導出口(不図示)からの吸引が行われる。
図4に示されるように、起立台60は、起立台本体部60Aと、起立台本体部60Aの基端に連設される回転軸保持部60Bとを含んでいる。
起立台本体部60Aは、起立台収容部40とほぼ同じ幅を有している。その上面部には処置具導出口から導出された処置具を所定方向に案内するための処置具案内面62が設けられている。起立台本体部60Aは、第2側壁部44側に膨らんだ膨出形状を有している。膨出部分の基端側には、基壁部46と所定の隙間を有して対向する後端面92が設けられている。
回転軸保持部60Bは、起立台60の回転軸を保持する部分である。回転軸保持部60Bの一端は起立台本体部60Aに結合される。他端は円弧状の外周面からなる基部端面90を有しており、その内側に起立台60の回転軸が設けられている。
図4に示されるように、起立台収納壁部48によって形成された空間に起立台60が収納された状態において、起立台60と起立台収納壁部48との間に所定のクリアランス(隙間)が設けられているので、起立台60が回転軸回りに回転自在となる。
起立台60の根元部(回転軸保持部60B)や、起立台60の回転軸保持部60Bの基部端面90と起立台収納壁部48との間に形成される隙間部70、及び起立台本体部60Aの後端面92と起立台収納壁部48との間に形成される隙間部72は小さい。また、起立台60の回転軸保持部60Bの基部端面90と起立台収納壁部48との間の隙間部70は、構造上、複雑である。これらの隙間部の汚物を除去するためには、ブラシの毛先を確実に当ててブラッシングを行い、シリンジの先端を確実に差し込んで洗浄液を注入する必要がある。
通常、十二指腸鏡の先端部12Aの開口40Aの開口面は、操作部本体18のボタン面18Cの延長面上にあり、開口40Aの開口面とボタン面18Cとは同じ方向を向いている。操作ノブ21を洗浄槽の開口に向けて、内視鏡10を洗浄槽に置くと、ボタン面18Cは横に向けられ、開口40Aの開口面も横に向けられる。開口40Aの開口面を作業者に向けるには、作業者は手指で先端部12Aを手前、すなわち作業者の方に向けるように捻る必要がある。先端部12Aを捻り続けることは、作業者の負担増、湾曲部への負荷増を招くことになる。先端12Aを、作業者が洗浄しやすいポジションに位置決めできることが望まれている。また、予備洗浄において、起立台収容部40の開口40A又は開口40Bを、作業者に向ける作業が必要である。そのため、起立台60を備える内視鏡の洗浄においては、開口40A又は開口40Bを作業者に向ける作業の軽減が望まれている。
そこで、実施形態の洗浄用の内視鏡保持具は、内視鏡の操作部を保持するホルダーと、ホルダーに連結されるシャフトを回転する回転機構と、回転機構の位置を固定する維持機構と、を備える。ホルダーは、その保持軸線と操作部の長手軸線とを略一致させた状態で、内視鏡の操作部を保持し、ホルダーは位置が固定される。先端部の開口面と、開口面と対向する面が、作業者の希望する方向に向けるため、ホルダーに保持された操作部のボタン面とボタン対向面とが、所定の方向を向くように、ホルダーが固定される。
操作部をホルダーで保持し、回転位置を固定した状態で、作業者が先端部の処置具起立台の周辺等を洗浄する。次に、先端部の開口面と、開口面と対向する面が、作業者の希望する方向に切り換えるため、ホルダーに保持された操作部のボタン面とボタン対向面とが、所定の方向を向くように、回転機構により保持軸線に沿ってシャフトを回転させる。ホルダーに保持された操作部は長手軸線を中心に回転する。回転機構の位置を維持機構により固定することにより、ホルダーの位置を固定できる。その結果、先端部の開口面と、開口面と対向する面を、作業者の希望する方向に向けることができ、かつその状態を保持できるので、起立台周辺の洗浄作業の負担が軽減される。
以下、添付図面にしたがって本発明の実施形態について説明する。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、基本的に、同様の機能を有する同様の要素である。なお、これらの実施形態は、例示の目的のためであり、明細書に記載の内視鏡保持具、及び洗浄装置を限定することを意味するものではない。
<第1実施形態>
以下、図5及び図6を参照しつつ第1実施形態の洗浄用の内視鏡保持具100について説明する。図5は内視鏡保持具100の分解斜視図であり、図6は内視鏡保持具100の斜視図である。
図5に示されるように、内視鏡保持具100は、内視鏡10の操作部14を構成する把持部20を保持するホルダー102を備える(内視鏡10については図1参照)。ホルダー102は、保持軸線AX2に沿うように内視鏡10の操作部14を保持する。ホルダー102は、保持軸線AX2に垂直方向の断面視において、C字型の断面を有する保持部材で構成される。ホルダー102には、保持軸線AX2に沿って延びる開口溝104が形成される。C字型とは、略環状形状の一部が切欠かれた形状を意味する。保持軸線AX2は、略環状形状をホルダー102の略中心を通過する軸線である。ホルダー102は、内視鏡10が保持された際、操作部14の長手軸線AX1と保持軸線AX2が略平行な位置関係となるよう構成される。
ホルダー102を構成する素材は、操作部を安定して保持する限り、特に限定されない。例えば、金属、樹脂、及びゴム等から選択することができる。内視鏡保持具100は洗浄の際に使用されるので、ホルダー102に使用される部材は、洗浄液等に対する耐薬品性を有することが好ましい。
保持軸線AX2の方向に延びるシャフト106が、その一端側において、ホルダー102に直接取り付けられる。直接とは、ホルダー102とシャフト106との間に他の部材(例えばアーム等)を有していないことを意味する。その結果、保持軸線AX2とシャフト106の軸線との距離が短くなる。保持軸線AX2に沿うシャフト106を回転させた場合、ホルダー102が回転移動して描く軌跡が小さくなるので、内視鏡保持具100が全体として小型化できる。シャフト106は棒状の部材であり、後述する回転機構110の回転力をホルダー102に伝達する。シャフト106を構成する素材は、限定されないが、例えば、金属であることが好ましい。
第1固定部材108が、シャフト106のホルダー102と反対側の一端に取り付けられる。第1固定部材108は、例えば、ナットである。
図5に示されるように、内視鏡保持具100は、回転機構110を備える。回転機構110は、シャフト106に回転力を付与することができる部材を意味し、シャフト106に回転力を付与できれば、その構造は限定されない。
実施形態では、回転機構110は、回転軸112と、回転軸112に固定された回転板114とにより構成される。回転板114に周方向の力を加えることにより、回転軸112は回転できる。
回転軸112は棒状の部材であり、回転軸112を構成する素材は、限定されないが、例えば、金属であることが好ましい。回転板114は、円盤状の部材である。回転軸112は、回転板114の平面に対して直交し、かつ回転板114の中心に取り付けられることが好ましい。
回転板114の回転軸112が取り付けられる面と反対面には、第2固定部材116が設けられる。第2固定部材116は、例えば、ボルトである。
第1固定部材108と第2固定部材116とを係合させることにより、回転板114とシャフト106とが固定される。第1固定部材108がボルトで、第2固定部材116がナットであってもよい。第1固定部材108と第2固定部材116とを係合でき、回転板114とシャフト106と固定できれば構造は限定されない。
図5に示されるように、回転板114の回転軸112の取り付けられる面には、2個のピン117が設けられている。ピン117は、実施形態における回転機構の位置を固定する維持機構の一部を構成する。
図6に示されるように、回転機構110の回転板114に周方向の力を加えることにより、回転板114が回転軸112を軸中心として回転する。この回転機構110により、シャフト106が回転板114と同方向に回転する。シャフト106が保持軸線AX2の方向に延びているので、シャフト106は保持軸線AX2と略平行な状態を維持しながら、すなわちシャフト106は保持軸線AX2に沿って回転できる。シャフト106の回転により、ホルダー102がシャフト106を軸中心として同方向に回転する。
次に、図7及び図8を参照して内視鏡保持具100の動作について説明する。図7、及び図8は、洗浄装置1に備えられた第1実施形態の内視鏡保持具100の動作を説明するための図である。以下、動作において、内視鏡10の先端部12Aからキャップ32が取り外された状態での洗浄作業を説明する。
図7に示されるように、洗浄装置1は、洗浄槽200を備える。洗浄槽200は、底面202と、底面202を囲む4つの側面204、206、208、及び210により構成される。底面202に対向する面は洗浄槽200の開口面212である。開口面212を介して内視鏡10を洗浄槽200に出し入れすることができる。
洗浄槽200は、底面202から延びるノズル214と、底面202の設けられた排水口216と、を有していることが好ましい。
側面204には、回転板114に設けられたピン117と係合する2個のバネ部材118が設けられている。バネ部材118は、実施形態における回転機構の位置を固定する維持機構の一部を構成する。なお、バネ部材118を回転板114に、ピン117を側面204に設けることもできる。また、バネ部材118は1個でもよい。ピン117とバネ部材118とは、何れか一方が1個、他方が2個あれば、回転位置を固定できる。
ノズル214から洗浄液、又は水等の液体を洗浄槽200に供給することができる。排水口216は不図示の栓により閉じることができる。栓を閉じることにより、液体を洗浄槽200内に貯留できる。貯留した液体中に内視鏡10を浸漬しながら、内視鏡10を洗浄することができる。また、栓を開けることより、排水口216を介して洗浄槽200内の液体が外部に排出される。洗浄槽200は、トレイであっても、シンクであってもよく、その構造は限定されない。
図7に示されるように、内視鏡保持具100が、洗浄槽200に備えられている。内視鏡保持具100のホルダー102が内視鏡10の把持部20を保持する。作業者が把持部20をホルダー102に保持させる際、挿入部12をホルダー102の開口溝104の間に通すことができる。挿入部12の基端側を開口溝104に通すことにより、把持部20を簡単にホルダー102に保持させることができる。なお、断面視での開口溝104の幅は、挿入部12の直径以上であることが好ましい。
ホルダー102の開口溝104に内視鏡10の挿入部12を通過させることを考慮すると、ホルダー102の開口溝104は、開口面212の方向に向けられていることが好ましい。
図7に示されるように、内視鏡10の操作部14の長手軸線AX1が、保持軸線AX2に略一致するように、ホルダー102が操作部14を保持する。長手軸線AX1と保持軸線AX2とを完全一致させる必要はないが、できるだけ一致させることが好ましい。第1実施形態の保持軸線AX2は、洗浄槽200の底面202と略平行である。
操作部本体18のボタン対向面18Dと底面202とが対向する向きで、把持部20がホルダー102に保持され、ホルダー102の回転位置がピン117とバネ部材118とにより固定される。この状態で操作部14がホルダー102に保持され、固定されると、先端部12Aの起立台収容部(不図示)の開口40Aを、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けることができる。内視鏡保持具100が内視鏡10を保持するので、開口40Aを作業者側に向けるための負担を軽減でき、作業者は洗浄作業に専念できる。作業者は、表面側の開口40Aからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。表面側からの洗浄作業を終えると、作業者は、裏面側への洗浄作業へ移行する。
図8に示されるように、作業者は回転機構110を操作し、シャフト106を保持軸線AX2に沿って回転させる。シャフト106の回転により、ホルダー102が、内視鏡10の把持部20を保持した状態で、180度回転する。ホルダー102の開口溝104が、洗浄槽200の底面202の方向を向く。ホルダー102はC字型の断面を有しているので、ホルダー102は、内視鏡10が底面202に落下しない状態で、内視鏡10を保持できる。また、ピン117とバネ部材118とによりホルダー102の回転位置が固定される。維持機構として、ピン117とバネ部材118とを例示したが、これに限定されず、例えば、軸に設けたピンと切り溝との組み合わせでもよい。
図8に示されるように、操作部本体18のボタン面18Cが底面202に向けられると、起立台収容部の開口40Bを、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けることができる。作業者にとって、起立台収容部40の開口40Bを作業者に向ける負担を軽減することができる。作業者は、裏面側の開口40Bからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。
実施形態では、ホルダー102を180度回転する場合を例示したが、この角度に限定されない。例えば、ホルダー102を90度回転させた場合でも、開口40Bの向きを作業者の側に向けることができ、作業者にとって、起立台収容部の開口40Bを作業者に向ける負担を軽減することができる。
回転機構110の操作は、回転板114に周方向の力を付与することで行われる。回転板114への力の付与の手段は、特に限定されず、力を付与できる限りにおいて、作業者の手であっても、レバーであっても、モーターであってもよい。なお、モーター場合には、180°回転切り替えを制御する構成にすることにより、維持機構を構成できる。
次に、図9を参照して、第1実施形態の変形例の内視鏡保持具100を説明する。上述した第1実施形態と同一の作用を奏する部分には、同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略し、上述の実施形態と異なる点を説明する。
図9は、第1実施形態の内視鏡保持具100の変形例の斜視図である。図9に示されるように、変形例の内視鏡保持具100は、ホルダー120の形状に関して、C字型の断面を有するホルダー102と異なる形状を有している。ホルダー120は、平板状のベース部材121と、ベース部材121から立設する平板状の2つの側壁122とを有する保持部材により構成される。2個の側壁122は、内視鏡10の把持部20(不図示)を安定して保持できる程度、離間され、略平行の位置関係にある。2個の側壁122は、保持軸線AX2に沿うよう、把持部20を保持することができる。保持軸線AX2は、2個の側壁122に略平行で、2つの側壁122の距離の略中間を通過する軸線である。なお、把持部20を保持するため、少なくとも、2個の側壁122があればよい。
ホルダー120は、保持軸線AX2に垂直方向の断面視において、U字型の断面を有する保持部材で構成される。U字型とは、U字型だけでなく略U字形状を含む。例えば、図9とは異なり、ベース部材121が、2個の側壁122の間隔より長く、2個の側壁122より外側に突出する場合でもよい。
ホルダー120を構成するベース部材121と2個の側壁122とは、一体的に形成してもよいし、別部材で構成し接続してもよい。ベース部材121と側壁122を構成する素材は、特に限定されない。例えば、金属、樹脂、及びゴム等から選択することができる。
2個の側壁122の対向面122Aには、それぞれ摩擦付与部122Bが設けられる。摩擦付与部122Bは、内視鏡10の把持部20との摩擦力を大きくするために、設けられる。摩擦付与部122Bにより、ホルダー120が内視鏡10の把持部20を安定して保持することができる。摩擦付与部122Bは、把持部20との摩擦力を大きくすることができれば、特に限定されない。例えば、図9に示されるような、摩擦付与部122Bは、保持軸線AX2に平行な複数の突起で構成される。また、対向面122Aが、摩擦係数の大きな部材で構成されてもよい。
洗浄作業中において、回転機構110の回転動作によりシャフト106が回転し、シャフト106の回転によりホルダー120は、例えば180度回転する。その際、摩擦付与部122Bは、内視鏡10がホルダー120から落下することを防止する。
次に、図10及び図11を参照して、第1実施形態の別の変形例の内視鏡保持具100を説明する。図10は内視鏡保持具100の斜視図であり、図11は内視鏡保持具100を操作部本体18の側から見た斜視図である。
上述した第1実施形態と同一の作用を奏する部分には、同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、上述の実施形態と異なる点を説明する。
図10及び図11に示される内視鏡保持具100は、図9に示される内視鏡保持具100と異なり、操作部本体18に設けられた起立操作レバー22を操作することができる操作機構300を備える。
図10に示されるように、操作機構300は、互いに直交する第1要素302Aと第2要素302BとからなるL字型の部材302を有する。第1要素302Aの延長平面は保持軸線AX2に直交し、第2要素302Bは保持軸線AX2に平行である。操作機構300は、第1要素302Aとホルダー120とが接触する位置に配置される。第2要素302Bには、貫通孔302Cが形成される。ホルダー120とL字型の部材302とを容易に取り付けられるよう、第1要素302Aと側壁122とは、平行な平面であることが好ましい。
操作機構300は、モーター304を備える。モーター304は第2要素302Bに取り付けられる。モーター304の出力軸304Aは、部材302の外から内に向かって貫通孔302Cを通過して延びる。
図11に示されるように、回転板306は、第2要素302Bのモーター304と反対側に配置される。回転板306は、平板で、かつ略扇型の形状を有する。モーター304の出力軸304Aと、扇型の回転板306の中心とが連結される。モーター304は正回転、及び逆回転を切替できる。モーター304を駆動することにより、回転板306は、出力軸304Aを中心として、第2要素302Bに沿って回転移動できる。なお、図11では、理解を容易にするためシャフト106を省略している。
回転板306に、2個の操作部材308が取り付けられる。操作部材308はL字型である。2個の操作部材308の長い部分は、回転板306に略直交するよう取り付けられる。2個の操作部材308の短い部分は、起立操作レバー22を、長手軸線AX1を基準として前後から挟み込む位置に配置される。
モーター304が正回転、又は逆回転に駆動されると、モーター304の回転に応じて回転板306が出力軸304Aを中心に回転移動する。回転板306の力が2個の操作部材308を介して起立操作レバー22に伝えられ、起立操作レバー22が回転操作される。起立操作レバー22が回転操作されると、起立操作レバー22の回転操作に連動して操作ワイヤ82(不図示)が押し引きされる。操作ワイヤ82が、起立レバー80(不図示)を介して起立台60(不図示)を起立位置と倒伏位置との間で変位させる(図3参照)。
内視鏡保持具100に操作機構300を備えることにより、作業者が手で起立操作レバー22を操作する負担が軽減される。
モーター304は、例えば、出力軸304Aのトルク量を監視し、トルク量が一定の基準を超えた際に、出力軸304Aの回転を停止する機能を実行する制御部を備えることが好ましい。制御部は、起立操作レバー22が操作機構300の動作に起因する損傷を受けることを防止できる。
図12は、図11の内視鏡保持具も用いた洗浄作業を説明するための図である。図12に示されるように、操作機構300を備える内視鏡保持具100が、洗浄槽200に設置される。内視鏡保持具100のホルダー102は、内視鏡10の把持部20を保持する。図12の状態では、先端部の起立台収容部の開口(不図示)は作業者OPに向けられる。
操作機構300には、フットペダル310が電気的に接続される。作業者は、フットペダル310を操作することにより、モーター304の回転が、正回転と逆回転との間で切り替えられる。
次に、洗浄作業について説明する。作業者は、内視鏡保持具100に、内視鏡10を保持させる。作業者OPは、ブラシにより、起立台収容部の開口の側から起立台(不図示)の周辺をブラッシングする。さらに、フットペダル310を操作することにより、薬液に浸漬した際、及びブラッシングの際に、手で起立操作レバー22を操作することなく、起立台(不図示)を、起立位置と倒伏位置とを間を変位できる。作業者にとって、洗浄中における起立台の操作する必要がなく、連続して起立台周辺等を洗浄できるので、作業者は洗浄作業を効率的に行うことができる。
表面側の開口からの洗浄を終えると、例えば、操作機構300は、内視鏡保持具100から取り外される。回転機構110を操作することにより、内視鏡10を保持した状態でホルダー102が回転される。作業者は、裏面側の開口(不図示)からブラッシングを行うことができる。なお、操作機構300を内視鏡保持具100から取り外すことにより、ホルダー102を容易に回転することができる。したがって、操作機構300は、内視鏡保持具100に対して着脱自在であることが好ましい。
<第2実施形態>
以下、図13を参照しつつ第2実施形態の洗浄用の内視鏡保持具400について説明する。図13は内視鏡保持具400の斜視図である。第2実施形態の内視鏡保持具400は、第1実施形態の内視鏡保持具100とは異なり、内視鏡10の操作部14を構成する操作部本体18を保持する。
図13に示されるように、内視鏡保持具400は、操作部14の操作部本体18を保持するホルダー402を備える(内視鏡10については図1参照)。ホルダー402は、保持軸線AX2に沿うように操作部14の操作部本体18を保持する。ホルダー402は、保持軸線AX2に沿う溝406が形成された保持板404と、保持板404と離間して配置された2個の爪部408と、保持板404と爪部408とを連結する連結部410とから構成される。
保持板404は板状の部材である。溝406は、連結部410と反対側が開口され、保持板404を貫通する。保持板404の溝406は、操作部本体18に設けられた操作ノブ21を回転自在に支持する軸を受け入れることができる。ホルダー402を構成する保持板404の溝406が操作部本体18の軸を支持するので、ホルダー402は操作部14の操作部本体18を保持することができる。操作ノブ21の軸を溝406に支持させているので、内視鏡保持具400は内視鏡10をより安定して保持できる。また、内視鏡保持具400に内視鏡10を保持させた際、保持板404と内視鏡10のノブ面18Aとが対向する位置に位置決めされるので、保持板404の向きを制御することにより、内視鏡10の向きを容易に制御することができる。
爪部408は略V字型の折り曲げられた形状を有し、折り曲げ部は保持板404に遠ざかる側に位置する。爪部408は変形可能であるので、ホルダー402が操作部本体18を保持した際、爪部408は保持板404に向かう付勢力を操作部本体18に付与できる。
保持板404、爪部408、及び連結部410を構成する素材は、操作部を安定して保持する限り、特に限定されない。例えば、金属、樹脂、及びゴム等から選択することができる。
ホルダー402の保持軸線AX2は、保持板404に平行で、保持板404と爪部408とは略中間を通過する軸線である。内視鏡10を保持した際、保持軸線AX2と長手軸線AX1とは略平行な位置関係となる。
保持板404と反対側に延びるシャフト412が、連結部410に取り付けられている。シャフト412は、連結部410の平面に略直交する。シャフト412はホルダー402に直接取り付けられる。第2実施形態では、保持軸線AX2とシャフト412の軸線とが略一致する。その結果、シャフト412を保持軸線AX2に沿って回転させた場合、ホルダー402が回転移動して描く軌跡が小さくなるので、内視鏡保持具100が全体として小型化できる。
シャフト412には、回転機構を構成する回転板416が固定されている。回転板416は円盤状の部材である。シャフト412は、回転板416の平面に対して直交し、かつ回転板416の中心に固定されることが好ましい。回転板416に周方向の力を加えることにより、シャフト412に回転を付与することができる。シャフト412が回転すると、ホルダー402が回転する。
第2実施形態では、回転板416の囲う筐体418が備えられている。筐体418のホルダー402と対向する面には、シャフト412を通過させる貫通孔418Aが形成される。筐体418の、いわゆる天板部には、回転板416の一部を通過させる開口418Bが形成される。
貫通孔418Aの形成された面であって、筐体418の天板部と反対側には、固定部420が設けられている。固定部420は、内視鏡保持具400を洗浄槽200(不図示)の底面に設置する際の脚部となる。固定部420は、洗浄槽200に着脱自在に固定できるよう、例えば、吸盤、又は磁石等で構成されることが好ましい。
図14、及び図15は、洗浄装置1に備えられた第2実施形態の内視鏡保持具400の動作を説明するための図である。
図14に示されるように、内視鏡保持具400が、洗浄槽200に備えられている。内視鏡保持具400のホルダー402が内視鏡10の操作部本体18を保持する。図14に示されるように、保持板404の溝406に、操作部本体18の操作ノブ21を回転自在に支持する軸(不図示)が嵌め込まれる。筐体418が、筐体418の固定部420により、洗浄槽200の底面202に固定される。
図14に示されるように、内視鏡10の操作部14の長手軸線AX1が、保持軸線AX2に略一致するように、ホルダー402が操作部14を保持する。爪部408(図13参照)が、保持板404の側に付勢するので、操作部14の操作部本体18を安定して保持することができる。操作部14の長手軸線AX1と保持軸線AX2とを完全一致させる必要ないが、できるだけ一致させることが好ましい。第2実施形態の保持軸線AX2は、洗浄槽200の底面202と略平行である。
シャフト412は、保持軸線AX2と直交する方向から見て、操作部14より外側に配置される。操作部14より外側とは、保持軸線AX2と直交する方向から見て、シャフト412が、操作部14の基端に対して挿入部12と反対側にあることを意味する。この構成とすることにより、シャフト412の軸線と保持軸線AX2とを、略一致させることができる。ホルダー402の回転する際に描く軌跡を小さくすることができる。
回転板416の洗浄槽200の側面204に対向する面には2個のピン422が設けられている。側面204にバネ部材424が設けられている。
操作部本体18のボタン対向面18Dと底面202とが対向する向きで、操作部本体18はホルダー402に保持され、ホルダー402の回転位置がピン422とバネ部材424とにより固定される。この状態で操作部14がホルダー402に保持されると、先端部12Aの起立台収容部の開口40Aを、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けることができる。内視鏡保持具400が内視鏡10を保持するので、開口40Aを作業者側に向けるための負担を軽減でき、作業者は洗浄作業に専念できる。作業者は、表面側の開口40Aからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。表面側からの洗浄作業を終えると、作業者は、裏面側への洗浄作業へ移行する。
図15に示されるように、作業者は、回転機構である回転板416を回転操作し、シャフト412を保持軸線AX2に沿って回転させる。シャフト412の回転により、ホルダー402が、内視鏡10の操作部本体18を保持した状態で、180度回転する。操作部本体18のボタン面18Cが底面202に向けられる。ピン422とバネ部材424とによりホルダー402の回転位置が固定される。爪部408が、保持板404(図14参照)の側に付勢するので、操作部14の操作部本体18を安定して保持することができ、内視鏡10が落下しないよう保持される。起立台収容部の開口40Bは、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けられる。作業者にとって、起立台収容部の開口40Bを作業者に向ける負担を軽減することができる。作業者は、裏面側の開口40Bからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。
回転板416の操作は、回転板416に周方向の力を付与することで行われる。回転板416への力の付与手段は、特に限定されず、力を付与できる限りにおいて、作業者の手であっても、モーターであってもよい。モーターの場合、回転板416を備えず、モーターによりシャフト412を直接駆動してもよい。
第2実施形態の内視鏡保持具400は、洗浄槽200に着脱自在の筐体418を備えている。洗浄終了後に、内視鏡保持具400は、洗浄槽200から容易に取り外すことができる。
<第3実施形態>
以下、図16及び図17を参照しつつ第3実施形態の洗浄用の内視鏡保持具500について説明する。図16は、洗浄装置に備えられた第3実施形態の内視鏡保持具の動作を説明するための図である。図17は、洗浄装置に備えられた第3実施形態の内視鏡保持具の動作を説明するための図である。第3実施形態の内視鏡保持具500は、第1実施形態の内視鏡保持具100とは異なり、内視鏡10の操作部14を構成する操作部本体18を保持する。
図16に示されるように、内視鏡保持具500は、操作部14の操作部本体18を保持するホルダー502を備える(内視鏡10については図1参照)。ホルダー502は、互いに直交する第1要素504Aと第2要素504Bとを含む保持板504で構成される。第1要素504Aと第2要素504Bとは板状の部材である。第1要素504Aと第2要素504Bとは、一体的に形成してもよいし、別部材で構成し接続してもよい。第1要素504Aと第2要素504Bの素材は、特に限定されないが、例えば、金属、樹脂、及びゴム等から選択することができる。
第1要素504Aには、保持軸線AX2に沿う溝506が形成されている。溝506は、第2要素504Bと反対側が開口され、第1要素504Aを貫通する。
第2要素504Bには、第1要素504Aと反対側に延びるシャフト508が取り付けられている。シャフト508は、第2要素504Bの平面に対し略直交し、第2要素504Bの略中心に取り付けられる。シャフト508は保持板504に直接取り付けられる。第3実施形態では、保持軸線AX2とシャフト508の軸線とを近づけることができる。その結果、シャフト508を保持軸線AX2に沿って回転させた場合、ホルダー502が回転移動して描く軌跡が小さくなるので、内視鏡保持具500が全体として小型化できる。
固定部510が、シャフト508の保持板504と反対側の一端に設けられる。固定部510は、内視鏡保持具500を洗浄槽200の底面202に設置する際の脚部となる。固定部510は、洗浄槽200に着脱自在に固定できるよう、例えば、吸盤、又は磁石等で構成されることが好ましい。
第3実施形態の保持軸線AX2は、洗浄槽200の底面202に略垂直で、シャフト508の軸線に対して第1要素504Aを挟んで反対側に位置する。第3実施形態では内視鏡10は、操作部14の長手軸線AX1と保持軸線AX2とが略平行になるよう、ホルダー502に保持される。
第3実施形態では、保持板504に、シャフト508の軸周り方向の力を付与することにより、保持板504がシャフト508に沿って回転できる。したがって、ホルダー502を構成する保持板504が回転機構として機能を備えている。
また、第3実施形態では、拡大図に示されるように、シャフト508には、周方向に2個のピン508Aが設けられている。固定部510には、シャフト508を受け入れる筒状部材511が設けられる。筒状部材511には、その軸線方向に平行な2個の切り溝511Aが設けられる。ピン508Aは切り溝511Aに嵌め込むことができる。ピン508Aが切り溝511Aに嵌め込まれると、保持板504の回転位置が固定される。実施形態では、ピン508Aを備えるシャフト508と、切り溝511Aを有する筒状部材511とにより、回転位置を固定する維持機構が構成される。
また、別の態様として、回転機構として不図示のモーター等をシャフト508と連結することにより、シャフト508を回転でき、かつモーターを停止することにより回転位置を固定することができる。
第3実施形態では、シャフト508が、保持軸線AX2と直交する方向から見て、操作部14の側に配置される。操作部14の側とは、保持軸線AX2と直交する方向から見て、シャフト508が、操作部14の基端に対して挿入部12と同方向側であることを意味する。
次に、洗浄作業について説明する。図16に示されるように、内視鏡10の操作部本体18の操作ノブ21を回転自在に支持する軸(不図示)を溝506に差し込む。その際、操作部本体18のケーブル面(不図示)が、洗浄槽200の側面204と対向する位置に配置する。この状態で内視鏡10の操作部14がホルダー502に保持され、ピン508Aと切り溝511Aとにより保持板504の回転位置が固定されると、先端部12Aの起立台収容部の開口40Aを、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けることができる。作業者は、表面側の開口40Aからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。表面側からの洗浄作業を終えると、作業者は、裏面側への洗浄作業へ移行する。
作業者は、保持板504を持ち上げて、ピン508Aを切り溝511Aから抜く。保持板504を回転操作し、シャフト508を回転させる。内視鏡10の操作部本体18を保持した状態でホルダー502が180度回転する。操作部本体18のボタン面18Cが側面204に向けられる。保持板504を降ろして、ピン508Aを切り溝511Aに嵌め込む。図17に示されるように、保持板504の回転位置が固定される。起立台収容部の開口40Bは、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けられる。作業者は、裏面側の開口40Bからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。
第3実施形態の内視鏡保持具500は、洗浄槽200に着脱自在の固定部510を備えている。洗浄終了後に、内視鏡保持具500は、洗浄槽200から容易に取り外すことができる。
<その他の形態>
次に、第1実施形態乃至第3実施形態とは異なる、洗浄用の内視鏡保持具について図18乃至図25を参照して説明する。
図18に示されるように、内視鏡保持具600は、平板状のベース部材601と、ベース部材601の一の面から立設する平板状の2つの側壁602と、ベース部材601の他の面に設けられた固定部604と、を備える。2個の側壁602は、内視鏡10の把持部20を安定して保持できる程度離間され、略平行の位置関係にある。
固定部604は、内視鏡保持具600を洗浄槽200の底面202に設置する際の脚部となる。固定部604は、洗浄槽200に着脱自在に固定できるよう、例えば、吸盤、又は磁石等で構成されることが好ましい。
また、2個の側壁602の対向面602Aには、摩擦付与部602Bを設けることが好ましい。内視鏡保持具600は、内視鏡10の把持部20を安定して保持できる。
次に、洗浄作業について説明する。図19に示されるように、作業者は、内視鏡保持具600を固定部604により、底面202に固定し、次いで、内視鏡10の把持部20を、2個の側壁602の間に挿入する。その際、操作部本体18のボタン対向面18Dが底面202を向くように、内視鏡10は内視鏡保持具600に保持される。この状態では、先端部12Aの起立台収容部の開口40Aを、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けることができる。作業者は、表面側の開口40Aからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。表面側からの洗浄作業を終えると、作業者は、裏面側への洗浄作業へ移行する。
次に、作業者は、内視鏡10の把持部20を2個の側壁602の間から抜き取る。作業者が、手で内視鏡10を長手軸線AX1に沿って180度回転し、図20に示されるように、内視鏡10の把持部20を、2個の側壁602の間に挿入する。
その際、操作部本体18のボタン面18Cが底面202を向くように、内視鏡10は内視鏡保持具600に保持される。起立台収容部(不図示)の開口40Bは、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けられる。作業者は、裏面側の開口40Bからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。
さらに、内視鏡保持具600に、起立操作レバー(不図示)を操作する操作機構300(図10、及び図11参照)を設けることが好ましい。
図21に示されるように、内視鏡保持具700は、平板状のベース部材701と、ベース部材701の一の面から立設する平板状の2つの側壁702と、ベース部材701の他の面に設けられた固定部704と、を備える。を備える。2個の側壁702は、内視鏡10の操作部本体18(不図示)が通過できる程度離間され、略平行の位置関係にある。2個の側壁702には、それぞれ、溝703が形成されている。溝703は、ベース部材701と反対側が開口され、側壁702を貫通する。側壁702の溝703は、操作部本体18に設けられ、操作ノブ21を回転自在に支持する軸(不図示)を受け入れることができる。
固定部704、内視鏡保持具700を洗浄槽200の底面202に設置する際の脚部となる。固定部704は、洗浄槽200に着脱自在に固定できるよう、例えば、吸盤、又は磁石等で構成されることが好ましい。
また、2個の側壁702の対向面702Aには、摩擦付与部702Bを設けることが好ましい。内視鏡保持具700は、内視鏡10の操作部14を安定して保持できる。
次に、洗浄作業について説明する。図22に示されるように、作業者は、内視鏡保持具700を底面202に設置し、次いで、内視鏡10の操作部本体(不図示)の軸を、溝703に挿入する。その際、操作部本体18のケーブル面(不図示)が底面202を向くように、内視鏡10は内視鏡保持具700に保持される。この状態では、先端部12Aの起立台収容部の開口40Aを、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けることができる。作業者は、表面側の開口40Aからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。表面側からの洗浄作業を終えると、作業者は、裏面側への洗浄作業へ移行する。
次に、作業者は、内視鏡10の操作部本体18を側壁702の溝703から抜き取る。作業者が、手で内視鏡10を長手軸線AX1に沿って180度回転し、図23に示されるように、内視鏡10の操作部本体18の軸を、側壁702の溝703に挿入する。
その際、操作部本体18(不図示)のボタン面(不図示)が底面202を向くように、内視鏡10は内視鏡保持具700に保持される。起立台収容部の開口40Bは、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けられる。作業者は、裏面側の開口40Bからブラシ150の毛を入れ、起立台60の周辺等をブラッシングする。
図24に示されるように、内視鏡保持具800は、互いに直交する第1要素802Aと第2要素802BとからなるL字型のベース部材802を有する。第1要素802Aと第2要素802Bとは、板状の部材である。第1要素802Aの表面には保持部材803が設けられる。保持部材803は、角筒状の形状を有する。保持部材803の空洞は、第1要素802Aに沿って延び、保持部材803を貫通する。保持部材803には、空洞に沿って開口溝804が設けられている。
第1要素802Aの第2要素802Bと反対の端面には固定部805が設けられている。第2要素802Bの平面であって、第1要素802Aの側に固定部806が設けられている。固定部805、及び固定部806は、内視鏡保持具800の洗浄槽に設置するための脚部となる。固定部805、及び固定部806は、洗浄槽に着脱できるように吸盤、又は磁石等であることが好ましい。
次に、洗浄作業について説明する。図25に示されるように、作業者は、内視鏡保持具800を、固定部805により第1要素802Aを底面202に固定し、固定部806により第2要素802Bを側面204の縁に固定することにより、内視鏡保持具800を洗浄槽200に設置する。次いで、内視鏡10の挿入部12を、開口溝804の間を、通過させる。保持部材803の空洞に、内視鏡10の把持部20を挿入する。その際、操作部本体18のボタン対向面18Dが側面204を向くように、内視鏡10は内視鏡保持具800に保持される。この状態では、先端部12Aの起立台収容部の開口(不図示)を、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けることができる。作業者は、表面側の開口からブラシ(不図示)の毛を入れ、起立台(不図示)の周辺等をブラッシングする。表面側からの洗浄作業を終えると、作業者は、裏面側への洗浄作業へ移行する。
図示しないが、他の形態と同様に、作業者は、内視鏡10の把持部20を保持部材803から抜き取る。作業者が、手で内視鏡10を長手軸線AX1に沿って180度回転し、内視鏡10の把持部20を、保持部材803の空洞に挿入する。
その際、操作部本体18のボタン面18Cが側面204を向くように、内視鏡10は内視鏡保持具800に保持される。起立台収容部の開口は、洗浄槽200の開口面212に、すなわち作業者に向けられる。作業者は、裏面側の開口からブラシの毛を入れ、起立台の周辺等をブラッシングする。
洗浄を終了すると、内視鏡保持具800が、洗浄槽200から取り外すことができる。
本発明の実施形態について、第1実施形態乃至第3実施形態に基づいて説明した。しかし、これらの実施形態に限定されず、他の組み合わせを実施することができる。例えば第2実施形態に示される筐体418を、第1実施形態に内視鏡保持具100に適用することができる。本発明を逸脱しない限りにおいて、他の組み合わせが許容される。