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JP6733448B2 - 無線通信制御装置、無線通信システム、プリアンブル系列配分方法およびプログラム - Google Patents

無線通信制御装置、無線通信システム、プリアンブル系列配分方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信制御装置、無線通信システム、プリアンブル系列配分方法およびプログラムに関し、特に無線通信におけるランダムアクセスプリアンブル系列を配分する無線通信制御装置、無線通信システム、プリアンブル系列配分方法およびプログラムに関する。
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末の普及を背景に、モバイルデータトラフィックが急激に増大しており、無線通信システムのさらなる大容量化の必要性が高まっている。そのため、モバイル通信事業者は、高速・大容量化を実現するLTE(Long Term Evolution)や、さらなる高速化に対応したLTE Advanced、LTE Advanced Proなどの無線通信システムの導入を進めている。
無線通信システムにおいて、モバイル端末は上りリンクの送信タイミング調整(上りリンクの同期確立)のために「ランダムアクセス手順(Random Access(RA) Procedure)」と呼ばれる処理を行う。ランダムアクセス手順は、例えば、無線通信システムへの初期接続時、もしくは、あるキャリア周波数で基地局と通信可能なエリア(セル:cell)を切り替えるハンドオーバ処理中、または、上りリンクの同期が外れている状態(アイドル状態)で上りリンクデータ送信または下りリンクデータ受信を行う必要があるときに行われる。
ランダムアクセス手順では、モバイル端末は、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)と呼ばれるランダムアクセス手順専用のチャネルを用いてプリアンブル系列信号を送信する。LTEにおいては、RACHは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)である。また、LTEにおけるプリアンブル系列は、Zero Correlation Zoneを有するCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列の1つであるZadoff-Chu系列により生成される(非特許文献1)。なお、Zadoff-Chu系列は、時間領域および周波数領域で振幅が一定であり、自己相関がゼロであるという性質を有する。また、同一のZadoff-Chu系列をサイクリックシフトしたプリアンブル系列同士は互いに直交する。Zadoff-Chu系列によると、LTEの基本的なフレーム構成(Frame Structure)では、セルあたり64個の直交するプリアンブル系列が生成される。
一例として、1ミリ秒の送信時間間隔(TTI:Transmission Timing Interval)長において、102.6マイクロ秒のサイクリックプリフィックス(CP:Cyclic Prefix)区間と、800マイクロ秒のシーケンス長と、97.4マイクロ秒の保護区間(GT:Guard Time)時間長とで構成されるRACHを考える。かかるRACHにおいては、12.5マイクロ秒のサイクリックシフト量だけサイクリックシフトすることによって、セル当たり64個のプリアンブル系列が確保される。なお、前述のTTI長やCP区間、GT時間長、サイクリックシフト量は、セル半径として15m以下を想定した場合の例を示すものである。これらの値は、セル構成(例えば、セル半径や伝搬遅延状態や高速移動対応の有無等)に応じて変動する。すなわち、1つのZadoff-Chu系列から生成可能なプリアンブル系列の数は、セル構成に依存する。
LTEにおけるランダムアクセス手順は、「競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access Procedure)」と「無競合(または非競合ベース)ランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access Procedure)」に分類される(非特許文献2)。一般に、競合ベースランダムアクセス手順は、無線通信システムへの初期接続時、および、Radio Resource Control(RRC)アイドル状態(RRC idle)で上りリンクデータ送信または下りリンクデータ受信を行う必要があるときに実行される。一方、無競合ランダムアクセス手順は、RRC接続状態(RRC connected)でセルを切り替えるハンドオーバ処理中に実行される。
競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順の間では、利用可能なプリアンブル系列が異なる。図13に示すように、LTEにおけるプリアンブル系列は、「無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセット」と、「競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも利用可能なプリアンブル系列のセット」に配分される。なお、後者のプリアンブル系列のセットは、さらに、2つのプリアンブルセット、すなわち「Random Access Preambles group A」と「Random Access Preambles group B」に配分される(非特許文献3)。
前述のプリアンブル系列の配分状態は、基地局が報知(ブロードキャスト)するシステム情報の1つである。かかる情報は、主にモバイル端末がセルにアクセスするために必要な情報が含まれているシステム情報ブロックタイプ2(SIB2:System Information Block Type2)を用いてモバイル端末に通知される。具体的には、SIB2に含まれるエンティティの1つである「RACH Configuration」の中の、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列の数「numberOfRA-Preambles」と、Random Access Preambles group Aの系列数「sizeOfRA-PreamblesGroupA」を用いて、モバイル端末に通知される(非特許文献4)。
モバイル端末は、SIB2により報知されたプリアンブル系列の配分状態に基づき、競合ベースランダムアクセス手順を実行する。図14は、競合ベースランダムアクセス手順の動作を例示するシーケンス図である。図14に示すように、競合ベースランダムアクセス手順は、以下の4つのステップを含む。
モバイル端末(図14のUE:User Equipment)は、SIB2により通知された競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順とのいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットの中から、1つのプリアンブル系列をランダムに選択する。また、モバイル端末は選択したプリアンブル系列をメッセージ「Random Access Preamble」として基地局(図14のeNodeB)へ送信する(ステップA1)。
基地局は、モバイル端末が送信したメッセージ「Random Access Preamble」を受信できた場合、同メッセージに対する応答として、メッセージ「Random Access Response」をモバイル端末へ送信する(ステップA2)。メッセージ「Random Access Response」は、一時的なモバイル端末識別番号(Temporary Cell-Radio Network Temporary Identifier:Temporary C-RNTI)に関する情報と、メッセージ「RRC Connection Request」を送信するための上りリンクのデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)に関する情報(Uplink Grant:UL Grant)とを含む。
モバイル端末は、基地局が送信したメッセージ「Random Access Response」を受信できた場合、同メッセージに含まれるUL Grantに従って、メッセージ「RRC Connection Request」を送信する(ステップA3)。メッセージ「RRC Connection Request」は、モバイル端末がコアネットワーク(EPC:Evolved Packet Core)においてネットワーク制御のC-plane(Control plane)を扱うMME(Mobility Management Entity)と認証を行うための非アクセス層識別子(NAS ID:Non Access Stratum Identity)などの情報を含む。
基地局は、モバイル端末が送信したメッセージ「RRC Connection Request」を受信できた場合、MMEに対してNAS認証を開始する指示を送るとともに、無線リソース制御を開始するため、メッセージ「RRC Connection Setup」をモバイル端末へ送信する(ステップA4)。
また、モバイル端末は、ハンドオーバ時に無競合ランダムアクセス手順を実行する。図15は、無競合ランダムアクセス手順を例示するシーケンス図である。図15に示すように、競合ベースランダムアクセス手順は以下の3つのステップを含む。
ハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)は、ハンドオーバ対象となるモバイル端末に対し、無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセットの中から、未使用の(モバイル端末に割り当てられていない)プリアンブル系列を1つ選択する。また、ハンドオーバ元の基地局は、選択したプリアンブル系列をメッセージ「RRC Connection Reconfiguration」としてモバイル端末へ送信する(ステップB1)。
モバイル端末(図15のUE)は、メッセージ「RRC Connection Reconfiguration」を受信できた場合、メッセージに含まれるプリアンブル系列にて、ハンドオーバ先の基地局(Target eNodeB)へメッセージ「Random Access Preamble」を送信する(ステップB2)。
ハンドオーバ先の基地局(Target eNodeB)は、モバイル端末が送信したメッセージ「Random Access Preamble」を受信できた場合、同メッセージに対する応答として、メッセージ「Random Access Response」をモバイル端末へ送信する(ステップB3)。
なお、関連技術として、特許文献1は、少なくとも1つのセルにおいてアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとを使用してユーザ装置と通信してサービスを提供する複数の基地局を備えた通信ネットワークシステムにおいて、物理ランダムアクセスチャネル構成パラメータを自動的に調整する方法を開示する。ここで、物理ランダムアクセスチャネル構成パラメータは、物理ランダムアクセスチャネルと物理アップリンク共有チャネルとの間でのアップリンクリソースブロックの配分を定義するために使用されるパラメータである。
また、特許文献2は、ユーザ装置にプリアンブルを割り当て、ユーザ装置によるランダムアクセスの実行を可能にする基地局における方法を開示する。ここで、基地局には、非専用ランダムアクセスプリアンブルのプールを形成する第1のセットおよび専用ランダムアクセスプリアンブルのプールを形成する第2のセットが割り当てられる。また、この方法は、ユーザ装置への割り当てに利用可能な第2のセットの中の専用ランダムアクセスプリアンブルを決定するステップと、利用可能な専用ランダムアクセスプリアンブルの識別番号と、ランダムアクセスのためにユーザ装置により使用される専用ランダムアクセスプリアンブルが有効である少なくとも1つの物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の生起を示す情報とを含むメッセージをユーザ装置に送信するステップとを含む。さらに、メッセージに含まれる情報は、PRACH指標に対応するバイナリ値を持つフィールドを含む。また、PRACH指標は事前規定構成に関連づけられている。さらに、事前規定構成は、ユーザ装置による利用可能な専用ランダムアクセスプリアンブルの送信を可能にすべくランダムアクセスのためにユーザ装置により使用される専用ランダムアクセスプリアンブルが、少なくとも1つの許容されたPRACHの生起のうちのどれにおいて有効であるかを示す。
さらに、特許文献3には、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)についての統計値を測定/収集し、隣接する基地局の間で競合する可能性のあるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を特定し、測定した統計値と、隣接する無線基地局間で競合する可能性があると特定されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列に関する情報とを使用して、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列のセットを最適化する技術が記載されている。
また、特許文献4には、競合ベースランダムアクセス手順を改善するために、UE(User Equipment、モバイル端末)がプリアンブル系列の異なる複数のランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する技術が記載されている。
さらに、特許文献5には、基地局が非競合ランダムアクセスのためにランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)リソースを優先的に割り当てて、かかる割り当てが終了した後に、競合ランダムアクセスに対応するRARリソースを割り当てる技術が記載されている。
特許第5138097号公報 特許第5373896号公報 特許第5156129号公報 特開2015−122673号公報 特表2015−530808号公報
3GPP TS 36.211 V8.9.0 (2009-12), 3GPP TSG RAN E-UTRA Physical Channels and Modulation (Release 8), Dec. 2009 3GPP TS 36.300 V8.12.0 (2010-03), 3GPP TSG RAN E-UTRA and E-UTRAN Overall description Stage 2 (Release 8), Mar. 2010 3GPP TS 36.321 V8.12.0 (2012-03), 3GPP TSG RAN E-UTRA MAC protocol specification (Release 8), Mar. 2012 3GPP TS 36.331 V8.21.0 (2014-06), 3GPP TSG RAN E-UTRA RRC protocol specification (Release 8), June 2014 3GPP TS 22.011 V9.4.0 (2010-06), 3GPP TSG SSA Service accessibility (Release 9), June 2010 3GPP TS 36.902 V8.21.0 (2014-06), 3GPP TSG RAN E-UTRA RRC protocol specification (Release 9), June 2014
上記特許文献および非特許文献の全開示内容は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとする。以下の分析は、本発明者によってなされたものである。
複数のモバイル端末が図14に示す「競合ベースランダムアクセス手順」を同時に実行した場合、ステップA1におけるプリアンブル系列の選択結果に応じて、競合ベースランダムアクセス手順に長時間を要することがある。
複数のモバイル端末が選択したプリアンブル系列が同一となる場合、基地局は、ステップA2において複数のモバイル端末が送信したメッセージ「Random Access Preamble」を個々に識別することができず、複数のモバイル端末に同一のメッセージ「Random Access Response」を送信する。このとき、複数のモバイル端末は、ステップA3において同一のPUSCHを用いてメッセージ「RRC Connection Request」を送信する。この結果、複数のモバイル端末が送信したメッセージ「RRC Connection Request」同士が衝突(collision)する。すると、ステップA4において基地局は複数のモバイル端末が送信した個々のメッセージ「RRC Connection Request」を受信することができなくなる。
モバイル端末は、メッセージ「RRC Connection Request」を送信してから所定時間以内にメッセージ「RRC Connection Setup」を受信できない場合、ステップA1からやり直すことになる。したがって、競合ベースランダムアクセス手順に要する時間が長くなってしまう。
また、ステップA1におけるプリアンブル系列の選択は完全にランダムである。したがって、競合ベースランダムアクセス手順を同時に実行するモバイル端末の数が多くなるに従って、競合ベースランダムアクセス手順に要する時間が長くなる。そこで、LTEでは、モバイル端末のアクセスクラス(AC:Access Class)に応じた規制を行うための閾値「ac-BarringFactor」、「ac-BarringForSpecialAC」や、発信呼専用の禁止タイマ起動を判定するための閾値「ac-BarringTime」により、ステップA1を同一のTTI(またはタイミング)で行うモバイル端末の数を制限する(非特許文献5)。ステップA1を行うモバイル端末の数を制限することで、複数のモバイル端末が同一のプリアンブル系列を選択する確率が小さくなることが期待される。
なお、特許文献1に開示された方法も、同様の問題に対処するものである。ただし、特許文献1に記載された技術は、基地局がRACHの負荷の統計値とPUSCHの負荷の統計値をそれぞれ収集し、これらの2つの統計値を用いて単位時間あたりのランダムアクセス手順の実行数を推定し、推定結果に基づき、ランダムアクセス手順の実行可能な機会の数に影響するPRACH構成を自動調整するものである。
なお、RACHに係る情報の収集手段として、LTEでは、モバイル端末がRACHの送信回数やRACH衝突検出有無などの情報を収集し、基地局に通知する機能が仕様化されている(非特許文献6)。
一方、図15に示す「無競合ランダムアクセス手順」では、基地局はハンドオーバ対象となるモバイル端末に対し、互いに異なるプリアンブル系列を使用するように指示する。したがって、無競合ランダムアクセス手順では、図14を参照して説明した競合ベースランダムアクセス手順における問題は基本的には発生しない。
ただし、ハンドオーバ対象となるモバイル端末が複数存在し、ステップB1において「無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセット」の中から未使用のプリアンブル系列を選択できなくなった場合、基地局は次の処理を行う。すなわち、基地局は「競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセット」の中から(無競合ランダムアクセス手順で)未使用のプリアンブル系列を1つ選択する。選択されるプリアンブル系列は競合ベースランダムアクセス手順でも使用されるものであるため、この場合には、先ほど説明した競合ベースランダムアクセス手順における問題が発生し得る。
かかる場合において、特許文献2に開示された方法によると、基地局は、無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列の可用性を推定し、推定結果に基づき、無競合ランダムアクセス手順の実行可能な機会の数に影響するPRACH構成を自動調整することになる。
さらに、モバイルデータトラフィックは時間的および空間的にも変動する。このとき、「無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセット」と「競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセスのいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセット」との配分が適切でないと、以下の問題が生じるおそれがある。
例えば、朝夕の通勤ラッシュ時間帯のバスや電車などの公共交通機関においては、多数のユーザが多数のモバイル端末を利用する。このとき、特定の基地局において特定の時間帯にハンドオーバが集中し得る。すなわち、図15に示す無競合ランダムアクセス手順が集中することがある。
このとき、無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセットに配分されたプリアンブル系列数が少ないと、ハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)はハンドオーバ対象となるすべてのモバイル端末に一度にプリアンブル系列を割り当てることができない。すると、一部のモバイル端末は、プリアンブル系列が割り当てられるまでの時間が長くなる。この時間が長くなるに従って、モバイル端末とハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)との間の距離が長くなり、ハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)からの信号の受信強度が弱くなる。このとき、ハンドオーバ対象のモバイル端末(UE)は、ハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)からのメッセージ「RRC Connection Reconfiguration」を受信できず、無線リンク断(RLF:Radio Link Failure)となり、ハンドオーバに失敗するおそれがある。ハンドオーバに失敗したモバイル端末は、初期接続からやり直すことになるため、通信再開までに長時間を要することになる。
かかる場合において、ハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)が競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順とのいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットの中からハンドオーバ対象となるモバイル端末にプリアンブル系列を割り当てたときには、先に説明した競合ベースランダムアクセス手順における問題が発生する。
また、LTEでは、ハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)からメッセージ「RRC Connection Reconfiguration」を受信した後、ハンドオーバ先の基地局(Target eNodeB)からメッセージ「Random Access Response」を受信するまでのタイマT304が規定されている。タイマT304が満了した場合、ハンドオーバ処理は強制終了され、RRC connection re-establishment procedureが開始される。RRC connection re-establishment procedureが開始されると、モバイル端末はハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)にメッセージ「RRC connection re-establishment request」を送信する。しかし、上述の場合と同様に、モバイル端末とハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)との間の距離が長いため、ハンドオーバ元の基地局(Source eNodeB)におけるモバイル端末からの信号の受信強度は弱く、同メッセージを受信することは困難となる。その結果、上述の場合と同様に、モバイル端末は無線リンク断(RLF:Radio Link Failure)となるおそれがある。
また、テーマパークやスタジアムなどの収容人数が多い施設や、花火大会などのイベント会場においては、特定の時間帯にモバイルデータトラフィックが集中することがある。このとき、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセスのいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットに配分されたプリアンブル系列数が少ないと、先に説明した競合ベースランダムアクセス手順における問題が発生しやすくなる。その結果、通信を開始するまでの時間が長くなってしまう。
近年、モバイルデータトラフィックの内訳も多様化している。したがって、高速・大容量化の実現に加えて、各アプリケーションを良好な体感品質(QoE:Quality of Experience)で安定的に提供することが、モバイル通信事業者にとって重要な競争戦略となっている。しかし、上述の問題によりランダムアクセス手順に要する時間が長くなってしまうと、QoEを低下させるおそれがある。
なお、特許文献3に記載された技術は、隣接する無線基地局との間でランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の競合を考慮してランダムアクセスチャネルプリアンブル系列のセットを最適化するものであり、上述の問題を解消するものではない。
また、特許文献4に記載された技術によると、緊急呼を発信する一部のモバイル端末について、プリアンブル競合(ないしプリアンブル衝突)が解消され、接続処理遅延が短くなるにすぎない。すなわち、特許文献4に記載された技術は、無線通信システムに含まれるモバイル端末全般についてQoEを改善するものではない。
さらに、特許文献5に記載された技術は、非競合ランダムアクセスのためにランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)リソースを優先的に割り当てることにより、RARリソースが限られる場合に、非競合ランダムアクセスの応答を優先させるものであり、上述の問題を解消するものではない。
そこで、モバイルデータトラフィックが時間的および空間的に変動する場合にユーザの体感品質(QoE)の低下を防ぐことが課題となる。本発明の目的は、かかる課題解決に寄与する無線通信制御装置、無線通信システム、プリアンブル系列配分方法およびプログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る無線通信制御装置は、端末と基地局との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係るデータを収集するデータベースを備えている。また、無線通信制御装置は、収集されたデータに基づき、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する系列配分部を備えている。
本発明の第2の態様に係る無線通信システムは、第1の態様に係る無線通信制御装置を有する第1の基地局を備えている。また、無線通信システムは、複数のセットに配分されたランダムアクセスプリアンブル系列に係る情報を第1の基地局から取得する端末、および/または、第2の基地局を備えている。
本発明の第3の態様に係るプリアンブル系列配分方法は、端末と基地局との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係るデータを収集するステップを含む。また、プリアンブル系列配分方法は、収集されたデータに基づき、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分するステップを含む。
本発明の第4の態様に係るプログラムは、端末と基地局との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係るデータを収集する処理をンピュータに実行させる。また、プログラムは、収集されたデータに基づき、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する処理をコンピュータに実行させる。なお、プログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に記録されたプログラム製品として提供することもできる。
本発明に係る無線通信制御装置、無線通信システム、プリアンブル系列配分方法およびプログラムによると、モバイルデータトラフィックが時間的および空間的に変動する場合にユーザの体感品質(QoE)の低下を防ぐことができる。
一実施形態に係る無線通信制御装置の構成を例示するブロック図である。 第1の実施形態に係る無線通信システムの構成を例示する図である。 情報処理装置の構成を例示するブロック図である。 第1の実施形態における基地局の構成を例示するブロック図である。 第1の実施形態における基地局の系列配分部の動作を例示するフロー図である。 第1の実施形態における基地局の系列配分部の動作を例示するフロー図である。 第1の実施形態における基地局の系列配分部が生成する統計データを例示する図である。 第1の実施形態における基地局の系列配分部が生成する統計データを例示する図である。 第1の実施形態における基地局の系列配分部の動作手順を例示するフロー図である。 第2の実施形態に係る無線通信システムの構成を例示する図である。 第2の実施形態における基地局の構成を例示するブロック図である。 第2の実施形態における基地局の系列配分部が生成する統計データを例示する図である。 LTEにおけるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を説明するための図である。 LTEにおける競合ベースランダムアクセス手順を示すシーケンス図である。 LTEにおける無競合ランダムアクセス手順を示すシーケンス図である。
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記する図面参照符号は、専ら理解を助けるための例示であり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
図1は、一実施形態に係る無線通信制御装置3の構成を例示するブロック図である。図1を参照すると、無線通信制御装置3は、データベース4および系列配分部5を備えている。データベース4は、端末(例えば図2のモバイル端末20)と基地局(例えば図2の基地局10)との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係るデータを収集する。系列配分部5は、収集されたデータに基づきランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセット(例えば、図13に示す無競合ランダムアクセス手順でのみ使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列から成る第1のセットと、競合ベースランダムアクセス手順および無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列から成る第2のセット)に配分する。ここで、無線通信制御装置3は、一例として図2に示す基地局10に設けられるようにしてもよい。
一実施形態によると、ランダムアクセスプリアンブル系列配分において、モバイルデータトラフィックが時間的および空間的に変動する場合でも、無競合ランダムアクセス専用で使用されるプリアンブル系列のセットと、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットとの配分を適正化することができる。これにより、ランダムアクセス手順に要する時間を短縮し、ユーザの体感品質(QoE:Quality of Experience)を改善することができる。すなわち、一実施形態によると、利用可能なプリアンブル系列の不足によりランダムアクセス手順完了までに長時間を要する現象の発生頻度を軽減し、ユーザの体感品質(QoE)を改善することができる。
一実施形態において、系列配分部5は、収集されたデータに基づき、競合ベースランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第1の統計データ(例えば図7右図に示す時系列データ)と、無競合ランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第2の統計データ(例えば図7左図に示す時系列データ)を生成してもよい。このとき、系列配分部5は、第1の統計データおよび第2の統計データを用いて、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を第1のセットと第2のセットに配分することが好ましい。
かかる構成によると、モバイルデータトラフィックが時間的および空間的に変動する場合でも、無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセットと、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットとの配分を適正化し、ランダムアクセス手順に要する時間を短縮できる。その理由は、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数と無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数の統計値から、無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセットと、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットと、を配分できるからである。その結果、ユーザの体感品質(QoE)を改善することが可能となる。
<実施形態1>
次に、第1の実施形態に係る無線通信システムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態を含む実施形態の説明で参照される図面上の参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付したものであり、何らかの限定を意図するものではない。
[構成]
図2は、本実施形態に係る無線通信システム1の構成を例示する。無線通信システム1は、基地局10およびモバイル端末20を備えている。説明の便宜上、図2において、無線通信システム1は基地局10を2つ備えている。また、図2において、無線通信システム1はモバイル端末20を1つ備えている。ただし、基地局およびモバイル端末の数は図2に示す態様に限定されない。
基地局10とモバイル端末20は、モバイルアクセスネットワークを介して通信する。また、基地局10は、通信回線ネットワーク(NW:Network)を介して互いに通信する。なお、基地局10は、通信回線ネットワーク(NW)を介してインターネットなどの外部ネットワークに接続されるサーバ装置(非図示)と通信する。通信回線ネットワーク(NW)は、インターネットなどの外部ネットワークと、モバイルコアネットワークを含む。
本実施形態を含む実施形態の説明では、モバイルアクセスネットワークとモバイルコアネットワークとして、LTEの無線システム(RAT:Radio Access Technology)におけるモバイルアクセスネットワーク(EUTRAN:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)とモバイルコアネットワーク(EPC:Evolved Packet Core)を想定する。ただし、UTRANやUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)やGSM(Global System for Mobile communications)などのLTE以外の他の無線システムにおけるモバイルアクセスネットワークとモバイルコアネットワークを想定してもよい。また、モバイルアクセスネットワークとモバイルコアネットワークは、別の無線システムとしてもよい。例えば、モバイルコアネットワークはLTEの無線システムにおけるEPCとし、モバイルアクセスネットワークはWiFi(Wireless Fidelity:Wi-Fi Allianceの登録商標)や無線LAN(Local Area Network)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やLoRaWAN(Long Range Wide Area Network:LoRa Allianceの登録商標)やMultiFireなどのLTE以外の他の無線システムとしてもよい。これらの変形は、後述する他の実施形態についても同様に可能である。
基地局10は情報処理装置50(図3)およびトランシーバ(トランスミッターおよびレシーバ、非図示)を備えている。情報処理装置50は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)51および記憶装置52(メモリ53およびハードディスク駆動装置(HDD:Hard Disk Drive)54)を備えている。基地局10は、記憶装置52に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現してもよい。
モバイル端末20は、例えば携帯電話端末、パーソナル・コンピュータ(PC:Personal Computer)、PHS(Personal Handyphone System)端末、PDA(Personal Data Assistance, Personal Digital Assistant)、スマートフォン、タブレット端末、カーナビゲーション端末、または、ゲーム端末等である。モバイル端末20は、CPU、記憶装置(メモリ)、トランシーバ(トランスミッターおよびレシーバ)、入力装置(キーボタンおよびマイクロフォン)および出力装置(ディスプレイおよびスピーカ)を備えている。
モバイル端末20は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、モバイル端末20の様々な機能を実現してもよい。モバイル端末20の機能として、例えば、以下の機能が挙げられる。
・基地局10を介してサーバ装置と通信を行う機能
・サーバ装置が提供する各種通信サービスを実行する機能
・モバイル端末20と接続中の(通信リンク(RRC(Radio Resource Control) Connection)が確立されている)基地局10の間で無線信号を送受信する機能
・基地局10から受信した測定設定情報に基づき、基地局10が送信するリファレンス信号の受信品質指標であるCQI(Channel Quality Indicator)やRSRP(Reference Signal Received Power)やRSRQ(Reference Signal Received Quality)などを測定し、接続中の基地局10へ報告(測定報告:Measurement Report)する機能
モバイル端末20が有するこれらの機能は公知である。したがって、これらの機能を実現するためのモバイル端末20の構成についての説明を省略する。
図4は、図2に示す無線通信システム1における基地局10の構成を例示するブロック図である。
基地局10は、基本機能部101、データベース102、系列配分部103およびRA処理部104を備えている。前述の通り、以下で説明する各機能部の動作は、基地局10が備える中央処理装置(CPU)、トランシーバ(トランスミッターおよびレシーバ)、および記憶装置(メモリおよびHDD)が互いに協調して動作することで実現してもよい。
基本機能部101は、一般的な無線通信システムにおける基地局の機能を有する。基本機能部101は、例えば以下の機能を有する。
・基地局10のシステム情報に関するシステム情報ブロック(SIB:System Information Block)やシステム情報を受信するのに必要な物理層の情報に関するマスター情報ブロック(MIB:Master Information Block)などを報知(ブロードキャスト)する機能
・基地局10とモバイル端末20との間の無線の接続状態を制御するRRC(Radio Resource Control)機能
・基地局10との無線リンクを確立しようとしているモバイル端末20または基地局10との無線リンクが確立されているモバイル端末20の間で無線信号を送受信する機能
・通信回線ネットワークを介して到着する各モバイル端末20宛の送信データを蓄積する機能
・モバイル端末20が基地局10との通信路品質を測定するために用いるリファレンス信号を生成する機能
・モバイル端末20から報告されるCQIやRSRPやRSRQを保持する機能
・各モバイル端末20に割り当てる周波数ブロックを決定する機能
・基地局10との無線リンクが確立しているモバイル端末20のハンドオーバ先のセルの候補となる特定の隣接セルが登録された隣接セルリストを管理する機能
・通信回線ネットワークを介して隣接セルリストに含まれるセルを管理している基地局10との間で信号を送受信する機能
なお、基本機能部101が有するこれら機能は公知である。したがって、これらの機能を実現するための基本機能部101の構成についての説明を省略する。
データベース102は、ランダムアクセス手順に係るデータを収集する。本実施形態では、データベース102は、所定のサンプル時間ごとに、基地局10における競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を収集する。また、データベース102は、所定のサンプル時間ごとに、基地局10における無競合ランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を収集する。なお、所定のサンプル時間は任意に設定することができる。本実施形態では、一例としてサンプル時間を1ミリ秒とする。データベース102が収集したデータは、系列配分部103で使用される。
系列配分部103は、データベース102が収集したデータを統計分析し、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数と、無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数を導出する。また、系列配分部103は、ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する。本実施形態では、系列配分部103は無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセットである「ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセット」と、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットである「ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセット」に配分する。系列配分部103による配分結果は、基本機能部101とRA処理部104で使用される。
RA処理部104は、ランダムアクセス手順に係る処理(図14に示す競合ベースランダムアクセス手順におけるステップA2、A4、図15に示す無競合ランダムアクセス手順におけるステップB1、B3など)を実行する。ここで、ランダムアクセス手順に係る処理は公知である。したがって、かかる処理を実現するためのRA処理部104の詳細な構成については、説明を省略する。
[動作]
次に、基地局10が、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセットと、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセットの配分を適正化する動作について説明する。
図5は、基地局10の系列配分部103が、データベース102が収集したデータを統計分析し、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データと、無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データを生成する動作を表す。基地局10は、所定周期毎に図5に記載の動作を実行する。本実施形態では、基地局10は、一例として100ミリ秒の周期で図5の動作を実行するものとする。なお、図5の動作を実行する周期は100ミリ秒に限定されない。
データベース102は、所定のサンプル時間ごとに基地局10における競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を収集する。系列配分部103は、所定の統計時間において、データベース102が収集したプリアンブル系列数を統計処理(例えば単純平均)することで、送信時間間隔(TTI:Transmission Timing Interval)当たりに競合ベースランダムアクセス手順で要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数(N_cb)に関する統計データを生成する(ステップS101)。本実施形態では、統計時間は図5の動作周期と同一の100ミリ秒とする。ただし、統計時間は100ミリ秒に限定されない。
また、データベース102は、所定のサンプル時間ごとに基地局10における無競合ランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を収集する。系列配分部103は、所定の統計時間において、データベース102が収集した当該プリアンブル系列数を統計処理(例えば単純平均)することで、TTIあたりに無競合ランダムアクセス手順で要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数(N_ncb)に関する統計データを生成する(ステップS102)。
図6は、基地局10の系列配分部103が、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データと無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データとを用いて、ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する動作を表す。基地局10は、図5の処理の終了後、図6に記載の動作を実行する。
まず、系列配分部103は、式(1)を用いて第2のランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数「numberOfRA-Preambles」を計算する(ステップS201)。
numberOfRA-Preambles = 64 × N_cb/(N_cb + N_ncb) …(1)
次に、系列配分部103は、第2のランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数「numberOfRA-Preambles」を、当該基地局10の通信エリア内に存在するモバイル端末20に報知するように基本機能部101に指示する(ステップS202)。本実施形態では、基本機能部101は、系列配分部103からの指示をもとに、SIB2に含まれるエンティティの1つである「RACH Configuration」における「numberOfRA-Preambles」の値を更新し、以後のSIB2の報知では、更新した値を用いる。
次に、系列配分部103は、第2のランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数「numberOfRA-Preambles」を、基本機能部101を介して、基本機能部101が管理する隣接セルリストに含まれるセルを管理する隣接基地局10へ通知する(ステップS203)。本実施形態では、X2アプリケーションプロトコル(X2AP:X2 Application Protocol)で規定されるメッセージ「ENB CONFIGURATION UPDATE」に含まれるエンティティ「PRACH Configuration」を用いて通知する。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、競合ベースランダムアクセス手順に使用されたプリアンブル系列数と無競合ランダムアクセス手順に使用されたプリアンブル系列数の履歴から、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数と無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数を導出し、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセットと、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセットに配分することができる。したがって、利用可能なプリアンブル系列の不足によりランダムアクセス手順完了までに長時間を要する現象の発生頻度を軽減でき、ユーザの体感品質(QoE)を改善することができる。
<変形例>
以上、上記実施形態を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構成および詳細について、本発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更を加えることができる。
例えば、本実施形態では、データベース102は、基地局10における競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を収集していた。この代わりに、データベース102は無線通信システムへの初期接続回数と、上りリンクの同期が外れている状態(アイドル状態)で上りリンクデータ送信または下りリンクデータ受信を行った回数(ないしこれらの回数の合計数)をそれぞれ収集してもよい。
また、本実施形態では、データベース102は、基地局10における無競合ランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を収集していた。この代わりに、データベース102はハンドオーバ回数を収集してもよい。
また、本実施形態では、系列配分部103は、ステップS201において式(1)を用いて第2のランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数「numberOfRA-Preambles」を計算していた。さらに、系列配分部103は、例えば、競合ベースランダムアクセス手順に要した遅延時間の統計値、無競合ランダムアクセス手順に要した遅延時間の統計値、競合ベースランダムアクセス手順における衝突回数の統計値、RACH送信回数などを用いて式(1)から導出される値を補正してもよい。
また、本実施形態では、系列配分部103は、ステップS101にて、データベース102が所定のサンプル時間ごとに収集した基地局10における競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を所定の統計時間で単純平均していた。この代わりに、最頻値を使用してもよい。また、所定の統計時間における最大値、中央値、最小値のいずれかとしてもよい。さらに、所定の統計時間における累積密度関数の任意の値としてもよい。また、系列配分部103は、ステップS102にて、データベース102が所定のサンプル時間ごとに収集した基地局10における無競合ランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を、所定の統計時間で単純平均していた。この代わりに、最頻値を使用してもよい。また、所定の統計時間における最大値、中央値、最小値のいずれかとしてもよい。さらに、所定の統計時間における累積密度関数の任意の値としてもよい。
また、本実施形態では、系列配分部103は、ステップS101において、データベース102が所定のサンプル時間ごとに収集した基地局10における競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を、所定の統計時間で単純平均することで、競合ベースランダムアクセス手順で要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数(N_cb)に関する統計データを生成する。一方、図7に示すように、所定の統計周期(例えば24時間)において、所定の統計周期以下となる所定の統計時間(例えば1時間)毎に単純平均したN_cb(t)を時系列化したデータを統計データとしてもよい。なお、tは、所定の統計周期における時間識別変数であり、例えば、所定の統計周期が24時間であり、所定の統計時間が1時間である場合、tは1時、2時、…、23時などとなる。
また、本実施形態では、系列配分部103はステップS102においてデータベース102が所定のサンプル時間ごとに収集した基地局10における無競合ランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数を、所定の統計時間で単純平均することで、無競合ランダムアクセス手順で要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数(N_ncb)に関する統計データを生成する。一方、図7に示すように、所定の統計周期において、所定の統計周期以下となる所定の統計時間毎に単純平均したN_ncb(t)を時系列化したデータを統計データとしてもよい。この場合、系列配分部103は、図6のステップS201において、所定の統計時間毎にnumberOfRA-Preambles(t)を計算し、現在の時間がtになると、numberOfRA-Preamblesを更新し、モバイル端末20への報知(ステップS202)と隣接基地局への通知(ステップS203)を行う。
さらに、系列配分部103は、図8に示すように、上記で説明した各時系列データをそれぞれ複数生成してもよい。例えば、系列配分部103は、所定の統計周期ごとに時系列データを生成し、既に生成されている時系列データのいずれかと比較して、平均、分散、誤差の少なくとも1つが所定の割合だけ異なる場合、新たな時系列データとして生成してもよい。また、系列配分部103は機械学習(Machine Learning)により、データベース102が収集するデータの特徴量を抽出し、既に生成されている時系列データの特徴量と異なる場合、新たな時系列データとして生成してもよい。
この場合、系列配分部103は、図6に記載の動作を実行する代わりに、図9に記載の動作を実行する。図9は、図6と比較してステップS301、S302が新たに追加された点で相違する。
ステップS301では、系列配分部103はN_cbに関する複数の統計データから1つを選択する。系列配分部103は、例えば、統計データごとに、現在の時刻に対応する時間識別変数tの1つ前の時間t−1におけるN_cb(t - 1)と、競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数の最頻値とを比較し、最頻値に最も近い値を持つ統計データを選択してもよい。あるいは、系列配分部103はパターンマッチングにより、相対的に新しいプリアンブル系列数の時系列データ(例えば、直近まで競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数の時系列データ)に最も近い時系列データを持つ統計データを選択してもよい。また、系列配分部103は機械学習(Machine Learning)により、直近まで競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数の時系列データの特徴量に最も近い時系列データを持つ統計データを選択してもよい。これは、ステップ302についても同様である。
また、本実施形態では、系列配分部103はステップS202においてnumberOfRA-PreamblesをSIB2で当該基地局10の通信エリア内に存在するモバイル端末20に報知するように基本機能部101に指示する。一方、RRC Connection Reconfigurationなどの既存メッセージのエンティティとしてnumberOfRA-Preamblesを新たに追加してモバイル端末20に通知してもよい。また、新たにメッセージを定義して、numberOfRA-Preamblesをモバイル端末20に報知または通知してもよい。
本実施形態では、系列配分部103はステップS203において基本機能部101が管理する隣接セルリストに含まれるセルを管理する隣接基地局10に、X2APで規定されるメッセージ「ENB CONFIGURATION UPDATE」に含まれるエンティティ「PRACH Configuration」を用いてnumberOfRA-Preamblesを通知する。一方、X2APで規定される他のメッセージのエンティティとしてnumberOfRA-Preamblesを新たに追加して隣接基地局10に通知してもよい。また、新たにメッセージを定義してnumberOfRA-Preamblesを隣接基地局10に通知してもよい。
また、本実施形態では、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセットを「無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列」とし、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセットを「競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセット」としている。一方、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセットを「競合ベースランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセット」とし、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセットを「競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセット」とする場合にも、本実施形態を適用することができる。また、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセットを「無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列」とし、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセットを「競合ベースランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列」とする場合にも、本実施形態を適用することができる。
さらに、本実施形態は、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットについて、2つのプリアンブルセット(「Random Access Preambles group A」と「Random Access Preambles group B」)に配分する場合にも適用することができる。LTEでは、モバイル端末が基地局に通知するRRC Connection Request(RACH Msg3)のサイズが閾値messageSizeGroupAより大きく、かつ、モバイル端末の最大送信電力から閾値preambleInitialReceivedTargetPowerと閾値deltaPreambleMsg3と閾値messagePowerOffsetGroupBを引いた値がモバイル端末の伝搬損失値(pathloss)よりも大きい場合、Random Access Preambles group Bを使用する。
そこで、データベース102は、RACH Msg3サイズとpathlossについてもデータを収集する。また、系列配分部103は、上記で説明した方法と同様、RACH Msg3サイズとpathlossについてもそれぞれ統計分析し、Random Access Preambles group Aに要するプリアンブル系列数と、Random Access Preambles group Bに要するプリアンブル系列数を導出し、Random Access Preambles group Aのセットと、Random Access Preambles group Bのセットに配分する。
これらの変形例は、以下の実施形態についても同様に可能である。
<実施形態2>
次に、第2の実施形態に係る無線通信システムについて図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の無線通信システムは、インターネットなどの外部ネットワークに接続されるサーバ装置を備えている点で第1の実施形態と相違する。
[構成]
図10は、本実施形態に係る無線通信システム2の構成を例示する。無線通信システム2は、第1の実施形態に係る無線通信システム1(図2)と比較して、基地局10の代わりに基地局11を備えている。さらに、無線通信システム2は、第1の実施形態に係る無線通信システム1に加えてサーバ装置30をさらに備えている。以下では、第1の実施形態と比較して、第2の実施形態で変更された構成について説明する。
基地局11とサーバ装置30は、インターネットなどの外部ネットワークを介して通信する。また、通信回線ネットワークは、第1の実施形態と同様、インターネットなどの外部ネットワークとモバイルコアネットワークを含む。
説明の便宜上、図10においては、無線通信システム2は基地局11を2つ備えている。また、図10においては、無線通信システム2はモバイル端末20とサーバ装置30を1つずつ備えている。ただし、基地局、モバイル端末およびサーバ装置の数は図10に示した態様に限定されない。
基地局11は、第1の実施形態に係る基地局10と同様、情報処理装置50(図3)およびトランシーバ(トランスミッターおよびレシーバ)を備えている。また、情報処理装置50は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)51および記憶装置52(メモリ53およびハードディスク駆動装置(HDD:Hard Disk Drive)54)を備えている。基地局11は、記憶装置52に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現してもよい。
サーバ装置30は、時間情報、季節情報、天候情報、イベント情報など、ランダムアクセス手順の発生傾向の変動に影響を与える環境情報を取得する。さらに、サーバ装置30は、取得した環境情報を、基地局11に通知する。本実施形態では、サーバ装置30と基地局11との間に、当該情報を通知するための新たなインターフェースを設置し、当該インターフェースを介して通知する。
サーバ装置30は情報処理装置50(図3)および通信インターフェースを備えている。情報処理装置50は中央処理装置(CPU)51および記憶装置52(メモリ53およびハードディスク駆動装置(HDD)54)を備えている。サーバ装置30は、記憶装置52に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、サーバ装置30が備える機能を実現してもよい。
なお、サーバ装置30は、モバイル端末20に対して各種通信サービスを提供してもよい。例えば、サーバ装置30はWWW(World Wide Web)サーバ、FTP(File Transfer Protocol)サーバ、メールサーバ、ファイルサーバ、データベースサーバ、アプリケーションサーバ、ストリーミングサーバ、DNS(Domain Name System)サーバ、プロキシサーバ、エッジサーバなどであってもよい。このとき、環境情報の基地局11への通知は、モバイル端末20宛のデータに対応するIP(Internet Protocol)パケットに当該情報をコンカチネーションすることで行ってもよい。また、当該IPパケットのヘッダ領域に当該情報を追加することで行ってもよい。さらに、当該IPの上位層で使用されるTCP(Transmission Control Protocol)を用いて、当該IPパケットに対応するTCPパケットに当該情報をコンカチネーションすることで通知してもよい。また、当該TCPパケットのヘッダ領域に当該情報を追加することで通知してもよい。あるいは、TCPではなく、UDP(User Datagram Protocol)を用いて、当該IPパケットに対応するUDPパケットに当該情報をコンカチネーションすることで通知してもよい。また、当該UDPパケットのヘッダ領域に当該情報を追加することで通知してもよい。
図11は、図10に示す無線通信システム2における基地局11の構成を例示するブロック図である。以下では、第1の実施形態と比較して、第2の実施形態で変更された機能について説明する。
基地局11は、第1の実施形態に係る基地局10(図4)と比較して、データベース102と系列配分部103の代わりに、データベース112と系列配分部113を備えている。以下、データベース112と系列配分部113の機能について説明する。
データベース112は、サーバ装置30から通知された時間情報、季節情報、天候情報、イベント情報など、ランダムアクセス手順の発生傾向の変動に影響を与える環境情報を取得する。本実施形態では、基地局11とサーバ装置30との間に、当該情報を通知するために設置された新たなインターフェースを介して、当該情報を取得する。
なお、サーバ装置30が、環境情報の基地局11への通知に、モバイル端末20宛のデータに対応するIP(Internet Protocol)パケットに当該情報をコンカチネーションすることで行っている場合、データベース112はDPI(Deep Packet Inspection)の機能を備え、サーバ装置30から送信されたモバイル端末20宛のデータに対応するIPパケットから環境情報を取得する。このとき、データベース112は環境情報の取得後、IPパケットから環境情報を削除してもよい。なお、IPパケットの代わりにTCPパケットやUDPパケットが用いられる場合も、データベース112は同様にDPIの機能を備え、サーバ装置30から送信されたモバイル端末20宛のデータに対応する各種パケットから環境情報を取得する。
系列配分部113は、データベース112が収集したランダムアクセス手順に係るデータと、サーバ装置30から通知された時間情報、季節情報、天候情報、イベント情報など、ランダムアクセス手順の発生傾向の変動に影響を与える環境情報を統計分析し、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数と、無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数を導出する。さらに、系列配分部113は、ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する。本実施形態では、系列配分部113は無競合ランダムアクセス手順でのみ利用可能なプリアンブル系列のセットである「ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセット」と、競合ベースランダムアクセス手順と無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なプリアンブル系列のセットである「ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセット」に配分する。系列配分部113による配分結果は、基本機能部101とRA処理部104で使用される。
[動作]
次に、基地局11がランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセットと、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセットの配分を適正化する動作について説明する。
基地局11の系列配分部113が、データベース112が収集したデータを統計分析し、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データと、無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データを生成する動作手順は、図5と同様である。
ただし、図12に示すように、系列配分部113は時間情報、季節情報、天候情報、イベント情報などのカテゴリごとに、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データと、無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データを複数生成する。なお、第1の実施形態に係る基地局10の系列配分部103と同様、系列配分部113は所定の統計周期ごとに時系列データを生成し、既に生成されている時系列データのいずれかと比較して、平均、分散、誤差の少なくとも1つが所定の割合だけ異なる場合、新たな時系列データとして生成してもよい。また、系列配分部113は機械学習(Machine Learning)により、データベース112が収集するデータの特徴量を抽出し、既に生成されている時系列データの特徴量と異なる場合、新たな時系列データとして生成してもよい。
また、基地局11の系列配分部113が、競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データと無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データとから、ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する動作手順は、図9と同様である。
ただし、本実施形態では、ステップS301、S302において、系列配分部113は現在の時刻、季節、天候、イベント状態などに合致する統計データを選択する。なお、ステップS301において、第1の実施形態に係る基地局10の系列配分部103と同様、系列配分部113は統計データごとに、現在の時刻に対応する統計時間tの1つ前の時間t - 1におけるN_cb(t - 1)と、競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数の最頻値とを比較し、最頻値に最も近い値を持つ統計データを選択してもよい。また、系列配分部113はパターンマッチングにより、直近まで競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数の時系列データに最も近い時系列データを持つ統計データを選択してもよい。さらに、系列配分部113は機械学習(Machine Learning)により、直近まで競合ベースランダムアクセス手順で使用されたプリアンブル系列数の時系列データの特徴量に最も近い時系列データを持つ統計データを選択してもよい。これは、ステップ302についても同様である。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、時間情報、季節情報、天候情報、イベント情報など、ランダムアクセス手順に係るデータ以外のデータも用いて、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第1のセットと、ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の第2のセットを配分できる。したがって、本実施形態によると、利用可能なプリアンブル系列の不足によりランダムアクセス手順完了までに長時間を要する現象の発生頻度を第1の実施形態よりもさらに軽減でき、ユーザの体感品質(QoE)を改善することができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構成および詳細について、本発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更を加えることができる。
例えば、サーバ装置30が備える、時間情報、季節情報、天候情報、イベント情報など、ランダムアクセス手順の発生傾向の変動に影響を与える環境情報を取得する機能と、取得した環境情報を、基地局11に通知する機能は、基地局11とサーバ装置30との間に備わる中継装置で行ってもよい。
<その他の実施形態>
上述の実施形態は各々独立に実施してもよいし、適宜組み合わせて実施してもよい。
上述の実施形態は、次のような変形例として実施してもよい。例えば、上述の実施形態は、基地局10内または近傍に配置されたMEC(Mobile Edge Computing)を含む構成に適用してもよい。
また、これに追加して、または、これに代えて、上述の実施形態は、基地局10の機能とモバイルコアネットワークの機能を含むDC(Data Center)を含む構成に適用してもよい。すなわち、上述の実施形態における基地局10としてのDCと、モバイル端末20とを含む無線通信システムにおいて、上述の実施形態の動作を行ってもよい。また、DCはコアDCでも分散DCでもよい。
なお、本発明において、下記の形態が可能である。
[形態1]
上記第1の態様に係る無線通信制御装置のとおりである。
[形態2]
前記ランダムアクセス手順は、競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access Procedure)と、無競合ランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access Procedure)に分類され、
前記系列配分部は、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を、前記競合ベースランダムアクセス手順または前記無競合ランダムアクセス手順のいずれか一方で使用される第1のセットと、それ以外の第2のセットに配分する、
形態1に記載の無線通信制御装置。
[形態3]
前記系列配分部は、前記収集されたデータに基づき、前記競合ベースランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第1の統計データと、前記無競合ランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第2の統計データを生成し、
前記第1の統計データおよび前記第2の統計データを用いて、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を前記第1のセットと前記第2のセットに配分する、
形態2に記載の無線通信制御装置。
[形態4]
前記系列配分部は、前記競合ベースランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数と、前記無競合ランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数の比に基づき、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を前記第1のセットと前記第2のセットに配分する、
形態3に記載の無線通信制御装置。
[形態5]
前記第1の統計データおよび前記第2の統計データは、所定の統計周期において所定の統計時間毎に算出したランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の統計数を時系列化した時系列データである、
形態3または4に記載の無線通信制御装置。
[形態6]
前記系列配分部は、前記収集されたデータのうちの相対的に新しいデータに基づき、複数の前記第1の統計データの中から1つを選択するとともに、複数の前記第2の統計データの中から1つを選択する、
形態3ないし5のいずれか一に記載の無線通信制御装置。
[形態7]
前記収集されたデータは、
前記競合ベースランダムアクセス手順で使用されたランダムアクセスプリアンブル系列の数、または、無線通信システムへの初期接続回数と、上りリンクの同期が外れているアイドル状態で上りリンクデータ送信もしくは下りリンクデータ受信を行った回数との合計数、および
前記無競合ランダムアクセス手順で使用されたランダムアクセスプリアンブル系列の数、または、ハンドオーバ回数である、
形態1ないし6のいずれか一に記載の無線通信制御装置。
[形態8]
前記データベースは、前記ランダムアクセス手順の発生傾向の変動に影響を与える環境情報を収集し、
前記系列配分部は、前記収集されたデータおよび環境情報に基づき、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する、
形態1ないし7のいずれか一に記載の無線通信制御装置。
[形態9]
前記環境情報は、時間情報、季節情報、天候情報、および、イベント情報のうちの少なくともいずれかである、
形態8に記載の無線通信制御装置。
[形態10]
前記複数のセットに配分されたランダムアクセスプリアンブル系列に係る情報を、前記端末、および/または、前記基地局に隣接する他の基地局に通知する基本機能部を備える、
形態1ないし9のいずれか一に記載の無線通信制御装置。
[形態11]
前記第1のセットは、前記無競合ランダムアクセス手順でのみ使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列であり、
前記第2のセットは、前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列である、
形態2に記載の無線通信制御装置。
[形態12]
前記第1のセットは、前記競合ベースランダムアクセス手順でのみ使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列であり、
前記第2のセットは、前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列である、
形態2に記載の無線通信制御装置。
[形態13]
前記第1のセットは、前記無競合ランダムアクセス手順でのみ使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列であり、
前記第2のセットは、前記競合ベースランダムアクセス手順でのみ使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列である、
形態2に記載の無線通信制御装置。
[形態14]
前記第1のセットは、前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列のうちのRandom Access Preambles group Aに含まれるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列であり、
前記第2のセットは、前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能なランダムアクセスチャネルプリアンブル系列のうちのRandom Access Preambles group Bに含まれるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列である、
形態2に記載の無線通信制御装置。
[形態15]
形態1ないし14のいずれか一に記載の無線通信制御装置を備えた第1の基地局と、
前記複数のセットに配分されたランダムアクセスプリアンブル系列に係る情報を前記第1の基地局から取得する端末、および/または、第2の基地局と、を備える、
ことを特徴とする無線通信システム。
[形態16]
上記第3の態様に係るプリアンブル系列配分方法のとおりである。
[形態17]
前記ランダムアクセス手順は、競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access Procedure)と、無競合ランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access Procedure)に分類され、
前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を、前記競合ベースランダムアクセス手順または前記無競合ランダムアクセス手順のいずれか一方で使用される第1のセットと、それ以外の第2のセットに配分する、
形態16に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態18]
前記収集されたデータに基づき、前記競合ベースランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第1の統計データと、前記無競合ランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第2の統計データを生成するステップを含み、
前記第1の統計データおよび前記第2の統計データを用いて、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を前記第1のセットと前記第2のセットに配分する、
形態17に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態19]
前記競合ベースランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数と、前記無競合ランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数の比に基づき、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を前記第1のセットと前記第2のセットに配分する、
形態18に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態20]
前記第1の統計データおよび前記第2の統計データは、所定の統計周期において所定の統計時間毎に算出したランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の統計数を時系列化した時系列データである、
形態18または19に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態21]
前記収集されたデータのうちの相対的に新しいデータに基づき、複数の前記第1の統計データの中から1つを選択するとともに、複数の前記第2の統計データの中から1つを選択するステップを含む、
形態18ないし20のいずれか一に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態22]
前記収集されたデータは、
前記競合ベースランダムアクセス手順で使用されたランダムアクセスプリアンブル系列の数、または、無線通信システムへの初期接続回数と、上りリンクの同期が外れているアイドル状態で上りリンクデータ送信もしくは下りリンクデータ受信を行った回数との合計数、および
前記無競合ランダムアクセス手順で使用されたランダムアクセスプリアンブル系列の数、または、ハンドオーバ回数である、
形態16ないし21のいずれか一に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態23]
前記ランダムアクセス手順の発生傾向の変動に影響を与える環境情報を収集するステップを含み、
前記収集されたデータおよび環境情報に基づき、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する、
形態16ないし22のいずれか一に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態24]
前記環境情報は、時間情報、季節情報、天候情報、および、イベント情報のうちの少なくともいずれかである、
形態23に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態25]
前記複数のセットに配分されたランダムアクセスプリアンブル系列に係る情報を、前記端末、および/または、前記基地局に隣接する他の基地局に通知するステップを含む、
形態16ないし24のいずれか一に記載のプリアンブル系列配分方法。
[形態26]
上記第4の態様に係るプログラムのとおりである。
なお、上記特許文献および非特許文献の全開示内容は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
1、2 無線通信システム
3 無線通信制御装置
4、102、112 データベース
5、103、113 系列配分部
10、11 基地局
20 モバイル端末
30 サーバ装置
50 情報処理装置
51 中央処理装置(CPU)
52 記憶装置
53 メモリ
54 ハードディスク駆動装置(HDD)
101 基本機能部
104 RA処理部

Claims (9)

  1. 端末と基地局との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係るデータを収集するデータベースと、
    前記収集されたデータに基づき、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する系列配分部と、を備え、
    前記データベースは、前記ランダムアクセス手順に係るデータとして、
    競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数と、無競合ランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数と、
    を収集し、
    前記系列配分部は、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を、
    前記無競合ランダムアクセス手順でのみ使用可能な第1のセットと、
    前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能な第2のセットと、
    に分類する
    ことを特徴とする無線通信制御装置。
  2. 前記系列配分部は、前記収集されたデータに基づき、前記競合ベースランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第1の統計データと、前記無競合ランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数に関する第2の統計データを生成し、
    前記第1の統計データおよび前記第2の統計データを用いて、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を前記第1のセットと前記第2のセットに配分する、
    請求項に記載の無線通信制御装置。
  3. 前記系列配分部は、前記競合ベースランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数と、前記無競合ランダムアクセス手順に要するランダムアクセスチャネルプリアンブル系列の数の比に基づき、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を前記第1のセットと前記第2のセットに配分する、
    請求項2に記載の無線通信制御装置。
  4. 前記収集されたデータは、以下の(A)および(B)を含む、
    ただし、
    (A)は、
    (A1)前記競合ベースランダムアクセス手順の実行で使用され該手順の実行回数に対応するランダムアクセスプリアンブル系列の数、または、
    (A2)無線通信システムへの初期接続回数と、上りリンクの同期が外れているアイドル状態で上りリンクデータ送信もしくは下りリンクデータ受信を行った回数との合計数を含み
    (B)は、
    (B1)前記無競合ランダムアクセス手順の実行で使用され該手順の実行回数に対応するランダムアクセスプリアンブル系列の数、または、
    (B2)ハンドオーバ回数
    を含む
    請求項1ないしのいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
  5. 前記データベースは、前記ランダムアクセス手順の発生傾向の変動に影響を与える環境情報を収集し、
    前記系列配分部は、前記収集されたデータおよび環境情報に合致する前記競合ベースランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データと、前記無競合ランダムアクセス手順に要するプリアンブル系列数に関する統計データを選択することで、前記ランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を前記第1のセットと前記第2のセットに配分する、
    請求項1ないしのいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の無線通信制御装置を備えた第1の基地局と、
    前記第1および第2のセットに配分されたランダムアクセスプリアンブル系列に係る情報を前記第1の基地局から取得する端末、および/または、第2の基地局と、を備える、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  7. 端末と基地局との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係るデータを収集する第1のステップと、
    前記収集されたデータに基づき、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する第2のステップと、を含
    前記第1のステップでは、前記ランダムアクセス手順に係るデータとして、
    競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数と、無競合ランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数と、
    を収集し、
    前記第2のステップでは、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を、
    前記無競合ランダムアクセス手順でのみ使用可能な第1のセットと、
    前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能な第2のセットと、
    に分類する
    ことを特徴とするプリアンブル系列配分方法。
  8. 端末と基地局との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係るデータを収集する第1の処理と、
    前記収集されたデータに基づき、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する第2の処理と、
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記第1の処理は、前記ランダムアクセス手順に係るデータとして、
    競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数と、無競合ランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数と、
    を収集し、
    前記第2の処理は、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を、
    前記無競合ランダムアクセス手順でのみ使用可能な第1のセットと、
    前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能な第2のセットと、
    に分類する
    ことを特徴とするプログラム。
  9. 端末との間の無線通信を確立するためのランダムアクセス手順に係る処理を実行するランダムアクセス処理部と、
    前記ランダムアクセス手順に係るデータを収集するデータベースと、
    前記収集されたデータに基づき、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を複数のセットに配分する系列配分部と、
    を含み、
    前記データベースは、前記ランダムアクセス手順に係るデータとして、
    基地局における競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数を収取するとともに、無競合ランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access Procedure)で使用されたランダムアクセスチャネルプリアンブル系列数を収集し、
    前記系列配分部は、前記ランダムアクセス手順において使用されるランダムアクセスチャネルプリアンブル系列を、
    前記無競合ランダムアクセス手順でのみ使用可能な第1のセットと、
    前記競合ベースランダムアクセス手順および前記無競合ランダムアクセス手順のいずれにも使用可能な第2のセットと、
    に分類する、ことを特徴とする基地局。
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