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JP6881182B2 - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、エンジンとモータと蓄電装置とを備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンとモータと二次電池とを備え、二次電池の目標充電率に基づいてエンジンおよびモータを制御することにより二次電池の充電率を制御するハイブリッド自動車において、予測走行経路(経路案内を行なう経路)における自車の進行方向に渋滞区間を検出したときには、渋滞区間の開始地点よりも手前の地点で二次電池の目標充電率を基本目標充電率からそれよりも高い特殊目標充電率に変更し、その後に、渋滞区間の終了地点で二次電池の目標充電率を特殊目標充電率から基本目標充電率に戻すものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、こうした制御により、渋滞区間でもエンジンを積極的に駆動することになる。これにより、渋滞区間で、二次電池の充電率が下限値に到達するのを抑制し、二次電池の強制充電が生じるのを抑制している。
特開2017−124719号公報
上述のハイブリッド自動車では、渋滞情報の更新頻度や精度が低い場合には、渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点まで、実際には渋滞が解消しているにも拘わらずに、二次電池の目標充電率を特殊目標充電率で保持し、エンジンを積極的に駆動するのを継続することがある。エンジンの運転頻度や運転時の燃料消費量が多いと、車両のエネルギ効率の低下につながる。
本発明のハイブリッド自動車は、車両のエネルギ効率の向上を図ることを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、
前記エンジンの出力軸に接続されたモータと、
前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
走行予定ルートのルート案内を行なうと共に、渋滞情報に基づいて前記走行予定ルートに渋滞区間が含まれると判定したときには、自車が前記渋滞区間の開始地点よりも手前の地点を通過してから前記渋滞区間の終了地点を通過するまで、前記走行予定ルートに前記渋滞区間が含まれないと判定したときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が高くなるように前記エンジンおよび前記モータを制御する渋滞用充電制御を実行する制御装置と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記渋滞用充電制御の実行中に前記渋滞区間内の前方車両の車速が所定車速以上のときには、前記渋滞用充電制御の実行を終了する、または、前記渋滞用充電制御として前記前方車両の車速が前記所定車速未満のときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御する、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、走行予定ルートのルート案内を行なうと共に、渋滞情報に基づいて走行予定ルートに渋滞区間が含まれると判定したときには、自車が渋滞区間の開始地点よりも手前の地点を通過してから渋滞区間の終了地点を通過するまで、走行予定ルートに渋滞区間が含まれないと判定したときに比して蓄電装置の蓄電割合が高くなるようにエンジンおよびモータを制御する渋滞用充電制御を実行する。こうした制御を行なうものにおいて、渋滞用充電制御の実行中に渋滞区間内の前方車両の車速が所定車速以上のときには、渋滞用充電制御の実行を終了する、または、渋滞用充電制御として前方車両の車速が所定車速未満のときに比して蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御する。ここで、「所定車速」は、渋滞が解消しているか否かを判断するための閾値である。こうした制御により、渋滞用充電制御の実行中に前方車両の車速が所定車速以上のときには、渋滞が解消していると判断し、自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過していなくても、渋滞用充電制御の実行を終了したり、渋滞用充電制御として前方車両の車速が所定車速未満のときに比して蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御したりすることになる。これにより、渋滞が解消しているにも拘わらずに自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過するまで一律の渋滞用充電制御を実行するものに比して、エンジンの運転頻度や運転時の燃料噴射量を早期に低減することができる。この結果、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。ここで、「渋滞区間内の前方車両」としては、1台の車両であるものとしてもよいし、複数の車両であるものとしてもよい。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記渋滞用充電制御の実行中に、前記前方車両の車速が前記所定車速以上の状態での前記自車の走行距離が前記自車と前記前方車両との距離以上のときに、前記渋滞用充電制御の実行を終了する、または、前記渋滞用充電制御として前記前方車両の車速が前記所定車速未満のときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御するものとしてもよい。こうすれば、渋滞が解消しているか否かをより適切に判断することができる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記渋滞用充電制御の実行中に、前記前方車両の車速が前記所定車速以上のとき、および/または、前記自車の車速が第2所定車速以上の状態が所定時間に亘って継続したときには、前記渋滞用充電制御の実行を終了する、または、前記渋滞用充電制御として前記前方車両の車速が前記所定車速未満のときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御するものとしてもよい。こうすれば、渋滞が解消しているか否かをより適切に判断することができる。
さらに、本発明のハイブリッド自動車では、前記制御装置は、前記渋滞用充電制御の実行として、前記渋滞用充電制御を実行しないときに比して、前記エンジンの始動用閾値を小さくすると共に前記バッテリの充電電力が大きくなるように前記エンジンおよび前記モータを制御することにより、前記蓄電装置の蓄電割合が高くなるようにするものとしてもよい。
本発明の変形例のハイブリッド自動車は、
エンジンと、
前記エンジンの出力軸に接続されたモータと、
前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
走行予定ルートのルート案内を行なうと共に、渋滞情報に基づいて前記走行予定ルートに渋滞区間が含まれると判定したときには、自車が前記渋滞区間の開始地点よりも手前の地点を通過してから前記渋滞区間の終了地点を通過するまで、前記走行予定ルートに前記渋滞区間が含まれないと判定したときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が高くなるように前記エンジンおよび前記モータを制御する渋滞用充電制御を実行する制御装置と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記渋滞用充電制御の実行中に、前記自車の車速が所定車速以上の状態が所定時間に亘って継続しているときには、前記渋滞用充電制御の実行を終了する、または、前記渋滞用充電制御として前記自車の車速が所定車速以上の状態が所定時間に亘って継続していないときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の変形例のハイブリッド自動車では、走行予定ルートのルート案内を行なうと共に、渋滞情報に基づいて走行予定ルートに渋滞区間が含まれると判定したときには、自車が渋滞区間の開始地点よりも手前の地点を通過してから渋滞区間の終了地点を通過するまで、走行予定ルートに渋滞区間が含まれないと判定したときに比して蓄電装置の蓄電割合が高くなるようにエンジンおよびモータを制御する渋滞用充電制御を実行する。こうした制御を行なうものにおいて、渋滞用充電制御の実行中に、自車の車速が所定車速以上の状態が所定時間に亘って継続しているときには、渋滞用充電制御の実行を終了する、または、渋滞用充電制御として自車の車速が所定車速以上の状態が所定時間に亘って継続していないときに比して蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御する。ここで、「所定車速」および「所定時間」は、渋滞が解消しているか否かを判定するための閾値である。こうした制御により、渋滞用充電制御の実行中に、自車の車速が所定車速以上の状態が所定時間に亘って継続しているときには、渋滞が解消していると判断し、自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過していなくても、渋滞用充電制御の実行を終了したり、渋滞用充電制御として自車の車速が所定車速以上の状態が所定時間に亘って継続していないときに比して蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御したりすることになる。これにより、渋滞が解消しているにも拘わらずに自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過するまで一律の渋滞用充電制御を実行するものに比して、エンジンの運転頻度や運転時の燃料噴射量を早期に低減することができる。この結果、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 通常用充放電要求パワー設定マップの一例を示す説明図である。 HVECU70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 渋滞用充放電要求パワー設定マップの一例を示す説明図である。 変形例の処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、蓄電装置としてのバッテリ50と、ナビゲーション装置90と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されており、ダンパ28を介してプラネタリギヤ30のキャリヤに接続されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrなどが入力ポートから入力されている。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、上述したように、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。電力ライン54には、平滑用のコンデンサ57が取り付けられている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサ45u,45v,46u,46vからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や角速度ωm1,ωm2,回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に取り付けられた電圧センサ51aからのバッテリ50の電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。
ナビゲーション装置90は、地図情報などが記憶されたハードディスクなどの記憶媒体や入出力ポート、通信ポートを有する制御部が内蔵された本体92と、自車の現在地に関する情報を受信するGPSアンテナ94aと、情報センターなどの車外システムから渋滞情報や規制情報、災害情報などを受信するVICS(登録商標)アンテナ94bと、自車の現在地に関する情報や目的地までの走行予定ルートなどを表示すると共に操作者による指示を入力可能なタッチパネル式のディスプレイ96と、を備える。ここで、地図情報には、サービス情報(例えば、観光情報や駐車場など)や予め定められている各走行区間(例えば、信号機間や交差点間など)の道路情報などがデータベース化されて記憶されており、道路情報には、距離情報や、幅員情報、車線数情報、地域情報(市街地、郊外)、種別情報(一般道路、高速道路)、勾配情報、法定速度、信号機の数などが含まれる。ナビゲーション装置90は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52、ナビゲーション装置90と通信ポートを介して接続されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)や、エンジン22の運転を停止して走行する電動走行モード(EV走行モード)で走行する。
HV走行モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に要求される要求トルクTd*を設定し、設定した要求トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて駆動軸36に要求される要求パワーPd*を計算する。続いて、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいてバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を設定し、要求パワーPd*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*を減じてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する。バッテリ50の充放電要求パワーPb*は、基本的には(後述の渋滞用充電制御を実行しないときには)、図2の通常用充放電要求パワー設定マップと要求パワーPd*とに基づいて、負の値Pch(例えば、−数kWなど)以上で且つ正の値Pdis(例えば、+数kWなど)以下の範囲内で、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S1(例えば、50%など)以上で且つ値S2(例えば、60%など)以下の制御範囲内になると共にエンジン22を効率よく運転できるように(要求パワーPe*がエンジン22を効率よく運転できる値となるように)設定するものとした。具体的には、充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S1よりも小さい値S3(例えば、45%など)よりも大きく且つ値S2よりも大きい値S4(例えば、65%など)よりも小さい範囲内のときには、図2の通常用充放電要求パワー設定マップのハッチングを付した範囲内でエンジン22を効率よく運転できるように設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S3以下の範囲内のときには値Pchを設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S4以上の範囲内のときには値Pdisを設定するものとした。
そして、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に要求トルクTd*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の運転制御(吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御など)を行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにモータMG1,MG2の駆動制御を行なう(具体的には、インバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう)。
このHV走行モードでは、バッテリ50の蓄電割合SOCが上述の値S3よりも小さい閾値Sref(例えば、40%など)よりも大きく且つ要求パワーPe*が閾値Pref未満に至ったときなどエンジン22の停止条件が成立したときに、エンジン22の運転を停止してEV走行モードに移行する。閾値Prefは、基本的には(後述の渋滞用充電制御を実行しないときには)、値P1(例えば、10kWなど)を用いるものとした。
EV走行モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTd*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に要求トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。そして、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるモータMG1,MG2の駆動制御については上述した。
このEV走行モードでは、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Sref以下に至ったときやHV走行モードと同様に計算した要求パワーPe*が閾値Pref以上に至ったときなどエンジン22の始動条件が成立したときに、エンジン22を始動してHV走行モードに移行する。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、ナビゲーション装置90は、運転者により目的地が設定されたときには、地図情報と自車の現在地と目的地とに基づいて自車の現在地から目的地までの推奨ルートを検索し、検索した推奨ルートを走行予定ルートとしてディスプレイ96に出力してルート案内を行なう。また、走行予定ルートの走行中に、自車が走行予定ルートから外れたときには、自車の現在地から目的地までの推奨ルートを再検索し、走行予定ルートを再検索前の推奨ルートから再検索した推奨ルートに変更してルート案内を行なう。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、ナビゲーション装置90により目的地までの走行予定ルートのルート案内を行なっているときの動作について説明する。図3は、このときにHVECU70により繰り返し実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。なお、自車が目的地に到着したときや、運転者の操作(例えば、目的地の解除など)に基づいて走行予定ルートのルート案内を終了したとき、イグニッションスイッチ80がオフされたときなどには、本ルーチンの繰り返しの実行を終了する。このとき、後述の渋滞用充電制御を実行していれば、その実行も終了する。
図3の処理ルーチンが実行されると、HVECU70は、走行予定ルートの各走行区間(例えば、自車の現在地からそれよりも所定距離L1(例えば、10kmなど)だけ目的地側の地点までの各走行区間など)の道路情報や渋滞情報などの先読みデータの更新を行なう更新条件が成立しているか否かを判定し(ステップS100)、データ更新条件が成立していると判定したときには、先読みデータをナビゲーション装置90から入力して更新し(ステップS110)、データ更新条件が成立していないと判定したときには、先読みデータを更新しない。ここで、データ更新条件としては、前回の先読みデータの更新後に走行予定ルートが変更された条件や、前回の先読みデータの更新からの経過時間Taが所定時間T1(例えば、数分など)以上である条件、前回の先読みデータの更新からの走行距離Laが所定距離L2(例えば、数百mなど)以上である条件などを用いることができる。これらのうちの1つだけを用いるものとしてもよいし、複数を組み合わせてOR条件として用いるものとしてもよい。
続いて、先読みデータに基づいて、走行予定ルートに渋滞情報に基づく渋滞区間が含まれる(走行予定ルートが、渋滞区間が含まれる渋滞経由ルートである)か否かを判定し(ステップS120,S130)、走行予定ルートに渋滞区間が含まれない(走行予定ルートが渋滞経由ルートでない)と判定したときには、本ルーチンを終了する。このとき、後述の渋滞用充電制御を実行していれば、その実行も終了する。
なお、実施例では、「渋滞区間」は、バッテリ50の強制充電が行なわれる可能性のある渋滞区間、具体的には、距離L3(例えば、数百m〜数kmなど)以上の渋滞区間を意味する。距離L3は、一律の値を用いるものとしてもよいし、道路情報に含まれる種別情報(一般道路、高速道路)や法定速度などに応じた値、例えば、一般道路よりも高速道路で大きい値を用いるものとしてもよい。また、バッテリ50の強制充電は、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Sref以下に至ったときに、要求パワーPe*に拘わらずに、エンジン22の運転およびモータMG1の発電を伴ってバッテリ50を充電することを意味する。要求パワーPd*(要求パワーPe*)が小さいときにバッテリ50の強制充電を行なうと、エンジン22をそれほど効率のよくない運転ポイント(回転数およびトルク)で運転することになり、エネルギ効率の観点で好ましくない。
ステップS120,S130で走行予定ルートに渋滞区間が含まれる(走行予定ルートが渋滞経由ルートである)と判定したときには、先読みデータに基づいて、後述の渋滞用充電制御の開始地点および終了地点を設定する(ステップS140)。渋滞用充電制御の開始地点および終了地点は、実施例では、渋滞区間の開始地点よりも距離L4(例えば、数kmなど)だけ手前の地点、および、渋滞区間の終了地点を設定するものとした。ここで、距離L4は、一律の値を用いるものとしてもよいし、道路情報に含まれる種別情報(一般道路、高速道路)や法定速度などに応じた値、例えば、一般道路よりも高速道路で大きい値を用いるものとしてもよい。
続いて、自車の現在地をナビゲーション装置90から入力し、自車が渋滞用充電制御の開始地点を通過した(或いはすでに通過している)か否かを判定し(ステップS150)、自車が渋滞用充電制御の開始地点を通過していないと判定したときには、本ルーチンを終了する。
ステップS150で自車が渋滞用充電制御の開始地点を通過した(或いはすでに通過している)と判定したときには、渋滞用充電制御を実行する(ステップS160)。ここで、渋滞用充電制御は、走行予定ルートに渋滞区間が含まれていないときに比してバッテリ50の蓄電割合SOCが高くなるようにエンジン22とモータMG1,MG2とを制御する制御である。実施例では、渋滞用充電制御として、上述の閾値Pref(エンジン22の始動停止判定用の閾値)に値P1よりも小さい値P2(例えば、数kWなど)を設定すると共に、バッテリ50の充放電要求パワーPb*を設定する際に、図4の渋滞用充放電要求パワー設定マップを用いて、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S2よりも大きい値S5(例えば、65%など)に近づくように設定するものとした。図4の渋滞用充放電要求パワー設定マップには、参考のために、図2の通常用充放電要求パワー設定マップを一点鎖線で示した。渋滞用充電制御を実行する場合、バッテリ50の充放電要求パワーPb*は、図4に示すように、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S5のときには値0を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S5よりも小さいときには、値Pch以上の範囲内で負の値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S5よりも大きいときには、値Pdis以下の範囲内で正の値を設定するものとした。こうした渋滞用充電制御を実行すると、HV走行モードおよびEV走行モードのうちHV走行モードが選択されやすくなる(エンジン22が運転されやすくなる)と共にHV走行モードでのバッテリ50の充放電要求パワーPb*が小さくなって要求パワーPe*が大きくなるから、バッテリ50の蓄電割合SOCが高くなりやすくなる。この渋滞用充電制御実行を、自車が渋滞区間の開始地点よりも距離L4だけ手前の地点を通過したときに開始することにより、自車が渋滞区間に進入するまでにバッテリ50の蓄電割合SOCを高くしておくことができる。
続いて、渋滞区間内の1台の前方車両(例えば、自車との距離が最も近い車両や、渋滞区間が複数車線の場合における自車と同一車線の車両など)のデータ(例えば、車速αや現在地など)を、車車間通信や車外システムとの通信などにより受信したりミリ波レーダなどを用いて検出したりして取得(更新)したか否かを判定し(ステップS170)、渋滞区間内の前方車両のデータを取得していないと判定したときには、前方車両の車速αが後述の閾値αref以上のときの自車の走行距離Lbを値0にリセットする(ステップS190)。
そして、自車の現在地をナビゲーション装置90から入力し、自車が渋滞用充電制御の終了地点(渋滞区間の終了地点)を通過したかを判定し(ステップS200)、自車が渋滞用充電制御の終了地点を通過していないと判定したときには、渋滞用充電制御の実行を終了せずに、本ルーチンを終了する。その後も、渋滞区間内の前方車両のデータを取得(更新)しなければ、ステップS100〜S170,S190,S200の処理を繰り返し実行して、自車が渋滞用充電制御(渋滞区間の終了地点)の終了地点を通過するのを待ち、ステップS200で自車が渋滞用充電制御の終了地点を通過したと判定したときには、渋滞用充電制御の実行を終了して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。この場合、自車が渋滞用充電制御の開始地点(渋滞区間の開始地点よりも距離L4だけ手前の地点)を通過してから渋滞用充電制御の終了地点(渋滞区間の終了地点)を通過するまで、渋滞用充電制御の実行を継続することになる。これにより、渋滞区間で、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Sref以下に至るのを抑制し、バッテリ50の強制充電が生じるのを抑制することができる。
ステップS170で渋滞区間内の前方車両のデータを取得(更新)したと判定したときには、その前方車両の車速αを閾値αrefと比較する(ステップS180)。ここで、閾値αrefは、渋滞が解消しているか否かを判断するのに用いられる第1閾値であり、例えば、20km/hや30km/hなどを用いることができる。前方車両の車速αが閾値αref未満のときには、渋滞は解消していないと判断し、ステップS190以降の処理を実行する。
ステップS180で前方車両の車速αが閾値αref以上のときには、前方車両の車速αが閾値αref以上のときの自車の走行距離Lbを計時中であるか否かを判定し(ステップS210)、自車の走行距離Lbを計時中でないときには、自車の走行距離Lbの計時を開始し(ステップS220)、自車の走行距離Lbを計時中であるときには、自車の走行距離Lbの計時を継続する。
続いて、自車の現在地と前方車両の現在地とに基づいて自車と前方車両との距離βを計算し(ステップS230)、前方車両の車速αが閾値αref以上のときの自車の走行距離Lbと自車と前方車両との距離βとを比較する(ステップS240)。ここで、自車と前方車両との距離βは、渋滞解消しているか否かを判断するために用いられる第2閾値である。自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β未満のときには、渋滞は解消していないと判断し、ステップS200以降の処理を実行する。
ステップS240で自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上のときには、渋滞が解消していると判断し、渋滞用充電制御の実行を終了して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。したがって、自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過していないときでも、前方車両の車速αが閾値αref以上で且つ自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上のときには、渋滞が解消していると判断し、渋滞用充電制御の実行を終了するのである。上述したように、渋滞用充電制御を実行しているときには、実行していないときに比して、HV走行モードおよびEV走行モードのうちHV走行モードが選択されやすくなる(エンジン22が運転されやすくなる)と共にHV走行モードでのバッテリ50の充放電要求パワーPb*が小さくなって要求パワーPe*が大きくなる。実施例では、自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過していないときでも、前方車両の車速αが閾値αref以上で且つ自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上のときには、渋滞用充電制御の実行を終了することにより、前方車両の車速αや自車の走行距離Lbに拘わらずに自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過するまで渋滞用充電制御の実行を終了しないものに比して、エンジン22の運転頻度や運転時の燃料消費量を早期に(早いタイミングで)低減することができる。この結果、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、渋滞用充電制御の実行中に前方車両の車速αが閾値αref以上で且つ自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上のときには、渋滞が解消していると判断し、自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過していなくても、渋滞用充電制御の実行を終了する。これにより、渋滞が解消しているにも拘わらずに自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過するまで渋滞用充電制御を実行するものに比して、エンジン22の運転頻度や運転時の燃料噴射量を早期に低減することができる。この結果、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、渋滞用充電制御の実行中において、前方車両の車速αが閾値αref以上で且つ自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上のときに、渋滞が解消していると判断し、渋滞用充電制御の実行を終了するものとした。しかし、自車の現在地から渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点までの距離Lcが所定距離L5(例えば、数十mなど)以下のときや、自車と前方車両との距離βが所定距離L6(例えば、数十mなど)以下のときには、前方車両の車速αが閾値αref以上のときに、自車の走行距離Lbに拘わらずに渋滞用充電制御の実行を終了するものとしてもよい。また、前方車両の車速αが閾値αref以上のときには、自車の走行距離Lbや、自車の現在地から渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点までの距離Lc、自車と前方車両との距離βに拘わらずに渋滞用充電制御の実行を終了するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、渋滞区間内の1台の前方車両のデータ(例えば、車速αや現在地など)を用いて渋滞が解消しているか否かを判断するものとした。しかし、渋滞区間内の複数台の前方車両のデータを用いて渋滞が解消しているか否かを判断するものとしてもよい。この場合、渋滞区間が複数車線のときの複数台の前方車両としては、自車と同一車線か否かに拘わらずに対象車両とするものとしてもよいし、自車と同一車線の車両だけを対象とするものとしてもよい。また、この場合、図3の処理ルーチンのステップS170の処理において、以下のようにするものとしてもよい。例えば、前方車両の車速αとして、複数台の前方車両の平均車速を用いたり、複数の前方車両のうち最も高速または低速で走行する車両の車速を用いたりする。また、複数台の前方車両のうち車速が閾値αref以上のものが所定割合以上のときには、前方車両の車速αが閾値αref以上であると判定し、車速が閾値αref以上のものが所定割合未満のときには、前方車両の車速αが閾値αref未満であると判定する。閾値αrefとして、一律の値でなく、前方車両の数が多いほど低くなる傾向の値を用いる。
実施例のハイブリッド自動車20では、HVECU70は、図3の処理ルーチンを実行するものとしたが、これに代えて、図5の処理ルーチンを実行するものとしてもよい。ここで、図5の処理ルーチンは、ステップS170〜S190,S210〜S240の処理に代えて、ステップS300,S310の処理を実行する点を除いて、図3の処理ルーチンと同一である。したがって、同一の処理については同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5の処理ルーチンでは、ステップS160の処理を実行すると、自車が渋滞情報に基づく渋滞区間内である(渋滞区間に進入している)か否かを判定し(ステップS300)、自車が渋滞区間内でない(渋滞区間に進入する前である)と判定したときには、本ルーチンを終了する。一方、自車が渋滞区間内である(渋滞区間に進入している)と判定したときには、車速Vが閾値Vref以上の状態が所定時間T2に亘って継続しているか否かを判定する(ステップS310)。ここで、閾値Vrefおよび所定時間T2は、渋滞が解消しているか否かを判断するのに用いられる閾値であり、閾値Vrefは、例えば、上述の閾値αrefと同一の値を用いることができ、所定時間T2は、例えば、数分などを用いることができる。車速Vが閾値Vref以上の状態が所定時間T2に亘って継続していないと判定したときには、渋滞が解消していないと判断し、ステップS200以降の処理を実行し、車速Vが閾値Vref以上の状態が所定時間T2に亘って継続していると判定したときには、渋滞が解消していると判断し、渋滞用充電制御の実行を終了して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。この変形例でも、実施例と同様に、渋滞が解消していると判断したときに、自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過していなくても、渋滞用充電制御の実行を終了することになるから、実施例と同様の効果を奏することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図3の処理ルーチンを実行し、この変形例では、図5の処理ルーチンを実行するものとしたが、図3の処理ルーチンと図5の処理ルーチンとを組み合わせたものを実行するものとしてもよい。この場合、渋滞用充電制御の実行中において、前方車両の車速αが閾値αref以上で且つ自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上で、且つ、車速Vが閾値Vref以上の状態が所定時間T2に亘って継続しているときに、渋滞が解消していると判断するものとしてもよい。また、前方車両の車速αが閾値αref以上で且つ自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上のとき、または、車速Vが閾値Vref以上の状態が所定時間T2に亘って継続しているときに、渋滞が解消していると判断するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、渋滞用充電制御の実行中に、渋滞が解消していると判断したときには、渋滞用充電制御の実行を終了するものとした。しかし、渋滞が解消していないと判断したときに比して、バッテリ50の蓄電割合SOCが低くなるように渋滞用充電制御を実行するものとしてもよい。例えば、以下のようにするものとしてもよい。図3の処理ルーチンでは、ステップS170で渋滞区間内の前方車両のデータを取得(更新)していないと判定したときや、ステップS180で前方車両の車速αが閾値αref未満のとき、ステップS240で自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β未満のときには、閾値Prefに値P2を設定すると共に、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S5に近づくようにバッテリ50の充放電要求パワーPb*を設定する。また、ステップS240で自車の走行距離Lbが自車と前方車両との距離β以上のときには、閾値Prefに値P1よりも小さく且つ値P2よりも大きい値P3を設定すると共に、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S2よりも大きく且つ値S5よりも小さい値S6に近づくようにバッテリ50の充放電要求パワーPb*を設定する。図5の処理ルーチンでは、ステップS310で車速Vが閾値Vref以上の状態が所定時間T2に亘って継続していないと判定したときには、閾値Prefに値P2を設定すると共に、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S5に近づくようにバッテリ50の充放電要求パワーPb*を設定する。また、ステップS310で車速Vが閾値Vref以上の状態が所定時間T2に亘って継続していると判定したときには、閾値Prefに値P3を設定すると共に、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S6に近づくようにバッテリ50の充放電要求パワーPb*を設定する。これらの場合でも、渋滞が解消しているにも拘わらずに自車が渋滞情報に基づく渋滞区間の終了地点を通過するまで一律の渋滞用充電制御を実行するものに比して、車両のエネルギ効率の向上をある程度図ることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、渋滞用充電制御を実行する際には、閾値Preに値P1よりも小さい値P2を設定すると共に、バッテリ50の蓄電割合SOCが値S2よりも大きい値S5に近づくようにバッテリ50の充放電要求パワーPb*を設定するものとした。しかし、これらのうちの何れか1つだけを行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、蓄電装置として、バッテリ50を用いるものとしたが、蓄電可能な装置であればよく、キャパシタなどを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、本体92とGPSアンテナ94aとVICS(登録商標)アンテナ94bとディスプレイ96とを有するナビゲーション装置90を備えるものとしたが、ナビゲーション装置90を備えるのに代えてまたは加えて、車載通信機を備え、車載通信機を介してHVECU70と情報センターなどの車外システムとの間で通信を行なうものとしてもよい。ナビゲーション装置90を備えずに車載通信機を備える場合、車載通信機としては、GPSアンテナが内蔵されたものを用いるのが好ましい。また、この場合、GPSアンテナからの自車の現在地や車外システムが有する地図情報などに基づいてHVECU70または車外システムにより走行予定ルートを設定し、この走行予定ルートを車載のディスプレイに表示するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とHVECU70とを備えるものとしたが、これらのうちの少なくとも2つを単一の電子制御ユニットとして構成するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動輪38a,38bに連結された駆動軸36にプラネタリギヤ30を介してエンジン22およびモータMG1を接続すると共に駆動軸36にモータMG2を接続する構成とした。しかし、図6の変形例のハイブリッド自動車120に示すように、駆動輪38a,38bに連結された駆動軸36に変速機60を介してモータMGを接続すると共にモータMGの回転軸にクラッチ129を介してエンジン22を接続する構成としてもよい。また、図7の変形例のハイブリッド自動車220に示すように、エンジン22の出力軸に発電用のモータMG1を接続すると共に駆動輪38a,38bに連結された駆動軸36に変速機60を介して走行用のモータMG2を接続するいわゆるシリーズハイブリッド自動車の構成としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「モータ」に相当し、バッテリ50が「蓄電装置」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とナビゲーション装置90とが「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45u,45v,46u,46v 電流センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、57 コンデンサ、60 変速機、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ナビゲーション装置、92 本体、94a GPSアンテナ、94b VICS(登録商標)アンテナ、96 ディスプレイ、129 クラッチ、MG,MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、
    前記エンジンの出力軸に接続されたモータと、
    前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
    走行予定ルートのルート案内を行なうと共に、渋滞情報に基づいて前記走行予定ルートに渋滞区間が含まれると判定したときには、自車が前記渋滞区間の開始地点よりも手前の地点を通過してから前記渋滞区間の終了地点を通過するまで、前記走行予定ルートに前記渋滞区間が含まれないと判定したときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が高くなるように前記エンジンおよび前記モータを制御する渋滞用充電制御を実行する制御装置と、
    を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記制御装置は、前記渋滞用充電制御の実行中に前記渋滞区間内の前方車両の車速が所定車速以上の状態での前記自車の走行距離が前記自車と前記前方車両との距離以上のときには、前記渋滞用充電制御の実行を終了する、または、前記渋滞用充電制御として前記前方車両の車速が前記所定車速未満のときに比して前記蓄電装置の蓄電割合が低くなるように制御する、
    ハイブリッド自動車。
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