[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6858374B2 - 高強度銀焼結体の製造方法 - Google Patents

高強度銀焼結体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6858374B2
JP6858374B2 JP2017235568A JP2017235568A JP6858374B2 JP 6858374 B2 JP6858374 B2 JP 6858374B2 JP 2017235568 A JP2017235568 A JP 2017235568A JP 2017235568 A JP2017235568 A JP 2017235568A JP 6858374 B2 JP6858374 B2 JP 6858374B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
sintering
silver
strength
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017235568A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019094555A (ja
Inventor
佐藤 裕之
裕之 佐藤
上手 康弘
康弘 上手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hirosaki University NUC
Original Assignee
Hirosaki University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hirosaki University NUC filed Critical Hirosaki University NUC
Priority to JP2017235568A priority Critical patent/JP6858374B2/ja
Publication of JP2019094555A publication Critical patent/JP2019094555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6858374B2 publication Critical patent/JP6858374B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

本発明は、室温強度の高い高強度銀焼結体の製造方法に関するものである。
近年環境負荷の低減、リサイクル性の向上のため、金属材料においては合金元素の低減が重要視されており、高強度化に当たっても化学組成を従来のものと大きく変えることなく特性を向上させることが求められている。例えば、歯科用材料として用いられる銀インジウム合金においては、インジウムは希少金属でもあって、使用の低減が望まれている。
結晶粒を微細化させることによって機械的性質が改善されることはよく知られている。室温における強度と粒径の間には、以下のホールペッチの関係があり、粒径が小さいほど室温強度は高くなる。
[式(1)]
Figure 0006858374
ここで、dは粒径、σは降伏応力、kは定数、σは粒界をもたない単結晶の場合の降伏応力である。
従来の焼結体として、特許文献1−3に開示されたものがある。特許文献1のものは、フェライト相を主体とする粉末とオーステナイト相を主体とする粉末とを所定比率で混合した混合粉末を成形、焼結して製造したステンレス鋼焼結体であるが、粉末を水噴霧法により製造しているために粒径が大きく、このため焼結体のビッカース硬さHvは230程度と、鋼焼結体としては低強度のものである。
特許文献2のものは、フェライト系合金粉末に、平均粒径10μm以下のNi粉末を添加した原料粉末とバインダーからなる組成物を射出成形して、脱バインダー後の成形体を焼結して製造したオーステナイト系ステンレス鋼焼結体であるが、原料粉末の粒径が1μm超と大きいため室温強度が低い。
特許文献3のものは、銅等を含む銀粉末にバインダー等を加えて混錬することで得られた銀粘土を、造形したのちに焼成して銀焼結体を製造することが開示されている。このような銀焼結体は、宝飾品や美術工芸品には適するものの、多成分が混合されているので医療用部材としては安全性に懸念が残る。
特開平7−109540号公報 特開2000−129309号公報 特許第3274960号公報
以上のような従来技術の問題に鑑み、本発明は、合金元素やバインダーの添加がなく室温強度が高い高強度銀焼結体の製造方法を提供するためになされたものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明の高強度銀焼結体の製造方法は、水素ガス含有雰囲気中で銀にアーク放電するアークプラズマ強制蒸発法によって平均粒径10〜300nmの超微細銀粉末を製造する第1工程と、
前記超微細銀粉末を加圧しつつ放電プラズマにより200〜500℃に加熱して、焼結後の平均結晶粒径が40〜500nmで室温におけるビッカース硬さが50以上である焼結体を製造する第2工程と、からなることを特徴とするものである。
削除
本発明に係る高強度銀焼結体の製造方法は、焼結原料である銀粉末を、水素ガス含有雰囲気中で銀にアーク放電するアークプラズマ強制蒸発法によって製造するので、平均粒径10〜300nmの超微細銀粉末を製造することができる。
また、本発明に係る高強度銀焼結体の製造方法は、前記超微細銀粉末を加圧しつつ放電プラズマにより200〜500℃に加熱するので、焼結後の平均結晶粒径が40〜500nmで室温におけるビッカース硬さが50以上である焼結体を製造することができる。したがって、インジウム、亜鉛、スズなどの合金元素やバインダーを用いることなく、高強度の銀焼結体を製造することができる。
削除
アークプラズマ強制蒸発法を実施するための超微細銀粉末製造装置の概略構成図である。 放電プラズマ焼結装置の概略構成図である。 超微細銀粉末の平均粒径の冷却水温度依存性を示すグラフである。 焼結体のZ軸変位量の焼結保持時間依存性を示すグラフである。 焼結体の結晶粒度の焼結温度依存性を示すグラフである。 327℃焼結体の各焼結保持時間での結晶粒を示すSEM画像である。 焼結体のビッカース硬度の焼結保持時間依存性を示すグラフである。 ビッカース硬さと粒径の関係を示す相関図である。 焼結保持時間1分での各温度焼結体の引張試験結果を示す図である。 各焼結保持時間での327℃焼結体の引張試験結果を示す図である。
以下に、本発明の高強度銀焼結体の製造方法を詳細に説明する。
本発明の高強度銀焼結体用の超微細銀粉末の製造方法は、第1工程において、水素ガス含有雰囲気中で銀にアーク放電するアークプラズマ強制蒸発法によって平均粒径10〜300nmの超微細銀粉末を製造する。
図1はアークプラズマ強制蒸発法を実施するための超微細銀粉末製造装置の概略構成図である。図において、ナノ粒子発生室1内には、陽極である水冷銅ハース2とプラズマ電極3が配設されており、両者は電源4を介して接続されている。ナノ粒子発生室1には排気用のロータリーポンプ5と、図示していないArボンベ及び水素ボンベが接続されている。また、ナノ粒子発生室1にはナノ粒子捕集室6が連接されており、ナノ粒子の捕集室6の上部に設けたフィルター7とダイヤフラムポンプ8を介して、ナノ粒子発生室1とナノ粒子捕集室6が接続されて、ガスの循環経路が形成されている。この装置全体は、冷却水により冷却されている。
銀を水冷銅ハース2上に載置して水素ガス含有雰囲気中でアーク放電を行うと、銀は高温に加熱されて、水素イオンが銀中に溶解し再結合して放出されるので、蒸気イオンが放出されてナノ粒子が発生する。この際に放電電流値として、40〜100Aを用いることができる。40A未満では出力が小さく、100Aまでで目的を達することができる
ダイヤフラムポンプ8により吸引されたナノ粒子である超微細銀粉末はフィルター7に捕捉されて回収される。なお、銀として、市販の銀、高純度銀などを用いることができる。また、水素ガス含有雰囲気として、例えばアルゴンガス50%、水素ガス50%の混合ガスを用いることができる。
アークプラズマ強制蒸発法によって平均粒径が10〜300nmの超微細銀粉末を製造する。粒径が10nm未満とする必要はなく10nm以上で焼結後においても微細な結晶を得ることができるからである。また、300nm以下とするのは、これを超えると焼結後において微細な結晶粒を得ることが困難となって、室温強度の低下をもたらすからである。
本発明の高強度銀焼結体の製造方法は、第2工程において、前記したようにして取得した超微細銀粉末を加圧しつつ放電プラズマにより200〜500℃に加熱して、焼結後の平均結晶粒径が40〜500nmで室温におけるビッカース硬さが50以上である焼結体を製造する。
すなわち、超微細銀粉末を、図2に示す放電プラズマ焼結装置を用いて焼結する。当該装置は、真空チャンバー内に円筒状のグラファイトダイを備えている。ダイの内部に前記超微細銀粉末を装入して上下からグラファイトパンチにて加圧しつつパルス電流を流して加熱して超微細銀粉末を焼結する。放電プラズマ焼結装置においては、超微細銀粉末の粒子表面のみの自己発熱による急速昇温が可能なため、粉末の粒成長を抑制して焼結を行うことができるという利点がある。
焼結温度は、200℃〜500℃とする。200℃未満では、焼結強度が弱く密着性の高い焼結体を得ることが困難となるからであり、一方、500℃を超えると結晶粒が粗大化して硬さの低下を招くからである。
焼結後の平均結晶粒径は、40nm〜500nmとする。40nm未満では、密度の高い焼結体を得ることができないからであり、500nm超では、室温強度の低下が大きくなるからである。また、銀焼結体のビッカース硬さは50未満では、目的を達成することができないので、ビッカース硬さは50以上とする。
以下に本発明の実施例について説明する。
アークプラズマ強制蒸発法によって、アーク放電電流40〜100A、冷却水温度15℃にて超微細銀粉末を製造した。SEM画像から約300個の球状粒子を選定し、その直径をノギスで測定した。その結果、平均粒径は、アーク放電電流40Aで14.75nm、50Aで12.06nm、80Aで89.1nm、100Aで144.7nmであり、80Aのものが最小であった。また、標準偏差も80Aのものが31.25と最小であり、粒子群は41〜80nmに集中していた。
図3には、冷却水温度と平均粒径の関係を示す。冷却水温度10℃で製造したものが平均粒径78.5nmと最も小さいものであった。
以上のようにして製造した超微細銀粉末を、図2に示した放電プラズマ焼結装置を用いて焼結した。図4には、圧縮応力60MPaにおける被焼結体の圧縮量、即ちZ軸変位量の焼結温度依存性を示すが、127℃では緻密化進行途中で焼結が終了している。227℃、327℃、427℃、527℃では緻密化が完了し、見かけ上記録された変位は膨張方向への変化を介して約1mmに達していた。
図5には、焼結体の結晶粒径の焼結時間依存性を示す。結晶粒の大きさは、焼結温度227℃、焼結時間1分では最小の結晶粒径243.7nmとなり、焼結温度527℃、焼結時間15分で最大の結晶粒径8.5μmとなった。なお、出発材料である工業用銀の平均結晶粒径は41.6μmであり、結晶粒の大きさを1/17倍にすることができた。図6には、327℃焼結材の各保持時間でのSEM画像を参考として示す。
図7には各温度での焼結体のビッカース硬さを、図8にはビッカース硬さと結晶粒径の関係を示す。焼結温度227℃、保持時間5分で120.7MPaの最高硬さとなり、焼結温127℃、保持時間1分で67.15MPaの最低硬さを示した。最高硬さは、出発材料の硬さ32.37MPaと比較して約3.7倍の硬さを示した。全体として焼結時間が増加すると硬さが減少し、結晶粒径の大きさに関係なくビッカース硬さ70〜80MPa程度で停滞する傾向にあった。
図9には、焼結時間1分での各温度焼結材の室温引張試験結果を示す。327℃以下での焼結体は、1%程度の歪みで破断した。427℃焼結体では、引張強さ249MPa,破断伸び16%に達した。527℃焼結体では、引張強さ227MPa,破断伸び19%であった。
図10には、327℃での各保持時間焼結体の室温引張試験結果を示す。焼結時間が長くなるほど延性の向上が観察され、焼結時間30分で伸びは9.3%となった。引張強度は、焼結時間5分で最高の332MPa、焼結時間30分で最低の290MPaであった。
引張強度332MPaはアルミニウム1050Aの引張強度65〜95MPaと比較しても約4.1倍である。以上のように、本発明に係る高強度銀焼結材は、合金元素を含有しない高強度高延性な金属材料として、特に歯科用材料などの分野において工業的価値大なるものである。
1 ナノ粒子発生室
2 水冷銅ハース
3 プラズマ電極
4 電源
5 ロータリーポンプ
6 ナノ粒子捕集室
7 フィルター
8 ダイヤフラムポンプ

Claims (1)

  1. 水素ガス含有雰囲気中で銀にアーク放電するアークプラズマ強制蒸発法によって平均粒径10〜300nmの超微細銀粉末を製造する第1工程と、
    前記超微細銀粉末を加圧しつつ放電プラズマにより200〜500℃に加熱して、焼結後の平均結晶粒径が40〜500nmで室温におけるビッカース硬さが50以上である焼結体を製造する第2工程と、からなることを特徴とする高強度銀焼結体の製造方法。
JP2017235568A 2017-11-20 2017-11-20 高強度銀焼結体の製造方法 Active JP6858374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017235568A JP6858374B2 (ja) 2017-11-20 2017-11-20 高強度銀焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017235568A JP6858374B2 (ja) 2017-11-20 2017-11-20 高強度銀焼結体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019094555A JP2019094555A (ja) 2019-06-20
JP6858374B2 true JP6858374B2 (ja) 2021-04-14

Family

ID=66971044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017235568A Active JP6858374B2 (ja) 2017-11-20 2017-11-20 高強度銀焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6858374B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6156209A (ja) * 1984-08-27 1986-03-20 Natl Res Inst For Metals 貴金属超微粒子の製造法
JP2843900B2 (ja) * 1995-07-07 1999-01-06 工業技術院長 酸化物粒子分散型金属系複合材料の製造方法
JP4963586B2 (ja) * 2005-10-17 2012-06-27 株式会社日清製粉グループ本社 超微粒子の製造方法
JP2015098624A (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 国立大学法人弘前大学 超微細Al合金粉末および高強度Al合金成形体の製造方法、ならびに超微細Al合金粉末および高強度Al合金成形体。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019094555A (ja) 2019-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104372230B (zh) 一种高强韧超细晶高熵合金及其制备方法
CN107427913B (zh) 多晶钨及钨合金烧结体以及其制造方法
CN109023013B (zh) 一种耐腐蚀高强度AlCoCrFeNi-Cu高熵合金的制备方法
Ota et al. Application of high pressure gas jet mill process to fabricate high performance harmonic structure designed pure titanium
JPH0925526A (ja) 酸化物粒子分散型金属系複合材料の製造方法
JP5550013B2 (ja) 磁性ナノコンポジット及びその製造方法
JP7250374B2 (ja) 球状ニオブ合金粉末、それを含有する製品、及びその作製方法
Shon et al. Effects of various sintering methods on microstructure and mechanical properties of CP-Ti powder consolidations
CN105838911A (zh) 一种制备氧化铝弥散强化铜的方法
KR102373916B1 (ko) 다결정 텅스텐 소결체 및 다결정 텅스텐 합금 소결체 그리고 그것들의 제조 방법
JP2005314806A (ja) 高硬度で高導電性を有するナノ結晶銅金属及びナノ結晶銅合金の粉末、高硬度・高強度で高導電性を有する強靱なナノ結晶銅又は銅合金のバルク材並びにそれらの製造方法
CN103990792B (zh) 一种制备颗粒强化金属基纳米复合材料的方法
Ružić et al. Synthesis and characterization of Cu-ZrB2 alloy produced by PM techniques
JP6089186B2 (ja) 超微細粉末、高強度鋼焼結体及びそれらの製造方法
JP2014169471A (ja) Ni基金属間化合物焼結体およびその製造方法
JP6858374B2 (ja) 高強度銀焼結体の製造方法
JP2019123638A (ja) 焼結用型及びその作製方法
Yavuzer et al. The effect of milling time on microstructure and wear behaviours of AISI 304 stainless steel produced by powder metallurgy
JP2008007793A (ja) 高強度マグネシウム焼結合金及びその製造方法
Nagae et al. Microstructure and mechanical properties of gas atomized aluminum alloy powder compact densified by pulsed current pressure sintering process
JP2012087042A (ja) 二硼化チタン系焼結体及びその製造方法
JP2019019026A (ja) 焼結用金型及びその作製方法
JP2019516021A (ja) チタンまたはチタン合金にて構成される部材の粉末冶金を用いた製造方法
Kang et al. Properties and rapid low-temperature consolidation of nanocrystalline Fe-ZrO 2 composite by pulsed current activated sintering
JP2020186420A (ja) 電極の製造方法、電極

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6858374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250