以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる通信システムを示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる通信システム100は、基地局110と、端末121,122,…と、を含む。通信システム100は、たとえばLTEに規定された移動通信システムである。端末121,122,…のそれぞれは、ランダムアクセスを行うことで基地局110へアクセスする移動通信端末である。つぎに、基地局110の各構成例について説明する。
<構成例1>
基地局110は、通信部111と、計測部112と、決定部113と、を備えている。通信部111は、基地局110と端末121,122,…との間のランダムアクセスを制御する。通信部111が制御するランダムアクセスには、競合ランダムアクセスおよび非競合ランダムアクセスが含まれる。
競合ランダムアクセスは、たとえば端末が選択する共用コードをプリアンブル(競合プリアンブル)とするランダムアクセスである。競合ランダムアクセスは、端末121,122,…のうちの、基地局110への初期アクセスを行う端末や、非競合ランダムアクセスが可能であるが予約コードの不足により競合ランダムアクセスへ移行(フォールバック)する端末などによって行われる。
非競合ランダムアクセスは、たとえば基地局110が所定の端末ごとに割り当てる予約コードをプリアンブル(専用プリアンブル)とするランダムアクセスである。所定の端末は、たとえば基地局110に接続済みの端末である。基地局110に接続済みの端末は、端末121,122,…のうちの、基地局110へのハンドオーバを行う端末や、失った基地局110とのアップリンクの同期の回復を行う端末や、ポジショニングサービスを行うために基地局110へ接続する端末などである。通信部111は、決定部113から通知された数の予約コードによって非競合ランダムアクセスを行う。
計測部112は、通信部111によって制御される非競合ランダムアクセスの負荷Lncを計測する。計測部112は、計測した非競合ランダムアクセスの負荷Lncを決定部113へ通知する。たとえば、計測部112は、自局に対して予約コードが要求された数(予約要求数)を非競合ランダムアクセスの負荷Lncとして計測する。
決定部113は、計測部112から通知された非競合ランダムアクセスの負荷Lncに基づいて、通信部111によって制御される非競合ランダムアクセスに用いる予約コードの数を決定する。たとえば、決定部113は、非競合ランダムアクセスの負荷Lncに基づいて予約コードの不足率Prを算出し、算出する不足率Prが閾値より低くなるように予約コードの数を決定する。
予約コードの不足率Prは、たとえば、同一のRACHタイミングにおける予約コードの予約要求数が、予約コードの数より多くなる割合である。予約コードの数が多いほど、予約コードの不足率Prが低くなる。決定部113は、決定した予約コードの数を通信部111へ通知する。
この構成により、適切な数の予約コードを確保し、予約コードの不足を抑制することができる。これにより、非競合ランダムアクセスが可能な所定の端末が予約コードの不足により競合ランダムアクセスへ移行(フォールバック)することを抑制することができる。このため、時間のかかるフォールバックの処理を減らし、ランダムアクセスにかかる時間を短縮することができる。また、時間のかかる競合ランダムアクセスの増加を抑制し、ランダムアクセスにかかる時間をさらに短縮することができる。
<構成例2>
計測部112は、通信部111によって制御される競合ランダムアクセスの負荷Lcを計測してもよい。たとえば、計測部112は、競合ランダムアクセスの成功数を競合ランダムアクセスの負荷Lcとして計測する。競合ランダムアクセスの成功数は、たとえば、競合ランダムアクセスの試行数から競合ランダムアクセスの衝突数を減算した数である。計測部112は、計測した競合ランダムアクセスの負荷Lcを決定部113へ通知する。
決定部113は、計測部112から通知された競合ランダムアクセスの負荷Lcに基づいて、通信部111によって制御されるランダムアクセスに用いる物理チャネル(PRACH)の数を決定する。たとえば、決定部113は、競合ランダムアクセスの負荷Lcに基づいて競合ランダムアクセスの衝突率Paを算出し、算出する衝突率Paが閾値より低くなるように物理チャネルの数を決定する。
競合ランダムアクセスの衝突率Paは、たとえば、同一のRACHタイミングにおいて同一の共用コードを用いた競合ランダムアクセスが行われる割合である。物理チャネルの数が多いほど、共用コードの数が多くなり、競合ランダムアクセスの衝突率Paが低くなる。決定部113は、決定した物理チャネルの数を通信部111へ通知する。
通信部111は、決定部113から通知された数の物理チャネルによって非競合ランダムアクセスを行う。この構成により、適切な数の共用コードを確保し、競合ランダムアクセスの衝突を抑制することができる。これにより、競合ランダムアクセスの衝突による競合ランダムアクセスの繰り返しを抑制することができる。このため、ランダムアクセスにかかる時間を短縮することができる。
<構成例3>
基地局110は、上述した構成例1および構成例2を組み合わせた構成としてもよい。具体的には、計測部112は、非競合ランダムアクセスの負荷Lncと、競合ランダムアクセスの負荷Lcと、を計測する。決定部113は、非競合ランダムアクセスに用いる予約コードの数と、ランダムアクセスに用いる物理チャネルの数と、を決定する。
また、決定部113は、予約コードの数を決定し、決定した予約コードの数および競合ランダムアクセスの負荷Lcに基づいて物理チャネルの数を決定してもよい。これにより、適切な数の予約コードを確保してフォールバックを回避するとともに、競合ランダムアクセスの衝突を最小限に抑制することができる。
競合ランダムアクセスの衝突率Paは、競合ランダムアクセスの負荷Lcと、端末による共用コードの選択と、に起因して変動する。これに対して、予約コードの不足率Prは、非競合ランダムアクセスの負荷Lncに起因して変動する。したがって、競合ランダムアクセスの衝突率Paは、予約コードの不足率Prよりも不確実性が高い。このため、競合ランダムアクセスの衝突を最小限に抑制することで、ランダムアクセスにかかる時間を安定して短縮することができる。
以下の説明においては、上述した構成例3にかかる基地局110について説明する。
図2は、競合ランダムアクセスの動作例を示すシーケンス図である。図2においては、端末121が基地局110への競合ランダムアクセスを行う場合について説明する。まず、端末121が、RACHタイミングにおいてプリアンブルを基地局110へ送信する(ステップS201)。ステップS201において送信されるプリアンブルには、セル内で使用可能な共用コードの中から端末121が選択した共用コードが用いられる。
つぎに、基地局110が、ステップS201によって送信されたプリアンブルに対するランダムアクセス応答(RAR:RA Response)を端末121へ送信する(ステップS202)。ステップS202によって送信されるランダムアクセス応答には、端末121が端末情報を送信するためのアップリンクスケジューリング情報と、基地局110が受信したプリアンブルとその受信したRACHサブフレームを示す情報と、が含まれる。
つぎに、端末121が、ステップS202によって送信されたランダムアクセス応答に含まれるアップリンクスケジューリング情報に基づいて、基地局110へのスケジューリング伝送を行う(ステップS203)。ステップS203によって行われるスケジューリング伝送においては、たとえば端末121の識別情報が基地局110へ送信される。
つぎに、基地局110が、ステップS203によって行われたスケジューリング伝送に対する衝突回避メッセージを送信し(ステップS204)、一連の動作を終了する。ステップS204によって送信される衝突回避メッセージには、ステップS202において基地局110がランダムアクセス応答を送信した端末の識別情報が格納される。ステップS202において基地局110がランダムアクセス応答を送信した端末は、端末121または端末121と競合した端末である。
ステップS201においては、同一のRACHタイミングにおいて端末121および他の端末が同一の共用コードを用いたプリアンブルを送信する場合がある。この場合は、基地局110は、共用コードが同一の端末121および他の端末のうちの一方の端末の識別情報を衝突回避メッセージに格納する。
したがって、ステップS204によって送信される衝突回避メッセージに端末121の識別情報が格納されない場合がある。この場合は、端末121は、競合ランダムアクセスが衝突したと判断し、ステップS201に戻って再度競合ランダムアクセスを行う。一方、衝突回避メッセージに端末121の識別情報が格納されていた場合は、端末121は、競合ランダムアクセスが成功したと判断し、競合ランダムアクセスを終了する。
このように、競合ランダムアクセスにおいては、端末121が選択した共用コードをプリアンブルとして送信する。したがって、競合ランダムアクセスにおいては、競合回避のために、スケジューリング伝送や衝突回避メッセージの送信を行う。このため、競合ランダムアクセスは非競合ランダムアクセスに比べて時間がかかる。また、競合ランダムアクセスにおいては衝突が発生する場合があり、衝突によって競合ランダムアクセスが失敗した端末は再度競合ランダムアクセスを行う。このため、競合ランダムアクセスは非競合ランダムアクセスに比べてさらに時間がかかる。
図3は、非競合ランダムアクセスの動作例を示すシーケンス図である。図3においては、端末122が基地局110への非競合ランダムアクセスを行う場合について説明する。図3に示すステップS301,S302は、図2に示したステップS201,S202と同様である。ただし、ステップS301において送信されるプリアンブルには、基地局110が端末122へ割り当てた予約コードが用いられる。
このように、非競合ランダムアクセスにおいては、端末122は基地局110によって端末122に割り当てられた予約コードをプリアンブルとして送信するため、基地局110はプリアンブルによって端末122を識別できる。したがって、スケジューリング伝送や衝突回避メッセージの送信は行われずにランダムアクセスを終了する。
このため、非競合ランダムアクセスは競合ランダムアクセスに比べて短時間で終了する。また、非競合ランダムアクセスにおいてはプリアンブルの衝突が発生しないため、端末122は一回の非競合ランダムアクセスによって基地局110へ接続することができる。
図4は、無線フレームの一例を示す図である。図4に示す無線フレーム400は、端末121,122,…から基地局110へのアップリンクの無線フレームの一例である。無線フレーム400の長さは10[ms]である。無線フレーム400には10個のサブフレーム410が含まれている。サブフレーム410の長さは1[ms]である。
10個のサブフレーム410のうちの、斜線で示すサブフレームがRACH用のサブフレーム(PRACH)であり、他のサブフレーム410がデータ用のサブフレームであるとする。基地局110は、ランダムアクセスのパラメータとして、10個のサブフレーム410におけるRACH用のサブフレームの数(PRACH数)を設定する。
RACH用のサブフレーム410には64個のコード411を格納することができる。64個のコード411のうちの、斜線で示すコードが予約コードであり、他のコードが共用コードである。基地局110は、ランダムアクセスのパラメータとして、64個のコード411における予約コードの数を設定する。
(実施例1)
図5は、実施例1にかかる通信システムを示す図である。図5に示すように、実施例1にかかる通信システム500は、基地局510と、端末群520と、基地局530と、を含む。基地局510は、図1に示した基地局110に対応する基地局である。端末群520は、図1に示した端末121,122,…に対応する端末群である。基地局530は、基地局510に近接する基地局である。
基地局510は、ランダムアクセス部511と、無線通信インターフェース512と、プリアンブル予約処理部513と、ハンドオーバ処理部514と、ネットワークインターフェース515と、負荷計測部516と、第一パラメータ決定部517と、第二パラメータ決定部518と、同期処理部519と、を備えている。
ランダムアクセス部511は、図1に示した通信部111に対応する構成である。ランダムアクセス部511は、無線通信インターフェース512を介して、端末群520による基地局510へのランダムアクセスを制御する。たとえば、ランダムアクセス部511は、図2および図3に示した基地局110の各動作を行う。
また、ランダムアクセス部511は、無線通信インターフェース512を介して、ランダムアクセスのパラメータを端末群520へブロードキャスト配信する。ランダムアクセスのパラメータには、たとえば、時間、周波数、符号もしくは空間の割り当て量、初期送信電力、送信電力増加幅、最大再送回数、シグネチャ数、サブチャネル数などがある。
また、ランダムアクセス部511は、ハンドオーバ処理部514からハンドオーバ通知が出力されると、プリアンブル予約処理部513へプリアンブル要求を出力する。そして、ランダムアクセス部511は、プリアンブル要求に対してプリアンブル予約処理部513から出力されたプリアンブル(予約コード)をハンドオーバ処理部514へ出力する。
また、ランダムアクセス部511は、端末群520に含まれる端末に関するランダムアクセス要求が同期処理部519から出力されると、プリアンブル予約処理部513へプリアンブル要求を出力する。そして、ランダムアクセス部511は、プリアンブル要求に対してプリアンブル予約処理部513から出力されたプリアンブル(予約コード)を、端末群520のうちのランダムアクセス要求にかかる端末へ送信する。
また、ランダムアクセス部511は、プリアンブル予約処理部513から取得したプリアンブル(予約コード)による非競合ランダムアクセスが完了すると、プリアンブル予約処理部513へランダムアクセス完了通知を出力することでプリアンブルを解放させる。また、ランダムアクセス部511は、第一パラメータ決定部517および第二パラメータ決定部518から出力される各パラメータによって各ランダムアクセスを制御する。
プリアンブル予約処理部513は、非競合ランダムアクセスに用いるプリアンブル(予約コード)の予約を行う。プリアンブル予約処理部513は、ランダムアクセス部511からプリアンブル要求が出力されると、利用可能な予約コードを予約し、予約した予約コードをプリアンブルとしてランダムアクセス部511へ出力する。
ハンドオーバ処理部514は、ネットワークインターフェース515を介して、基地局530から基地局510への端末のハンドオーバの処理を行う。具体的には、基地局530は、ネットワークインターフェース515を介して基地局530からのハンドオーバ要求を取得し、取得したハンドオーバ要求に基づくハンドオーバの可否を判断する。たとえば、ハンドオーバ処理部514は、ハンドオーバが可能なリソースが基地局510にあるか否かを判断する。ハンドオーバ処理部514は、ハンドオーバが可能と判断した場合はランダムアクセス部511へハンドオーバ通知を出力する。
ハンドオーバ処理部514は、ハンドオーバ通知に対してランダムアクセス部511から出力されたプリアンブル(予約コード)を取得する。そして、ハンドオーバ処理部514は、取得したプリアンブルを含むハンドオーバ許可通知を、ネットワークインターフェース515を介して基地局530へ送信する。また、ハンドオーバ処理部514は、ハンドオーバが不可能と判断した場合は、ネットワークインターフェース515を介してハンドオーバ許可通知を基地局530へ送信する。
負荷計測部516は、図1に示した計測部112に対応する構成である。具体的には、負荷計測部516は、ランダムアクセス部511によって制御される非競合ランダムアクセスの負荷Lncを計測する。たとえば、負荷計測部516は、基地局510へのプリアンブルの予約要求数(非競合ランダムアクセスの試行数)を負荷Lncとして計測する。プリアンブルの予約要求数は、たとえば、プリアンブル予約処理部513を監視し、ランダムアクセス部511からプリアンブル予約処理部513へ送信されるプリアンブル要求の数を計測することによって計測することができる。負荷計測部516は、計測した非競合ランダムアクセスの負荷Lncを第一パラメータ決定部517へ出力する。
また、負荷計測部516は、ランダムアクセス部511によって制御される競合ランダムアクセスの負荷Lcを計測する。たとえば、負荷計測部516は、競合ランダムアクセスの成功数を負荷Lcとして計測する。競合ランダムアクセスの成功数は、たとえば、ランダムアクセス部511を監視し、ランダムアクセス部511によって端末へ送信される競合回避メッセージを計数することによって計測することができる。負荷計測部516は、計測した競合ランダムアクセスの負荷Lcを第二パラメータ決定部518へ出力する。
また、負荷計測部516は、プリアンブル予約処理部513を監視し、成功した非競合ランダムアクセスにおけるプリアンブルの予約から解放までの期間(予約期間Mrtとする)を取得する。負荷計測部516は、取得した予約期間Mrtを第一パラメータ決定部517へ出力する。
第一パラメータ決定部517および第二パラメータ決定部518は、図1に示した決定部113に対応する構成である。第一パラメータ決定部517は、負荷計測部516から出力された非競合ランダムアクセスの負荷Lncおよび予約期間Mrtに基づいて、ランダムアクセス部511によって制御される非競合ランダムアクセスの予約コード数Xを決定する。第一パラメータ決定部517は、決定した予約コード数Xをランダムアクセス部511および第二パラメータ決定部518へ出力する。
第二パラメータ決定部518は、ランダムアクセス部511によって制御される各ランダムアクセスのPRACH数Zを決定する。具体的には、第二パラメータ決定部518は、負荷計測部516からの競合ランダムアクセスの負荷Lcと、第一パラメータ決定部517からの予約コード数Xと、に基づいてPRACH数Zを決定する。第二パラメータ決定部518は、決定したPRACH数Zをランダムアクセス部511へ出力する。
同期処理部519は、無線通信インターフェース512を介して端末群520と通信を行い、基地局510と端末群520との同期処理を行う。具体的には、同期処理部519は、基地局510に接続済みの端末群520のうちの、基地局510との間のアップリンクの同期を失った端末を検出し、検出した端末によるランダムアクセスを要求するランダムアクセス要求をランダムアクセス部511へ出力する。これにより、同期を失った端末へプリアンブルが送信され、同期を失った端末が非競合ランダムアクセスを行う。
また、基地局510は、ポジショニングサービスに関するサービス部を備えていてもよい。具体的には、サービス部は、無線通信インターフェース512を介して端末群520と通信を行い、ポジショニングサービスに伴うランダムアクセスの要求を受け付ける。サービス部は、ランダムアクセスの要求を受け付けると、ランダムアクセスを要求するランダムアクセス要求をランダムアクセス部511へ出力する。
ランダムアクセス部511は、ポジショニングサービスに伴うランダムアクセス要求を取得すると、プリアンブル予約処理部513へプリアンブル要求を出力する。そして、ランダムアクセス部511は、プリアンブル要求に対してプリアンブル予約処理部513から出力されたプリアンブル(予約コード)を、端末群520のうちのポジショニングサービスにかかる端末へ送信する。これにより、ポジショニングサービスにかかる端末は、予約されたプリアンブルによって非競合ランダムアクセスを行うことができる。
基地局530は、自局のセル内の端末について基地局510へのハンドオーバを決定すると、基地局510へのハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を基地局510へ送信する。そして、基地局530は、ハンドオーバ要求に対して基地局510からハンドオーバ許可通知が送信されると、ハンドオーバ許可通知に含まれるプリアンブル(予約コード)を用いた基地局510への非競合ランダムアクセスを自セルの端末に実行させる。また、基地局530は、ハンドオーバ要求に対して基地局510からハンドオーバ不許可通知が送信されると、自セルの端末の基地局510へのハンドオーバを中止する。
ランダムアクセス部511、プリアンブル予約処理部513、ハンドオーバ処理部514、負荷計測部516、第一パラメータ決定部517、第二パラメータ決定部518および同期処理部519は、たとえば一つ以上のDSP(Digital Signal Processor)によって実現することができる。
(非競合ランダムアクセスの動作の一例)
図6は、ハンドオーバの動作例を示すシーケンス図である。図6においては、図5に示した端末群520に含まれる端末521が基地局530から基地局510へのハンドオーバを行う場合について説明する。まず、基地局530が、端末521について、基地局530から基地局510へのハンドオーバを決定したとする(ステップS601)。
つぎに、基地局530が、基地局510へのハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を基地局510へ送信する(ステップS602)。つぎに、基地局510のハンドオーバ処理部514が、ステップS602によって送信されたハンドオーバ要求に基づくハンドオーバの可否を判断する(ステップS603)。ここでは、ハンドオーバ処理部514は、ハンドオーバが可能であると判断したとする。
つぎに、ハンドオーバ処理部514が、ハンドオーバ通知をランダムアクセス部511へ出力する(ステップS604)。つぎに、ランダムアクセス部511が、ステップS604によって出力されたハンドオーバ通知に基づくハンドオーバのためのプリアンブル要求をプリアンブル予約処理部513へ出力する(ステップS605)。
つぎに、プリアンブル予約処理部513が、ステップS605によって出力されたプリアンブル要求に基づいてプリアンブルを予約する(ステップS606)。つぎに、プリアンブル予約処理部513が、ステップS606によって予約されたプリアンブル(予約コード)をランダムアクセス部511へ出力する(ステップS607)。
つぎに、ランダムアクセス部511が、ステップS607によって出力されたプリアンブルをハンドオーバ処理部514へ出力する(ステップS608)。つぎに、ハンドオーバ処理部514が、ステップS608によって出力されたプリアンブルを含むハンドオーバ許可通知を基地局530へ送信する(ステップS609)。
基地局530は、ステップS609によって送信されたハンドオーバ許可通知に含まれるプリアンブルを含むハンドオーバコマンドを端末521へ送信する(ステップS610)。つぎに、端末521が、基地局510への非競合ランダムアクセスを含むハンドオーバ処理を開始する。具体的には、端末521は、ステップS610によって送信されたハンドオーバコマンドに含まれるプリアンブルをRACHによって基地局510へ送信する(ステップS611)。
ステップS611によって送信されるプリアンブルのコードは予約コードであるため、ランダムアクセス部511は、端末521を短時間で識別することができる。つぎに、ランダムアクセス部511が、ランダムアクセス応答を端末521へ送信する(ステップS612)。これにより、端末521がハンドオーバを完了する(ステップS613)。
また、ランダムアクセス部511は、ハンドオーバが完了したことを示すランダムアクセス完了通知をプリアンブル予約処理部513へ出力する(ステップS614)。つぎに、プリアンブル予約処理部513が、ステップS606によって予約されたプリアンブルを解放し(ステップS615)、一連の動作を終了する。
図7は、同期回復の動作例を示す図である。図7においては、基地局510に接続している端末521が基地局510との間のアップリンクの同期を失った場合の同期回復について説明する。まず、同期処理部519が、タイムアウトによって基地局510との間の端末521の非同期を検出する(ステップS701)。
つぎに、同期処理部519が、端末521の同期回復のためのランダムアクセスを要求するランダムアクセス要求をランダムアクセス部511へ出力する(ステップS702)。つぎに、ランダムアクセス部511が、ステップS702によって出力されたランダムアクセス要求に基づくランダムアクセスのためのプリアンブル要求をプリアンブル予約処理部513へ出力する(ステップS703)。
つぎに、プリアンブル予約処理部513が、ステップS703によって出力されたプリアンブル要求に基づいてプリアンブルを予約する(ステップS704)。つぎに、プリアンブル予約処理部513が、ステップS704によって予約されたプリアンブル(予約コード)をランダムアクセス部511へ出力する(ステップS705)。
つぎに、ランダムアクセス部511が、ステップS705によって出力されたプリアンブルを含むランダムアクセス要求を端末521へ送信する(ステップS706)。つぎに、端末521が、ステップS706によって送信されたプリアンブルをRACHによって基地局510へ送信する(ステップS707)。
ステップS707によって送信されるプリアンブルのコードは予約コードであるため、ランダムアクセス部511は、端末521を短時間で識別することができる。つぎに、ランダムアクセス部511が、ランダムアクセス応答を端末521へ送信する(ステップS708)。これにより、端末521がランダムアクセスを完了し、基地局510との間のアップリンクの同期を回復する(ステップS709)。
また、ランダムアクセス部511は、ランダムアクセスが完了したことを示すランダムアクセス完了通知をプリアンブル予約処理部513へ出力する(ステップS710)。つぎに、プリアンブル予約処理部513が、ステップS704によって予約されたプリアンブルを解放し(ステップS711)、一連の動作を終了する。
(基地局の処理)
図8は、基地局の処理の一例を示すフローチャートである。基地局510は、たとえば図8に示す各ステップを実行することで、ランダムアクセスの負荷の計測およびパラメータの更新を行う。まず、負荷計測部516が、競合ランダムアクセスの負荷Lcおよび非競合ランダムアクセスの負荷Lncを計測する(ステップS801)。ステップS801の具体例については後述(たとえば図9参照)する。
つぎに、第一パラメータ決定部517が、ステップS801によって計測された非競合ランダムアクセスの負荷Lncに基づいて予約コード数Xを決定する(ステップS802)。たとえば、第一パラメータ決定部517は、非競合ランダムアクセスから競合ランダムアクセスへのフォールバックの不足率Prが閾値THcfb以下になる予約コード数Xを決定する。閾値THcfbは、たとえばオペレータによって設定される。ステップS802の具体例については後述(たとえば図10参照)する。
つぎに、第二パラメータ決定部518が、ステップS802によって決定された予約コード数XおよびステップS801によって計測された競合ランダムアクセスの負荷Lcに基づいてPRACH数Zを決定する(ステップS803)。たとえば、第二パラメータ決定部518は、競合ランダムアクセスにおける衝突率が閾値THc以下になるPRACH数Zを決定する。閾値THcは、たとえばオペレータによって設定される。ステップS803の具体例については後述(たとえば図11参照)する。
つぎに、ランダムアクセス部511が、ステップS802によって決定された予約コード数Xと、ステップS803によって決定されたPRACH数Zと、を含むランダムアクセスのパラメータを更新し(ステップS804)、ステップS801へ戻る。
図9は、各ランダムアクセスの負荷の計測処理の一例を示すフローチャートである。負荷計測部516は、図8に示したステップS801において、たとえば図9に示す各ステップによって負荷Lcおよび負荷Lncを計測する。まず、負荷計測部516は、タイマによる経過時間Tの計測を開始する(ステップS901)。
つぎに、負荷計測部516は、競合ランダムアクセスの成功数を計測する(ステップS902)。具体的には、負荷計測部516は、ランダムアクセス部511によって端末へ送信される競合回避メッセージの数を取得することによって、競合ランダムアクセスの成功数を計測する。つぎに、負荷計測部516は、基地局510へのプリアンブル(予約コード)の予約要求数を計測する(ステップS903)。具体的には、負荷計測部516は、ランダムアクセス部511からプリアンブル予約処理部513へ送信されるプリアンブル要求の数を取得する。
つぎに、負荷計測部516は、成功した非競合ランダムアクセスにおけるプリアンブルの予約から解放までの期間(予約期間Mrt)を記憶しておく(ステップS904)。予約中のプリアンブルは他の非競合ランダムアクセスに使用できないため、フレームごとに使用可能なプリアンブル(予約コード)の数を計算するために、負荷計測部516は、プリアンブルの予約期間Mrtを記憶しておく。
つぎに、負荷計測部516は、ステップS901によって計測を開始された経過時間Tが閾値THを超えたか否かを判断する(ステップS905)。閾値THは、ランダムアクセスの負荷を計測するために十分なサンプルを得るように決定される。経過時間Tが閾値THを超えていない場合(ステップS905:No)は、ステップS902へ戻る。
ステップS905において経過時間Tが閾値THを超えた場合(ステップS905:Yes)は、負荷計測部516は、競合ランダムアクセスの負荷Lcを算出する(ステップS906)。競合ランダムアクセスの負荷Lcは、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS902によって計測された競合ランダムアクセスの成功数の合計を経過時間Tで除算することによって算出することができる。
つぎに、負荷計測部516は、非競合ランダムアクセスの負荷Lncを算出する(ステップS907)。非競合ランダムアクセスの負荷Lncは、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS903によって計測されたプリアンブルの予約要求数の合計によって算出される。図9に示した各ステップによって、競合ランダムアクセスの負荷Lcおよび非競合ランダムアクセスの負荷Lncを計測することができる。
図10は、予約コード数の決定処理の一例を示すフローチャートである。第一パラメータ決定部517は、図8に示したステップS802において、たとえば図10に示す各ステップによって予約コード数Xを決定する。まず、第一パラメータ決定部517は、予約コード数Xを最小値に設定する(ステップS1001)。予約コード数Xの最小値は、オペレータによってあらかじめ設定される。予約コード数Xの最小値はたとえば0である。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、図8のステップS802によって算出された非競合ランダムアクセスの負荷Lncに基づいて予約コードの不足率Pr(競合フォールバックの発生率)を算出する(ステップS1002)。具体的には、第一パラメータ決定部517は、予約期間Mrtごとのプリアンブルの予約要求数を算出することで、予約要求数が空きプリアンブルの数より多くなる割合を算出する。予約コードの不足率Prの算出については後述する。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、ステップS1002によって算出された不足率Prが閾値THcfbより低いか否かを判断する(ステップS1003)。不足率Prが閾値THcfbより低くない場合(ステップS1003:No)は、第一パラメータ決定部517は、予約コード数Xを1単位分増加させ(ステップS1004)、ステップS1002へ戻る。ステップS1004においては、第一パラメータ決定部517は、たとえば予約コード数Xを、予約コードの数の変更可能単位である4だけ増加させる。
ステップS1003において不足率Prが閾値THcfbより低い場合(ステップS1003:Yes)は、第一パラメータ決定部517は、予約コード数Xを現在の値に決定し(ステップS1005)、一連の処理を終了する。また、共用コード数は64−Xとなる。以上の各ステップにより、第一パラメータ決定部517は、予約コードの不足率Prが閾値THcfbより低くなる予約コード数Xを決定することができる。
図11は、PRACHの数を算出する処理の一例を示すフローチャートである。第二パラメータ決定部518は、図8に示したステップS803において、たとえば図11に示す各ステップによってフレームごとのPRACH数Zを決定する。まず、第二パラメータ決定部518は、PRACH数Zを最小値に設定する(ステップS1101)。PRACH数Zの最小値は、オペレータによってあらかじめ設定される。PRACH数Zの最小値は、たとえば0.5である。
つぎに、第二パラメータ決定部518は、ステップS801によって計測された競合ランダムアクセスの負荷LcおよびステップS802によって決定された予約コード数Xに基づいて、競合ランダムアクセスの衝突率Paを算出する(ステップS1102)。競合ランダムアクセスの衝突率Paの算出については後述する。
つぎに、第二パラメータ決定部518は、ステップS1102によって算出された衝突率Paが閾値THcより低いか否かを判断する(ステップS1103)。衝突率Paが閾値THcより低くない場合(ステップS1103:No)は、第二パラメータ決定部518は、PRACH数Zを1単位分増加させ(ステップS1104)、ステップS1102へ戻る。たとえば、ステップS1102においては、第二パラメータ決定部518は、たとえばPRACH数Zを0.5,1,2,3,5,10,…のように増加させる。
ステップS1103において衝突率Paが閾値THcより低い場合(ステップS1103:Yes)は、第二パラメータ決定部518は、フレームごとのPRACH数Zを現在の値に決定し(ステップS1105)、一連の処理を終了する。以上の各ステップにより、第二パラメータ決定部518は、競合ランダムアクセスの衝突率Paが閾値THcより低くなるフレームごとのPRACH数Zを決定することができる。
図8〜図11に示した基地局510の動作において、予約コード数XおよびPRACH数Zなどのランダムアクセスのパラメータを端末へ配信(更新)する周期UIは、閾値THによって調整することができる(UI≒TH)。ランダムアクセスのパラメータは、基地局510のページングサイクルにおいて、ブロードキャストによって配信される。このため、ランダムアクセスのパラメータは、たとえば640[ms]〜40960[ms]に一回の周期で配信することができる。
したがって、周期UIは、たとえば、基地局510のページングサイクルに係数を乗算することによって決定する。係数には、たとえばLTEに規定されたModification Period Coeffを用いることができる。たとえば、ページングサイクルを64とし、係数を4とすると、周期UIは、64*4=256[フレーム]=2[sec]560[ms]になる。また、ページングサイクルが運用中に変化した場合は、変化したページングサイクルに基づいて周期UI(閾値TH)を更新してもよい。
(予約コードの不足率の算出)
つぎに、非競合ランダムアクセスの負荷Lncに基づく予約コードの不足率Prの算出(図10のステップS1002)の具体例について説明する。第一パラメータ決定部517は、たとえば下記(1)式によって予約コードの不足率Pr(非競合ランダムアクセスから競合ランダムアクセスへのフォールバック)を算出することができる。
Pr = CF / Lnc …(1)
Lncは、図8のステップS801によって計測された非競合ランダムアクセスの負荷Lncであり、非競合ランダムアクセスの時間ごとの試行数を示している。CFは、時間ごとの競合フォールバック数である。このように、時間ごとの競合フォールバック数CFを、非競合ランダムアクセスの時間ごとの試行数によって除算することによって予約コードの不足率Prを算出することができる。
時間ごとの競合フォールバック数CFは、たとえば、プリアンブルの予約期間Mrtごとの競合フォールバック数Mcfを算出し、競合フォールバック数Mcfとプリアンブルの予約期間Mrtとを除算することで算出することができる。予約期間Mrtは、ステップS904によって記憶されたプリアンブルの予約期間である。
具体的には、時間ごとの競合フォールバック数CFは、下記(2)式によって時間ごとの競合フォールバック数CFを算出することができる。これにより、プリアンブルの予約期間が様々であっても時間ごとの競合フォールバック数CFを算出することができる。
CF = Mcf / Mrt …(2)
プリアンブルの予約期間Mrtごとの競合フォールバック数Mcfは、たとえば下記(3)式によって算出することができる。
(Y−X)は、非競合ランダムアクセスの試行数Yに対する予約コード数Xの不足数である。P(Y)は、非競合ランダムアクセスの試行数がYとなる確率である。P(Y)は、たとえば確率分布とすることができる。各非競合ランダムアクセスの試行は互いに独立しているため、確率分布にはたとえばポアソン分布を用いることができる。したがって、予約コードの不足率Prは、たとえば下記(4)式によって算出することができる。
(競合ランダムアクセスの衝突率の算出)
つぎに、競合ランダムアクセスの負荷Lcおよび予約コード数Xに基づく競合ランダムアクセスの衝突率Paの算出(図11のステップS1102)の具体例について説明する。第二パラメータ決定部518は、たとえばポアソン分布を用いて競合ランダムアクセスの衝突率Paを算出することができる(たとえば3GPPのR2−062833およびR2−070206参照)。たとえば、第二パラメータ決定部518は、下記(5)式によって競合ランダムアクセスの衝突率Paを算出することができる。
λcは、共用コードごとの競合ランダムアクセスの成功数(試行数−衝突数)である。したがって、衝突が発生しない場合(衝突数=0)においては、試行数λcは、共用コードごとの競合ランダムアクセスの試行数である。第二パラメータ決定部518は、たとえば下記(6)式によって試行数λcを算出することができる。
Lcは、ステップS801によって計測された競合ランダムアクセスの負荷Lcであり、競合ランダムアクセスの時間ごとの成功数を示している。Zは、フレームごとのPRACH数Zである。CPは、PRACHごとの共用コード数である(CP=64−X)。
上記(5)式によって競合ランダムアクセスの衝突率Paを算出する場合は、競合ランダムアクセスの衝突の発生によって時間ごとの試行数λcが多くなる。たとえば、算出された衝突率Paが4%であり、競合ランダムアクセスの負荷Lcが570であった場合は、実際の時間ごとのランダムアクセスの試行数は570*1.04=576.8である。
たとえばニュートン法を用いることで、競合ランダムアクセスの時間ごとの試行数λcを算出することができる。算出した競合ランダムアクセスの時間ごとの試行数を上記(5)式に用いることで、競合ランダムアクセスの衝突率Paを算出することができる。
(実施例2)
図12は、実施例2にかかる通信システムを示す図である。図12において、図5に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図12に示すように、実施例2にかかる基地局510は、図5に示した構成に加えて第三パラメータ決定部1211を備えている。第三パラメータ決定部1211は、たとえば一つ以上のDSPによって実現することができる。
実施例2にかかるランダムアクセス部511は、端末群520を端末群Aおよび端末群B(複数の端末群)に分けて管理する。端末群の分類は、たとえば、端末の電波強度や、ランダムアクセス後の送信データ量などによって行う。ランダムアクセス部511は、端末群Aおよび端末群Bのそれぞれに共用コードを割り当てる。負荷計測部516は、競合ランダムアクセスの負荷Lcを端末群Aおよび端末群Bのそれぞれについて計測する。
第三パラメータ決定部1211は、負荷計測部516から出力された端末群ごとの競合ランダムアクセスの負荷Lcに基づいて、共用コードの数を端末群ごとに決定する。第三パラメータ決定部1211は、端末群ごとに決定した共用コードの数をランダムアクセス部511へ出力する。ランダムアクセス部511は、第三パラメータ決定部1211から出力された端末群ごとの共用コードの数によって競合ランダムアクセスを行う。
図13は、実施例2にかかる基地局の処理の一例を示すフローチャートである。実施例2にかかる基地局510は、たとえば図13に示す各ステップを実行することで、ランダムアクセスの負荷の計測およびパラメータの更新を行う。図13に示すステップS1301〜S1303は、図8に示したステップS801〜S803と同様である。
ただし、ステップS1301においては、負荷計測部516は、競合ランダムアクセスの負荷Lcを端末群ごとに計測する。また、ステップS1303においては、負荷計測部516は、ステップS1301によって計測された端末群ごとの競合ランダムアクセスの負荷Lcの合計を用いてフレームごとのPRACH数Zを決定する。
ステップS1303のつぎに、第三パラメータ決定部1211が、ステップS1301によって計測された端末群ごとの競合ランダムアクセスの負荷Lcの比率に基づいて、各端末群の共用コード数をそれぞれ決定する(ステップS1304)。具体的には、第三パラメータ決定部1211は、(端末群Aの負荷Lc/各端末群の負荷Lcの合計)*共用コード数によって端末群Aの共用コード数を算出する。
たとえば、ステップS1302によって決定された予約コードの数が16であり、共用コード数が64−16=48であるとする。また、端末群Aの負荷Lc(競合ランダムアクセスの成功数)が125であり、端末群Bの負荷Lcが25であるとする。この場合は、第三パラメータ決定部1211は、(125/150)*48=40を端末群Aの共用コード数として算出する。
ただし、たとえばLTEにおいては共用コード数は4の倍数であるため、第三パラメータ決定部1211は、算出した数が4の倍数でない場合は、算出した数に最も近い4の倍数を端末群Aの共用コード数として決定する。また、端末群Aの共用コード数が40である場合は、第三パラメータ決定部1211は、共用コード数−端末群Aの共用コード数=48−40=8を端末群Bの共用コード数として決定する。
つぎに、ランダムアクセス部511が、ランダムアクセスのパラメータを更新し(ステップS1305)、ステップS1301へ戻る。ステップS1305によって更新されるパラメータには、ステップS1302によって決定された予約コード数Xと、ステップS1303によって決定されたPRACH数Zと、ステップS1304によって決定された各端末群の共用コード数と、が含まれる。このように、共用コードの数を端末群ごとに決定してもよい。
図14は、端末群ごとの負荷の計測処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すステップS1401〜S1407は、図9に示したステップS901〜S907と同様である。ただし、ステップS1402において、負荷計測部516は、競合ランダムアクセスの成功数を端末群ごとに計測する。また、ステップS1406において、負荷計測部516は、ステップS1402によって端末群ごとに計測された競合ランダムアクセスの成功数に基づいて、競合ランダムアクセスの負荷Lcを端末群ごとに算出する。
(実施例3)
負荷計測部516によって計測される競合ランダムアクセスの負荷Lcや非競合ランダムアクセスの負荷Lncは、たとえばランダムアクセスの試行数の短時間での急激な変化によるバースト効果によって、実際の負荷に対して誤差を含む場合がある。
これに対して、実施例3にかかる基地局510の負荷計測部516は、計測した非競合ランダムアクセスの負荷Lncを非競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差によって補正する。これにより、第一パラメータ決定部517は、誤差の大きさに応じて補正された非競合ランダムアクセスの負荷Lncに基づいて予約コード数Xを決定することができる。
また、実施例3にかかる基地局510の負荷計測部516は、計測した競合ランダムアクセスの負荷Lcを競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差によって補正する。これにより、第二パラメータ決定部518は、誤差の大きさに応じて補正された競合ランダムアクセスの負荷Lcに基づいてPRACH数Zを決定することができる。
図15は、各ランダムアクセスの負荷の計測処理の一例を示すフローチャートである。実施例3にかかる基地局510の負荷計測部516は、図8に示したステップS801において、たとえば図15に示す各ステップによって負荷Lcおよび負荷Lncを計測してもよい。図15に示すステップS1501〜S1507は、図9に示したステップS901〜S907と同様である。
ステップS1507のつぎに、負荷計測部516は、競合ランダムアクセスの負荷の測定期間における平均値を算出する(ステップS1508)。競合ランダムアクセスの負荷の平均値は、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS1502によって複数回計測された競合ランダムアクセスの成功数の平均値である。
つぎに、負荷計測部516は、非競合ランダムアクセスの負荷の測定期間における平均値を算出する(ステップS1509)。非競合ランダムアクセスの負荷の平均値は、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS1503によって複数回計測されたプリアンブルの予約要求数の平均値である。
つぎに、負荷計測部516は、ステップS1508によって算出された平均値に基づいて、競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差σLcを算出する(ステップS1510)。競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差σLcは、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS1502によって複数回計測された競合ランダムアクセスの成功数の標準偏差である。
つぎに、負荷計測部516は、ステップS1509によって算出された平均値に基づいて、非競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差σLncを算出する(ステップS1511)。非競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差σLncは、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS1503によって複数回計測されたプリアンブルの予約要求数の標準偏差である。
つぎに、負荷計測部516は、ステップS1510によって算出された標準偏差σLcを用いて、ステップS1506によって算出された負荷Lcを補正する(ステップS1512)。たとえば、負荷計測部516は、Lc=Lc+A*σLcによって負荷Lcを補正する。係数Aは、たとえば、オペレータによってあらかじめ設定される。
つぎに、ステップS1511によって算出された標準偏差σLncを用いて、ステップS1507によって算出された負荷Lncを補正し(ステップS1513)、一連の処理を終了する。たとえば、負荷計測部516は、Lnc=Lnc+B*σLncによって負荷Lncを補正する。係数Bは、たとえば、オペレータによってあらかじめ設定される。
このように、算出した標準偏差が大きいほど、計測した負荷を増加させるように補正する。これにより、計測される負荷Lcおよび負荷Lncの誤差が大きいほど、負荷Lcおよび負荷Lncを大きな値に補正することができる。これにより、競合ランダムアクセスの負荷Lcの計測誤差による競合ランダムアクセスの衝突や、非競合ランダムアクセスの負荷Lncの計測誤差による予約コードの不足を抑制することができる。
(実施例4)
非競合ランダムアクセスには、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスと、ハンドオーバ以外(同期回復やポジショニングサービスなど)による非競合ランダムアクセスがある。ハンドオーバによる非競合ランダムアクセス(第一非競合ランダムアクセス)は、プリアンブルの予約からプリアンブルの送信までに時間がかかる(たとえば図6参照)。一方、ハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセス(第二非競合ランダムアクセス)は、基地局510に接続済みの端末に対する処理であるため、予約コードの予約からプリアンブルの送信までの時間が比較的短い(たとえば図7参照)。
したがって、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスとハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスとには負荷Lncや予約コードの不足率Prに差がある。このため、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスとハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスとでは最適な予約コード数Xが異なる。
これに対して、実施例4にかかる基地局510は、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスおよびハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスのそれぞれについて予約コード数Xを算出する。これにより、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスとハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスとのそれぞれについて最適な予約コード数Xを算出し、ランダムアクセスにかかる時間をさらに短縮することができる。
図16は、各ランダムアクセスの負荷の計測処理の一例を示すフローチャートである。実施例4にかかる基地局510の負荷計測部516は、図8に示したステップS801において、たとえば図16に示す各ステップによって負荷Lcおよび負荷Lncを計測してもよい。図16に示すステップS1601〜S1606は、図9に示したステップS901〜S906と同様である。
ただし、ステップS1603においては、負荷計測部516は、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスおよびハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスのそれぞれについて、プリアンブルの予約要求数を計測する。
また、ステップS1604においては、負荷計測部516は、成功した非競合ランダムアクセスのうちのハンドオーバによる非競合ランダムアクセスのプリアンブルの予約期間Mrtを記憶しておく。これは、ハンドオーバ以外での非競合ランダムアクセスの試行は、予約コードが予約され、予約期間Mrtがないタイミングで実行されるためである。
ステップS1606のつぎに、負荷計測部516は、ハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスの負荷Lncnhを算出する(ステップS1607)。非競合ランダムアクセスの負荷Lncnhは、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS1603によって計測されたハンドオーバによる非競合ランダムアクセスのプリアンブルの予約要求数の合計によって算出される。
つぎに、負荷計測部516は、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスの負荷Lnchoを算出する(ステップS1608)。非競合ランダムアクセスの負荷Lnchoは、たとえば、経過時間Tが閾値THを超えるまでの間にステップS1603によって計測されたハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスのプリアンブルの予約要求数の合計によって算出される。
図17は、予約コード数の決定処理の一例を示すフローチャートである。実施例4にかかる基地局510の第一パラメータ決定部517は、図8に示したステップS802において、たとえば図17に示す各ステップによって予約コード数Xを決定する。まず、第一パラメータ決定部517は、ハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスの予約コード数Xnhを最小値に設定する(ステップS1701)。予約コード数Xnhの最小値(たとえば0)は、オペレータによってあらかじめ設定される。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、ハンドオーバ以外の非競合ランダムアクセスのための予約コードの不足率Prnhを算出する(ステップS1702)。予約コードの不足率Prnhは、図16のステップS1607によって算出された、ハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスの負荷Lncnhに基づいて算出される。予約コードの不足率Prnhについては、上述した予約コードの不足率Prの算出と同様である。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、ステップS1702によって算出された不足率Prnhが閾値THcfbより低いか否かを判断する(ステップS1703)。不足率Prnhが閾値THcfbより低くない場合(ステップS1703:No)は、第一パラメータ決定部517は、予約コード数Xnhを1単位だけ増加させ(ステップS1704)、ステップS1702へ戻る。ステップS1704においては、第一パラメータ決定部517は、たとえば予約コード数Xnhを、予約コードの数の変更可能単位である4だけ増加させる。
ステップS1703において不足率Prnhが閾値THcfbより低い場合(ステップS1703:Yes)は、第一パラメータ決定部517は、予約コード数Xnhを現在の値に決定する(ステップS1705)。以上の各ステップにより、第一パラメータ決定部517は、予約コードの不足率Prnhが閾値THcfbより低くなるように、ハンドオーバ以外による非競合ランダムアクセスの予約コード数Xnhを決定することができる。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスの予約コード数Xhoを最小値に設定する(ステップS1706)。予約コード数Xhoの最小値(たとえば0)は、オペレータによってあらかじめ設定される。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスの予約コードの不足率Prhoを算出する(ステップS1707)。予約コードの不足率Prhoは、図16のステップS1608によって算出された、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスの負荷Lnchoに基づいて算出される。予約コードの不足率Prhoについては、上述した予約コードの不足率Prの算出と同様である。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、ステップS1707によって算出された不足率Prhoが閾値THcfbより低いか否かを判断する(ステップS1708)。不足率Prhoが閾値THcfbより低くない場合(ステップS1708:No)は、第一パラメータ決定部517は、予約コード数Xhoを1単位だけ増加させ(ステップS1709)、ステップS1707へ戻る。ステップS1709においては、第一パラメータ決定部517は、たとえば予約コード数Xhoを、予約コードの数の変更可能単位である4だけ増加させる。
ステップS1708において不足率Prhoが閾値THcfbより低い場合(ステップS1708:Yes)は、第一パラメータ決定部517は、予約コード数Xhoを現在の値に決定する(ステップS1710)。以上の各ステップにより、第一パラメータ決定部517は、予約コードの不足率Prhoが閾値THcfbより低くなるように、ハンドオーバによる非競合ランダムアクセスの予約コード数Xhoを決定することができる。
つぎに、第一パラメータ決定部517は、ステップS1705によって決定された予約コード数Xnhと、ステップS1710によって決定された予約コード数Xhoと、の合計(Xnh+Xho)が閾値minより大きいか否かを判断する(ステップS1711)。Xnh+Xhoが閾値minより大きい場合(ステップS1711:Yes)は、予約コード数XをXnh+Xhoに決定し(ステップS1712)、一連の処理を終了する。
ただし、たとえばLTEにおいては予約コード数Xは4の倍数であるため、算出した数が4の倍数でない場合は、算出した数より高く、算出した数に最も近い4の倍数を予約コード数Xとして決定する。たとえば、算出したXnh+Xhoが14である場合は、14より高く、14に最も近い4の倍数である16を予約コード数Xとして決定する。
ステップS1711においてXnh+Xhoが閾値minより大きくない場合(ステップS1711:No)は、予約コード数Xを閾値minに決定し(ステップS1713)、一連の処理を終了する。
(実施例5)
ランダムアクセスのパラメータは、基地局510のページングサイクルにおいて、ブロードキャストなどによって配信される。このため、ランダムアクセスのパラメータの更新を頻繁に行うと、基地局510および端末群520の負荷が大きくなる。
これに対して、実施例5にかかるランダムアクセス部511は、第一パラメータ決定部517によって決定された予約コード数Xと、非競合ランダムアクセスに設定している予約コードの現在の数と、の差分が閾値以下である場合は、予約コード数Xを更新しない。この場合は、ランダムアクセス部511は、現在の数の予約コードによって非競合ランダムアクセスを制御する。
また、ランダムアクセス部511は、第二パラメータ決定部518によって決定されたPRACH数Zと、競合ランダムアクセスに設定しているPRACH数Zの現在の数と、の差分が閾値以下である場合は、PRACH数Zを更新しない。この場合は、ランダムアクセス部511は、現在の数のPRACH数によって競合ランダムアクセスを制御する。
図18は、実施例5にかかる通信システムを示す図である。図18において、図5に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図18に示すように、実施例5にかかる基地局510は、図5に示した構成に加えて更新判断部1811を備えている。第一パラメータ決定部517は、決定したパラメータ(予約コード数X)を更新判断部1811へ出力する。第二パラメータ決定部518は、決定したパラメータ(PRACH数Z)を更新判断部1811へ出力する。
更新判断部1811は、ランダムアクセス部511によって現在使用されている各パラメータをランダムアクセス部511から取得する。また、更新判断部1811は、第一パラメータ決定部517および第二パラメータ決定部518から出力された各パラメータの少なくともいずれかについて、ランダムアクセス部511によって現在使用されている各パラメータとの差分を算出する。
そして、更新判断部1811は、算出した差分が閾値より大きいパラメータについてはランダムアクセス部511へ出力する。これにより、ランダムアクセス部511においてパラメータが更新される。また、更新判断部1811は、算出した差分が閾値より大きくないパラメータについてはランダムアクセス部511へ出力しない。この場合は、ランダムアクセス部511においてパラメータが更新されない。更新判断部1811は、たとえば一つ以上のDSPによって実現することができる。
図19は、実施例5にかかる基地局の処理の一例を示すフローチャートである。実施例5にかかる基地局510は、たとえば図19に示す各ステップを実行することで、ランダムアクセスの負荷の計測およびパラメータの更新を行う。図19に示すステップS1901〜S1903は、図8に示したステップS801〜S803と同様である。
ステップS1903のつぎに、更新判断部1811が、今回のパラメータNおよび前回のパラメータOを取得する(ステップS1904)。今回のパラメータNは、直前のステップS1902,S1903によって決定された予約コード数XおよびPRACH数Zである。前回のパラメータOは、たとえばランダムアクセス部511から取得される。
つぎに、更新判断部1811が、ステップS1904によって取得されたパラメータNおよびパラメータOの差分(|O−N|)が閾値cTHより大きいか否かを判断する(ステップS1905)。閾値cTHは、たとえばオペレータによってあらかじめ設定される。たとえば、更新判断部1811は、予約コード数Xの前回と今回の差分およびPRACH数Zの前回と今回の差分が閾値cTHより大きいかを判断する。パラメータNおよびパラメータOの差分が閾値cTHより大きくない場合(ステップS1905:No)は、ステップS1901へ戻る。
ステップS1905において、パラメータNおよびパラメータOの差分が閾値cTHより大きい場合(ステップS1905:Yes)は、ステップS1906へ移行する。ステップS1906は、図8に示したステップS804と同様である。
ここでは、ステップS1905において、予約コード数XおよびPRACH数Zの各差分が閾値cTHより大きいかを判断する場合について説明したが、予約コード数XおよびPRACH数Zの各差分の少なくとも一方が閾値cTHより大きいかを判断してもよい。この場合は、更新判断部1811は、予約コード数XおよびPRACH数Zのうちの差分が閾値cTHより大きいパラメータについてはステップS1906へ移行する。また、更新判断部1811は、予約コード数XおよびPRACH数Zのうちの差分が閾値cTHより大きくないパラメータについてはステップS1901へ戻る。
(予約コードの数が最適化されるまでの時間の短縮)
図20は、予約コードの数が最適化されるまでの時間の短縮を示すグラフである。図20において、横軸はRACHのパラメータを更新するサイクルを示し、縦軸は予約コード数Xを示している。特性2001は、RACH品質が最適化されるまでランダムアクセスのパラメータの増減を繰り返す従来の基地局におけるサイクルごとの予約コード数Xの変化を参考として示している。特性2001に示すように、従来の基地局では、予約コード数Xが最適化されて収束するまでに複数のサイクルを要する(ここでは4サイクル)。
特性2002は、基地局510におけるサイクルごとの予約コード数Xの変化を示している。特性2002に示すように、基地局510は、非競合ランダムアクセスの負荷Lncを計測し、計測結果に基づいて最適な予約コード数Xを決定するため、1サイクルで予約コード数Xを収束させることができる。また、PRACH数Zについても同様に、基地局510は、競合ランダムアクセスの負荷Lcを計測し、計測結果に基づいて最適なPRACH数Zを決定するため、1サイクルでPRACH数Zを収束させることができる。このため、基地局510によれば、ランダムアクセスのパラメータを最適化してランダムアクセスの品質を向上するまでの時間を短縮することができる。
また、ランダムアクセスの複数のパラメータを制御する場合は、一つのパラメータの変更が他のパラメータに関する品質に影響するため、従来の基地局では、各パラメータが最適値に収束するまでにさらに時間がかかる。これに対して、基地局510は、予約コード数Xを決定し、決定した予約コード数Xおよび競合ランダムアクセスの負荷Lcに基づいてPRACH数Zを決定するため、予約コード数XおよびPRACH数Zを1サイクルで決定することができる。
以上説明したように、基地局および制御方法によれば、ランダムアクセスにかかる時間を短縮することができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)基地局が端末ごとに割り当てる予約コードをプリアンブルとする非競合ランダムアクセスを含むランダムアクセスを制御する基地局において、
前記非競合ランダムアクセスの負荷を計測する計測部と、
前記計測部によって計測された前記非競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記予約コードの数を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された数の予約コードによって前記非競合ランダムアクセスを制御する通信部と、
を備えることを特徴とする基地局。
(付記2)前記決定部は、前記非競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記予約コードの不足率を算出し、算出する不足率が閾値より低くなるように前記予約コードの数を決定することを特徴とする付記1に記載の基地局。
(付記3)前記計測部は、自局に対して前記予約コードが要求された数を前記非競合ランダムアクセスの負荷として計測することを特徴とする付記1または2に記載の基地局。
(付記4)前記計測部は、計測した前記非競合ランダムアクセスの負荷を前記非競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差によって補正し、
前記決定部は、前記計測部によって補正された前記非競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記予約コードの数を決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の基地局。
(付記5)前記計測部は、前記非競合ランダムアクセスのうちのハンドオーバによる第一非競合ランダムアクセスと、前記非競合ランダムアクセスのうちの前記第一非競合ランダムアクセスと異なる第二非競合ランダムアクセスと、の各負荷を計測し、
前記決定部は、前記計測部によって計測された前記各負荷に基づいて、前記第一非競合ランダムアクセスおよび前記第二非競合ランダムアクセスのそれぞれについて前記予約コードの数を決定することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の基地局。
(付記6)前記通信部は、前記決定部によって決定された前記予約コードの数と、前記非競合ランダムアクセスに設定している前記予約コードの現在の数と、の差分が閾値以下である場合は、前記現在の数の予約コードによって前記非競合ランダムアクセスを制御することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の基地局。
(付記7)端末が選択する共用コードをプリアンブルとする競合ランダムアクセスおよび前記非競合ランダムアクセスを含むランダムアクセスを制御する基地局において、
前記計測部は、前記競合ランダムアクセスの負荷を計測し、
前記決定部は、前記計測部によって計測された前記競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記ランダムアクセスの物理チャネルの数を決定し、
前記通信部は、前記決定部によって決定された数の物理チャネルによって前記ランダムアクセスを制御することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の基地局。
(付記8)前記決定部は、前記競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記競合ランダムアクセスの衝突率を算出し、算出する衝突率が閾値より低くなるように前記物理チャネルの数を決定することを特徴とする付記7に記載の基地局。
(付記9)前記計測部は、前記競合ランダムアクセスの成功数を前記競合ランダムアクセスの負荷として計測することを特徴とする付記7または8に記載の基地局。
(付記10)前記決定部は、前記予約コードの数を決定し、決定した予約コードの数および前記競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記物理チャネルの数を決定することを特徴とする付記7〜9のいずれか一つに記載の基地局。
(付記11)前記通信部は、複数の端末群のそれぞれに前記共用コードを割り当て、
前記計測部は、前記競合ランダムアクセスの負荷を前記端末群ごとに計測し、
前記決定部は、前記計測部によって計測された前記端末群ごとの負荷に基づいて、前記共用コードの数を前記端末群ごとに決定することを特徴とする付記7〜10のいずれか一つに記載の基地局。
(付記12)前記計測部は、計測した前記競合ランダムアクセスの負荷を前記競合ランダムアクセスの負荷の標準偏差によって補正し、
前記決定部は、前記計測部によって補正された前記競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記物理チャネルの数を決定することを特徴とする付記7〜11のいずれか一つに記載の基地局。
(付記13)前記通信部は、前記決定部によって決定された前記物理チャネルの数と、前記競合ランダムアクセスに設定している前記物理チャネルの現在の数と、の差分が閾値以下である場合は、前記現在の数の物理チャネルによって前記競合ランダムアクセスを制御することを特徴とする付記7〜12のいずれか一つに記載の基地局。
(付記14)端末が選択する共用コードをプリアンブルとする競合ランダムアクセスを含むランダムアクセスを制御する基地局において、
前記競合ランダムアクセスの負荷を計測する計測部と、
前記計測部によって計測された前記競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記ランダムアクセスの物理チャネルの数を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された数の物理チャネルによって前記ランダムアクセスを制御する通信部と、
を備えることを特徴とする基地局。
(付記15)基地局が端末ごとに割り当てる予約コードをプリアンブルとする非競合ランダムアクセスを含むランダムアクセスを制御する基地局による制御方法において、
前記非競合ランダムアクセスの負荷を計測し、
計測した前記非競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記予約コードの数を決定し、
決定した数の予約コードによって前記非競合ランダムアクセスを制御することを特徴とする制御方法。
(付記16)端末が選択する共用コードをプリアンブルとする競合ランダムアクセスを含むランダムアクセスを制御する基地局による制御方法において、
前記競合ランダムアクセスの負荷を計測し、
計測された前記競合ランダムアクセスの負荷に基づいて前記ランダムアクセスの物理チャネルの数を決定し、
決定した数の物理チャネルによって前記ランダムアクセスを制御することを特徴とする制御方法。