JP6897064B2 - 軸受異常診断方法および診断システム - Google Patents
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Description
(1)軸受を支持する軸受ハウジングに、該軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサを取り付け、該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づいて前記軸受の異常の有無を診断し、異常ありの場合に当該異常の部位を特定し、異常ありと診断した場合には、当該異常ありと診断した際の振動加速度信号にて示される所定の振動パターンが連続して現れるか否かに基づいて、前記特定した部位における異常の種類を判別し、
前記軸受はラジアル形ころ軸受であり、
前記異常の種類として、ラジアル方向における傷の発生、または、アキシャル方向における傷の発生が判別されることを特徴とする軸受異常診断方法。
(2)軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられ、軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサと、
該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づいて前記軸受の異常の有無を診断し、異常ありの場合に当該異常の部位を特定する診断部と、
該診断部にて異常ありと診断された場合に、前記異常ありと診断した際の振動加速度信号にて示される所定の振動パターンが連続して現れるか否かに基づいて、前記診断部にて特定した部位における異常の種類を判別する異常判別部と、
を備え、
前記軸受はラジアル形ころ軸受であり、
前記異常判別部は、前記異常の種類として、ラジアル方向における傷の発生、または、アキシャル方向における傷の発生を判別することを特徴とする軸受異常診断システム。
また、一つの振動加速度信号で複数種の診断を行うことができるため、センサ数、入力Ch、信号入力回路の削減に伴う省消費電流、装置コンパクト化、コスト低減効果が得られる。
なお、診断部21及び異常判別部22は、診断装置20を構成する。
なお、ボルト固定の場合には、回り止め機能を備えるようにしてもよい。また、振動加速度センサ12を樹脂材によってモールドすることで、水分の浸入を防止することができ、さらに外部からの加振に対する防振性が向上するため、センサ自体の信頼性を飛躍的に向上することができる。
図2に示すように、診断装置20は、データ収集・分配部211、回転分析部212、フィルタ処理部213、振動分析部214、比較判定部215、内部メモリ216、及び異常判定部23を有して構成される。データ収集・分配部211、回転分析部212、フィルタ処理部213、振動分析部214、比較判定部215及び内部メモリ216は、主に診断部21を構成する。
なお、この診断装置20は、マイクロコンピュータで構成されており、即ち、このマイクロコンピュータ内に記録保持されたプログラムが実行されることにより、データ収集・分配部211等の各処理部は以下のような各処理を実行することになる。
なお、A/D変換器を振動加速度センサ12に一体化される構成とし、前述のデータ伝送手段13を介してデジタル信号を受信するようにしてもよい。
なお、軸受損傷理論周波数の算出は、以前に同様の診断を行っている場合は、内部メモリ216に記憶しておいた過去のデータを用いてもよい。
また、転がり軸受11の回転速度を検出する回転速度検出手段(図示せず)が、内輪111に取り付けられたエンコーダと、外輪112に取り付けられた磁石または磁気検出素子と、により構成される場合は、出力信号がエンコーダの形状と回転速度に応じたパルス信号となる。このため、回転分析部212は、エンコーダの形状に応じた所定の変換関数、又は変換テーブルを有し、パルス信号から内輪111の回転速度を算出する。
なお、被測定物が転がり軸受11の場合には、内輪111、外輪112、転動体113、軸受ハウジング10等のいずれかに起因する固有振動数が与えられることになる。一般的に、機械部品の固有振動数は複数存在し、固有振動数における振幅レベルは高くなるので測定の感度がよい。
振動分析部214は、FFTを行う前処理として、絶対値化処理やエンベロープ処理を行い、異常の診断に必要な周波数成分のみに変換してもよい。また、必要に応じて、エンベロープ処理後のスペクトルデータ(エンベロープ周波数スペクトル)も併せて比較判定部215に出力する。
なお、図5において、fは周波数(Hz)、Gは加速度(m/s2)である。
一方、振動分析部214にて得られたスペクトルデータが、例えば図5(c)に見られるように、転動体通過振動が検知されないものである場合には、軸受11には異常がないと診断する。
例えば、軸受11がラジアル形ころ軸受である場合には次のように判断する。
例えば図5(d)に見られるような転動体通過振動が連続して現れる場合、ラジアル方向に傷が発生している(例えば外輪軌道面に剥離が発生している)と判別する。なお、この場合の振動加速度センサ12からの出力信号(実測データ)は例えば図5(g)に示すようになる。
一方、例えば図5(e)および(f)に見られるように、転動体通過振動が連続しては現れず、例えばアキシャル荷重がかかったときなどに転動体通過振動が現れる場合、すなわち図5(e)に示す状態と(f)に示す状態とが交互に現れるような場合には、アキシャル方向に傷が発生している(例えば、ころ頭面、つば面に傷が発生している)と判別する。なお、この場合の振動加速度センサ12からの出力信号(実測データ)は例えば図5(h)に示すようになる。
また、信号のデータ伝送手段13、31は、的確に信号を送受信可能であればよいので、有線でも良いし、ネットワークを考慮した無線を利用してもよい。
異常なしの場合には、ステップS1に戻る。これにより、軸受11の状態を常時監視することができる。
(a) 軸受11を支持する軸受ハウジング10の振動加速度を検出する振動加速度センサ12の振動加速度信号に基づいて軸受11の異常の有無を診断し、異常ありと診断した場合には、その異常の発生頻度を確認することで異常の種類を判別するので、同一信号に基づいて異常の有無および種類を診断することが可能となる。すなわち、同一信号に基づいて簡単に複数の異なる診断を行うことが可能になる。
(b) 一つの振動加速度信号で複数種の診断を行うことができるため、センサ数、入力Ch、信号入力回路の削減に伴う省消費電流、装置コンパクト化、コスト低減効果が得られる。
例えば、帯域設定値や診断指標、対応する故障の数は上記実施形態の限りではなく,対象の軸受、検知したい故障や診断条件、要求仕様等によって都度最適設定することができる。
また、本発明の軸受異常診断方法ないし診断システムは、自動車、鉄道車両、工作機械、風力発電装置、エレベータ装置などの機械設備に適用可能である。
また、本実施形態では、内輪回転の場合の転がり軸受の異常を診断する場合について主として説明したが、本発明の軸受異常診断方法ないし診断システムは、外輪回転の転がり軸受の状態を監視するものにも適用可能である。
11 転がり軸受(軸受)
12 振動加速度センサ
20 診断装置
21 診断部
22 異常判別部
Claims (3)
- 軸受を支持する軸受ハウジングに、該軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサを取り付け、該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づいて前記軸受の異常の有無を診断し、異常ありの場合に当該異常の部位を特定し、異常ありと診断した場合には、当該異常ありと診断した際の振動加速度信号にて示される所定の振動パターンが連続して現れるか否かに基づいて、前記特定した部位における異常の種類を判別し、
前記軸受はラジアル形ころ軸受であり、
前記異常の種類として、ラジアル方向における傷の発生、または、アキシャル方向における傷の発生が判別されることを特徴とする軸受異常診断方法。 - 前記所定の振動パターンは、前記軸受の構成および動作条件の少なくとも一方に基づいて規定される、転動体通過振動周波数、転動体公転周波数、または転動体回転周波数のいずれかに基づくことを特徴とする請求項1に記載の軸受異常診断方法。
- 軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられ、軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサと、
該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づいて前記軸受の異常の有無を診断し、異常ありの場合に当該異常の部位を特定する診断部と、
該診断部にて異常ありと診断された場合に、前記異常ありと診断した際の振動加速度信号にて示される所定の振動パターンが連続して現れるか否かに基づいて、前記診断部にて特定した部位における異常の種類を判別する異常判別部と、
を備え、
前記軸受はラジアル形ころ軸受であり、
前記異常判別部は、前記異常の種類として、ラジアル方向における傷の発生、または、アキシャル方向における傷の発生を判別することを特徴とする軸受異常診断システム。
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