JP6847757B2 - ムーブメント及び時計 - Google Patents
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Description
しかも、本態様では、動力伝達機構を介して香箱車から指針車に動力が伝達されるため、指針車が香箱車と動力伝達機構との間に接続される構成と異なり、第1てんぷ及び第2てんぷの振り角や振動数、トルク等を適宜異ならせることができる。そして、第1てんぷ及び第2てんぷの振り角等を異ならせることで、動作させるてんぷを切り替えた場合にてんぷの振り角等に応じて香箱車の回転速度を切り替えることができる。そのため、時計の非装着状態や、装着状態の中でも外乱が比較的入力され難い状況等には、振り角等の小さいてんぷを動作させることで、香箱車での省エネルギー化を図り、時計の動作時間を増加させることができる。
一方、例えば時計の装着状態や、装着状態の中でも比較的外乱が入力され易い状況(スポーツ時)等には振り角等の大きいてんぷを動作させることで、外乱に対する影響を抑えることができる。その結果、計時精度を向上させることができる。
本態様によれば、動力伝達機構が第1状態及び第2状態に応じて香箱車の動力を変速することで、第1状態及び第2状態に関わらず、同一の指針車を一定の回転速度で回転させることができる。
しかも、本態様では、第1てんぷ及び第2てんぷの振動数を異ならせることで、振動数の高いてんぷを動作させた際に、外乱に対する影響を確実に抑えることができ、計時精度を向上させることができる。
一方、振動数の少ないてんぷを動作させた際には、香箱車での省エネルギー化の更なる向上を図ることができる。
本態様によれば、第1てんぷ及び第2てんぷのトルクを異ならせることで、トルクの高いてんぷを動作させた際に、外乱に対する影響を確実に抑えることができ、計時精度を向上させることができる。
一方、トルクの小さいてんぷを動作させた際には、香箱車(ぜんまい)での省エネルギー化の更なる向上を図ることができる。
本態様によれば、第1伝達機構に遊星機構を採用することで、第1状態及び第2状態を簡単に切り替えることが可能になる。すなわち、第1状態では、第2歯車の回転を規制することで、第3歯車に伝達された動力が遊星車を介して第1歯車に伝達された後、指針車に伝達される。一方、第2状態では、第1歯車の回転を規制することで、第3歯車に伝達された動力が遊星車を介して第2歯車に伝達された後、指針車に伝達される。
本態様によれば、遊星車の歯数を調整することで、第1歯車と第2歯車の回転速度を異ならせることができる。これにより、第1てんぷ及び第2てんぷの振動数の違いを第1伝達機構でキャンセルできる。そのため、第1状態及び第2状態に関わらず、指針車を一定の回転速度で動作させることができる。
本態様によれば、第1状態及び第2状態において、運針に寄与しないてんぷの往復回動を規制することで、運針に寄与しないてんぷのひげぜんまいを伸縮変形させた状態で保持できる(自然長になるのを抑制できる)。そのため、第1状態及び第2状態の切替後において、てんぷを速やかに正常動作に復帰させることができる。
本態様によれば、高品質で信頼性に優れた時計を提供できる。
(第1実施形態)
[時計]
図1は、時計1の外観図である。なお、以下に示す各図では、図面を見やすくするため、時計用部品のうち一部の図示を省略しているとともに、各時計用部品を簡略化して図示している場合がある。
図1に示すように、本実施形態の時計1は、ムーブメント2や文字板3、各種指針4〜6等が時計ケース7内に組み込まれて構成されている。
ムーブメント2は、ムーブメント2の基板を構成する地板21に複数の歯車等が回転可能に支持されて構成されている。地板21には、上述した巻真19が組み込まれている。巻真19は、日付や時刻の修正に用いられる。巻真19は、その軸線周りに回転可能、かつ軸方向に移動可能とされている。なお、以下の説明では、地板21に対して時計ケース7のカバーガラス12側(文字板3側)をムーブメント2の「裏側」と称し、ケース蓋側(文字板3側とは反対側)をムーブメント2の「表側」と称する。また、以下で説明する各歯車は、何れもムーブメント2の表裏面方向を軸方向として設けられている。
図2、図3に示すように、ムーブメント2の地板21(図1参照)には、香箱車24や二番車25、切替機構(動力伝達機構)26、第1調速脱進機27、第2調速脱進機28、規制機構(動力伝達機構)29、表示輪列30等が搭載されている。
二番車25の二番かな25aは、香箱車24に噛合している。二番車25の二番歯車25bは、切替機構26に接続されている。
図4は、ムーブメント2の要部の斜視図である。
図4に示すように、切替機構26は、第1差動機構(伝達機構)42、第2差動機構43、第1四番車44、第2四番車45等を備えている。
第1差動機構42は、二番車25を介して香箱車24から伝達された動力を、第1四番車44及び第2四番車45の何れかに伝達する。
図5、図6に示すように第1差動機構42は、第1表太陽車(第1太陽車、第3歯車)51、第1キャリア(第1歯車)52、第1遊星車53及び第1裏太陽車(第2太陽車、第2歯車)54を有している。第1差動機構42のうち、第1表太陽車51、第1キャリア52及び第1裏太陽車54は、表裏面方向を軸方向として互いに同軸上に配置されるとともに、互いに相対回転可能に構成されている。
第1キャリア真52aは、第1表太陽車51と第1裏太陽車54をそれぞれ表裏面方向に貫通している。
リム部62の外周面には、第1キャリア歯車52cが形成されている。
第1表太陽真51aは、筒状に形成されている。第1表太陽真51a内には、軸受64を介して上述した第1キャリア真52aの表側端部が挿通されている。これにより、第1表太陽車51は、第1キャリア52に対して回転可能に構成されている。
第1表太陽かな51bは、第1表太陽真51aの表側端部に位置している。第1表太陽かな51bは、二番車25の二番歯車25bに噛合している。
第1裏太陽真54aは、筒状に形成されている。第1裏太陽真54a内には、軸受65を介して上述した第1キャリア真52aの裏側端部が挿通されている。これにより、第1裏太陽車54は、第1キャリア52に対して回転可能に構成されている。
第1遊星真53aは、一のスポーク部63aを表裏面方向に貫通している。第1遊星真53aは、軸受66を介して一のスポーク部63aに回転可能に支持されている。
第1遊星歯車53cは、第1遊星真53aの裏側端部(キャリア本体部52bに対して裏側に位置する部分)に配設されている。第1遊星歯車53cは、上述した第1裏太陽かな54bが噛合している。したがって、本実施形態の第1遊星車53は、第1キャリア52の回転に伴い第1太陽真51a,54aの周りを公転するとともに、太陽車51,54の回転に伴い第1キャリア52に対して自転する。
第2四番車45の第2四番かな45aは、上述した第1裏太陽歯車54cに噛合している。第2四番車45の第2四番歯車45bは、第2調速脱進機28に接続されている。なお、本実施形態において、各四番車44,45の四番かな44a,45a同士の歯数、及び四番歯車44b,45b同士の歯数は、それぞれ同数になっている。
第1がんぎ車71は、第1がんぎ歯車71a及び第1がんぎかな71bを有している。第1がんぎかな71aは、上述した第1四番車44の第1四番歯車44bに噛合している。すなわち、第1がんぎ車71は、第1四番車44の回転に伴い回転する。
第1てん真81は、第1ひげぜんまい83から伝えられた動力によって表裏面方向を軸方向として一定の振動数で正逆回動する。第1てん真81は、第1てんぷ73の往復回動に同期して第1アンクル72のアンクルハコ(不図示)との係合及び離脱を繰り返す。これにより、第1アンクル72が往復回動することで、つめ石74a,74bが第1がんぎ車71との係合及び離脱を繰り返す。
第1ひげぜんまい83は、表裏面方向から見た平面視で渦巻状の平ひげである。第1ひげぜんまい83は、その内端部が第1てん真81に連結され、外端部がひげ持(不図示)に連結されている。
第2がんぎ車85は、第2がんぎ歯車85a及び第2がんぎかな85bを有している。第2がんぎかな85aは、上述した第2四番車45の四番歯車45bに噛合している。すなわち、第2がんぎ車85は、第2四番車45の回転に伴い回転する。なお、第2がんぎかな85bの歯数は、第1がんぎ車71の第1がんぎかな71bの歯数に対して2倍に設定されている。
図7、図8に示すように、第2差動機構43は、第1差動機構42の動力を表示輪列30に伝達する。具体的に、第2差動機構43は、第2表太陽車101、第2キャリア102、第2遊星車103及び第2裏太陽車104を有している。第2差動機構43のうち、第2表太陽車101、第2キャリア102及び第2裏太陽車104は、表裏面方向を軸方向として互いに同軸上に配置されるとともに、互いに相対回転可能に構成されている。なお、以下の説明において、第1差動機構42と同様の構成については、適宜説明を省略する。
第2キャリア真102aは、第2表太陽車101と第2裏太陽車104をそれぞれ表裏面方向に貫通している。
リム部111の外周面には、第2キャリア歯車102cが形成されている。第2キャリア歯車102cは、上述した第1キャリア52の第1キャリア歯車52cに噛合している。
第2表太陽真101aは、筒状に形成されている。第2表太陽真101a内には、軸受115を介して上述した第2キャリア真102aの表側端部が挿通されている。
第2裏太陽真104aは、筒状に形成されている。第2裏太陽真104a内には、軸受116を介して上述した第2キャリア真102aの裏側端部が挿通されている。
第2裏太陽歯車104cは、上述した第1裏太陽歯車54cに噛合している。
第2遊星真103aは、一のスポーク部112aを表裏面方向に貫通している。第2遊星真103aは、軸受117を介して一のスポーク部112aに回転可能に支持されている。
第2遊星歯車103cは、第2遊星真103aの裏側端部(キャリア本体部102bに対して裏側に位置する部分)に配設されている。第2遊星歯車103cは、上述した第2裏太陽かな104bが噛合している。したがって、本実施形態の第2遊星車103は、第2キャリア102の回転に伴い第2太陽真101a,104aの周りを公転するとともに、太陽車101,104の回転に伴い第2キャリア102に対して自転する。
回動レバー121は、回動軸120に固定されている。回動レバー121は、回動軸120を中心にして表裏面方向に直交する方向の両側に延在している。
ブレーキシュー122,123によるてんぷ73,87の規制方法は、てんぷ73,87とブレーキシュー122,123との間の摩擦力に限らず、適宜変更が可能である。例えば、てんぷ73,87と、対応するブレーキシュー122,123と、が凹凸等により係合する構成であっても構わない。
本実施形態では、各ブレーキシュー122,123が対応するてん輪82,93に対して接離する構成について説明したが、この構成のみに限られない。てんぷ73,87の回動が交互に規制される構成であれば、てん輪82,93以外の部分(例えば、てん真81,92等)に接離する構成であっても構わない。
秒車130は、上述した第2表太陽車101の第2表太陽歯車101cに噛合している。秒車130には、上述した秒針6が取り付けられている。秒車130は、60秒で1回転するように歯数が設定されている。
分車は、例えば秒車に噛合している。分車には、分針5が取り付けられている。分車は、60分で1回転するように歯数が設定されている。
時車は、例えば分車に噛合している。時車には、時針4が取り付けられている。時車は、12時間で1回転するように歯数が設定されている。
次に、上述した時計1の作用について説明する。
本実施形態の時計1は、香箱車24の回転を第1調速脱進機27によって制御する高振動モード(第1状態)と、香箱車24の回転を第2調速脱進機28によって制御する低振動モード(第2状態)と、に切り替えて動作させることができる。図2に示すように、各モードの切り替えは、例えば上述したように巻真19の回転操作によって規制機構29を操作することで行われる。すなわち、高振動モードは、第1ブレーキシュー122と第1てん輪82とが互いに離間して、第1てんぷ73の回動が許容された状態である。低振動モードは、第2ブレーキシュー123と第2てん輪93とが互いに離間して、第2てんぷ87の回動が許容された状態である。
まず、高振動モードについて説明する。
図2、図3に示すように、ぜんまいの動力によって香箱車24が回転すると、二番車25が回転する。二番車25の回転力が、第1差動機構42の第1表太陽車51に伝達されることで、第1表太陽車51が回転する。
次に、低振動モードについて説明する。図9は、低振動モードにおける図2に対応する平面図である。なお、以下の説明では、高振動モードと同様の動作については適宜説明を省略する。
図3、図9に示すように、低振動モードでは、第1てんぷ73の回動が規制されているため、第1調速脱進機27、第1四番車44及び第1キャリア52の動作が停止している。したがって、低振動モードでは、香箱車24の動力が第1てんぷ73には伝達されず、第2てんぷ87に伝達されるようになっている。具体的に、低振動モードにおいて、二番車25の回転に伴い第1表太陽車51が回転すると、第1遊星車53が自転することで、第1裏太陽車54が回転する。これにより、第2四番車45が回転することで、第2がんぎ車85に回転力が伝達される。
この構成によれば、表示輪列30が香箱車24と第1差動機構42との間に接続される構成と異なり、動作させるてんぷ73,87を切り替えた場合にてんぷ73,87の振動数等に応じて香箱車24の回転速度を切り替えることができる。これにより、例えば時計1の装着状態や、装着状態の中でも比較的外乱が入力され易い状況(スポーツ時)等には高振動モードに設定することで、外乱に対する影響を抑えることができる。その結果、計時精度を向上させることができる。
一方、時計1の非装着状態や、装着状態の中でも外乱が比較的入力され難い状況等には、低振動モードに設定することで、香箱車24(ぜんまい)での省エネルギー化を図り、時計1の動作時間(ぜんまいの持続時間)を増加させることができる。また、各歯車の摩耗を抑えることができる。
この構成によれば、各モードにおいて、同一の秒車130を一定の回転速度で回転させることができる。しかも、第1てんぷ73の振動数を第2てんぷ87の振動数よりも高く設定することで、高振動モードにおいて、外乱に対する影響を確実に抑えることができ、計時精度を向上させることができる。
一方、第2てんぷ87の振動数を第1てんぷ73の振動数よりも少なく設定することで、低振動モードにおいて、香箱車24(ぜんまい)での省エネルギー化の更なる向上を図るとともに、各歯車の摩耗を抑えることができる。
この構成によれば、第1差動機構42に遊星機構を採用することで、高振動モード及び低振動モードを簡単に切り替えることが可能になる。すなわち、高振動モードでは、第2てんぷ87の回動が規制されているため、第1裏太陽車54の回転が停止している。そのため、第1表太陽車51に伝達された動力が第1遊星車53を介して第1キャリア52に伝達された後、表示輪列30に伝達される。一方、低振動モードでは、第1てんぷ73の回動が規制されているため、第1キャリア52の回転が停止している。そのため、第1表太陽車51に伝達された動力が第1遊星車53を介して第1裏太陽車54に伝達された後、表示輪列30に伝達される。
特に、本実施形態では、第1遊星車53の歯数を調整することで、第1キャリア52と第1裏太陽車54の回転速度を異ならせることができる。これにより、第1てんぷ73及び第2てんぷ87の振動数の違いを第1差動機構42でキャンセルできる。そのため、高振動モード及び低振動モードに関わらず、表示輪列30を一定の回転速度で動作させることができる。
この構成によれば、各モードにおいて、運針に寄与しないてんぷ73,87の往復回動を規制することで、運針に寄与しないてんぷ73,87のひげぜんまい83,94を伸縮変形させた状態で保持できる(自然長になるのを抑制できる)。そのため、モード切替後において、てんぷ73,87を速やかに正常動作に復帰させることができる。
次に、上述した第1実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態では、第1差動機構42及び第2差動機構43が直接接続された構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、図10に示すように、第1差動機構42及び第2差動機構43が四番車44,45を介して接続された構成であっても構わない。
上述した実施形態では、第1差動機構42が四番車44,45や調速脱進機27,28に接続された構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、図11に示すように、第1差動機構42が第2差動機構43を介して四番車44,45や調速脱進機27,28に接続される構成であっても構わない。
上述した実施形態では、第1表太陽車51が二番車25に接続され、第1キャリア52が第1四番車44に接続され、第1裏太陽車54が第2四番車45に接続された構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、第1差動機構42は、3つの歯車に、二番車25、四番車44,45が別々に接続されていれば構わない。
上述した実施形態では、規制機構29の動作によって、各モードに応じて第1キャリア52及び第1裏太陽車54の何れかの回転が停止する構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、各モードにおいて第1キャリア52及び第1裏太陽車54の何れかの回転を停止させるストッパ機構を別途設けても構わない。特に、規制機構29を有さない場合には、ストッパ機構によっててんぷ73,87への動力伝達の切り替えを行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、例えば第1差動機構242にクラッチ機構を採用した点で上述した実施形態と相違している。図12は、第1差動機構242の断面図である。以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すムーブメント202において、第1差動機構242は、表歯車210、裏歯車211、中間歯車212、クラッチ板(表クラッチ板213及び裏クラッチ板214)を主に有している。
中間真212aは、表歯車210及び裏歯車211を表裏面方向に貫通するとともに、表裏面方向を軸方向として回転可能に構成されている。また、中間真212aは、歯部212bとともに表裏面方向に移動可能に構成されている。
歯部212bは、上述した二番車25に噛合している。
裏歯車211は、中間歯車212の歯部212bに対して裏側に配設されている。裏歯車211は、軸受221を介して中間真212aに回転可能に支持されている。裏歯車211は、上述した第1四番車44(例えば、第1四番かな44a)に接続されるとともに、第2差動機構43の何れかの歯車(例えば、第2キャリア102)に接続されている。
図13に示すように、本実施形態のムーブメント202において、高振動モードの際には、規制機構29によって第2てんぷ87の往復回動を規制した状態で、裏クラッチ板214を介して中間歯車212と裏歯車211とを接続状態とする。これにより、香箱車24の動力が二番車25を介して第1差動機構242に伝達される。そして、第1差動機構242において、中間歯車212及び裏歯車211が共回りすることで、第1四番車44や第2差動機構43に動力が伝達される。その結果、表示輪列30が動作して、時計1が時を刻む。すなわち、高振動モードでは、第1てんぷ73が8振動することで、秒針6(秒車130)が1秒を8ステップで運針する。なお、高振動モードにおいて、中間歯車212は、表歯車210に対して空転する。そのため、第2調速脱進機28に香箱車24の動力が伝達されないようになっている。
中間真250aは、表歯車210及び裏歯車211を表裏面方向に貫通するとともに、表裏面方向を軸方向として回転可能に構成されている。
歯部250bは、上述した表示輪列30の秒車130に噛合している。
一方、低振動モードにおいて、第1差動機構42から伝達される動力に伴い裏歯車252が一方向に回転すると、裏歯車252及び中間歯車250が接続状態となり、裏歯車252及び中間歯車250が共回りする。これにより、秒車130が他方向に回転する。なお、低振動モードでは、中間歯車250が表歯車251に対して一方向に回転することで、中間歯車250が表歯車251に対して空転する。そのため、第1調速脱進機27に香箱車24の動力が伝達されないようになっている。
例えば、上述した実施形態では、切替機構に遊星機構やクラッチ機構を採用した場合について説明したが、この構成のみに限られない。切替機構は、香箱車24から出力される動力を第1てんぷ73及び第2てんぷ87の何れかに伝達できる構成であれば構わない。この場合、切替機構は、例えば各モードに応じて各四番車44,45に交互に噛合する構成であっても構わない。
上述した実施形態では、2つのてんぷ73,87を有する構成について説明したが、この構成のみに限らず、3つ以上のてんぷを有する構成であっても構わない。
また、第1てんぷ73及び第2てんぷ87の振り角を異ならせる場合には、振り角の大きいてんぷを動作させた際に、外乱に対する影響を確実に抑えることができ、計時精度を向上させることができる。一方、振り角の小さいてんぷを動作させた際には、香箱車での省エネルギー化の更なる向上を図ることができる。
2…ムーブメント
3…文字板
6…秒針(指針)
24…香箱車
26…切替機構(動力伝達機構)
29…規制機構(動力伝達機構)
42…第1差動機構(伝達機構)
51…第1表太陽車(第1太陽車)
52…第1キャリア(キャリア)
53…第1遊星車(遊星車)
54…第1裏太陽車(第2太陽車)
73…第1てんぷ
87…第2てんぷ
130…秒車(指針車)
202…ムーブメント
242…第1差動機構(伝達機構)
Claims (7)
- 往復回動する第1てんぷ及び第2てんぷと、
香箱車の動力を前記第1てんぷに伝達可能な第1状態、及び前記香箱車の動力を前記第2てんぷに伝達可能な第2状態を切り替えるとともに、前記第1状態及び前記第2状態で前記香箱車を異なる回転速度で回転させる動力伝達機構と、
指針が取り付けられるとともに、前記動力伝達機構を介して前記香箱車から動力が伝達される指針車と、を備えていることを特徴とするムーブメント。 - 前記第1てんぷ及び前記第2てんぷは、振動数が互いに異なっており、
前記動力伝達機構は、前記第1てんぷ及び前記第2てんぷの振動数に応じて前記香箱車を回転させるとともに、前記香箱車から出力される動力を変速して前記指針車を一定の回転速度で回転させることを特徴とする請求項1に記載のムーブメント。 - 前記第1てんぷ及び前記第2てんぷは、トルクが互いに異なっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のムーブメント。
- 前記動力伝達機構は、前記第1てんぷ及び前記第2てんぷに接続された伝達機構を備え、
前記伝達機構は、
第1太陽車と、
前記第1太陽車と同軸上に配置された第2太陽車と、
前記第1太陽車及び前記第2太陽車に互いに噛合する遊星車を自転及び公転可能に支持するキャリアと、の3つの歯車を有し、
前記3つの歯車のうち、第1歯車は前記第1状態において前記第1てんぷに動力を伝達し、
第2歯車は、前記第2状態において前記第2てんぷに動力を伝達し、
第3歯車は前記香箱車から動力が伝達されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のムーブメント。 - 前記遊星車は、前記第1てんぷ及び前記第2てんぷの振動数に応じて前記第1歯車及び前記第2歯車を異なる回転速度で回転させることを特徴とする請求項4に記載のムーブメント。
- 前記動力伝達機構は、前記第1状態のときに前記第2てんぷの往復回動を規制し、前記第2状態のときに前記第1てんぷの往復回動を規制する規制機構を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のムーブメント。
- 請求項1から請求項6の何れか1項に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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