JP6856473B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
本発明の第2の目的は、前述の機能を有し、かつ体裁のよいヒンジキャップを提供することである。
本発明の第3の目的は、前述の機能を有し、かつ使い勝手のよいヒンジキャップを提供することである。
前記キャップ周壁10の上方に配置された蓋周壁22を有し、これらキャップ周壁10及び蓋周壁22の各後部を第1ヒンジ14を介して連結することにより、前記キャップ頂壁4を開閉可能に設けた蓋体16と、
この蓋体16に当該蓋体の摘み部として付設された鍔部30と、
と具備し、
前記鍔部30は、前記蓋周壁22の前部へ第2ヒンジ26を介して連結され、この連結箇所からキャップ周壁10の前面へ垂下する縦向きの第1状態と、当該連結箇所から略前方へ庇状に延びる横向きの第2状態との間を回転可能に形成されるとともに、この横向き状態で基端部E1が前記蓋周壁22に当接するように設けられており、
前記第2ヒンジ26は、前記鍔部30の左右方向中間部30aに、前記第1状態における鍔部30との後面とキャップ頂壁4の前面とを連結するように配置されたヒンジキャップにおいて、
前記蓋周壁22の前面からキャップ周壁10の前面に亘って形成された収納溝G内に、前記第1状態で鍔部30が収納されるように設けられている。
鍔部30は、連結箇所から下方へ延びる縦向きの第1状態(図2に実線で示す状態)と当該連結箇所から略前方へ庇状に延びる横向きの第2状態(図2に想像線で示す状態)との間を回転可能であり、この横向き状態で鍔部30の基端部E1側が蓋体16に当接している。従って、第2状態から鍔部に引き上げると、これら鍔部30及び蓋体16が第1ヒンジ14を中心に回転する。これによりテコの原理によって蓋体16を僅かな力で開蓋できる。
第2ヒンジ26は、前記鍔部30の左右方向中間部30aに、前記第1状態における鍔部30との後面とキャップ頂壁4の前面とを連結するように配置されており、キャップ全体の体裁を損なわない。
収納溝G内に収納された状態の鍔部30の外面がキャップ周壁10及び蓋周壁22の各外周面と面一になるように構成している。
ここで、「面一」とは、平面視形状で一つの閉じた図形(円形・楕円形・長円など)の輪郭に沿って存在するという程度の意味である。
前記第2溝部G2の内面のうち第2ヒンジ26の上方に位置する箇所に当接突部24が付設されており、
前記鍔部30を第1状態から第2状態へ回転させたときに、この鍔部30の基端部E1上面に前記当接突部24が嵌合するように設けた。
前記第2ヒンジ26は、前記第1状態と第2状態との間に存する平衡状態を境に、第1状態と平衡状態との間では第1状態側へ、平衡状態と第2状態との間では第2状態側へ鍔部30を付勢する弾性反転式ヒンジである。
また第2ヒンジ26は、第1状態で鍔部30との後面とキャップ頂壁4の前面とを連結するように鍔部30の左右方向中間部30aに配置したから、前方から見えず、キャップの体裁を損なわない。
またキャップ周壁10及び蓋周壁22の前面に設けた収納溝G内に鍔部30を収納するようにしたから、キャップ周壁及び蓋周壁の輪郭から鍔部が大きく飛び出してキャップ全体の体裁を損なう不具合を回避できる。
第2の手段に係る発明によれば、キャップ周壁10及び蓋周壁22の前面に設けた収納溝G内に収納した鍔部30の鍔部30の外面がキャップ周壁10及び蓋周壁22の各外周面と面一になるから、さらにキャップの外観を良好とすることができる。
第3の手段に係る発明によれば、前記第2溝部G2の内面のうち第2ヒンジ26の上方に位置する箇所に当接突部24が付設されており、前記鍔部30を第1状態から第2状態へ回転させたときに、鍔部30の基端部E1上面に前記当接突部24が嵌合するように設けたから、この嵌合時に生ずる感触により第2状態に至ったことを利用者が認知することができる。
第4の手段に係る発明によれば、第2ヒンジ26は、第1状態と平衡状態との間では第1状態側へ、平衡状態と第2状態との間では第2状態側へ鍔部30を付勢する弾性反転式ヒンジであり、鍔部30は第1状態から平衡状態を超えて回転されたときに第2状態へ付勢されるから、その勢いを利用して第2状態に至るまで回転操作を行うことが容易であり、使い勝手が良い。
なお、本明細書では、部材相互の相対的な位置関係を説明するために、図2の右側(換言すると後述の第1ヒンジ14がある側)を“後”と、また同図の左側を“前”というものとし、これらと直交する方向を、左右方向というものとする。
前記キャップ頂壁4の適所(図示例では中心)には注出孔6が開口されており、その周辺からは注出筒8が起立されている。またキャップ頂壁4の外側部分には段差部5が形成されている。
前記蓋頂壁18の裏面中心部からは栓棒20が垂下されており、この栓棒20を前記注出筒8内に液密に嵌合している。
前記蓋周壁22の下部は、大内径部23に形成しており、この大内径部23を前記段差部5に嵌着している。本実施形態では、蓋周壁22とキャップ周壁10とはともに円筒形であり、かつ略同径に形成されている。
前記収納溝Gは、蓋周壁22の前面に形成された第1溝部G1と、キャップ周壁10の前面に形成された第2溝部G2とからなり、図2及び図5に示す如く第2溝部G2の溝底面GB2に比べて第1溝部G1の溝底面GB1は後方に形成されている。第1溝部G1の溝底面GB1と第2溝部G2の溝底面GB2との間にはキャップ頂壁4の上面前端部である段差面Sが存する。
まず第2溝部G2は、前方から見て下面に曲がる円弧形状であり、後述の鍔部30に対応する一定の深さを有する。第2溝部G2の側面下端部(溝端部GE)には、上方から見て、左右方向に延びる垂直板状の係合リブ12が付設されている。
第1溝部G1は、上辺に比べて下辺が短い形状を有する。第1溝部G1の溝底面GB1の下部からは、左右一対の斜辺25b及びこれら斜辺の上端側に連なる上辺25aを有する、略台形の支持用突部25が前方に突設されている。
また前記第1溝部G1の溝底面GB1の上端部付近には、左右方向に延びる当接突部24が付設されている。
これら支持用突部25及び当接突部24を形成した箇所を除いて、第1溝部G1の溝底面GB1は、平坦な垂直面に形成されている。
すなわち、鍔部30は、少なくとも、その連結箇所から蓋周壁22の前面及びキャップ周壁10の前面に沿って下方へ延びる第1状態と、当該連結箇所から略前方へ庇状に延びる第2状態との間で回転可能に形成されている。なお、“キャップ周壁の前面に沿って”とは、“当該前面に当接あるいは近接して”という程度の意味である。
そして本実施形態では、前記第1状態において鍔部30の全部が前記収納溝Gに収納されており、この状態での鍔部30の前面は、蓋周壁22及びキャップ周壁10の外周面とほぼ面一に形成されている。これにより、ヒンジキャップの体裁が良好となる。
鍔部30は、本実施形態では、前記第2状態において上方へ弯曲する形状(図示例ではアーチ状)を有する曲がり板部である。この鍔部30の左右方向両側部30bは、前記収納溝Gの両側面に近接している。
図2に示すように、前記鍔部30の基端部E1は、第1状態で下方へ水平になっており、鍔部30を第2状態へ回転させたときに第1溝部G1の平坦な溝底面GB1の上部に面接するように形成している。
他方、前記鍔部30の先端部E2は、図示例では、図4及び図5に示す如く半円形状に形成している。もっともこれら形状は適宜変更することができる。
第2状態での鍔部30の水平方向への突出長は、ヒンジキャップを装着した容器体の胴部の輪郭より外側にはみ出さないようにすることが外観上好適である。
前記鍔部30の先端部E2には、下方から見て左右方向に延びるリブ受溝32を凹設して、第1状態において、このリブ受溝32内に係合リブ12が、後述の開操作により着脱が可能な程度の深さで嵌合されるように設けている(図3参照)。これら係合リブ12及びリブ受溝32は、鍔部30を収納溝G内に係止する係止手段Jを形成し、これにより、未使用の状態で収納溝G内から鍔部30が浮き上がることを防止できる。なお、図示例と異なり、鍔部30の先端部E2に係合リブを、また収納溝Gの溝端面GEにリブ受溝を形成しても構わない。さらに係合リブ及びリブ受溝の形状は適宜変更することができる。
また前記第1状態においてリブ受溝32の内側には、角取り部34を形成している。これにより、第2状態から第1状態へ鍔部30を回転させるときに、前記角取り部34が係合リブ12を乗り越えることが容易となる。
ヒンジキャップを容器体の口頸部へ装着して、初回使用するときに、鍔部30の先端部E2に指を掛けて、第2ヒンジ26から前方へ延びる第2状態へと回転させる。これにより鍔部30が前方へ長く延びた状態で使用できる。
蓋体16を開くときには、第2状態より、鍔部30の左右方向中間部30aの裏面に指を掛けて引き上げると、図8(A)に示す如く、鍔部30の基端部E1が第2ヒンジ26の上方で蓋周壁22の前面に突き当たるので、鍔部30はこれ以上第2ヒンジ26を中心として蓋体16に対して回転することができない。その状態で鍔部30の引上げを続けると、前記基端部E1が蓋周壁22の前面に押圧力fを作用させるので、第1ヒンジ14を中心とする回転モーメントが作用する。これにより、図8(B)に示すように鍔部30及び蓋体16は、第1ヒンジ14を中心として回転し、蓋体16が開蓋される。
この際に鍔部30及び蓋体16は一個のレバーとして働く。支点を第1ヒンジ14、力点を鍔部30の先端部E2付近、作用点を注出筒8及び栓棒20の嵌合箇所と考えると、鍔部30を設けずに蓋周壁22の前部に指を掛けて操作する場合に比べて、支点と力点との距離が長くなるから、テコの原理により、より小さな力で蓋体16を開蓋することができる。
従って子供のように指の力が弱い利用者でも容易に開蓋することができ、誰にでも使い易いユニバーサル型のヒンジキャップを提供することができる。
5…段差部 6…注出孔 8…注出筒
10…キャップ周壁 12…係合リブ 14…第1ヒンジ
16…蓋体 16a…後部 18…蓋頂壁 20…栓棒 22…蓋周壁
23…大内径部
24…当接突部 25…支持用突部 25a…上辺 25b…斜辺
26…第2ヒンジ 26a…薄肉ヒンジ部 26b…バネ板
30…鍔部 30a…左右方向中間部 30b…左右方向側部
32…リブ受溝 34…角取り部
E1…基端部 E2…先端部
G…収納溝 GB…溝底面 G1…第1溝部 G2…第2溝部 GE…溝端面
GB1…第2溝底面 GB2…第2溝底面 J…係合手段
M…後退代 S…段差面
Claims (4)
- 注出孔(6)を有するキャップ頂壁(4)の外周からキャップ周壁(10)を垂下させてなるキャップ本体(2)と、
前記キャップ周壁(10)の上方に配置された蓋周壁(22)を有し、これらキャップ周壁(10)及び蓋周壁(22)の各後部を第1ヒンジ(14)を介して連結することにより、前記キャップ頂壁(4)を開閉可能に設けた蓋体(16)と、
この蓋体(16)に当該蓋体の摘み部として付設された鍔部(30)と、
と具備し、
前記鍔部(30)は、前記蓋周壁(22)の前部へ第2ヒンジ(26)を介して連結され、この連結箇所からキャップ周壁(10)の前面へ垂下する縦向きの第1状態と、当該連結箇所から略前方へ庇状に延びる横向きの第2状態との間を回転可能に形成されるとともに、この横向き状態で基端部(E1)が前記蓋周壁(22)に当接するように設けられており、
前記第2ヒンジ(26)は、前記鍔部(30)の左右方向中間部(30a)に、前記第1状態における鍔部(30)との後面とキャップ頂壁(4)の前面とを連結するように配置されたヒンジキャップにおいて、
前記蓋周壁(22)の前面からキャップ周壁(10)の前面に亘って形成された収納溝(G)内に、前記第1状態で鍔部(30)が収納されるように設けられていることを特徴とする、ヒンジキャップ。 - 前記収納溝(G)内に収納された状態の鍔部(30)の外面がキャップ周壁(10)及び蓋周壁(22)の各外周面と面一になるように構成したことを特徴とする、請求項1記載のヒンジキャップ。
- 前記収納溝(G)は、蓋周壁(22)の前面に形成された第1溝部(G1)と、キャップ周壁(10)の前面に形成された第2溝部(G2)とからなり、
前記第2溝部(G2)の内面のうち第2ヒンジ(26)の上方に位置する箇所に当接突部(24)が付設されており、
前記鍔部(30)を第1状態から第2状態へ回転させたときに、この鍔部(30)の基端部(E1)上面に前記当接突部(24)が嵌合するように設けたことを特徴とする、請求項2に記載のヒンジキャップ。 - 前記第2ヒンジ(26)は、前記第1状態と第2状態との間に存する平衡状態を境に、第1状態と平衡状態との間では第1状態側へ、平衡状態と第2状態との間では第2状態側へ鍔部(30)を付勢する弾性反転式ヒンジであることを特徴とする、請求項1から請求項3に記載のヒンジキャップ。
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