(1)概要
以下、本実施形態に係る災害検知システム、送信側装置、受信側装置及び電力遮断システムの概要について説明する。
本実施形態に係る災害検知システムは、複数の管理領域を含む対象エリアにおいて発生する災害を検知するためのシステムである。また、本実施形態に係る電力遮断システムは、災害検知システムにて検知した災害の検知結果に基づいて複数の管理領域の電路を遮断するためのシステムである。本実施形態では一例として、対象エリアは市町村等の地方公共団体(例えば〇〇市)であり、複数の管理領域の各々は対象エリアに含まれる建物(例えば戸建て住宅)である。また、ここでいう「災害」とは、暴風、落雷、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、火災等であり、本実施形態では、災害が地震である場合を例として説明する。
災害検知システム1は、図1に示すように、送信側装置2と、受信側装置3と、を備えている。送信側装置2は、災害を検知する検知部21と、検知部21の検知結果を含む通信信号S3を送信する送信部221と、を有している。受信側装置3は、送信側装置2の送信部221からの通信信号S3を受信する受信部311を有している。送信側装置2は、少なくとも1つの第1管理領域(特定管理領域)D1に設けられ、受信側装置3は、少なくとも1つの第2管理領域D2に設けられている。言い換えると、第1管理領域D1には、災害を検知する検知部21を有する送信側装置2が設けられ、第2管理領域D2には、検知部21を有さない受信側装置3が設けられている。すなわち、第2管理領域D2では、災害を検知しない。
電力遮断システム10は、図1に示すように、上述の災害検知システム1と、第1遮断部41と、第2遮断部71と、を備えている。第1遮断部41は、第1管理領域D1内の分電盤4に設けられており、系統電源5(例えば商用電源)から第1管理領域D1内の負荷への給電路を形成する第1電路(電路)E1を遮断する機能を有している。第2遮断部71は、第2管理領域D2内の分電盤7に設けられており、系統電源5から第2管理領域D2内の負荷への給電路を形成する第2電路E2を遮断する機能を有している。
図2は、本実施形態に係る災害検知システム1及び電力遮断システム10が適用されるエリアの模式図である。図2中の点線A10は、第1の対象エリアA11、第2の対象エリアA12、第3の対象エリアA13を含む広域エリアであり、広域エリアA10は、本実施形態では一例として、都道府県等の地方公共団体(例えば、△△県)である。第1の対象エリアA11、第2の対象エリアA12、第3の対象エリアA13の各々には、複数(図2では3つ)の第1管理領域D1と、複数(図2では2つ)の第2管理領域D2とが含まれている。なお、以下では、第1の対象エリアA11について説明するが、第2の対象エリアA12、第3の対象エリアA13についても同様である。また、以下の説明において、第1の対象エリアA11、第2の対象エリアA12、第3の対象エリアA13を特に区別しない場合には、第1の対象エリアA11、第2の対象エリアA12、第3の対象エリアA13の各々を「対象エリアA1」ともいう。
ところで、従来の電力遮断システムは、上述のように、ガスメータ及び電気ブレーカが設置されている建物(管理領域)の電路しか遮断することができない。そのため、対象エリアに含まれる複数の管理領域の電路を遮断しようとした場合には、ガスメータ及び電気ブレーカをすべての管理領域に設置しなければならず、システム全体としてコストアップになるという問題があった。
本実施形態に係る災害検知システム1、送信側装置2、受信側装置3及び電力遮断システム10は、システム全体のコストアップを抑えながらも第2管理領域D2内の第2電路E2も遮断することができるように、以下のように構成されている。
本実施形態に係る災害検知システム1は、図1に示すように、送信側装置2と、受信側装置3と、を備えている。送信側装置2は、少なくとも1つの第1管理領域D1及び少なくとも1つの第2管理領域D2を含む対象エリアA1における第1管理領域D1に設けられている。受信側装置3は、第2管理領域D2に設けられている。
送信側装置2は、検知部21と、送信部221と、第1出力部(出力部)23と、を有している。検知部21は、第1管理領域D1で発生する災害(例えば、地震等)を検知する。送信部221は、検知部21の検知結果を含む通信信号S3を送信する。第1出力部23は、検知部21の検知結果に基づいて、第1管理領域D1内の第1電路E1を遮断するための第1遮断信号(遮断信号)S1を出力する。
受信側装置3は、受信部311と、第2出力部32と、を有している。受信部311は、送信部221からの通信信号S3を受信する。第2出力部32は、受信部311で受信した通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果に基づいて、第2管理領域D2内の第2電路E2を遮断するための第2遮断信号S2を出力する。
また、本実施形態に係る災害検知システム1は、災害の影響が及ぶ範囲を特定するための情報である災害関連情報に基づいて通信信号S3の送信先を調整する調整部241を更に備えている。
本実施形態に係る電力遮断システム10は、図1に示すように、災害検知システム1と、第1遮断部41と、第2遮断部71と、を備えている。第1遮断部41は、第1遮断信号S1に従って第1電路E1を遮断する。第2遮断部71は、第2遮断信号S2に従って第2電路E2を遮断する。
受信側装置3が設けられている第2管理領域D2では、災害を検知するための検知部が設けられていないが、送信側装置2からの通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果に基づいて第2管理領域D2の第2電路E2を遮断できる。すなわち、上記構成によれば、受信側装置3に検知部を設けなくても第2管理領域D2の第2電路E2を遮断できることから、システム全体のコストアップを抑えながらも第1電路E1及び第2電路E2を遮断することができる。また、上記構成によれば、災害関連情報に基づいて通信信号S3の送信先を調整することもできる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る災害検知システム1、送信側装置2、受信側装置3及び電力遮断システム10の詳細について、図1を参照して説明する。なお、図1では、系統電源5から負荷への第1電路E1及び第2電路E2をそれぞれ1本の線で図示している。また、以下では、送信側装置2及び受信側装置3がそれぞれ1つである場合を例として説明する。
(2.1)送信側装置
まず、送信側装置2の構成について説明する。送信側装置2は、図1に示すように、検知部21と、通信部22と、第1出力部23と、制御部24と、を備えている。
検知部21は、第1管理領域D1で発生する災害を検知するように構成されている。本実施形態では一例として、災害は地震であり、検知部21は、例えば3軸加速度センサを利用した感震センサである。そして、検知部21は、地震によって生じる地震動を検知し、地震動の大きさに相当する電圧値の電圧信号を制御部24に出力する。
通信部22は、受信側装置3(通信部31)と通信するための通信インターフェースである。通信部22は、受信側装置3(通信部31)との間で相互に無線通信を行うように構成されている。通信部22と受信側装置3(通信部31)との間の無線通信は、例えば920MHz帯の電波を利用した、免許を必要としない特定小電力無線通信である。また、通信部22は、通信信号S3を送信するための送信部221を有している。送信部221は、本実施形態では、通信信号S3をブロードキャストにて送信するように構成されている。ここでいう「ブロードキャスト」とは、通信信号の送信先を指定せずに通信信号を送信することをいう。この場合、通信信号の受信側(本実施形態では、受信側装置3)において当該通信信号を受信するか否かを判別する。
通信信号S3は、後述の対象エリアに含まれる受信側装置3に対して検知部21の検知結果を伝送するための信号である。この通信信号S3には、検知部21の検知結果と、エリア情報(付加情報)とが含まれている。ここでいう「エリア情報」とは、後述の調整部241によって調整される対象エリアについての情報であり、例えば住所(〇〇市)である。
第1出力部23は、制御部24から出力される制御信号(後述する)に従って、第1遮断部41(後述する)に第1遮断信号S1を出力するように構成されている。言い換えると、第1出力部23は、検知部21の検知結果に基づいて第1遮断信号S1を出力するように構成されている。第1遮断信号S1は、第1管理領域D1内の第1電路E1を遮断するための信号である。第1遮断部41は、第1出力部23からの第1遮断信号S1に従って接点411を開くことで第1電路E1を遮断する。
制御部24は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部24は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部24として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。なお、制御部24のメモリには、送信側装置2の位置情報(例えば、住所等)が予め記録されている。
制御部24は、検知部21の検知結果に基づいて地震による地震動の大きさを判定するように構成されている。そして、制御部24は、地震動の大きさが閾値(例えば震度5)以上であれば、第1管理領域D1内の第1電路E1を遮断すべきと判定し、第1電路E1を遮断するための制御信号を第1出力部23に出力する。第1出力部23は、制御部24からの制御信号に従って、第1遮断部41に対して第1遮断信号S1を出力する。
また、制御部24は、調整部241を有している。調整部241は、災害関連情報に基づいて通信信号S3を送信すべきエリア(以下、「対象エリア」ともいう)を調整するように構成されている。言い換えると、調整部241は、災害関連情報に基づいて通信信号S3の送信先を調整する。ここでいう「災害関連情報」とは、災害の影響が及ぶ範囲を特定するための情報であり、例えば災害が地震である場合には自治体等から出される地震マップである。そして、調整部241は、この地震マップに基づいて、地震動の大きさが閾値以上の地震が発生しているエリアを通信信号S3の送信先に設定(調整)する。本実施形態では一例として、調整部241(制御部24)は、自治体等のサーバ装置から通信部22を介して災害関連情報を取得する。
(2.2)受信側装置
次に、受信側装置3の構成について説明する。受信側装置3は、図1に示すように、通信部31と、第2出力部32と、制御部33と、を備えている。
通信部31は、送信側装置2の通信部22と通信するための通信インターフェースである。通信部31は、通信部22との間で相互に無線通信を行うように構成されている。通信部31と通信部22との間の無線通信は、例えば920MHz帯の電波を利用した特定小電力無線通信である。通信部31は、通信信号S3を受信するための受信部311を有している。
第2出力部32は、制御部33から出力される制御信号(後述する)に従って、第2遮断部71(後述する)に第2遮断信号S2を出力するように構成されている。言い換えると、第2出力部32は、通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果に基づいて第2遮断信号S2を出力するように構成されている。第2遮断信号S2は、第2管理領域D2内の第2電路E2を遮断するための信号である。第2遮断部71は、第2出力部32からの第2遮断信号S2に従って接点711を開くことで第2電路E2を遮断する。
制御部33は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部33は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部33として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。なお、制御部33のメモリには、受信側装置3の位置情報(例えば、住所等)が予め記録されている。
制御部33は、受信部311で受信した通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果に基づいて地震による地震動の大きさを判定するように構成されている。そして、制御部33は、地震動の大きさが閾値(例えば震度5)以上であれば、第2管理領域D2内の第2電路E2を遮断すべきと判定し、第2電路E1を遮断するための制御信号を第2出力部32に出力する。第2出力部32は、制御部33からの制御信号に従って、第2遮断部71に対して第2遮断信号S2を出力する。ここで、検知部21の検知結果である地震動の大きさと比較するための閾値は、送信側装置2と受信側装置3とで個別に設定できるように構成されていることが好ましい。
また、制御部33は、処理部331を有している。処理部331は、通信信号S3の送信先を特定するための処理を行う。本実施形態では一例として、処理部331は、受信部311で受信した通信信号S3に含まれるエリア情報と自己の位置情報とに基づいて対象エリアに自己が含まれているか否かを判定し、自己が含まれている場合には、自分宛の信号であると判定(特定)する。そして、制御部33は、自分宛の通信信号S3であれば、通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果を取得し、自分宛の通信信号S3でなければ、通信信号S3を破棄する。
(2.3)第1遮断部及び第2遮断部
次に、第1遮断部41及び第2遮断部71の構成について説明する。
第1遮断部41は、図1に示すように、系統電源5から負荷への給電路を形成する第1電路E1に挿入された接点411を有している。第1遮断部41は、第1管理領域(戸建て住宅)D1の分電盤4内に収納されている。第1遮断部41は、送信側装置2の第1出力部23からの第1遮断信号S1に従って接点411を開くことで第1電路E1を遮断する。
第2遮断部71は、図1に示すように、系統電源5から負荷への給電路を形成する第2電路E2に挿入された接点711を有している。第2遮断部71は、第2管理領域(戸建て住宅)D2の分電盤7内に収納されている。第2遮断部71は、受信側装置3の第2出力部32からの第2遮断信号S2に従って接点711を開くことで第2電路E2を遮断する。
(3)動作
次に、本実施形態に係る災害検知システム1及び電力遮断システム10の動作について、図3及び図4を参照して説明する。
(3.1)第1動作例
まず、災害検知システム1及び電力遮断システム10の第1動作例について、図3を参照して説明する。以下の説明では、第1の対象エリアA11において震度5以上の地震が発生した場合を想定する。なお、第2の対象エリアA12及び第3の対象エリアA13においても同様の動作が行われるため、ここでは説明を省略する。
送信側装置2の制御部24は、検知部21の検知結果から地震動の大きさが閾値(例えば震度5)以上であれば、地震が発生したと判定する(ステップST1のYes)。制御部24は、検知部21の検知結果を含む通信信号S3を作成し、作成した通信信号S3を送信部221からブロードキャストにて送信させる(ステップST2)。このとき、制御部24の調整部241は、地震に関する災害関連情報に基づいて通信信号S3を送信すべきエリア(対象エリア)を設定(調整)する。
また、制御部24は、地震動の大きさが閾値以上の地震が発生していることから、第1電路E1を遮断するための制御信号を第1出力部23に出力する。第1出力部23は、制御部24からの制御信号に従って第1遮断部41に第1遮断信号S1を出力する。そして、第1遮断部41は、第1出力部23からの第1遮断信号S1に従って第1電路E1を遮断する(ステップST3)。
一方、受信側装置3には検知部が設けられていないため、制御部33は、地震の発生を検知しない(ステップST1のNo)。この場合、制御部33は、送信側装置2からの通信信号S3を受信部311が受信したか否かを判定する(ステップST4)。制御部33は、受信部311が通信信号S3を受信していれば(ステップST4のYes)、通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果を取得するための条件を満たしているか否かを判定する(ステップST5)。ここでいう「条件」とは、調整部241によって調整された対象エリアに受信側装置3が含まれていることをいう。
制御部33は、上記条件を満たしていれば(ステップST5のYes)、通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果を取得し、かつ通信部31から通信信号S3をブロードキャストにて送信させる(ステップST2)。ここで、通信信号S3の再送を制限できるようにホップ数が設定されていることが好ましい。
また、制御部33は、検知部21の検知結果に基づいて地震動の大きさが閾値以上か否かを判定し、地震動の大きさが閾値以上であれば第2電路E2を遮断するための制御信号を第2出力部32に出力する。第2出力部32は、制御部33からの制御信号に従って第2遮断部71に第2遮断信号S2を出力する。そして、第2遮断部71は、第2出力部32からの第2遮断信号S2に従って第2電路E2を遮断する(ステップST3)。
制御部33は、受信部311が通信信号S3を受信しない場合(ステップST4のNo)、又は上記条件を満たしていない場合(ステップST5のNo)には、動作を終了する。以降、災害検知システム1及び電力遮断システム10は、上述のステップST1〜ST5の動作を定期的に実行する。
(3.2)第2動作例
次に、災害検知システム1及び電力遮断システム10の第2動作例について、図4を参照して説明する。以下の説明では、受信側装置3Aが調整部241によって調整された対象エリアに含まれており、受信側装置3Bが対象エリアに含まれていない場合を想定する。
送信側装置2Aの制御部24は、検知部21の検知結果から地震の発生を検知する(ステップST11)。制御部24は、検知部21の検知結果を含む通信信号S3を作成し、作成した通信信号S3を送信部221からブロードキャストにて送信させる(ステップST12)。このとき、制御部24の調整部241は、地震に関する災害関連情報に基づいて通信信号S3を送信すべきエリア(対象エリア)を設定(調整)する。
また、制御部24は、地震動の大きさが閾値(例えば震度5)以上であることから、第1電路E1を遮断するための制御信号を第1出力部23に出力する。第1出力部23は、制御部24からの制御信号に従って第1遮断部41に第1遮断信号S1を出力する。そして、第1遮断部41は、第1出力部23からの第1遮断信号S1に従って第1電路E1を遮断する(ステップST13)。一方、受信側装置3A,3Bには検知部が設けられていないため、受信側装置3A,3Bの制御部33は、いずれも地震の発生を検知しない。
受信側装置3Aの制御部33は、送信側装置2Aからの通信信号S3を受信すると、上記条件を満たしているか否かを判定する。ここでは、調整部241によって調整された対象エリアに受信側装置3Aが含まれていることから、制御部33は、通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果を取得する。また、制御部33は、通信信号S3を通信部31からブロードキャストにて送信させる(ステップST14)。
ここで、送信側装置2Aは、通信信号S3の送信元であるため、受信側装置3Aからの通信信号S3を破棄する。また、受信側装置3Bは、調整部241によって調整された対象エリアに含まれていないため、受信側装置3Aからの通信信号S3を破棄する。
受信側装置3Aの制御部33は、通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果から地震による地震動の大きさが閾値以上であることから、第2電路E2を遮断するための制御信号を第2出力部32に出力する。第2出力部32は、制御部33からの制御信号に従って第2遮断部71に第2遮断信号S2を出力する。そして、第2遮断部71は、第2出力部32からの第2遮断信号S2に従って第2電路E2を遮断する(ステップST15)。
(4)災害検知方法
以下の災害検知方法を採用することで、専用の送信側装置2及び受信側装置3を用いなくても、例えば、タブレット端末、スマートフォン等の携帯情報端末、又はパーソナルコンピュータ等を用いて、本実施形態に係る災害検知システム1と同等の機能を実現できる。
すなわち、災害検知方法は、検知ステップと、送信ステップと、第1出力ステップと、受信ステップと、第2出力ステップと、調整ステップと、を備える。検知ステップは、少なくとも1つの第1管理領域D1及び少なくとも1つの第2管理領域D2を含む対象エリアA1における第1管理領域D1で発生する災害を検知するステップである。送信ステップは、検知ステップの検知結果を含む通信信号S3を送信するステップである。第1出力ステップは、検知ステップの検知結果に基づいて、第1管理領域D1内の第1電路E1を遮断するための第1遮断信号S1を出力するステップである。受信ステップは、送信ステップで送信された通信信号S3を受信するステップである。第2出力ステップは、受信ステップで受信した通信信号S3に含まれる検知ステップの検知結果に基づいて、第2管理領域D2内の第2電路E2を遮断するための第2遮断信号S2を出力するステップである。調整ステップは、災害の影響が及ぶ範囲を特定するための情報である災害関連情報に基づいて通信信号S3の送信先を調整するステップである。
この災害検知方法によれば、専用の送信側装置2及び受信側装置3を用いなくても、本実施形態に係る災害検知システム1と同等の機能を実現でき、災害発生時において対象エリアAに含まれる第2管理領域D2内の第2電路E2も遮断することができる。また、この災害検知方法によれば、災害関連情報に基づいて通信信号S3の送信先を調整することもできる。
(5)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(5.1)第1変形例
上述の実施形態では、送信側装置2と受信側装置3とが直接通信を行う場合を例として説明したが、図5に示すように、送信側装置2と受信側装置3とがサーバ装置6を介して通信を行うように構成されていてもよい。以下、災害検知システム1及び電力遮断システム10の第1変形例について図5を参照して説明する。
第1変形例に係る災害検知システム1は、図5に示すように、送信側装置2と、受信側装置3と、を備えている。送信側装置2は、検知部21と、通信部22と、第1出力部23と、制御部24と、を有している。また、受信側装置3は、通信部31と、第2出力部32と、制御部33と、を有している。なお、サーバ装置6に調整部611が設けられている点を除いて上述の実施形態と同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
サーバ装置6は、図5に示すように、制御部61と、通信部62と、記憶部63と、を備えている。
制御部61は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部61は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部61として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部61は、調整部611を有している。調整部611は、上述の災害関連情報に基づいて送信側装置2からの通信信号S3の送信先を調整するように構成されている。言い換えると、調整部611は、災害関連情報に基づいて、通信信号S3を送信すべきエリア(対象エリア)を調整する。調整部611は、例えば、地震動の大きさが閾値以上の地震が発生した地域を地震マップから特定し、この地域を対象エリアに設定(調整)する。
通信部62は、送信側装置2の通信部22及び受信側装置3の通信部31と通信するための通信インターフェースである。通信部62は、通信部22,31との間で無線通信を行うように構成されている。通信部62と通信部22,31との間の無線通信は、例えば920MHz帯の電波を利用した特定小電力無線通信である。通信部62は、検知部21の検知結果を含む通信信号S3を通信部22(送信部221)から受信する。また、通信部62は、調整部611によって調整された対象エリアについてのエリア情報を通信信号S3に追加し、この通信信号S3を受信側装置3に送信する。
記憶部63は、読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部63は、例えばフラッシュメモリである。記憶部63は、複数の災害と複数の災害関連情報とを紐付けて記憶する。
なお、災害検知システム1及び電力遮断システム10の動作については、サーバ装置6を介して通信信号S3を伝送する点を除いて上述の実施形態と同様であるため、ここでは災害検知システム1及び電力遮断システム10の動作の説明を省略する。
第1変形例では、送信側装置2の制御部24は、検知部21の検知結果から地震動の大きさが閾値以上の地震が発生したと判断した場合、検知部21の検知結果を含む通信信号S3をサーバ装置6に向けて送信するだけでよい。言い換えると、制御部24は、通信信号S3を送信すべき対象エリアを調整しなくてもよく、対象エリアを調整する場合と比較して制御部24の処理負担を軽減することができる。
(5.2)第2変形例
上述の実施形態では、送信側装置2の制御部24に調整部241が設けられ、第1変形例では、サーバ装置6の制御部61に調整部611が設けられているが、図6に示すように、受信側装置3に調整部332が設けられていてもよい。以下、災害検知システム1の第2変形例について図6を参照して説明する。
第2変形例に係る災害検知システム1の受信側装置3は、図6に示すように、通信部31と、第2出力部32と、制御部33と、を有している。なお、通信部31及び第2出力部32については上述の実施形態及び第1変形例と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
制御部33は、図6に示すように、処理部331と、調整部332と、を有している。調整部332は、災害関連情報に基づいて通信信号S3の送信先を調整する。言い換えると、調整部332は、災害関連情報に基づいて通信信号S3を送信すべき対象エリアを調整する。処理部331は、通信信号S3の送信先を特定する処理を行う。具体的には、処理部331は、調整部332によって調整された対象エリアに自己が含まれているか否かによって通信信号S3の送信先を特定する。
例えば、送信側装置2の検知部21が、地震動の大きさが閾値以上の地震を検知すると、制御部24は、検知部21の検知結果を含む通信信号S3を送信部221からブロードキャストにて送信させる。一方、受信側装置3の制御部33の調整部332は、災害関連情報に基づいて通信信号S3を送信すべき対象エリアを調整する。例えば、災害が地震である場合、調整部332は、災害関連情報としての地震マップに基づいて対象エリアを調整する。処理部331は、調整部332によって調整された対象エリアに自己が含まれているか否かを判定し、自己が含まれている場合には通信信号S3に含まれる検知部21の検知結果を取得し、自己が含まれていない場合には通信信号S3を破棄する。
この構成によれば、受信側装置3に設けられた調整部332によって通信信号S3の送信先を調整することができる。また、通信信号S3を受信する受信側装置3に調整部332が設けられているので、通信信号S3を送信する送信側装置2は、通信信号S3の送信先を特定することなく、ブロードキャストにて通信信号S3を送信することができる。
(5.3)第3変形例
上述の実施形態及び第1,第2変形例では、調整部によって調整された対象エリア全体が通信信号S3の送信先に設定されるが、対象エリアの一部が通信信号S3の送信先に設定されるように構成されていてもよい。以下、災害検知システム1の第3変形例について図7を参照して説明する。
第3変形例に係る送信側装置3は、図7に示すように、検知部21と、通信部22と、第1出力部23と、制御部24と、設定部25と、を備えている。なお、検知部21、通信部22、第1出力部23及び制御部24については上述の実施形態と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
設定部25は、制御部24の調整部241によって調整された対象エリアの一部を通信信号S3の送信先に設定するように構成されている。具体的には、設定部25は、例えば住所等の位置情報を入力することによって、入力された位置情報に対応する受信側装置3を通信信号S3の送信先に設定する。すなわち、設定部25によって設定された受信側装置3以外の受信側装置3を通信信号S3の送信先から除外することができる。
この構成によれば、例えば対象エリアに含まれる親族等の身内のみを通信信号S3の送信先に設定することができるので、誤作動等によって第2電路E2が遮断した場合でもトラブルが起きにくいという利点がある。
(5.4)その他の変形例
上述の実施形態では、対象エリアA1が市町村等の地方公共団体であり、複数の管理領域D1,D2の各々が対象エリアA1に含まれる戸建て住宅である場合を例として説明した。これに対して、例えば、対象エリアA1がマンション等の集合住宅であり、複数の管理領域D1,D2の各々が集合住宅の各住戸であってもよい。さらに、対象エリアが複数の管理領域を含む構成であれば、上記以外の構成であってもよい。
上述の実施形態では、受信側装置3の第2出力部32は、1つの送信側装置2からの1つの検知部21の検知結果に基づいて第2遮断信号S2を出力する場合を例として説明した。これに対して、第2出力部32は、複数の送信側装置2からの複数の検知部21の検知結果に基づいて第2遮断信号S2を出力するように構成されていてもよい。言い換えると、第2出力部32は、受信部311が所定期間において複数の送信側装置2からの複数の通信信号S3を受信した場合に、第2遮断信号S2を出力するように構成されていてもよい。この構成によれば、1つの検知部21の検知結果に基づいて第2遮断信号S2を出力する場合と比較して、誤作動を低減することができる。
また、第2出力部32は、検知部21の検知結果を複数回取得した場合に第2遮断信号S2を出力するように構成されていてもよい。言い換えると、第2出力部32は、受信部311が所定期間において通信信号S3を複数回受信した場合に、第2遮断信号S2を出力するように構成されていてもよい。この場合、1つの送信側装置2から検知部21の検知結果を複数回受信してもよいし、2つ以上の送信側装置2から検知部21の検知結果を複数回受信してもよい。この構成によれば、1つの検知部21の検知結果に基づいて第2遮断信号S2を出力する場合と比較して、誤作動を低減することができる。
上述の実施形態では、検知部21が地震を検知するたびに送信部221が通信信号S3を送信する場合を例として説明したが、送信部221は、一定の確率で通信信号S3を送信するように構成されていてもよい。言い換えると、送信部221は、検知部21のすべての検知結果を送信するのではなく、そのうちの一部を送信するように構成されていてもよい。例えば、隣接する複数の対象エリアA1に跨るように地震が発生した場合、各対象エリアA1において送信側装置2と受信側装置3との間で通信信号S3の送受信が行われるため、フラッディングによりネットワークが輻輳する可能性がある。この場合において、送信部221が一定の確率で通信信号S3を送信するように構成することで、フラッディングによりネットワークが輻輳するのを低減することができる。
上述の実施形態では、通信信号S3の送信先を特定するための付加情報(エリア情報)が、住所である場合を例として説明したが、付加情報は住所に限らず、郵便番号、市外局番、GPS情報等であってもよいし、三角測量によって特定した位置情報であってもよい。また、付加情報は、対象エリアごとに設定されるエリアアドレス、ネットワークごとに設定されるネットワークアドレス等であってもよい。これらの構成によれば、通信信号S3を送信するエリアを予め特定することができる。
上述の実施形態では、通信信号S3の送信先を特定するための付加情報が通信信号S3に含まれている場合を例として説明したが、付加情報は省略されていてもよい。言い換えると、処理部331は、送信部221と受信部311との通信状況によって通信信号S3の送信先を特定するように構成されていてもよい。上述の実施形態のように、送信部221と受信部311との間で無線通信を行っている場合には、例えば送信部221からの通信信号S3の電波強度を調整することにより、通信信号S3の送信先を特定(限定)することができる。この構成によれば、通信信号S3の電波強度を調整することにより通信信号S3の受信エリアを自動的に設定することができるので、通信信号S3に付加情報を含めなくてもよいという利点がある。
上述の実施形態及び第1〜第3変形例では、通信信号S3をブロードキャストにて送信するように構成されており、受信側装置3(処理部331)にて通信信号S3を受信するか否かを判定している。これに対して、送信側装置2にて通信信S3を受信する範囲を特定するように構成されていてもよい。すなわち、通信信号S3の送信先を特定するための処理を行う処理部が送信側装置2に設けられていてもよい。
また、送信側装置2と受信側装置3との間の通信方式はブロードキャストに限らず、例えば、ユニキャスト、マルチキャスト等であってもよいし、ホップ数を設定することによって通信エリアを制限するマルチホップであってもよい。
第3変形例では、送信側装置2に設定部25が設けられているが、受信側装置2に設定部が設けられていてもよいし、サーバ装置6に設定部が設けられていてもよい。
上述の実施形態では、検知部21によって地震の地震動を検知する場合を例として説明したが、検知部21によって地震の予兆を検知するように構成されていてもよい。この構成によれば、実際に地震が発生する前に対象エリアA1に含まれる第1管理領域D1内の第1電路E1及び第2管理領域D2内の第2電路E2を遮断することができ、安全性を高めることができる。
上述の実施形態では、送信側装置2と受信側装置3との間の通信が無線通信である場合を例として説明したが、例えば、電力線を利用した電力線搬送通信(Power Line Communication)であってもよい。また、管理領域D1,D2としての戸建て住宅がスマートメータを備えている場合には、スマートメータ間で通信を行うように構成されていてもよい。さらに、送信側装置2と受信側装置3との間の無線通信は、特定小電力無線通信に限らず、WiFi(登録商標)、又は3G、4G、LTE(Long Term Evolution)等の携帯端末用の回線を利用した無線通信であってもよい。
上述の実施形態では、対象エリアA1に含まれる第1管理領域D1及び第2管理領域D2がそれぞれ戸建て住宅である場合を例として説明したが、例えば、少なくとも1つの第1管理領域D1が電力会社であってもよい。この場合、第1管理領域D1である電力会社に検知部が設けられていれば、検知部の検知結果を含む通信信号を、第1管理領域D1である電力会社から第2管理領域D2である戸建て住宅に送信することができる。
上述の実施形態では、災害が地震である場合を例として説明したが、災害は地震に限定されない。以下、地震以外の災害について列挙する。災害が火災である場合には、検知部21は、例えば熱、煙、炎等によって火災を感知する火災感知器である。また、災害が豪雨、豪雪、洪水、高潮、津波等の水害である場合には、検知部21は、例えば雨量計等の水量を検出するためのセンサである。さらに、災害が落雷である場合には、検知部21は、例えば落雷によるサージ電流を計測するセンサである。また、災害が竜巻、台風等である場合には、検知部21は、例えば風速計である。
上述の実施形態では、災害関連情報が地震マップである場合を例として説明したが、災害関連情報は、災害の種類に応じて決まる情報である。災害が火災である場合には、災害関連情報は、例えば気象庁から出される地域ごとの風向き情報である。また、災害が水害である場合には、災害関連情報は、例えば自治体から出される土砂災害マップである。さらに、災害が落雷である場合には、災害関連情報は、例えば気象庁から出される地域ごとの天気予報である。また、災害が竜巻、台風等である場合には、災害関連情報は、例えば気象庁から出される竜巻、台風等の発生予報である。
上述の実施形態では、検知部21が1つの検知対象(地震)を検知する場合を例として説明したが、検知部21は、複数の検知対象を検知するように構成されていてもよい。この場合、調整部241は、複数の災害関連情報を有していることが好ましい。そして、調整部241は、複数の災害関連情報のうち、適用する災害関連情報を災害の種類に応じて変更するように構成されていることが好ましい。ここで、複数の災害関連情報は、複数の災害に一対一に対応する情報である。例えば、検知部21の検知対象が地震と火災とであれば、調整部241は、複数の災害関連情報の中から地震に関する災害関連情報と火災に関する災害関連情報とを選択する。この構成によれば、災害の種類に応じて適用する災害関連情報を変更するので、災害の種類に応じて通信信号S3の送信先を調整することができる。
(まとめ)
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様に係る災害検知システム(1)は、送信側装置(2)と、受信側装置(3)と、を備える。送信側装置(2)は、少なくとも1つの第1管理領域(D1)及び少なくとも1つの第2管理領域(D2)を含む対象エリア(A1)における第1管理領域(D1)に設けられる。受信側装置(3)は、第2管理領域(D2)に設けられる。送信側装置(2)は、検知部(21)と、送信部(221)と、第1出力部(23)と、を有する。検知部(21)は、第1管理領域(D1)で発生する災害を検知する。送信部(221)は、検知部(21)の検知結果を含む通信信号(S3)を送信する。第1出力部(23)は、検知部(21)の検知結果に基づいて、第1管理領域(D1)内の第1電路(E1)を遮断するための第1遮断信号(S1)を出力する。受信側装置(3)は、受信部(311)と、第2出力部(32)と、を有する。受信部(311)は、送信部(221)からの通信信号(S3)を受信する。第2出力部(32)は、受信部(311)で受信した通信信号(S3)に含まれる検知部(21)の検知結果に基づいて、第2管理領域(D2)内の第2電路(E2)を遮断するための第2遮断信号(S2)を出力する。また、災害検知システム(1)は、災害の影響が及ぶ範囲を特定するための情報である災害関連情報に基づいて、通信信号(S3)の送信先を調整する調整部(241,332,611)を更に備える。
第1の態様によれば、第1管理領域(D1)に設けられた検知部(21)が災害を検出すると、第1管理領域(D1)内の第1電路(E1)を遮断するための第1遮断信号(S1)が出力され、さらに検知部(21)の検知結果が第2管理領域(D2)に送信される。そして、第2管理領域(D2)では、検知部(21)の検知結果に基づいて第2管理領域(D2)内の第2電路(E2)を遮断するための第2遮断信号(S2)が出力される。これにより、対象エリア(A1)に含まれる第1管理領域(D1)内の第1電路(E1)だけでなく、第2管理領域(D2)内の第2電路(E2)も遮断することができる。また、第1の態様によれば、災害関連情報に基づいて通信信号(S3)の送信先を調整することもできる。
第2の態様に係る災害検知システム(1)は、第1の態様において、通信信号(S3)の送信先を特定するための処理を行う処理部(331)を更に備える。
第2の態様によれば、処理部(331)によって通信信号(S3)の送信先を特定することができる。
第3の態様に係る災害検知システム(1)では、第2の態様において、受信側装置(3)は、処理部(331)を有する。通信信号(S3)には、通信信号(S3)の送信先を特定するための付加情報が更に含まれている。処理部(331)は、付加情報に基づいて通信信号(S3)の送信先を特定するように構成されている。
第3の態様によれば、通信信号(S3)に含まれる付加情報に基づいて通信信号(S3)の送信先を特定することができる。
第4の態様に係る災害検知システム(1)では、第2の態様において、処理部(331)は、送信部(221)と受信部(311)との通信状況によって通信信号(S3)の送信先を特定するように構成されている。
第4の態様によれば、送信部(221)と受信部(311)との通信状況によって通信信号(S3)の送信先を特定することができるので、通信信号(S3)に付加情報を含めなくてもよいという利点がある。
第5の態様に係る災害検知システム(1)では、第1〜4のいずれかの態様において、送信側装置(2)に調整部(241)が設けられている。
第5の態様によれば、調整部(241)によって通信信号(S3)の送信先を調整することができる。
第6の態様に係る災害検知システム(1)では、第1〜4のいずれかの態様において、送信側装置(2)からの通信信号(S3)を受信側装置(3)に伝送する機能を有するサーバ装置(6)に調整部(611)が設けられている。
第6の態様によれば、調整部(611)によって通信信号(S3)の送信先を調整することができる。
第7の態様に係る災害検知システム(1)では、第1〜4のいずれかの態様において、受信側装置(3)に調整部(332)が設けられている。
第7の態様によれば、調整部(332)によって通信信号(S3)の送信先を調整することができる。
第8の態様に係る災害検知システム(1)では、第1〜7のいずれかの態様において、調整部(241,332,611)は、複数の災害関連情報を有する。調整部(241,332,611)は、複数の災害関連情報のうち、適用する災害関連情報を災害の種類に応じて変更するように構成されている。
第8の態様によれば、調整部(241,332,611)は、災害の種類に応じて適用する災害関連情報を変更するので、災害の種類に応じて通信信号(S3)の送信先を調整することができる。
第9の態様に係る災害検知システム(1)は、第1〜8のいずれかの態様において、受信側装置(3)を複数備える。また、災害検知システム(1)は、複数の受信側装置(3)のうち、少なくとも1つの受信側装置(3)を通信信号(S3)の送信先に設定する設定部(25)を更に備える。
第9の態様によれば、設定部(25)によって通信信号(S3)の送信先を任意に設定することができる。
第10の態様に係る災害検知システム(1)は、第1〜9のいずれかの態様において、送信側装置(2)を複数備える。第2出力部(32)は、受信部(311)が所定期間において複数の送信側装置(2)からの複数の通信信号(S3)を受信した場合に、第2遮断信号(S2)を出力するように構成されている。
第10の態様によれば、複数の通信信号(S3)を受信した場合に第2遮断信号(S2)を出力するので、1つの通信信号(S3)を受信した場合に第2遮断信号(S2)を出力する場合と比較して、受信側装置(3)の誤作動を低減することができる。
第11の態様に係る災害検知システム(1)では、第1〜9のいずれかの態様において、第2出力部(32)は、受信部(311)が所定期間において通信信号(S3)を複数回受信した場合に、第2遮断信号(S2)を出力するように構成されている。
第11の態様によれば、通信信号(S3)を複数回受信した場合に第2遮断信号(S2)を出力するので、通信信号(S3)を1回受信した場合に第2遮断信号(S2)を出力する場合と比較して、受信側装置(3)の誤作動を低減することができる。
第12の態様に係る災害検知システム(1)では、第1〜11のいずれかの態様において、送信部(221)は、一定の確率で通信信号(S3)を送信するように構成されている。
第12の態様によれば、送信側装置(2)と受信側装置(3)との間のネットワークが、例えばフラッディングによって輻輳するのを抑えることができる。
第13の態様に係る送信側装置(2)は、対象エリア(A1)における少なくとも1つの特定管理領域(D1)に設けられる。送信側装置(2)は、検知部(21)と、送信部(221)と、出力部(23)と、調整部(241)と、を有する。検知部(21)は、特定管理領域(D1)で発生する災害を検知する。送信部(221)は、検知部(21)の検知結果を含む通信信号(S3)を送信する。出力部(23)は、検知部(21)の検知結果に基づいて特定管理領域(D1)内の電路(E1)を遮断するための遮断信号(S1)を出力する。調整部(241)は、災害の影響が及ぶ範囲を特定するための情報である災害関連情報に基づいて通信信号(S3)の送信先を調整する。
第13の態様によれば、対象エリア(A1)に含まれる他の管理領域(D2)の電路(E2)を遮断することもできる。また、第13の態様によれば、災害関連情報に基づいて通信信号(S3)の送信先を調整することもできる。
第14の態様に係る受信側装置(3)は、第1〜12のいずれかの態様の災害検知システム(1)に受信側装置(3)として用いられる。
第14の態様によれば、第1管理領域(D1)内の第1電路(E1)だけでなく、第2管理領域(D2)内の第2電路(E2)も遮断できる。また、第14の態様によれば、災害関連情報に基づいて通信信号(S3)の送信先を調整することもできる。
第15の態様に係る電力遮断システム(10)は、第1〜12のいずれかの態様の災害検知システム(1)と、第1遮断部(41)と、第2遮断部(71)と、を備える。第1遮断部(41)は、第1遮断信号(S1)に従って第1電路(E1)を遮断する。第2遮断部(71)は、第2遮断信号(S2)に従って第2電路(E2)を遮断する。
第15の態様によれば、対象エリア(A1)に含まれる第2管理領域(D2)内の第2電路(E2)を遮断可能な電力遮断システム(10)を実現することができる。
第16の態様に係る災害検知方法は、検知ステップと、送信ステップと、第1出力ステップと、受信ステップと、第2出力ステップと、調整ステップと、を備える。検知ステップは、少なくとも1つの第1管理領域(D1)及び少なくとも1つの第2管理領域(D2)を含む対象エリア(A1)における第1管理領域(D1)で発生する災害を検知するステップである。送信ステップは、検知ステップの検知結果を含む通信信号(S3)を送信するステップである。第1出力ステップは、検知ステップの検知結果に基づいて、第1管理領域(D1)内の第1電路(E1)を遮断するための第1遮断信号(S1)を出力するステップである。受信ステップは、送信ステップで送信された通信信号(S3)を受信するステップである。第2出力ステップは、受信ステップで受信した通信信号(S3)に含まれる検知ステップの検知結果に基づいて、第2管理領域(D2)内の第2電路(E2)を遮断するための第2遮断信号(S2)を出力するステップである。調整ステップは、災害の影響が及ぶ範囲を特定するための情報である災害関連情報に基づいて、通信信号(S3)の送信先を調整するステップである。
第16の態様によれば、専用の送信側装置(2)及び受信側装置(3)を用いなくても、災害検知システム(1)と同等の機能を実現でき、災害発生時において対象エリア(A1)に含まれる第2管理領域(D2)内の第2電路(E2)を遮断することができる。また、第16の態様によれば、災害関連情報に基づいて通信信号(S3)の送信先を調整することもできる。
第2〜第12の態様に係る構成については、災害検知システム(1)の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。