以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
[1−1.遊技用システム]
図1は、第1実施形態における第1遊技用システム1Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1Aは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置、情報表示装置、記録媒体処理装置及び貸出装置の一種であるカードユニット3と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置4と、管理装置及び配信装置の一種であるホールコンピュータ6と、管理装置及び配信装置の一種である玉管理コンピュータ8と、景品交換装置の一種である景品交換POS端末9と、を備えて構成される。
本実施形態におけるパチンコ機2は、遊技媒体の一種である遊技球(パチンコ玉)を用いて遊技可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示して表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)を備え、可変表示手段に導出表示された表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り状態)に制御される遊技機である。
カードユニット3は、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行されるビジターカードと、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される会員カードとを含む記録媒体である遊技用カードを受付可能に構成されている。
カードユニット3は、パチンコ機2での遊技に伴い、遊技者が獲得した獲得遊技価値である獲得玉数や、受け付けた遊技用カードから特定される所有遊技価値である貯玉数や持玉数を、パチンコ機2での遊技に使用可能とするための処理を実行する。
具体的には、カードユニット3は、後述する計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数を獲得玉数として、その一部を遊技球として払い出したり、受け付けた遊技用カードから特定される貯玉数や持玉数の一部を遊技球として払い出す玉払出処理を実行する。また、カードユニット3は、受け付けた遊技用カードから特定される残額の一部を消費して遊技球を貸し出す玉貸処理を実行する。
ここで、上記の玉払出処理しや玉貸処理では、カードユニット3からパチンコ機2の上皿に延出するように設けられたノズル等を介して、カードユニット3から直接的にパチンコ機2の上皿に遊技球を払い出すようにしてもよいし、カードユニット3からパチンコ機2に対して後述する貸出関連信号や払出関連信号を送信することで、パチンコ機2に遊技球を払い出させるようにしてもよい。
第1遊技用システム1Aが適用される店舗では、定量制で運用されるパチンコ機2と、非定量制で運用されるパチンコ機2との2種類のパチンコ機2が設置される。カードユニット3は、パチンコ機2での遊技を定量制にて運用するための定量設定(第1設定に相当)と、パチンコ機2での遊技を非定量制にて運用するための非定量設定(第2設定に相当)との2種類の設定を行うことが可能に構成されている。
本実施形態において、定量制とは、パチンコ機2での遊技に伴い、遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合に、遊技者による対応パチンコ機2での継続した遊技を停止させる運用のことを意味する。この場合において、遊技を停止させるとは、パチンコ機2の遊技状態が確変状態や時短状態といった遊技者にとって有利な状態であっても、それらの状態による遊技の継続を停止させ、いわゆる打ち止めとすることを意味する。
パチンコ機2での遊技を停止させる具体的な実現手法としては、カードユニット3の機能の一部又は全部を制限することが考えられる。具体的には、例えば、再プレイ操作による玉払出しや、残額を消費することによる玉貸し、現金の投入による残額の追加等の遊技に関わるカードユニット3の機能を制限する。これにより、遊技者は遊技球を使用したパチンコ機2での遊技を行うことができなくなるため、結果的に、遊技者による継続した遊技が制限されることになる。
また、カードユニット3の機能を制限するのではなく、カードユニット3から対応パチンコ機2に対する後述する貸出関連信号や払出関連信号の送信を停止することで、間接的に対応パチンコ機2の遊技に係る機能を制限するようにしてもよい。
また、上記のように、パチンコ機2やカードユニット3の機能の制限という機械の制御ではなく、人為的に遊技者の遊技を停止させるようにしてもよい。例えば、定量上限に達した場合に、カードユニット3が店員にその旨を通知して店員を呼び出したり、上位の管理装置にその旨を通知して店員を呼び出すなどして、出向いた店員が遊技者に遊技の停止を促すようにしてもよい。
それに対し、非定量制とは、パチンコ機2での遊技に伴い、遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合であっても、パチンコ機2での遊技を制限しない運用のことを意味する。
定量設定とは、カードユニット3が定量制で運用されるパチンコ機2での遊技を可能とするための処理を実行可能な状態とするように設定することを意味する。また、非定量設定とは、カードユニット3が非定量制で運用されるパチンコ機2での遊技を可能とするための処理を実行可能な状態とするように設定することを意味する。
店舗内には、定量制で運用されるパチンコ機2と非定量制で運用されるパチンコ機2との2種類のパチンコ機2が存在するため、(1)定量制→定量制、(2)定量制→非定量制、(3)非定量制→定量制、(4)非定量制→非定量制、の4つのパターンで、遊技者が台移動を行う場合が想定される。カードユニット3は、自装置の設定(定量設定/非定量設定)に応じて、遊技者が所持する遊技用カードの使用を制限する。
本実施形態では、遊技者が遊技用カードを使用して行うことのできる項目として、残額の消費(チャージや入金によるものを含む。)による遊技球の貸し出し(玉貸)、所有遊技媒体数を消費することによる遊技球の払い出し(玉払出)、パチンコ機2での遊技による遊技者が獲得した獲得玉数の計数(玉計数)、複数の遊技用カードに対応付けられた所有遊技媒体数の合算(玉合算)、1枚の遊技用カードに対応付けられた所有遊技媒体数の分割(玉分割)、他の遊技者との間の所有遊技媒体数の共有(玉共有)、が含まれることとして説明する。
遊技用カードの使用を制限することには、(A)カードユニット3に挿入された遊技用カードを返却すること、(B)カードユニット3に挿入された遊技用カードを受け付けるが、受け付けた遊技用カードの使用を制限すること、が含まれる。
また、上記の(B)の制限には、(a)遊技者が遊技用カードを使用して行うことのできる全ての項目の制限、(b)遊技者が遊技用カードを使用して行うことのできる項目のうちの一部の項目の制限、(c)受け付けた遊技用カードから特定される所有遊技媒体数の全ての使用の制限、(d)遊技用カードから特定される所有遊技媒体数のうちの一部の所有遊技媒体数の使用の制限、が含まれる。
また、上記の遊技用カードの使用の制限を実現するための手法としては、(1)遊技用カードから所有遊技媒体数を特定して使用を制限する手法、(2)遊技用カードから所有遊技媒体数を特定することなく使用を制限する手法、が含まれる。
(1)は、受け付けた会員カードに対応付けて管理されている貯玉数を玉管理コンピュータ8に照会したり、受け付けたビジターカードに記録されている持玉数を読み取ることなく、当該遊技用カードが使用されたカードユニット3の定量/非定量の種別によって遊技用カードの使用を制限することである。
(2)は、受け付けた会員カードに対応付けて管理されている貯玉数を玉管理コンピュータ8に照会したり、受け付けたビジターカードに記録されている持玉数を読み取ることで、遊技者の所有遊技媒体数を特定し、特定した所有遊技媒体数に基づいて、遊技用カードの使用を制限することである。
処理の観点で考えると、上記の遊技用カードの使用の制限は、(1)遊技用カードの使用に係るメイン処理(メインルーチン)それ自体を実行しないこと、(2)メイン処理(メインルーチン)のうち制限項目に対応する処理(サブルーチン)を実行しないこと、(3)メイン処理(メインルーチン)のうち非制限項目に対応する処理(サブルーチン)のみを実行すること、等によって実現することができる。
なお、遊技用カードの使用の制限に、将来的に遊技用カードを使用することを制限することを含めてもよい。具体的には、例えば、カードユニット3の記憶部320のRAM等において、遊技者が入金を行うことによって残額のデータが更新されることを制限したり、遊技によって計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数のデータが更新されることを制限することを、本実施形態における遊技用カードの使用の制限としてもよい。
ホールコンピュータ6は、店舗に設置された各パチンコ機2の遊技情報を統括的に管理するとともに、各パチンコ機2に対応して設けられたカードユニット3を管理し、各カードユニット3の設定や出力に係る設定用情報を生成し、生成した設定用情報を各カードユニット3に配信する。従って、ホールコンピュータ6は、設定用情報を配信する配信装置と言うこともできる。
玉管理コンピュータ8は、会員遊技者の情報や、会員カードに対応付けられた貯玉の管理や、ビジター遊技者が所持するビジターカードに記録された持玉の管理等を行う。
景品交換POS端末9は、店舗の景品交換カウンタに設置され、遊技用カードを受け付けて、受け付けた遊技用カードから特定される貯玉数、持玉数に応じた特殊景品を特殊景品払出装置14に払い出させるための景品交換処理を実行する。
各パチンコ機2は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、パチンコ機2、カードユニット3及びデータ表示装置4は、台端末10を介してホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8に接続されている。なお、この図では、簡明化のために、遊技島に設置されるパチンコ機2を4台として図示している。
[1−2.信号及び情報の流れ]
図2は、第1遊技用システム1Aの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末10については図示を省略している。
パチンコ機2からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号、パチンコ機不正信号及びパチンコ機異常信号を含むパチンコ機信号が、カードユニット3、データ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り信号は、大当り当選に伴う大当り状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。大当り信号は、大当り状態の制御を開始するタイミングで「ON状態」とされ、当該大当り状態の制御が終了するタイミングで「OFF状態」とされる。
確変中信号は、確変当選に伴う通常状態よりも大当りに当選する確率の高い高確率状態(確変状態)に制御された場合に出力状態とされる信号である。確変中信号は、確変当選に伴い、大当り状態が終了して大当り信号が「OFF状態」とされるタイミングで「ON状態」とされ、その後に移行する確変状態中に大当り当選が発生した場合には、当該大当り当選に伴う大当り状態の制御が開始されるタイミングで「OFF状態」とされる。また、確変状態中に大当り当選が発生せずに確変状態が終了して通常状態に制御されるタイミングで「OFF状態」とされる。
時短中信号は、時短当選に伴う通常状態よりも始動入賞口34への入賞を容易とする高ベース状態(時短状態)に制御された場合に出力状態とされる信号である。時短中信号は、時短当選に伴い、大当り状態が終了して大当り信号が「OFF状態」とされるタイミングで「ON状態」とされ、その後に移行する時短状態中に大当り当選が発生した場合には、当該大当り当選に伴う大当り状態の制御が開始されるタイミングで「OFF状態」とされる。また、時短状態中に大当り当選が発生せずに時短状態が終了して通常状態に制御されるタイミングで「OFF状態」とされる。
打込信号は、所定玉数(例えば10玉)がアウト玉計数器により計数される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。
始動信号は、特図可変表示部の表示結果が導出表示されたときに出力状態とされる所定幅のパルス信号である。
賞球信号は、所定玉数(例えば10玉)が払い出される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。
パチンコ機不正信号は、パチンコ機2におけるエラー信号の一種であり、パチンコ機2に何らかの不正が生じた場合に出力状態とされる信号である。
パチンコ機異常信号は、パチンコ機2におけるエラー信号の一種であり、パチンコ機2に何らかの異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
これらの信号については後述する。
カードユニット3からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、所持球数信号、玉払出信号、ユニット不正信号及びユニット異常信号を含むユニット信号が、データ表示装置4、ホールコンピュータ6及び玉管理コンピュータ8に出力される。
カード挿入信号は、遊技用カードを受け付けた場合に出力状態とされる信号であり、受け付けた遊技用カードに記録されたカードIDや会員ID等の受付IDを含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた遊技用カードが排出された場合に出力状態とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
所持球数信号は、遊技者の所持球数を示す信号である。所持球数には、計数払出ユニット380により計数された計数玉数や、会員カードに対応付けられた貯玉数、ビジターカードに対応付けられた持玉数が含まれる。
玉払出信号は、パチンコ機2に遊技球を払い出した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球を払い出した旨及び払い出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
ユニット不正信号は、カードユニット3におけるエラー信号の一種であり、カードユニット3に何らかの不正が生じた場合に出力状態とされる信号である。
ユニット異常信号は、カードユニット3におけるエラー信号の一種であり、カードユニット3に何らかの異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
これらの信号については後述する。
カードユニット3からは、自装置に挿入された遊技用カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ8に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、遊技用カードに記録されたカードID(会員カード:会員カードID,ビジターカード:ビジターカードID)とが含まれる。
玉管理コンピュータ8は、カードユニット3が後述する各種の設定を行うためのユニット設定用データを生成して、カードユニット3に送信する。また、玉管理コンピュータ8は、カードユニット3から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号をカードユニット3に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。また、認証結果がOKである場合には、認証要求信号に含まれるカードIDに対応付けられたカード管理データ865がカードユニット3に出力される。
景品交換POS端末9からは、カード管理データ865を要求するカード管理データ要求信号が玉管理コンピュータ8に出力される。玉管理コンピュータ8は、景品交換POS端末9から出力されるカード管理データ要求信号に基づいて、カード管理データ865を景品交換POS端末9に出力する。
また、景品交換POS端末9からは、ユニット管理データ867を要求するユニット管理データ要求信号が玉管理コンピュータ8に出力される。玉管理コンピュータ8は、景品交換POS端末9から出力されるユニット管理データ要求信号に基づいて、ユニット管理データを景品交換POS端末9に出力する。
また、本実施形態では、遊技者がパチンコ機2での遊技に伴い獲得した獲得遊技価値を、カードユニット3が備える計数払出ユニット380によって計数された玉数(以下、「ローカル計数玉数」という。)として説明する。
[1−3.パチンコ機及びカードユニットの構成]
[1−3−1.パチンコ機の構成]
図3は、パチンコ機2の外観構成を示す正面図である。
パチンコ機2は、額縁状に形成されたガラス扉枠22を備え、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23を備えて構成される。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられており、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れた遊技球を貯留する下皿24と、打球を発射する打球操作ハンドル(以下打球操作ノブと称する)25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27に向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28が設けられている。
また、遊技領域27の中央部には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また、遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した(すなわち付与条件が成立した)場合には、各入賞口に応じた賞球が不図示の玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
また各入賞口に入賞した打玉及びアウト口46に回収された打玉の数は、該パチンコ機2に対応して設けられるアウト玉計数器(不図示)により計数され、該計数された打込玉数に応じた打込信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、打込玉数が外部に通知される。
打球操作ノブ25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域27に達しなかった遊技球は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流される。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示装置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特別表示結果(例えば○)となった場合、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して、始動入賞口34が開放され(開放状態となり)、始動入賞口34への遊技球の入賞が可能となる。すなわち、通過ゲート31の通過という普通始動条件が成立した後に、普通図柄の可変表示の開始を許容する普通開始条件(例えば普通図柄の可変表示が実行されておらず且つ可動片35が開放制御されていないこと)が成立したことに基づいて普通図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた特別表示結果が導出表示されたときに、始動入賞口34への遊技球の入賞が可能となる(特別図柄の可変表示に係る始動条件が成立可能となる)。
また、始動入賞口34に遊技球が入賞すると、特図可変表示部28において特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出可変表示部29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄)となった場合には、演出可変表示部29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止する。そして、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(例えば777)とされることで、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。すなわち、始動入賞口34への遊技球の入賞という始動条件が成立した後に、特別図柄の可変表示の開始を許容する開始条件(例えば特別図柄の可変表示が実行されておらず、且つ、大当り状態にも制御されていないこと)が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときに遊技者にとって有利な大当り状態に制御される。
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放され(開放状態となり)、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。大入賞口に遊技球が入賞すると、他の入賞口に遊技球が入賞した場合よりも多くの賞球が付与される。そして、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放されてから(開放状態となってから)、所定期間(例えば30秒間)の経過又は遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立すると、開閉板40が閉成して大入賞口が閉鎖され(閉鎖状態)、大入賞口への遊技球の入賞が不可能となる。
そして開放状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して不図示のVカウントスイッチにより検出されれば、その回の開放状態の終了を待って閉鎖状態から開放状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
なお、特定入賞領域(Vポケット)が設けられていない可変入賞球装置36を定められた回数(例えば15回)だけ閉鎖状態(大入賞口が閉鎖されている状態)から開放状態(大入賞口が開放されている状態)に制御する繰返し継続制御を実行するようにしてもよい。この開放状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過又は遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了する。可変入賞球装置36を閉鎖状態から開放状態に制御する繰返し継続制御の実行回数は、例えば、複数存在する特定遊技状態(大当り状態)の種別に応じて異なるように設定されており、該繰返し継続制御の実行回数が15回の大当りを15ラウンド大当り、該繰返し継続制御の実行回数が2回の大当りを2ラウンド大当りと称する場合がある。すなわち、大当り状態では、大当り状態の種別に応じた回数の繰返し継続制御が実行されることにより、大入賞口への遊技球の入賞が可能な状態となるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。
この大入賞口に打玉が入賞した(即ち付与条件が成立した)場合にも、該入賞に応じた賞球が不図示の玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
特図可変表示部の表示結果並びに演出可変表示部の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには上記のように、大当り状態が発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り状態」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常遊技状態(低確率状態)よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
すなわち、確率変動状態においては、大当り状態に制御される割合が通常遊技状態よりも高いため遊技者にとって有利な有利期間となる。例えば、確変大当りに係る大当り状態終了後から次の大当りに係る大当り状態に制御されるまでの期間は、確率変動状態に制御される。なお、確変大当りに係る大当り状態終了後から次の大当りに係る大当り状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば100回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて確率変動状態が終了するようにしてもよい(所謂ST機であってもよい)。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が所定回数に達するか、又は、次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄及び演出可変表示部29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される(特別図柄時短制御が実行される)時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
なお、時短状態における演出図柄の変動時間の短縮は、全部の変動パターンについて演出図柄の変動時間を短縮するものとしてもよいし、一部の変動パターンについて演出図柄の変動時間を短縮するものとしてもよい。また、大当り変動及びハズレ変動の両方に適用してもよいし、大当り変動及びハズレ変動のうちのいずれか一方の変動にのみ適用してもよい。また、変動パターンに関わらず、演出図柄の平均的な変動時間(平均変動時間)を短縮させるものとしてもよい。
特別図柄時短制御が実行されると、開始条件が成立し易くなり、特別図柄の可変表示が実行される頻度が高められて大当り状態に制御され易くなるため、遊技者にとって有利な有利状態(有利期間)となる。また、時短状態において、普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される普通図柄時短制御が実行されるようにしてもよい。普通図柄時短制御が実行されると、普通開始条件が成立し易くなり普通図柄が可変表示される頻度が高められることに伴い(特別表示結果が導出表示される頻度も高まり)可動片35が開放制御される頻度も高くなり、通常状態よりも始動入賞口34への遊技球の入賞が容易となるため、遊技者にとって有利な有利状態(有利期間)となる。また、時短状態において、普通図柄の表示結果が特別表示結果となる割合を通常遊技状態(非時短状態)よりも高める普通図柄確変制御が実行されるようにしてもよい。
普通図柄確変制御が実行されると、特別表示結果が導出表示される頻度が高まり可動片35が開放制御される頻度も高くなるため、遊技者にとって有利な有利状態(有利期間)となる。また、時短状態において、可動片35が開放制御される期間を延長したり、開放回数を増加させる開放延長制御が実行されるようにしてもよい。開放延長制御が実行されると、始動入賞口34への入賞頻度が高められ、通常状態よりも始動入賞口34への遊技球の入賞が容易となるため、遊技者にとって有利な有利状態(有利期間)となる。時短状態では、上記の特別図柄時短制御、普通図柄時短制御、普通図柄確変制御、及び開放延長制御のうちの1以上の制御が実行されるようにするとよい。
なお、始動入賞口34への入賞を容易とする制御は、通常状態では可動片34を一切開放制御しないことで始動入賞口34に遊技球が一切入賞しないようにし、時短状態では可動片34を開放制御することで始動入賞口34に遊技球が入賞可能となるような制御としてもよいし、通常状態においても可動片34を開放制御することで始動入賞口34への遊技球を可能とするが、時短状態では可動片34を開放制御する頻度を高めたり、開放制御する期間を延長したり、開放回数を増加させることで、始動入賞口34に遊技球が入賞する率が高くなるような制御としてもよい。
時短状態は、例えば、通常大当り(確変大当りではない大当り)に係る大当り状態終了後から次の大当りに係る大当り状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば50回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて終了する。なお、この実施の形態では、後述する潜伏確変状態に制御される場合を除き、確変変動状態は時短状態を伴うものとする。このように、この実施の形態では、大当り状態、確率変動状態及び時短状態のうち少なくとも1以上の状態に制御されている期間は有利期間であるものとする。
本実施形態のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための不図示の情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板と外部装置とが、不図示の信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介して外部装置に出力される。また、これらの信号の他に、不図示のアウト玉計数器によりアウト玉が計数され、このアウト玉の計数値が所定玉数(例えば10玉)に達する毎に、所定のパルス幅の打込信号がアウト玉計数器から外部装置に出力される。ここで言う外部装置には、カードユニット3やデータ表示装置4、ホールコンピュータ6等の外部装置が含まれる。
大当り信号は、大当りが発生したことを示す信号であるとともに、大当り状態に制御されていることを示す信号でもある。大当り状態に制御されている期間は、大当り信号を「ON状態」とし、大当り状態に制御されていない期間は大当り信号を「OFF状態」とする制御を行う。これにより、パチンコ機2に接続される外部装置において大当りが発生したこと及び大当り状態に制御されていることを特定可能となる。
確変中信号は、大当りが発生する割合が通常状態(低確率状態)よりも高められた確変状態(高確率状態)に制御されていることを示す信号である。確変状態に制御されている期間は、確変中信号を「ON状態」とし、確変状態に制御されていない期間は確変中信号を「OFF状態」とする制御を行う。これにより、パチンコ機2に接続される外部装置において確変状態に制御されていることを特定可能となる。また、大当り状態の終了に伴い確変状態に制御された場合には、確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。また、大当り状態の終了に伴い確変状態に制御されなかった場合には、通常大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。これにより、遊技用装置側では、大当りの発生回数及び確変大当りと通常大当りの内訳を集計可能となる。
時短中信号は、可変表示装置の可変表示時間を短縮する時短状態(高ベース状態)に制御されていることを示す信号である。時短状態に制御されている期間は、時短中信号を「ON状態」とし、時短状態に制御されていない期間は時短中信号を「OFF状態」とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において時短状態に制御されていることを特定可能となる。
また、大当り状態の終了に伴い確変状態に制御されたものの時短状態には制御されなかった場合には、潜伏確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。ここで、潜伏確変大当りとは、大入賞口の開放パターンが小当りと共通の大当りであって、大当り状態の終了後に確変状態(高確率状態)に制御される大当りである。なお、小当りとは、大入賞口が特定の開放パターン(例えば0.5秒の開放が2回)で開放するものの、大入賞口の開放制御終了後に遊技状態が変化していない制御態様をいう。従って、遊技者は、大入賞口が特定の開放パターンで開放されただけでは、小当りが発生したのか潜伏確変大当りが発生したのかを特定することは困難である。一方、パチンコ機2に接続される遊技用装置においては、確変状態であるにもかかわらず時短状態ではないことに基づいて、遊技者が把握困難な潜伏確変状態であることを特定可能である。
また、パチンコ機2からは、パチンコ機不正信号が出力される。パチンコ機2の遊技制御基板(主制御基板ともいう)は、遊技者の不正を検出する機能として、例えば、高周波信号検出機能、磁気検出機能、振動検出機能を有する。高周波信号検出機能については、例えば、特開2002−239169号公報に示されるような技術を適用することができる。
より詳細には、第1始動入賞口及び第2始動入賞口、並びに大入賞口に設けられているスイッチが高周波発振型の貫通型近接スイッチである場合、各々のスイッチに接続された信号監視回路が設けられ、いずれかの信号監視回路で異常な高周波信号が検出された場合に、外部出力基板を介して不正の可能性を示唆するパチンコ機不正信号が外部出力される。同様に、磁気検出機能により異常磁気が検出された場合、振動検出機能により異常振動が検出された場合にも、外部出力基板を介してパチンコ機不正信号が外部出力される。
また、所定期間内における各入賞口への入賞回数が基準値を超えた場合(例えば第1始動入賞口への入賞回数が10秒以内に10回以上となった場合)や、大当り状態であるにも関わらず、大入賞口への入賞が所定期間(例えば1ラウンドにおける最長の開放時間である29秒間)検出されない場合には、外部出力基板を介して誤作動や玉詰まり等の異常の可能性を示唆するパチンコ機異常信号が外部出力される。
本実施形態のパチンコ機2には、該パチンコ機2における遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払出す制御を行うとともに、カードユニット3で計数される遊技者の所持球数に基づいて、払出単位である125玉の遊技球を計数して貸出す制御を行う賞球制御基板(不図示)を備えており、該払出単位である125玉の倍数の遊技球の貸出を実施できるようになっている。
本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)を備え、可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御し、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する遊技機の一例である。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)における識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1遊技状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2遊技状態(閉鎖状態)とのいずれかの状態に変化可能な可変入賞手段(大入賞口を開放状態又は閉鎖状態に切り替える特別可変入賞球装置)を第1状態に変化させる遊技機であって、
前記可変入賞手段を所定期間第1状態に変化させることを所定回数行う第1遊技状態(例えば最長30秒の開放を15回実行する大当り状態)に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記所定期間よりも短い期間及び前記所定回数より少ない回数の少なくともいずれかで第1状態に変化させる第2遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する大当り状態(潜伏確変大当りに伴う大当り状態))を実行した後、遊技状態を、通常状態よりも前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記第2遊技状態と同様に変化させる第3遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する小当り遊技状態)を実行した後、前記可変入賞手段を第1状態に変化させる前の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態に制御するか否かと、前記第2遊技状態に制御するか否かと、前記第3遊技状態に制御するか否かとを、前記可変表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段と、
前記第2遊技状態に制御された後と前記第3遊技状態に制御された後とで、同じ演出態様となる特定演出状態に制御する演出状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、潜伏確変大当りが発生した場合と小当りが発生した場合とで、大入賞口の開放パターンが共通であり且つ演出態様も共通となるため、遊技者は潜伏確変大当りが発生したのか又は小当りが発生したのかを把握し難い構成となっている。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、
遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技者が遊技を行い、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技媒体が入賞しにくい又は入賞できない不利状態(閉状態)と、前記遊技媒体が入賞し易い有利状態(開放状態)とに変化可能な可変入賞球装置(可動片35(いわゆる電動チューリップ))と、
前記遊技領域に設けられた普通始動領域(通過ゲート31)を前記遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の普通識別情報(普通図柄)を可変表示して、該可変表示の表示結果を普通識別情報可変表示装置(可変表示装置30)に導出表示する制御を行う普通識別情報可変表示制御手段と、
前記普通識別情報可変表示装置に導出表示された表示結果が所定の表示結果(当りを示すLEDの点灯状態)となったことに基づいて、前記可変入賞球装置を有利状態に変化させる制御を行う可変入賞球装置制御手段と、
所定の条件(例えば高ベース状態を伴う大当り種別(例えば潜伏確変大当り以外の大当り種別)の大当り状態の終了)が成立したことに基づいて、前記可変入賞球装置を有利状態とする割合の低い低ベース状態(通常状態:低ベース状態)から、前記可変入賞球装置を有利状態とする割合の高い高ベース状態に制御する高ベース状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、例えば、低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り状態終了後に高確率低ベース状態となり、小当りが発生した場合には小当り遊技状態終了後に低確率低ベース状態となるため、遊技者は大入賞口の開放制御終了後に低ベース状態に制御された場合に、潜伏確変大当りが発生したのか(高確率低ベース状態に制御されているのか)又は小当りが発生したのか(低確率低ベース状態に制御されているのか)を把握し難い構成となっている。
なお、図柄確定信号、大当り信号、時短中信号及び確変中信号の出力経路は、本実施形態に示すものに限定されるわけではない。これらの信号は、いずれも主制御基板から出力されるようにしてもよい。例えば、主制御基板に、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)が接続される構成とし、この可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御する。そして、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する。そして、主制御基板は、可変表示手段により可変表示が実行される毎に図柄確定信号を出力し、特定遊技状態に制御されている場合には大当り信号を出力し、高確率状態に制御されている場合には確変中信号を出力し、高ベース状態に制御されている場合には時短中信号を出力するようにする。
このような遊技機において、例えば低確率低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号は「ON状態」、時短中信号は「OFF状態」となり、同じく低確率低ベース状態で小当りが発生した場合には、小当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号は「OFF状態」、時短中信号は「OFF状態」となる。そのため信号が入力される外部装置では、潜伏確変状態(確変中信号「ON」、時短中信号「OFF」)であるか否かを確変中信号と時短中信号とに基づいて判定可能となっている。
[1−3−2.カードユニットの構成]
図3は、カードユニット3の外観構成の一例を示す図である。
カードユニット3の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309と、装置前面より装置前方側に突出するように形成された表示部355とが設けられている。
表示部355は、タッチパネル314が一体的に構成された液晶表示器313を有し、液晶表示器313に表示された各表示項目をタッチパネル314に対する指触により入力可能に構成されている。また、表示部355には、遊技場の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロット392に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロット392に挿入可能とされている。
ここで、ビジターカード及び会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データや、振分けの有無を特定可能な振分けフラグ等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技球を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われた遊技球数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、玉管理コンピュータ8において、会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、後述するように、会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また、景品交換POS端末9において景品交換に使用できるようになっている。
ビジターカードは、遊技場内に設置された不図示のカード発行・入金機において、購入、発行されるとともに、カードユニット3においても発行される。
ビジターカードには、計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数が直接記録されておらず、後述するように、ビジターカードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また、景品交換POS端末9において景品交換に使用できるようになっている。
なお、本実施形態では、タッチパネル314に対する操作により遊技者がカードユニット3に対する各種の操作を行うこととして説明するが、例えば表示部355に、メニュー選択を行うためのメニューボタンや台データを表示させるための台データボタン、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン等の操作ボタンを設けることとしてもよい。
また、表示部355の内部には、後述する液晶表示器313や操作ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが表示部355に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、タッチパネル314による入力位置検出等が該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット300に出力する紙幣識別ユニット302aが設けられており、該紙幣識別ユニット302aにおいて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット300が設けられており、後述するように、該制御ユニット300によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、払出単位として予め定められた複数個の遊技球の貸出に伴う貸出関連信号や遊技球の払い出しに伴う払出関連信号を送受可能に構成されている。例えば、貸出関連信号には、カードユニット3からパチンコ機2に遊技球の貸出しを行わせるための貸出要求信号や、パチンコ機2から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。また、パチンコ機2からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該パチンコ機2に対応して設けられる打込玉カウンタ(不図示)から出力される打込玉信号を受信可能に構成されている。
カードユニット3からは、ユニット不正信号が出力される。カードユニット3は、遊技者の不正を検出する機能として、例えば、不正電波検知機能や振動検出機能、偽造カードや偽造紙幣の判別機能を有し、これらの機能により不正電波、振動を検出した場合や、偽造カードや偽造紙幣が使用されたと判別した場合に、外部出力基板を介してユニット不正信号が外部出力されるように構成されている。
また、カードユニット3からは、ユニット異常信号が出力される。カードユニット3は、異常を検出する機能として、遊技用カードの挿入/排出不全検出機能や計数払出ユニット380による計数払出不全検出機能を有し、これらの機能により遊技用カードの挿入/排出不全が検出された場合や、計数払出ユニット380による計数払出不全が検出されたような場合に、外部出力基板を介してユニット異常信号が外部出力されるように構成されている。
本明細書では、遊技者が所持する記録媒体であるビジターカード及び会員カードを包括的に「遊技用カード」と称する。ビジターカード及び会員カードは、残額(プリペイド残額やカード残額)を記録したプリペイド機能を有する遊技用カードである。
プリペイド残額は、「カード残額÷単位額」の式で演算される商の整数部分であり、カード残額は、遊技用カードに記録される円単位の残額である。例えば、単位額は100円とすることができ、カード残額が10000円である場合は、プリペイド残額は100となる。
上記の残額は、遊技用カードに直接記録する運用としてもよいし、遊技用カードには記録せずに、玉管理コンピュータ8等の管理装置で管理する運用としてもよい。遊技用カードに残額を記録する場合には、カードユニット3が、受け付けた遊技用カードから残額を読み取ることで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。また、遊技用カードに残額を記録しない場合には、カードユニット3が、受け付けた遊技用カードのカードIDを管理装置に出力し、管理装置から該カードIDに対応付けられた残額データを取得することで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。
カードユニット3は、上記のようにして特定した残額を、プリペイド残額データやカード残額データとして記憶部320に記憶させる。また、カードユニット3は、遊技用カードの受付中は、遊技のための残額の消費や入金による残額の追加によって残額のデータを更新する。そして、遊技用カードに残額を記録する運用では、カードユニット3は、遊技用カードの返却時に、遊技用カードに残額を記録させる。また、管理装置で残額を管理する運用では、遊技用カードの返却時や返却後に、残額のデータを管理装置に出力する。
本実施形態では、残額と言った場合、遊技用カードに対応付けられている残額のことを意味することとして説明する。つまり、入金によって遊技用カードに直接的に記録される残額や、入金によって遊技用カードのカードIDや会員IDと対応付けて上位の管理装置で管理される残額を意味するものとする。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機での遊技で獲得した玉であって、ホールに預けている玉のことを「貯玉」と称する。また、ホールに預けている貯玉の数を「貯玉数」と称する。貯玉数は、管理装置で管理される。原則的に、貯玉数は会員カードに記録させることはできず、記録媒体処理装置が会員カードを受け付けたことに応じて、管理装置で管理されている貯玉数が記録媒体処理装置に送信される。また、当営業日に遊技者が獲得した玉のことを「当日貯玉」と称し、当営業日以前に会員遊技者によって獲得されて貯蓄された玉のことを「過去貯玉」と称する。なお、原則には反するが、貯玉数を会員カードに記録させるようにしてもよい。
当日に遊技者が獲得した貯玉数は、所定条件の成立に応じて、当日貯玉数はその当日に遊技者が貯蓄した貯玉数として確定され、翌営業日以降における過去貯玉数として管理される。所定条件は、例えば、当日の店舗の営業終了後、締め処理が行われることとして定めておくことができる。締め処理は、時刻が所定の締め時刻(例えば深夜10時や深夜0時、深夜2時)となったことや、店舗の管理者によって締め処理の実行操作がなされたこと、店舗の営業終了により管理装置の電源が一旦切断され、次の営業日の営業のために管理装置の電源が立ち上げられたこと、等の条件の成立に応じて実行される。この締め処理が実行されることにより、当日貯玉数は過去貯玉数に加算されてリセットされ、次の営業日以降の過去貯玉として管理されることになる。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機で遊技を行った結果、遊技者の所有となった遊技玉数のことを「持玉」と称する。また、会員カードに対応付けられる当日貯玉と区別するために、ビジターカードに記録されている玉数のことを「持玉数」と称する。
また、本明細書では、パチンコ機2で発射可能なパチンコ玉であり、残額や持玉、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成されるパチンコ玉のことを「遊技球」と称する。
また、本明細書では、カードユニット3に対応して設けられるパチンコ機2のことを「対応パチンコ機」と称し、パチンコ機2に対応して設けられるカードユニット3のことを「対応ユニット」と称する。
図4は、カードユニット3の機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット3は、紙幣識別ユニット302aと、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット300とから構成されており、紙幣識別ユニット302a、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット300と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット300は、処理部310と、記憶部320と、時計部335とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット3を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部310は、主要な機能部として、設定部310aと、カード使用制限部310bと、カード使用処理部310cとを有する。これらの機能部の機能については、処理の流れで後述する。
記憶部320は、ROMやフラッシュROM、EEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。本実施形態において、記憶部320には、処理部310により読み出され、カードユニット処理として実行されるカードユニット処理プログラム321と、ローカル計数玉数のデータであるローカル計数玉数データ323と、ホールコンピュータ6から出力されるユニット設定用データ890と、玉管理コンピュータ8から出力されるカード管理データ865とが記憶される。
また、カードユニット処理プログラム321は、設定処理として実行される設定プログラム321aと、カード使用制限処理として実行されるカード使用制限プログラム321bと、カード使用処理として実行されるカード使用プログラム321cとをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
制御ユニット300は、遊技球の貸出に伴う各種の信号の授受を、対応パチンコ機2に設けられている不図示の賞球制御基板との間において実施可能に接続されているとともに、前述のように、信号ケーブルを介して、パチンコ機2の情報出力基板と接続されることで、大当り信号等の各種のパチンコ機信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット300は、対応パチンコ機2の下方位置に設けられているアウト玉計数器16に接続されて該アウト玉計数器16による打込信号が入力可能とされており、これらアウト玉計数器16からの打込信号の入力に応じて、遊技情報テーブル(不図示)の総打込玉数の値に該打込信号に応じた所定数を加算更新する。
また、制御ユニット300は、タッチパネル314に対する操作の有無を把握できるようになっている。タッチパネル314に対する操作を検知すると、制御ユニット300は、当該操作に応じた処理を実行する。
また、制御ユニット300には、前述したように、対応パチンコ機2の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット300は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や表示部355に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット302aによる貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット300に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、制御ユニット300は、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付処理や、受付中の遊技用カードから特定した残額を使用した玉貸を行う貸与処理、貨幣の受付に応じて、受付中の遊技用カードに残存する残額への入金、或いは、新たな遊技用カードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理、返却ボタンによる返却操作により受付中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理、払出ボタン311の操作の受付によって所有遊技媒体数(ローカル計数玉数に貯蓄済みの貯玉数や持玉数を加算した玉数)のうちの所定の単位球数の遊技球の払い出しを行う払出処理等の処理を実行する。
また、制御ユニット300は、HUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット300に接続された表示制御基板329は、表示部355を構成する液晶表示器313やタッチパネル314、各種の操作ボタン316に対応するスイッチ、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これらタッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット300に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部355に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部355に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット300から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット300から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部355を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
カードユニット3は、遊技用カードとして、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される記録媒体で会員カードを受け付ける。これらの遊技用カードを受け付けたカードユニット3は、遊技用カードから特定されるプリペイド残額に応じて、上記の玉貸処理を実行する。また、遊技用カードから特定される貯玉数や持玉数に応じて、上記の払出処理を実行する。
カードユニット3の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。このカード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタに受け付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。紙幣挿入口に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
遊技者が遊技を終えてカードユニット3からカードの返却を受けたときには、カードユニット3に記憶していた持玉が一旦貯玉として玉管理コンピュータ8に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
また、制御ユニット300には、音出力制御基板319が接続されている。音出力制御基板319は、音出力部350に接続され、制御ユニット300の制御に従って、音出力部350から各種の音を出力させるように制御する。
また、カードユニット3の最下方位置には、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2における払出単位個数未満の単位未満端数の最大値だけ貯留するとともに、該単位未満端数の遊技球を計数する計数払出ユニット380が設けられている。以下、「単位未満端数」を「端数」と称する。
なお、カードユニット3の計数払出ユニット380で遊技球を貯留して払い出すようにするのではなく、遊技島に従来公知の遊技球貯留循環装置を構成し、この遊技球貯留循環装置から遊技球を払い出すようにしてもよい。
計数払出ユニット380には、パチンコ機2の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット380に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出される遊技球が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット380から払い戻し(返却)される端数の遊技球が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット380に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入された遊技球を自然流下において計数払出ユニット380に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット380から払出された遊技球を自然流下において返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックス340aの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット380の内部には、計数通路343と連結され、カードユニット3の前面側からカードユニット3の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、該流入路の終端位置には、該流入路を流下する遊技球を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット380に流入した遊技球が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット500に対して出力される。制御ユニット500は、その検出信号が入力される毎に、記憶している所持球数を1加算する。
カードユニット3は、計数払出ユニット380によって計数された玉数をローカル計数玉数データ323として記憶部320に記憶させる。カードユニット3は、遊技用カードの返却時に、ユニットID、カードID及びローカル計数玉数データ323を玉管理コンピュータ8に送信する。受付中の遊技用カードがビジターカードである場合には、ローカル計数玉数データ323に記憶されたローカル計数玉数を持玉数としてビジターカードに記録させる。
玉管理コンピュータ8は、カードユニット3から送信されたユニットID、カードID及びローカル計数玉数データ323に基づいて、ローカル計数玉数を当日貯玉数/持玉数に加算して更新する。
具体的には、玉管理コンピュータ8は、カードIDの種別が会員カードIDである場合には、当該会員カードIDに対応する会員カード管理データ8651(図7)の貯玉管理データの当日貯玉数に、ローカル計数玉数データ323から特定されるローカル計数玉数を加算して更新する。詳細には、ユニット管理データ867(図9)を参照し、当該ユニットIDの設定の種別が「定量」である場合には、定量貯玉管理データに含まれる遊技履歴の当該ユニットIDに対応する当日定量貯玉数にローカル計数玉数を加算して更新する。遊技履歴(ユニットID)に対応付けて定量貯玉数を記憶・更新することにしているのは、定量設定のいずれのカードユニット3で獲得された玉数であるかを特定できるようにするためである。また、当該ユニットIDの設定の種別が「非定量」である場合には、非定量貯玉管理データに含まれる当日非定量貯玉数にローカル計数玉数を加算して更新する。
また、玉管理コンピュータ8は、カードIDの種別がビジターカードIDである場合には、当該ビジターカードIDに対応するビジターカード管理データ8653(図8)の持玉管理データの持玉数に、ローカル計数玉数データ323から特定されるローカル計数玉数を加算して更新する。詳細には、ユニット管理データ867(図9)を参照し、当該ユニットIDの設定の種別が「定量」である場合には、定量持玉管理データに含まれる遊技履歴の当該ユニットIDに対応する定量持玉数にローカル計数玉数を加算して更新する。遊技履歴(ユニットID)に対応付けて定量持玉数を記憶・更新することにしているのは、定量設定のいずれのカードユニット3で獲得された玉数であるかを特定できるようにするためである。また、当該ユニットIDの設定の種別が「非定量」である場合には、非定量持玉管理データに含まれる非定量持玉数にローカル計数玉数を加算して更新する。
このようにすることで、カードユニット3は、自装置の設定が定量設定である場合には、定量設定の遊技用装置で獲得された玉数であることを特定可能に遊技用カードの返却を行い、自装置の設定が非定量設定である場合には、非定量設定の遊技用装置で獲得された玉数であることを特定可能に遊技用カードの返却を行うことが可能となる。この場合における遊技用カードの返却は、記録媒体の受付の解除に相当する。
ここで、上記の「特定可能に」とは、カードユニット3が新たな遊技用カード(会員カード/ビジターカード)を受け付けた場合に、玉管理コンピュータ8と通信を行うことで、当該遊技用カードに対応付けられた玉数(貯玉/持玉)が定量設定/非定量設定の遊技用装置で獲得された玉数であることをカードユニット3や玉管理コンピュータ8が特定(認識)できるようにすることを意味する。
前述したように、カード管理データ865(図7、図8)に示すように、遊技用カードのカードIDと対応付けて定量設定の玉数(定量貯玉数/定量持玉数)及び非定量設定の玉数(非定量貯玉数/非定量持玉数)を玉管理コンピュータ8に記憶させて管理することにしているため、新たな遊技用カードを受け付けたカードユニット3は、玉管理コンピュータ8と通信を行うことで、当該遊技用カードに対応付けられた玉数が定量設定/非定量設定の遊技用装置で獲得された玉数であることを特定することができる。
なお、本実施形態とは異なるが、定量設定/非定量設定のカードユニット3で獲得された玉数であることを特定可能とするための他の手法として、定量設定/非定量設定のカードユニット3で計数された玉数を、当該カードユニット3のユニットIDや定量設定/非定量設定であることを示す設定情報と対応付けて、遊技用カードに直接的に記録させるようにしてもよい。この場合、新たな遊技用カード(会員カード/ビジターカード)を受け付けたカードユニット3が、当該遊技用カードに記録された情報を読み取ることで、当該遊技用カードに対応付けられた玉数(貯玉/持玉)が定量設定/非定量設定の遊技用装置で獲得された玉数であることを特定(認識)することを可能とすることができる。
[1−4.カードユニットの動作・定義]
本実施形態におけるカードユニット3の動作・定義について説明する。カードユニット3が実行する処理の詳細については、処理の流れで後述する。また、本実施形態では、獲得玉数が定量上限玉数に達したか否かの判定を、カードユニット3が行うこととして説明する。
本実施形態において、カードユニット3は、大当り状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合には、当該大当り状態の終了後に定量上限に到達したことを示す定量上限到達報知を実行する。
また、カードユニット3は、時短状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合であって、当該時短状態中に大当り当選が発生することなく当該時短状態が終了した場合には、当該時短状態の終了後に定量上限到達報知を実行する。また、時短状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合であって、当該時短状態中の大当り当選に伴い大当り状態に制御された場合には、当該大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行する。
また、カードユニット3は、確変状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合であって、当該確変状態中に大当り当選が発生することなく当該確変状態が終了した場合には、当該確変状態の終了後に定量上限到達報知を実行する。また、確変状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合であって、当該確変状態中の大当り当選に伴い大当り状態に制御された場合には、当該大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行する。
ここで、「大当り状態中」とは、パチンコ機2から大当り信号の受信を開始してから(大当り信号が「ON状態」となってから)、大当り信号を受信しなくなるまで(大当り信号が「OFF状態」となるまで)の期間を意味する。また、「時短状態中」とは、パチンコ機2から時短中信号の受信を開始してから(時短中信号が「ON状態」となってから)、時短中信号を受信しなくなるまで(時短中信号が「OFF状態」となるまで)の期間を意味する。また、本実施形態において、「確変状態中」とは、パチンコ機2から確変中信号の受信を開始してから(確変中信号が「ON状態」となってから)、確変中信号を受信しなくなるまで(確変中信号が「OFF状態」となるまで)の期間を意味する。
前述したように、パチンコ機2が大当り状態に制御する場合には、大当り信号を「ON状態」とする。この場合に、パチンコ機2が大当り信号を「ON状態」とするタイミングは、例えば、以下のいずれかのパターンとすることができる。
(1)特別図柄が停止し、その停止表示結果が大当り図柄となったタイミング。
(2)大当り図柄が変動表示されてから所定の図柄確定停止期間(例えば0.6秒)が経過し、ファンファーレ演出コマンドをサブ基板に出力したタイミング。
(3)可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が最初に開放されたタイミング。
(1)のパターンでは、対応パチンコ機2において特別図柄が停止し、その停止表示結果が大当り図柄となったタイミングが、大当り状態の始期となる。
(2)のパターンでは、対応パチンコ機2において大当りに伴うファンファーレ演出が開始されたタイミングが、大当り状態の始期となる。
(3)のパターンでは、対応パチンコ機2において大入賞口が最初に開放されたタイミングが、大当り状態の始期となる。
また、前述したように、パチンコ機2において大当り状態が終了した場合、パチンコ機2は、大当り信号を「OFF状態」とする。この場合に、パチンコ機2が大当り信号を「OFF状態」とするタイミングは、例えば、以下のいずれかのパターンとすることができる。
(1)大当り状態で大入賞口の最後の開放が終了したタイミング。
(2)大当り状態で大入賞口の最後の開放が終了し、エンディングコマンドをサブ基板に出力したタイミング。
(1)のパターンでは、対応パチンコ機2において大当り状態で大入賞口が最後の開放が終了したタイミングが、大当り状態の終期となる。
(2)のパターンでは、対応パチンコ機2においてエンディング演出が実行されたタイミングが、大当り状態の終期となる。
なお、上記のエンディングコマンドに、例えば、エンディング開始コマンド及びエンディング終了コマンドを含めるようにして、対応パチンコ機2においてエンディング演出が開始されたタイミングを大当り状態の終期としたり、対応パチンコ機2においてエンディング演出が終了したタイミングを大当り状態の終期とするようにしてもよい。
また、パチンコ機2が時短状態/確変状態に制御する場合、パチンコ機2は、時短中信号(時短状態に制御する場合)/確変中信号(確変状態に制御する場合)を「ON状態」とする。この場合に、パチンコ機2を時短中信号/確変中信号を「ON状態」とするタイミングは、以下のいずれかのパターンとすることができる。
(1)時短状態に当選/確変状態に当選した場合であって、大当り信号が「OFF状態」とされたタイミング。
(2)時短状態/確変状態への制御が開始されたタイミング。
(1)のパターンでは、時短状態に当選/確変状態に当選した場合であって、大当り信号が「OFF状態」とされたタイミングが、時短状態/確変状態の始期となる。
(2)のパターンでは、大当り状態におけるエンディング演出が終了し、時短状態/確変状態への制御が開始されたタイミングが、時短状態/確変状態の始期となる。
また、「大当り状態終了後」とは、パチンコ機2から大当り信号を受信しなくなった(大当り信号が「ON状態」から「OFF状態」となった)タイミングのことを意味する。また、「時短状態終了後」とは、パチンコ機2から時短中信号を受信しなくなった(時短中信号が「ON状態」から「OFF」状態となった)タイミングのことを意味し、「確変状態終了後」とは、パチンコ機2から確変中信号を受信しなくなった(確変中信号が「ON状態」から「OFF状態」となった)タイミングのことを意味する。
本実施形態において、大当りの当選は、特定条件の成立に相当し、大当り状態は、遊技者にとって有利な特定状態に相当する。また、時短状態の当選/確変状態の当選は、それぞれ有利条件の成立に相当し、時短状態/確変状態は、それぞれ有利状態に相当する。
なお、パチンコ機2の機種によっては、例えば、通常状態において大当りに当選した場合に、必ず確変状態に制御されるような機種も存在する。この場合には、通常状態における大当りの当選が特定条件の成立及び有利状態の成立に相当し、大当り状態が特定状態に相当し、確変状態が有利状態に相当する。時短状態についても同様である。
また、パチンコ機2から出力される時短中信号は、時短状態中は「ON状態」とし、時短状態中に大当り状態に移行した場合に「OFF状態」とする信号としてもよいが、時短状態中に大当り状態に移行した場合であっても「ON状態」を維持する信号としてもよい。同様に、パチンコ機2から出力される確変中信号も、確変状態中は「ON状態」とし、確変状態中に大当り状態に移行した場合に「OFF状態」とする信号としてもよいが、確変状態中に大当り状態に移行した場合であっても「ON状態」を維持する信号としてもよい。つまり、パチンコ機2から出力させる信号のON/OFFのタイミング制御は設計事項であり、任意に設定変更することが可能である。
また、カードユニット3が対応パチンコ機2から出力される信号に基づいて大当り状態、時短状態、確変状態に制御されたことを特定するのではなく、例えば、パチンコ機2から出力される信号に基づいてホールコンピュータ6が大当り状態、時短状態、確変状態に制御されたことを特定し、その旨をカードユニット3に通知するようにしてもよい。
[1−5.ホールコンピュータの機能構成]
図5は、ホールコンピュータ6の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ6は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ6の各部を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部610は、主要な機能部として、遊技集計部613と、売上集計部615とを有する。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ6が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、各パチンコ機2から出力されるパチンコ機信号を受信する。
第2通信部650は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部650は、各カードユニット3から出力されるユニット信号を受信する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ6のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム671が記憶されている。
なお、ホールコンピュータ6が記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の外部記憶装置であり、パチンコ機2での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、遊技集計データベース688と、売上集計データベース689とが記憶される。
遊技集計データベース688は、パチンコ機2における遊技に関連する集計データが記憶されたデータベースである。
売上集計データベース689は、店舗に設置されるパチンコ機2における売上に関連する集計データが記憶されたデータベースである。売上集計データベース689には、店舗の売り上げに関する情報を集計した売上集計データが記憶され、例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利といったデータが、売上集計部615によって集計されて記憶される。
RAM690は、読み書き可能な揮発性のメモリであり、処理部610の各種の作業用データが記憶される。RAM690は不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
[1−6.玉管理コンピュータの機能構成]
図11は、玉管理コンピュータ8の機能構成の一例を示す図である。
玉管理コンピュータ8は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、玉管理コンピュータ8の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、カードユニット3やホールコンピュータ6等の外部装置との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
時計部850は、玉管理コンピュータ8が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により玉管理処理として実行される玉管理プログラム861と、会員管理データ863と、カード管理データ865と、ユニット管理データ867と、装置対応関係テーブル868と、設定用テーブル869と、ユニット設定用データ890と、が記憶される。
会員管理データ863は、会員遊技者の管理データであり、会員遊技者の個人情報が記憶される。具体的には、例えば、会員遊技者を固有に識別するための会員IDや該会員遊技者に付与された会員カードのIDである会員カードID、該会員遊技者によって設定された暗証番号、該会員遊技者の名前、該会員遊技者の年齢、該会員の生年月日等が記憶される。
カード管理データ865は、遊技者が所持する遊技用カードの管理データであり、会員カード管理データ8651と、ビジターカード管理データ8652とがこれに含まれる。
図7は、会員カード管理データ8651のデータ構成の一例を示す図である。
会員カード管理データ8651は、会員カード毎に管理されるデータであり、会員遊技者が所持する会員カードに付与される会員カードIDと、当該会員遊技者に付与される会員IDと、定量貯玉管理データと、非定量貯玉管理データとがこれに含まれる。
定量貯玉管理データには、設定として「定量」が記憶され、遊技球の貸与レート毎に、遊技履歴と定量貯玉数とが対応付けて記憶される。遊技履歴には、当該会員カードが使用されたカードユニット3のユニットIDの履歴が記憶される。また、定量貯玉数には、当日定量貯玉数と、過去定量貯玉数とが記憶される。遊技履歴のユニットIDの履歴から、カードユニット3やホールコンピュータ6、玉管理コンピュータ8、景品交換POS端末9等の外部装置は、当該会員カードの使用の履歴を特定することができる。
また、非定量貯玉管理データには、設定として「非定量」が記憶され、遊技球の貸与レート毎に、非定量貯玉数が記憶される。非定量貯玉数には、当日非定量貯玉数と、過去非定量貯玉数とが含まれる。
上記に示すように、本実施形態では、定量貯玉数と非定量貯玉数とは、メモリの別領域に記憶される。また、本実施形態では、定量貯玉数はユニット毎に記憶され、非定量貯玉数は纏めて記憶される。
なお、特定した会員カードの使用の履歴や定量貯玉数、非定量貯玉数等を含む上記のデータは、それぞれの外部装置が具備する表示部に表示させるなどして、店舗の管理者や従業員が確認・閲覧できるようにすることが可能である。
図8は、ビジターカード管理データ8653のデータ構成の一例を示す図である。
ビジターカード管理データ8653は、ビジターカード毎に管理されるデータであり、ビジター遊技者が所持するビジターカードに付与されるビジターカードIDと、当該ビジターカードが発行された日時である発行日時と、定量持玉管理データと、非定量持玉管理データとがこれに含まれる。
定量持玉管理データには、設定として「定量」が記憶され、遊技球の貸与レート毎に、遊技履歴と定量持玉数とが対応付けて記憶される。遊技履歴には、当該ビジターカードが使用されたカードユニット3のユニットIDの履歴が記憶される。このユニットIDの履歴から、カードユニット3やホールコンピュータ6、玉管理コンピュータ8、景品交換POS端末9等の外部装置は、当該ビジターカードの使用の履歴を特定することができる。
また、非定量持玉管理データには、設定として「非定量」が記憶され、遊技球の貸与レート毎に、非定量持玉数が記憶される。
上記のように、本実施形態では、定量持玉数と非定量持玉数とは、メモリの別領域に記憶される。また、本実施形態では、定量持玉数はユニット毎に記憶され、非定量持玉数は纏めて記憶される。
なお、特定したビジターカードの使用の履歴や定量持玉数、非定量持玉数等を含む上記のデータは、それぞれの外部装置が具備する表示部に表示させるなどして、店舗の管理者や従業員が確認・閲覧できるようにすることが可能である。
図9は、ユニット管理データ867のデータ構成の一例を示す図である。
ユニット管理データ867には、ユニットIDと、設定と、状態と、受付カードIDとが記憶される。
ユニットIDは、各カードユニット3を固有に識別するための識別情報である。
設定は、当該ユニットIDのカードユニット3の設定であり、種別(定量/非定量)と、種別が定量である場合の定量上限玉数とがこれに含まれる。種別が非定量である場合は、定量上限玉数は「−(無し)」とされる。
状態は、当該ユニットIDのカードユニット3の状態であり、遊技用カードを受付中である場合には「受付中」が記憶される。また、カードユニット3に異常が発生した場合には「異常」が記憶される。
受付カードIDは、当該ユニットIDのカードユニット3が受付中の遊技用カードのカードIDである。
装置対応関係テーブル868は、パチンコ機2とカードユニット3とデータ表示装置4との間の対応関係を定めたテーブルであり、パチンコ機IDとユニットIDとデータ表示装置IDとが対応付けて記憶される。
設定用テーブル869は、カードユニット3の各種の設定を行うために用いられるテーブルであり、例えば、営業種別設定用テーブル869aと、範囲種別設定用テーブル869bと、定量上限玉数設定用テーブル869cと、カード使用制限設定用テーブル869eと、カード返却設定用テーブル869fと、開放動作設定用テーブル869gと、貯玉移行設定用テーブル869hと、特定報知設定用テーブル869mと、表示設定用テーブル869hとがこれに含まれる。
営業種別設定用テーブル869aは、カードユニット3に適用する営業種別を設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図10に示す。
営業種別設定用テーブル869aには、営業種別の番号である営業種別Noと、営業種別の名称である営業種別名称とが対応付けて記憶される。
この営業種別設定用テーブル869aにおいて、営業種別No「1」には営業種別名称「定量制」が定められている。定量制は、前述したように、遊技者が遊技を行うことで獲得した所有遊技価値に基づく定量判定用指標値が定量上限値に達した場合に、遊技を制限する運用のことを意味する。営業種別Noとして「1」が設定されたカードユニット3は、定量制で運用されることになる。
また、営業種別No「0」には営業種別名称「なし」が定められている。これは、営業種別として何も設定しないことを意味する。上記の定量制との比較で、営業種別Noとして「0」が設定されたカードユニット3は、非定量制で運用されることになる。
営業種別Noは、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲種別に基づいて、対応して設けられるパチンコ機2の機種別や、遊技島別、貸与レート別、台別といった単位で、例えば店舗の管理者が、それぞれのカードユニット3に対して個別に設定したり、変更することができる。つまり、店舗側で、各カードユニット3それぞれの定量/非定量の設定を自由に設定・変更することができる点が特徴である。
このようにすることで、カードユニット3において、対応パチンコ機2での遊技を定量制で運用するか否かの設定を行うことができる。
店舗の管理者は、例えば、店舗の営業終了後に、翌日の営業に備えて、カードユニット3の設定に係る設定操作を行っておく。そして、例えば、翌営業日の店舗の開店前に、設定操作によって生成したユニット設定用データ890を玉管理コンピュータ8からカードユニット3に配信して設定を行わせることで、店舗の開店時までに設定を完了させることができる。
なお、ここでは営業種別として「定量制」に着目して説明したが、営業種別には、各種の営業種別を定めておくことができる。例えば、ラッキーナンバー図柄で当選した場合に限り所有遊技価値を用いた遊技の継続を許可するようにカードユニット3を運用する「ラッキーナンバー制」や、通常の営業日におけるカードユニット3の運用である「通常営業」、新台入替時やサービスデー等の特別な営業日におけるカードユニット3の運用である「特別営業」といった営業種別を定めておくことができる。この詳細については、変形例で後述する。
範囲種別設定用テーブル869bは、カードユニット3の設定をどのような範囲で行うかを設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図11に示す。
範囲種別設定用テーブル869bには、範囲種別の番号である範囲種別Noと、範囲種別の名称である範囲種別名称とが対応付けて記憶される。
この範囲種別設定用テーブル869bにおいて、範囲種別No「1」には範囲種別名称「機種別」が定められている。これは、パチンコ機2の機種別に、対応して設けられるカードユニット3の設定を実行することを意味する。
範囲種別No「2」には範囲種別名称「遊技島別」が定められている。これは、パチンコ機2が設置される遊技島別に、対応して設けられるカードユニット3の設定を行うことを意味する。
範囲種別No「3」には範囲種別名称「貸与レート別」が定められている。これは、パチンコ機2における遊技球の貸与レート別に、対応して設けられるカードユニット3の設定を行うことを意味する。
範囲種別No「4」には範囲種別名称「台別」が定められている。これは、パチンコ機2の台別に、対応して設けられるカードユニット3の設定を行うことを意味する。
また、範囲種別No「0」には範囲種別名称「なし」が定められている。これは、カードユニット3の設定を行わないことを意味する。
定量上限玉数設定用テーブル869cは、カードユニット3を定量制にて運用する場合の定量上限玉数を設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図12に示す。
定量上限玉数設定用テーブル869cには、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲種別毎に、定量上限玉数設定用データが記憶される。各定量上限玉数設定用データには、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲種別Noと対応付けて、カードユニット毎の定量上限玉数を定めたデータが記憶される。
図12の一番上に図示した定量上限玉数設定用データは、範囲種別No「1」、つまり、範囲種別名称「機種別」に対応するデータであり、範囲種別No「1」と紐付けて、ユニットIDと、機種名と、定量上限玉数とが対応付けて記憶される。
例えば、ユニットID「U1」〜「U20」のカードユニット3は、機種名「パチンコAAA」のパチンコ機2に対応して設けられるユニットであり、その定量上限玉数として「30000玉」が定められている。また、ユニットID「U21」〜「U40」のカードユニット3は、機種名「パチンコBBB」のパチンコ機2に対応して設けられるユニットであり、その定量上限玉数として「20000玉」が定められている。
カード使用制限設定用テーブル869eは、カードユニット3における遊技用カードの使用制限を設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図13に示す。
カード使用制限設定用テーブル869eには、営業種別設定用テーブル869aに定められた営業種別毎に、カード使用制限設定用データが記憶される。各カード使用制限設定用データには、営業種別設定用テーブル869aに定められた営業種別Noと対応付けて、遊技用カードの使用制限を定めた情報が記憶される。
図13の一番上に図示したカード使用制限設定用データは、営業種別No「1」、つまり営業種別名称「定量制」に対応するデータであり、営業種別No「1」と紐付けて、カード種別と、設定と、制御とが対応付けて記憶されている。
カード種別は、遊技用カードの種別であり、「会員カード」と「ビジターカード」との2種類の種別が定められている。
設定は、カードユニット3の設定(定量/非定量)であり、遊技者が台移動を行う場合における「移動元」のカードユニット3の設定と、遊技者が台移動を行う場合における「移動先」のカードユニット3の設定とが定められている。また、移動元のカードユニット3と移動先のカードユニット3のユニットIDが一致する場合として「一致(ユニットID)」が定められている。
制御は、カードユニット3が実行する制御に関する内容であり、制御を行うための条件と、制御する項目である制限項目及び許可項目とがこれに含まれる。本実施形態において、会員カードの使用には「玉貸」、「玉払出」、「玉合算」、「玉分割」、「玉共有」、「玉計数」が含まれる。
玉貸は、会員カードに対応付けられた残額を消費することによる遊技球の貸し出しであり、玉計数は、計数払出ユニット380による遊技球の計数である。玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有は、それぞれ会員カードに対応付けられた貯玉(当日貯玉及び過去貯玉)の払出、合算、分割及び共有である。また、会員カードの使用が全て制限される場合とは、上記の全ての項目に対応する処理の実行が制限されることを意味する。逆に、会員カードの使用が全て許可される場合とは、上記の全ての項目に対応する処理の実行が許可されることを意味する。
ビジターカードについても同様である。
本実施形態では、当日貯玉のみならず、過去貯玉の使用も制限することとして説明する。これは、過去貯玉の使用を許可することにしてしまうと、定量判定を正しく行うことができなくなるおそれがあり、定量制の本来の意義が没却してしまうためである。
なお、本実施形態とは異なるが、過去貯玉の使用は制限せずに、当日貯玉の使用のみを制限するようにすることも可能である。
また、上記に加えて、乗り入れにより変換された貯玉や持玉の使用を制限するようにしてもよい。乗り入れとは、異なる貸与レート間(4円、1円等)で、貯玉や持玉の変換を行うことを可能とし、変換された貯玉や持玉を用いて、対応する貸与レートのパチンコ機2での遊技を可能にする運用のことを意味する。この場合、例えば、4円の貸与レートのパチンコ機2での遊技によって遊技者が取得することとなった貯玉や持玉を1円の貸与レートの貯玉や持玉に変換した場合に、変換された1円の貸与レートの貯玉や持玉を、1円の貸与レートのパチンコ機2に対応するカードユニット3において払い出し不可とすることによって、乗り入れにより変換された貯玉や持玉の使用を制限するようにしてもよい。
具体的に説明する。
(1)カード種別「会員カード」
(1−1)移動元「定量」、移動先「定量」
制御欄には、条件として「−(無し)」が定められている。そして、制限項目として「カード返却」が、許可項目として「−(無し)」が定められている。これは、定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動では、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て制限され、会員カードを受け付けることなく返却することを意味する。
これは、店舗側の管理が煩雑となるため、定量制で運用されるパチンコ機2で遊技者が獲得した玉を、定量制で運用される他のパチンコ機2での遊技に使用されることを防止するためである。
(1−2)移動元「非定量」、移動先「定量」
制御欄には、条件として「残額無し」及び「残額有り」が定められている。「残額無し」には、制限項目として「カード返却」が、許可項目として「−(無し)」が定められている。これは、非定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在しない場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て制限され、会員カードを受け付けることなく返却することを意味する。また、「残額有り」には、制限項目として「玉払出、玉合算、玉分割、玉共有」が、許可項目として「玉貸(残額消費)、玉計数」が定められている。これは、非定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在する場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用のうちの玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有は制限されるが、残額を消費することによる玉貸及び玉計数は許可されることを意味する。
これは、管理側の管理が煩雑となるため、非定量制で運用されるパチンコ機2で遊技者が獲得した玉を、定量制で運用される他のパチンコ機2での遊技に使用されることを防止するためである。その一方で、定量制は、残額を消費することによる遊技を推奨するものであり、残額が存在するにも関わらず遊技を行うことができないのは遊技者にとって酷であるため、残額の消費は許可することにしている。
(1−3)移動元「定量」、移動先「非定量」
制御欄には、条件として「残額無し」及び「残額有り」が定められている。「残額無し」には、制限項目として「カード返却」が、許可項目として「−(無し)」が定められている。これは、定量設定のカードユニット3から非定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在しない場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て制限され、会員カードを受け付けることなく返却することを意味する。また、「残額有り」には、制限項目として「玉払出、玉合算、玉分割、玉共有」が、許可項目として「玉貸(残額消費)、玉計数」が定められている。これは、定量設定のカードユニット3から非定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在する場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用のうちの玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有は制限されるが、残額を消費することによる玉貸及び玉計数は許可されることを意味する。
これについても、管理側の管理が煩雑となるため、定量制で運用されるパチンコ機2で遊技者が獲得した玉を、非定量制で運用される他のパチンコ機2での遊技に使用されることを防止するためである。その一方で、定量制は、残額を消費することによる遊技を推奨するものであり、残額が存在するにも関わらず遊技を行うことができないのは遊技者にとって酷であるため、残額の消費は許可することにしている。
(1−4)移動元「非定量」、移動先「非定量」
制御欄には、条件として「−(無)」が定められている。そして、制限項目として「−(無)」が、許可項目として「全許可」が定められている。これは、非定量設定のカードユニット3から非定量設定のカードユニット3への移動では、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て許可されることを意味する。但し、この場合における玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有の対象とすることのできる玉の種別は、会員カードに対応付けられた非定量貯玉数である。
これは、非定量制は、残額を消費することによる遊技のみならず、貯玉を使用した遊技も意図しているため、非定量制で運用されるパチンコ機2で遊技者が獲得した玉を、非定量制で運用される他のパチンコ機2での遊技に使用させることを許可するためである。
(1−5)一致(ユニットID)
制御欄には、条件として「−(無)」が定められている。そして、制限項目として「−(無)」が、許可項目として「全許可」が定められている。これは、移動元のカードユニット3と移動先のカードユニット3のユニットIDが一致する場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て許可されることを意味する。但し、この場合における玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有の対象とすることのできる玉の種別は、当該ユニットIDのカードユニット3の設定(定量/非定量)に対応する貯玉数である。
この場合における移動元のカードユニット3は、主として直前のカードユニット3を意図している。つまり、遊技用カードが前回使用されたカードユニット3と今回使用されたカードユニット3のユニットIDが一致する場合には、全許可とするものである。これは、遊技者がトイレや食事等によって一時的に離席するような場合に、戻ってきた際に会員カードが使用できなくなるのは遊技者にとって不都合となるためである。
(2)カード種別「ビジターカード」
ビジターカードの制御については、上記の会員カードにおける制御を略同一である。しかし、制御欄における条件が一部異なっており、会員カードの「残額無し」に対応する条件が「残額無し(持玉有り)」となっている。これは、残額も持玉も存在しなくなったビジターカードはカードユニット3に回収されるため、残額及び持玉のうちの少なくとも一方が存在しなければ、ビジターカードを使用することができないためである。
なお、本実施形態では、遊技用カードの全ての使用を制限する場合に、遊技用カードを返却することとして説明するが、このようにするのではなく、遊技用カードは受け付けるが、受け付けた遊技用カードを使用した上記の各項目に対応する処理の実行を制限するようにしてもよい。
また、上記のカード使用制限設定用テーブル869eの設定に定められた移動元のカードユニット3は、直前に遊技用カードが使用されたカードユニット3のみならず、2以上前に遊技用カードが使用されたカードユニット3も含む概念である。遊技用カードが使用されたカードユニット3の設定は、カードユニット3が、遊技用カードを受け付けた際に、認証処理として、玉管理コンピュータ8からカード管理データを取得することで判定することができる。
カードユニット3は、会員カードが挿入された場合には、玉管理コンピュータ8から取得した図12の会員カード管理データ8651を参照し、遊技履歴のユニットIDを問わず、当日定量貯玉数が存在すれば、移動元のユニットを「定量」と判定する。この場合、当日非定量貯玉数が存在したとしても、当日定量貯玉数を優先することとして、移動元のユニットを「定量」と判定する。また、当日定量貯玉数は存在しないが、当日非定量貯玉数が存在する場合には、移動元のユニットを「非定量」と判定する。
また、ビジターカードが挿入された場合には、玉管理コンピュータ8から取得した図13のビジターカード管理データ8653を参照し、遊技履歴のユニットIDを問わず、定量持玉数が存在する場合には、移動元のユニットを「定量」と判定する。この場合、非定量持玉数が存在したとしても、定量持玉数を優先することとして、移動元のユニットを「定量」と判定する。また、定量持玉数は存在しないが、非定量持玉数が存在する場合には、移動元のユニットを「非定量」と判定する。
なお、本実施形態では、上記のように移動元のユニットを「定量」と優先して判定することとして説明するが、このようにするのではなく、移動元のユニットを「非定量」と優先して判定するようにしてもよい。
また、設定「一致(ユニットID)」について、移動元のカードユニット3に、直前に遊技用カードが使用されたカードユニット3に限らず、2以上前に遊技用カードが使用されたカードユニット3を含めることとしてもよい。例えば、ユニットID「U1→U2→U1」の順番で遊技用カードが使用された場合に、1つ目の「U1」のカードユニット3と3つ目の「U1」のカードユニット3のユニットIDが一致するとして、1つ目の「U1」のカードユニット3で使用されて計数された玉を、3つ目の「U3」のカードユニット3において使用することを可能としてもよい。
カード返却設定用テーブル869fは、カードユニット3を定量制にて運用する場合に、定量上限に達した後の遊技用カードの返却をどのように実現するかの設定を行うために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図14に示す。
カード返却設定用テーブル869fには、カード返却種別の番号であるカード返却種別Noと、カード返却種別の名称であるカード返却種別名称とが対応付けて記憶される。
カード返却種別No「1」にはカード返却種別名称「カード返却操作」が定められている。これは、定量制で運用されるカードユニット3において、定量上限に達した場合には、カード返却操作(カード返却ボタンの押下操作)のみが有効とされ、遊技者によるカード返却操作に応じて、受付中の遊技用カードを返却することを意味する。前述したように、定量上限に達した場合には遊技者による遊技が制限されるため、遊技者は、カード返却操作を行って、カードユニット3から遊技用カードを取り出すことが必要となる。
カード返却種別No「2」にはカード返却種別名称「解除操作」が定められている。これは、定量制で運用されるカードユニット3において、定量上限に達した場合には、カード返却操作(カード返却ボタンの押下操作)が無効化され、店員による解除操作(例えば設定用リモコンを用いた解除操作)に応じて、受付中の遊技用カードを返却することを意味する。前述したように、定量上限に達した場合には遊技者による遊技が制限されるため、遊技者は、データ表示装置4を操作するなどして店員を呼び出した上で解除操作を要請して、カードユニット3から遊技用カードを取り出すことが必要となる。
開放動作設定用テーブル869gは、カードユニット3を定量制にて運用する場合に、定量上限に達した後に、どのような契機で当該カードユニット3を開放するかの設定を行うために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図15に示す。開放とは、定量上限に達してカードユニット3の機能が制限された場合に、新たな遊技者が遊技を行うことができるように、カードユニット3の機能の制限を解除することを意味する。
開放動作設定用テーブル869gには、開放動作種別の番号である開放動作種別Noと、開放動作種別の名称である開放動作種別名称とが対応付けて記憶される。
開放動作種別No「1」には開放動作種別名称「自動開放」が定められている。これは、定量制で運用されるカードユニット3において、定量上限に達した場合に、遊技用カードの返却に応じて、カードユニット3を自動開放することを意味する。
開放動作種別No「2」には開放動作種別名称「手動開放」が定められている。これは、定量制で運用されるカードユニット3において、定量上限に達した場合には、店員の開放操作(例えば設定用リモコンを用いた開放操作)に応じてカードユニット3を手動開放することを意味する。
ここで、実装上好適であるのは、開放動作種別Noを「2(手動開放)」に設定することである。つまり、定量制で運用されるカードユニット3では、定量上限に達した場合に、遊技用カードを返却しても自装置を開放せずに、店員の手によって開放するようにすることが望ましい。これは、店舗としては、定量上限に達した場合には、遊技者に景品交換をしてもらいたいという要望があるためである。
例えば、カード返却種別Noを「2(解除操作)」とし、開放動作種別Noを「2(手動開放)」とすることが考えられる。この例では、定量上限に達した場合に、遊技者は自身で遊技用カードを取り出すことができないため、データ表示装置4を操作するなどして店員を呼び出す必要がある。この場合、呼び出された店員は、解除操作によってカードユニット3から遊技用カードを取り出すが、遊技用カードを取り出した後も、カードユニット3の機能は制限されたままである。この場合、店員は、景品交換を行うことを遊技者に促した後、新たな遊技者が遊技を行うことができるように、開放操作によって当該カードユニット3を開放させることができる。
また、上記の他にも、例えば、カード返却種別Noを「1(カード返却操作)」とし、開放動作種別Noを「2(手動開放)」とすることもできる。この例では、定量上限に達した場合には、遊技者は自身で遊技用カードを取り出すことができるが、遊技用カードを取り出した後も、カードユニット3の機能は制限されたままであるため、遊技者は景品交換を行わざるを得なくなる。この場合、新たな遊技者が当該遊技台で遊技を行いたい場合には、店員を呼び出して、当該カードユニット3を開放してもらえばよい。
貯玉移行設定用テーブル869hは、貯玉移行をどのように行わせるかを設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図16に示す。
貯玉移行設定用テーブル869hには、貯玉移行種別の番号である貯玉移行種別Noと、貯玉移行種別の名称である貯玉移行種別名称とが対応付けて記憶される。
貯玉移行種別No「1」には貯玉移行種別名称「移行あり」が定められている。これは、カードユニット3において計数されて遊技者によって獲得された遊技球数は、玉管理コンピュータ8において貯玉に移行されて管理され、任意の遊技台での遊技において使用可能とすることを意味する。なお、この貯玉移行の設定において、貯玉して移行された遊技球は、当日のみ任意の遊技台で使用可能とする設定としてもよいし、翌日移行も任意の遊技台で使用可能とする設定としてもよい。
貯玉移行種別No「2」には貯玉移行種別名称「移行なし」が定められている。これは、カードユニット3において計数されて遊技者によって獲得された遊技球数は、玉管理コンピュータ8において貯玉に移行されず、当日に全て景品交換のために使用することを意味する。
特定報知設定用テーブル869mは、カードユニット3に特定報知を実行させる条件や内容を設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図17に示す。
特定報知設定用テーブル869mには、営業種別設定用テーブル869aに定められた営業種別毎及び報知種別毎に定められた特定報知設定用データが記憶される。
各特定報知設定用データには、営業種別設定用テーブル869aに定められた営業種別Noと特定報知の種別である報知種別と紐付けて、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲別に定められた個別特定報知設定用データが記憶される。
各個別特定報知設定用データには、範囲種別設定用テーブル869に定められた範囲種別Noと紐付けて、特定報知を実行するための条件や内容を定めた情報が記憶される。
図17の一番上に図示した特定報知設定用データは、営業種別No「1」、つまり営業種別「定量制」についての特定報知設定用データであり、特定報知として「定量到達報知」を実行することが定められている。この特定報知設定用データにおいて、一番上に図示した個別特定報知設定用データは、範囲種別No「1」、つまり範囲種別「機種別」についてのデータである。
この個別特定報知設定用データには、範囲種別No「1」と紐付けて、ユニットIDと、機種名と、特定報知を実行する契機である報知契機と、特定報知の種別である報知種別と、特定報知を実行するタイミングである報知タイミングと、特定報知の内容である報知内容とが対応付けて記憶される。
例えば、ユニットID「U1」〜「U20」のカードユニット3は、機種名「パチンコXXX」のパチンコ機2に対応して設けられるカードユニット3であり、報知契機として「大当り中」、「時短中」、「確変中」の3つが定められている。
報知契機「大当り中」には、報知タイミングとして「当該大当り終了時」が定められている。そして、報知内容として「定量に達しました。大当りが終了した後の遊技が制限されます。」が定められている。これは、「U1」〜「U20」のカードユニット3は、対応パチンコ機2が大当り状態中に定量上限に達した場合には、当該大当り状態の終了時に「定量に達しました。大当りが終了した後の遊技が制限されます。」というメッセージを表示させることを意味する。
報知契機「時短中」には、報知タイミングとして「大当り発生」、「大当りなし」の2つに場合分けされている。「大当り発生」の場合の報知タイミングには「当該大当り終了時」が定められており、報知内容として「定量に達しました。大当りが終了した後の遊技が制限されます。」が定められている。これは、「U1」〜「U20」のカードユニット3は、対応パチンコ機2が時短状態中に定量上限に達した場合に、その時短中に大当りが発生した場合には、当該大当り状態の終了時に「定量に達しました。大当りが終了した後の遊技が制限されます。」というメッセージを表示させることを意味する。
それに対し、「大当りなし」の場合の報知タイミングには「当該時短終了時」が定められており、報知内容として「定量に達しました。時短が終了した後の遊技が制限されます。」が定められている。これは、「U1」〜「U20」のカードユニット3は、対応パチンコ機2が時短状態中に定量上限に達した場合に、その時短中に大当りが発生しなかった場合には、その時短状態の終了時に「定量に達しました。時短が終了した後の遊技が制限されます。」というメッセージを表示させることを意味する。
報知契機「確変中」には、報知タイミングとして「大当り発生」、「大当りなし」の2つに場合分けされている。「大当り発生」の場合の報知タイミングには「当該大当り終了時」が定められており、報知内容として「定量に達しました。大当りが終了した後の遊技が制限されます。」が定められている。これは、「U1」〜「U20」のカードユニット3は、対応パチンコ機2が確変状態中に定量上限に達した場合に、その確変状態中に大当りが発生した場合には、当該大当り状態の終了時に「定量に達しました。大当りが終了した後の遊技が制限されます。」というメッセージを表示させることを意味する。
それに対し、「大当りなし」の場合の報知タイミングには「当該時短終了時」が定められており、報知内容として「定量に達しました。確変が終了した後の遊技が制限されます。」が定められている。これは、「U1」〜「U20」のカードユニット3は、対応パチンコ機2が確変状態中に定量上限に達した場合に、その確変状態中に大当りが発生しなかった場合には、その確変状態の終了時に「定量に達しました。確変が終了した後の遊技が制限されます。」というメッセージを表示させることを意味する。
表示設定用テーブル869nは、カードユニット3の表示部355に表示させる内容等を設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図18に示す。
表示設定用テーブル869nには、営業種別設定用テーブル869aに定められた営業種別Noと紐付けて、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲別に定められた個別表示設定用データが記憶される。各個別表示設定用データには、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲種別Noと紐付けて、カードユニット3に表示させる表示内容が記憶される。
図18の一番上に図示した表示設定用データは、営業種別No「1」、つまり営業種別「定量制」についての特定報知設定用データである。この表示設定用データにおいて、一番上に図示した個別表示設定用データは、範囲種別No「1」、つまり範囲種別「機種別」についてのデータである。
この個別表示設定用データには、範囲種別No「1」と紐付けて、ユニットIDと、当該ユニットIDのカードユニット3に対応して設けられるパチンコ機2の機種名と、カードユニット3の表示部355に表示させる表示画面とが対応付けて定められている。
具体的には、ユニットIDがU1〜U20のカードユニット3に対応して設けられるパチンコ機2は、その機種名が「パチンコAAA」である。そして、カードユニット3の表示部355に表示させる表示画面として、(1)メニュー画面、(2)台データ画面、(3)スランプグラフ画面、(4)離席画面、(5)玉合算画面、(6)玉分割画面、(7)サービス画面、(8)フロアガイド画面、(9)CM画面、(10)玉貸中画面、(11)玉払出中画面、(12)玉変換画面、(13)カード返却画面、(14)計数中画面(15)定量上限到達報知画面、(16)カード使用制限報知画面、が定められている。
メニュー画面は、遊技者がメニュー選択を行うための画面であり、デフォルトとして設定されているデフォルト画面である。
台データ画面は、対応パチンコ機2の台データを遊技者が閲覧するための画面である。
スランプグラフ画面は、対応パチンコ機2のスランプグラフを遊技者が閲覧するための画面である。
離席画面は、遊技者が離席する場合に台ロックを行うための画面である。
台ロックは、遊技用カードを受け付けている状態で台ロック操作がなされた場合に、遊技用カードの返却を規制する制御を行い、カード挿入口309から遊技用カードが排出されないようにすることによって実現することができる。
なお、後述するように、遊技に使用するための記録媒体を遊技用カードではなく、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末とすることも可能である。この場合は、カードユニット3にICリーダを設けておき、例えばIC対応のスマートフォンがICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とすればよい。そして、台ロック画面の表示中に、受け付けたスマートフォンと同一のスマートフォンをICリーダに翳すことで、カードユニット3をロック状態とし、他の遊技者による遊技を規制するようにすればよい。
玉合算画面は、遊技者が玉の合算を行うための画面である。
玉分割画面は、遊技者が玉の分割を行うための画面である。
サービス画面は、遊技者がサービス選択を行うための画面である。
フロアガイド画面は、遊技者が店舗のフロアガイドを確認するための画面である。
CM画面は、遊技機や遊技機の製造メーカ、店舗等のCMが表示される画面である。
玉貸中画面は、遊技者に玉貸が行われた場合に表示される玉貸の実行中であることを遊技者に報知するための画面である。
玉払出中画面は、遊技者に玉払出が行われた場合に表示される玉払出の実行中であることを遊技者に報知するための画面である。
玉変換画面は、遊技者が玉の変換を行うための画面である。
カード返却画面は、遊技用カードを返却したことを遊技者に報知するための画面である。
計数中画面は、計数払出ユニット380による計数中であることを遊技者に報知するための画面である。
定量上限到達報知画面は、定量制において遊技者の獲得玉数が定量上限に達した場合に、その旨を遊技者に報知するための画面である。
カード使用制限報知画面は、遊技用カードの使用が制限される場合に、その旨を遊技者に報知するための画面である。
ユニット設定用データ890は、設定用テーブル869に記憶される各種のテーブルに基づいて生成されるカードユニット3の設定用のデータであり、そのデータ構成の一例を図19に示す。
ユニット設定用データ890には、当該カードユニット3のユニットID891と、対応パチンコ機2のIDである対応パチンコ機ID892と、当該カードユニット3に適用される営業種別No890aと、当該カードユニット3に適用される範囲種別No890cと、当該カードユニット3に適用される定量上限玉数890cと、当該カードユニット3に適用されるカード返却種別No890fと、当該カードユニット3に適用される開放動作種別No890gと、当該カードユニット3に適用される貯玉移行種別No890hと、当該カードユニット3に適用されるカード使用制限設定用データ890eと、当該カードユニット3に適用される特定報知設定用データ890mと、当該カードユニット3に適用される表示設定用データ890nと、が含まれる。
ユニットID891と対応パチンコ機ID892と対応データ表示装置ID893とは、装置対応関係テーブル868に定められたパチンコ機2とカードユニット3とデータ表示装置4の対応関係に基づいて定められる。
営業種別No890aには、営業種別設定用テーブル869aに定められた営業種別に基づいて、当該カードユニット3に適用される営業種別が決定されて、それに対応する営業種別Noが記憶される。
範囲種別No890bには、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲種別に基づいて、当該カードユニット3に適用される範囲種別が決定されて、それに対応する範囲種別Noが記憶される。
定量上限玉数890cには、定量上限玉数設定用テーブル869cに含まれる定量上限玉数設定用データの中から、当該カードユニット3に対応するユニットIDに対応して定められた定量上限玉数が記憶される。
カード返却種別No890fには、カード返却設定用テーブル869fに定められたカード返却種別に基づいて、当該カードユニット3に適用されるカード返却種別が決定されて、それに対応するカード返却種別Noが記憶される。
開放動作種別No890gには、開放動作設定用テーブル869gに定められた開放動作種別に基づいて、当該カードユニット3に適用される開放動作種別が決定されて、それに対応する開放動作種別Noが記憶される。
貯玉移行種別No890hには、貯玉移行設定用テーブル869hに定められた貯玉移行種別に基づいて、当該カードユニット3に適用される貯玉移行種別が決定されて、それに対応する貯玉移行種別Noが記憶される。
カード使用制限設定用データ890eには、カード使用制限設定用テーブル869eに含まれるカード使用制限設定用データの中から、当該ユニット設定用データ890の営業種別No890eに対応するカード使用制限設定用データが選択されて記憶される。
特定報知設定用データ890mには、特定報知設定用テーブル869mに含まれる特定報知設定用データの中から、当該ユニット設定用データ890の営業種別No890e及び範囲種別No890bに対応する特定報知設定用データが選択されて記憶される。
表示設定用データ890nには、表示設定用テーブル869nに含まれる表示設定用データの中から、当該ユニット設定用データ890の営業種別No890e及び範囲種別No890bに対応する表示設定用データが選択されて記憶される。
図20は、本実施形態におけるカード使用制限の原理の説明図である。
定量制で運用される「A1」〜「A10」のパチンコ機2で構成される第1遊技島と、非定量制で運用される「B1」〜「B10」のパチンコ機2で構成される第2遊技島とを考える。また、ここでは、会員遊技者が会員カードを用いて遊技を行う場合を考える。ここでは、一の遊技台(移動元の遊技台)において遊技者が遊技を行った後、他の遊技台(移動先の遊技台)に移動して遊技を行う場合を考える。一の遊技台(移動元の遊技台)での遊技以前に遊技者が別の遊技台で遊技を行っていたか否かは問わない。
遊技者が「A1」から「A2」に台移動する場合、図13のカード使用制限設定用テーブル869eの一番上に図示したカード使用制限設定用データに示すように、定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動であるため、会員カードの使用が全制限される。
遊技者が「B1」から「A1」に台移動する場合、図13のカード使用制限設定用テーブル869eの一番上に図示したカード使用制限設定用データに示すように、非定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動であるため、会員カードの使用のうち、玉払出、玉計数、玉合算、玉分割及び玉共有が制限されるが、プリペイド残額を消費することによる玉貸は許可される。
遊技者が「A1」から「B3」に台移動する場合、図13のカード使用制限設定用テーブル869eの一番上に図示したカード使用制限設定用データに示すように、定量設定のカードユニット3から非定量設定のカードユニット3への移動であるため、会員カードの使用のうち、玉合算、玉分割及び玉共有が制限されるが、玉払出、玉計数及びプリペイド残額を消費することによる玉貸は許可される。
遊技者が「B1」から「B2」に台移動する場合、図13のカード使用制限設定用テーブル869eの一番上に図示したカード使用制限設定用データに示すように、非定量設定のカードユニット3から非定量設定のカードユニット3への移動であるため、会員カードの使用は制限されない。
遊技者が「A3」での遊技を一時中断し、席を外して「A3」に戻った場合、図13のカード使用制限設定用テーブル869eの一番上に図示したカード使用制限設定用データに示すように、同一のカードユニット3間の移動であるため、会員カードの使用は制限されない。
遊技者が「B4」での遊技を一時中断し、席を外して「B4」に戻った場合、図13のカード使用制限設定用テーブル869eの一番上に図示したカード使用制限設定用データに示すように、同一のカードユニット3間の移動であるため、会員カードの使用は制限されない。
[1−7.景品交換POS端末の機能構成]
図21は、景品交換POS端末9の機能構成の一例を示す図である。
景品交換POS端末9は、処理部910と、操作部920と、表示部930と、第1通信部940と、第2通信部945と、第3通信部950と、第4通信部955と、バーコードリーダ960と、明細発行部970と、カードリーダ980と、記憶部990とを備えて構成される。
処理部910は、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される処理装置及び演算装置であり、主要な機能部として、景品交換処理部911と、特殊景品交換処理部913と、合算部915と、表示処理部917とを有する。
操作部920は、キーボードやマウス、テンキー等を有して構成される操作装置及び入力装置であり、表示部930と一体的に構成されたタッチパネル921を有して構成される。
表示部930は、液晶ディスプレイ等を有して構成される表示装置であり、処理部910の制御に従って、各種の情報を表示する。
第1通信部940は、ホールコンピュータ6との間で情報の送受を行うための通信装置であり、例えば有線通信を行うための有線通信モジュールを有して構成される。
第2通信部945は、玉管理コンピュータ8との間で情報の送受を行うための通信装置であり、例えば有線通信を行うための有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部945は、処理部910の制御に従って、カード管理データ要求信号及びユニット管理データ要求信号を玉管理コンピュータ8に送信する。また、第2通信部945は、玉管理コンピュータ8からカード管理データ865及びユニット管理データ867を受信する。
第3通信部950は、暗証番号入力装置12との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線通信を行うための有線通信モジュールを有して構成される。第3通信部950は、処理部910の制御に従って、暗証番号認証を行うために暗証番号の入力を要求する暗証番号入力要求信号を送信する。また、第3通信部950は、暗証番号入力装置12から暗証番号の入力結果を受信する。
暗証番号入力装置12は、景品交換POS端末9と通信可能に接続され、景品交換カウンタにおいて遊技客側に向けて配置される暗証番号の入力装置であり、例えば、暗証番号を入力するためのテンキーと、入力した暗証番号を表示するディスプレイとを有して構成される。
第4通信部955は、特殊景品払出装置14との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線通信を行うための有線通信モジュールを有して構成される。第4通信部955は、処理部910の制御に従って、特殊景品を払い出させるための特殊景品払出信号を特殊景品払出装置14に送信する。
特殊景品払出装置14は、景品交換POS端末9と通信可能に接続され、景品交換POS端末9から出力される払出信号に基づいて、特殊景品を受付カウンタのテーブルに払い出す払出装置である。
バーコードリーダ960は、処理部910の制御に従って、景品交換用のレシートに印字されたバーコードを読み取る読取装置である。
明細発行部970は、処理部910の制御に従って、特殊景品払出装置14から払い出す特殊景品の明細を発行する発行する発行装置である。
カードリーダ980は、処理部910の制御に従って、会員カードやビジターカードに記録されたIDを読み取る読取装置である。
記憶部990は、ROMやフラッシュROM、EEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。記憶部990には、処理部910により読み出され、景品交換処理として実行される景品交換プログラム991と、交換単価設定データ993と、消費税設定データ995と、カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
また、景品交換プログラム991は、特殊景品交換処理として実行される特殊景品交換プログラム991aと、合算処理として実行される合算プログラム991bと、表示処理として実行される表示処理プログラム991cとをサブルーチンとして含む。
交換単価設定データ993は、玉数と特殊景品との交換単価の設定データである。
消費税設定データ995は、消費税の設定データである。
交換単価設定データ993と消費税設定データ995とに基づいて、特殊景品の交換数が決定される。
[1−8.処理の流れ]
[1−8−1.玉管理コンピュータの処理]
図22は、玉管理コンピュータ8の処理部810が、記憶部860に記憶されている玉管理プログラム861に従って実行する玉管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部810は、カードユニット3の設定タイミングであるか否かを判定する(A1)。設定タイミングとしては任意のタイミングを設定することが可能であり、例えば、店舗の当日の開店時のタイミングを設定タイミングとすることができる。
なお、店舗の当日の開店時ではなく、店舗の当日の閉店時を設定タイミングとし、翌日の店舗の開店時にその設定を反映させるようにしてもよい。
設定タイミングであると判定したならば(A1;Yes)、処理部810は、各カードユニット3についてループAの処理を行う(A3〜A9)。ループAでは、処理部810は、設定用データ生成処理を実行する(A5)。具体的には、記憶部860に記憶されている設定用テーブル869を用いて、前述した方法で当該カードユニット3用のユニット設定用データ890を生成し、記憶部860に記憶させる(A5a)。
次いで、処理部810は、生成したユニット設定用データ890を、当該カードユニット3に送信する(A9)。そして、処理部810は、次のカードユニット3へと処理を移す。
全てのカードユニット3に対するループAの処理を終了したならば(A9)、処理部810は、各カードユニット3それぞれについてループBの処理を実行する(A11〜A21)。ループBでは、処理部810は、当該カードユニット3から認証要求信号を受信したことで認証要求があったか否かを判定し(A13)、あったと判定したならば(A13;Yes)、認証処理を実行する(A15)。
次いで、処理部810は、貯玉移行タイミングであるか否かを判定し(A17)、貯玉移行タイミングであると判定したならば(A17;Yes)、貯玉移行処理を実行する(A19)。そして、処理部810は、次のカードユニット3へと処理を移す。
全てのカードユニット3に対するループBの処理を終了したならば(A21)、処理部810は、処理を終了するか否かを判定する(A23)。例えば、店舗の閉店時に玉管理コンピュータ8の電源を切断する操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(A23;No)、A1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(A23;Yes)、玉管理処理を終了する。
[1−8−2.カードユニットの処理]
図23は、カードユニット3の処理部310が、記憶部320に記憶されているカードユニット処理プログラム321に従って実行するカードユニット処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、自装置の設定タイミングであるか否かを判定する(C1)。この設定タイミングは、図22の玉管理処理のA1で示した設定タイミングである。そして、設定タイミングであると判定したならば(C1;Yes)、処理部310は、設定処理を実行する(C3)。具体的には、通信部を介して玉管理コンピュータ8からユニット設定用データ890を受信して記憶部320に記憶させる。そして、設定部310aは、受信したユニット設定用データ890に含まれる各種のデータに従って、自装置の設定を行う。
次いで、処理部310は、判別表示を実行するか否かを判定する(C5)。そして、実行すると判定したならば(C5;Yes)、処理部310は、判別表示処理を実行する(C7)。
ここで、判別表示は、自装置が設定した営業種別を遊技者が判別可能とするための表示である。具体的には、自装置の設定が定量設定である場合には、その旨を遊技者が判別可能とするための表示を行う。本実施形態では、「定量」の文字が記された定量アイコンを、カードユニット3の電源が切断されるか、自装置の設定が変更されるまでの間、液晶表示器313に継続的に点灯表示させる。この場合、液晶表示器313は、設定が第1設定であるか否かの判別が可能な表示を行うことが可能な判別表示手段に相当する。
次いで、処理部310は、自装置に遊技用カードが挿入されたか否かを判定し(C9)。挿入されたと判定したならば(C9;Yes)、カード受付処理を実行する(C11)。具体的には、自装置のユニットID及び挿入された遊技用カードに記録されたカードIDを含む認証要求信号を玉管理コンピュータ8に送信し、玉管理コンピュータ8から認証結果を受信する。
認証結果がOKであり、カード受付OKであると判定したならば(C13;Yes)、処理部310は、カード使用制限処理を実行する(C15)。そして、処理部310は、カード使用処理を実行する(C17)。
次いで、処理部310は、自装置の設定が定量設定であるか否かを判定し(C19)、定量制であると判定したならば(C19;Yes)、定量制特定報知処理を実行する(C21)。
次いで、処理部310は、定量制特定報知処理で定量上限到達報知を実行したか否かを判定する(C23)。そして、実行したと判定したならば(C23;Yes)、処理部310は、遊技停止処理を実行する(C25)。具体的には、自装置の機能の一部又は全部を制限する、例えば、再プレイ操作による玉払出処理や、残額を消費することによる玉貸処理、現金の投入による残額の追加等の処理を制限することで、遊技者により対応パチンコ機2での遊技を停止させる。
また、処理部310は、遊技停止処理を実行した場合に、ユニット設定用データ890に記憶されているカード返却種別が「カード返却操作」である場合には、遊技者によるカード返却操作に応じて受付中の遊技用カードを返却し、カード返却種別が「解除操作」である場合には、店員による解除操作に従って受付中の遊技用カードを返却する。
また、処理部310は、遊技停止処理を実行した場合に、ユニット設定用データ890に記憶されている開放動作種別が「自動開放」である場合には、遊技用カードの返却に応じて遊技停止状態を解除して、他の遊技者による遊技が可能となるように自装置を開放し、開放動作種別が「手動開放」である場合には、店員による開放操作に応じて遊技停止状態を解除して、他の遊技者による遊技が可能となるように自装置を開放する。
その後、処理部310は、計数払出ユニット380によって計数がなされたか否かを判定し(C27)、なされたと判定したならば(C27;Yes)、その計数結果に基づいて記憶部320のローカル計数玉数データ323を更新する(C29)。
ここで、ローカル計数玉数を玉管理コンピュータ8に通知するタイミングについて、C25でローカル計数玉数データ323が更新されたタイミングでローカル計数玉数データ323を玉管理コンピュータ8に送信することで通知するようにしてもよいし、受付中の遊技用カードの返却時にローカル計数玉数データ323を玉管理コンピュータ8に出力することで通知するようにしてもよい。
次いで、処理部310は、処理を終了するか否かを判定し(C31)、処理を継続すると判定したならば(C31;No)、C1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(C31;Yes)、カードユニット処理を終了する。
図24は、カード使用処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、カード使用処理部310cは、ユニット設定用データ890を参照して、自装置の制限設定の有無を判定する(L1)。そして、制限設定があると判定したならば(L3;Yes)、カード使用処理部310cは、ユニット設定用データ890に含まれるカード使用制限設定データ890eに基づいて、当該制限設定に対応する遊技可能化処理の実行設定を行う(L5)。一方、制限設定がないと判定したならば(L3;No)、カード使用処理部310cは、通常の遊技可能化処理の実行設定を行う(L7)。
次いで、処理部310は、自装置の設定が定量設定であるか否かを判定し(L9)、定量設定であると判定したならば(L9;Yes)、定量制遊技可能化処理を実行する(L11)。そして、カード使用処理部310cは、カード使用処理を終了する。
定量制遊技可能化処理には、玉貸操作に基づく玉貸処理や再プレイ操作に基づく玉払出処理、玉合算操作に基づく玉合算処理、玉分割操作に基づく玉分割処理、玉共有操作に基づく玉共有処理等の対応パチンコ機2での遊技を可能とするための処理が含まれる。
このようにすることで、受け付けた遊技用カードから特定される玉数(持玉/貯玉)を使用した対応パチンコ機2での遊技を可能とすることができ、遊技者は、自身が所持する遊技用カードをカードユニット3に受け付けさせて遊技を行うことができる。
この処理において、L5で制限設定に対応する遊技可能化処理の実行設定がなされている場合には、カード使用制限設定データ890eに記憶されている制限設定に基づいて、上記の遊技可能化処理のうち、制限されていない事項に対応する処理のみを実行し、制限されている事項に対応する処理の実行は制限する。
特徴的であるのは、図13のカード使用制限設定用データに示すように、自装置の設定が定量設定である場合には、制限項目に玉払出が含まれているため、受け付けた遊技用カードから特定される玉数(持玉数/貯玉数)を使用した遊技が規制される。
このようにすることで、定量制で運用されるカードユニット3では、受け付けた遊技用カードから特定される玉数を使用した対応パチンコ機2での遊技を規制することができ、他ので獲得された玉数が定量制で運用されるカードユニット3での定量判定に紛れてしまうことを防止できる。
その一方で、残額有りの許可項目には玉貸(残額消費)が含まれているため、残額を消費することによる遊技は許可される。
このようにすることで、定量制で運用されるカードユニット3であっても、受け付けた遊技用カードから特定される残額を使用した対応パチンコ機2での遊技を可能とすることができ、余っている残額を使用して遊技者が遊技を行えなくなるという不都合を解消することができる。
また、自装置の計数払出ユニット380で計数されたローカル計数玉数を、対応パチンコ機2での遊技に使用できなくするのは遊技者にとって酷であるため、L5で制限設定に対応する遊技可能化処理の実行設定がなされている場合であっても、自装置の計数払出ユニット380で計数されたローカル計数玉数の払い出しは制限しないようにするとよい。この場合は、カード使用制限設定用データ890eの定量設定の許可項目に、自装置で計数された玉数の払い出しを追加して、カードユニット3に設定を行わせるようにすればよい。
このようにすることで、打ち止めとなるまでの間は、自装置で計数されたローカル計数玉数を使用した対応パチンコ機2での遊技を可能とすることができ、自装置で計数された玉数を使用した対応パチンコ機2での遊技が制限されることを防止できる。
一方、自装置の設定が定量設定ではないと判定したならば(L9;No)、処理部310は、非定量制遊技可能化処理を実行する(L13)。そして、カード使用処理部310cは、カード使用処理を終了する。
この非定量制遊技可能化処理にも、上記と同様に、玉貸操作に基づく玉貸処理や再プレイ操作に基づく玉払出処理、玉合算操作に基づく玉合算処理、玉分割操作に基づく玉分割処理、玉共有操作に基づく玉共有処理等の対応パチンコ機2での遊技を可能とするための処理が含まれ、L5で制限設定に対応する遊技可能化処理の実行設定がなされている場合には、カード使用制限設定データ890eに記憶されている制限設定に基づいて、上記の遊技可能化処理のうち、制限されていない事項に対応する処理のみを実行し、制限されている事項に対応する処理の実行は制限する。
図25は、カード使用制限処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、カード使用制限部310bは、受付中の遊技用カードのカード種別を判定し(E1)、カード種別が会員カードであると判定したならば(E1;会員カード)、会員カード使用制限処理を実行する(E3)。また、カード種別がビジターカードであると判定したならば(E1;ビジターカード)、ビジターカード使用制限処理を実行する(E5)。
次いで、カード使用制限部310bは、遊技者によりカード返却操作がなされたか否かを判定する(E7)。なされたと判定したならば(E7;Yes)、カード使用制限部310bは、制限設定がなされている場合にはそれを解除し(E9)、遊技用カードを遊技者に返却するカード返却処理を実行する(E11)。そして、カード使用制限部310bは、カード使用制限処理を終了する。
図26は、会員カード使用制限処理の流れの一例を示すフローチャートである。
カード使用制限部310bは、自装置の設定を判定し(G1)、定量設定であると判定したならば(G1;定量設定)、会員カード管理データ8651を参照して、ユニットIDに関わらず、定量貯玉数(当日定量貯玉数及び過去定量貯玉数のうちの少なくともいずれか一方)があるか否かを判定する(G3)。定量貯玉数があると判定したならば(G3;Yes)、カード使用制限部310bは、定量→定量の移動と判定し(G5)、ユニット設定用データ890に含まれるカード使用制限設定データ890eの種別「会員カード」、移動元「定量」、移動先「定量」に定められている条件を判定する(G7)。
次いで、カード使用制限部310bは、G7の判定結果に応じた制限設定を行う(G9)。そして、カード使用制限部310bは、G9の制限設定に応じた制限報知処理を実行する(G11)。具体的には、制限を実行する旨や、G9の制限設定に対応する制限項目を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、会員カード使用制限処理を終了する。
定量貯玉数がないと判定したならば(G3;No)、カード使用制限部310bは、会員カード管理データ8651を参照して、ユニットIDに関わらず、非定量貯玉数(当日非定量貯玉数及び過去非定量貯玉数のうちの少なくともいずれか一方)があるか否かを判定する(G13)。非定量貯玉数があると判定したならば(G13;Yes)、カード使用制限部310bは、非定量→定量の移動と判定し(G15)、ユニット設定用データ890に含まれるカード使用制限設定データ890eの種別「会員カード」、移動元「非定量」、移動先「定量」に定められている条件を判定する(G17)。
次いで、カード使用制限部310bは、G17の判定結果に応じた制限設定を行う(G19)。そして、カード使用制限部310bは、G19の制限設定に応じた制限報知処理を実行する(G21)。具体的には、制限を実行する旨や、G19の制限設定に対応する制限項目を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、会員カード使用制限処理を終了する。
一方、自装置の設定が非定量設定であると判定したならば(G1;非定量設定)、カード使用制限部310bは、会員カード管理データ8651を参照して、ユニットIDに関わらず、定量貯玉数(当日定量貯玉数及び過去定量貯玉数のうちの少なくともいずれか一方)があるか否かを判定する(G23)。定量貯玉数があると判定したならば(G23;Yes)、カード使用制限部310bは、定量→非定量の移動と判定し(G25)、ユニット設定用データ890に含まれるカード使用制限設定データ890eの種別「会員カード」、移動元「定量」、移動先「非定量」に定められている条件を判定する(G27)。
次いで、カード使用制限部310bは、G27の判定結果に応じた制限設定を行う(G29)。そして、カード使用制限部310bは、G29の制限設定に応じた制限報知処理を実行する(G31)。具体的には、制限を実行する旨や、G29の制限設定に対応する制限項目を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、会員カード使用制限処理を終了する。
定量貯玉数がないと判定したならば(G23;No)、カード使用制限部310bは、非定量→非定量の移動と判定する(G33)。そして、カード使用制限部310bは、非制限報知処理を実行する(G35)。具体的には、会員カードの使用が非制限である旨を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、会員カード使用制限処理を終了する。
図27は、ビジターカード使用制限処理の流れの一例を示すフローチャートである。
カード使用制限部310bは、C1の設定処理で設定された自装置の設定を判定し(J1)、定量設定であると判定したならば(J1;定量設定)、ビジターカード管理データ8653を参照して、ユニットIDに関わらず、定量持玉数があるか否かを判定する(J3)。定量持玉数があると判定したならば(J3;Yes)、カード使用制限部310bは、定量→定量の移動と判定し(J5)、ユニット設定用データ890に含まれるカード使用制限設定データ890eの種別「ビジターカード」、移動元「定量」、移動先「定量」に定められている条件を判定する(J7)。
次いで、カード使用制限部310bは、J7の判定結果に応じた制限設定を行う(J9)。そして、カード使用制限部310bは、J9の制限設定に応じた制限報知処理を実行する(J11)。具体的には、制限を実行する旨や、J9の制限設定に対応する制限項目を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、会員カード使用制限処理を終了する。
定量持玉数がないと判定したならば(J3;No)、カード使用制限部310bは、ビジターカード管理データ8653を参照して、ユニットIDに関わらず、非定量持玉数があるか否かを判定する(J13)。非定量持玉数があると判定したならば(J13;Yes)、カード使用制限部310bは、非定量→定量の移動と判定し(J15)、ユニット設定用データ890に含まれるカード使用制限設定データ890eの種別「ビジターカード」、移動元「非定量」、移動先「定量」に定められている条件を判定する(J17)。
次いで、カード使用制限部310bは、J17の判定結果に応じた制限設定を行う(J19)。そして、カード使用制限部310bは、J19の制限設定に応じた制限報知処理を実行する(J21)。具体的には、制限を実行する旨や、J19の制限設定に対応する制限項目を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、ビジターカード使用制限処理を終了する。
一方、自装置の設定が非定量設定であると判定したならば(J1;非定量設定)、カード使用制限部310bは、ビジターカード管理データ8653を参照して、ユニットIDに関わらず、定量持玉数があるか否かを判定する(J23)。定量持玉数があると判定したならば(J23;Yes)、カード使用制限部310bは、定量→非定量の移動と判定し(J25)、ユニット設定用データ890に含まれるカード使用制限設定データ890eの種別「ビジターカード」、移動元「定量」、移動先「非定量」に定められている条件を判定する(J27)。
次いで、カード使用制限部310bは、J27の判定結果に応じた制限設定を行う(J29)。そして、カード使用制限部310bは、J29の制限設定に応じた制限報知処理を実行する(J31)。具体的には、制限を実行する旨や、J29の制限設定に対応する制限項目を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、ビジターカード使用制限処理を終了する。
定量持玉数がないと判定したならば(J23;No)、カード使用制限部310bは、非定量→非定量の移動と判定する(J33)。そして、カード使用制限部310bは、非制限報知処理を実行する(J35)。具体的には、ビジターカードの使用が非制限である旨を表示部355に表示させるなどして遊技者に報知する。そして、カード使用制限部310bは、ビジターカード使用制限処理を終了する。
なお、上記の会員カード使用制限処理(図26)及びビジターカード使用制限処理(図27)において、玉払出や玉合算、玉分割及び玉共有が制限される場合に、遊技者の貯玉数や持玉数を0扱いとするようにしてもよい。そして、制限報知処理(図26のG11、G21、G31、図27のJ11、J21、J31)において、制限報知として、貯玉数や持玉数が「0」である旨を表示するようにしてもよい。
図28は、定量制特定報知処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、説明を分かり易くするために、本実施形態におけるパチンコ機2の機種(仕様)に対応するように規定されたプログラムに従って実行される処理を例示する。パチンコ機の機種によっては、確変状態や時短状態の制御が異なったり、確変状態や時短状態が存在しないパチンコ機も存在する。このため、例えば、各機種に対応するプログラムを規定してカードユニット3に記憶させておき、対応して設けられるパチンコ機の機種に関する設定を行って、当該設定に応じたプログラムを読み出して実行するようにすればよい。
最初に、処理部310は、定量上限到達判定処理を実行する(K1)。具体的には、ローカル計数玉数データ323に記憶されている最新のローカル計数玉数が、ユニット設定用データ890に記憶されている定量上限玉数890cに達しているか否かを判定し、達していると判定したならば、定量上限に到達したと判定する。
なお、この場合における定量上限到達判定をどのように行うかの判定方法については問わない。例えば、ローカル計数玉数が定量上限玉数以上であるかを判定するようにしてもよいし、ローカル計数玉数+1が定量上限玉数よりも大きいか否かを判定するようにしてもよいし、ローカル計数玉数が定量上限玉数−1よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。
定量上限に到達したと判定したならば(K3;Yes)、処理部310は、大当り中フラグが「ON」であるか否かを判定する(K5)。大当り中フラグは、対応パチンコ機2が大当り状態に制御されたことを示すフラグであり、対応パチンコ機2から大当り中信号を受信した場合に「ON」に設定される。大当り中フラグが「ON」であると判定したならば(K5;Yes)、処理部310は、第1報知フラグを「ON」に設定する(K7)。
大当り中フラグが「ON」ではないと判定したならば(K5;No)、処理部310は、時短中フラグが「ON」であるか否かを判定する(K9)。時短中フラグは、対応パチンコ機2が時短状態に制御されたことを示すフラグであり、対応パチンコ機2から時短信号を受信した場合に「ON」に設定される。時短中フラグが「ON」であると判定したならば(K9;Yes)、処理部310は、第2報知フラグを「ON」に設定する(K11)。
時短中フラグが「ON」ではないと判定したならば(K9;No)、処理部310は、確変中フラグが「ON」であるか否かを判定する(K13)。確変中フラグは、対応パチンコ機2が確変状態に制御されたことを示すフラグであり、対応パチンコ機2から確変信号を受信した場合に「ON」に設定される。確変中フラグが「ON」であると判定したならば(K13;Yes)、処理部310は、第3報知フラグを「ON」に設定する(K15)。
K7、K11又はK15の後、処理部310は、対応パチンコ機2から大当り信号を受信したか否かに基づいて、対応パチンコ機2において大当りが発生したか否かを判定する(K17)。そして、発生したと判定したならば(K17;Yes)、処理部310は、大当り中フラグを「ON」に設定する(K19)。
次いで、処理部310は、時短中フラグが「ON」であるか否かを判定し(K21)、「ON」であると判定したならば(K21;Yes)、時短中フラグを「OFF」に設定する(K23)。
時短中フラグが「OFF」であると判定したならば(K21;No)、処理部310は、確変中フラグが「ON」であるか否かを判定し(K25)、「ON」であると判定したならば(K25;Yes)、確変中フラグを「OFF」に設定する(K27)。
K23又はK27の後、処理部310は、対応パチンコ機2から受信していた大当り信号を受信しなくなったか否かに基づいて、対応パチンコ機2の大当り状態が終了したか否かを判定し(K29)、終了したと判定したならば(K29;Yes)、第1報知フラグ〜第3報知フラグの中に「ON」に設定されている報知フラグがあるか否かを判定する(K31)。
あると判定したならば(K31;Yes)、処理部310は、定量上限到達報知を実行する(K33)。具体的には、ユニット設定用データ890の特定報知設定用データ890mを参照して、「ON」に設定されている報知フラグが示す報知契機及び報知タイミングに対応する報知内容を、液晶表示器313に表示させるように制御する。そして、処理部310は、「ON」に設定されている報知フラグを「OFF」にする(K35)。
その後、処理部310は、対応パチンコ機2から時短中信号/確変中信号を受信したか否かに基づいて、対応パチンコ機2が時短状態/確変状態に移行制御されたか否かを判定し(K37)、移行制御されたと判定したならば(K37;Yes)、対応するフラグ(時短状態であれば時短中フラグ、確変状態であれば確変中フラグ)を「ON」に設定する(K39)。
次いで、処理部310は、対応パチンコ機2から受信していた時短中信号/確変中信号を受信しなくなったか否かに基づいて、対応パチンコ機2の時短状態/確変状態が終了したか否かを判定し(K41)、終了したと判定したならば(K41;Yes)、対応するフラグ(時短状態であれば時短中フラグ、確変状態であれば確変中フラグ)を「OFF」とする(K43)。
その後、処理部310は、第1報知フラグ〜第3報知フラグの中に「ON」に設定されている報知フラグがあるか否かを判定し(K45)、あると判定したならば(K45;Yes)、定量上限到達報知を実行する(K47)。具体的には、ユニット設定用データ890の特定報知設定用データ890mを参照して、「ON」に設定されている報知フラグが示す報知契機及び報知タイミングに対応する報知内容を、液晶表示器313に表示させるように制御する。
次いで、処理部310は、「ON」に設定されている報知フラグを「OFF」にする(K49)。そして、処理部310は、定量制特定報知処理を終了する。
[1−8−3.景品交換POS端末の処理]
図29は、景品交換POS端末9の処理部910が、記憶部990に記憶されている景品交換プログラム991に従って実行する景品交換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、景品交換処理部911は、会員カードを受け付けたか否かを判定し(N1)、受け付けたと判定したならば(N1;Yes)、暗証番号入力装置12のディスプレイに暗証番号入力画面を表示させる(N3)。
次いで、処理部910は、暗証番号認証処理を行って、暗証番号入力装置12のテンキーから入力された暗証番号の認証を行う(N5)。具体的には、入力された暗証番号を含む認証要求信号を玉管理コンピュータ8に送信し、玉管理コンピュータ8に認証を行わせる。そして、玉管理コンピュータ8から認証結果を取得する。
次いで、処理部910は、認証結果を判定し(N7)、認証結果がOKである場合には(N7;Yes)、会員カード管理データ要求処理を実行する(N9)。具体的には、会員カード管理データ8651の要求信号を玉管理コンピュータ8に送信し、玉管理コンピュータ8から会員カード管理データ8651を取得して記憶部990に記憶させる。
また、処理部910は、ユニット管理データ要求処理を実行する(N11)。具体的には、ユニット管理データの要求信号を玉管理コンピュータ8に送信し、玉管理コンピュータ8からユニット管理データを取得して記憶部990に記憶させる。
その後、処理部910は、景品交換認証処理を実行する(N13)。具体的には、会員カード管理データ8651に含まれる定量貯玉数データ及び非定量貯玉数データに基づいて定量貯玉数及び非定量貯玉数を特定する。また、会員カード管理データ8651に含まれる遊技履歴データに基づいて、遊技者の台移動の履歴を特定する。そして、これらの特定結果と、ユニット管理データ867とに基づいて、会員カードから特定される定量貯玉数及び非定量貯玉数が、適法な遊技によって獲得された貯玉数であるかを判定する。つまり、定量貯玉数が定量設定のカードユニット3で獲得されたものであり、非定量貯玉数が非定量設定のカードユニット3で適法に獲得されたものであるかを判定する。
このように、景品交換POS端末9が、受け付けた遊技用カードに記録された貯玉数や持玉数のデータと、玉管理コンピュータ8から取得した管理データとを照合して認証を行うことで、違法な景品交換を目的として定量設定のカードユニット3において不正行為(いわゆるゴト行為)がなされたような場合であって、この不正行為を検出して、適切な対応を行わせることが可能となる。
処理部910は、景品交換認証処理による認証結果がOKであるか否かを判定し(N15)、NGであると判定したならば(N15;No)、エラー処理を実行する(N17)。具体的には、例えば、認証結果がNGであり、景品交換が不可である旨を、表示部930に表示させる。認証結果がOKであると判定したならば(N15;Yes)、処理部910は、景品交換の種別を判定する(N19)。
景品交換の種別が「個別」である場合は(N19;個別)、表示処理部915が、定量貯玉数及び非定量貯玉数を区別して表示部930に表示させる制御を行う(N21)。一方、景品交換の種別が「合算」である場合は(N19;合算)、合算部913が、定量貯玉数と非定量貯玉数とを合算する(N23)。そして、表示処理部915が、合算された貯玉数である合算貯玉数を表示部930に表示させる制御を行う(N25)。
N21又はN25の後、処理部910は、景品交換の対象を判定する(N25)。景品交換の対象が定量貯玉数であると判定したならば(N25;定量)、特殊景品交換処理部911が、定量貯玉数に基づいて特殊景品の交換を行うための定量貯玉景品交換処理を実行する(N29)。具体的には、定量貯玉数に応じた単価及び個数の特殊景品交換装置14から払い出させるように制御する。
景品交換の対象が非定量貯玉数であると判定したならば(N25;非定量)、特殊景品交換処理部911が、非定量貯玉数に基づいて特殊景品の交換を行うための非定量貯玉景品交換処理を実行する(N31)。具体的には、非定量貯玉数に応じた単価及び個数の特殊景品を特殊景品交換装置14から払い出させるように制御する。
また、景品交換の対象が合算貯玉数であると判定したならば(N25;合算)、特殊景品交換処理部911が、合算貯玉数に基づいて特殊景品の交換を行うための非定量貯玉景品交換処理を実行する(N33)。具体的には、合算貯玉数に応じた単価及び個数の特殊景品を特殊景品交換装置14から払い出させるように制御する。
一方、N1において会員カードを受け付けなかったと判定したならば(N1;No)、処理部910は、ビジターカードを受け付けたか否かを判定する(N35)。ビジターカードを受け付けたと判定したならば(N35;Yes)、処理部910は、ビジターカードを利用した交換処理を実行する(N37)。なお、このビジターカードを利用した交換処理は、N19〜N33の会員カードを用いた交換処理と同様の処理を行うことで実現可能であるため、説明を省略する。
N29〜N33又はN37の後、処理部910は、処理を終了するか否かを判定する(N39)。例えば、景品交換POS端末9の電源を切断する操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(N39;No)、処理部910は、N1へと処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(N39;Yes)、処理部910は、景品交換処理を終了する。
[1−9.表示画面]
次に、カードユニット3及び景品交換POS端末9に表示される表示画面について説明する。
[1−9−1.カードユニットの表示画面]
図30〜図32は、カードユニット3の液晶表示器313に表示される表示画面の一例を示す図である。
図30(1)は、定量上限到達報知画面の一例を示す図である。
この定量到達報知画面は、対応パチンコ機2の大当り状態の終了時に表示される表示画面の一例であり、画面中央部に、「定量に達しました。大当りが終了した後の遊技が制限されます。」のメッセージが表示されている(図28のK7→K33)。
また、画面右下部には、定量制にて運用されるカードユニット3であることを遊技者が判別可能とするための判別表示として、「定量」の文字が記された定量アイコンが点灯表示されている(図23のC7)。これは、他の表示画面においても同様である。
このようにすることで、定量制にて運用されるカードユニット3であるか否かを遊技者に認識させることができ、遊技者の遊技台選びを容易にし、遊技者が遊技し易くなるようにすることができる。
図30(2)は、定量上限到達報知画面の別例を示す図である。
この定量到達報知画面は、対応パチンコ機2の時短状態の終了時に表示される表示画面の一例であり、画面中央部に、「定量に達しました。時短が終了した後の遊技が制限されます。」のメッセージが表示されている(図28のK11→K33)。
図30(3)は、定量上限到達報知画面の別例を示す図である。
この定量到達報知画面は、対応パチンコ機2の確変状態の終了時に表示される表示画面の一例であり、画面中央部に、「定量に達しました。確変が終了した後の遊技が制限されます。」のメッセージが表示されている(図28のK15→K33)。
図31(1)は、カード使用制限報知画面の一例を示す図である。
このカード使用制限報知画面は、遊技者が定量制で運用されるパチンコ機2から定量制で運用されるパチンコ機2への台移動を行い、移動先のカードユニット3に会員カードを挿入した場合の表示画面である。この表示画面には、「定量台から定量台への移動のため、カードを返却します。」というメッセージが表示され、定量台から定量台への移動であるため、会員カードが返却されることが遊技者に報知されている(図26のG11)。
図31(2)は、カード使用制限報知画面の別例を示す図である。
このカード使用制限報知画面は、遊技者が非定量制で運用されるパチンコ機2から定量制で運用されるパチンコ機2への台移動を行い、移動先のカードユニット3に残額のある会員カードを挿入した場合の表示画面である。この表示画面には、「非定量台から定量台への移動のため、以下の項目が制限されます。」というメッセージと、その下に制限項目として、「玉払出、玉合算、玉分割、玉共有」が表示され、玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有が制限されることが遊技者に報知されている(図26のG21)。また、「残額は消費できます。」というメッセージが表示され、残額を消費した玉貸及び玉計数は許可されることが遊技者に報知されている(図26のG21)
図32(1)は、カード使用制限報知画面の別例を示す図である。
このカード使用制限報知画面は、遊技者が非定量制で運用されるパチンコ機2から定量制で運用されるパチンコ機2への台移動を行い、移動先のカードユニット3に残額のある会員カードを挿入した場合の表示画面である。この表示画面には、「非定量台から定量台への移動のため、以下の項目が制限されます。」というメッセージと、その下に制限項目として、「玉払出、玉合算、玉分割、玉共有」が表示され、玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有が制限されることが遊技者に報知されている(図26のG31)。また、「残額の消費はできます。」というメッセージが表示され、残額を消費した玉貸及び玉計数は許可されることが遊技者に報知されている(図26のG31)。
図32(2)は、カード使用制限報知画面の別例を示す図である。
このカード使用制限報知画面は、遊技者が非定量制で運用されるパチンコ機2から非定量制で運用されるパチンコ機2への台移動を行い、移動先のカードユニット3に会員カードを挿入した場合の表示画面である。この表示画面には、「非定量台から非定量台への移動のため、制限はありません。」というメッセージが表示され、当該会員カードを使用した全項目が許可されることが遊技者に報知されている(図26のG35)。
[1−9−2.景品交換POS端末の表示画面]
図33及び図34は、景品交換POS端末9の表示部930に表示される表示画面の一例を示す図である。
図33(1)には、景品交換POS端末9において、会員カードが受け付けられた場合の表示画面の一例を示しており、画面上部に、日時と、受付種別とが表示されている。日時には、現在の日時(年、月、日、時、分)が表示され、受付種別には、受け付けた遊技用カードの種別である会員カードと、当該会員カードのカードIDが表示されている。また、画面下部には、定量貯玉数及び非定量貯玉数を個別表示させるための個別アイコンと、定量貯玉数と非定量貯玉数との合算貯玉数を表示させるための合算アイコンとが表示されている。
図33(2)に示すように、画面下部の個別アイコンが景品交換カウンタの店員によってタップされると、図33(3)の表示画面に表示が切り替わる。この表示画面には、日時及び受付種別の下に、貯玉数として、定量貯玉数と、非定量貯玉数とが、それぞれ個別の枠内に表示されている(図29のN21)。また、画面下部には、定量貯玉数を選択するための定量アイコンと、非定量貯玉数を選択するための非定量アイコンとが表示されている。
図34(1)には、図33(3)において景品交換カウンタの店員によって定量アイコンがタップされた場合に表示される表示画面の一例を示している。定量アイコンがタップされたことで、定量貯玉数の表示部分が反転し、その下に、取扱景品と、単価と、個数とが表示される。この表示画面において、画面下部に表示された交換アイコンがタップされると、定量貯玉景品交換処理が実行されて(図29のN29)、定量貯玉数を用いた特殊景品の交換が実行される。
図34(2)には、図33(3)において景品交換カウンタの店員によって非定量アイコンがタップされた場合に表示される表示画面の一例を示している。非定量アイコンがタップされたことで、非定量貯玉数の表示部分が反転し、その下に、取扱景品と、単価と、個数とが表示される。この表示画面において、画面下部に表示された交換アイコンがタップされると、非定量貯玉景品交換処理が実行されて(図29のN31)、非定量貯玉数を用いた特殊景品の交換が実行される。
図34(3)には、図33(2)において景品交換カウンタの店員によって合算アイコンがタップされた場合に表示される表示画面の一例を示している。合算アイコンがタップされたことで、合算貯玉数が表示され(図29のN25)、その下に、取扱景品と、単価と、個数とが表示される。この表示画面において、画面下部に表示された交換アイコンがタップされると、合算貯玉景品交換処理が実行されて(図22のN33)、合算貯玉数を用いた特殊景品の交換が実行される。
[1−10.作用効果]
第1遊技用システム1Aでは、遊技機の一種であるパチンコ機2に対応して、遊技用装置及び情報表示装置の一種であるカードユニット3が設けられる。パチンコ機2は、遊技球の入賞に基づく大当り当選に基づく大当り状態と、通常状態よりも始動入賞口34への遊技球の入賞を容易とする高ベース状態と、通常状態よりも大当り当選の確率の高い高確率状態と、に制御可能である。
カードユニット3は、対応パチンコ機2の大当り状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合には、当該大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行し、高ベース状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合には、当該高ベース状態の終了後又は当該高ベース状態中の大当り当選に伴う大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行する。また、カードユニット3は、高確率状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合には、当該高確率状態の終了後又は当該高確率状態中の大当り当選に伴う大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行する。
これによれば、大当り状態及び高ベース状態に制御可能な遊技機に対応して設けられる遊技用装置において、定量制か否かで打ち止めを好適に遊技者に報知することができる。
また、カードユニット3は、パチンコ機2で遊技する遊技者が所有する遊技価値である所有遊技価値を特定可能な記録媒体である遊技用カードを受け付けるカード挿入口309と、受け付けた遊技用カードから特定される所有遊技価値を、パチンコ機2で使用可能とするための処理を実行する処理部310と、パチンコ機2での遊技を定量制にて運用するための定量設定(第1設定)と、パチンコ機2での遊技を非定量制にて運用するための非定量設定(第2設定)とを設定可能な設定部310aと、遊技用カードから特定される所有遊技価値の使用を制限するカード使用制限部310bと、を備える。
カード使用制限部310bは、設定部310aによる設定が定量設定である場合には、遊技用カードから特定される他の遊技用装置で獲得された所有遊技価値の使用を制限し、設定が非定量設定である場合には、遊技用カードから特定される設定が定量設定である他の遊技用装置で獲得された所有遊技価値の使用を制限しないようにする。
これによれば、定量制で運用されるパチンコ機2と非定量制で運用されるパチンコ機2との2種類のパチンコ機2が存在する店舗において、遊技者が遊技するパチンコ機2を変更した場合に、遊技用カードから特定される所有遊技価値の使用を適切に制限することができる。
また、カードユニット3は、カード使用制限部310bによる制限がなされた場合に、制限されている旨及び制限項目を表示する表示部355を備える。
これによれば、所有遊技価値の使用が制限されていることを遊技者に認識させることができる。
また、カード使用制限部310bは、自装置の設定が定量設定である場合には、遊技用カードから特定される設定が定量設定である他の遊技用装置で獲得された所有遊技価値の使用を制限する。
これによれば、自装置の設定が定量設定である場合に、設定が定量設定である他の遊技用装置で遊技者が獲得した所有遊技価値の使用を制限することができる。
また、カード使用制限部310bは、自装置の設定が非定量設定である場合には、遊技用カードから特定される設定が定量設定である他の遊技用装置で獲得された所有遊技価値の使用を制限する。
これによれば、自装置の設定が非定量設定である場合に、設定が定量設定である他の遊技用装置で獲得された所有遊技価値の使用を制限することができる。
また、カード使用制限部310bは、自装置の設定が定量設定である場合には、遊技用カードから特定される設定が非定量設定である他の遊技用装置で獲得された所有遊技価値の使用を制限する。
これによれば、自装置の設定が定量設定である場合に、設定が非定量設定である他の遊技用装置で獲得された所有遊技価値の使用を制限することができる。
また、所有遊技価値には、遊技者が所有する遊技媒体数である貯玉数/持玉数及び遊技者が所有する有価価値であるプリペイド残額が含まれ、カード使用制限部310bは、貯玉数/持玉数の使用は制限するが、プリペイド残額の使用は制限しない。
これによれば、プリペイド残額の消費を可能して玉貸を許可することで、プリペイド残額を利用した遊技ができなくなる不都合を解消することができる。
[1−11.変形例]
[1−11−1.使用制限]
上記の実施形態では、カード使用制限設定用テーブル869eに基づいて、移動元のカードユニット3の設定(定量/非定量)に応じて、移動先のカードユニット3での遊技用カードの使用の制限に着目して説明した。しかし、移動元のカードユニット3に関係なく、定量設定のカードユニット3において、受け付けた遊技用カードの使用を制限するようにしてもよいことは勿論である。
具体的には、例えば、定量設定のカードユニット3が会員カードを受け付けた場合に、当該会員カードから特定される貯玉の使用を制限したり、ビジターカードを受け付けた場合に、当該ビジターカードから特定される持玉の使用を制限するようにしてもよい。この場合は、例えば、非定量設定のカードユニット3で獲得された貯玉や持玉ばかりでなく、定量設定のカードユニット3で獲得された貯玉や持玉も使用できなくするようにする。
但し、残額や現金を使用することによる遊技は定量制の趣旨に反せず、店舗にとっても好ましいことであるため、設定(定量/非定量)の異なるカードユニット3で先に残額が使用されていた場合であっても、残額を消費することによる遊技や、新たな現金を投入することによる遊技は制限しないようにするとよい。
[1−11−2.獲得遊技価値]
上記の実施形態では、パチンコ機2での遊技に伴い、遊技者が獲得した獲得遊技価値を、カードユニット3の計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数とし、このローカル計数玉数が定量上限玉数に達したか否かに基づいて定量上限判定を行うこととして説明した。しかし、獲得遊技価値は必ずしもローカル計数玉数としなければならないわけではない。
例えば、ビジターカードから特定される持玉数とローカル計数玉数とを合算した合算玉数を獲得玉数としてもよいし、会員カードから特定される貯玉数とローカル計数玉数とを合算した合算玉数を獲得玉数としてもよい。
また、計数払出ユニット380を備えない従来型のカードユニット3を本発明に係る遊技用装置とし、カードユニット3が、パチンコ機2から出力される賞球信号及びアウト玉計数器16から出力される打込信号から求められる差玉数に基づいて獲得玉数を算出して、定量上限到達判定を行うようにしてもよい。
図35は、この場合における獲得玉数の算出の原理の説明図である。この図において、横軸は時間を示し、縦軸は差玉数を示している。
遊技者がパチンコ機2での遊技を開始すると、最初は、通常状態での遊技に伴う遊技球の使用により差玉数は減少していく。この際、始動入賞口への入賞による賞球があるため、差玉数は増減を繰り返しながら減少していく。そして、パチンコ機2において、遊技を開始してから一番最初の大当りが発生し、大当り状態に移行すると、アタッカーへの遊技球の入賞による賞球によって差玉数は増加していく。
この場合、遊技開始後の初当りによって制御される大当り状態において最初のアタッカーの開放によって賞球が開始された時刻を「t1」とした場合、当該時刻「t1」を獲得玉数の算出の起点とし、時刻t1移行の差玉数を獲得玉数として算出する。そして、このようにして算出した獲得玉数に基づいて定量上限到達判定を行う。つまり、遊技機での遊技において一番最初に特定状態である大当り状態に移行し、賞球によって出玉が増加するようになるタイミングを獲得玉数の算出の起点とする。
この場合、大当り状態の終了後に時短状態/確変状態に移行したが、定量上限に到達することなく通常状態に戻ったような場合には、通常状態での遊技における遊技球の使用により差玉数は減少していく。しかし、この場合であっても、獲得玉数の算出は継続するようにする。
なお、上記のように、差玉数に基づいて獲得玉数を算出するのではなく、賞球による出玉数のみに基づいて獲得玉数を算出するようにしてもよい。つまり、パチンコ機2から出力される賞球信号のみに基づいて獲得玉数を算出するようにしてもよい。
また、上記において、獲得玉数の算出をカードユニット3が行うようにするのではなく、ホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8等の上位の管理装置が獲得玉数を算出すうようにしてもよい。この場合は、パチンコ機2と上位装置とを通信接続した上で、パチンコ機2から出力される賞球信号及びアウト玉計数器16から出力される打込信号に基づいて上位装置が獲得玉数を算出する。そして、算出した獲得玉数をカードユニット3に通知し、カードユニット3は、上位装置から通知される獲得玉数に基づいて定量上限到達判定を行えばよい。
また、上記において、定量上限到達判定を上位の管理装置が行った上で、その判定結果をカードユニット3に通知し、カードユニット3が、上位の管理装置から送信される判定結果に基づいて、定量上限到達報知を実行するようにしてもよい。
また、上位の管理装置が定量上限到達判定の判定結果を表示部に表示させて店舗の管理者が把握できるようにしたり、無線通信部を介して店舗の店員が耳に装着するインカムに送信して店員が把握できるようにすることで、定量上限に到達したパチンコ機2については店員が遊技の停止を遊技者に促すようにしてもよい。
カードユニット3で定量/非定量の設定を行っておけば、カードユニット3で計数や定量上限到達判定を行う遊技用システムを構成した場合であっても、上位の管理装置で計数や定量上限到達判定を行う遊技用システムを構成した場合であっても、遊技用カードの使用の制限を上記の実施形態と同様に実施することができる。
[1−11−3.定量上限到達報知のタイミング]
上記の実施形態では、カードユニット3が、対応パチンコ機2の大当り状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合に、当該大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、対応パチンコ機2の大当り状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合に、当該大当り状態中に定量上限到達報知を実行するようにしてもよい。この場合における「大当り状態中」とは、前述した大当り状態の始期から終期までの期間におけるいずれかのタイミングとすればよい。
[1−11−4.開放動作設定]
上記の実施形態では、カードユニット3における開放動作設定の実装上の好適な例として、開放動作種別Noを「2(手動開放)」とするパターンを例示した。しかし、開放動作種別Noを「1(自動開放)」とするパターンを適用してもよいことは勿論である。
[1−11−5.記憶領域]
上記の実施形態では、会員カード管理データ8651において、定量貯玉数が、会員カードが使用されたユニット毎に記憶されることとして説明した。しかし、このようにするのではなく、定量貯玉数をメモリの単一の領域に纏めて記憶するようにしてもよい。
ビジターカード管理データ8653における定量持玉数についても同様である。
図36は、この場合における会員カード管理データ8651のデータ構成の一例を示す図である。
この会員カード管理データ8651には、会員カードIDと、会員IDと、会員遊技履歴データと、定量貯玉管理データと、非定量貯玉管理データとが記憶されている。
会員遊技履歴データには、当該会員遊技者の遊技履歴に関するデータであり、例えば、当該会員遊技者が当該会員カードを使用したカードユニット3のユニットIDの履歴、つまり、当該会員遊技者の台移動の履歴が記憶される。
定量貯玉管理データは、定量制で運用されるパチンコ機2での遊技により遊技者が獲得して貯蓄した遊技球である定量貯玉の管理データであり、遊技球の貸与レート(4円、1円等)毎に、当日定量貯玉数と、過去定量貯玉数とが記憶される。
非定量貯玉管理データは、非定量制で運用されるパチンコ機2での遊技により遊技者が獲得した貯蓄した遊技球である非定量貯玉の管理データであり、遊技球の貸与レート(4円、1円等)毎に、当日非定量貯玉数と、過去非定量貯玉数とが記憶される。
上記の会員カード管理データ8651に示すように、定量貯玉数と非定量貯玉数とは、メモリの別領域に記憶される。また、定量貯玉数及び非定量貯玉数は、それぞれメモリの単一の領域に記憶される。
[1−11−6.再設定]
カードユニット3に故障などの異常が生じた場合に、カードユニット3において再設定を行うことを可能としてもよい。この場合は、前述したカードユニット処理において、処理部310は、初期設定及び再設定のいずれの設定を行うかを判定し、再設定を行うと判定した場合に、再設定処理を実行するようにすればよい。初期設定と再設定とは、例えば、自装置に設けられた操作部からの店員による操作や、店員が所持する設定用リモコンを用いた操作によって選択することができる。
この場合、カードユニット3は、自装置において故障等の異常が発生したか否かを判定する異常発生判定処理を実行し、異常が発生したと判定したならば、異常通知処理を実行する。具体的には、異常が発生した旨及び異常内容を含む異常通知信号を玉管理コンピュータ8に出力する。そして、異常が発生したと判定した場合は、以下説明する再設定処理を実行する。
図37は、再設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、遊技用カードが挿入されたか否かを判定し(R1)、挿入されたと判定したならば(R1;Yes)、カード再認証要求がなされたか否かを判定する(R3)。カード再認証要求は自装置に設けられた操作部からの店員による操作や、店員が所持する設定用リモコンを用いた操作がなされたことに基づいて判定することができる。
カード再認証要求がなされたと判定したならば(R3;Yes)、処理部310は、カード再認証処理を実行する(R5)。具体的には、玉管理コンピュータ8に対して、自装置のユニットID及び遊技用カードのカードIDを含む再認証要求信号を送信する。
玉管理コンピュータ8の処理部810は、再認証要求信号に含まれるカードIDに基づいて再認証処理を実行する。具体的には、処理部810は、会員管理データ863に基づいて、当該カードIDの再認証を行う。また、処理部810は、ユニット管理データ867を参照し、再認証要求信号に含まれるカードIDが「受付中」であるユニットIDを検索する。そして、これに該当するユニットIDが存在する場合には、当該ユニットIDの状態を特定する。状態が「異常」である場合には、処理部810は、再認証要求信号に含まれるユニットIDで、状態が「異常」に設定されているユニットIDを書き換える。
次いで、処理部310は、玉管理コンピュータ8から取得した認証結果を判定し(R7)、認証結果がOKであると判定したならば(R7;OK)、ローカル計数玉数データ要求処理を実行する(R9)。具体的には、カードIDを含むローカル計数玉数データ要求信号を玉管理コンピュータ8に出力し、当該カードIDに対応付けて管理されているローカル計数玉数データを玉管理コンピュータ8から取得する。そして、処理部310は、玉管理コンピュータ8から取得したローカル計数玉数データを記憶部320に記憶させる(R11)。
認証結果がNGである場合は(R7;NG)、処理部310は、認証結果がNGであることを遊技者に報知するエラー報知処理を実行する(R13)。
R11又はR13の後、処理部310は、再設定が完了したか否かを判定し(R15)、未完了であると判定したならば(R15;No)、R1に処理を戻す。また、再設定が完了したと判定したならば(R15;Yes)、処理部310は、再設定処理を終了する。
ここで、一例として、カードユニット3で遊技用カードを使用して遊技者が遊技を行っている途中でカードユニット3が故障する異常が発生した場合を考える。この場合、店舗の従業員は、故障したカードユニット3を店舗に保管してある予備のカードユニット3に交換する必要が生ずる。
カードユニット3が故障する前の遊技により遊技者は出玉を獲得している可能性がある。しかし、交換されたカードユニット3には、故障したカードユニット3が記憶していたローカル計数玉数のデータが存在しないため、ローカル計数玉数を「0」からカウントすることとなり、実質的に定量上限が引き上げられることになってしまう。しかし、上記の再設定処理を行うことで、カードユニット3が故障する前に遊技者が獲得済みのローカル計数玉数のデータを新たなカードユニット3に引き継ぐことができるため、定量上限が引き上げられてしまうことを防止できる。この処理は、定量上限を引き上げようとする不正行為(いわゆるゴト行為)に対しても有効である。
[1−11−7.移動元ユニット]
上記の実施形態では、移動元のカードユニット3は、直前に遊技用カードが使用されたカードユニット3のみならず、2以上前に遊技用カードが使用されたカードユニット3も含むこととして説明した。しかし、このようにするのではなく、直前に遊技用カードが使用されたカードユニット3のみを移動元のカードユニット3としてもよい。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態において、定量制で運用されるカードユニット3において、定量制での遊技を行うための専用の遊技用カードである定量制専用カードを使用した遊技を可能とする実施形態である。
図38は、本実施形態において、玉管理コンピュータ8の記憶部860に記憶される設定用テーブル869の一例を示す図である。なお、第1実施形態で説明した設定用テーブル869と同一のテーブルについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。この設定用テーブル869には、受付カード種別設定用テーブル869kが追加されている。
受付カード種別設定用テーブル869kは、カードユニット3が受付可能な遊技用カードの種別を設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図39に示す。
受付カード種別設定用テーブル869kには、受付カード種別の番号である受付カード種別Noと、受付カード種別の名称である受付カード種別名称とが対応付けて記憶される。
この受付カード種別設定用テーブル869kにおいて、受付カード種別No「1」には、遊技用カードの一種である会員カードが定められており、受付カード種別No「2」には、遊技用カードの一種であるビジターカードが定められており、受付カード種別No「3」には、遊技用カードの一種である定量制専用カードが定められている。
定量制専用カードは、パチンコ機2での遊技を定量制にて可能とするための定量制用記録媒体の一種である。定量制で運用されるカードユニット3には、第1実施形態で説明したユニット設定用データ890に、受付可能な遊技用カードの種別を示す受付カード種別設定用データを含めて、当該ユニット設定用データ890を玉管理コンピュータ8からカードユニット3に送信する。この場合、受付カード種別設定用データには、受付カード種別Noとして「3」を記憶させ、定量設定のカードユニット3は、遊技用カードのうちの定量制専用カードしか受け付けないようにする。
このようにすることで、定量制で運用されるカードユニット3では、定量制専用カード以外の遊技用カードを用いた遊技ができないようにすることができるため、遊技者にとっては分かり易く、遊技者が遊技をし易くなるようにすることができる。
また、定量制で運用しないカードユニット3には、第1実施形態で説明したユニット設定用データ890に、受付カード種別Noとして「1」及び「2」を記憶させた受付カード種別設定用データを含めて、当該ユニット設定用データ890を玉管理コンピュータ8からカードユニット3に送信するようにすることで、定量設定のカードユニット3が、遊技用カードのうちの定量制専用カードは受け付けないようにする。
このようにすることで、定量制で運用されないカードユニット3では、定量制専用カードを用いた遊技ができないようにすることができるため、遊技者にとっては分かり易く、遊技者が遊技をし易くなるようにすることができる。
定量制専用カードには、定量設定のカードユニット3で計数されて遊技者が所有することとなった玉数(定量持玉数)を格納するための格納領域を構成し、この格納領域に定量持玉数を格納するようにすればよい。
また、定量制専用カードは、定量持玉数と残額(プリペイド残額/カード残額)とを特定可能なICカードとしてもよいし、定量持玉数のみを特定可能なICカードとしてもよい。つまり、定量制専用カードは、設定が定量設定であるカードユニット3に対応するパチンコ機2での遊技によって遊技者が獲得した獲得遊技価値を少なくとも特定可能な定量制用記録媒体とすればよい。
このようにすることで、受け付けた定量制専用カードから特定される玉数が、定量制で運用されるカードユニット3に対応するパチンコ機2での遊技によって遊技者が獲得した玉数であることを特定することが可能となる。
定量制専用カードの運用としては、遊技者が遊技を終了する際に店員によってカードユニット3に挿入され、定量持玉数を記録して排出するようにしてもよい。また、定量制専用カードをカードユニット3に貯留する構成とし、遊技者が遊技を終了する際に、定量持玉数を記録して排出する運用としてもよい。
また、定量制専用カードは、景品交換POS端末9において受付可能とし、受け付けた定量制専用カードから特定される定量持玉数に応じて、景品交換を可能とする。この際、景品交換POS端末9は、定量制専用カードを受け付けた場合に、定量制専用カードを受け付けた旨のメッセージを表示部930に表示させる。これにより、受け付けた遊技用カードが定量制専用カードであることを店員が認識することが可能となる。
図40は、本実施形態において、カードユニット3の処理部310が、第1実施形態で説明したカード受付処理に代えて実行する第2カード受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、挿入された遊技用カードに記録されたカードIDに基づいて、当該遊技用カードの種別を判定する(S1)。
次いで、処理部310は、判定した遊技用カードの種別が定量制専用カードであるか否かを判定し(S3)、定量制専用カードであると判定したならば(S3;Yes)、自装置の設定が定量設定であるか否かを判定する(S5)。そして、定量設定であると判定したならば(S5;Yes)、認証処理を実行する(S7)。
その後、処理部310は、玉管理コンピュータ8から送信される認証結果に基づいて認証OKであるか否かを判定し(S9)、認証OKであると判定したならば(S9;Yes)、カード受付OKとする(S11)。
次いで、処理部310は、定量制専用カード受付表示処理を実行する(S13)。具体的には、例えば、定量制専用カードの受け付けを完了したことを示すメッセージを、液晶表示器313に表示させるように制御する。この場合、液晶表示器313は、受付手段が定量制用記録媒体を受け付けた場合に、特別表示を行う特別表示手段に相当する。そして、処理部310は、第2カード受付処理を終了する。
S5において定量設定ではないと判定した場合(S5;No)、又は、S9において認証NGであると判定した場合(S9;No)、処理部310は、挿入された遊技用カードを返却するカード返却処理を実行した後(S15)、第2カード受付処理を終了する。
また、S3において定量制専用カードではないと判定したならば(S3;No)、処理部310は、自装置の設定が定量設定であるか否かを判定する(S17)。そして、定量設定ではないと判定したならば(S17;No)、認証処理を実行する(S19)。
その後、処理部310は、玉管理コンピュータ8から送信される認証結果に基づいて認証OKであるか否かを判定し(S21)、認証OKであると判定したならば(S21;Yes)、カード受付OKとする(S23)。
次いで、処理部310は、カード受付表示処理を実行する(S25)。具体的には、例えば、会員カードを受け付けた場合には、会員カードの受け付けが完了したことを示すメッセージを、ビジターカードを受け付けた場合には、ビジターカードの受け付けが完了したことを示すメッセージを、それぞれ液晶表示器313に表示させるように制御する。そして、処理部310は、第2カード受付処理を終了する。
S17において定量設定であると判定した場合(S17;Yes)、又は、S21において認証NGであると判定した場合(S21;No)、処理部310は、挿入された遊技用カードを返却するカード返却処理を実行した後(S27)、第2カード受付処理を終了する。
図41は、カードユニット3の液晶表示器313に表示される定量制専用カード受付画面の一例を示す図である。
この定量制専用カード受付画面には、画面中央部に、「定量制専用カードの受け付けを完了しました。」というメッセージが表示されている。また、画面右下部には、定量設定のカードユニット3であることを示す定量アイコンが点灯表示されている。
このようにすることで、定量制専用カードを受け付けたことを遊技者に報知することが可能となり、遊技者は、カードユニット3に受け付けさせた定量制専用カードを使用して遊技を行うことが可能であると認識することができる。
第2実施形態によれば、定量設定のカードユニット3での使用に特化した定量制専用カードを構成し、定量設定のカードユニット3においては、この定量制専用カードから特定可能な遊技価値を使用したパチンコ機2での遊技を可能とすることができる。
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、上記の実施形態において、営業種別にラッキーナンバー制を追加した実施形態である。
図42は、本実施形態において、玉管理コンピュータ8の記憶部860に記憶される設定用テーブル869の一例を示す図である。なお、第1実施形態で説明した設定用テーブル869と同一のテーブルについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。この設定用テーブル869には、ラッキーナンバー設定用テーブル869dが追加されている。
図43は、本実施形態における営業種別設定用テーブル869aのテーブル構成の一例を示す図である。この営業種別設定用テーブル869aのテーブル構成は、図10で説明した営業種別設定用テーブルと同じであるが、その内容が一部異なっている。
具体的には、営業種別No「2」には、営業種別名称「ラッキーナンバー制」が定められており、営業種別No「3」には、営業種別名称「定量制+ラッキーナンバー制」が定められている。
ラッキーナンバー設定用テーブル869dは、「ラッキーナンバー制」又は「定量制+ラッキーナンバー制」で運用させるカードユニット3におけるラッキーナンバー図柄等の設定を行うために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図44に示す。
ラッキーナンバー設定用テーブル869dには、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲毎に、ラッキーナンバー設定用データが記憶される。各ラッキーナンバー設定用データには、範囲種別設定用テーブル869bに定められた範囲種別Noと対応付けて、ラッキーナンバー図柄を定めた情報が記憶される。
図44の一番上に図示したラッキーナンバー設定用データは、範囲種別No「1」、つまり範囲「機種別」に関するデータであり、ユニットIDと、機種名と、ラッキーナンバー図柄とが対応付けて定められている。
図45は、本実施形態におけるカード使用制限設定用テーブル869eに含まれるカード使用制限設定用データのデータ構成の一例を示す図である。
このカード使用制限設定用データのデータ構成は、図13で説明したカード使用制限設定用テーブル869eに示した定量制のカードユニット3に適用されるカード使用制限設定用データを略同一である。異なるのは、図13のカード使用制限設定用データの「定量」を「ラッキーナンバー」とし、「非定量」を「非ラッキーナンバー」としている点である。
図46は、本実施形態において、カードユニット3の液晶表示器313に表示される表示画面の一例を示す図である。
この表示画面には、画面中央部に、「非ラッキーナンバー図柄での当選のため、遊技が停止されます。」というメッセージが表示されている。また、画面右下部には、ラッキーナンバー設定のカードユニット3であることを示すラッキーナンバーアイコンが点灯表示されている。
第3実施形態では、カードユニット3をラッキーナンバー制で運用させることができ、上記の実施形態における定量制で運用されるカードユニット3と同様に、移動元及び移動先のカードユニット3に応じて、遊技用カードの使用を適切に制限することができる。
[4.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[4−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機として説明したが、遊技機はこれに限られるわけではない。
[4−1−1.スロットマシン]
本発明に係る遊技機を、遊技者が遊技メダルを用いて遊技するスロットマシン1000としてもよい。
図47は、遊技機をスロットマシン1000とした場合の遊技用システムである第2遊技用システム1Bにおける信号及び情報の流れの一例を示す図である。
第2遊技用システム1Bには、第1遊技用システム1Aと同様に、スロットマシン1000に対応して、カードユニット3及びデータ表示装置4が設けられる。
スロットマシン1000からは、メダルIN信号、メダルOUT信号、ボーナス信号、ART信号、スロット不正信号及びスロット異常信号を含むスロット信号が、カードユニット3、データ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
メダルIN信号は、スロットマシン1000のメダル投入口にメダルが投入されてBET操作がなされた場合に出力状態とされる信号であり、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のパルス信号が所定の時間間隔を空けて出力される。
メダルOUT信号は、スロットマシン1000からメダルが払い出された場合に出力状態とされる信号であり、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のパルス信号が所定の時間間隔を空けて出力される。
ボーナス信号は、遊技者にとって有利な有利状態の一種であるボーナス状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。ボーナスには、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)が含まれる。
ART信号は、遊技者にとって有利な有利状態の一種であるアシストリプレイタイム(状態(ART状態)に制御された場合に出力状態とされる信号である。ARTは、チャンスタイムの一種であり、チャンスタイムには、ARTの他に、アシストタイム(AT)やリプレイタイム(RT)が含まれる。
スロット不正信号は、エラー信号の一種であり、スロットマシン1000において不正が発生した場合に、その旨を報知するための信号である。
スロット異常信号は、エラー信号の一種であり、スロットマシン1000において異常が発生した場合に、その旨を報知するための信号である。
カードユニット3からは、カード挿入/排出信号、入金信号、消費信号、所持メダル数信号、ユニット不正信号及びユニット異常信号を含むユニット信号が、データ表示装置4に出力される。また、カードユニット3からは、カード情報がメダル管理コンピュータ16に出力される。
第2遊技用システム1Bにおいて、スロットマシン1000が、例えば、ボーナス中に成立役に応じてART(アシストリプレイタイム)抽選を行う機種である場合、ボーナス当選を特定条件の成立、それに伴い移行するボーナス状態を特定状態、ART当選を有利条件の成立、それに伴い移行するART状態を有利状態として、上記の実施形態と同様に、遊技者がスロットマシン1000での遊技によって獲得した獲得メダル数が定量上限に到達したか否かの判定を行って、定量上限到達報知を行うようにすればよい。
また、第2遊技用システム1Bでは、図13で説明したカード使用制限設定用テーブル869eにおいて、カードユニット3における遊技用カードの使用の制限項目として、第1実施形態と同様に、メダル貸、メダル払出、メダル計数、メダル合算、メダル分割、メダル共有等の項目を定めておくことができる。
[4−1−2.封入方式パチンコ機及び遊技点方式スロットマシン]
上記の実施形態では、パチンコ機を、遊技球を打球供給皿3から投入して、遊技領域に発射された遊技球が入力領域に入賞すると、打球供給皿又は余剰球受皿に賞球が払い出される従来型のパチンコ機2として説明したが、遊技機外部からの遊技球の投入や遊技機外部への遊技球の払出しを要することなく遊技を行うことが可能な封入方式のパチンコ機2´(以下、「封入方式パチンコ機」という。)としてもよい。
また、遊技機は、メダルをメダル投入部から投入して、役が成立したとき又は精算スイッチが操作されてクレジットが返却されるときに、メダル払出口からメダルが払出される従来型のスロットマシンに限らず、遊技機外部からのメダルの投入や遊技機外部へのメダルの払出しを要することなく遊技を行うことが可能な遊技点方式のスロットマシン1000´(以下、「遊技点方式スロットマシン」という。)としてもよい。
図48及び図49は、遊技機として封入方式パチンコ機2´及び遊技点方式スロットマシン1000´を適用した第3遊技用システム1Cのシステム構成の一例を示す図である。
第3遊技用システム1Cでは、遊技機として、封入方式パチンコ機2´及び遊技点方式スロットマシン1000’が設けられている。
封入方式パチンコ機2´は、内部に遊技球を封入しており、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、発射モータを駆動させて遊技球を1発ずつ遊技領域に打ち込んで遊技ができるように構成されている。
ここで、遊技球の発射は、マイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える払出制御基板2Bに電気的に接続される玉上げスイッチにより検出される。また、遊技領域に打込まれた遊技球のうち、アウト口に侵入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチによって検出される。また、発射された遊技球が遊技領域に跳出せずに戻ってきたファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチによって検出される。これらアウト玉検出スイッチ及びファール玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板2Bに電気的に接続されている。
また、各入賞口(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉及びファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には、払出制御基板2Bに電気的に接続される発射玉検出スイッチが設けられている。このため、入賞玉、アウト玉及びファール玉のすべてが発射玉検出スイッチによって検出される。回収玉通過経路を通過した遊技球は、打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、再びその打球発射位置の遊技球が遊技領域に打込まれる。この発射玉スイッチの検出数と、発射モータにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
このように、玉上げスイッチ、アウト玉検出スイッチ、及びファール玉検出スイッチ、並びに発射玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板2Bに電気的に接続されており、払出制御基板2Bにおいて各スイッチの動作、即ち遊技球の通過を検出可能である。また、各入賞口に入賞した遊技球は各入賞口に対応して設けられる入賞センサによって検出される。入賞センサはマイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える主制御基板2Aに電気的に接続され、入賞センサによる入賞を検出した主制御部は、遊技球が入賞した入賞口を特定可能な入賞信号を払出制御基板2Bに送信する。なお、払出制御基板2Bは、封入方式パチンコ機2´の電源投入時に主制御基板2Aから入賞口の種類(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)と、各入賞口に対応する賞球数(各入賞口に遊技球が入賞したときの払出玉数)とを含む入賞口情報を受信しているため、主制御基板2Aから受信した入賞信号に基づいて、遊技球が入賞した入賞口に対応する賞球数を特定可能である。
封入方式パチンコ機2´や後述する遊技点方式スロットマシン1000’の隣には、当該遊技機に対応する遊技用装置としてカードユニット1100が設けられる。カードユニット1100の前面(遊技者側)には、紙幣挿入口1103、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部に設けられる表示器1102、及び、プリペイドカード(会員登録を行っていない非会員遊技者が使用可能なビジターカード及び会員登録を行った会員遊技者が使用可能な会員カードを含む)を挿入可能なカード挿入口1101等が設けられている。遊技者は、カード挿入口1101にプリペイドカードを挿入し、カードリーダライタ(以下、カードR/Wという)により読み取られたカードIDに関連付けて残額管理装置(図示せず)で管理されているプリペイド残額を使用して、当該カードユニット1100と通信可能に接続される遊技機での遊技を行うことができる。また、紙幣挿入口1103から挿入した紙幣は貨幣識別器(図示せず)により真贋及び種別が識別され、識別された種別に相当する金額が、カードR/W327が受け付けているプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額に加算される。
カードユニット1100には、マイクロコンピュータ等から構成されたカードユニット制御部(以下、「CU制御部」という。)1120が設けられている。このCU制御部1120は、カードユニット1100の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。前述した貨幣識別器及びカードR/W327は、CU制御部1120と電気的に接続されている。また、表示器1102は、CU制御部1120に電気的に接続された表示制御部1110で変換された表示用データが出力される。
CU制御部1120には、セキュリティ上の管理を行うホールサーバ1230と通信を行うための外部通信部(図示せず)が設けられている。ホールサーバ1230は、ホールコンピュータ1200と通信可能に接続されている。CU制御部1120には、パチンコ機2´の払出制御基板2Bとセキュリティを確保しながら通信を行うためのセキュリティ基板(図示せず)が接続される。このセキュリティ基板は、カードユニット1100のセキュリティ監視機能部である。カードユニット1100には、封入方式パチンコ機2´への接続部が設けられている。これら接続部は、例えばコネクタ等で構成されている。払出制御基板2BとCU制御部1120との間ではシリアル通信が行われ、CU制御部1120とホールサーバ1230とは図示しない台端末を介してシリアル通信が行われる。
遊技者が封入方式パチンコ機2´で遊技を行うときには、封入方式パチンコ機2´又はカードユニット1100に設けられている玉貸ボタンを操作して、使用するプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額の一部又は全部を、「遊技玉数」に変換して遊技を開始する。即ち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば500円分のプリペイド価値を125の遊技玉数に変換可能である。この遊技玉数はCU制御部1120に記憶されると共に、パチンコ機2´の払出制御基板2Bにも送信され、払出制御基板2BのRAMに記憶される。
払出制御基板2Bは、玉上げスイッチにより遊技球の発射が検出されたときには、RAMで記憶する遊技中玉数(発射後に発射玉検出スイッチにより検出されていない玉数であり、遊技領域に浮遊している浮遊玉の玉数)に1を加算し、減算カウンタ(遊技玉数から減算すべき玉数の記憶領域)の値に1を加算する。また、払出制御基板2Bは、主制御基板2Aから入賞信号を受信したときには、入賞信号が示す入賞口に応じた賞球数を加算カウンタ(遊技玉数に加算すべき玉数の記憶領域)の値に加算する。また、払出制御基板2Bは、ファール玉検出スイッチによりファール玉が検出されたときには、加算カウンタの値に1を加算し、遊技中玉数から1を減算する。また、払出制御基板2Bは、発射玉検出スイッチにより打込まれた遊技球の回収が検出されたときには、遊技中玉数から1を減算する。
払出制御基板2Bでは、このようにして遊技中玉数を管理しており、遊技中玉数が異常値となった場合には、玉詰まりや不正等の可能性があるため、ブザー等により異常を報知する。また、払出制御基板2Bでは、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部1120に対して、更新後の減算カウンタの値(減算玉数)や更新後の加算カウンタの値(加算玉数)を送信する。そして、払出制御基板2Bでは、記憶する「遊技玉数」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技玉数」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部1120では、減算カウンタの値(減算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算玉数に受信した減算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技玉数」から受信した減算玉数を減算する。また、加算カウンタの値(加算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算玉数に受信した加算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技玉数」に受信した加算玉数を加算する。
このようにしてCU制御部1120では「遊技玉数」が更新され、この「遊技玉数」は表示器1102に表示され、遊技者が確認可能である。なお、CU制御部1120は、CU制御部1120で記憶される更新後の「遊技玉数」と、払出制御基板2Bから受信した当該払出制御基板2Bで記憶される更新後の「遊技玉数」との照合を行い、両者が一致しなければ、エラー状態に移行する制御を行う。なお、封入方式パチンコ機2´が遊技玉数等の遊技情報表示用の表示器を備えており、封入方式パチンコ機2´において、払出制御基板2Bが記憶する「遊技玉数」が表示されるようにしてもよい。また、封入方式パチンコ機2´の表示器が表示制御部1120に接続されており、その表示器にCU制御部1120が記憶する「遊技玉数」が表示されるようにしてもよい。
「遊技玉数」は、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない精算ボタンの操作や、プリペイドカードの返却操作に応じて)、「持玉数」に変換可能である。「持玉数」は、プリペイドカードのカードIDに関連付けて持玉サーバで管理され、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない持玉プレイボタンの操作)に応じて、「遊技玉数」に変換可能である。また、会員遊技者の「持玉数」は、当日の営業終了後又は当日の遊技場店員の貯玉操作によって「貯玉数」に変換される。
封入方式パチンコ機2´の払出制御基板2BがCU制御部1120と電気的に接続されたときには、主制御基板2Aのメインチップに記録されているメインチップIDが、払出制御基板2B、及びCU制御部1120を介してホールサーバ1230及びホールコンピュータ1200に送信される。送信されたメインチップIDは、封入方式パチンコ機2´の台番号に関連付けてホールコンピュータ1200で管理される。これによって、封入方式パチンコ機2´の筐体単位ではなく主制御基板単位(遊技盤単位)での遊技情報の管理が可能となる。なお、メインチップIDに当該封入方式パチンコ機2´の機種を特定可能な情報が含まれている場合には、ホールコンピュータ1200において台番号と当該封入方式パチンコ機2の機種を関連付けることも可能となる。
また、CU制御部1120は、所定のタイミングで(例えば所定の時間間隔毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算玉数及び総減算玉数を送信する。ホールコンピュータ1200はホールサーバ1230と通信して、ホールサーバ1230から受信した総加算玉数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230から受信した総減算玉数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
ここで、遊技機メーカによって、遊技機(封入方式パチンコ機2´、遊技点方式スロットマシン1000’)から出力される出力データのフォーマットが異なるため、CU制御部1120では、その種々のフォーマットの出力データを、所定のフォーマットに演算(変換)して台端末経由でホールサーバ1230に出力する。その演算(変換)のための設定データは、CU制御部1120に入力されて記憶されるようになっている。「所定のフォーマット」とは、例えば、送信情報の出力ピンの割当てや信号の出力長さである。
また、ホールコンピュータ1200の仕様や設定によっては、データ受信フォーマットが異なっているため、ホールサーバ1230では、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットを、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するようにしている。
ここで、カードユニット1100におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチする場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることができる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを通信可能に接続してもよい。
また、仮に、カードユニット1100におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチしない場合であっても、カードユニット1100とホールコンピュータ1200との間に介在する台端末が、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットをホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するフォーマット変換機能を有する場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることもできる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを台端末を介して通信可能に接続してもよい。
封入方式パチンコ機2´には、第1始動入賞口と第2始動入賞口とが設けられており、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて第1可変表示部において第1特別図柄が可変表示され、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて第2可変表示部において第2特別図柄が可変表示される。そして、第1可変表示部において実行される可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、又は、第2可変表示部において実行される可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときは特定遊技状態(大当り状態)に制御される。
第3遊技用システム1Cでは、封入方式パチンコ機2´から、大当り信号、確変中信号、時短中信号、打込信号、始動信号、加算玉数信号、減算玉数信号、先読み信号、発射強度検出信号、特定入賞口入賞信号、役物動作信号、パチンコ機不正信号及びパチンコ機異常信号が、パチンコ機信号としてデータ表示装置4に出力される。このうち、大当り信号、確変中信号、時短中信号、打込信号、始動信号、パチンコ機不正信号及びパチンコ機異常信号は、前述した実施形態で説明した信号と略同一である。
加算玉数信号は、払出制御基板2Bにおいて更新される加算カウントの値が示す加算玉数を示す信号である。
減算玉数信号は、払出制御基板2Bにおいて更新される減算カウントの値が示す減算玉数を示す信号である。
先読み信号は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて大当り抽選が行われ、大当りに当選した場合において、可変表示部に特別図柄が可変表示される前に、先読み的に大当りの発生を示唆する信号である。データ表示装置4は、封入方式パチンコ機2´から出力される先読み信号に基づいて、該封入方式パチンコ機2´で大当りが発生することを、可変表示部において特別図柄が可変表示される前に特定することができる。
発射強度検出信号は、遊技者が遊技状態に応じて遊技球を左右に打ち分ける場合に、遊技球の発射領域を特定可能とする信号である。封入方式パチンコ機2´において、第1始動入賞口は、遊技者から見て左側の遊技領域(以下、「左遊技領域」という。)に遊技球を発射する左打ちを行ったときに、遊技者から見て右側の遊技領域(以下、「右遊技領域」という。)に遊技球を発射する右打ちを行ったときよりも高い割合で遊技球が入賞するか、又は、左遊技領域に遊技球を発射した場合にのみ遊技球が入賞可能となっている。また、第2始動入賞口を形成する可変入賞球装置が設けられており、該可変入賞球装置は可動翼片の傾動制御によって閉鎖状態又は開放状態となり、開放状態において第2始動入賞口への遊技球の入賞が可能となるか、又は、開放状態において閉鎖状態よりも第2始動入賞口への遊技球の入賞が容易となる。
また、左遊技領域及び右遊技領域には、それぞれ遊技球が通過可能な通過領域としての左ゲート及び右ゲートが設けられている。遊技者が左打ちを行っているときには、遊技球が左ゲートを通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置が開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。また、遊技者が右打ちを行っているときには、遊技球が右ゲートを通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置が開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。すなわち、左打ちを行っている場合及び右打ちを行っている場合のいずれにおいても、可変入賞球装置が開放状態となる場合があり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。
また、大当り状態においては、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置(所謂アタッカー)が開放制御され、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。特別可変入賞球装置の開放制御回数又は開放制御期間は大当り種別によって異なる。この特別可変入賞球装置は、左打ちよりも右打ちを行っているときに、誘導部材や遊技釘の配置により、誘導された遊技球が入賞しやすい位置にある。
ここで、高確率状態においては、低確率状態よりも大当り状態となる確率(第1可変表示部及び第2可変表示部の可変表示結果が特定表示結果となる確率)が高められ、高ベース状態においては、低ベース状態よりも普通図柄の可変表示結果として当り図柄が導出表示される確率が高められる(さらに普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置の開放時間が延長されてもよい)ものとする。
遊技者は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)のときは、特別可変入賞球装置が開放されず、右ゲートに遊技球を通過させても可変入賞球装置が高頻度では開放されないため、左遊技領域を狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を第1始動入賞口に入賞させる。遊技状態が高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)のときには、右ゲートに遊技球を通過させると可変入賞球装置が高頻度で開放されるため、右遊技領域を狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を第2始動入賞口に入賞させる。大当り状態では、特別可変入賞球装置が開放されるため、右遊技領域を狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を特別可変入賞球装置に入賞させる。
ここで、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。この場合に、打球操作ハンドルの回転角度(回転量)を検出し、検出した回転角度の情報を信号レベルにより発射強度を示す発射強度検出信号に変換して出力する発射強度センサを設け、当該発射強度センサからの発射強度検出信号を出力する。このような発射強度センサは、例えば、打球操作ハンドルの回転角度を検出し当該検出角度に応じて定められたレベルのアナログ信号を出力するロータリーエンコーダ及び信号変換出力器により構成される。
データ表示装置4は、封入方式パチンコ機2´から出力される発射強度信号に基づいて、遊技球が発射された発射領域を特定する。具体的には、発射強度が所定の閾値強度未満である場合には、左打ちによって左遊技領域に遊技球が発射されたと特定し、発射強度が所定の閾値強度以上である場合には、右打ちによって右遊技領域に遊技球が発射されたと特定する。
本実施形態では、データ表示装置4が上記の発射領域の特定に用いる閾値強度を、ホールコンピュータ1200がデータ表示装置4毎に設定することを可能とし、ホールコンピュータ1200からデータ表示装置4それぞれに対して、閾値強度の設定データである閾値強度設定データを配信する。つまり、ホールコンピュータ1200は、発射領域の特定に用いられる情報であって、発射領域を特定可能な信号と関連付けられた設定用情報を配信可能な配信装置に相当する。データ表示装置4は、ホールコンピュータ1200から配信される閾値強度設定データを利用して、発射領域を特定する。
特定入賞口入賞信号は、遊技球が特定入賞口に入賞したことを示す信号である。具体的には、遊技球が第1始動入賞口に入賞した時刻や個数を示す信号と、遊技球が第2始動入賞口に入賞した時刻や個数を示す信号とが、それぞれ特定入賞口信号として出力される。特定入賞口毎に、入賞した遊技球の数や時刻を特定することができる点が特徴である。
役物動作信号は、封入方式パチンコ機2´が備える役物の動作を示す信号である。役物には、前述した可変入賞球装置が備える可動翼片等が含まれ、可動翼片が閉鎖状態であることを示す信号と、可動翼片が開放状態であることを示す信号とが、それぞれ役物動作信号として出力される。
遊技点方式スロットマシン1000´は、封入方式パチンコ機2´と同様に、対応するカードユニット1100によってプリペイド価値を「遊技点」に変換して遊技に使用する。「遊技点」は、封入方式パチンコ機2´における「遊技玉数」に該当する。即ち、遊技者の所有有価価値を遊技に使用可能な所有遊技点数に変換する。例えば1000円分のプリペイド価値を50の所有遊技点数(遊技点1は1枚のメダルに相当する)に変換可能である。この遊技点はCU制御部1120に記憶される。
このような遊技点方式スロットマシン1000’では、遊技点を用いて賭数を設定する。メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際には、1枚BETスイッチを操作し、遊技状態に応じて定められた最大の賭数を設定する際には、MAXBETスイッチを操作する。スタートスイッチの操作に応じた各リールの回転開始及び各ストップボタンの操作に応じた各リールの回転停止に関しては、メダル投入方式のスロットマシン1000と同様である。
ここで、スタートスイッチが操作されたときには、設定された賭数に相当する遊技点が減算点数となり、遊技制御基板1000AのRAMに記憶される減算カウンタの値に減算点数が加算される。そして、全てのリールが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せが各リールの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が加算点数となり、遊技制御基板1000AのRAMに記憶される加算カウンタの値に加算点数が加算される。
また、遊技制御基板1000Aでは、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部1120に対して、更新後の減算カウンタの値(減算点数)や更新後の加算カウンタの値(加算点数)を送信する。そして、遊技制御基板1000Aでは、記憶する「遊技点」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技点」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部1120では、減算カウンタの値(減算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算点数に受信した減算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」から受信した減算点数を減算する。また、加算カウンタの値(加算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算点数に受信した加算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」に受信した加算玉数を加算する。
また、CU制御部1120は、所定のタイミングで(例えば総加算点数、総減算点数が更新される毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算点数及び総減算点数を送信する。ホールコンピュータ1200は、ホールサーバ1230を介してCU制御部1120から受信した総加算点数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230を介してCU制御部1120から受信した総減算点数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
このように、遊技用装置であるカードユニット110は、遊技機及びホールコンピュータ1200と通信可能であり、遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200に送信する送信手段(CU制御部1120)を備え、送信手段は遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200向けに変換して送信する又は変換する装置(ホールサーバ、台端末)に中継するための情報変換手段(外部通信部)を備える。
第3遊技用システム1Cでは、遊技点方式スロットマシン1000´から、BET信号、ボーナス信号、ART信号、ART準備信号、加算点数信号、減算点数信号、スロット不正信号及びスロット異常信号が、スロット信号としてデータ表示装置4に出力される。このうち、ボーナス信号、ART信号、スロット不正信号及びスロット異常信号は、前述したのと同様の信号である。
BET信号は、遊技点を用いて賭数が設定された場合に出力状態とされる信号である。
ART準備信号は、入賞によってART状態に制御されることが決定した場合に出力状態とされる信号である。
通常のスロットマシンは、メイン制御部とサブ制御部との2つの制御部を備え、サブ制御部がART状態の制御を行うのが一般的である。また、メイン制御部からサブ制御へは信号を出力することが可能であるが、サブ制御部からメイン制御部へは信号を出力することができず、信号の流れはメイン制御部からサブ制御部への一方通行であるのが一般的である。このため、通常のスロットマシンでは、メイン制御部はサブ制御部がART状態に制御したことを特定するために、例えば、遊技者のスイッチの押し順に規則性があるか否かを判定し、規則性があると判定した場合に、ART状態に制御されたと特定する必要があった。つまり、メイン制御部は、サブ制御部によりART状態に制御された後でなければ、ART状態に制御されたことを特定することができなかった。
また、通常のスロットマシン1000では、メイン制御部に外部出力基板が接続されており、メイン制御部の制御に従って、ART状態に制御されたことを示すART信号を外部出力するのが一般的である。上記のように、メイン制御部は、サブ制御部によりART状態に制御された後でなければART状態に制御されたことを特定することができないため、先読み的にART状態に制御されることを特定可能な信号を外部出力基板から出力させることはできなかった。
しかし、第3遊技用システム1Cにおける遊技点方式スロットマシン1000´は、設計の自由度が高く、サブ制御部に代えて、メイン制御部がART状態に制御するように設計することが可能である。この場合、通常のスロットマシンとは異なり、メイン制御部は、入賞によってARTに制御することを決定した場合に、先読み的にART状態に制御されることを特定可能な信号を外部出力基板から出力させることができる。この信号が、本実施形態におけるART準備信号である。
加算点数信号は、前述した遊技制御基板1000Aにおいて更新される加算カウントの値が示す加算点数を示す信号である。
減算玉数信号は、前述した遊技制御基板1000Aにおいて更新される減算カウントの値が示す減算点数を示す信号である。
第3遊技用システム1Cにおいても、上記の実施形態で説明したカードユニット3の処理をカードユニット1100に同様に適用することで、定量上限到達判定や定量上限到達報知を同様に行うことができる。この場合、カードユニット1100で定量上限到達判定を行う場合には、遊技停止処理として、上記の実施形態で説明した処理の他に、例えば、カードユニット1100から封入方式パチンコ機2´に対して遊技球の発射を制限する発射制限信号を送信するなどして、封入方式パチンコ機2´において遊技球の発射を制限するようにしてもよい。
また、封入方式パチンコ機2´から出力されるパチンコ機信号に基づいて、ホールコンピュータ6等の管理装置が遊技者の獲得玉数を演算し、演算した獲得玉数に基づいて、管理装置が定量上限到達判定を行う手法も考えられる。この場合は、定量上限に到達した場合には、管理装置から封入方式パチンコ機2´に対して遊技球の発射を制限する発射制限信号を送信するなどして、封入方式パチンコ機2´において遊技球の発射を制限するようにしてもよい。
また、封入方式パチンコ機2´では、遊技球が内部に封入されているため、遊技球の払い出しという概念が存在しない。この払い出しは、遊技者が所有する所有遊技価値である持玉や貯玉の一部を、封入方式パチンコ機2´での遊技に使用する遊技球に移行させることに対応する。このため、カードユニット1100では、遊技球の払い出しを遊技球への移行(貯玉や持玉→遊技球)とし、遊技の制限を行う場合には、遊技球の払い出しの制限に代えて、遊技球への移行を制限するようにすればよい。
なお、第3遊技用システム1Cでは、台データについて、店舗外に設置された外部装置、例えばカード会社に設置されるサーバが各店舗の遊技機の台データを管理することが可能である。このため、データ表示装置4やカードユニット1100では、他店舗に設置された遊技機の台データをカード会社のサーバから受信することで、自店舗に設置された遊技機の台データに限らず、他店舗に設置された遊技機の台データも表示することが可能である。
また、データ表示装置4やカードユニット1100において表示させるCMは、遊技機や遊技機の製造メーカ、店舗のCMの他に、これらとは直接的に関係のない商品やサービスのCMとすることが可能である。この場合、例えば上記のカード会社に設置されるサーバが、各店舗それぞれについて、当該店舗に設置された遊技用装置において遊技者の操作によってCMが再生された回数をカウントし、これらを集計して管理することで、それぞれの商品やサービスに対する遊技者の関心度を把握することができる。
なお、上記の第3遊技用システム1Cでは、有利状態に制御されることを特定可能な信号を、パチンコ機では大当り状態に制御されることを通知する先読み信号、スロットマシンではART状態に制御されることを通知するART準備信号としたが、有利状態に制御されることを特定可能な信号はこれらに限られるわけではない。例えば、パチンコ機では、確変状態や時短状態、潜伏確変状態に制御されることを通知する信号を、有利状態に制御されることを特定可能な信号としてもよいし、スロットマシンでは、ボーナス状態(BB状態、RB状態)やART以外のチャンスタイム状態(AT状態、RT状態)に制御されることを通知する信号を、有利状態に制御されることを特定可能な信号としてもよい。
[4−2.遊技用装置]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技用装置をカードユニット3として説明したが、遊技用装置はこれらに限られるわけではない。例えば、前述したデータ表示装置4を、本発明に係る遊技用装置としてもよいし、遊技機に対応して設けられ、遊技者が店員を呼び出すために用いられる従来型の呼出ランプ装置を本発明に係る遊技用装置としてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技用装置の一種であるカードユニット3が、計数払出ユニット380を備えることで、各台計数システムが構成されることとして説明したが、カードユニット3に計数払出ユニット380を備えず、遊技島の島端で店員がジェットカウンターによって遊技者の獲得玉数を計数する島端計数システムを構成することとしてもよい。
[4−3.管理装置]
上記の実施形態では、遊技用装置の設定用データを生成して配信する管理装置を玉管理コンピュータ8として説明したが、あくまでもこれは一例に過ぎず、他の管理装置とすることも可能である。
例えば、上記の実施形態で説明したホールコンピュータ6が遊技用装置の設定用データを生成して配信するようにしてもよい。また、会員情報を管理する会員管理コンピュータやカード情報を管理するカード管理コンピュータ、遊技島毎のユニットの情報を収集するターミナルボックス(T−BOX)等の管理装置を店舗に設置するようにし、これらの管理装置が遊技用装置の設定用データを生成して配信するようにしてもよい。また、これらの管理装置のうちの2以上の機能を有する管理装置を構成し、この管理装置が遊技用装置の設定用データを生成して配信するようにしてもよい。
[4−4.遊技用システム]
上記の実施形態では、遊技機から出力される信号が遊技用装置に直接的に入力される遊技用システムを構成したが、これに限らず、遊技機から出力される信号が管理装置に入力され、この信号が管理装置を介して間接的に遊技用装置に入力される遊技用システムを構成してもよい。
また、ホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8、メダル管理コンピュータ16等の管理装置を、本発明に係る設定手段や制限手段として機能させてもよい。具体的には、管理装置側で、各カードユニット3の設定を一括して行う。そして、カードユニット3が遊技用カードを受け付けた場合に、当該遊技用カードが使用された遊技履歴を参照し、移動元のカードユニット3の設定のいずれであるかに応じて、カードユニット3に実行させる処理を決定してもよい。
[4−5.本発明の遊技機への適用]
本発明は、上記の実施形態で説明した遊技用装置に適用するばかりでなく、遊技機に対しても同様に適用することが可能である。
具体的には、上記の実施形態では、カードユニット3等の遊技用装置が定量上限到達判定を行った上で、特定状態中に遊技者が獲得した獲得遊技価値が定量閾値に達した場合には、当該特定状態中又は当該特定状態の終了後に特定報知を実行し、有利状態中に遊技者が獲得した獲得遊技価値が定量閾値に達した場合には、当該有利状態の終了後又は当該有利状態中の特定条件成立に伴う特定状態の終了後に特定報知を実行することとして説明した。しかし、これらの処理を、遊技機が実行するようにしてもよい。
例えば、上記の実施形態で説明したパチンコ機2において、セーフ玉及びアウト玉に基づいて、遊技者が獲得した獲得玉数を演算して内部の記憶部に記憶させておく。そして、大当り状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合には、当該大当り状態中又は当該大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行し、時短状態中/確変状態中に遊技者が獲得した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合には、当該時短状態/当該確変状態の終了後又は当該時短状態中/当該確変状態中の大当り当選に伴う大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行するようにしてもよい。
また、定量上限に到達した場合に遊技を停止させる遊技停止処理についても、遊技機が実行するようにしてもよい。具体的には、上記の例において、パチンコ機2が演算した獲得玉数が定量上限玉数に達した場合には、遊技停止処理として、遊技者によって打球操作ハンドル25が操作された場合であっても遊技球を発射しないように制御する処理を実行するなどして、遊技者による遊技が停止されるようにするなどしてもよい。
また、カードユニット3が定量上限到達判定を行ってその判定結果をパチンコ機2に出力するように構成し、パチンコ機2がその判定結果に基づいて定量上限到達報知処理や遊技停止処理を実行してもよい。また、これとは逆に、パチンコ機2が定量上限到達報知を行ってその判定結果をカードユニット3に出力し、カードユニット3がその判定結果に基づいて定量上限到達報知や遊技停止処理を実行するようにしてもよい。つまり、遊技機と遊技用装置との間で連携して、本発明に係る各種の処理を実行するようにしてもよい。
これらに説明した内容は、上記の実施形態で説明した各種の遊技用システムに適用することが可能である。
[4−6.特定報知]
上記の実施形態において、カードユニット3が、特定報知を実行するタイミングを特殊なタイミングとするように制御を行うようにしてもよい。現在のパチンコ機2では、大当りとしてラウンド数の異なる複数種類の大当り(例えば、2R大当り、8ラウンド大当り、16ラウンド大当り等)に制御可能な機種がほとんどである。
そこで、例えば、第1の大当り(例えば2R大当り)に当選した場合に、当該第1の大当りに伴う第1の大当り状態中に定量上限に到達した場合であっても、当該第1の大当り状態中又は当該第1の大当り状態の終了後には定量上限到達報知を実行しないようにし、その後の確変状態又は時短状態において第1の大当りよりもラウンド数の多い第2の大当り(例えば8ラウンド大当り)に当選した場合に、当該第2の大当りに伴う第2の大当り状態中又は第の大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行するようにしてもよい。
この場合における具体的な制御としては、カードユニット3において、第1の大当り状態中の定量上限に到達したと判定した場合に、定量上限到達報知の実行を待機することを示す報知待機フラグを「ON」としておき、第2の大当り状態に当選した場合に、報知待機フラグが「ON」に設定されている場合は、第2の大当り状態中又は第2の大当り状態の終了後に定量上限到達報知を実行して、報知待機フラグを「OFF」に設定するようにすればよい。
[4−7.報知手段]
上記の実施形態では、カードユニット3の液晶表示器313にメッセージを表示させることで、獲得玉数が定量上限玉数に達した旨の報知を行うこととして説明した。しかし、カードユニット3が備える音出力部350を報知手段として機能させ、音出力部350から音声メッセージを音出力させることで、獲得玉数が定量上限玉数に達した旨の報知を行うようにしてもよい。また、カードユニット3にランプ等の発光部を備えることとし、この発光部を点灯/点滅させることによって、獲得玉数が定量上限玉数に達した旨を報知を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、カードユニット3において、カード使用制限部310bによる制限がなされた場合に、制限がなされる旨及び制限項目を液晶表示器313に表示させることとして説明した。しかし、制限がなされた場合の報知方法もこれに限らず、例えば、制限がなされる旨及び制限項目を音出力部350から音出力させることで遊技者に報知するようにしてもよい。また、玉貸や玉払出、玉計数、玉合算、玉分割、玉共有といった複数の項目に対応する発光部を設けておき、制限された項目に対応する発光部を点灯/点滅させるなどして、制限がなされた旨及び制限項目を遊技者に報知するようにしてもよい。
[4−8.判別報知]
上記の実施形態では、自装置の設定が定量設定である場合に、判別表示として、定量設定である旨を示す定量アイコンを表示部に点灯表示させることとして説明した。しかし、判別表示は、このような定量アイコンの点灯表示に限らず、「定量」の文字を表示させたり、定量設定であることを示すロゴを表示させるなどしてもよい。また、定量設定と非定量設定とで色分けをして表示させるようにしてもよい。
また、判別表示は常に表示させるようにしてもよいが、例えば、店員によって判別表示の「ON/OFF」の切替操作を可能としたり、ホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8等の上位の管理装置からの指示信号によって「ON/OFF」の切替を可能とすることで、任意のタイミングで表示/非表示を切り替えることを可能としてもよい。
また、表示部への表示によって自装置の設定が定量設定であるか否かの判別が可能な報知を行うのではなく、例えば、定量設定である旨を示す音声メッセージを音出力部(スピーカ)から出力させたり、定量設定である旨を示す発光部(ランプ)を点灯させるなどして、自装置の設定が定量設定であるか否かの判別が可能な報知を行うようにしてもよい。
これらは、前述したラッキーナンバー制や定量制+ラッキーナンバー制等の他の設定についても同様である。
[4−9.遊技停止処理]
定量上限に到達した場合の処理として、獲得玉数が丁度定量上限玉数に達したタイミングで遊技停止処理を実行するようにしてもよいし、獲得玉数が定量上限玉数に達した場合であってもすぐに遊技停止処理を実行せず、その後に定量上限到達報知が実行されたタイミングで遊技停止処理を実行するようにしてもよい。
また、大当り状態中に定量上限に到達した場合であっても、その後に制御される時短状態や確変状態で遊技者が遊技球を消費することにより、獲得玉数が定量上限玉数を下回る場合も有り得る。そこで、定量上限玉数に一定の許容範囲(例えば、定量上限玉数±1%の範囲)を定めておき、この許容範囲内で獲得玉数の増減が繰り返される場合には計数を継続するようにして、許容幅の上限を超えるまでは遊技停止処理を実行しないようにしてもよい。
[4−10.遊技履歴に基づく制限]
上記の実施形態では、遊技者が獲得した獲得玉数が定量閾値に達した場合に、特定報知を実行したり、遊技を停止させる処理を実行することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、遊技機での遊技に伴う遊技履歴が所定条件を満たした場合に、特定報知処理や遊技停止処理を実行するようにしてもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機2での遊技に伴う遊技履歴情報として、総大当り回数や確変大当り回数、通常大当り回数、回転数(スタート回数)といった情報を判定対象情報として定めておき、これらの判定対象情報に対する閾値回数を定めておく。そして、これらの判定対象情報が閾値回数に達したことを所定条件の成立として、上記の実施形態で説明した特定報知処理や遊技停止処理を実行するようにしてもよい。
[4−11.設定方法]
上記の実施形態では、管理装置から配信される設定用データに基づいて、遊技用装置が各種の設定を行うこととして説明した。しかし、これに限らず、遊技用装置の記憶部に設定用データを予め記憶させておき、店舗の管理者や従業員が、操作部(タッチパネルを含む。)を用いて操作を行うことで、遊技用装置が各種の設定を行うことを可能としてもよい。
また、店舗の管理者や従業員が、所持している設定用リモコンを用いて遊技用装置が各種の設定を行うための設定情報を送信することによって、遊技用装置が各種の設定を行うことを可能としてもよい。
さらに、遊技用装置が、インターネット等の通信ネットワークを利用して店舗外に設置される外部装置(例えばカード会社に設置されるサーバ)から設定情報をダウンロードすることを可能とし、ダウンロードした設定情報に基づいて、各種の設定を行うようにしてもよい。
また、遊技用装置に、初期設定(デフォルト設定)を定めておき、これを変更可能とすることで、本発明に各種の設定を実現するようにしてもよい。例えば、初期設定を「0(非定量)」とする設定データを遊技用装置に記憶させておく。そして、設定を「定量」とする遊技用装置については、管理装置から設定変更信号を送信することで、設定を「0(非定量)」から「1(定量)」に変更させるようにしてもよい。
なお、この場合、遊技用装置にディップスイッチ等のスイッチを設けておき、このスイッチを切り替えることで、設定変更を行うことを可能としてもよい。また、遊技用装置に設定変更ボタンを設けておき、店員がこれを操作することで設定変更を行ったり、店員が設定用リモコンを操作して遊技用装置に設定変更信号を送信することで、遊技用装置に設定変更を行わせるようにしてもよい。
[4−12.遊技用カードの使用履歴]
上記の実施形態では、カードユニット3が、玉管理コンピュータ8が管理しているカード管理データ865に基づいて台移動の履歴を判定することで、受け付けた遊技用カードの使用履歴を特定することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、遊技用カードが使用されたカードユニット3のユニットID及び設定(定量/非定量)を遊技用カードに記録させることとしてもよい。この場合、カードユニット3は、受け付けた遊技用カードに記録されたユニットID及び設定を読み取ることで、当該遊技用カードの使用履歴を特定することができる。
[4−13.記録媒体]
遊技者が所持し、遊技機での遊技に使用可能な記録媒体は、上記の実施形態で説明した会員カードやビジターカード等の遊技用カードに限られるわけではない。例えば、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末を記録媒体としてもよい。
具体的には、例えば、IC対応の遊技者端末であるスマートフォンが遊技用装置に設けられたICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とし、遊技者が電子マネーによる入金を行って遊技機で遊技することを可能としてもよい。また、カード返却ボタンが押下された場合に受付解除待機状態とし、この受付解除待機状態において受付中のスマートフォンと同一のスマートフォンがICリーダに翳された場合に、記録媒体の受付を解除するようにしてもよい。
この場合、遊技用装置は、前述した実施形態と同様の手法を用いて、自装置の設定が定量設定である場合には、定量設定の遊技用装置で獲得された玉数であることを特定可能に遊技者端末の受付を解除し、自装置の設定が非定量設定である場合には、非定量設定の遊技用装置で獲得された玉数であることを特定可能に遊技者端末の受付を解除するようにすればよい。
[4−14.制限項目]
上記の実施形態のカード使用制限設定用データに定められた項目は、適宜設定変更することが可能である。つまり、管理装置に記憶させておくカード使用制限設定用テーブルは書き換え可能に構成され、このテーブルに含まれる移動元及び移動先のカードユニット3の設定に応じた条件、制限項目及び許可項目は、店舗側で任意に変更することが可能である。玉貸、玉払出、玉合算、玉分割、玉共有、玉計数といった遊技用カードの使用に関する各項目のうち、制限項目及び許可項目をどのような組み合わせとするかも、店舗側で任意に設定することが可能である。
図50は、カード使用制限設定用データの別例を示す図である。
このカード使用制限設定用データのデータ構成は、図13に示したカード使用制限設定用テーブル869eに含まれるカード使用制限設定用データと同様であるが、制御欄の内容が一部異なっている。
具体的に説明する。
(1)カード種別「会員カード」
(1−1)移動元「定量」、移動先「定量」
制御欄には、条件として「残額無し」及び「残額有り」が定められている。「残額無し」には、制限項目として「カード返却」が、許可項目として「−(無し)」が定められている。これは、定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在しない場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て制限され、会員カードを受け付けることなく返却することを意味する。また、「残額有り」には、制限項目として「玉払出、玉合算、玉分割、玉共有」が、許可項目として「玉貸(残額消費)、玉計数」が定められている。これは、非定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在する場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用のうちの玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有は制限されるが、残額を消費することによる玉貸及び玉計数は許可されることを意味する。
(1−2)移動元「非定量」、移動先「定量」
制御欄には、条件として「残額無し」及び「残額有り」が定められている。「残額無し」には、制限項目として「カード返却」が、許可項目として「−(無し)」が定められている。これは、非定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在しない場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て制限され、会員カードを受け付けることなく返却することを意味する。また、「残額有り」には、制限項目として「玉払出、玉合算、玉分割、玉共有」が、許可項目として「玉貸(残額消費)、玉計数」が定められている。これは、非定量設定のカードユニット3から定量設定のカードユニット3への移動において、会員カードに残額が存在する場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用のうちの玉払出、玉合算、玉分割及び玉共有は制限されるが、残額を消費することによる玉貸及び玉計数は許可されることを意味する。
これは、管理側の管理が煩雑となるため、非定量制で運用されるパチンコ機2で遊技者が獲得した玉を、定量制で運用される他のパチンコ機2での遊技に使用されることを防止するためである。その一方で、定量制は、残額を消費することによる遊技を推奨するものであり、残額が存在するにも関わらず遊技を行うことができないのは遊技者にとって酷であるため、残額の消費は許可することにしている。
(1−3)移動元「定量」、移動先「非定量」
制御欄には、条件として「−(無し)」が定められている。そして、制限項目として「玉合算、玉分割、玉共有」が、許可項目として「玉貸(残額消費)、玉払出、玉計数」が定められている。これは、定量設定のカードユニット3から非定量設定のカードユニット3への移動では、移動先のカードユニット3において会員カードの使用のうちの玉合算、玉分割及び玉共有は制限されるが、残額を消費することによる玉貸、玉払出及び玉計数は許可されることを意味する。
(1−4)移動元「非定量」、移動先「非定量」
制御欄には、条件として「−(無)」が定められている。そして、制限項目として「−(無)」が、許可項目として「全許可」が定められている。これは、非定量設定のカードユニット3から非定量設定のカードユニット3への移動では、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て許可されることを意味する。
(1−5)一致(ユニットID)
制御欄には、条件として「−(無)」が定められている。そして、制限項目として「−(無)」が、許可項目として「全許可」が定められている。これは、移動元のカードユニット3と移動先のカードユニット3のユニットIDが一致する場合には、移動先のカードユニット3において会員カードの使用が全て許可されることを意味する。
(2)カード種別「ビジターカード」
ビジターカードの制御については、上記の会員カードにおける制御を略同一である。しかし、制御欄における条件が一部異なっており、会員カードの「残額無し」に対応する条件が「残額無し(持玉有り)」となっている。これは、残額も持玉も存在しなくなったビジターカードはカードユニット3に回収されるため、残額及び持玉のうちの少なくとも一方が存在しなければ、ビジターカードを使用することができないためである。
[4−15.遊技用カードの使用制限]
(1)会員カードの使用制限
上記の実施形態において、定量設定のカードユニット3において遊技者が会員カードを使用することを制限するようにしてもよい。具体的には、定量設定のカードユニット3に会員カードが挿入された場合に、移動元のカードユニット3の設定を問わず、全制限として、会員カードを返却することとしてもよい。この場合、定量設定のカードユニット3では、ビジターカードを使用した遊技のみ行うことができる。
なお、上記において、会員カードの使用を全制限とするのではなく、一部の項目のみを制限することとしてもよい。例えば、定量設定のカードユニット3に会員カードが挿入された場合に会員カードを返却するのではなく、残額を消費した玉貸は許可することとしてもよい。また、上記の実施形態と同様に、残額の有無等に応じて場合分けをして、会員カードの使用を制限するようにしてもよい。
(2)ビジターカードの使用制限
また、上記とは逆に、定量設定のカードユニット3において遊技者がビジターカードを使用することを制限するようにしてもよい。具体的には、定量設定のカードユニット3にビジターカードが挿入された場合に、移動元のカードユニット3の設定を問わず、全制限として、ビジターカードを返却することとしてもよい。この場合、定量設定のカードユニット3では、会員カードを使用した遊技のみ行うことができる。
なお、上記において、ビジターカードの使用を全制限とするのではなく、一部の項目のみを制限することとしてもよい。例えば、定量設定のカードユニット3にビジターカードが挿入された場合にビジターカードを返却するのではなく、残額を消費した玉貸は許可することとしてもよい。また、上記の実施形態と同様に、残額や持玉数の有無等に応じて場合分けをして、ビジターカードの使用を制限するようにしてもよい。