以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。なお、以下に示す図面では、説明の便宜のため、面状照明装置の光の出射方向をZ軸正方向とする3次元の直交座標系を示している。かかる直交座標系は、以下の説明で用いる他の図面においても示す場合がある。
まず、図1〜図3を用いて、実施形態に係る面状照明装置の概要について説明する。図1は、実施形態に係る面状照明装置の上面図である。図2は、実施形態に係る面状照明装置の分解斜視図である。図3は、実施形態に係る面状照明装置の断面図である。図3では、図1に示すA−A線で切断した断面を示す。
実施形態に係る面状照明装置1は、各種液晶表示装置のバックライトとして用いられる照明装置であって、後述の光源20が液晶表示装置の直下に配置される、いわゆる直下型の面状照明装置である。面状照明装置1の対象である液晶表示装置は、例えば、車載器である電子メータやインジケータ等であるが、かかる対象は、車載器に限らず、任意の液晶表示装置であってよい。
図1に示すように、実施形態に係る面状照明装置1は、後述の上フレーム11によって規定される出射領域Rを有する。面状照明装置1は、出射領域Rにより面状に発光し、上記した液晶表示装置のバックライトとして機能する。
また、直下型である面状照明装置1は、後述の複数の光源20それぞれを個別に制御することによって、出射領域Rの輝度を部分的に調整する、いわゆるローカルディミングに対応可能である。
また、図1に示すように、実施形態に係る面状照明装置1は、コネクタCを有する。コネクタCは、例えば、電源配線や信号配線等が接続される。すなわち、実施形態に係る面状照明装置1には、コネクタCを介して電源や信号が供給される。
また、図2および図3に示すように、実施形態に係る面状照明装置1は、基板2と、反射板3と、レンズ(レンズシート)4と、スペーサ5と、拡散板6と、フレーム10と、光源20と、光学シート70とを備える。
フレーム10は、剛性が大きい、例えば、ステンレス製の板金フレームである。フレーム10は、上フレーム11と、下フレーム12とを備え、基板2、反射板3、レンズ4、スペーサ5、拡散板6、光源20および光学シート70等といった面状照明装置1の各部を収容する。
上フレーム11は、下フレーム12に対してZ軸正方向側である光の出射方向側に配置され、フレーム10における蓋として機能する。また、上フレーム11は、天板11aと、側壁11bとにより構成される。天板11aは、上面視(Z軸正方向から見て)で中央部に開口部が形成され、かかる開口部により上記した出射領域Rが規定される。側壁11bは、天板11aの周端部(開口部と反対側)と連続し、後述の下フレーム12の側壁12bに沿って延在する。
下フレーム12は、上フレーム11に対してZ軸負方向側に配置され、フレーム10における土台として機能する。また、下フレーム12は、底部12aと、側壁12bとにより構成される。底部12aは、上面視で矩形状であり、面状照明装置1の上面視形状を規定する。側壁12bは、底部12aの周縁と連続し、上フレーム11の側壁11bに沿って延在する。
基板2は、例えば、エポキシ樹脂またはPI(ポリイミド)からなる回路基板であり、例えば、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)を採用可能である。
光源20は、点状の光源であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)を採用可能である。光源20として、例えば、パッケージタイプのLEDや、チップタイプのLEDを用いることができるが、これに限定されない。光源20としてチップタイプのLEDを用いる場合は、蛍光体シートなどの波長変換部材と組み合わせてもよい。なお、光源20は、LEDに限定されるものではなく、任意の発光部材を採用可能である。また、複数の光源20は、基板2に対して所定の配列で実装される。ここで、図5Aを用いて、光源20の配置例について説明する。
図5Aは、実施形態に係る光源20の配置例を示す図である。図5Aでは、基板2の一部をZ軸正方向側から見た上面図を示す。図5Aに示すように、複数の光源20は、基板2に対して千鳥配列(六方格子状に配列)で配置される。図5Aに示す例では、任意の一つの光源20を中心にして、周囲に6個の光源20が配置される。具体的には、中心となる光源20の周りに等間隔(例えば、60°間隔)で配置される。換言すれば、一つの光源20が6個の光源20に囲まれるようにして所定の間隔を空けて配置される。
なお、図5Aに示す例では、複数の光源20を千鳥配列で配置した例を示したが、千鳥配列に限定されるものではなく、図5Bに示すように、複数の光源20の配列は、矩形配列(例えば、マトリクス配列や格子配列等)であってもよい。図5Bは、実施形態に係る光源20の他の配置例を示す上面図である。なお、本実施形態に係る面状照明装置1では、各光源20に対応する発光領域ごとに輝度を調整する、いわゆるローカルディミング(エリア発光)を行うことができる。
反射板3は、基板2上に配置され、基板2に実装される各光源20に対応する位置に光源20が配置される孔が形成される。反射板3は、例えば、白色の樹脂等で形成され、光反射機能を有する。具体的には、反射板3は、レンズ4に一度入射した光源20の光が、光源20側へ漏れて戻ってきた場合に、戻ってきた光を再度レンズ4に向かって反射する。これにより、面状照明装置1としての出射効率を向上させることができる。
レンズ4は、光源20から出射した光の配光制御を行う。具体的には、光源20から出射した光が、レンズ4で屈折し広がって出射される。レンズ4は、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、シリコーン等の材料からなる板状の部材で、基板2に配置された複数の光源20を一体的に覆う。
また、レンズ4は、2つの主面41a,41bを有する。一方の主面41aは、光源20と対向する面であって、光源20の光が入射する入射面(以下、入射面41a)である。他方の主面41bは、入射面41aの裏面であって、入射面41aから入射した光を出射する出射面(以下、出射面41b)である。また、図3に示すように、入射面41aには、微細な凹凸形状の光学素子(本実施形態ではプリズム)40が形成されるが、かかる点については後述する。
スペーサ5は、例えば、上面視ロ字状で構成される。また、スペーサ5は、下フレーム12の側壁12bに沿うとともに、レンズ4と拡散板6との間に配置され、レンズ4と拡散板6との間隔を一定に保持する。スペーサ5は、面状照明装置1の長手方向(X軸)に沿って拡散板6を下面側から押圧し、かかる長手方向に沿ってレンズ4を上面側から押圧する。
具体的には、スペーサ5は、レンズ4における出射面41bの周縁をZ軸負方向側である光源20へ向かって押圧する。また、スペーサ5は、後述の拡散板6の周縁をZ軸正方向側である光の出射方向側へ向かって押圧する。これにより、レンズ4および拡散板6の間が一定の間隔で保持されるため、レンズ4からの出射光の輝度を均一化できる。
なお、スペーサ5は、例えば、硬質部材、弾性部材等を採用可能であるが、レンズ4および拡散板6の間を一定の間隔で保持できれば、材質や物性等は特に限定されない。あるいは、スペーサ5を、白色の樹脂材料等で構成することで、光反射機能をさらに有するようにしてもよい。また、スペーサ5は、上面視ロ字状で構成される場合を一例として示したが、これに限定されない。
拡散板6は、例えば、樹脂等の材料で構成され、レンズ4から出射された光源20の光を拡散する。拡散板6は、レンズ4から出た光を拡散して、Z軸正方向側である光の出射方向へ向けて出射する。すなわち、レンズ4から出射した光は、拡散板6によって拡散され、光学シート70へ導かれる。
ここで、図6を用いて、拡散板6、レンズ4および光源20の位置関係について説明する。図6は、拡散板6、レンズ4および光源20の位置関係の説明図である。
図6に示すように、レンズ4は、拡散板6および光源20の間に配置される。また、レンズ4および光源20は、離間して配置される。また、レンズ4および拡散板6は、離間して配置される。つまり、レンズ4は、拡散板6および光源20それぞれと離間して配置される。
また、レンズ4は、光源と拡散板との距離を所定の値に設定した状態で、光学素子40から光源20までの距離Gaよりも、光学素子40から拡散板6までの距離Gbのほうが長くなる位置に配置される。具体的には、光源20の上面20aからレンズ4の入射面41a(光学素子40)までの距離Gaよりも、レンズ4の入射面41a(光学素子40)から拡散板6の入射面6aまでの距離Gbが長い。
このように、光源20の上面20aからレンズ4の入射面41aまでの距離Gaを短くすることで、入射面41aから拡散板6の入射面6aまでの距離Gbを長くとることができる。これにより、レンズ4から拡散板6までの光路長を長くできるため、レンズ4から屈折して出射した光がより広がって拡散板6に入射される。このように、レンズ4を、光源と拡散板との距離を所定の値に設定した状態で、距離Gaよりも距離Gbのほうが長くなる位置に配置することで、レンズ4の光を広げる作用効果が有効に発揮され輝度の均一化を図ることができる。あるいは、光源20の配列ピッチを広げ、光源20の灯数の低減化を図ることも可能となる。
なお、図6では、レンズ4の入射面41a、すなわち、光学素子40における後述する第1光学部位40aの底面40a2または第2光学部位40bの底面40b2(図4B参照)を基準して距離Gaおよび距離Gbを算出したが、光学素子40における第1光学部位40aまたは第2光学部位40bの先端を基準にして距離Gaおよび距離Gbを算出してもよい。
光学シート70は、拡散板6から出射された光に対して均一化や集光化等といった配光制御等の光学的な調整を行う部材である。例えば、光学シート70は、プリズムシートとも称される部材であって、Z軸正方向側である光の出射方向側の主面において、断面視形状が三角形のプリズムが形成される。また、図2および図3に示すように、例えば、光学シート70は、第1シート71および第2シート72の2枚のシートにより構成される。
例えば、第1シート71は、プリズムシート(例えば、3M社製のBrightness Enhancement Film)であり、第2シート72は、反射型偏光シート(例えば、3M社製のDual Brightness Enhancement Film)であるが、面状照明装置1に求められる発光態様によって任意に変更することが可能である。また、光学シート70は、例えば、接着剤や両面テープ等の接着部材によって拡散板6の出射面に固定される。
また、図2および図3に示す面状照明装置1の構成は、一例であって、例えば、上フレーム11の天板11aと光学シート70との間に、例えば、ゴムやスポンジ等といった弾性部材を設けてもよい。かかる弾性部材は、上フレーム11の天板11a側から光学シート70を介して拡散板6を押圧する。これにより、面状照明装置1に振動が生じた場合、かかる振動を弾性部材が吸収するため、振動による拡散板6の位置ずれを防ぐことができる。
ところで、一般の直下型の面状照明装置において、上記のようにして複数の光源を基板に配置するとともに、各光源の直上にレンズをそれぞれ配置した場合、光源とレンズとのアライメントを取ることが困難になることがある。例えば、基板に多数の光源を配置した場合、光源とレンズとのアライメントを取ることが難しくなる。このため、一般的な直下型の面状照明装置では、複数の光源を基板に敷き詰めて配置する場合に、光源とレンズとの位置ずれが起きると輝度の均一性が低下するおそれがあった。
そこで、本実施形態に係る面状照明装置1では、レンズ4の入射面41aに光学素子40が形成される。具体的には、レンズ4は、入射面41aにおいて、光源20から離れる方向(Z軸正方向)で六角錐状に凹んだ複数の凹部を有する光学素子40を有する。これにより、複数の光源20が配置された基板2に対して、光源20と対向する入射面41aに光源20のピッチよりも小さいピッチで配置された複数の六角錐形状の凹部が形成された光学素子40を有するレンズ4で一体的に覆うことで、基板2に光源20を多数配置した場合でもアライメントをすることなく、発光面の輝度の均一化を可能にする。
このように、複数の光源20が配置された基板2に対して、光源20のピッチよりも小さいピッチで配置された光学素子40が形成されるレンズ4で一体的に覆うことにより、光源20とレンズ4とのアライメント(位置決め)を必要としない。すなわち、実施形態に係る面状照明装置1によれば、光源20とレンズ4との位置ずれを実質的に無効化できるため、輝度の均一性を向上させることができる。
ここで、図4A〜図4Cを用いて、光学素子40について詳細に説明する。図4A〜図4Cは、光学素子40を示す図である。図4Aでは、光学素子40をZ軸負方向側から見た図を示し、図4Bでは、図4Aに示すB−B線で切断した断面を示し、図4Cでは、光学素子40の第1光学部位40aの斜視図を示す。
図4Aおよび図4Bに示すように、光学素子40は、第1光学部位40aと、第2光学部位40bとを有する。第1光学部位40aは、図4A〜図4Cに示すように上面視で六角形の底面40a2(図4Aに示す斜線が付された領域)であり、図4Bおよび図4Cに示すように、底面40a2からZ軸正方向側である先端に向かって先細りとなる錐状の凹部、すなわち、六角錐状に凹んだ凹部(以下、第1凹部40aと記載する場合がある)である。換言すれば、第1光学部位40aは、底面40a2と略平行な断面の面積が先端に向かうほど小さくなる部位を有する形状である。
また、第1光学部位40aは、上面視で、千鳥配列となっているが、かかる点については図7Aで後述する。なお、第1光学部位40aは、凹部に限定されるものではなく、凸部であってもよく、先端形状も錐状に限定されず円弧状等の任意の形状であってもよい。つまり、第1光学部位40aは、六角形の底面40a2からZ軸正方向側である先端に向かって先細りとなる部位を有すれば任意の形状を採用可能である。また、第1光学部位40aは、正確な錐状でなくともよい。すなわち、錐状の第1光学部位40aは、例えば、製造誤差等により先端が多少の円弧状となった場合であっても、錐状とみなしてもよい。
また、図4Cに示すように、第1光学部位40aは、底面40a2と交差する傾斜面40a1が形成される。第1光学部位40aは、傾斜面40a1と底面40a2との間の角度αが、44°以上58°以下となっている。あるいは、第1光学部位40aは、六角錐形状の底面40a2と六角錐形状の傾斜面40a1との間の角度αが、例えば、44°以上55°以下であることが好ましい。より好ましくは、第1光学部位40aは、発光面の輝度の均一性を向上させるため、傾斜面40a1と底面40a2との間の角度αが、例えば、50°であることが好ましい。
また、図4Cに示すように、第1光学部位40aの対辺の間の長さDは、例えば矩形状(上面視)である光源20の対角の間の長さD20よりも短い。具体的には、第1光学部位40aの長さDは、光源20の対角の間の長さD20の1/2以下であることが好ましい。言い換えれば、第1光学部位40aの対辺の間の長さDは、上面視形状における光源20の最大距離の1/2以下であることが好ましい。あるいは、第1光学部位40aの長さDは、上面視形状における光源20の最大距離の1/10以下であることがより好ましい。つまり、第1光学部位40aは、上面視で、光源20よりも小さいため、光源20と第1光学部位40aとの位置ずれが発生した場合であっても、かかる位置ずれを実質的に無効化できるため、輝度の均一性が低下することを防止できる。なお、隣接する第1光学部位40a間にスペース(平坦部)が設けられる場合には、第1光学部位40aの長さDを光学素子40のピッチに置き換えることができる。
なお、光源20の上面視形状は、矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形や多角形等の他の形状であってもよい。例えば、円形の光源20の場合、第1光学部位40aの長さDは、光源20の直径の1/2以下であることが好ましい。つまり、第1光学部位40aにおける六角形の底面の対辺の間の長さ(長さD)は、上面視形状における光源20の最大距離の1/2以下であることが好ましい。
また、第1光学部位40aの長さDや、高さH(底面から先端までの距離)は任意であってよく、複数の第1光学部位40aすべてが一様に同じ長さDおよび高さHでなくともよい。つまり、複数の第1光学部位40aは、それぞれの長さDおよび高さHが異なってよく、一様に同じであってもよい。
さらに、後述の第2光学部位40bの上記した長さや、高さも同様に、任意であってよい。つまり、複数の第2光学部位40bは、それぞれの長さおよび高さが異なってよく、一様に同じであってもよい。
また、第2光学部位40bは、図4Aに示すように上面視で三角形の底面40b2(図4Aに示すドットが付された領域)であり、図4Bに示すように、底面40b2からZ軸正方向側である先端に向かって先細りとなる錐状の凹部、すなわち、三角錐状に凹んだ凹部(以下、第2凹部40bと記載する場合がある)である。換言すれば、第2光学部位40bは、底面40b2と略平行な断面の面積が先端に向かうほど小さくなる部位を有する形状である。
なお、第2光学部位40bは、凹部に限定されるものではなく、凸部であってもよく、先端形状も錐状に限定されず円弧状等の任意の形状であってもよい。つまり、第2光学部位40bは、三角形の底面から先端に向かって先細りとなる部位を有すれば任意の形状を採用可能である。また、第2光学部位40bは、正確な錐状でなくともよい。すなわち、錐状の第2光学部位40bは、例えば、製造誤差等により先端が多少の球状となった場合であっても、錐状とみなしてもよい。
また、図4Bに示すように、第2凹部40bは、第1凹部40aより凹みが浅い。つまり、第2凹部40bは、底面40b2から先端までの長さが第1凹部40aの底面40a2から先端までの長さよりも短い。なお、第1光学部位40aおよび第2光学部位40bが凸部の場合、第2光学部位40bは、第1光学部位40aよりも底面から頂点までの高さが低くなるように形成される。すなわち、第2光学部位40bは、底面から先端までの長さが第1光学部位40aよりも短い。
また、第1光学部位40aおよび第2光学部位40bは、凹部および凸部が混在する構成であってもよい。つまり、第1光学部位40aが凸部で、第2光学部位40bが凹部である構成であってもよく、第1光学部位40aが凹部で、第2光学部位40bが凸部である構成であってもよい。また、光学素子40は、第1光学部位40aおよび第2光学部位40bのうち、少なくとも第1光学部位40aを有していれば、第2光学部位40bは、省略されてもよい。
そして、図4Aに示すように、一の第1凹部40aと、かかる第1凹部40aに隣接する複数の第2凹部40bにより、光学素子40は、星形六角形状に凹む。具体的には、複数の第2凹部40bは、第1凹部40Aaにおける底面40a2の各底辺に対応する位置で隣接する。より具体的には、第2凹部40bの底面40b2と、第1凹部40aの底面40a2とは、底辺を共有して配置される。なお、これに限定されず、第1凹部40aと第2凹部40bとの間にスペース(平坦部)を設けてもよい。
これにより、レンズ4のZ軸負方向側から入射する光源20の光が、第1凹部40aおよび第2凹部40bにより屈折して入射する、すなわち、光がレンズ4への入射の際、屈折作用により広げられてレンズ4から出射するため、光源20の直上部の輝度が直上部の周辺よりも高くなることを防止できる。従って、光源20の直上部が明るくなり過ぎることを防止し、ローカルディミング(エリア発光)の場合でも、光源20を全灯点灯させる(輝度を上げる)場合でも、発光面の輝度の均一化を図ることができる。
また、実施形態に係るレンズ4は、複数の光源20と対向する入射面41aに複数の六角錐状の第1凹部40aおよび第2凹部40bを有する光学素子40を千鳥配列で配置することで、各光源20からの出射光の輝度分布を六角形状にすることが可能である。言い換えると、発光面において、各光源20に対応する発光領域の形状を六角形状にすることが可能である。
これにより、実施形態に係る面状照明装置1は、各光源20からの出射光の輝度分布が六角形状(辺が直線状の多角形状)になるため、各発光領域同士の間隔が狭くなり、高密度なローカルディミング(エリア発光)が可能となる。また、隣接する光源20を複数灯点灯する(輝度を上げる)際、あるいは光源20を全灯点灯する(輝度を上げる)際に、各発光領域同士の間隔が狭くなるため、発光面の輝度が均一となる。従って、本実施形態に係る面状照明装置1は、発光面の輝度を均一化しつつ、ローカルディミング(エリア発光)時に、より精細にコントラストを制御することが可能となる。
さらに、実施形態に係る面状照明装置1は、レンズ4の入射面41aにおいて、複数の六角錐状の第1凹部40aの間に三角錐状の第2凹部40bを配置することで、第1凹部40a間の平坦領域を少なくできる。換言すれば、入射面41aにおいて光学素子40(第1凹部40aおよび第2凹部40b)が占める割合を増加させることができる。つまり、入射面41aにおいて平坦領域を少なくすることで、かかる光学素子40(プリズム)の屈折作用によって広げられる光が増えるため、より光の広がりを強めることができる。従って、輝度の均一性を高めることができる。
次に、図7Aを用いて、実施形態に係る光学素子40の第1凹部40aおよび第2凹部40bの配置について説明する。図7Aは、実施形態に係る第1凹部40aおよび第2凹部40bの配置例を示す図である。
図7Aに示すように、上面視において、複数の第1凹部40aは、千鳥配列(六方格子状に配列)で配置される。なお、千鳥配列とは、六角形の各頂点および中心に第1凹部40aが配置され、かかる六角形の配置が連続的に配列されることを示す。つまり、複数の第1凹部40aは、レンズ4の入射面41aにおいて、六方状に配置される。本実施形態では、図7Aおよび図7Bに示すよう、複数の第1凹部40a(第1光学部位40a)は、かかる第1凹部40aの各頂点(第1凹部40aにおける底面40a2の各頂点)を境界として対称に配置される。この場合、直線が連続しているため、製造が容易である。なお、複数の第1凹部40aを、かかる第1凹部40aの各辺を境界として対称に配置してもよい。図7Aに示す例では、一の第1凹部40aが6つの第1凹部40aに囲まれ、かつ、その6つの第1凹部40a同士が接するように配置されるが、これに限定されず、隣接する第1凹部40a間にスペース(平坦部)を設けて配置されてもよい。
具体的には、図7Aに示す例では、任意の一の第1凹部40aを中心とした場合、かかる中心に対して回転方向に略60°間隔で配置される。すなわち、中心の第1凹部40aに対して、0°、60°、120°、180°、240°および300°の位置に配置される。
換言すれば、第1凹部40aは、X軸方向に対して平行な方向(0°および180°)と、Y軸方向に対して+30°した方向(120°および300°)と、Y軸方向に対して−30°した方向(60°および240°)とに、配置される。
そして、複数の第1凹部40aの間それぞれには、第2凹部40bが配置される。すなわち、光学素子40は、一の第1凹部40aと、当該第1凹部40aに隣接する複数(図7Aでは、6つ)の第2凹部40bによって、上面視で星形六角形となる。
そして、このような星形六角形の光学素子40は、図7Aに示すような、「0°−180°」、「60°−240°」および「120°−300°」の方向で金型を削ることにより作成できる。すなわち、光学素子40を星形六角形の凹みとして形成することで、その金型作成を容易にすることができるため、コストが嵩むことを抑えることができる。
なお、図7Aに示す第1凹部40aおよび第2凹部40bの配置は一例であって、例えば、図7Aに示す配置例を回転方向に所定角度回転させてもよい。かかる点について、図7Bを用いて説明する。
図7Bは、変形例に係る第1凹部40aおよび第2凹部40bの配置例を示す図である。図7Bでは、図7Aに示す配置を90°(30°または60°ともいえる)回転させた配置を示している。
すなわち、中心となる第1凹部40aに対して、30°、90°、150°、210°、270°および330°の位置に他の第1凹部40aが配置される。換言すれば、第1凹部40aは、Y軸方向に対して平行な方向(90°および270°)と、X軸方向に対して+30°した方向(30°および210°)と、X軸方向に対して−30°した方向(150°および330°)とに、配置される。
なお、図7Bでは、図7Aに示す配置を90°(30°または60°ともいえる)回転させた場合を示したが、回転する角度は、面状照明装置1の必要とされる発光特性に応じて任意の角度が設定されてもよい。
また、本実施形態に係る面状照明装置1は、レンズ4に複数配置される光学素子40が、複数の光源20から離れる方向に凹んだ六角錐形状のプリズムである。複数の光源20からの出射光は、かかるプリズムの屈折作用によって広げられ、レンズ4の出射面41bから出射される。これにより、光源20の直上部が明るくなり過ぎることを防止し、ローカルディミング(エリア発光)の場合でも、光源20を全灯点灯させる(輝度を上げる)場合でも、発光面の輝度の均一化を図ることができる。
また、本実施形態に係るレンズ4は、複数の光源20と対向する入射面41aに複数の六角錐状の第1凹部40aおよび三角錐状の第2凹部40bを有する光学素子40を千鳥配列で配置することで、各光源20からの出射光の輝度分布を六角形状にすることが可能である。言い換えると、発光面において、各光源20に対応する発光領域の形状を六角形状にすることが可能である。これにより、各光源20の発光領域同士の間隔が狭くなり、発光面の輝度が均一となるとともに、ローカルディミング(エリア発光)時に、より精細なコントラスト制御が可能となる。
次に、図8を用いて、光学素子40を適用した場合、輝度分布について説明する。図8は、実施形態に係る光源20の輝度分布を説明するための図である。図8では、一の光源20が第1凹部40aの中心位置に配置された場合について説明する。また、図8では、光源20から出射される入射光の方位角0°〜360°の範囲における光学素子40の拡散を示す。
図8に示す例では、まず、「0°−180°」、「60°−240°」および「120°−300°」の方向(以下では、上記3つの方向をまとめて第1方向と記載する)においては、各軸に自身の中心が重なる第1凹部40aの数がその他の軸よりも多い。
また、「30°−210°」、「90°−270°」および「150°−330°」の方向(以下では、上記3つの方向をまとめて第2方向と記載する)においては、各軸に自身の中心が重なる第1凹部40aの数が次に多い。
また、「15°−195°」、「45°−225°」、「135°−315°」および「165°−345°」の方向(以下では、上記4つの方向をまとめて第3方向と記載する)においては、各軸に自身の中心が重なる第1凹部40aの数がその他の軸よりも少ない。
これらのことから、第1凹部40aの数が最大となる「0°−180°方向の軸」、「60°−240°方向の軸」、および「120°−300°方向の軸」、すなわち、60°ずつずれたこれらの3つの軸上の輝度が最も大きくなる。また、これらの3つの軸と30°ずつずれた3つの軸上の輝度が次に大きくなる。したがって、レンズ4において出射面41bでの輝度分布が六角形状になる。
すなわち、第1方向に出射された光は、第1凹部40aの中心を通る数が最も多いため、出射面41bから出射される光の輝度が最も高くなる。すなわち、第1方向、第2方向および第3方向へ出射された光は、出射面41bにおいて、輝度分布が六角形状になる。
さらに、第1凹部40aおよび第2凹部40bにより、第1方向、第2方向および第3方向へ出射された光は拡散されることで、第1方向、第2方向および第3方向の輝度分布が滑らかにつながるため、輝度分布を均一な六角形状とすることができる。すなわち、実施形態に係る面状照明装置1によれば、輝度の均一性を向上させることができる。
上述したように、実施形態に係る面状照明装置1は、基板2と、レンズ4とを備える。基板2は、複数の光源20が配置される。レンズ4は、複数の光源20と対向する入射面41aにおいて、六角形の底面から先端に向かって先細りとなる部位を有する複数の第1光学部位40aが千鳥配列となる光学素子40が形成される。
このように、複数の光源20を、微細な六角錐形状の光学素子40(第1光学部位40a)が光源20のピッチよりも小さいピッチで配置されたレンズ4で一体的に覆ったことで、光源20とレンズ4とのアライメントが不要となり、基板2に光源20を多数配置した場合でもアライメントすることなく、発光面の輝度の均一化が可能となる。
また、実施形態に係る面状照明装置1は、第1凹部40aを千鳥配列で配置することで、出射面41bにおける輝度分布が六角形状となる。これにより、各光源20の発光領域同士の間隔が狭くなり、発光面の輝度が均一となるとともに、ローカルディミング(エリア発光)時に、より精細なコントラスト制御が可能となる。
このように、実施形態に係る面状照明装置1は、各光源20からの出射光の輝度分布が六角形状(辺が直線状の多角形状)になるため、各発光領域同士の間隔が狭くなり、高密度なローカルディミング(エリア発光)が可能となる。また、隣接する光源20を複数灯点灯する(輝度を上げる)際、あるいは光源20を全灯点灯する(輝度を上げる)際に、各発光領域同士の間隔が狭くなるため、発光面の輝度が均一となる。従って、本実施形態に係る面状照明装置1は、発光面の輝度を均一化しつつ、ローカルディミング(エリア発光)時に、より精細にコントラストを制御することが可能となる。
さらに、実施形態に係る面状照明装置1では、光学素子40(第1光学部位40a)によって、光源20の直上部の光が屈折作用によって広げられ、光源20の直上部が周辺に比べて明るくなり過ぎることを防止できる。従って、実施形態に係る面状照明装置1によれば、輝度の均一性を向上させることができる。
また、上述したよう、実施形態に係る面状照明装置1は、複数の光源20を、微細な六角錐状の第1凹部40aおよび三角錐状の第2凹部40bを有する光学素子40が光源20のピッチよりも小さいピッチで配置されたレンズ4で一体的に覆ったことで、光源20とレンズ4とのアライメントが不要となり、基板2に光源20を多数配置した場合でもアライメントすることなく、発光面の輝度の均一化が可能となる。
また、実施形態に係る面状照明装置1は、光源20と対向する入射面41aに複数の六角錐状の第1凹部40aおよび三角錐状の第2凹部40bを有する光学素子40が千鳥配列で配置されるレンズ4を有することで、各光源20からの出射光の輝度分布を六角形状にすることが可能である。言い換えると、発光面において、各光源20に対応する発光領域の形状を六角形状にすることが可能である。これにより、各光源20の発光領域同士の間隔が狭くなり、発光面の輝度が均一となるとともに、ローカルディミング(エリア発光)時に、より精細なコントラスト制御が可能となる。
また、実施形態に係る面状照明装置1は、レンズ4に複数配置される光学素子40が、複数の光源20から離れる方向に凹んだ六角錐状のプリズムおよび三角錐状のプリズムを含む。複数の光源20からの出射光は、かかるプリズムの屈折作用によって広げられ、レンズ4の出射面41bから出射される。これにより、光源20の直上部が明るくなり過ぎることを防止し、ローカルディミング(エリア発光)の場合でも、光源20を全灯点灯させる(輝度を上げる)場合でも、発光面の輝度の均一化を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る面状照明装置1では、第1凹部40aの傾斜面40a1と底面40a2との間の角度αを44°以上58°以下とすることで、光源20からの出射光が光学素子40に当たっても全反射せずにレンズ4内に入射し、レンズ4から出射する光が外方へ拡散するため、発光面の輝度が均一となる。
なお、上述したレンズ4の構成に加えて、出射面41bに凸状の複数の拡散素子44をさらに有してもよい。かかる点について図9を用いて説明する。
図9は、変形例に係る面状照明装置1の断面図である。なお、図9では、上記した実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して、その説明を省略する。
図9に示すように、変形例に係る面状照明装置1では、入射面41aの裏面である出射面41bに複数の拡散素子44が形成される。具体的には、レンズ4の出射面41bには、かかる出射面41bから突出する複数の拡散素子44(ドット)が均一に設けられる。
これにより、実施形態に係る面状照明装置1は、複数の拡散素子44による拡散効果で、光源20の直上部の領域にも光が入り、発光面の輝度をより均一にすることが可能となる。
さらに、複数の拡散素子44によってレンズ4の出射面41bが粗面化することで、他の部材との摩擦によって、レンズ4の出射面41に直接傷が入ることを防止することができる。
なお、図9では、拡散素子44は、ドットである場合を示したが、拡散素子44の構成はこれに限定されるものではなく、拡散素子44に変えて、例えば、出射面41bの表面が荒れた状態であってもよい。例えば、荒れた状態の出射面41bは、サンドブラストにより削ることで形成されてもよく、あるいは、レンズ4の金型にシボ加工を施し、かかるシボ加工を出射面41bに転写してもよい。
また、出射面41bを荒れた状態にする場合に限らず、入射面41aを荒れた状態にしてもよい。入射面41aを荒れた状態にする場合、光学素子40を含む入射面41a全体を荒れた状態にしてもよく、あるいは、入射面41aのうち光学素子40のみを荒れた状態にしてもよい。また、光学素子40のうち、第1光学部位40aまたは第2光学部位40bの少なくとも一方のみを荒れた状態にしてもよい。
なお、上述した実施形態では、光学シート70について、第1シート71がプリズムシートであり、第2シート72が反射型偏光シートである場合について説明したが、これに限らず、第1シート71および第2シート72ともにプリズムシートであってもよい。かかる点について図10を用いて説明する。
図10は、変形例に係る光学シート70の分解斜視図である。図10に示すように、第1シート71および第2シート72は、重ねて配置される。
第1シート71は、例えばプリズムシートであり、短手方向(第1の方向)であるY軸方向に延在し、長手方向であるX軸方向に並列する複数の第1プリズム71aを有する。また、第2シート72は、例えばプリズムシートであり、長手方向(第2の方向)であるX軸方向に延在し、長手方向であるY軸方向に並列する第2プリズム72aを有する。
第1プリズム71aおよび第2プリズム72aは、Z軸正方向側である光の出射方向側へ向かって突出する突出部である。また、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aは、例えば断面視形状が三角形である。また、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aは、延在方向が互いに直交する位置関係にある。
第1プリズム71aは、出射する光をY軸方向に集光する。また、第2プリズム72aは、第1プリズム71aから出射された光をX軸方向に集光する。すなわち、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aを経て出射される光は、特定方向に集光される。これにより、特定方向に光を集光することができるので、かかる第1シート71および第2シート72によって特定方向の配光を制御することができる。
なお、第1プリズム71aと第2プリズム72aとは直交(90°で交差)するように配置されることに限られず、必要とされる配光特性に応じて、任意の交差角度が設定されてよい。
また、上述した実施形態に限らず、例えば、レンズ4は、分割されて構成されてもよい。かかる場合、複数の光源20は、光源20の直上部に複数のレンズ4間の隙間が位置しないように配置する。これにより、レンズ4の光学素子40の屈折作用で、かかる隙間の直上へ光を導くことができるため、かかる隙間の領域の輝度が低下することを防止できる。すなわち、実施形態に係るレンズ4を用いることによって、レンズ4間の隙間が暗部になって見えることを防止できるため、輝度の均一性を向上させることができる。
次に、図11および図12を用いて実施形態に係る面状照明装置1の輝度分布を示すシミュレーション結果について説明する。図11は、実施形態に係る光学素子40の有無による輝度分布の比較結果を示す図(その1)である。図12は、実施形態に係る光学素子40の有無による輝度分布の比較結果を示す図(その2)である。なお、図11および図12では、輝度を濃淡で示し、濃淡が濃いほど輝度が強い(明るい)ことを示す。
まず、図11を用いて千鳥配列で配置された7つの光源20を点灯(7灯点灯)させた場合における輝度分布のシミュレーション結果について説明する。
図11に示すように、比較例である光学素子がないレンズを備えた面状照明装置では、光源間の輝度分布の繋がりが滑らかでないのに対し、光学素子40があるレンズ4を備えた面状照明装置1では、光源20間の輝度分布の繋がりが滑らかである。このように、シミュレーション結果から、千鳥配列で配置された光源20の場合において、光学素子40があるレンズ4を用いることで、輝度の均一性が向上することが分かった。つまり、光学素子40が配置されていないレンズを備えた面状照明装置と、実施形態に係る面状照明装置1とで輝度分布を比較すると、面状照明装置1の方が、光源20間の輝度分布が滑らかにつながってくっきりとした六角形状の輝度分布が得られたことが分かる。
また、図11に示すように、光学素子40があるレンズ4を備えた面状照明装置1は、輝度分布の形状が略六角形となる。つまり、実施形態に係る面状照明装置1では、光源20からの出射光の輝度分布が六角形状(辺が直線状の多角形状)になり、各発光領域同士の間隔が狭くなることで発光領域の輝度を均一化することができるとともに、ローカルディミング(エリア発光)時に、より精細にコントラストを制御することができる。
次に、図12を用いて矩形配列で配置された9つの光源20を点灯(9灯点灯)させた場合における輝度分布のシミュレーション結果について説明する。
図12に示すように、比較例である光学素子がないレンズを備えた面状照明装置では、光源間の輝度分布の繋がりが滑らかでないのに対し、光学素子40があるレンズ4を備えた面状照明装置1では、光源20間の輝度分布の繋がりが滑らかである。このように、シミュレーション結果から、矩形配列で配置された光源20の場合において、光学素子40があるレンズ4を用いることで、輝度の均一性が向上することが分かった。
また、図12に示すように、光学素子40があるレンズ4を備えた面状照明装置1は、光源20が矩形配列で配置された場合は、輝度分布の形状が略矩形となる。これは、実施形態に係る面状照明装置1では、光源20からの出射光の輝度分布が六角形状になるが、光源20が矩形配列で配置された場合は、光源20からの出射光の六角形状の輝度分布が重なりあい、全体として略矩形状の輝度分布となるためである。つまり、実施形態に係る面状照明装置1では、光源20が矩形配列で配置された場合は、六角形状の輝度分布が重なりあうことで、発光領域の輝度を均一化することができるとともに、ローカルディミング(エリア発光)時に、より精細にコントラストを制御することができる。
次に、図13を用いて、第1光学部位40aの角度αの違いによる輝度分布の違いについて説明する。図13は、第1光学部位40aの角度α違いによる輝度分布の比較結果を示す図である。図13では、角度αが40°から62°までの角度範囲、詳しくは、40°、44°、50°、58°および62°における輝度分布を示す。また、図13では、矩形配列で配置された9つの光源20すべてが点灯した場合(9灯点灯時)の輝度分布を示す。
図13に示すように、角度αが40°から62°の角度範囲においては、50°の場合が、最も輝度の均一性が高い。また、44°および58°の場合が次に輝度の均一性が高く、40°および62°の場合が最も輝度の均一性が低い。
つまり、光学素子40は、第1光学部位40aの角度αが50°に近いほど輝度の均一性が高くなる。また、角度αが44°から58°の範囲であれば、光源20から出射した光がレンズ4の光学素子40に入射し、屈折され広がって出射するため、輝度ムラが顕在化しにくくなる。すなわち、第1光学部位40aの角度αは、44°以上58°以下が好ましく、より好ましくは50°である。このような角度αの範囲で設計することで、輝度の均一化を図ることができる。
次に、図14および図15を用いて、第1光学部位40aの長さDの違いによる輝度分布の違いについて説明する。図14は、第1光学部位40aの長さDの違いによる輝度分布の比較結果を示す図である。図15は、実施形態に係るレンズ4の位置ずれによる輝度分布の比較結果を示す図である。また、図14では、矩形配列で配置された9つの光源20すべてが点灯した場合(9灯点灯時)の輝度分布を示す。また、図15では、1つの光源20が点灯した場合(1灯点灯時)の輝度分布を示す。
図14および図15では、光源20(LED)の最大距離(対角同士の長さD20)に対する第1光学部位40aの長さDの比率を示している。例えば、「1/2」は、第1光学部位40aの長さDが光源20の長さD20(図4C参照)の1/2であることを示す。
図14に示すように、「1/10」の場合が最も輝度の均一性が高く、「1/2」および「4/5」の順に輝度の均一性が高い。つまり、第1光学部位40aの長さDが短くなるほど、輝度の均一性が高くなる。また、「1/2」であれば、輝度ムラが顕在化しにくくなる。すなわち、第1光学部位40aの長さDは、上面視形状における光源20の最大距離の1/2以下であることが好ましく、より好ましくは1/10以下である。このような第1光学部位40aの長さDを設計することで、輝度の均一化を図ることができる。
また、図15に示すように、例えば、光源20に対してレンズ4が0.5mmシフト(位置ずれ)した場合において、「4/5」では、輝度分布が位置ずれにより変化している。つまり、「4/5」は、光源20とレンズ4との位置ずれにより見栄えが均一とならないことを示している。
一方、「1/2」および「1/10」では、光源20に対してレンズ4が0.5mmシフトしても、輝度分布の変化が極めて小さい。さらに、「1/2」よりも「1/10」の方が、輝度分布の変化がさらに小さい。すなわち、第1光学部位40aの長さDは、上面視形状における光源20の最大距離の1/2以下であることが好ましく、より好ましくは1/10以下である。つまり、「1/2」および「1/10」は、光源20とレンズ4との位置ずれを実質的に無効化できるため、例えば振動やレンズ4の熱膨張(収縮)で光源20とレンズ4とが位置ずれした場合であっても、輝度の均一化を図ることができる。
なお、上述した実施形態に係るレンズ4は、レンズ4を支持する脚部を有してもよい。図12Aおよび図12Bを用いて、レンズ4の脚部について説明する。図12Aは、変形例に係るレンズ4の上面図である。図12Bは、図12AにおけるB−B線の断面図である。なお、図12Aでは、複数の光源20が矩形配列の場合を示す。
図16Aおよび図16Bに示すように、レンズ4は、入射面41aに基板2側に突出する脚部400を有する。レンズ4は、脚部400を介して基板2に支持される。これにより、レンズ4と光源20との間の間隔を一定に保つことができる。また、レンズ4と光源20との間の間隔を一定に保つことが容易になるため、生産性向上に資することもできる。さらに、脚部400により、レンズ4と光源20との間の間隔を一定に保つことで、輝度の均一化にも資することができる。なお、レンズ4は、脚部400を介して基板2に固定されてもよい。
また、図16Aおよび図16Bに示すように、脚部400は、格子状(X軸方向およびY軸方向)に延在し、複数の光源20を個別に囲む。これにより、隣接する光源20の光が入りこむことを防止できるため、ローカルディミング時(エリア発光時)において、コントラストを向上させることができる。
なお、図16Aおよび図16Bでは、レンズ4と脚部400とが一体構成である場合を示したが、レンズ4と脚部400とが別体構成であってもよい。あるいは、脚部400は、基板2と一体構成であってもよい。
また、レンズ4と脚部400とが一体構成の場合には、脚部400の表面を荒れた状態にすることで、脚部400に反射部としての機能を持たせてもよい。
また、図16Aでは、複数の光源20が格子配列の場合を示したが、例えば、複数の光源20が千鳥配列の場合、脚部400は、千鳥配列状に延在することで、複数の光源20を個別に囲む。
なお、上述した実施形態では、第1凹部40aおよび第2凹部40bは、錐状(先端が尖った形状)である場合を示したが、第1凹部40aおよび第2凹部40bの先端は尖った形状でなくともよい。例えば、第1凹部40aおよび第2凹部40bの先端形状が、図17A〜図17Dに示すような形状であってもよい。
図17A〜図17Dは、変形例に係る第1凹部40aの先端形状を示す図である。なお、図17A〜図17Dでは、第1凹部40aの先端形状を示しているが、第2凹部40bが図17A〜図17Dに示すような先端形状を有してもよい。
図17Aに示すように、例えば、第1凹部40aの先端形状は、円弧状であってもよい。また、図17Bに示すように、第1凹部40aの先端形状は、平面形状であってもよい。かかる平面形状は、例えば、第1凹部40aの底面40a2と同じ六角形であってもよく、六角形以外の多角形や円形であってもよい。
また、図17Cに示すように、第1凹部40aの先端形状は、凹んだ凹部であってもよい。また、図17Dに示すように、第1凹部40aは、傾斜面40a1が凹状の円弧形状であってもよい。なお、傾斜面40a1は、凸状の円弧形状であってもよい。
なお、図17A〜図17Dに示した第1凹部40aの先端形状以外にも任意の形状を採用可能である。つまり、第1凹部40aは、底面40a2から先端に向かって先細りとなる部位を有すれば、先端形状は任意の形状であってよい。
なお、上述した実施形態では、光学シート70は、第1シート71および第2シート72により構成される場合を示したが、光学シート70は、3枚のシートで構成されてもよい。かかる点について、図18〜図20を用いて説明する。
図18は、変形例に係る面状照明装置1の断面図である。図19A〜図19Cは、変形例に係る光学シート70の構成を示す図である。図20は、変形例に係る光学シート70を備える場合の配光特性を示す図である。なお、図20では、偏角が0°〜80°の範囲で示された極座標系での出射光の輝度を示しており、濃淡が濃いほど輝度が強い(明るい)ことを示す。
図18に示すように、光学シート70は、例えば、3枚のシートにより構成される。具体的には、光学シート70は、第1シート71と、第2シート72と、第3シート73とを備える。第1シート71および第2シート72の構成は、上述した実施形態と同様であるため記載を省略する。
第3シート73は、第2シート72のZ軸正方向側である光の出射方向側に配置されるシート状の部材であって、例えば、3M社製のALCF(Advanced Light Control Film)など、反射型偏光シートとルーバーフィルムが一体構成となった部材である。例えば、第3シート73のルーバー73aは、光のカットオフが45°以下であることが好ましい。また、第3シート73は、第1シート71および第2シート72よりもレンズ4から遠い側に配置される。
また、第3シート73は、ルーバーフィルムのルーバー73a(光学素子)の延在方向(第3の方向)が第1プリズム71aの延在方向(第1の方向)および第2プリズム72aの延在方向(第2の方向)により位置関係が規定される部材である。なお、第3シート73の反射型偏光シートは、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aに関わりなく任意の延在方向であってよい。図19A〜図19Cには、ルーバー73a、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aの位置関係を示している。
図19Aに示す位置関係について説明する。図19Aに示す例では、第1プリズム71aは、Y軸方向に延在し、第2プリズム72aは、X軸方向に延在し、ルーバー73aは、X軸方向に延在する。
つまり、ルーバー73aは、第1プリズム71aと略直交し、第2プリズム72aと略平行となる。これにより、図20に示すように、配光特性を極座標系で3次元的に表した場合に、偏角が所定の角度(図20では、略45°)以上の出射光をカットすることができる。つまり、面状照明装置1の長手方向および短手方向への出射光の広がりを抑えることができる。従って、例えば、面状照明装置1を車載器へ適用した場合に、フロントガラスやサイド側の窓ガラスへの映り込みを抑えることができる。
また、例えば、図19Bに示すように、第2プリズム72aがX軸方向から回転方向に所定角度だけ回転させてもよい。つまり、図19Bに示すように、第2プリズム72aは、第1プリズム71aとは、回転角度分だけ略直交からずれる。また、第2プリズム72aは、ルーバー73aとは、回転角度分だけ略平行からずれる。回転角度は、例えば、±20°以下であることが好ましい。このような構成であっても、上記の図19Aの位置関係と同様に、面状照明装置1の長手方向および短手方向への出射光の広がりを抑えることができる。従って、例えば、面状照明装置1を車載器へ適用した場合に、フロントガラスやサイド側の窓ガラスへの映り込みを抑えることができる。
また、例えば、図19Cに示すように、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aは、互いに直交関係を維持しつつ、略45°回転させてもよい。具体的には、第1プリズム71aは、Y軸方向から回転方向(例えば、反時計回り)に略45°だけ回転させる。また、第2プリズム72aは、X軸方向から回転方向(例えば、反時計回り)に略45°だけ回転させる。また、ルーバー73aは、X軸方向に延在する。つまり、ルーバー73aは、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aに対して略45°ずれて配置される。上記の図19Aおよび図19Bの位置関係と同様に、面状照明装置1の長手方向および短手方向への出射光の広がりを抑えることができる。従って、例えば、面状照明装置1を車載器へ適用した場合に、フロントガラスやサイド側の窓ガラスへの映り込みを抑えることができる。
なお、図19Cに示す例では、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aを略45°回転させた場合を示したが、第1プリズム71aおよび第2プリズム72aの直交関係が維持されていれば、回転角度は、±60°以下まで対応可能である。
また、図19A〜図19Cでは、ルーバー73aは、X軸方向と略平行に延在する場合を示したが、ルーバー73aをX軸方向から回転方向に所定角度だけ回転させてもよい。かかる場合、ルーバー73aの回転角度は、±10°以下であることが好ましい。
また、上記では、第3シート73は、反射型偏光シートおよびルーバーフィルムが一体構成の場合について説明したが、第3シート73は、反射型偏光シートおよびルーバーフィルムが別体で構成されてもよい。
なお、上述した実施形態では、レンズ4は、平面である場合を示したが、レンズ4は曲面であってもよい。かかる点について、図21Aおよび図21Bを用いて説明する。図21Aは、変形例に係るレンズ4の側面図である。図21Bは、変形例に係る第1光学部位40aの拡大図である。なお、図21Aおよび図21Bでは、第1光学部位40aが凸状の場合について説明する。また、図21Bでは、図21Aに示す破線で囲んだ領域の拡大図を示す。
図21Aに示すように、レンズ4は、Z軸方向に曲がった曲面形状である。具体的には、レンズ4は、入射面41aが凸状であり、出射面41bが凹状の曲面形状である。なお、曲面形状であるレンズ4のアール(R)は、第1凹部40aの角度α(図4C参照)が略44°以上58°以下となる範囲で設定可能である。
また、図21Bに示すように、レンズ4が曲面形状である場合、第1光学部位40aは、側面視で非対称の形状であることが好ましい。具体的には、第1光学部位40aは、Z軸方向と平行である仮想的な垂直線VLよりも内側(レンズ4の中央側)を向いた形状である。より具体的には、第1光学部位40aは、六角錐の頂点が垂直線VLよりも内側に位置する。換言すれば、第1光学部位40aは、垂直線VLよりも内側を向いていることで、金型をZ軸負方向へ向かって抜く場合に、金型に第1光学部位40aが引っ掛かることを防止できる。従って、レンズ4を曲面形状にした場合、第1光学部位40aを金型から抜く際の作業性を向上させることができる。
なお、図21Aでは、レンズ4は、Z軸負方向側に凸となる曲面形状を有したが、Z軸正方向側に凸となる曲面形状であってもよい。かかる場合、第1光学部位40aは、垂直線VLよりも外側(レンズ4の周端側)を向いた形状であることが好ましい。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。